説明

顔料含有自己層状化コーティングのための方法と組成物

【課題】自己層状化又は自己層化コーティング組成物の中の顔料の位置を制御する方法を提供する。
【解決手段】本発明のコーティング組成物は、ポリオール、シルセスキオキサン、ポリウレタンデンドリマー、架橋剤、及び分散剤に接触している顔料を含むことができる。コーティング組成物を調製する本発明の方法は、ポリオール、シルセスキオキサン、ポリウレタンデンドリマー及び架橋剤を接触させ、溶媒の中に分散しているコーティング混合物を形成するステップを含んでいる。この方法はさらに、このコーティング混合物に、分散剤に接触している顔料を添加するステップ、及び少なくとも1つの層を有する自己層状化コーティングを形成し、顔料がその少なくとも1つの層のうちの1つの中に実質的に存在しているようにするステップを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、顔料含有コーティング組成物に関するものであり、より詳細には、自己層状化コーティング組成物又は自己層化コーティング組成物の中の顔料の位置を制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送手段(例えば、自動車、航空機、レールの上を走る車両)のためのコーティングは、装飾と保護の両方の機能を合わせ持つことができる。多くの状況において、コーティングは、腐食からの保護、引っ掻きに対する抵抗力、光沢、色、化学的耐性、他の可能な環境効果に対する耐性に関する極端な要求に応えるように開発されている。
【0003】
現在、複合塗料などのコーティングは、少なくとも1つの多機能層を含むことができる。例えば複合塗料(例えば自動車の仕上げ塗料)は、別の透明塗料を適用する前に別に付着される下塗り塗料(例えばカラー塗料)を含むことができる。最上層の機能として、気候の諸要素からコーティング顔料を保護すること、引っ掻きや欠陥に対する抵抗力を与えること、光沢と被写界深度を与えることが挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コーティングは、典型的には、着色に用いられる顔料分散液などの追加成分を含むことができる。従来から用いられている顔料は、例えば二酸化チタン(TiO)、グラファイト、カーボンブラックを含むことができる。公知の顔料含有コーティング組成物を製造するとき、特に多層(例えば自己層状化又は自己層化)組成物を製造するとき、顔料分散液が特定の1つの層の中に局在するか、それともコーティング全体で見いだされるかははっきりしない。いくつかの用途では、複合塗料の中に顔料含有の最上膜層又は中間膜層を作り出すことが望ましかろう。したがって自己層状化又は自己層化コーティング組成物の中の顔料の位置を制御する方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、開示内容の基本的な理解を促すため、開示内容のいくつかの特徴の全体的なまとめを提示する。このまとめは、漏れのない概観でもなく、開示内容の重要点となる要素又は必須の要素を特定しようとするものでも、請求項の範囲を規定しようとするものでもない。以下のまとめは、以下のより詳細な説明の前段として、開示内容のいくつかの概念を一般的な形態で提示するだけである。
【0006】
開示内容の1つの特徴は、ポリオールと、シルセスキオキサンと、ポリウレタンデンドリマーと、架橋剤と、分散剤に接触している顔料とを含むコーティング組成物である。
【0007】
開示内容の別の特徴は、ポリオールと、シルセスキオキサンと、ポリウレタンデンドリマーと、架橋剤とを含むコーティング混合物が含まれた自己層状化コーティング組成物である。このコーティング組成物はさらに、分散剤に接触している顔料粒子を含むことができ、その量は、分散剤がコーティング混合物の中で顔料粒子の位置を安定にするのに十分な量である。
【0008】
開示内容のさらに別の特徴は、コーティング組成物を調製するため、ポリオールとシルセスキオキサンとポリウレタンデンドリマーと架橋剤を接触させ、溶媒の中に分散されたコーティング混合物を形成するステップを含む方法である。この方法はさらに、このコーティング混合物に、分散剤に接触している顔料を添加するステップと、少なくとも1つの層を有する自己層状化コーティングを形成し、顔料がその少なくとも1つの層のうちの1つの中に実質的に存在しているようにするステップを含んでいる。
【0009】
