説明

顔料分散剤、顔料分散体及び印刷インキ

【課題】硬化塗膜が光沢や基材付着性にも優れるものとなる顔料分散剤及び該顔料分散剤の主成分として有用なポリアリルアミンポリ尿素化合物を提供。
【解決手段】分子構造中に、下記一般式(1)


で表される構造部位と、下記一般式(2)


で表される構造部位とを繰り返し単位として有するポリアリルアミンポリ尿素化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール溶媒への顔料分散性に優れるポリアリルアミンポリ尿素化合物、該化合物を含有する顔料分散剤及び該顔料分散剤を用いてなる印刷インキに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷インキやカラーフィルター用の着色樹脂組成物は、顔料分散剤を用いて顔料を樹脂中に分散させてなる顔料分散体であるが、得られる樹脂組成物の保存安定性や、硬化塗膜の光沢、基材に対する付着性などは、この顔料分散剤の性能に大きく影響を受ける。即ち、顔料分散性に優れる顔料分散剤を用いて得られる顔料分散体は、分散体中に顔料が安定して存在できるため、保存安定性に優れ、経時的な沈殿や濁りの発生が無い。また、このような顔料分散体は、分散している顔料の粒子の大きさ及び形状が均一であり、顔料が樹脂に包まれるような状態を取るため、例えば、印刷インキとして用いた場合には、印刷面の光沢に優れ、かつ、基材に対する付着性の高いインキが得られる。
【0003】
これまで、印刷インキやカラーフィルター用の着色樹脂組成物には、トルエンやキシレンなどの有機溶剤が用いられてきたが、近年、これらが環境に与える負荷が問題視されており、これらの溶剤から水やアルコールなど環境負荷の低い溶剤への置換が求められている。しかしながら、従来の顔料分散剤は、前記トルエンやキシレン等の有機溶剤に対しては溶解性が高く、顔料分散剤として機能するものの、水やアルコール溶剤に対しては溶解せず、顔料分散剤として用いることが出来ない。したがって、水やアルコール溶剤を用いた場合にも高い顔料分散性を発現し、得られる分散体が保存安定性に優れ、その硬化塗膜が光沢や基材付着性にも優れる顔料分散剤が求められていた。
【0004】
トルエンやキシレン溶剤型の顔料分散剤の例として、12−ヒドロキシステアリン酸を重合させて得られる分子末端にカルボキシル基を有するポリエステル樹脂のカルボキシル基と、ポリアリルアミンのアミノ基とを、キシレン溶媒中でアミド結合形成反応させて得られる数平均分子量10,500、アミン価38.5mgKOH/gのポリアリルアミン誘導体を顔料分散剤として用いることにより、顔料分散体の貯蔵安定性や、硬化塗膜の光沢及び基材付着性を改良した技術(特許文献1参照)や、ポリアリルアミンのアミノ基に、片末端にカルボキシル基を有する重量平均分子量7,000、酸化18.0mgKOH/gのアクリル重合体のカルボキシル基と、ポリエチレングリコールモノメタクリレートのメタクリロイル基とを、それぞれアミド結合形成反応及びマイケル付加反応させて得られる重量平均分子量13,000、アミン価16.0mgKOH/gの変性ポリアリルアミンを顔料分散剤として用いることにより、顔料分散体の貯蔵安定性や、該顔料分散剤を用いて得られるカラーフィルターの輝度やコントラストを改良した技術(特許文献2参照)が知られている。しかしながら、これらの顔料分散剤は、従来主に用いられていたトルエンやキシレンなどの溶剤を用いた場合には高い顔料分散性を示し、上記顔料分散体の貯蔵安定性や、硬化塗膜の光沢及び基材付着性が改良されるものの、水やアルコール溶剤を用いた場合には、該顔料分散剤自体がこれらの溶剤と相溶性の高い構造部位の含有量が少ないため、これらの溶剤に溶けず、顔料分散剤として機能しないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3718915号公報
【特許文献2】特開2010−222522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明が解決しようとする課題は、水やアルコール溶剤を用いた場合にも高い顔料分散性を発現し、得られる分散体が保存安定性に優れ、その硬化塗膜が光沢や基材付着性にも優れるものとなる顔料分散剤及び該顔料分散剤の主成分として有用なポリアリルアミンポリ尿素化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、分子構造中に、下記一般式(1)
【0008】
【化1】

で表される構造部位と、
下記一般式(2)
【0009】
【化2】

[一般式(2)中、Rはポリオキシアルキレン骨格を含む構造部位]
で表される構造部位とを繰り返し単位として有し、前記一般式(1)で表される構造部位と、前記一般式(2)で表される構造部位とのモル数の比[(1)/(2)]が、20/80〜60/40の範囲であることを特徴とするポリアリルアミンポリ尿素化合物。
が、水やアルコール溶剤を用いた場合にも高い顔料分散性を発現し、得られる分散体が保存安定性に優れ、その硬化塗膜が光沢や基材付着性にも優れるものとなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、分子構造中に、下記一般式(1)
【0011】
【化1】

で表される構造部位と、
下記一般式(2)
【0012】
【化2】

[一般式(2)中、Rはポリオキシアルキレン骨格を含む構造部位]
で表される構造部位とを繰り返し単位として有し、前記一般式(1)で表される構造部位と、前記一般式(2)で表される構造部位とのモル数の比[(1)/(2)]が、20/80〜60/40の範囲であることを特徴とするポリアリルアミンポリ尿素化合物。
に関する。
【0013】
本発明は更に、前記化合物を含有する顔料分散体に関する。
【0014】
本発明は更に、前記顔料分散剤を用いて得られる印刷インキに関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来の顔料分散剤と比較して、水やアルコール溶剤を用いた場合にも高い顔料分散性を発現し、得られる樹脂組成物が保存安定性に優れ、その硬化塗膜が光沢や基材付着性にも優れる顔料分散剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本願実施例の製造例1で得られたポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)のフーリエ変換型赤外分光(FT−IR)スペクトルのチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物は、分子構造中に下記一般式(1)及び一般式(2)で表される構造部位を繰り返し単位として有する。
【0018】
【化1】

