説明

顆粒状乾燥スープ及びその製造法

【課題】原材料が備えていた香気成分や、原材料本来の風味を有すると共に、使用されている原材料に基づく味の一体感を備えていて、溶解性に優れた顆粒状の乾燥スープを提供する。
【解決手段】乾燥スープのベースとなる調味液を、ベルト式減圧乾燥機を用いて一乾燥工程で乾燥することにより顆粒状の乾燥スープを製造する顆粒状乾燥スープの製造方法と、これによって製造した顆粒状乾燥スープ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥スープ及びその製造法に関し、特に、乾燥、混合、顆粒という3つの工程を一つの乾燥法のみでできる顆粒状乾燥スープとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水、お湯または牛乳などを注ぐだけで飲むことが出来る乾燥スープは、通常に調理するスープに比べ簡便に飲用できるものとして、様々なものが開発されている。
【0003】
なお、本発明において、「乾燥スープ」とは、農林水産省において、品質表示基準が示されている乾燥スープを含み、更に、野菜・果実・畜肉・魚介等様々な素材の抽出液や、食品素材などを混合し、乾燥することによって製造され、水、お湯または牛乳などを注ぐだけで飲むことが出来る乾燥スープ及び、これに類似している食品のすべてを含むものである。
【0004】
一般的に、乾燥スープを製造するには原料個々に抽出、濃縮、乾燥の工程が必要であるとされている。また、顆粒状の乾燥スープを製造する場合には、前記のようにして準備した粉末状のものを合わせて混合し、その後、造粒することが更に必要であるとされている。いずれにしても、顆粒状の乾燥スープを製造する場合には、複数の乾燥工程(例えば、粉末化する工程における乾燥と、造粒工程における乾燥という2回の乾燥工程)を必要とするものが一般的であった(特許文献1、2、3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−125783号公報
【特許文献2】特開2007−6835号公報
【特許文献3】特開2009−39108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
乾燥スープの製造において必須になっている乾燥工程により、乾燥スープの原材料が備えていた香気成分が揮散する、或いは本来の風味が損失するといった問題がある。特に、エキスの乾燥粉末化工程における香気成分の揮散は著しかった。
【0007】
また、上述したように、原料を抽出、濃縮、乾燥して粉末状の乾燥スープにする場合、これに、水、お湯または牛乳などを注いだときの溶解性が十分ではなく、溶けにくいことがあるので、溶解性を改善すべく、再度、造粒工程を加え、お湯や水で溶けやすい顆粒状にする工夫がされていた。この場合には、抽出、乾燥工程を経て一度加熱し、粉末化された原料を、再度、混合する工程では調理したことにならず味のばらつきが生じ、一体感にかける乾燥スープになってしまうという問題があった。また、粉末化の際の加熱に加えて、造粒工程における加熱を繰り返すことで、原料となる食品の本来の風味、有効成分の損失も大きくなるという問題があった。
【0008】
そこで本発明では、原材料が備えていた香気成分や、原材料本来の風味を有すると共に、使用されている原材料に基づく味の一体感を備えていて、溶解性に優れた顆粒状の乾燥スープを提供すること目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的の請求項1記載の発明は、
乾燥スープのベースとなる調味液を、ベルト式減圧乾燥機を用いて一乾燥工程で乾燥することにより顆粒状の乾燥スープを製造する顆粒状乾燥スープの製造方法
である。
【0010】
請求項2記載の発明は、
前記調味液の固形分濃度(Bx)をBx65〜Bx73としたことを特徴とする請求項1記載の顆粒状乾燥スープの製造方法
である
請求項3記載の発明は、
前記調味液の粘度を1000〜10000mPa・sとしたことを特徴とする請求項1又は2記載の顆粒状乾燥スープの製造方法
である。
【0011】
請求項4記載の発明は、
