説明

顔料分散系

(i)約5〜約30重量%の量の非イオン性乳化剤と、(ii)約30重量%の量の、アルコキシル化C6〜C22脂肪アルコールのC4〜C6ジカルボン酸エステルまたはトリカルボン酸エステルであるエモリエントエステルと、(iii)約40〜約90重量%の量の、天然または合成油から選択される基材との混合物を含む無水プレブレンド系(1)、あるいは(i)約5〜約50重量%の量の非イオン性乳化剤と、(ii)約5〜約50重量%の量の、アルコキシル化C6〜C22脂肪アルコールのC2〜C12モノカルボン酸エステル、ジカルボン酸エステルまたはトリカルボン酸エステルであるエモリエントエステルと、(iii)約20〜約90重量%の量の、天然または合成油から選択される基材との混合物より本質的になる無水プレブレンド系(2)。本発明は、該「プレブレンド」系および該プレブレンドの約2〜約60重量%の顔料を含むプレブレンドも含む。プレブレンドおよびプレブレンド系は、日焼け止め剤、他のパーソナルケア製品、カラー化粧品を作成するのに使用できる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
高いSPF(SPF 10を超える)の日焼け止め剤の処方は、非常に骨が折れることがある。比較的高い顔料装填量のため、これらの物質を処理するのが困難なことがある。加えて、顔料の適正な均一分布を得るのが困難であることが多い。微粒子分布、適切な分散および処理性を得ることは、すべて重要な課題である。実際に、費用と時間のかかる高剪断混合の使用が必要とされることがあり、そのことはこれらの物質の製造の費用および効率に影響を及ぼし得る。
【0002】
これらの問題に対して表明された解決策が、米国特許第6,540,986号に述べられている。本特許は、ポリオールおよびカルボキシル化アルコキシル化アルコールと、アニオン性乳化剤との反応生成物である、油をベースとする油相を含有する水中油型エマルジョンである混合物について述べている。米国特許第6,540,986号は、非イオン性乳化剤が比較的高い顔料装填量、すなわち高レベルのSPF値を提供できないことを例証している。
【0003】
別の興味深い特許は米国特許第6,165,450号であり、特に分散剤を含有する水中油型サスポエマルジョンであるスプレー式日焼け止め剤について述べる。
【0004】
非イオン性乳化剤を使用して、本発明に従って処方したときに、良好な処理性および高い顔料装填量が実際に得られることが今や見いだされている。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、日焼け止め剤または他のパーソナルケア製品およびカラー化粧品を製造するためのプレブレンドとして使用できる、日焼け止め剤として直接使用できる、又は水中油型または油中水型エマルジョンあるいは他の形のパーソナルケア製品または化粧品中へさらに調合できる、処方物を提供する。本発明は、プレブレンドの製造に使用できる「プレブレンド系」にも関する。プレブレンドおよびプレブレンド系はどちらも一般に、無水であり−−約10重量%未満の水、好ましくは5%w/wの水を含有する。好ましくは、本発明のプレブレンドおよびプレブレンド系は、水を含まない分散物である(水2%未満)。しかしながらプレブレンドおよびプレブレンド系で使用された成分が、多少の量の水分を含むことは珍しくない。たとえばあるタンパク質は日焼け止め処方物を製造するのに使用でき、それらは98重量%もの水の中へ供給できる。プレブレンドの製造に使用される顔料は、関連する含水量も有し得る。使用した成分およびそれぞれの含水レベルに応じて、本発明のプレブレンドおよびプレブレンド系は最大約10%の水を含有することができ、その含水レベルではそれらは分散物または油中水型エマルジョンであり得る。水を含まない場合、これらの処方物は保存料を含まない方法で処方できる。このことは、敏感肌、特定の保存料などに対するアレルギーを有する使用者にとって大きな恩恵となる。
【0006】
別の実施形態において、本発明の日焼け止め処方物は、本発明のプレブレンドまたはプレブレンド系を使用して製造できる。これらの日焼け止め処方物は、引き続き一般に無水であるか、またはかなりの量の水を含有して、たとえば水中油型エマルジョン、懸濁物などを形成できる。
【0007】
日焼け止め剤製造者は昔から「プレブレンド」を作成していた。これは標準量の顔料の分散またはエマルジョン系を含んでいた。該プレブレンドはしばしば、顔料および基材に過ぎなかった。次に該プレブレンドは、単一成分として使用されて、パーセント活性ベースで日焼け止め処方物中へ計量された。本発明によるプレブレンドは同じ意味を有する。しかしながら「プレブレンド系」は本明細書で使用するように、顔料の添加前のプレブレンドである。本発明によるプレブレンドおよびプレブレンド系は、たとえばパーソナルケア製品、たとえばシャンプー、コンディショナー、ヘアスプレーおよびカラー化粧品、たとえば限定されることなく、ファンデーション、口紅、頬紅、アイメイクアップなど、頭髪トリートメント製品、皮膚のトリートメント製品などにブレンドすることもできる。それらは頭髪および皮膚用の日焼け止めスプレーを含む日焼け止め剤にも使用でき、ポンプまたはエアゾール容器を使用して利用できる。それらはミルクまたはオイルとして利用できるか、あるいはクリームまたはローションへと濃縮できる。