【0019】
【化2】

[一般式(2)中、Rはポリオキシアルキレン骨格を含む構造部位]
【0020】
前記一般式(2)が有するポリオキシアルキレン骨格は、例えば、ポリオキシエチレン骨格、ポリオキシプロピレン骨格、ポリオキシブチレン骨格等が挙げられる。中でも、前記一般式(2)中のRがポリオキシエチレン骨格を含む構造部位である場合、得られるポリアリルアミンポリ尿素化合物の水やアルコール溶剤への溶解性を向上させる効果が高いため好ましい。
【0021】
更に、前記一般式(2)中のRとしてポリオキシエチレン骨格を有する構造部位と、ポリオキシプロピレン骨格を有する構造部位とを併有することにより、前述したポリオキシエチレン骨格が奏する水やアルコール溶剤への溶解性向上の効果に併せて、ポリオキシプロピレン骨格が奏する顔料分散性向上の効果が得られるため好ましい。即ち、本発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物は、水やアルコールに対する溶解性が高く、かつ、顔料分散性に優れる顔料分散剤が得られる点で、ポリオキシエチレン骨格と、ポリオキシプロピレン骨格との両方を有することが好ましい。
【0022】
前記一般式(2)中のRはポリアルキレン骨格を含む構造部位であれば特に制限されないが、より具体的には、例えば、下記一般式(3)で表される構造部位が挙げられる。
【0023】
【化3】

[一般式(3)中、R1は炭素原子数4〜20の炭化水素基、R2は炭素原子数2〜4のアルキレン基、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基又は(メタ)アクリロイル基、nは1〜30の範囲の整数である]
【0024】
前記一般式(3)中のR1は炭素原子数4〜20の炭化水素基であり、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基のいずれでも良い。このような炭化水素基は、具体的には、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、2,2,4−トリメチルへキシレン基、2,4,4−トリメチルへキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基等の脂肪族炭化水素基;
【0025】
シクロへキシレン基、イソホリレン基、ノルボルニレン基、4,4’−ジシクロへキシルメチレン基、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキシレン基等の脂環族炭化水素基;
【0026】
フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、テトラメチル−m−キシリデン基、1,5−ナフチレン基、4,4’−ジフェニルメチレン基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
【0027】
本願発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物が有する前記一般式(3)で表される構造部位中のR1は、全ての構造部位において単一であっても良いし、各々の構造部位で異なっていても良い。これらの中でも、水やアルコール溶剤への溶解性に優れる顔料分散剤が得られる点で脂肪族炭化水素基又は脂環族炭化水素基が好ましい。更に保存安定性に優れる顔料分散体が得られる点で、脂環族炭化水素基がより好ましく、イソホリレン基が特に好ましい。
【0028】
前記一般式(3)中のR2は炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、具体的には、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基である。前述の通り、前記一般式(2)中のRがポリオキシエチレン骨格を含む構造部位である場合、即ちR2がエチレン基である場合には、得られるポリアリルアミンポリ尿素化合物の水やアルコール溶剤への溶解性を向上させる効果が高いため好ましい。
【0029】
更に、前記一般式(2)中のRとしてポリオキシエチレン骨格を有する構造部位と、ポリオキシプロピレン骨格を有する構造部位とを併有する場合、即ち前記一般式(3)中のR2がエチレン基である構造部位と、R2がプロピレン基である構造部位とを併有する場合には、前述したポリオキシエチレン骨格が奏する水やアルコール溶剤への溶解性向上の効果に併せて、ポリオキシプロピレン骨格が奏する顔料分散性向上の効果が得られるため好ましい。即ち、本発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物は、水やアルコールに対する溶解性が高く、かつ、顔料分散性に優れる顔料分散剤が得られる点で、前記一般式(3)中のR2がエチレン基である構造部位と、R2がプロピレン基である構造部位との両方を有することが好ましい。
【0030】
前記一般式(3)中のnは1〜30の範囲の整数である。前記R2がエチレン基の場合は、水やアルコールに対する溶解性に優れる顔料分散剤が得られる点で、nが10〜25の範囲であることが好ましい。また、前記R2がプロピレン基の場合は、顔料分散性に優れる顔料分散剤が得られる点で、nが3〜10の範囲であることが好ましい。
【0031】
前記一般式(3)中のR3は、炭素原子数1〜4のアルキル基又は(メタ)アクリロイル基であり、前記炭素原子数1〜4のアルキル基は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基である。該一般式(3)中のR2がエチレン基である場合には、水やアルコールに対する溶解性に優れる顔料分散剤が得られる点で、前記R3が炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましく、メチル基がより好ましい。また、該一般式(3)中のR2がプロピレン基である場合には、顔料分散性に優れる顔料分散剤が得られる点で、前記R3が(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
【0032】
本願発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物は、より顔料分散性に優れる顔料分散剤が得られる点で、前記一般式(3)中のR3が(メタ)アクリロイル基である構造部位を有することが好ましい。該ポリアリルアミンポリ尿素化合物の(メタ)アクリロイル基当量は、顔料分散性の顔料との親和性を向上させ、より顔料分散性の高い分散剤が得られる点で、0.05〜5eq/mgの範囲であることが好ましく、0.1〜1eq/mgの範囲であることがより好ましい。
【0033】
本願発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物において、前記一般式(1)で表される構造部位と、前記一般式(2)で表される構造部位とのモル数の比[(1)/(2)]は、20/80〜60/40の範囲であることにより、水やアルコール溶剤への溶解性に優れ、かつ、高い顔料分散性を発現する顔料分散剤が得られる。前記[(1)/(2)]が20/80未満の場合には、水やアルコール溶剤への溶解性が低下する。また、前記[(1)/(2)]が60/40を越える場合には、顔料分散性が低下し、得られる分散体の保存安定性等が低下する。中でも、水やアルコール溶剤への溶解性と、顔料分散性との両方に優れる顔料分散剤が得られる点で、25/75〜45/55の範囲であることがより好ましく、30/70〜40/60の範囲であることが特に好ましい。
【0034】
本願発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物のアミン価は、水やアルコール溶剤への溶解性に優れ、かつ、顔料分散性の高い顔料分散剤が得られることから、10〜50mgKOH/gの範囲であることが好ましく、20〜40mgKOH/の範囲であることがより好ましい。
【0035】
本願発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物の重量平均分子量(Mw)は、顔料分散性に優れるものとなる点で、1,000〜10,000の範囲であることが好ましい。更に、より顔料分散性の高い顔料分散剤となり、経時安定性に優れる顔料分散体が得られる点で、重量平均分子量(Mw)が2,000〜8,000の範囲であることが好ましい。
【0036】
尚、本発明において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8220GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSK−GEL SuperHZM−M×4
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0037】
また、本発明において、本願発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物や、後述するポリアリルアミン(B)等、分子構造中にアミノ基を有する化合物の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、アミノ基と反応し得る官能基を有する化合物を用いてアミノ基末端を封止したものについて測定し、得られた値から換算される値である。
【0038】
本願発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物は、例えば、ポリアリルアミン(B)と、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C)とを反応させて得られるものが挙げられる。前記ポリアリルアミン(B)が有するアミノ基と、前記化合物(C)が有するイソシアネート基とが反応することにより分子構造中に形成される尿素結合基は、顔料との親和性が高いため、顔料分散性を高める効果を奏する。また、このような尿素化反応は30〜60℃の比較的低温の温度条件で進行するため、アルコール溶剤のような低沸点の溶剤中でも製造することができ、従って、前記化合物(C)が有するポリオキシアルキレン骨格のような、熱に弱い構造部位を有する化合物であっても、反応原料として好適に用いることができる。
【0039】
前記ポリアリルアミン(B)は、下記一般式(4)で示される繰り返し単位を有する重合体である。中でも、水やアルコール溶剤への溶解性に優れ、かつ、高い顔料分散性を発現する顔料分散剤が得られる点で、重量平均分子量(Mw)が1,000〜10,000の範囲であるものが好ましく、1,500〜6,000の範囲であるものがより好ましい。
【0040】
【化4】