開示内容を深く理解するには、いくつかの特徴に関する以下の詳細な説明を添付の図面と合わせて参照する必要がある。図面には、似た要素に同様の記号が与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本明細書の実施例6に示した層状化膜の元素分析の結果を示す写真である。
【図2】本明細書の実施例7に示した層状化膜の元素分析の結果を示す写真である。
【図3】本明細書の実施例8に示した層状化膜の元素分析の結果を示す写真である。
【図4】本明細書の実施例9に示した層状化膜の元素分析の結果を示す写真である。
【図5】本明細書の実施例10に示した層状化膜の元素分析の結果を示す写真である。
【図6】本明細書の実施例11に示した層状化膜の元素分析の結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の組成物と方法を説明する前に、本明細書で開示する内容は、説明する特定の組成物又は方法に限定されず、別のものが可能であることを理解されたい。当業者であれば、本明細書で用いる用語は、可能な特徴、及び/又は実施態様、及び/又は具体例を説明することだけを目的としており、開示内容の範囲を制限するつもりはないことが理解できるはずである。開示内容の範囲は、添付の請求項によってだけ制限される。
【0012】
本明細書と添付の請求項では、単数形は、文脈から明らかに違うことがわかる場合を除いて複数形も含むことができる。例えば、「層」は、1つ又は複数の層を意味し、「接触させるための方法」には、当業者に知られている同等な複数のステップ又は方法が含まれる。
【0013】
開示内容には、コーティング組成物と、その利用法及び調製法に関する実施態様、及び/又は具体例、及び/又は特徴が含まれる。コーティング組成物の一般的な1つの例として、この組成物は様々な層を含むことができ、その例として透明塗料層、下塗り塗料層、プライマー・サーフェサー層、電着塗料層、リン酸亜鉛層、基板がある。さらに、コーティング組成物はいろいろな成分を含むことができ、その例としてモノマーや顔料分散液がある。さらに、コーティング組成物は、厚さが約15〜150μmの透明塗料、約10〜50μmの下塗り塗料、厚さが約10〜150μmのプライマー・サーフェサー、厚さが約25μmの電着塗料、厚さが約1〜4μmのリン酸亜鉛、鋼鉄などでできた基板を含むことができる。
【0014】
本明細書では、「顔料」、「顔料粒子」、「顔料分散液」は、一般に、コーティング組成物に対する添加剤を意味し、例えば着色剤、磁性粒子、アルミナ、シリカ、他のセラミックや有機金属などがあり、そのような粒子が色を与えるかどうかは問題にしない。したがってこの説明は、顔料だけでなく、他の顔料(例えば有機金属、フェライト、セラミックなど)も記述するのにより一般的に利用できる。
【0015】
本明細書では、使用するコーティング組成物の諸成分の量に基づいて、組成物の層内における顔料の位置を制御できる組成物及び関連する方法を説明する(これについては以下に議論する)。本明細書で議論する自己層状化組成物又は自己層化組成物は、適用して硬化させたときに、相溶性のない(実際には一部が相溶性である)いくつかの単相樹脂及び/又は溶媒及び/又は層及び/又は成分及び/又は添加剤混合物の選択的な相分離から生じることになろう。さらに、本明細書の自己層状化又は自己層化という考え方と方法は、適用と膜形成に特別な組成物と条件が必要となる可能性のある溶媒ベースの水性粉末コーティングにも適用できる。
【0016】
本明細書で説明する自己層状化コーティング組成物により、熱硬化性ポリマーの混合物に基づく溶媒ベースの複合系を調製して、主に二重層コーティング構造に分離する微細不均一なポリマー/架橋ポリマー複合体を製造することが可能になろう。コーティング組成物の諸成分の間で、選択的な化学反応が時間及び温度の関数として起こる可能性がある。そのような成分の例として、ポリオール、シルセスキオキサン、ポリウレタンデンドリマー、架橋剤、顔料などがある。諸成分は液体形態では均一な溶液を形成できるが、架橋はできない。また、硬化させて層状化コーティングを形成するとき、いくつかの成分の選択的な移動が起こる可能性がある。
【0017】
自己層状化コーティング組成物の製造は、複合樹脂(例えば固体樹脂)が互いに非相溶性であるか一部が非相溶性であることの結果であろう。樹脂は、特定の溶媒の中に乳化させたり分散させたりすると、様々な特性(例えば表面張力の違い)の結果として離散した相又は層に分離する可能性がある。特性(例えば表面張力)が異なるいくつかの成分を用いる場合の選択性によって、組成物は、硬化させたときに少なくとも2つの異なる層に局在化する。均一な一相コーティングの2つの層への層状化は、熱力学的平衡状態において、溶媒がない場合には、相溶性のない成分からなる系を維持する溶媒を、例えば蒸発によって除去することによって生じさせることができる。さらに、ポリマー単位間の好ましい時間/温度選択的架橋反応によって分子が成長して平衡がシフトし、系の相が2つの異なる層に分離する。本明細書で議論する架橋反応は、第1の基(例えばヒドロキシル)と第2の基(例えばイソシアネート)の間で従来の反応に従うことができる。