【0008】
本発明の1つの態様による特に好ましいプレブレンド系は、非イオン性乳化剤、エモリエントエステルおよび基材を含む。本発明によるプレブレンドは、このプレブレンド系および少なくとも一の顔料を含む。実施形態において、本発明のプレブレンド系はエモリエントエステルとして、炭素約6〜約22個および長さが炭素2〜3個のアルコキシ基2〜約50単位の脂肪アルコールと反応した、モノプロトン酸またはモノカルボン酸あるいはジカルボン酸またはトリカルボン酸の反応生成物をベースとする1つ以上の化合物を含む。本発明のエモリエントエステルを生成する反応で使用される酸、脂肪酸、脂肪アルコールおよびアルコキシ基は、各種の炭素鎖長の各種の同様の化合物をしばしば含有することを理解すべきである。したがって用途がたとえば炭素12個の脂肪アルコールの使用を提案している場合、それが使用される物質の少なくとも優勢な割合がその長さを有することを−−たとえばその割合が存在する脂肪アルコールの大部分でないとしても−−意味することを理解すべきである。同様に、たとえば炭素6〜22個の記述は、炭素6〜22個の炭素鎖長を有する、原料または完成品のエステル中の脂肪アルコールすべての部分の添加が、すべての脂肪酸の優勢な割合をもたらすはずであり、その他は単独に考慮されることを意味する。したがって6〜22炭素鎖の脂肪アルコールの含有率が合計で19%である場合、その他の脂肪アルコールが19%以上の量で存在するはずがない。このことは、他の種(アルコキシ、酸など)についても同様に当てはまる。
【0009】
なおさらに好ましくは、処方物は、炭素4〜6個を有するジカルボン酸誘導体またはトリカルボン酸誘導体のどちらかを含む。1つの実施形態において、これらのエモリエントエステルは、プレブレンド系の約5〜約50重量%の、別の実施形態において約5〜約30重量%の、そしてさらに別の実施形態において約5〜約20重量%の量で提供される。非イオン性乳化剤は好ましくは、エモリエントエステルに関連して今述べたのと同じ量で存在できる。しかしながら好ましい実施形態において、非イオン性乳化剤は、ソルビタン誘導体、グリセロール誘導体、ポリグリセロール誘導体、アルコキシル化脂肪酸、アルコキシル化脂肪アルコールなどからなる群より選択される。別の実施形態において、非イオン性乳化剤は、ソルビタンオレアート、ソルビタンイソステアラート、アルコキシル化脂肪酸、アルコキシル化脂肪アルコール、グリセロールモノオレアート、グリセロールイソステアラート、ポリグリセロールオレアートおよびポリグリセロールイソステアラートからなる群より選択される。
【0010】
最後に、基材は好ましくは天然または合成油、たとえばポリイソブテン、ジメチコン植物油、ヒマシ油または鉱油、あるいはモノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリドベース物質のエステルである。これらのグリセリドを形成するために使用される脂肪酸種は一般に、炭素16個以下の短鎖脂肪酸種を含む。しかしながらそのような脂肪酸源は 通常は均質でない通常の脂肪酸ベース種であり、したがって原料に使用する任意の混合物に含有される優勢な種は、炭素約16個以下の鎖長を有するであろうことが認識される。
【0011】
本発明のプレブレンドおよびプレブレンド系は公知の系と比較すると、著しい利点を有する。第1にそれらは、高剪断ミキサーとは対照的に、慣用的な低剪断ミキサー、たとえばパドルミキサーを使用して製造できる。実際に、二酸化チタン35重量%およびCrodamol GTCC[カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド]65%のプレブレンドと比較すると、顔料の同じ重量パーセンテージを有する、Cromollient DP3A[ジ−PPG−3ミリスチルエーテルアジペート]、CRILL 6[ソルビタンイソステアラート]およびCRODAMOL GTCCの本発明によるプレブレンドは、約50%低い粘度を生じた。粘度は、50rpmにてスピンドル6を使用して、Brookfield粘度装置によって測定した。加えてCRODAMOL GTCCおよび顔料単独の以前の処方は、高い剪断混合を必要とした。従来の物質のチクソトロピー指数は、約3.5であった。しかしながら本発明のプレブレンド系から作成したプレブレンドのチクソトロピー指数は、約100%高かった。したがって本発明のプレブレンドがより容易に製造されただけでなく、大幅により良好に流動およびブレンドし、同時により安定であるので、処理の点で利点を提供する。
【0012】
別の実施形態において、本発明によるプレブレンド系は、アルコキシアルコールの脂肪部分が炭素約6〜約22個の範囲である、アルコキシル化脂肪アルコールのモノカルボン酸エステル、ジカルボン酸エステルまたはトリカルボン酸エステルであるエモリエントエステルと、非イオン性乳化剤とを含む。酸は一般に炭素約2〜12個を含有するが、モノカルボン酸では、炭素鎖の範囲は炭素約4〜約16個である。これらは置換または非置換、分岐または直鎖、飽和または不飽和であり得る。最後にプレブレンド系は、10%を超えない置換基が、炭素16個を超える長さあるいは天然または合成油を含有する限り、好ましくは、少なくとも1個の短鎖脂肪基によって置換された置換モノグリセリド、ジグリセリドまたはトリグリセリドである基材を含む。非イオン性乳化剤、エモリエントエステルおよび基材のこれらのブレンドは、顔料、たとえば二酸化チタン、酸化亜鉛またはカラー化粧品に使用される顔料を添加できるプレブレンド系として作用できる。実際に、二酸化チタンおよび他の顔料は、これらの3成分のブレンドプロセスの任意の時点で添加できる。結果は良好な分散性、高い装填量およびSPF、予測よりも一般に低い粘度およびより高いチクソトロピー指数を持つ、安定な処方物である。