【0041】
前記ポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C)は、例えば、ポリオキシアルキレンモノアルコール(c1)とポリイソシアネート化合物(c2)とを反応させて得られる化合物(C1)や、ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(c3)とポリイソシアネート(c2)とを反応させて得られる化合物(C2)、ポリオキシアルキレングリコール(c4)と、ポリイソシアネート化合物(c2)と、分子構造中に(メタ)アクリロイル基及びカルボキシル基を有する化合物(c5)とを反応させて得られる化合物(C3)等が挙げられる。
【0042】
前記化合物(C1)の反応原料となる前記ポリオキシアルキレンモノアルコール(c1)は、例えば、ポリオキシエチレンモノアルコール、ポリオキシプロピレンモノアルコール、ポリオキシブチレンモノアルコール等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらポリオキシアルキレンモノアルコール(c1)のうち、前記ポリオキシエチレンモノアルコールの重量平均分子量(Mw)は、水やアルコール溶剤への溶解性に優れる顔料分散体が得られる点で、300〜3,000の範囲であることが好ましく、700〜2,000の範囲であることがより好ましい。また、前記ポリオキシプロピレンモノアルコールや前記ポリオキシブチレンモノアルコール等、アルキレン部位の炭素原子数が3以上であるポリオキシアルキレンモノアルコールの重量平均分子量(Mw)は、より高い顔料分散性を示す顔料分散体が得られる点で、200〜2,000の範囲であることが好ましく、250〜1,500の範囲であることがより好ましい。
【0043】
前記化合物(C1)、(C2)及び(C3)の反応原料となる前記ポリイソシアネート化合物(c2)は、例えば、各種のジイソシアネートモノマーや、分子内にウレタン結合部位を有するアダクト型ポリイソシアネート化合物、分子内にイソシアヌレート環構造を有するヌレート型ポリイソシアネート化合物などが挙げられる。
【0044】
前記ジイソシアネートモノマーは、例えば、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
【0045】
シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
【0046】
1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
【0047】
前記分子内にウレタン結合部位を有するアダクト型ポリイソシアネート化合物は、例えば、ジイソシアネートモノマーとポリオールとを反応させて得られる。該反応で用いるジイソシアネートモノマーとしては前記した各種のジイソシアネートモノマーが挙げられ、それぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
【0048】
前記アダクト型ポリイソシアネート化合物の原料となるポリオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2,2−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−3−イソプロピル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘサンジオール等のジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の3官能以上のポリオール等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0049】
前記分子内に分子内にイソシアヌレート環構造を有するヌレート型ポリイソシアネート化合物は、例えば、ジイソシアネートモノマーと、モノアルコールおよび/又はジオールとを反応させて得られる。該反応で用いるジイソシアネートモノマーとしては前記した各種のジイソシアネートモノマーが挙げられ、それぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。また、該反応で用いるモノアルコールとしては、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、オクタノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノール、n−ノナデカノール、エイコサノール、5−エチル−2−ノナノール、トリメチルノニルアルコール、2−ヘキシルデカノール、3,9−ジエチル−6−トリデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、2−オクチルドデカノール、2−デシルテトラデカノール等が挙げられ、ジオールとしては前記
ポリオールとして例示した各種のジオールが挙げられる。これらモノアルコールやジオールはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
【0050】
上記各種のポリイソシアネート化合物(c2)の中でも、水やアルコール溶剤への溶解性に優れる顔料分散剤が得られる点で、前記ジイソシアネートモノマーが好ましく、脂肪族ジイソシアネート又は脂環式ジイソシアネートがより好ましい。更に保存安定性により優れる顔料分散体が得られる点で、脂環式ジイソシアネートが特に好ましい。
【0051】
前記化合物(C2)の反応原料となる前記ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(c3)は、例えば、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(c3)のうち、前記ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、水やアルコール溶剤への溶解性に優れる顔料分散体が得られる点で、300〜3,000の範囲であることが好ましく、700〜2,000の範囲であることが好ましい。また、前記ポリオキシプロプレングリコールモノ(メタ)アクリレートや前記ポリオキシブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等、アルキレン部位の炭素原子数が3以上であるポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、より高い顔料分散性を示す顔料分散体が得られる点で、200〜2,000の範囲であることが好ましく、250〜1,500の範囲であることがより好ましい。
【0052】
前記化合物(C3)の反応原料となる前記ポリオキシアルキレングリコール(c4)は、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらポリオキシアルキレングリコール(c4)のうち、前記ポリオキシエチレングリコールの重量平均分子量(Mw)は、水やアルコール溶剤への溶解性に優れる顔料分散体が得られる点で、300〜3,000の範囲であることが好ましく、700〜2,000の範囲であることがより好ましい。また、前記ポリオキシプロピレングリコールや前記ポリオキシブチレングリコール等、アルキレン部位の炭素原子数が3以上であるポリオキシアルキレングリコールの重量平均分子量(Mw)は、より高い顔料分散性を示す顔料分散体が得られる点で、200〜2,000の範囲であることが好ましく、250〜1,500の範囲であることがより好ましい。
【0053】
