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顔料内包セルロースパウダー並びにそれを含有する化粧料、樹脂および塗料
説明

顔料内包セルロースパウダー並びにそれを含有する化粧料、樹脂および塗料

【課題】光散乱性を有して隠蔽効果を発揮することができるとともに、塗膜に透明性や柔らかな触感を与えて高級感を醸し出すことのできる顔料内包セルロースパウダー並びにそれを含有する化粧料、樹脂および塗料を提供する。
【解決手段】セルロースパウダーの表面および内部に顔料を自重の1〜200質量%の範囲で内包させることにより、顔料内包セルロースパウダーを得る。こうして得られた顔料内包セルロースパウダーを、化粧料、樹脂、塗料に配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料を内包する顔料内包セルロースパウダー並びにそれを含有する化粧料、樹脂および塗料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、セルロースパウダーは各種の製法で製造され(例えば、特許文献1参照。)、化粧料などに幅広く応用されている(例えば、特許文献2参照。)。セルロースパウダーが配合された化粧料では、その化粧料の感触が改善されるという効果が得られる。
【0003】
【特許文献1】特許第3287798号公報
【特許文献2】特許第2608786号公報
【0004】
また、一般にメイクアップ用の化粧料においては、酸化チタンや酸化鉄などの顔料が配合され、この顔料により、しみやそばかす等の皮膚上の欠点をカバーすることができるようにされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のメイクアップ化粧料では、皮膚上の小皺や唇の縦皺に顔料が蓄積してそれら小皺や縦皺を却って際立たせてしまうという問題点がある。
【0006】
仮に、セルロースパウダーに光散乱性を持たせて隠蔽効果を発揮させるような構成とすることができれば、かかるセルロースパウダーを化粧料に配合した際には、セルロースパウダーそれ自体の特性によって当該化粧料の感触を改善することができるのは勿論のこと、皮膚上の小皺を見えにくくしたり、唇の縦皺を目立ちにくくしたりすることができる。また、かかるセルロースパウダーを樹脂や塗料に配合した際には、塗膜に透明性や柔らかな触感を与えて高級感を醸し出すことができる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、光散乱性を有して隠蔽効果を発揮することができるとともに、塗膜に透明性や柔らかな触感を与えて高級感を醸し出すことのできる顔料内包セルロースパウダー並びにそれを含有する化粧料、樹脂および塗料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、セルロースパウダーに顔料を自重の1〜200質量%の範囲で表面および内部に内包させ、好ましくは一次粒子径が3〜30μmの範囲にあり、また平均一次粒子径が7〜15μmの範囲にあるようにコントロールすることで、光学的な効果や柔らかな感触を付与することができることを見出し本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
要するに、前記目的を達成するために、第1発明による顔料内包セルロースパウダーは、
セルロースパウダーの表面および内部に顔料を自重の1〜200質量%の範囲で内包してなることを特徴とするものである。
【0010】
第1発明において、前記顔料が、酸化チタン、表面処理酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカおよびジルコニアよりなる群から選択される一種以上の顔料であるのが好ましい(第2発明)。
【0011】
第1発明または第2発明において、黒色紙に塗布した際の白色度が、反射角が大きくなるに従って大きくなるのが好ましい(第3発明)。
【0012】
第1発明乃至第3発明において、全粒子の90%以上の粒子の一次粒子径が3〜30μmの範囲にあり、かつ平均一次粒子径が7〜15μmの範囲にあるのが好ましい(第4発明)。
【0013】
次に、第5発明による化粧料は、
第1発明〜第4発明のいずれかの発明に係る顔料内包セルロースパウダーを含有してなることを特徴とするものである。
【0014】
第5発明において、シリコーンエラストマーが配合されるのが好ましい(第6発明)。
【0015】
第5発明または第6発明において、雲母チタンが配合されるのが好ましい(第7発明)。
【0016】
また、第8発明による樹脂は、
第1発明〜第4発明のいずれかの発明に係る顔料内包セルロースパウダーを含有してなることを特徴とするものである。
【0017】
また、第9発明による塗料は、
第1発明〜第4発明のいずれかの発明に係る顔料内包セルロースパウダーを含有してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の顔料内包セルロースパウダーによれば、セルロースパウダーの表面および内部に顔料が自重の1〜200質量%の範囲で内包されるので、言い換えればセルロースパウダーの表面および内部に顔料が自重の1〜200質量%の範囲で分散されるので(図1および図2参照)、光散乱性を有して隠蔽効果を発揮することができるとともに、塗膜に透明性や柔らかな触感を与えて高級感を醸し出すことができる。また、この顔料内包セルロースパウダーが配合された化粧料によれば、入射した光を徐々に拡散させることによって、皮膚上の小皺が見えにくくなったり、唇の縦皺が目立ちにくくなったりするといった効果を得ることができるとともに、光を散乱させることによって、化粧料が自然に見えるといった効果を得ることができる。また、この顔料内包セルロースパウダーが配合された樹脂や塗料によれば、塗膜に透明感がでる、塗膜を触ったときの感触が柔らかくなり、高級感がでるといった効果を得ることができる。なお、本発明の顔料内包セルロースパウダーでは、光を均一でなく異方性をもって散乱させるという特性が具備されるので、光の入り方によって色が変化して見えるといった光学的に深みのある外観を得ることができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明による顔料内包セルロースパウダー並びにそれを含有する化粧料、樹脂および塗料の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0020】