【0013】
これらのプレブレンド系は、処理性、顔料を分散させる能力および顔料装填に関して独自の特性を提供することが見出されている。本発明は、プレブレンド系、プレブレンドおよびどちらかを使用して作成した日焼け止め処方物を含む。本発明の別の態様において、非イオン性乳化剤、エモリエントエステル、基材および顔料の検討された無水分散物または無水油中水型エマルジョン(約10%以下の含水率)がある。これらを作成する方法も考慮される。本発明の別の好ましい態様は、本発明による非イオン性乳化剤およびエモリエントエステル(たとえば顔料およびCRODAMOL GTCC)を含有しない処方物から得られる日焼け止め剤よりも、少なくとも30%高いチクソトロピー指数および少なくとも30%低い粘度を有する日焼け止め剤である。さらに好ましくは、チクソトロピー指数は約50%高く、粘度は約50%低い。
【0014】
本発明の1つの実施形態において、プレブレンド系は本質的に、本明細書で定義したような非イオン性乳化剤、エモリエントエステルおよび基材からなる。
【0015】
別の実施形態において、プレブレンド系は実質的に、約5〜約50重量%の量の非イオン性乳化剤と、酸部分が炭素約2〜約12個を有し、脂肪部分の長さが炭素約6〜22個の範囲であり、約5〜約50重量%の範囲の量で提供される、アルコキシル化脂肪アルコールのモノカルボン酸エステル、ジカルボン酸エステル、またはトリカルボン酸エステルであるエモリエントエステルと、約20〜約90重量%の範囲の量で提供される、エステルおよび油から選択される基材との混合物からなり、重量は前記プレブレンド系の全重量に対して測定される。
【0016】
プレブレンド系の文脈では、「本質的になる」という用語は、小売客およびエンドユーザに対して、得られた製品の販売に一般に必要である、他の成分の存在および/または他の成分の量を排除することを意味する。プレブレンド自体ではなく、プレブレンド系の文脈では、顔料も排除する。したがって例示のためだけであるが、非イオン性乳化剤、エモリエントエステルおよび基材から本質的になるプレブレンド系は、限定されることなく微生物保存料も含むことができる。この同じ保存料は最終製品にて同じ量で使用でき、それを含むプレブレンド系は、一般に他の従来の成分と調合する製品製造者への販売に適切であるが、「スタンドアロン」製品として皮膚に塗布するための適切な最終製品でない。本明細書で定義された非イオン性乳化剤、エモリエントエステルおよび基材から本質的になるプレブレンドは、上述したばかりのプレブレンド系と同じであるが、それは顔料を含む。
【0017】
特に好ましい実施形態において、本質的に本明細書で定義した非イオン性乳化剤、エモリエントエステルおよび基材からなる本発明のプレブレンドおよびプレブレンド系は、合計約10%を超える、これらの用語の定義に含まれない任意のものを、排除する(プレブレンドはもちろん顔料を含む)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
「含む」という用語は本明細書で使用するように、限定されることなく(open−ended)、列挙した要素に加えて任意のものを含む。「本質的になる」は、本発明で定義される。「〜(between)」は範囲と関連して、その終点を含む。
【0019】
本発明によるエモリエントエステルは、長さが炭素4〜18個のモノカルボン酸、長さが炭素2〜12個の範囲のジカルボン酸またはトリカルボン酸から誘導される。特に好ましいトリカルボン酸は、炭素6個を含有するクエン酸である。特に好ましいジカルボン酸は、アジピン酸(炭素6個)、マレイン酸(炭素4個)、コハク酸(炭素4個)を含む。特に好ましいモノカルボン酸またはモノプロトン酸は、PPG−3ミリスチルエーテルネオヘプタノアートである。これらのカルボン酸種は、置換または非置換されたものでもよく、直鎖または分岐したものでもよい。それらは飽和または不飽和でもよい。ジカルボン酸およびトリカルボン酸が最も好ましい。特に好ましいのは、クエン酸および/またはアジピン酸をベースとするエモリエントエステルである。
【0020】
最も好ましくは、エモリエントエステルで使用された物質の優勢な割合は、アルコキシアルコールによって網羅的にエステル化される。したがって酸のカルボン酸基はすべて、好ましくは1個以上のアルコキシ基を通じて脂肪アルコールに結合される。
【0021】
脂肪アルコールは直鎖または分岐したものでもよく、飽和または不飽和のものでもよく、飽和、不飽和または多不飽和のものでもよい。それらは好ましくは、炭素6〜22個の長さ、さらに好ましくは炭素10〜18個の長さを有する。各脂肪アルコール基が同じである必要はなく、したがってこれらのエモリエントエステルは非対称的に置換できる。