前記化合物(C3)の反応原料となる前記分子構造中に(メタ)アクリロイル基及びカルボキシル基を有する化合物(c5)は、例えば、(メタ)アクリル酸;β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、2ーアクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2ーアクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸及びこれらのラクトン変性物等エステル結合を有する不飽和モノカルボン酸;マレイン酸;無水コハク酸や無水マレイン酸等の無水酸をペンタエリスリトールトリアクリレート等の水酸基含有多官能(メタ)アクリレートモノマーと反応させて得られるカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらの中でも、より高い顔料分散性を示す顔料分散剤が得られる点で、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及び2ーアクリロイルオキシエチルコハク酸が好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
【0054】
前記ポリオキシアルキレンモノアルコール(c1)と前記ポリイソシアネート化合物(c2)とを反応させて前記ポリオキシアルキレン骨格をとイソシアネート基とを有する化合物(C1)を製造する方法は、例えば、ポリオキシアルキレンモノアルコール(c1)とポリイソシアネート化合物(c2)とを、20〜120℃の温度条件下、必要に応じてスズ系・チタン系・亜鉛系のウレタン化触媒、具体的にはビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛等を用いて反応させる方法が挙げられる。この際、顔料分散性に優れる顔料分散剤が得られる点で、前記ポリオキシアルキレンモノアルコール(c1)が含有する水酸基のモル数(OH)と、前記ポリイソシアネート化合物(c2)が含有するイソシアネート基のモル数(NCO)との比[(NCO)/(OH)は、1/2〜1/2.1の範囲であることが好ましい。
【0055】
前記ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(c3)と前記ポリイソシアネート化合物(c2)とを反応させて前記ポリオキシアルキレン骨格をとイソシアネート基とを有する化合物(C2)を製造する方法は、例えば、ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(c3)とポリイソシアネート化合物(c2)とを、20〜120℃の温度条件下、必要に応じてスズ系・チタン系・亜鉛系のウレタン化触媒、具体的にはビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛等を用いて反応させる方法が挙げられる。この際、顔料分散性に優れる顔料分散剤が得られる点で、前記ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(c3)が含有する水酸基のモル数(OH)と、前記ポリイソシアネート化合物(c2)が含有するイソシアネート基のモル数(NCO)との比[(NCO)/(OH)は、1/2〜1/2.1の範囲であることが好ましい。
【0056】
前記ポリアルキレングリコール(c4)と、前記ポリイソシアネート化合物(c2)と、前記分子構造中に(メタ)アクリロイル基及びカルボキシル基を有する化合物(c5)とを反応させて、前記ポリオキシアルキレン骨格をとイソシアネート基とを有する化合物(C3)を製造する方法は、例えば、第一工程として、前記ポリアルキレングリコール(c4)と、前記分子構造中に(メタ)アクリロイル基及びカルボキシル基を有する化合物(c5)とを反応させて、(メタ)アクリロイル基及び水酸基を含有する中間体を得、次いで、第二工程として、該中間体とポリイソシアネート化合物(c2)とを反応させる方法が挙げられる。
【0057】
前記第一工程は、例えば、150〜250℃の温度条件下、必要に応じてジブチル錫ジラウレート等のエステル化触媒を用い、生成する水を逐次除去しながら行う方法が挙げられる。この際、顔料分散性に優れる顔料分散剤が得られる点で、前記ポリオキシアルキレングリコール(c4)が含有する水酸基のモル数(OH)と、前記分子構造中に(メタ)アクリロイル基及びカルボキシル基を有する化合物(c5)が含有するカルボキシル基のモル数(COOH)との比[(OH)/(COOH)]は、2/0.9〜2/1.1の範囲であることが好ましい。
【0058】
前記第二工程は、例えば、20〜120℃の温度条件下、必要に応じてスズ系・チタン系・亜鉛系のウレタン化触媒、具体的にはビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛等をを用いて行う方法が挙げられる。この際、顔料分散性に優れる顔料分散剤が得られる点で、前記中間体が含有する水酸基のモル数(OH)と、前記ポリイソシアネート化合物(c2)が含有するイソシアネート基のモル数(NCO)との比[(OH)/(NCO)は、1/2〜1/2.1の範囲であることが好ましい。
【0059】
前記ポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C)は、一種類を単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。これらの中でも、水やアルコール溶剤への溶解性に優れ、かつ、顔料分散性の高い顔料分散剤となる点で、ポリオキシエチレン骨格を有するものと、ポリオキシプロピレン骨格を有するものとを併用することが好ましい。更に、より高い顔料分散性を示す顔料分散剤となる点で、前記化合物(C1)と、前記化合物(C2)又は前記化合物(C3)とを併用することが好ましく、製造が簡便な点で、前記化合物(C1)と前記化合物(C2)とを併用することが好ましい。このとき、前記化合物(C1)の質量と前記化合物(C2)質量との比[(C1)/(C2)]は、1/3〜10/1の範囲であることが好ましく、1/2〜7/1の範囲であることがより好ましい。中でも、より一層高い顔料分散性を示す顔料分散剤となる点で、前記化合物(C1)がポリオキシエチレン骨格を有するものであり、かつ、前記化合物(C2)がポリオキシプロピレン骨格を有するものであることが欲に好ましい。
【0060】
前記ポリアリルアミン(B)と、前記ポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C)とを反応させて、前記分子構造中にポリオキシアルキレン骨格を有するポリアリルアミンポリ尿素化合物を製造する方法は、例えば、ポリアリルアミン(B)と、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C)とを、溶剤中、30〜60℃の温度条件下にて反応させる方法が挙げられる。この際、顔料分散性に優れる顔料分散剤となる点で、前記ポリアリルアミン(B)が含有するアミノ基のモル数(NH)と前記化合物(C)が含有するイソシアネート基のモル数(NCO)との比[(NH)/(NCO)]は1.2/1〜6/1の範囲であることが好ましく、1.5/1〜4/1の範囲であることが好ましい。
【0061】
前記ポリアリルアミンポリ尿素化合物の製造で用いる溶剤は、例えば、水;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール溶剤が挙げられる。これらはそれぞれ単独でも良いし、二種類以上を併用しても良い。
【0062】
