説明

顔料の水性分散体およびそれらを使用する化粧品

【課題】高い顔料比率、および長期間安定な顔料組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも1種の顔料および40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンを含む水性分散体。該ポリビニルピロリドンが、10、000g/mol以下の重量平均分子量を有する水性分散体。該粒子の少なくとも90%が、レーザー粒径分析器を用いて測定して、100nm超のサイズを有する水性分散体。該粒子の少なくとも98%が、レーザー粒径分析器を用いて測定して、100nm超のサイズをする水性分散体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料の水性分散体およびその化粧品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの化粧品組成物は、分離状態で分散した固体、典型的には顔料を含む。顔料が、化粧品組成物中で均質に分散していればいる程、そして高い比率で存在すればする程、化粧品組成物の色は均質かつ強くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的の一つは、化粧品において使用でき、高い顔料比率、通常21wt%以上を含み、そして長期間安定な顔料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の顔料組成物は、顔料の水性分散体である。本願の意味において、水性分散体(または水性懸濁液)は、固体粒子が分散した、連続した水媒体である。この水媒体は、典型的には少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%の水を含む水溶液、例えば(HCO/HCO対によって形成された生理的バッファー溶液等の)バッファー溶液、好ましくは水である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、例1の粒径プロファイルを具体的に示す図である。
【図2】図2は、例2の粒径プロファイルを具体的に示す図である。
【図3】図3は、例3の粒径プロファイルを具体的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書において、5〜45℃からなる温度で、通常少なくとも2カ月、好ましくは少なくとも6カ月の間保持することができ、一方残りが均質である、すなわち、粒子が相互に凝集せず、そして沈降しない(肉眼的に観察可能な沈降または分散体の移相(phase shifting)がない)場合、水性分散体は、長期間安定と考えられる。
【0007】
従って、第1の形態によると、本発明の目的は、少なくとも1種の顔料と、40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンとを含む水性分散体である。
【0008】
発明者らは、40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドン(PVP)の使用が、安定でありながら、大量の顔料を含む顔料の水性分散体を得る可能性を与えることを見いだした。
【0009】
理論に拘束されることを意図しないが、40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するPVPを使用することによって、より大きな分子量のPVP(例えば、60、000g/molの重量平均分子量を有するPVP K30)が使用される場合より、粘性のない分散体を得ることが可能であり、本発明による水性分散体中での顔料の濃度の増加を可能にすることが、提案できるようである。従って、通常、水性分散体は、水性分散体の全量に基づいて、少なくとも21wt%(典型的には、21〜35%)、とりわけ少なくとも24wt%(典型的には、24〜30%)の顔料を含む。
【0010】
好ましくは、PVPは、20、000g/mol以下、とりわけ10000g/mol以下、そして典型的には、有利に市場から入手可能なPVP K15等の8、000g/mol程度の重量平均分子量を有する。
【0011】
通常、水性分散体は、水性分散体の全量に基づいて、1〜20wt%、とりわけ3〜10%の40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンを含む。これらの比率は、安定でありながら、大量の顔料を含む顔料の水性分散体を得るのに特に好適である。
【0012】
典型的には、本発明による水性分散体において、40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンの重量の顔料の重量に対する比率は、5〜40%である。これらの比率は、安定でありながら、大量の顔料を含む顔料の水性分散体を得るのに特に好適である。
【0013】
分散体の顔料は、有機顔料または無機顔料であることができる。