【0018】
自動車のコーティングの面では、硬化したときに層状化したコーティング(例えば透明なコーティング)を生み出すことができる架橋組成物が含まれる。ここに開示する内容で特別なのは、コーティング組成物の諸成分(溶媒の中に乳化又は分散させたポリオール、シルセスキオキサン、ポリウレタンデンドリマー、架橋剤、顔料など)を接触させて、自己層化コーティング組成物又は自己層状化コーティング組成物(例えば膜)を形成することである。開示内容のいくつかの特徴では、ポリオールは、フッ素化ポリオールから、例えばフッ素化ポリエーテル、フルオロエチレン−アルキルビニルエーテルなどから選択できる。それに加え、本明細書で説明するように、シルセスキオキサンは、エポキシ官能基を含んでいてもよく、ポリウレタンデンドリマーは、ヒドロキシル官能基を含んでいてもよい。上記の諸成分の接触は、その諸成分を組合せ、又はブレンドし、又は混合し、又は反応させてコーティング組成物を製造することも意味することが理解されよう。
【0019】
適切な任意の溶媒(例えばコーティングで一般に用いられる様々な溶媒)を用いてポリオール、シルセスキオキサン、ポリウレタンデンドリマー、架橋剤を溶かすことができる。開示内容のいくつかの特徴では、上記の諸成分を乳化又は分散させる溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)及び/又はジメチルアセトアミド(DMA)を使用できる。
【0020】
コーティング組成物の一例では、溶媒で乳化させた諸成分、及び/又は分散させた諸成分は、基板にその混合物を適用した後、外部から熱を加えることで乾燥させて堅固な膜にすることができる。適切な任意の外部熱処理を、約25〜125℃にて30分間にわたって湿潤な膜に施した後、125〜160℃にてさらに30分間熱処理することで架橋した膜を形成できる。
【0021】
本明細書では、「ポリオール」という用語は、「ジオール」にも適用できる。例えばポリエーテルポリオールは、2〜10個の炭素原子と1個の酸素原子を繰り返し単位として有するポリオキシアルキレン基からなるポリオキシアルキレン構造を有するポリオールである。本明細書のポリオール化合物として、2〜12個の炭素原子を有する多価アルコールが挙げられる。その具体例として、フッ素化ポリエーテルなどがある。ポリオール化合物には、重量平均分子量が約2000〜10,000ダルトンの範囲の低分子量と高分子量両方のポリオールが含まれる。市販されているポリオールには、フッ素化ポリエーテル(オムノヴァ・ソリューションズ社からのPolyfox 656、Polyfox 6520など)、ヒドロキシル官能化フルオロエチレンアルキルビニルエーテル(旭硝子社からのLumiflon 200(LF 200)、旭硝子アメリカ社からのLumiflon 910(LF 910)など)がある。本明細書のポリオール成分は、個別に使用すること、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
説明だけを目的として、ポリオールの代表的な化学構造(例えばヒドロキシル官能化フルオロエチレン−アルキルビニルエーテル)を以下に構造Aとして示す。この構造では、Rは任意のアルキル又は基を表わすことができ、その中には、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基などと、これらの異性体すべて(例えばt−ブチル、イソプロピルなど)が含まれる。
【0023】
【化1】

【0024】
エポキシ官能化シルセスキオキサン・ハイブリッド有機/無機オリゴマー反応剤の一例は、触媒量のギ酸と水の存在下でメチルトリメトキシシランをグリシドオキシプロピルトリメトキシシランと反応させることによって調製できる。シルセスキオキサンは、一般式(R)(C11(SiO1.5を有する。ただしRは、アルキル基又はアリール基を表わし、例えば水素基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基などであり、その中にはこれらの異性体である例えばt−ブチル、イソプロピルなどがすべて含まれる。説明だけを目的として、エポキシ官能化シルセスキオキサンの代表的な化学構造(例えばジエポキシシルセスキオキサン)を以下に構造Bとして示す。