本発明の顔料内包セルロースパウダーは、図1および図2に示されるように、セルロースパウダーの表面および内部に顔料が自重の1〜200質量%の範囲で内包されてなるもの、言い換えればセルロースパウダーの表面および内部に顔料が自重の1〜200質量%の範囲で分散されてなるものである。
【0021】
前記顔料としては、従来公知の顔料を使用することができ、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や、粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等が挙げられる。
【0022】
前記無機粉体としては、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等が挙げられる。
【0023】
また、前記有機粉体としては、例えばポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、アクリルパウダー、アクリルエラストマー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等が挙げられる。
【0024】
また、前記界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。
【0025】
また、前記有色顔料としては、例えば酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、微粒子酸化チタン、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の微粒子粉体、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、およびこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。
【0026】
また、前記パール顔料としては、例えば酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。
【0027】
また、前記金属粉末顔料としては、例えばアルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0028】
ここで、本発明の顔料内包セルロースパウダーでは、用いられる顔料として、特に、酸化チタン、表面処理酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカおよびジルコニアよりなる群から一種以上が選択されるのが好ましい。この群中に列挙されたものは、いずれも光をより効果的に散乱させることができる。
【0029】
本発明の顔料内包セルロースパウダーにおいては、セルロースパウダーの表面および内部に顔料を自重の1〜200質量%の範囲で内包するものとしているが、隠蔽性や紫外線防御効果を得る目的の場合には、顔料を15〜35質量%の範囲で配合することが好ましく、また小皺の隠蔽や塗膜に深みのある光学効果を持たせたいような場合には、顔料を1〜15質量%の範囲で配合することが好ましい。なお、後者の場合では、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウムといった比較的屈折率が低い材料を用いるとより効果的である。ここで、顔料の量が自重の1質量%未満では、顔料の配合による光学効果を得ることができない。一方、顔料の量が自重の200質量%を超えると、顔料がセルロースマトリックス中に均一に分散されないため、複合粒子が不安定になるばかりか、顔料の脱落が多くなり好ましくない。
【0030】
本発明の顔料内包セルロースパウダーは、球状または略球状の形状を持つことが好ましい。このような形状を持たせることにより、光の散乱がより効果的に行われるとともに、感触がより滑らかになるというメリットが得られる。
【0031】
本発明の顔料内包セルロースパウダーの製造方法としては、例えば、次の(1)〜(4)の工程よりなる製造方法が挙げられる。
(1)顔料を含有するビスコースを作製する。
(2)このビスコースと水溶性のアニオン性高分子の水溶液とを混合して、顔料を含有したビスコースの微粒子分散液を生成する。
(3)この微粒子分散液を過加熱して、その微粒子分散液中のビスコースを凝固させ、更に酸で中和して顔料を含有したセルロースの微粒子を生成する。
(4)このセルロースの微粒子を母液から分離し、そして必要により水洗および乾燥する。
【0032】
ここで、前記ビスコースは、セルロースの原料であり、ガンマ価30〜100質量%、アルカリ濃度4〜10質量%のものが好適に用いられる。また、前記水溶性のアニオン性高分子としては、例えばポリアクリル酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。
【0033】