無機顔料は、例えば、任意選択的に表面処理された二酸化チタン、二酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、ならびに酸化鉄または酸化クロム、マンガンバイオレット(manganese violet)、ウルトラマリンブルー(ultramarine blue)、水酸化クロムおよびフェリックブルー(ferric blue)、およびそれらの混合物から選択できる。
【0014】
有機顔料は、例えば、D&C black no.2等のカーボンブラック、D&C Red no.6、no.7、no.21、no.27、no.28、no.30、no.33、no.36、no.40、およびコチニールカルミン(cochineal carmine)等の赤色有機顔料、銅フタロシアニンおよびFD&C Blue no.1ラッカー等の青色有機顔料、およびD&C Yellow no.10、FD&C Yellow no.5およびno.6ラッカー等の黄色有機顔料ならびにそれらの混合物から選択できる。
【0015】
カーボンブラックは、本発明による水性分散体の適用のために特に好適な顔料である。カーボンブラックは、とりわけ、高構造(high structure)カーボンブラック、および/または200m/g超の比表面積を有するカーボンブラックであることができる。
【0016】
異なった販売されるグレードのカーボンブラックを規定する主な基礎的なパラメーターは、一次粒子のサイズ、および集合したまたは凝集した一次粒子のサイズ(粉末、構造の細かさ)およびその比表面積である。
【0017】
カーボンブラックの構造は、フタル酸ジブチル(DBP)の吸収によって決定される。100gのカーボンブラックによって吸収されたDBPの量が、ASTM D−2414法によって決定される。従って、低DBPインデックスを有するカーボンブラックは、ぎっしり詰まった様式で結合した、少数の一次粒子からなる低構造を有する。典型的には、販売されているカーボンブラックは、100gのカーボンブラックに対して45〜400mLを含むDBP吸収インデックスを有する。高いDBPインデックス、典型的には90mL/100g超は、豊富な分岐、枝、鎖またはストリングを有する多くの基本的な粒子(elementary particle)からなる高構造のカーボンブラックを意味する。
【0018】
カーボンブラックの比表面積は、窒素吸着(BET法)によって決定できる。カーボンブラックの比表面積は、通常、粗いサイズの粒子での10m.g−1〜微粒子での500m.g−1からなる。水性分散体中で顔料として使用されるカーボンブラックは、好ましくは200m/g超の比表面積を有する。
【0019】
PVPおよび顔料に加えて、水性分散体は、少なくとも2つのヒドロキシル官能基を含み、かつ好ましくはエチレンオキサイド基を有さない化合物を含むことができる。
【0020】
この化合物を用いると、水性分散体の安定性を改善することができる。
【0021】
化合物には、好ましくは式−CH−CH−Oのエチレンオキサイド基、特にポリ(エチレンオキサイド)基がない。実際、エチレンオキサイドの合成の間に、発癌性物質的な効果を有する疑いがある1、4−ジオキサンが生成される。従って、エチレンオキサイド基を含む化合物は、少なくとも微量の1、4−ジオキサンを含む場合があり、そして化粧品組成物中で、それらの使用を制限または回避さえすることが求められている。
【0022】
2つのヒドロキシル官能基を含む化合物は、とりわけ、1、2、3−プロパントリオール(グリセリン)、1、2−プロパンジオール、ピナコール(2、3−ジメチル−2、3−ブタンジオール)、1、2、3−ブタントリオール、2、3−ブタンジオールおよびソルビトール等のポリオールであることができる。グリセリンは、その水和性および抗菌性により、特に好ましい。
【0023】
水性分散体は、通常、水性分散体の全量に基づいて、5〜45wt%、典型的には20〜40wt%の少なくとも2つのヒドロキシル官能基を含む化合物を含み、これは通常、水性分散体の連続的な水媒体が水溶液(とりわけ水)と、少なくとも2つのヒドロキシル官能基を含む化合物(とりわけグリセリン)とが40/60〜60/40、好ましくは50/50の混合物であることに相当する。これらの比は、安定でありながら、大量の顔料を含む顔料の水性分散体を得るのに特に好適である。
【0024】
水性分散体はまた、防腐剤、例えば2−フェノキシエタノールまたはデヒドロ酢酸を含むことができる。他方では、防腐剤としてパラベンおよび/またはその誘導体の使用は、エストロゲンの受容体のそれらの能力を活性化し、不妊およびエストロゲン依存性腫瘍の可能性のある作用を引き起こすので、通常、避けられる。
【0025】
ある態様では、この水性分散体は、
−水媒体、通常、水溶液、典型的には水、
−少なくとも1種の顔料、とりわけカーボンブラック、好ましくは高構造カーボンブラック、および/または200m/g超の比表面積を有するカーボンブラック、
−40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドン、
−グリセリン、
−任意選択的に2−フェノキシエタノールまたはデヒドロ酢酸等の防腐剤
にある。
【0026】