【0025】
【化2】

【0026】
説明だけを目的として、ヒドロキシル官能化ポリウレタンデンドリマーの代表的な化学構造(例えばジイソシアン酸イソホロンをベースとしたデンドリマー)を以下に構造Cとして示す。
【0027】
【化3】

【0028】
ここに開示するポリウレタンデンドリマーは、ポリウレタン化合物を製造する従来からある任意の反応法に従って製造できる。本明細書で用いるそのようなポリウレタンデンドリマーの一例は、0〜20℃の範囲の温度で適量のジエタノールアミンを市販されているトリイソシアン酸イソホロン(IPTI)樹脂と反応させて調製できる。
【0029】
コーティング組成物に含まれる別の成分は架橋剤である。架橋剤は、上記のポリオールとヒドロキシル官能化ポリウレタンデンドリマーの両方と反応することができる。架橋剤の代表的な一般化学構造(例えばジイソシアン酸ヘキサメチレン(HDI)架橋剤)を以下に構造Dとして示す。可能な架橋剤として、HDI、トリイソシアン酸ヘキサメチレン(HTI)、ビス−(4−シクロヘキシルイソシアン酸)メチレン(HMDI)、並びにこれらの組合せなどが挙げられる。
【0030】
【化4】

【0031】
ヒドロキシル化合物とイソシアネート化合物の反応は一般に知られている。本明細書では、架橋剤に対して異なる反応性を持つヒドロキシル化合物(ジイソシアネートとトリイソシアネートなど)を用いる。上述のイソシアネート化合物の例として、多官能化イソシアネート化合物であるジイソシアネートやトリイソシアネートがあり、その例として、ジイソシアン酸イソホロン(IPDI)、トリイソシアン酸イソホロン(IPTI)、ジイソシアン酸ヘキサンなどが挙げられる。一般に、このような反応で用いる触媒として、金属−有機化合物(例えばスズ反応生成物、チタン反応生成物)や、ある種の第三級アミン化合物が挙げられる。触媒の例として、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリエチルアミンなどが挙げられる。使用する触媒の量は、反応物質、組成物の変数、架橋剤とポリオール両方のタイプのほか、望む硬化速度に応じて異なる。好ましい量の範囲は、製造される生成物の全固体樹脂を基準にして0.01〜5重量%である。
【0032】
コーティング組成物に色を与えるために、コーティング組成物の上記諸成分のうちの少なくとも1つ又は組合せに、顔料又は様々な添加剤を場合によっては添加することができる。従来から知られているすべての有機顔料、及び/又は無機顔料、及び/又は添加剤をここに開示した自己層状化コーティングに組み込むことができる。無機顔料の例として、二酸化チタン(TiO)(例えば白)、鉄酸化物(例えば赤、黄、磁性、被覆されたフレーク)、酸化アルミニウム、鉄錯体(例えば緑、青)などが挙げられる。有機顔料であるキナクリドン(例えば赤、紫)、カルバゾール・バイオレット、フタロシアニン(例えば緑、青)、カーボンブラック、雲母薄片、アゾをベースとした化合物(例えば黄、オレンジ、ニッケル錯体イエロー、キナゾリンジオン−アゾ・イエロー、ベンズイミダゾロン・イエロー、オレンジ・アゾ)も、本明細書で用いる顔料に組み込むことができる。顔料の別の例として、インダンスロン(例えば青)、テトラクロロイソインドリノン(例えば黄)、ジケトピロロ−ピロール(例えば赤)、ペリレン(例えば栗色、バイオレット)、キナクリドン(例えばマゼンタ)、バナジウム酸塩(例えばイエロー・ビスマス)、チタン酸塩(例えばニッケル・イエロー、クロム・ゴールド)、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化セリウム、タルク、硫酸バリウム、ガラス、コーティングされたガラス、コレステリック液晶顔料、他のフレーク様干渉顔料、オキシ塩化ビスマス、炭酸カルシウム、粘土(例えばベントナイト、モンモリロナイト)などが挙げられる。顔料を上記コーティング組成物の少なくとも1つの成分に添加するときには、顔料は、コーティング組成物のその成分(例えば固体樹脂)に対して約5〜50重量%の濃度で添加するとよい。
【0033】
TiOは、顔料として用いる場合には、様々な結晶構造又は結晶形態で見いだされる(例えばルチル型、純粋な形態、アナタース型)。一般に、表面が封止及び/又は処理されたルチル型のあらゆる二酸化チタンを用いることができる。TiO分散液の調製、又は粉末形態のTiOを提供できるTiO(ナノ粒子の形態を含む)の調製には様々な方法が存在している。TiOは、適切な溶媒(例えば水、有機溶媒、無機有機)に分散させ、他の可能な添加剤とともに組成物にすることで、特性(コーティング接着力、分散性など)を向上させることができる。様々な処理がさらに考えられ、例えば様々なシラン、ケイ素、酸化アルミニウム、他の不活性な有機材料、無機材料と反応させることが挙げられる。