【0022】
本発明によるエモリエントエステルで有用なアルコキシ基は一般に、炭素2〜3個の短鎖アルコキシ基である。それらはエトキシ置換基およびプロポキシ置換基を含む。プロポキシ基で最も好ましいのは、メチル置換基が基の第1または第2の炭素にある分岐プロポキシである。もちろんこれらは同様に混合できる。アルコキシ置換基は均質であり得るか(たとえばすべてエチオキシ)、あるいはエトキシおよびプロポキシの混合物および/またはプロポキシ物質の各種の形の混合物であり得る。プロポキシおよび/またはプロポキシおよびエトキシ基の各種の形が使用される場合、順序はランダムまたはブロック状が可能である。各基は独立した単位と考えることができ、アルコキシ単位の数は一般に、1〜50、好ましくは1〜30、さらに好ましくは2〜15であろう。アルコキシ置換基は非対称でもよい。したがって二酸を使用するとき、二酸は第1の脂肪アルコール置換基および第1のアルコキシ置換基を有することができ、これらは、二酸の反対側に結合したアルコキシ置換基および脂肪アルコール置換基とは組成および長さが異なっている。そして物質がすべて1つの形態であることが好ましいが、エモリエントエステルがしばしば各種の反応生成物の混合物であることが理解される。しかしながらそれらは、少なくともかなりの割合の特に所望される化合物を含有すべきである。
【0023】
本発明による特に好ましいエモリエントエステルは、アルコキシル化アルコールをベースとするエステルを含む。特に好ましいエステルは、3プロピレンオキシドミリスチルアルコールアジペートジエステルである、米国ニュージャージー州エジソンのCroda,Inc.によるCROMOLLIENT DP3Aとして既知である。別の好ましいエモリエントエステルは、3プロピレンオキシドミリスチルアルコールシトレートトリエステルである。
【0024】
本発明による基材は、一般にエステルまたは油のどちらかである。エステルはオクチルステアラートあるいはモノグリセリド、ジグリセリドまたはトリグリセリドをベースとする物質などの化合物を含むことができる。トリグリセリドが好ましく、これらは好ましくは、優勢な割合として、徹底的にエステル化されたトリグリセリドを含む。ジグリセリド、モノグリセリドおよび混合物を使用することが可能である。しかしながらトリグリセリドをエステル化する場合、モノグリセリドおよびジグリセリドが同様にしばしば一定の割合で生じ得ることを理解すべきである。その上、1個を超える脂肪酸置換基が使用される限りでは、グリセリド主鎖でのこれらの分布は変化することがある。使用できる他のエステルは、オクチルメトキシシンナメートなどの、いわゆるUV吸収エステルを含む。
【0025】
油は、制限なくポリイソブテンなどを含めて、任意の天然または合成油を含む。これらはシリコンベース油ならびにジメチコンおよびシクロメチコンなどの物質、植物油、ヒマシ油および鉱油などを含むことができる。
【0026】
上で示したように、本発明によってトリグリセリドを形成するために使用される脂肪酸種は、一般に短鎖の脂肪酸種を含むことが好ましい。最も好ましくは、これらは炭素16個以下の鎖長を有するであろうが、開始物質の約10重量%までは、C16を超える鎖長を有することができる。最も好ましくは、それらは約C6〜約C14の範囲である。酸種は、飽和または不飽和であってもよく、直鎖または分岐であってもよく、置換または非置換のものであってもよい。本発明による好ましい基材は、短鎖(主にC14以下の酸をベースとする)トリグリセリドを含む。一部好ましいグリセリドは、米国のCroda,Inc.が販売するカプリル酸/カプリル酸トリグリセリドである、CRODAMOL GTCCである。
【0027】
いずれの非イオン性乳化剤も、他の賦形剤と十分に適合性であり、顔料の十分な装填量を保持できるブレンドの製造を可能にする限り、本発明に従って使用できる。本発明に従う特に好ましい非イオン性乳化剤は、ソルビタンオレアートおよびソルビタンイソステアラートを含む、各種のソルビタン誘導体である。本発明に従って使用できる他の公知の非イオン性乳化剤は、アルコキシル化脂肪酸またはアルコキシル化脂肪アルコールを含む。各種のグリセロール誘導体、たとえばグリセロールモノオレアートまたはグリセロールイソステアラートも、ポリグリセロール、たとえばオレアートおよびイソステアラートと同様に使用できる。上述のいずれも、好ましくは分岐および/または不飽和である。1つの特に好ましい非イオン性は、米国のCroda,Inc.から入手できるソルビタンイソステアラートの、CRILL 6である。
【0028】
本発明に従って使用される顔料は一般に、乾燥粉末物質、たとえば二酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄、疎水性コーティング顔料および有機顔料、たとえばフタロシアニンを指す。これらの物質の一部は、当分野で公知であるように、各種の物質によって処理または表面コーティングすることもできる。このようなコーティングは、分散性の向上への使用に関して既知である。そのようなコーティングは、ジメチコンおよびトリメトキシカプリルイルシランなどを含む。
【0029】