水性分散体は、例えば保湿剤、柔軟化粧水、可塑剤、シリコーン、鉱物性フィラー、クレイ、香水、ペプタイザー、防腐剤、タンパク質およびビタミン、油および/または天然抽出物等の現在の所技術的に使用されている1種または2種以上の化粧品添加物をまた含むことができる。通常、水性分散体には、イオン性界面活性剤がない。
【0027】
水性分散体の粒子は、通常レーザー粒径分析器を用いて測定して、200nm超、典型的には400nm以上のメジアンサイズ(D50)を有する。典型的には、粒子の少なくとも90%、とりわけ95%、好ましくは98%、またはすべてまでのものは、レーザー粒径分析器を用いて測定して、100nm超のサイズを有する。この水性分散体には、したがってナノ粒子が主としてなく、細菌の研究は、ナノ粒子、特に化粧品組成物中で使用された場合、とりわけ皮膚に適用された場合のナノ粒子の毒性の疑いを調べているので、これは利点である。従って、本発明による水性分散体は、通常、(典型的には2〜100nmの範囲の寸法である粒子を含む)コロイド組成物ではない。
【0028】
さらに、この水性分散体の粒子は、通常レーザー粒径分析器を用いて測定して、500μm未満、または100μm未満までものメジアンサイズ(D50)を有する。実際、そうした粒子では、沈降現象が制限され、または避けられまでもし、そして水性分散体を含む化粧品組成物は、触り心地が良い。
【0029】
好ましい態様では、水性分散体は、
−23〜25wt%のカーボンブラック、
−4〜7wt%のPVP K15、
−30〜40wt%の水、
−30〜40wt%のグリセリン、
を含む。
【0030】
特に好ましい態様では、水性分散体は、
−23〜25wt%のカーボンブラック、
−4〜7wt%のPVP K15、
−30〜40wt%の水、
−30〜40wt%のグリセリン、
−0.1〜1.5wt%のフェノキシエタノール、および
−0.1〜1.5wt%のデヒドロ酢酸、
(これらのパーセンテージの合計は、100に等しい。)
にある。
【0031】
そうした水性分散体を含む化粧品組成物は、適用された場合、とりわけケラチン繊維上に適用された場合に、強い着色を得る可能性を実際に与える。
【0032】
第2の形態により、本発明の目的は、上記で規定したような水性分散体を調製するための方法であり、少なくとも1種の顔料と、40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンとの混合物を水の存在下で、ボールミルでミリングするためのステップを含む。
【0033】
水性分散体の他の任意選択的成分はまた、上記の様に、ミリングステップの間に存在することができる。成分の追加の順番は、得られた分散体の性質に影響せず、そして特に得られた分散体の粒子のサイズに全く影響しない。
【0034】
好ましくは、ボールミルの球は、100μm超、通常1〜10mm、典型的には約4mmを含む直径を有し、水性分散体中で、上記のような利点を有する100nm超、または1μm超までものメジアンサイズ(D50)の粒子を得ることに寄与する。
【0035】
ミリング時間はまた、粒子のサイズに影響する。典型的には、この時間が長すぎる場合、避けたいものの一つであるナノメートルサイズの粒子が得られる。最大のミリング時間は、顔料の性質による。当業者は、顔料の性質によって所望の粒径を有させるために、ミリング時間をどのように適合すべきか知っている。
【0036】
この方法には、通常冷凍乾燥ステップがない。
本発明はまた、この方法を用いて入手できる水性分散体に関する。
【0037】
第3の形態により、本発明の目的は、化粧品組成物中へ導入するための(または化粧品組成物を調製するための)上記で規定したような水性分散体または上記の方法を用いて入手できる水性分散体の使用である。化粧品組成物は、例えば、シャンプー、ヘアーコンディショナー、コンディショナー(ヘアーコンディショナーバーム)、アイライナー、マスカラ、ファンデーション、アイシャドー、はけまたは口紅、好ましくはシャンプー、ヘアーコンディショナー、コンディショナーまたはマスカラであることができる。
【0038】
化粧品組成物は、通常、水相および脂質相を含む。本発明はまた、上記で規定したような水性分散体または上記の方法を用いて入手できる水性分散体を、化粧品組成物の水相に導入するステップ、続いて得られた水相(すなわち、上記で規定した水性分散体を有する化粧品組成物の水相の混合物)と、化粧品組成物の脂質相とを混合するステップを含む、化粧品組成物の調製のための方法に関する。この組成物は、着色髪およびまつげ等のケラチン繊維の着色に特に好適である。
【0039】
理論に拘束されることを意図しないが、上記で規定したような粒子の具体的サイズおよび40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンの存在は、ケラチン繊維上への顔料の堆積および接着を促進し、非常に良好な着色となるようである。特に、発明者らは、ケラチン繊維上に適用された、PVPを有さないか、および/またはより小さい粒径(ナノメーターサイズ)を有する化粧品組成物は、ケラチン繊維のより有意でない着色となることを観察した。
【0040】
化粧品組成物は、任意の形態(軟膏、ローション、クリーム、ゲル、スプレー)であってもよい。
【0041】