【0034】
ある種の顔料(例えば二酸化チタン(TiO))では、製造中に例えば表面処理剤(すなわち表面コーティング)を顔料の表面に供給して分散性を向上させることができる。一般に使用される表面処理剤の例として、シリカ、アルミナなどが挙げられる。
【0035】
さらに、従来からある様々な分散剤を用いて、顔料をコーティング組成物の上記諸成分(ポリウレタン・ポリオールデンドリマーやシルセスキオキサンなど)と接触させる(例えば粉砕する、混合するなど)ことができる。そこで粉砕する樹脂の例として、ポリウレタンポリオールデンドリマーとシルセスキオキサンが挙げられる。しかし従来からある任意の粉砕する樹脂をここに開示した顔料及び/又は分散剤とともに使用できることを理解すべきである。本明細書に開示した顔料とともに使用される分散剤(例えば湿潤剤)の例として、アクリルポリマー溶液、ポリカルボン酸ポリマー及びポリシロキサンのコポリマー溶液、並びにヒドロキシル官能化カルボン酸エステルなどが挙げられる。分散剤を用いた顔料の粉砕は、適切な任意の媒体(例えば水、樹脂、有機溶媒/共溶媒など)の中で実施することができる。このような分散剤は、顔料の湿潤性を改善し、分散液の中で顔料を粉砕するのに必要な時間を短縮し、顔料分散液を安定させることができる。このような分散剤を用いることの別の結果は、粘度を低下させ、コーティング組成物が溢れたり流れたりすることを減らしつつ、コーティングの光沢と平坦化を改善できることである。「分散剤」及び「分散用添加剤」という用語は、本明細書では同じ意味で使用でき、顔料と接触させて顔料分散液を形成するのに用いるあらゆる添加剤を意味する。
【0036】
いくつかの実施態様では、アクリルポリマー又はポリアクリレート(例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテル)を分散剤として用いることができる。このようなポリマーは脱プロトン化されたカルボン酸の形態で存在することができる。アクリルポリマーは平坦化添加剤となることが可能であり、その場合にはコーティングの平坦性を改善することができる。さらに、アクリルポリマーは、コーティング組成物の表面張力に対してまったく効果を及ぼさない。
【0037】
本明細書の別の代表的な分散剤は、ポリカルボン酸ポリマー及びポリシロキサンのコポリマー溶液である。特に、この分散剤は、低分子量不飽和ポリカルボン酸ポリマーの一部がアミドとアルキルアンモニウム塩であるものとポリシロキサンのコポリマーをキシレン/イソブタノールに50%含有する溶液を含むことができる。例えば市販グレードの赤色鉄酸化物は、一群の低分子量〜高分子量のアクリルコポリマー及びその塩から選択される多彩な顔料分散液に約1〜4重量%の顔料を含むものを用いて分散させることができる。例えば低分子量不飽和ポリカルボン酸ポリマーの一部がアミドとアルキルアンモニウム塩であるものとポリシロキサンのコポリマーをキシレン/イソブタノール分散剤に1.2%含有する溶液(BYKヘミー社からのもの)を用いると、シルセスキオキサンとデンドリマーの両方の中に鉄酸化物が完全に分散された状態にでき、その結果として層状化されたコーティングになる。鉄酸化物が10%のレベルである自己層状化コーティングの顔料部分の典型的な組成を表1に示す(下表)。
【0038】
【表1】

【0039】
可能な分散剤の別の一例は、カチオン性分散剤(例えば少なくとも1つの顔料親和基を含むヒドロキシル官能化カルボン酸エステル)であろう。特に有機又は無機の顔料(例えば二酸化チタン(TiO)、増量剤など)を安定化させるため、ヒドロキシル官能化カルボン酸エステルは、溶媒をベースとした塗料又はコーティングとともに用いるものを開発するとよい。典型的な分散剤は溶媒中で使用できるが、ヒドロキシル官能化カルボン酸エステルは、媒体又は溶媒なしでも機能することができる。
【0040】
上記の分散剤又は表面処理剤は、自己層状化コーティング組成物の中で顔料がどこに位置するかに影響を与えることができる。一般に、1種類の分散剤及び/又は表面処理剤、又は分散剤の組合せ及び/又は表面処理剤を選択することを通じ、最終的な層状化コーティング中の顔料の位置を制御すること、及び/又は安定化させることができる。
【0041】