本発明の顔料内包セルロースパウダーにおいては、更に従来公知の各種の表面処理が施されていても構わない。かかる表面処理としては、例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理、パーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理等)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理等)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理等)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖などを付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、アルミニウムカップリング剤処理、シラン処理(アルキル化シランやアルキル化シラザン処理等)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸塩やミリスチン酸塩処理等)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理などが挙げられ、またこれらの処理を複数組み合わせて用いることも可能である。
【0034】
本発明では、こうして得られた顔料内包セルロースパウダーを黒色紙に塗布した際の白色度が、反射角が大きくなるに従って大きくなることが好ましい。反射角別の白色度の測定方法としては、例えば変角測色計や変角分光光度計を用いて調べることができる。なお、測定する際の入射角としては45度が結果がわかりやすくて好ましい。
【0035】
本発明の顔料内包セルロースパウダーにおいては、平均一次粒子径が1〜50μmの範囲にあり、最大粒子径が100μm以下であることが好ましく、特に平均一次粒子径が7〜15μmの範囲にあり、また全粒子の90%以上の粒子の一次粒子径が3〜30μmの範囲にあることが好ましい。この範囲であれば所期の目的の光学効果が効果的に得られるメリットがある。ここで、一次粒子径の測定方法としては、電子顕微鏡により観察した写真から画像的に抽出、判定する方法と、レーザー回折式粒度分布計などの粒度分布測定装置を用いて測定する方法などが挙げられるが、粒子自体が光学的な特性を有していることから電子顕微鏡を用いた測定が好ましい。
【0036】
次に、本発明の化粧料について以下に説明することとする。
【0037】
本発明の化粧料は、前記顔料内包セルロースパウダーを含有してなるものである。本発明の化粧料においては、前記顔料内包セルロースパウダーを化粧料の質量に対して0.1〜99質量%の範囲で配合することが可能であるが、より好ましくは1〜50質量%の範囲で配合するのがよい。
【0038】
本発明の化粧料においては、通常、化粧料に用いられる油剤、界面活性剤、顔料、防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、樹脂、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
【0039】
前記油剤としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
【0040】
さらに、前記油剤として、例えば炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、グリセライド油、シリコーン油等も用いることができる。
【0041】
ここで、前記炭化水素油としては、例えばオゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
【0042】
また、前記高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0043】
また、前記高級アルコールとしては、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0044】
また、前記エステル油としては、例えばアジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
【0045】
また、前記グリセライド油としては、例えばアセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリルなどが挙げられる。
【0046】
また、前記シリコーン油としては、例えばジメチルポリシロキサン、ビフェニルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、アルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン等が挙げられる。
【0047】
ところで、前記顔料内包セルロースパウダーは、油剤または皮脂で濡れることによってそのパウダー表面での過剰な光の散乱が抑制され、より効果的な光学効果が得られるようになるといった特性を有している。このため、本発明の化粧料におていは、前記顔料内包セルロースパウダーと、前述列挙の油剤の1種以上とを組み合わせて配合することが好ましい。なお、後述する本発明の樹脂、塗料においても、長期に亘って安定性を保てることを条件に、前述列挙の油剤を取捨選択して配合することが可能である。
【0048】
本発明の化粧料においては、前述列挙の顔料と同様の顔料を用いることができる。また、本発明の化粧料で用いられる顔料に対しては、前述の各種表面処理が施されていることが好ましい。
【0049】
本発明の化粧料では、前記顔料内包セルロースパウダーをシリコーンエラストマーと組み合わせて用いることが好ましい。ここで言うシリコーンエラストマーとしては、一次粒子径が1〜100μmの球状粉末からなるオルガノシロキサンエラストマー(例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製トレフィルEシリーズが挙げられる。)や、無定形状シリコーンペースト(例えば、信越化学工業社製KSGシリーズが挙げられる。)が挙げられる。ここで、前記顔料内包セルロースパウダーをシリコーンエラストマーと質量比で1:9〜9:1の範囲で使用することにより、皺をより効果的に隠蔽したり、肌をより明るくする化粧塗膜を形成したりすることが可能である。