前述の通り、前記ポリアリルアミン(B)が有するアミノ基と、前記ポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C)が有するイソシアネート基との尿素化反応は、30〜60℃の比較的低温の温度条件で進行するため、アルコール溶剤のような低沸点の溶剤中でも反応させることができる。
【0063】
本願発明のポリアリルアミンポリ尿素化合物は、これを顔料分散剤とし、分散溶媒、顔料、樹脂及び消泡剤や表面調整剤等の添加剤等と混合して顔料分散体を製造することができる。
【0064】
前記分散溶媒は、ポリアリルアミンポリ尿素化合物を製造する際に用いた水又はアルコール溶剤をそのまま用いても良いし、更に他のアルコール溶剤を添加したり、他のアルコール溶剤に置換したりしても良い。
【0065】
前記分散溶剤の使用量は、安定性に優れる顔料分散体が得られる点で、前記ポリアリルアミンポリ尿素化合物1質量部に対し、10〜25質量部であることが好ましい。
【0066】
前記顔料分散体に用いる顔料は、例えば、二酸化チタン、酸化鉄、硫化カドミウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、黄鉛、カーボンブラックなどの無機顔料;アゾ系、ジアゾ系、縮合アゾ系、チオインジゴ系、インダンスロン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ベンゾイミダゾロン系、ペリレン系、ペリノン系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラピリジン系、ジオキサジン系などの有機顔料等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。中でも、前記ポリアリルアミンポリ尿素化合物は、カーボンブラック及び有機顔料に対して高い顔料分散性を示す。
【0067】
前記顔料の使用量は、安定性に優れ、発色にも優れる顔料分散体が得られる点で、前記ポリアリルアミンポリ尿素化合物1質量部に対し、2〜5質量部の範囲であることが好ましい。
【0068】
前記顔料分散体に用いる樹脂は、例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、塩化ビニル、ポリエチレン樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。これら樹脂は、その用途によって適宜好適なものが選択されるが、グラビアインキ用塗に用いる場合には、ポリウレタン樹脂が好ましい。
【0069】
これらの原料成分を混合して前記顔料分散体を製造する方法は、1.前記ポリアリルアミンポリ尿素化合物、顔料及び分散溶媒を用いてプレ分散体を得、これと樹脂とを混合する方法、2.前記ポリアリルアミンポリ尿素化合物、分散溶媒及び樹脂を予め混合しておき、これに顔料を添加して分散させる方法、3.前記ポリアリルアミンポリ尿素化合物、顔料、分散溶媒及び樹脂を一括混合し分散させる方法が挙げられる。
【0070】
該分散過程で用いる分散機は、例えば、ロールミル、ビーズミル、ボールミル、サンドグランドミル、ペイントシェーカー、ニーダー、ディゾルバー、超音波分散機などが挙げられる。
【0071】
このようにして得られる顔料分散体は、塗料、カラーフィルター用の着色樹脂組成物、印刷インキ、複写用トナー、複写機などに使用されるゴムマグネット、磁気テープ、カラープラスチック成形品等に用いることが出来る。
【実施例】
【0072】
以下に本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本願発明はこれに限定されるものではない。
【0073】
尚、本発明の実施例では、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、下記の条件により測定した値である。
【0074】
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0075】
製造例1
ポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)の製造
撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、ポリオキシエチレンモノアルコール[日油株式会社製「ユニオックスM−1000」重量平均分子量(Mw)1,000]250質量部、ポリオキシプロプレングリコールモノメタクリレート[日油株式会社製「ブレンマーPP−1000」重量平均分子量(Mw)370]107質量部、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール1.9質量部、パラメトキシフェノール0.19質量部、ビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛(DIC株式会社製「DICNATE 722」0.048質量部を仕込み、窒素ガスを流して撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート123質量部を加え、90℃まで昇温してイソシアネート基の残存率であるNCO%が4.8質量%になるまで反応させ、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−1)を得た。
【0076】
次いで、撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、2−プロパノール114質量部、ポリアリルアミン[日東紡「PAA−01」重量平均分子量(Mw)1,600]103質量部を仕込み、窒素ガスを流して攪拌しながら40℃に昇温した。次に、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−1)183質量部を滴下し、40℃で4時間反応させ、固形分50質量%のポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)溶液を得た。該ポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)の数平均分子量(Mn)は2,507、重量平均分子量(Mw)は2,646、アミン価は30mgKOH/g、メタアクリロイル基当量は0.57eq/mgであった。また、ポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)における、前記一般式(1)で表される構造部位と、前記一般式(2)で表される構造部位とのモル数の比[(1)/(2)]は、33.3/66.7である。
【0077】
製造例2
ポリアリルアミンポリ尿素化合物(2)の製造
攪拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、ポリオキシエチレンモノアルコール[日油株式会社製「ユニオックスM−1000」重量平均分子量(Mw)1,000]250質量部、ポリオキシプロプレングリコールモノメタクリレート[日油株式会社製「ブレンマーPP−1000」重量平均分子量(Mw)370]107質量部、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール1.9質量部、パラメトキシフェノール0.19質量部、ビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛(DIC株式会社製「DICNATE 722」0.048質量部を仕込み、窒素ガスを流して撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート151質量部を加え、90℃まで昇温してイソシアネート基の残存率であるNCO%が4.8質量%になるまで反応させ、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−2)を得た。