前記ベルト式減圧乾燥機による乾燥工程は、1.33×10Pa〜1.73×10Pa、50℃〜150℃の条件で行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の顆粒状乾燥スープの製造方法
である。
【0012】
請求項5記載の発明は、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の製造方法で製造した顆粒状乾燥スープ
である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、原材料が備えていた香気成分や、原材料本来の風味を有すると共に、使用されている原材料に基づく味の一体感を備えていて、溶解性に優れた顆粒状の乾燥スープを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明が提案する、顆粒状乾燥スープの製造方法は、乾燥スープのベースとなる調味液を、ベルト式減圧乾燥機(CVD)を用いて一乾燥工程で乾燥することにより顆粒状の乾燥スープを製造するものである。
【0015】
本願の発明者等は、乾燥スープのベースとなる調味液を乾燥粉末化し、その後、再度、混合・造粒する工程を加えた場合、より加工度が高くなり、風味の損失も大きくなることに着目し、前記調味液を液体の状態で調液し、一乾燥工程で乾燥することにより顆粒状の乾燥スープを製造する方法を見出したものである。この一乾燥工程での調味液の顆粒状化には、ベルト式減圧乾燥機(CVD)を用いることができる。一乾燥工程での調味液の顆粒状化には、低温での減圧乾燥が望ましい。
【0016】
本発明による顆粒状の乾燥スープの製造方法は、顆粒状の乾燥スープを製造する工程において、従来、採用されていた、乾燥、混合、造粒という3つの製造工程を一括することで本来の風味の損失を最小限に抑えるようにしたものである。
【0017】
本発明による顆粒状の乾燥スープの製造方法によって製造する本発明の顆粒状乾燥スープは、原材料が備えていた香気成分や、原材料本来の風味を有すると共に、使用されている原材料に基づく味の一体感を備えていて、溶解性に優れたものとなる。これは、前述したように、乾燥スープのベースとなる調味液から一度の乾燥工程で溶解性に優れた顆粒状の乾燥スープの完製品を作ることで可能になったものである。
【0018】
すなわち、前記本発明の製造方法によって製造した顆粒状乾燥スープは、味の一体感と調理感を有し、更に、空気を含んだ多孔質の粒で溶解性に優れた乾燥スープになる。
【0019】
前記において、乾燥スープのベースとなる調味液は、従来から、粉末状の乾燥スープ、顆粒状の粉末スープを製造する際に、野菜・果実・畜肉・魚介・乳製品等の原材料から調製していた調味液を用いることができる。
【0020】
例えば、野菜・果実・畜肉・魚介・乳製品等の生鮮または調理したもの、或は、これらから、圧搾、熱水抽出、磨砕、濃縮、酵素分解等の工程を経て得られた抽出液などの液体や、ペーストまたは粉末を用い、これと、塩、砂糖等の調味料、デキストリン、澱粉等の必要な賦形剤を主な原料として調製することができる。
【0021】
このように、本願の発明者等は、生鮮な野菜・果実・畜肉・魚介・乳製品などや、それらの抽出液と、その他の素材を採用し、風味を整えた、乾燥スープのベースとなる調味液を作り、ベルト式減圧乾燥機(CVD)を用いた減圧乾燥により、風味の損失を抑え、調理感を有する溶解性に優れた顆粒状の乾燥スープを一括して製造する方法を見出し、本発明に到達したのである。
【0022】
前記の抽出液は、原料から得た抽出液である。すなわち、野菜・果実類・畜肉・魚介の生鮮または調理したものを圧搾する又は水性溶媒を加えて抽出して得た抽出液(液体状、ペースト状を含む)、又は、素材そのものを磨砕・調理して得た抽出液(液体状、ペースト状を含む)である。なお、このようにして得た抽出液(ペースト状態の物も含む)を組み合わせ、前述した乾燥スープのベースとなる調味液を調製するためのベース調味料にすることができる。
【0023】