好ましくは、本明細書で「ベース」とも呼ばれるプレブレンド系中の非イオン性乳化剤の量は、プレブレンド系の重量に基づいて、約5〜約50パーセント、好ましくは約5〜約30%、さらに好ましくは約5〜約20重量パーセントの範囲であろう。本発明によるエモリエントエステルの量は一般に、プレブレンド系の重量に基づいて、約5〜約50パーセント、好ましくは約5〜約30%、さらに好ましくは約5〜約20重量パーセントの範囲であろう。残りは基材となり、通例これはプレブレンド系の重量に基づいて、約20〜約90パーセント、好ましくは約40〜80重量パーセントの範囲であろう。これらは、非イオン性乳化剤、エモリエントエステルおよび基材の組合せの全重量に基づく重量パーセントである。添加剤などの他の従来物質の慣用的な量を含むこともできる。これらはたとえば、他の種類のエモリエント、他の種類の基材または乳化剤、保存料、粘度調節剤、溶媒などを含むことができる。
【0030】
本発明によるプレブレンドは一般に、少なくとも1つの顔料も、プレブレンドの重量に基づいて、顔料約2〜約60重量パーセントの、さらに好ましくは顔料5〜約60重量パーセントの量で含むであろう。顔料は好ましくは、微細二酸化チタンである。本発明による特に好ましい処方物は、約55〜75パーセントの本発明によるプレブレンド系および約45〜25パーセントの顔料を含む。1つの特に好ましいプレブレンドは、約60〜70パーセントのプレブレンド系および約30〜40パーセントの顔料である。別の好ましい実施形態は、約65パーセントのプレブレンド系および約35パーセントの顔料を有する。
【0031】
プレブレンド系を構成する3つの物質またはベースを、プロペラ型スターラーを装備した適切な容器に添加できる。中速で撹拌しながら、顔料を少量ずつ添加することができ、添加物質を添加する前に各添加の完全な分散が可能となる。すべての固体を添加したら、混合速度を約10〜15分間に渡って、または均一で凝集体を含まない分散物(「均質な」)が得られるまで、混合速度を上昇させることができる。Silversonなどの高剪断混合物を使用することができる。しかしながら本発明の利点は、そのような高剪断混合が一般に必要ないことである。Silversonは高剪断ミキサーであり、高RPMでのブレードスピンは、混合物と接触したブレード周囲の高圧点を生成して、この高エネルギー系は顔料の粒子を有害に粉砕するであろう。低剪断ミキサーはパドルまたはプロペラミキサーである。ミキサーは、非常に低いRPMにて作動させることができ、したがってさらに粒径を縮小するために物理力または剪断を使用しない。本発明のベースを使用して、5分間に渡る低速下での非高剪断混合で作成された二酸化チタン分散物の粒径解析は、一般に、20分間に渡ってSilversonを使用して製造された二酸化チタン分散物と等しいか、より良好であった。加えて、粘度の低下が実現され、チクソトロピーの上昇が実現され、Silversonなどのはるかに高剪断の技法の使用時に必要な時間の約25パーセントで非常に容易に分散する顔料を作成した。
【0032】
上で示したように、ベースまたはプレブレンド系、あるいは実際に任意のプレブレンドは、単独で使用できるか、または他の物質と組合せて使用できる。1つの実施形態において、追加の化学薬品ベースのUV遮断または吸収種を使用できる。一般にこれらは、一般に処方物全体の約25重量%までの量の範囲の慣用的な量で使用される。これらはUVA、UVBまたはUVC吸収物質、たとえばアヴォベンゾン、メトキシシンナメートエステル、オクトクリレン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾンなどであり得る。本発明に従って使用できる最新の日焼け止め剤系で一般に既知である他の追加成分は、ポリマー増粘剤および安定剤、追加のエモリエント、エモリエント油、微生物保存料(水を使用する場合は必要)、抗酸化剤、香料、保湿剤を含む。これらは通例、既知の量で使用される。
【0033】
本発明による日焼け止め処方物は、多数の方法で製造できる。大半の慣用的な手法では、本発明のプレブレンド系および顔料を含むプレブレンドを取って、これまで実施されているように日焼け止め剤の他の成分と共にブレンド容器内へ計量できる。しかしながら、本発明の一般に低下した粘度および高い分散性のために、本発明のプレブレンド系を顔料なしで取ることができ、それと顔料を個別にブレンド容器に添加して、追加成分を添加することができる。これは1ステップですべてブレンドできる。これにより追加のブレンド時間が短縮される。その上、本発明のプレブレンド系の利点により、一般に最終製品の製造においてさえ、高剪断混合を使用する必要はない。
【0034】
あるいは、プレブレンド系の個別の成分、特に非イオン性乳化剤およびエモリエントエステルを取って、それらを基材および任意の添加剤と共にブレンド容器に個別の成分として、顔料と共に添加して、それらを1ステップで共にブレンドできる。これは処理性、時間および効率の点で大きな利点である。
【0035】