【0078】
次いで、撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、2−プロパノール120質量部、ポリアリルアミン[日東紡「PAA−03」重量平均分子量(Mw)3,000]100質量部を仕込み、窒素ガスを流して攪拌しながら40℃に昇温した。次に、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−2)180質量部を滴下し、40℃で4時間反応させ、固形分50質量%のポリアリルアミンポリ尿素化合物(2)溶液を得た。該ポリアリルアミンポリ尿素化合物(2)のアミン価は30mgKOH/g、メタクリロイル基当量は0.56eq/mgであった。また、ポリアリルアミンポリ尿素化合物(2)における、前記一般式(1)で表される構造部位と、前記一般式(2)で表される構造部位とのモル数の比[(1)/(2)]は、34.2/65.8である。
【0079】
製造例3
ポリアリルアミンポリ尿素化合物(3)の製造
攪拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、ポリオキシエチレンモノアルコール[日油株式会社製「ユニオックスM−1000」重量平均分子量(Mw)1,000]250質量部、ポリオキシプロプレングリコールモノメタクリレート[日油株式会社製「ブレンマーPP−1000」重量平均分子量(Mw)370]107質量部、2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メチルフェノール1.9質量部、パラメトキシフェノール0.19質量部、ビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛(DIC株式会社製「DICNATE 722」0.048質量部を仕込み、窒素ガスを流して撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート105質量部を加え、90℃まで昇温してイソシアネート基の残存率であるNCO%が4.8質量%になるまで反応させ、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−3)を得た。
【0080】
次いで、撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、2−プロパノール140質量部、ポリアリルアミン[日東紡「PAA−05」重量平均分子量(Mw)5,000]79質量部を仕込み、窒素ガスを流して攪拌しながら40℃に昇温した。次に、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−3)181質量部を滴下し、40℃で4時間反応させ、固形分50質量%のポリアリルアミンポリ尿素化合物(3)溶液を得た。該ポリアリルアミンポリ尿素化合物(3)のアミン価は30mgKOH/g、メタアクリロイル基当量は0.56eq/mgであった。また、ポリアリルアミンポリ尿素化合物(3)における、前記一般式(1)で表される構造部位と、前記一般式(2)で表される構造部位とのモル数の比[(1)/(2)]は、34.1/65.9である。
【0081】
製造例4
ポリアリルアミンポリ尿素化合物(4)の製造
攪拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、ポリオキシエチレンモノアルコール[日油株式会社製「ユニオックスM−1000」重量平均分子量(Mw)1,000]391質量部、ビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛(DIC株式会社製「DICNATE 722」0.048質量部を仕込み、窒素ガスを流して撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート89質量部を加え、90℃まで昇温してイソシアネート基の残存率であるNCO%が3.5質量%になるまで反応させ、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−4)を得た。
【0082】
次いで、撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、2−プロパノール189質量部、ポリアリルアミン[日東紡「PAA−01」重量平均分子量(Mw)1,600]85質量部を仕込み、窒素ガスを流して攪拌しながら40℃に昇温した。次に、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−4)186質量部を滴下し、40℃で4時間反応させ、固形分50質量%のポリアリルアミンポリ尿素化合物(4)溶液を得た。該ポリアリルアミンポリ尿素化合物(4)のアミン価は30mgKOH/gであった。また、ポリアリルアミンポリ尿素化合物(4)における、前記一般式(1)で表される構造部位と、前記一般式(2)で表される構造部位とのモル数の比[(1)/(2)]は、40.5/59.5である。
【0083】
製造例5
ポリアリルアミンポリ尿素化合物(5)の製造
攪拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、ポリオキシエチレンモノアルコール[日油株式会社製「ユニオックスM−550」重量平均分子量(Mw)550]332質量部、ビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛(DIC株式会社製「DICNATE 722」0.048質量部を仕込み、窒素ガスを流して撹拌しながら50℃に昇温した。続いて、イソホロンジイソシアネート135質量部を加え、90℃まで昇温してイソシアネート基の残存率であるNCO%が5.3質量%になるまで反応させ、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−5)を得た。
【0084】
次いで、撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、2−プロパノール105質量部、ポリアリルアミン[日東紡「PAA−01」重量平均分子量(Mw)1,600]114質量部を仕込み、窒素ガスを流して攪拌しながら40℃に昇温した。次に、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C−5)181質量部を滴下し、40℃で4時間反応させ、固形分50質量%のポリアリルアミンポリ尿素化合物(5)溶液を得た。該ポリアリルアミンポリ尿素化合物(5)のアミン価は30mgKOH/gであった。また、ポリアリルアミンポリ尿素化合物(5)における前記一般式(1)で表される構造部位と、前記一般式(2)で表される構造部位とのモル数の比[(1)/(2)]は、29.9/70.1である。
【0085】
比較製造例1
ポリアリルアミンポリアミド化合物の製造
攪拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び水分離器を備えた四ツ口フラスコに、キシレン30質量部、12−ヒドロキシステアリン酸300質量部、及びテトラブチルチタネート0.1質量部を仕込み、窒素ガスを流して撹拌しながら4時間かけて160℃まで昇温し、同温度で更に4時間加熱した。一旦キシレンを溜去し、反応で生成した水とキシレンとを分離した後、キシレンのみを反応溶液に戻して、ポリエステルのキシレン溶液を得た。該ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は5,000、酸価は22.0mg/KOHgであった。