この際使用する原料、例えば、野菜・果実類には、オニオン、ガーリック、ジンジャー、セロリ、白菜、キャベツ、人参、きのこ類、ストロベリー、バナナ、アップルなどをあげることができる。畜肉には、牛、豚、鶏等をあげることができ、魚介はエビ、かに等を上げることができる。これらの野菜・果実・畜肉・魚介系そのもの或いは、天然調味料の原料として使用され得るものはいずれも抽出液の原料として使用可能である。
【0024】
前記原料や、抽出液、ベース調味料を用いて、前述した乾燥スープのベースとなる調味液を調製する。ここでは、ベルト式減圧乾燥機(CVD)を用いた一乾燥工程での調味液からの顆粒状化を考慮して、デキストリンや澱粉といった賦形剤を配合し、濃度と流動性を調整する。
【0025】
本発明においては、目的とする風味に合わせて、原料の選択、調液時の加熱、前処理、乾燥条件を設定することができる。
【0026】
目的とする風味とは、例えば、フレッシュ感、調理感・煮込み感、具材感、本物感、乳感やスパイス感などである。
【0027】
これらの風味は、原料の選択、前述した乾燥スープのベースとなる調味液を調製する調液時の加熱温度・時間などの調整によって得られる。
【0028】
例えば、フレッシュ感を目的とする場合、果実や野菜のフレッシュな香りや風味が求められるため、生鮮な果実や野菜のペーストやそれらを搾汁・濃縮したエキスを主な原料とし、食塩、砂糖及び澱粉、デキストリン等を適宜添加し、調液する。乳感は、乳のコクや濃厚感を有する乳製品を主な原料とする。このように、原料の選択や、乾燥スープのベースとなる調味液を調製する処理工程を調整することによって、フレッシュ感や乳感のある顆粒状の乾燥スープにすることができる。
【0029】
また、前述した乾燥スープのベースとなる調味液を調製する調液時の加熱温度を高めに設定し、加熱時間を長くすることで、調理感とロースト感、煮込み感を得られる。このように、乾燥スープのベースとなる調味液を調製する処理工程において温度を制御したり、処理工程を調整することによって、調理感、ロースト感、煮込み感などのある顆粒状の乾燥スープにすることができる。
【0030】
具材感、本物感を追求する場合は、素材そのもの、或はすり潰しや調理、酵素分解などの工程を加えて、調液をする。このように、原料の選択や、乾燥スープのベースとなる調味液を調製する処理工程を調整することによって、具材感、本物感のある乾燥スープにすることができる。
【0031】
上記のように乾燥スープのベースとなる調味液を調製する段階での加熱工程の調整、例えば、加熱温度と加熱時間の管理で、調理感、ロースト感、煮込み感を調整することができる。調液時の加熱温度は60℃以上にし、加熱時間は10分〜2時間とすることができる。
【0032】
低温・短時間での加熱は素材本来の風味を残すことができる。反面、高温・長時間の加熱は煮込み感・調理感を付与できる。
【0033】
ベルト式減圧乾燥機(CVD)を用いた一乾燥工程での調味液からの顆粒状化において、調味液の流動性が生産効率と収率に直接影響を与える要因なる。そこで、乾燥スープのベースとなる調味液を調製する処理、すなわち、前処理では、調味液の固形分濃度、粘度を調整・管理することが望ましい。
【0034】
固形分濃度は、調液の物性により例外もあるが、本発明においては、Bx65〜Bx73に調整するのが望ましい。
【0035】
粘度は、本発明においては、1000〜10000mPa・sが望ましい。粘度の弱いものに対し、デキストリンの選択や澱粉の投入、添加量の調整を行うか、冷却温度を下げて前記範囲の適度な粘度にすることも一つの方法である。
【0036】
乾燥工程では、調味液の乾燥固形化することにより、調味液を、顆粒状の乾燥スープにする、すなわち、調味液を、空気を含んだ多孔質状の乾燥スープにする。本発明でこの乾燥工程に真空ベルト減圧乾燥法を採用している。なお、乾燥工程にあたって、この技術分野で公知のように、品質を維持する目的で、前記調味液に対して酸化防止剤等を添加してもよい。
【0037】
低温・短時間の加熱は素材本来の風味を残すことができ、従って真空ベルト乾燥では、乾燥中品温が極めて低く圧力が6.67×10Pa以下の場合は、通常沸点は60℃以下となり、4.00×10Pa以下の場合は、沸点は40℃以下となり、1.33×10Pa以下の場合は、沸点は約20℃以下となり、0.67×10Pa以下の場合は、沸点は10℃度以下となる。