第4の形態により、本発明の目的は、上記で規定したような水性分散体を含む組成物、好ましくは化粧品組成物である。
【0042】
第5の形態によれば、本発明の目的は、組成物の顔料の比率を高めるための、顔料を含む水性分散体を含む化粧品組成物中における、添加物として40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンの使用である。
【0043】
本発明は、本明細書に添付された図1、2および3を参照して与えられた以下の例を用いて、さらに具体的に説明され、これは、例A−1、A−2およびA−3それぞれの粒径プロファイル(粒子のパーセンテージ対マイクロメートルでの粒子の直径)を具体的に示す。
【実施例】
【0044】
例A:水性分散体
*水性分散体を調製するための方法
グリセリン(Interchimie(商標))をCOMEC(商標)ブランドの4mmの直径および1800回転/分の最大のミリング速度を有するボールの垂直ボールミル中に導入した。15%の顔料 Unipure Black LC902(Sensient Cosmetic Technologies(商標))(100mL/100gのDBPインデックスを有する高構造カーボンブラック)を、次に加えた。粉砕機中でのホモジナイゼーションの後、水、PVPおよび防腐剤(フェノキシエタノール(Phenoxetol−Clariant(商標))および/またはデヒドロ酢酸(Geoguard 111A−Lonza(商標)))を混合物に加えた。残りの85%の顔料を次に加えた。仕上げのために、混合物を15分間最大の速度で粉砕した。
【0045】
5種の水性分散体をこの方法の後に調製した。
例1、2および3は、(8、000g/molの重量平均分子量を有する)PVP K15 (ISP(商標))を含む本発明による水性分散体の例である。
【0046】
例4および5は、より大きな分子量(60、000g/molの重量平均分子量を有するPVP K30)(ISP(商標))のPVPを使用した比較例である。
【0047】
水性分散体の安定性を評価するための、粘度の特性評価および粒径の特性評価。
【0048】
Brookfield DV−II+Pro(商標)ブランドの粘度計および好適なモバイル(mobile)を用いて、粘度を測定した。
【0049】
粒径を、HORIBA PARTICA LA−950 V2(商標)タイプの装置を用いて、Mieの理論によりレーザー回折で測定した。添付の図1、2および3は、例1、2および3の粒径(粒子のパーセンテージ対マイクロメートルでの粒子の直径)、それぞれを具体的に示す。
【0050】
分散体の粒子サイズおよびその粘度が長い間一定のままである場合、安定性が良好であると考える。
【0051】
【表1】

表1:調製された水性分散体の組成および特徴的な粘度および粒径。
【0052】
i):測定可能でない粘度(>50、000、000cP)を達成するための分散体のケーキ。
ii):15日、室温(25℃)後の粒子のサイズは、100μmより大きいサイズで凝集の発生により、5.15μm(t=0)から、12.23μmに変化した。
【0053】
本発明による水性分散体1、2および3と、40、000g/mol超の重量平均分子量を有するPVPを含む水性分散体4および5との比較は、本発明による水性分散体は、より粘性がないことを示す。40、000g/molの重量平均分子量を有するPVPが使用される場合、30%のカーボンブラックを含む安定な水性分散体を調製することが可能であり、40、000g/mol超の重量平均分子量を有するPVPが使用される場合、当てはまらない(例2と5とを比較)。
【0054】
さらに、本発明による3種の組成物において、98%超の粒子は、100nm超のサイズを有する。
【0055】
例B:水性分散体を含む化粧品組成物
以下の例は、本発明による水性分散体を含む化粧品組成物に関する。
【0056】
B.1.「黒色反射(black reflections)」を有するヘアーコンディショナーケア製品
例Aの例3の分散体を使用することによって、ならびに下記の調合物および操作手順により、2種のヘアーケア製品を製造した。
【0057】
【表2】

表2:2種のヘアーケア製品の組成
【0058】
操作手順は、以下のようである:
1.相Aの70〜80℃へ加熱すること。
2.Bの70〜80℃へ加熱すること。
3.相Bを相A中に注ぎ、そして均質のエマルジョンを得るように攪拌すること。
4.相Cを加え、そして室温に到達するまで混合すること。
【0059】
これらの2種のコンディショナーケアー製品の1種を漂白した髪に適用し、そして次にすすいだ場合、黒色顔料が髪の上に堆積した。したがって髪は適用後に強く黒色に着色した。
【0060】
B.2.「黒色反射」を有するシャンプー
例Aの例3の分散体を使用することによって、ならびに下記の調合物および操作手順により、2種のシャンプーを製造した。
【0061】
【表3】

表3:2種のシャンプーの組成
【0062】
操作手順は、以下のようである:
1.相Aの異なる成分を均質の混合物が得られるまで混合すること。
2.相Bを調製し、そして相A中に注ぐこと。
3.相Cを加えて、混合すること。