【0086】
次いで、撹拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた四ツ口フラスコに、キシレン25質量部とポリアリルアミン(日東紡績株式会社製「PAA−03」、重量平均分子量(Mw)3,000)70質量部を仕込み、160℃で攪拌しながら水を溜去した。先で得たポリエステルのキシレン溶液14質量部を別途160℃まで加熱し、これを反応ブラス子に加えて、160℃で二時間反応させ、固形分40質量%のポリアリルアミンポリアミド化合物のキシレン溶液を得た。該ポリアリルアミンポリアミド化合物の重量平均分子量(Mw)は25,000であり、アミン価は39mgKOH/gであった。
【0087】
得られたポリアリルアミンポリアミド化合物のキシレン溶液からキシレンを溜去し、常温で12時間減圧乾燥した。得られた乳白色固形物10質量部に2−プロパノール90質量部を加え、超音波処理を行ったが、固形物は溶解しなかった。
【0088】
比較製造例2
変性ポリアリルアミンの製造
攪拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管を備えた四ツ口フラスコに、キシレン100部を入れて窒素気流中80℃に保ち、攪拌しながらメタクリル酸エチル68部、メタクリル酸2−エチルヘキシル29部、チオグリコール酸3部、および重合開始剤[日本油脂株式会社製「パーブチルO」(ペルオキシ2−エチルヘキサン酸t−ブチル)]0.2部からなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間ごとに「パーブチルO」0.5部を添加し、80℃で12時間攪拌した。反応終了後不揮発分調整のためキシレンを加え、不揮発分50%の、片末端にカルボキシル基を有するビニル共重合体(1)のキシレン溶液を得た。該樹脂の重量平均分子量は7000、酸価は18.0mgKOH/g、ガラス転移温度Tgは38℃であった。
【0089】
次いで、攪拌機、温度計、ジムロ−ト型還流冷却管、及び水分離器を備えた四ツ口フラスコに、ポリアリルアミン(日東紡績株式会社製「PAA−03」、重量平均分子量(Mw)3,000)5.4部とポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油株式会社製「ブレンマーPE350」)0.7部を仕込み、窒素気流下撹拌しながら50℃で撹拌し、3時間反応させた。次いでキシレン37.5部、前記ビニル共重合体(1)56.4部を仕込み、窒素気流下撹拌しながら140℃で撹拌し、分離装置を使用して水を溜去すると共に、キシレンを反応溶液に返流しながら8時間140℃で反応を行い、変性ポリアリルアミンを得た。該変性ポリアリルアミンの重量平均分子量は13,000、アミン価は16.0mgKOH/gであった。
【0090】
得られた変性ポリアリルアミンのキシレン溶液からキシレンを溜去し、常温で12時間減圧乾燥した。得られた乳白色固形物10質量部に2−プロパノール90質量部を加え、超音波処理を行ったが、固形物は溶解しなかった。
【0091】
実施例1
顔料分散体(1)の製造
製造例1で得たポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)を分散剤として用い、該ポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)溶液8質量部、赤色顔料(DIC株式会社製「サイミュラーファストレッド4600」)10質量部及び2−プロパノール34質量部を攪拌混合し、ビーズミルを用いて練肉した後、ポリエステルポリウレタン樹脂(DIC株式会社製「バーノックEKL−757」30質量部及び2−プロパノール18質量部を混合して、顔料分散体(1)を得た。
【0092】
印刷フィルム(1)の製造
前期顔料分散体(1)10質量部に2−プロパノール4質量部を混合した希釈溶液を用意し、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製「E−5100」)のコロナ放電処理面に、バーコーター#7を用いて前述の希釈溶液を塗工し、105℃で20秒間加熱乾燥して印刷フィルム(1)を得た。
【0093】
ラミネートフィルム(1)の製造
前期顔料分散体(1)10質量部に2−プロパノール4質量部を混合した希釈溶液を用意し、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製「E−5100」)のコロナ放電処理面に、バーコーター#7を用いて前述の希釈溶液を塗工し、105℃で20秒間加熱乾燥した。この塗工面上にラミネート用接着剤を3.0g/mとなるように塗工し、更に、厚さ70μmのキャストポリプロピレンフィルム(東レフィルム加工株式会社製「トレファンZK93KM」)を重ねてラミネート処理を行った。得たフィルムを40℃で72時間静置して、ラミネートフィルム(1)を得た。尚、ここで用いたラミネート用接着剤は、ラミネーション接着剤(DICグラフィックス社製「ディックドライLX−401A」)5質量部、ラミネーション接着剤用硬化剤(DICグラフィックス社製「SP−60」)5質量部及び酢酸エチル14質量部を混合したものである。
【0094】
ポリアリルアミンポリ尿素化合物及び顔料分散体の評価
ポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)溶液及び顔料分散体(1)について、下記の評価を行った。
【0095】
ポリアリルアミンポリ尿素化合物のアルコール溶液の評価
・高温環境下での保存安定性
ポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)溶液100mlをガラス製容器に入れ、40℃で一週間の保存試験を行った。試験前後の粘度を測定し、その変化率で評価した。
◎:試験前後でその変化率が5%以内である。
○:試験前後でその変化率が5%を超える。
×:保存試験後はゲル化してしまい粘度が測定できない。
【0096】
顔料分散体の評価
・高温環境下での保存安定性
顔料分散体(1)溶液100mlをガラス製容器に入れ、40℃で一週間の保存試験を行った。試験前後の粘度を測定し、その変化率で評価した。
◎:試験前後でその変化率が5%以内である。
○:試験前後でその変化率が5%を超える。
×:保存試験後はゲル化してしまい粘度が測定できない。
【0097】
・顔料分散体の光沢性
JIS−K5400に準拠し、印刷フィルム(1)の鏡面反射率(%)で示される光沢を測定した。数値が高いほど、光沢性に優れる。
【0098】
・顔料分散体塗膜の付着性
ラミネートフィルム(1)について、顔料分散体(1)からなる層での剥離強度を測定した。
◎:8.0N/s以上
○:5.0N/s以上、8.0N/s未満
×:5.0N/s未満
【0099】
実施例2〜5
ポリアリルアミンポリ尿素化合物(1)をポリアリルアミンポリ尿素化合物(2)〜(5)に変更した以外は実施例1と同様にして顔料分散体、印刷フィルム及びラミネートフィルムを得、実施例1と同様にそれぞれ評価を行った。結果を表1に示す。
【0100】
比較例1及び2
比較製造例1で得たポリアリルアミンポリアミド化合物、及び比較製造例2で得た変性ポリアリルアミンは、前述の通り、2−プロパノールに溶解しなかったため、評価が出来なかった。
【0101】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子構造中に、下記一般式(1)
【化1】