実施例6〜11に示してあるように、表面処理剤(例えばアルミナやシリカ)を有するTiO顔料を用いると、一般に、顔料含有層が主に下方の層に局在した自己層状化コーティングを製造することができる。別の一例として、表面処理剤なしの顔料(特に、アクリルコポリマー分散剤(例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテル)と接触する顔料)を用いると、顔料含有層が多数ある層のうちの実質的に1つの層(例えばこの例では上方の層)内に存在するコーティング組成物を製造することができる。この目的で、顔料粒子を分散剤と接触させると、コーティング組成物混合物の例えば上方の層内で顔料粒子の位置を安定化させることができる。
【0042】
コーティング組成物は、フッ素化ポリオール、官能化シルセスキオキサン、ポリウレタンデンドリマー、及び溶媒を接触させ、必要な場合には任意の触媒や添加剤とも接触させることによって製造した後、ただちに基板に適用することができる。自己層状化コーティングは、多彩な方法で適用することができる。方法として、ブラッシング、ロール・コーティング、スプレー、ドローダウン法などがある。一般に、層状化は、付着方法の影響を受けない。約0.1〜10ミル、すなわち2.5〜250μmの範囲の任意の膜厚で層状化コーティングになるが、一実施態様では、膜厚は25〜75μmの範囲が可能である。
【0043】
本明細書のコーティング組成物は、多彩な基板(例えばプラスチック、金属(例えばアルミニウム)、ガラス、これらを成形した製品)で使用できる。より詳細には、自動車の外部部品と内部部品である車体、ドア、内部パネル、コンソールなどで使用できる。
【0044】
以下の実施例は説明のために提示したのであり、目的が開示内容(その代表的な利点も含まれる)の完全な理解に限定されることはない。
【実施例】
【0045】
〈実施例1〉
コーティング組成物の調製及び適用。テトラヒドロフラン(THF)の中に溶けていて67%の割合で含まれる0.75gのエポキシシルセスキオキサンと、ジイソシアン酸イソホロン(IPDI)三量体をベースとしたデンドリマーとの溶液(ジメチルアセトアミド(DMA)の中に34%)を計量して容器中で撹拌し、透明な溶液にした。0.65gのジイソシアン酸ヘキサメチレン(HDI)(75%Desmodur N75)と、1.5gのLumiflon 200と、0.25gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)を計量し、同じ容器に添加した。この混合物を、均質な混合物が得られるまで撹拌した。この混合物の一部をピペットで清浄なアルミニウム基板に適用し、ドローダウン・ボックスによって液体の厚さが8ミルのコーティング膜を得た。
【0046】
〈実施例2〉
顔料分散液の調製及び適用。ジイソシアン酸イソホロン(IPDI)三量体をベースとした22.7gのデンドリマーと、17.4gのN,N−ジメチルアセトアミドを混合して顔料分散液を調製した。0.5gのアクリルコポリマー分散剤をこの混合物に添加した後、7.8gの二酸化チタン(TiO)顔料を添加した。アクリルコポリマー分散剤(例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテル)は、BYKヘミー社(ウォリングフォード、コネチカット州)から供給されているアニオン/非イオン性の多官能化ポリマーのアルキルアンモニウム塩の溶液である(65%NV)。使用したTiO顔料は、デュポン社のTi−Pure R−960と、シグマ−オールドリッチ社からのルチル型TiOであった。ボール・ミルを3000rpmで30〜60分間にわたって使用して顔料分散液を混合した。次に、この分散液をコーティング調製物で使用した。約3.8gの顔料分散混合物を容器に添加した。テトラヒドロフラン(THF)の中に溶けていて67%の割合で含まれる3.06gのエポキシシルセスキオキサンと、3.0gのLumiflon 200を、容器に添加した。2.1gのN,N−ジメチルアセトアミドと、バイエル・マテリアルサイエンス社からの2.58gのDesmodur N75BA(ジイソシアン酸1,6ヘキサメチレン(HDI)のビウレット)を、容器に添加した。この混合物を、均質な混合物が得られるまで撹拌した。この混合物の一部をピペットで清浄なアルミニウム基板に適用し、ドローダウン・ボックスによって湿潤な膜の厚さが8ミルのコーティング膜を得た。
【0047】
〈実施例3〉