これらの方法のいずれかで製造した日焼け止め処方物は、少なくとも約0.5%のエモリエントエステル、さらに好ましくは少なくとも約1.0%のエモリエントエステル、そしてさらに好ましくは少なくとも約2.0%のエモリエントエステルを含むはずである。4.5%のエモリエントエステルが特に有用であることが見出されている。同じ一般的なパーセンテージを非イオン性乳化剤に使用できる。これらの成分のどちらにも概して上限はないが、ある点で多過ぎる乳化剤の使用は問題を呈することがある。しかしながら一般に、エモリエントエステルおよび非イオン性乳化剤の合計は、処方物の全重量の35%を超えない、さらに好ましくはその30%以下であるべきである。残りは顔料、基材および添加剤であろう。一般に、最終物質中の顔料の量は、それに少なくとも5のSPFから約50までのSPFを与えるのに十分であろう。顔料の量は、約1〜約75重量パーセント、さらに好ましくは約2〜約60重量パーセント、最も好ましくは約3〜約45重量パーセントの範囲であり得る。再び上で示したように、残りは基材および/または慣用的な添加剤、たとえば保存料、着色料、香料、粘度およびレオロジー調節剤、安定剤などであろう。単一の基材物質、たとえばCRODAMOL GTCCを使用することが可能である。しかしながら、さらに頻繁には、最終処方物では各種のそのような基材が使用されるであろう。
【0036】
プレブレンドおよび最終製品は、液体として、またはそのより低い粘度のためのエアゾール形として使用でき、各種の化粧およびパーソナルケア製品、たとえばハンドおよびボディーローション、日焼け止め剤、オイル、軟膏、リップクリーム製品、顔用化粧品などはもちろんのこと、頭髪トリートメント用組成物に包含させることができる。このプレブレンド系は、ある毛髪染料、特にヘアカラー製品に包含させる前に予備分散を必要とする毛髪染料を分散させるためにも使用できる。
【0037】
以下に示す表および添付図1に示すように、各種の処方物の粘度を測定した。これらは50rpmにて6番スピンドルを用いてBrookfield粘度計を使用して実施した。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
上の表で、CRODAMOL GTCC、CROMOLLIENT DP3AおよびCRILL 6は、その以前の意味を有する。M170は、本明細書の別の箇所で言及する二酸化チタンのブランドである。オーストラリア、パースのAdvance Nano Technologies Pty Ltd.から入手できるZNO 35%は酸化亜鉛である。上で示したように、慣用的な処方物は、CRODAMOL GTCC単独および二酸化チタンなどの物質を使用する。これをサンプル1として表1、2に示す。得られた粘度は、10,200センチポイズである。これは特に、得られた粘度がサンプル1の粘度の半分未満である、サンプル7として表1に示した、45% CRODAMOL GTCC、10% CROMOLLIENT DP3A、6% CRILL 6および35% 二酸化チタンのブレンドと比較すべきである。
【0041】
表3および添付図2に示すように、同じ処方物をチクソトロピー指数について試験を行い、チクソトロピー指数は、2つの読み取り値のrpm、すなわち5rpm(表2)および50rpm(表1)から10の倍数として得て、次に低いrpmを高いrpm数で割った。再び、これらの結果を、示したように5/50rpmにて6番スピンドルでBrookfield粘度計を使用することによって得た。CRODAMOL GTCCおよび二酸化チタン処方物(サンプル1)の表3のチクソトロピー指数「TI.2」は3.5であった。しかしながらサンプル7は、そのほぼ2倍の6.7というチクソトロピー指数を有していた。このことは、本発明の使用による、より低い粘度を、したがってより良好な処理特性およびより高い安定性を同時に得られる能力を示す。
【0042】
【表3】

【0043】
本発明による特に好ましいプレブレンド系は、C64重量%のRODAMOL GTCC、18%のCROMOLLIENT DP3Aおよび18%のCrill 6を含むプレブレンド系であり、成分はそれぞれ、プレブレンド系の全重量に基づく重量による。プレブレンドは、パドルまたはプロペラミキサーを使用して均質な混合物が生じるまで、64重量%のCRODAMOL GTCC、18%のCROMOLLIENT DP3Aおよび18%のCRILL 6を共に混合することによって調製される。
【0044】
本発明によるカラー化粧品は、本明細書で述べたプレブレンドおよびプレブレンド系を使用して作成できる。カラー化粧品とは、それが塗布される皮膚、頭髪または爪に色を提供することを目的とする化粧製品である。カラー化粧品で使用できる顔料は、これに限定されるわけではないが、上述した顔料はもちろんのこと、疎水性または親水性コーティング顔料および顔料の組合せも含むことができる。これらの顔料は、本発明によるプレブレンド系、たとえば64%のCRODAMOL GTCC、18%のCROMOLLIENT DP3Aおよび18%のCrill 6から作成したプレブレンド系に混合できる。次に得られたプレブレンドを使用して、カラー化粧品、たとえば限定することなく、口紅、頬紅、ルージュ、マスカラ、ファンデーション、アイシャドウ、アイペンシルおよびアイライナー、マニキュア液などを製造できる。そのような文脈では、本発明のプレブレンドおよびプレブレンド系は、慣用的な分散助剤として、および/あるいははカラー化粧品で使用される乳化剤または担体系として使用できる。プレブレンドの量は、カラー化粧品処方物に含まれる顔料の量に大きく依存するであろう。プレブレンドは、エモリエント、乳化剤、保湿剤、充填剤、担体、構造化剤、膜形成剤、他の顔料または着色料およびカラー化粧品の製造分野で既知であるような同等物と混合できる。カラー化粧品は、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、油中油型エマルジョン、分散物、懸濁物、パウダー、ゲル、ミルク、ローション、クリームなどの形であり得る。そのような化粧製品の例は;着色モイスチャライザ、着色日焼け止め剤、リキッドファンデーション、マスカラ、口紅、リップクリームおよび大半の他の液体、半固体または固体カラー化粧品用途である。