で表される構造部位と、
下記一般式(2)
【化2】

[一般式(2)中Rは、ポリオキシアルキレン骨格を含む構造部位]
で表される構造部位とを繰り返し単位として有し、前記一般式(1)で表される構造部位と、前記一般式(2)で表される構造部位とのモル数の比[(1)/(2)]が、20/80〜60/40の範囲であることを特徴とするポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項2】
ミン価が10〜50mgKOH/gの範囲である請求項1記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項3】
前記一般式(2)中のRが含有するポリオキシアルキレン骨格が、ポリオキシエチレン骨格である請求項1記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項4】
前記一般式(2)中のRとしてポリオキシエチレン骨格を有する構造部位と、ポリオキシプロピレン骨格を有する構造部位とを併有する請求項1記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項5】
前記一般式(2)中のRが、下記一般式(3)で表される構造部位である請求項1記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【化3】

[一般式(3)中、R1は炭素原子数4〜20の炭化水素基、R2は炭素原子数2〜4のアルキレン基、R3は炭素原子数1〜4のアルキル基又は(メタ)アクリロイル基、nは1〜30の範囲の整数である]
【請求項6】
前記一般式(3)中、R2がプロピレン基であり、R3が(メタ)アクリロイル基である請求項5記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項7】
(メタ)アクリロイル基当量が0.05〜5eq/mgの範囲である請求項6記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項8】
ポリアリルアミン(B)と、分子構造中にポリオキシアルキレン骨格とイソシアネート基とを有する化合物(C)とを反応させて得られる化合物である請求項1記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項9】
前記ポリアリルアミン(B)の重量平均分子量(Mw)が1,000〜10,000の範囲である請求項8記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項10】
前記化合物(C)として、分子構造中にポリオキシエチレン骨格を有する化合物と、分子構造中にポリオキシプロピレン骨格を有する化合物とを併用する請求項8記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項11】
前記化合物(C)として、ポリオキシアルキレンモノアルコール(c1)とポリイソシアネート化合物(c2)とを反応させて得られる化合物(C1)と、ポリオキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(c3)とポリイソシアネート化合物(c2)とを反応させて得られる化合物(C2)とを併用する請求項8記載のポリアミンポリ尿素化合物。
【請求項12】
前記ポリアリルアミン(B)と、前記化合物(C)とを、前記ポリアリルアミン(B)が含有するアミノ基のモル数(NH)と前記化合物(C)が含有するイソシアネート基のモル数(NCO)との比[(NH)/(NCO)]が1.2/1〜6/1の範囲となるように反応させて得られる請求項9記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか一つに記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物と顔料とを含有する顔料分散体。
【請求項14】
顔料、顔料分散剤、溶媒及び樹脂を含む原料からなり、前記顔料分散剤が請求項1〜12の何れか一つに記載のポリアリルアミンポリ尿素化合物である印刷インキ。

【図1】
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【公開番号】特開2013−71973(P2013−71973A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210803(P2011−210803)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】