フラッシュ・オフと硬化の条件。上記混合物のフラッシュ・オフを室温にて30分間にわたって実行した。コーティングを適用するいくつかの方法では、コーティングを短時間の間、室温かそれよりもわずかに高い温度にした後に高温で焼成するというフラッシュ・オフ段階が必要とされる。フラッシュ・オフの時間は組成物に応じて異なる可能性があり、その時間は、膜の厚さ、周囲温度又は炉の温度、空気流の速度、コーティングで使用する希釈剤又は溶媒などの変数に基づくであろう。一般に、周囲温度では約2〜15分間というフラッシュ・オフの時間を適用してコーティングを調製し、さらに熱を加えることができよう。次に膜を100℃にて30分間にわたって硬化させた。その後、膜を120℃にて30分間にわたって硬化させた。自動車のコーティングという典型的な用途では、下塗り塗料を適用し、約5〜10分間にわたってフラッシュ・オフを実行した後、透明塗料を適用する。次に、この複合コーティングに対してさらに5〜10分間にわたってフラッシュ・オフを実行した後、焼成炉の中に入れる。
【0048】
〈実施例4〉
サンプルの調製。走査電子顕微鏡(SEM)とエネルギー分散X線(EDX)で分析するためにサンプルを調製した。鋼鉄製パネルを切断し、幅約2cmのスライドを得た。均一なコーティング混合物を処理し、サイズが3インチ×6インチの標準的な鋼鉄製パネルの表面に層状化コーティングを設けた。SEMとEDXで分析するパネルを用意するため、パネルを約2cm×1cmの断片に切断し、スライドを得た。これらコーティング用スライドを約−199〜−150℃の範囲の液体窒素温度に維持した。次にスライドを液体窒素の中に入れてから取り出した。スライドが非常に低温(例えば約−175℃)になるまで、これまでのステップを約20回繰り返した。膜が複数の破片に破壊されるまでスライドを曲げ、断面を得た。次に、膜のサンプル又は破片を、断面が上を向くようにしてSEMのステージ・スタブに移した。膜のサンプルを取り付けたステージ・スタブをスパッタ装置(ここではデントン真空デスクIV)のチェンバーの中に配置し、サンプルに金粒子をスパッタして導電性サンプルにした。
【0049】
〈実施例5〉
SEMとEDXによる分析。走査電子顕微鏡(SEM)装置(ここでは、EDX分光器を取り付けた日立SEMモデルS3400N)を用いて膜サンプルの層状化層を検証した。それを図1に示す。このような分析を通じ、2つの層を含む断面が見られた。次にEDX分析を実施し、各層が元素複合体(フッ素(F)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、酸素(O)など)であることを確かめた。
【0050】
〈実施例6〉
層状化膜1のEDX。図1では、EDX分光画像は、アクリルコポリマー分散剤を用い、ルチル型TiO顔料によって生じた層状化膜を示している。TiO顔料は、層状化膜の上側の1つの層に局在していることがわかる。
【0051】
〈実施例7〉
層状化膜2のEDX。図2に示したEDX分光画像は、キシレン/イソブタノールに、低分子量不飽和ポリカルボン酸ポリマーの一部がアミドとアルキルアンモニウム塩であるものとポリシロキサンのコポリマーを50%含有する溶液が含まれたアクリルコポリマー分散剤を用い、ルチル型TiO顔料によって生じた層状化膜を示している。TiO顔料は2つの層の界面の近くにあるが、層状化膜の主に下層に局在していることがわかる。
【0052】
〈実施例8〉
層状化膜3のEDX。EDX分光画像は、ヒドロキシル官能化カルボン酸エステル分散剤を用い、ルチル型TiO顔料によって生じた層状化膜を示している。TiO顔料は、図3からわかるように、層状化膜の主に下方の層に局在している。
【0053】
〈実施例9〉
層状化膜4のEDX。図4に示したEDX分光画像は、アクリルコポリマー分散剤を用い、純粋な形態のTiO顔料によって生じた層状化膜を示している。それに加え、純粋なTiO顔料は、アルミナ及び/又はシリカ表面処理剤を用いて製造した。TiO顔料は、層状化膜の主に下方の層に局在していることがわかる。
【0054】
〈実施例10〉
層状化膜5のEDX。図5では、EDX分光画像は、キシレン/イソブタノールに、低分子量不飽和ポリカルボン酸ポリマーの一部がアミドとアルキルアンモニウム塩であるものとポリシロキサンのコポリマーを50%含有する溶液が含まれたアクリルコポリマー分散剤を用い、純粋な形態のTiO顔料によって生じた層状化膜を示している。それに加え、純粋なTiO顔料は、アルミナ及び/又はシリカ表面処理剤を用いて製造した。TiO顔料は、層状化膜の主に下方の層に局在していることがわかる。
【0055】
〈実施例11〉
層状化膜6のEDX。図6に示したEDX分光画像は、ヒドロキシル官能化カルボン酸エステル分散剤を用い、純粋な形態のTiO顔料によって生じた層状化膜を示している。それに加え、純粋なTiO顔料は、アルミナ及び/又はシリカ表面処理剤を用いて製造した。TiO顔料は、層状化膜の主に下方の層に局在していることがわかる。