4.相Dを加え、均質化させること。
【0063】
これらの2種のシャンプーの1種を髪に適用し、そして次にすすいだ場合、黒色顔料が髪の上に堆積した。したがって髪は適用後に強く黒色に着色した。
【0064】
B.3.アイライナー
例Aの例3の分散体を使用することによって、ならびに下記の調合物および操作手順により、2種のアイライナーを製造した:
【0065】
【表4】

表4:2種のアイライナーの組成
【0066】
操作手順は、以下のようである:
1.モノプロピレングリコール中でThickagent LCを混合すること。
2.均質のゲルを得るように、この混合物を、防腐剤を含む水中に攪拌しながら注ぐこと。
3.相Bを攪拌しながら加えて。適切に混合させること。
4.相Cを加えて。均質化すること。
【0067】
これらの2種のシャンプーの1種をまつげに適用した場合、黒色顔料がまつげの上に堆積し、まつげの強い黒色の着色となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の顔料と、40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンとを含む水性分散体。
【請求項2】
該ポリビニルピロリドンが、10、000g/mol以下の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の水性分散体。
【請求項3】
40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンの重量の該顔料の重量に対する比率が、5〜40%である、請求項1または2に記載の水性分散体。
【請求項4】
該粒子の少なくとも90%が、レーザー粒径分析器を用いて測定して、100nm超のサイズを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性分散体。
【請求項5】
該粒子の少なくとも98%が、レーザー粒径分析器を用いて測定して、100nm超のサイズをする、請求項4に記載の水性分散体。
【請求項6】
該顔料が、二酸化チタン、二酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セリウム、酸化鉄または酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、水酸化クロムおよびフェリックブルーおよびそれらの混合物から選択される無機顔料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性分散体。
【請求項7】
該顔料が、D&C black no.2等のカーボンブラック、D&C Red no.6、no.7.no.21、no.27、no.28、no.30、no.33、no.36、no.40およびコチニールカルミン等の赤色有機顔料、銅フタロシアニンおよびFD&C Blue no.1 ラッカー等の青色有機顔料、およびD&C Yellow no.10、FD&C Yellow no.5および6ラッカー等の黄色有機顔料、ならびにそれらの混合物から選択される有機顔料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性分散体。
【請求項8】
該顔料が、高構造カーボンブラックおよび/または200m/g超の比表面積を有するカーボンブラックである、請求項7に記載の水性分散体。
【請求項9】
少なくとも2つのヒドロキシル官能基を含み、好ましくはエチレンオキサイド基を有さない、化合物をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性分散体。
【請求項10】
該化合物が、ポリオール、好ましくはグリセリンである、請求項9に記載の水性分散体。
【請求項11】
水性分散体の全量に基づいて、少なくとも21wt%、とりわけ少なくとも24wt%の顔料を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の水性分散体。
【請求項12】
水の存在下で、少なくとも1種の顔料と、40、000g/mol未満の重量平均分子量を有するポリビニルピロリドンとの混合物を、ボールミル中でミリングするステップを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の水性分散体の調製方法。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項による水性分散体、または化粧品組成物に導入するための請求項12に記載の方法により入手できる水性分散体の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−97259(P2012−97259A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−236376(P2011−236376)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(511261237)サンシアン コスメティック テクノロジー (1)
【Fターム(参考)】