【0050】
ところで、前記顔料内包セルロースパウダーは光を散乱させる効果に優れているものの、光を散乱させるに伴って外観上はややマット調となる。このため、本発明の化粧料では、さらに雲母チタンと組み合わせて用いることで、肌に擬似的なツヤを与えることが可能になる。
【0051】
本発明の化粧料の好ましい用途としては、スキンケア製品、頭髪製品、制汗剤製品、メイクアップ製品、紫外線防御製品、香料溶剤等が挙げられる。より具体的な例としては、ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、ネイルカラー、リップクリーム、口紅、マスカラ等のメイクアップ化粧料、乳液、クリーム、ローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、パック料、クレンジング料、洗顔料等の基礎化粧料、ヘアカラー、セット剤、ボディーパウダー、デオドラント、脱毛剤、石鹸、入浴剤、ハンドソープ、香水等が挙げられる。また、製品の形態についても特に限定は無く、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状のいずれであっても良い。
【0052】
前記顔料内包セルロースパウダーは、化粧料以外に、例えば樹脂や塗料にも配合することができる。前記顔料内包セルロースパウダーを樹脂や塗料に配合することにより、樹脂や塗料の塗膜に対して光学的な深み感を与え、より自然な外観を形成することが可能となる。つまり、より美しい外観を持ち、より自然な印象の塗膜とすることができる。さらに、かかる樹脂、塗料では、その表面の感触がより滑らかで柔らかなものになるという効果が得られる。
【0053】
ここで、前記顔料内包セルロースパウダーは樹脂や塗料の質量に対して0.1〜50質量%の範囲、より好ましくは1〜35質量%の範囲で配合することが好ましい。この範囲であれば、樹脂や塗料の強度を十分に確保しつつ光学効果や柔らかな感触を得ることができる。
【0054】
なお、前記顔料内包セルロースパウダーは、化粧料、樹脂、塗料以外に、衣料や繊維、不織布、インキなどにも配合することが可能である。
【実施例】
【0055】
次に、本発明による顔料内包セルロースパウダー並びにそれを含有する化粧料、樹脂および塗料の具体的な実施例について説明する。なお、本発明は、以下に述べる実施例に限定されるものではない。
【0056】
(光学特性と感触の評価方法)
まず、本実施例において適用した各種特性に対する評価方法を説明する。後述する製造実施例1において、白色度の角度依存度については、ミノルタ社製変角分光測色機を用い、90度の入射光に対して、10度、45度、75度の反射光のL値を測定した。一方、後述する実施例1および比較例において、製品の見え方、触感の評価については、10名の専門パネラーにより、劣っているを0点、優れているを10点として採点してもらい、その合計点を以って評価結果とした。したがって、点数が高い方が評価が優れていることを示す。
【0057】
(製造実施例1:酸化チタン内包セルロースパウダーの製造実施例)
顔料級酸化チタン(アルミナ処理酸化チタン、平均一次粒子径0.3μm)9質量部とビスコース(セルロース濃度10質量%、ガンマ価50、アルカリ濃度5質量%)200質量部をホモミキサーで回転数3000rpmで混合し、酸化チタン含有ビスコースを得た。この酸化チタン含有ビスコース120質量部と、ポリアクリル酸ソーダ(重合度20万)の10質量%水溶液480質量部と、炭酸カルシウム10質量部とを室温下で10分間、回転数400rpmで混合した後に、10分間かけて80℃に昇温し、さらに30分間、80℃にて混合し、凝固粒子を得た。この凝固粒子をガラスフィルターにてろ別し、0.5質量%塩酸にて中和し、さらに過剰の水とメタノールで洗浄した後に、減圧下で乾燥して、酸化チタン内包セルロースパウダー(酸化チタン含有量31質量%)を得た。得られた酸化チタン内包セルロースパウダーの粒子を電子顕微鏡を用いて解析した結果、図1および図2に示されるように、その形状は球状であり、かつ酸化チタンがセルロースパウダーの内部のみならずその表面にも分散状態で包含されていることが分かる。また、電子顕微鏡観察画像から解析すると、平均一次粒子径が10μmで、全粒子の粒径が3〜24μmの範囲にあることが分かる。さらに、この試料(酸化チタン内包セルロースパウダー)を黒色紙に塗布し、変角分光測色機を用いて入射角90度で10度、45度、75度の反射角の白色度をLab系のL値を用いて測色したところ、それぞれ56、62、75の値が得られ、反射角度が大きくなるにつれて白色度が大きくなっているということが分かった。
【0058】
(製造実施例2:微粒子酸化チタン内包セルロースパウダーの製造実施例)
製造実施例1における顔料級酸化チタンの代わりに平均一次粒子径35nmのシリカアルミナ処理微粒子酸化チタン4質量部とビスコース(セルロース濃度10質量%、ガンマ価50、アルカリ濃度5質量%)200質量部を用いた他は全て製造実施例1と同様にして微粒子酸化チタン内包セルロースパウダー(微粒子酸化チタン含有量50質量%)を得た。得られた微粒子酸化チタン内包セルロースパウダーの粒子を電子顕微鏡観察したところ、平均一次粒子径が12μmで、全粒子の粒径が3〜30μmの範囲にあることが分かった。
【0059】
(製造比較例)
製造実施例1において、顔料を配合せずに同じ製造方法を用いて球状セルロースパウダーを得た。この球状セルロースパウダーは平均一次粒子径が13μmであり、全粒子の粒径が3〜30μmの範囲にあった。
【0060】
(実施例1:化粧料)