【実施例1】
【0045】
Crodamol GTCC(Croda,Inc.から入手できるカプリル酸/カプリル酸トリグリセリド)69.2%w/w;Cromollient DP3A(Croda,Inc.から入手できるジPPG−3ミリスチルエーテルアジペート)15.4%w/w;Crill 6(Croda,Inc.から入手できるソルビタンイソステアラート)15.4%w/w。3つのベース物質を、プロペラスターラーを使用した適切な装置でブレンドした。顔料のUVチタンM−170(Kemiraから入手可能)を少量ずつ添加して、次の量を添加する前にそれぞれの添加量を分散させる。顔料の量が35%w/wであり、残りの約65%w/wが他の3つの成分の混合物であるように、すべての固体を添加したときに、均一で凝集体を含まない分散物が得られるまで混合速度を上昇させた。
【実施例2】
【0046】
第二の処方物であるプレブレンド系は、以下を実施例1に述べたようにブレンドすることによって製造できる。
【表4】

【実施例3】
【0047】
実施例2のプレブレンド系65%w/wに二酸化チタンM170 35%w/wを添加して、実施例1と同様にブレンドすることによって、プレブレンドを製造する。
【実施例4】
【0048】
スプレー/エアゾール−子供用無機日焼け止めスプレーSPF30+
【表5】

【0049】
すべての物質を単一容器に変えて、適正にブレンドされるまで低剪断で混合できる。たとえばブレンドは、パドルミキサーによる75℃での10分間の低速混合によることが可能である。
【実施例5】
【0050】
ローション/クリーム−子供用無機日焼け止めクリームSPF30+
【表6】

【0051】
すべての物質を単一容器に変えて、適正にブレンドされるまで低剪断で混合できる。たとえばブレンドは、パドルミキサーによる75℃での10分間の低速混合によることが可能である。
【実施例6】
【0052】
リップグロス
【表7】

【0053】
手順
A部成分を合せて、混合しながら85〜90℃まで加熱する。75〜80℃に冷却して、B部のカラー粉砕物を添加する。分散させて、C部プレミックスを添加する。分散させて、D部を添加する。温度を75〜80℃に維持して空気が放散するまでゆっくり撹拌する。E部を添加する。温度が67〜69℃に下がるまで撹拌して、充填する。
*B部カラー粉砕物:別個のビーカー内のB部の成分を合せて、すべての顔料が湿潤状態になるまで手作業で混合する。顔料の粒子が10μm未満になるまで、カラー粉砕物を3ローラー粉砕機にかける。Hegmanで確認する。
**C部プレミックス:ビスマスオキシクロライド70%を個別のビーカー内のヒマシ油30%に添加して、完全に湿潤および均質になるまで手作業で混合する。
1)Multiwax 180W(Ross Waxes)
2)精製#1イエローカルナバ356(Ross Waxes)
3)Biron LF 2000(Rona)
4)CRODASPERSE SWは、実施例2で述べた組成物のプレブレンド系である。
【実施例7】
【0054】
口紅
【表8】

【0055】
手順
A部の成分を合せて85〜90℃まで加熱して、透明になるまで混合する。B部*の成分をプレミックスして、A部に添加し、均質になるまで混合する。70〜75℃にて、粉砕後のC部中で撹拌する。D部を添加して、68〜70℃にて型に注入する。
【実施例8】
【0056】
水中油型ファンデーション
【表9】

pH=7.85±0.5
粘度=3,500cps±10%(RVT、スピンドル#4、@20rpm)
【0057】
手順:
A部の成分を合せる。プロペラ撹拌しながら70〜75℃に加熱する。B部の成分をホモミキサー撹拌で合せる。15分間混合しながら85〜90℃に加熱する。混合しながら75〜80℃に冷却する。C部の成分を合せて、混合しながらB部に添加する。両方の部の温度を72〜77℃に調節する。合せたB/C部をA部に高速プロペラ撹拌によってゆっくり添加する。温度を維持して、15分間撹拌する。中速撹拌によって55℃まで冷却する。水の減少を点検する。水を用いて45℃まで冷却する。D部を添加する。低速撹拌によって30℃まで冷却を続ける。所望の充填温度まで冷却する。
(1)Tween 61(ICI)
(2)Veegum Regular(R.T.Vanderbilt)
(3)Cardre
(4)Altalc 400(Luzenac)
(5)CMC7 H3SF(Hercules)
(6)Germaben II(ISP/Sutton)
【実施例9】
【0058】
水中油型日焼け止めエマルジョン
【表10】

pH=6.0±0.5;