【0038】
本発明においては、目的とする風味によって設定条件を変えることが可能であるが、真空度1.33×10Pa〜1.73×10Pa、加熱温度50℃〜150℃の条件で行うことが望ましい。また、この場合の、真空ベルト乾燥機(CVD)を用いた乾燥工程は8分〜20分という短い時間で行うことが望ましい。
【0039】
なお、前述した目的とする風味(フレッシュ感、調理感・煮込み感、具材感、本物感、乳感やスパイス感)などを発揮させるため、真空ベルト減圧乾燥法における圧力や、温度を調整することもできる。
【0040】
前記のように、真空ベルト減圧乾燥法により一乾燥工程で調味液を顆粒状化した後、必要とする粒子の大きさに応じて粉砕・整粒を行う。この粉砕・整粒工程では、必要とする粒子の大きさに応じて、ラインミルのクリアランスと回転数の調整をする。
【0041】
以上に説明した本発明の顆粒状の乾燥スープの製造方法によって製造する本発明の顆粒状乾燥スープは、農林水産省の乾燥スープ品質表示基準に乗っ取ったものである。
【0042】
以上に説明した本発明の顆粒状の乾燥スープの製造方法によれば、調理感と一体感、フレッシュ感を有する乾燥スープを一回の乾燥工程によって製造可能である。
【0043】
次にいくつかの実施例によって本発明を具体的に説明する。
【実施例1】
【0044】
フレッシュ感を追求した顆粒状の乾燥野菜スープを製造した。
【0045】
乾燥スープのベースとなる調味液を、低温抽出により得られた野菜の濃縮液を用いて、次のように調製した。
【0046】
カットトマト20.0g、トマトペースト15.0g、上白糖15.0g、並塩12.0g、野菜ブロス8.0g、オニオンエキス8.0g、チキンエキス4.5g、油3.0g、酵母エキス1.0g、スパイス0.2g、調味料(アミノ酸)0.22gを用い、これらのベースとなる調味液にデキストリンを加え撹拌・混合し、BXを約73に調整した。
【0047】
これを、80℃、20分にて加熱調理殺菌した後、真空ベルト乾燥機(CVD)を用い、真空度1.33×10Pa〜1.69×10Pa、加熱温度105〜125℃℃にて13.5分、乾燥し、空気を含んだ多孔質状の乾燥野菜スープを95g得た。
【0048】
これを、ラインミルを用いて、所望の粒径からなる顆粒状の乾燥野菜スープとした。
【0049】
製造した顆粒状の乾燥野菜スープ10gをお湯150ccで溶かしたところ、簡単に溶解した。これを飲食したところ、フレッシュ感のある野菜スープであった。
【実施例2】
【0050】
調理感、煮込み感のある顆粒状の乾燥オニオンスープを製造した。
【0051】
乾燥スープのベースとなる調味液を、ソテーした玉葱を配合し、次のように、オニオンコンソメ風に調液した。
【0052】
並塩14.0g、上白糖16.0g、ソテーオニオン10.0g、オニオンエキス6.0g、野菜エキス4.0g、チキンエキス3.0g、酵母エキス2.0g、スパイス0.05g、調味料(アミノ酸)、カラメル色素1.0gを用い、これらのベースとなる調味液にデキストリンを加え撹拌・混合、加水し、BXを約73に調整した。
【0053】
これを、80度〜100℃で30分以上加熱調理殺菌した後、真空ベルト乾燥機(CVD)を用い、真空度1.33×10Pa〜1.69×10Pa、加熱温度105℃〜135℃にて、13.5分乾燥し、空気を含んだ多孔質状の乾燥オニオンスープを95g得た。
【0054】
これを、ラインミルを用いて、所望の粒径からなる顆粒状の乾燥オニオンスープとした。
【0055】
製造した顆粒状の乾燥オニオンスープ8gをお湯150ccで溶かしたところ、簡単に溶解した。これを飲食したところ、調理感、煮込み感のあるオニオンスープであった。
【実施例3】
【0056】
具材感のある顆粒状の乾燥コーンスープを製造した。
【0057】
コーンペースト80g、砂糖25.0g、油脂調整粉末15.0g、チキンエキス6.0g、食塩5.0g、酵母エキス1.0g、バター3.0g、調味料(アミノ酸)0.2gを用い、これらのベースとなる調味液にデキストリンを加え撹拌・混合、加水し、BXを約73に調整した。
【0058】