表1に示される処方に基づき後述する製造方法により、ファンデーションを調製した。ここで、シリコーン処理としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン3質量%加熱処理した顔料を用い、シリコーンエラストマーとしては、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製トレフィルE−508を粉砕したものを用い、ラウロイルリジン処理としては、5質量%N−ラウロイル−L−リジン(味の素社製アミホープLL)処理顔料を用いた。なお、表1中の配合量の単位は質量部である(後の表3,4についても同様)。
【0061】
【表1】

【0062】
(実施例1の化粧料の製造方法)
表1中に示される各種成分のうち、粉体成分をミキサーを用いて混合し、そこに加熱溶解した油剤成分を徐々に添加して均一に混合した後に、金型を用いて金皿に打型して目的の製品(ファンデーション)を得た。
【0063】
(比較例:化粧料)
製造比較例の球状セルロースパウダーを、表1中の酸化チタン内包セルロースパウダー(製造実施例1)および微粒子酸化チタン内包セルロースパウダー(製造実施例2)の代わりに配合し、シリコーン処理顔料級酸化チタンの配合量を11質量部に増量した以外は実施例1と同様にして目的の製品(ファンデーション)を得た。
【0064】
実施例1と比較例の評価結果が表2に示されている。この表2に示される結果から、実施例1の化粧料は、比較例の化粧料と比べて、小皺が目立ちにくく、立体感を有していること、塗布感触に優れていることが分かる。
【0065】
【表2】

【0066】
(実施例2:樹脂フィルム)
表3に示される処方に基づき後述する製造方法により、樹脂フィルムを調製した。
【0067】
【表3】

【0068】
(実施例2の樹脂フィルムの製造方法)
表3中に示される各種成分を混合・溶融し、熱ローラーを用いてシートを作製した。こうして得られたシートは、透明感を持ちながら光の拡散性に優れていた。また、触った感じがソフトであり、高級感があった。
【0069】
(実施例3:塗料)
表4に示される処方に基づき後述する製造方法により、塗料を調製した。
【0070】
【表4】

【0071】
(実施例3の塗料の製造方法)
表4中に示される各種成分を混合・溶解して塗料を作製した。こうして得られた塗料をガラス板に塗布したところ、透明感に富みながらも隠蔽性が確保され、光学的に深みのある外観を示していた。
【0072】
以上のことから、本発明の顔料内包セルロースパウダーによれば、セルロースパウダーの表面および内部に顔料が分散状態で内包されるので、光散乱性を有して隠蔽効果を発揮することができるとともに、塗膜に透明性や柔らかな触感を与えて高級感を醸し出すことができる。また、この顔料内包セルロースパウダーが配合された化粧料によれば、入射した光を徐々に拡散させることによって、皮膚上の小皺が見えにくくなったり、唇の縦皺が目立ちにくくなったりするといった効果を得ることができるとともに、光を散乱させることによって、化粧料が自然に見えるといった効果を得ることができる。また、この顔料内包セルロースパウダーが配合された樹脂や塗料によれば、塗膜に透明感がでる、塗膜を触ったときの感触が柔らかくなり、高級感がでるといった効果を得ることができる。また、光を均一でなく異方性をもって散乱させることができるので、光の入り方によって色が変化して見えるといった光学的に深みのある外観をも得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】製造実施例1の酸化チタン内包セルロースパウダーの走査型電子顕微鏡写真
【図2】製造実施例1の酸化チタン内包セルロースパウダーの透過型電子顕微鏡写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースパウダーの表面および内部に顔料を自重の1〜200質量%の範囲で内包してなることを特徴とする顔料内包セルロースパウダー。
【請求項2】
前記顔料が、酸化チタン、表面処理酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカおよびジルコニアよりなる群から選択される一種以上の顔料である請求項1に記載の顔料内包セルロースパウダー。
【請求項3】
黒色紙に塗布した際の白色度が、反射角が大きくなるに従って大きくなる請求項1または2に記載の顔料内包セルロースパウダー。
【請求項4】
全粒子の90%以上の粒子の一次粒子径が3〜30μmの範囲にあり、かつ平均一次粒子径が7〜15μmの範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載の顔料内包セルロースパウダー。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の顔料内包セルロースパウダーを含有してなることを特徴とする化粧料。
【請求項6】
シリコーンエラストマーが配合される請求項5に記載の化粧料。
【請求項7】
雲母チタンが配合される請求項5または6に記載の化粧料。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の顔料内包セルロースパウダーを含有してなることを特徴とする樹脂。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれかに記載の顔料内包セルロースパウダーを含有してなることを特徴とする塗料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−56086(P2007−56086A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240687(P2005−240687)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(391015373)大東化成工業株式会社 (97)
【Fターム(参考)】