粘度=16,000cps±10%(RVT、TCスピンドル、10 RPM@25℃)
【0059】
手順
A部の最初の2つの成分を混合しながら合せて、50℃まで加熱する。温度を維持して、酸化亜鉛を、次に二酸化チタンをゆっくり添加して、各添加後に十分に混合する。均一になったら、B部の成分を添加して、混合しながら70℃まで加熱する。C部の成分を合せて、70℃まで加熱して、A/B部混合物にゆっくり添加する。混合を続けて、65℃まで冷却する。プロペラミキサーを取り外して、ホモミキサーを入れて、バッチを60℃まで処理する。プロペラ混合を再開して、45℃まで冷却する。混合しながらD部を添加して、所望の充填温度まで冷却する。
【実施例10】
【0060】
油中水型おむつかぶれクリーム
【表11】

pH=6.15±0.5(室温)
粘度=70,000cps±10%(スピンドル#TD @室温にて10rpm)
【0061】
手順
A部の最初の2つの成分を合せて、次いで次の成分を混合物中に分散させる。残りの2つの成分を混合しながら添加して、70〜75℃まで加熱する。B部成分を合せて、70〜75℃まで加熱する。B部が70〜75℃に達したら、A部に添加して、十分に混合する。冷却を開始して、C部を50℃にて混合しながら添加する。混合を続けて、所望の充填温度まで冷却する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】各種の混合物の分散粘度を示す。
【図2】各種の混合物のチクソトロピー指数を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約5〜約30重量%の量の非イオン性乳化剤と、
酸部分が炭素約4〜約6個を有し、脂肪部分が炭素約6〜22個の長さの範囲であり、アルコキシ単位1〜50個を含み、約5〜約30重量%の範囲の量で提供される、アルコキシル化脂肪アルコールのジカルボン酸エステルまたはトリカルボン酸エステルであるエモリエントエステルと、
約40〜約90重量%の範囲の量で提供される、エステルおよび油から選択される基材と
の混合物を含む無水プレブレンド系であって、重量が前記プレブレンド系の全重量に対して測定される、無水プレブレンド系。
【請求項2】
約5〜約50重量%の量の非イオン性乳化剤と、
酸部分が炭素約2〜約12個を有し、脂肪部分が炭素約6〜22個の長さの範囲であり、アルコキシ単位1〜50個を含み、約5〜約50重量%の範囲の量で提供される、アルコキシル化脂肪アルコールのモノカルボン酸、ジカルボン酸エステルまたはトリカルボン酸エステルであるエモリエントエステルと、
約20〜約90重量%の範囲の量で提供される、エステルおよび油から選択される基材と
の混合物から本質的になる無水プレブレンド系であって、重量が前記プレブレンド系の全重量に対して測定される、無水プレブレンド系。
【請求項3】
前記酸が、クエン酸、アジピン酸、マレイン酸およびコハク酸からなる群より選択される、請求項1または2に記載のプレブレンド系。
【請求項4】
前記酸が、クエン酸またはアジピン酸である、請求項3に記載のプレブレンド系。
【請求項5】
アルコキシル化脂肪アルコールが、アルコキシ単位約1〜約30個を含む、請求項1または2に記載のプレブレンド系。
【請求項6】
アルコキシル化脂肪アルコールが、アルコキシ単位約2〜約15個を含む、請求項5に記載のプレブレンド系。
【請求項7】
アルコキシル化脂肪アルコールが、アルコキシ単位約1〜約30個を含む、請求項3に記載のプレブレンド系。
【請求項8】
アルコキシル化脂肪アルコールが、アルコキシ単位約2〜約15個を含む、請求項7に記載のプレブレンド系。
【請求項9】
前記非イオン性乳化剤が、ソルビタン、アルコキシル化脂肪酸、アルコキシル化脂肪アルコール、グリセロールおよびポリグリセロールからなる群より選択される、請求項1または2に記載のプレブレンド系。
【請求項10】
前記プレブレンドの約2〜約60重量%の顔料をさらに含む、請求項1または2に記載のプレブレンド系。
【請求項11】
請求項1または2に記載のプレブレンド系を提供するステップと、
それと共に前記プレブレンドの重量に基づく約2〜約60重量%の量の少なくとも一の顔料を、均質なプレブレンドを提供するのに十分な時間に渡ってブレンドするステップと
を含む、プレブレンドを形成する顔料を分散させる方法。
【請求項12】
前記プレブレンドが低剪断下で混合される、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−504305(P2008−504305A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518409(P2007−518409)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【国際出願番号】PCT/AU2005/000946
【国際公開番号】WO2006/000059
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(507002114)クローダ・シンガポール・プライヴェート・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】