これを、80℃、20分にて加熱調理殺菌した後、真空ベルト乾燥機(CVD)を用い、真空度1.33×10Pa〜1.69×10Pa、加熱温度105℃〜135℃にて、15分乾燥し、空気を含んだ多孔質状の乾燥コーンスープを95g得た。
【0059】
これを、ラインミルを用いて、所望の粒径からなる顆粒状の乾燥コーンスープとした。
【0060】
製造した顆粒状の乾燥コーンスープ20gをお湯150cc及び、温めた牛乳150ccでそれぞれ溶かしたこころ、いずれも、簡単に溶解した。これらを飲食したところ、いずれも具材感のあるコーンスープであった。
【実施例4】
【0061】
乳感のあるクラムチャウダーとなる顆粒状の乾燥スープを製造した。
【0062】
濃縮乳30.0g、ジャガイモペースト25.0g、油脂調整粉末14.0g、アサリエキス11.0g、砂糖10.0g、帆立エキス6.0g、オニオンエキス5.5g、チキンエキス5.0g、バター3.0g、チーズ1.0g、スパイス0.1g、調味料(アミノ酸)0.4gを用い、これらのベースとなる調味液にデキストリンを加え撹拌・混合、加水し、BXを約73に調整した。
【0063】
これを、80℃、20分にて低温加熱調理殺菌した後、真空ベルト乾燥機(CVD)を用い、真空度1.33×10Pa〜1.69×10Pa、加熱温度105℃〜135℃にて13.5分乾燥し、空気を含んだ多孔質状の乾燥スープを95g得た。
【0064】
これを、ラインミルを用いて、所望の粒径からなる顆粒状の乾燥スープとした。
【0065】
製造した顆粒状の乾燥スープ15gを温めた牛乳150ccで溶かしたところ簡単に溶解した。これを飲食したところ、乳感のあるクラムチャウダーであった。
【実施例5】
【0066】
顆粒状のチキンコンソメスープを製造した。
【0067】
チキンエキス18.0g、食塩12.0g、オニオンエキス9.5g、蛋白加水分解物7.0g、砂糖7.0g、野菜エキス3.0g、スパイス0.07g、調味料(アミノ酸)0.66gを用い、これらのベースとなる調味液にデキストリンを加え撹拌・混合、加水し、BXを約73に調整した。
【0068】
これを、80℃〜100℃で、10分程度、加熱調理殺菌した後、真空ベルト乾燥機(CVD)を用い、真空度1.33×10Pa〜1.69×10Pa、加熱温度105℃〜135℃にて13.5分、乾燥し、空気を含んだ多孔質状の乾燥チキンコンソメスープを95g得た。
【0069】
これを、ラインミルを用いて、所望の粒径からなる顆粒状の乾燥スープとした。
【0070】
製造した顆粒状の乾燥チキンコンソメスープ10gをお湯150ccで溶かしたところ簡単に溶解した。これを飲食したところ、スパイス感のあるチキンコンソメスープであった。
【0071】
以上、この発明の好ましい実施形態、実施例を説明したが本発明はこれらに限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥スープのベースとなる調味液を、ベルト式減圧乾燥機を用いて一乾燥工程で乾燥することにより顆粒状の乾燥スープを製造する顆粒状乾燥スープの製造方法。
【請求項2】
前記調味液の固形分濃度(Bx)をBx65〜Bx73としたことを特徴とする請求項1記載の顆粒状乾燥スープの製造方法。
【請求項3】
前記調味液の粘度を1000〜10000mPa・sとしたことを特徴とする請求項1又は2記載の顆粒状乾燥スープの製造方法。
【請求項4】
前記ベルト式減圧乾燥機による乾燥工程は、1.33×10Pa〜1.73×10Pa、50℃〜150℃の条件で行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の顆粒状乾燥スープの製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の製造方法で製造した顆粒状乾燥スープ。

【公開番号】特開2013−78292(P2013−78292A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220588(P2011−220588)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(591137031)日研フード株式会社 (3)
【Fターム(参考)】