【0056】
本明細書で議論した方法とプロセスは、コーティング組成物を調製するとき、その内部に分散される顔料の位置を制御できる方法を提供することができる。例えば少なくとも1つの多機能層(例えば下塗り塗料層、透明塗料層)を含んでいて、好ましくは最上層又は中間層として顔料含有層を有する組成物を製造できると望ましかろう。そこで本明細書では、添加する分散剤又は表面処理剤含有顔料の量をさまざまに変えることでコーティング組成物内の顔料含有層の位置を決めることのできる方法を提供する。さらに、本明細書で提供するコーティング組成物は、典型的なコーティングに見られる属性と性質(例えば耐久性、紫外(UV)光の遮蔽、優れた光沢、全体として簡単な付着)を保持することができる。
【0057】
様々な方法とプロセスが考えられ、本明細書に記載したステップ及び/又は上に言及したステップのすべて又は一部を実施すること、任意の回数で繰り返すこと、提示したステップ及び/又は上に言及したステップの任意のものを実施すること、ステップを任意の順番で実施することができる。
【0058】
特別な実施例及び/又は実施態様及び/又は具体例を参照して開示内容を説明してきたが、当業者であれば、請求項の主題の精神と範囲を逸脱することなく、変更やバリエーションが可能であることがわかるであろう。形態や細部におけるそのような変更は、本明細書に記載した要素の機能的及び/又は構造的な等価置換物を利用することも含め、添付の請求項の範囲に含まれており、開示内容によってカバーされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール、シルセスキオキサン、ポリウレタンデンドリマー、架橋剤、及び分散剤に接触している顔料を含有している、コーティング組成物。
【請求項2】
前記ポリオールが、フッ素化ポリエーテル、フルオロエチレン−アルキルビニルエーテル、及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記シルセスキオキサンが、一般式(R)(C11(SiO1.5のエポキシ官能化シルセスキオキサンであり、この一般式のRが、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、及びこれらの異性体からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリウレタンデンドリマーが、ジイソシアン酸イソホロン(IPDI)、トリイソシアン酸イソホロン(IPTI)、及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記架橋剤が、ジイソシアン酸ヘキサメチレン(HDI)、トリイソシアン酸ヘキサメチレン(HTI)、ビス−(4−シクロヘキシルイソシアン酸)メチレン(HMDI)、及びこれらの組合せからなる群より選択されるイソシアネート官能化化合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記分散剤が、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ポリカルボン酸ポリマー及びポリシロキサンのコポリマー溶液、並びにヒドロキシ官能化カルボン酸エステルからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記顔料が、ケイ素及びアルミニウムから選択される表面処理剤を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
ポリオール、シルセスキオキサン、ポリウレタンデンドリマー、及び架橋剤を含むコーティング混合物、並びに
前記コーティング混合物中の前記顔料粒子の位置を安定化するのに十分な量の分散剤に接触している顔料粒子、
を含有している、自己層状化コーティング組成物。
【請求項9】
前記ポリオールが、フッ素化ポリエーテル、フルオロエチレン−アルキルビニルエーテル、及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記シルセスキオキサンが、一般式(R)(C11(SiO1.5のエポキシ官能化シルセスキオキサンであり、この一般式のRが、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、及びこれらの異性体からなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリウレタンデンドリマーが、ジイソシアン酸イソホロン(IPDI)、トリイソシアン酸イソホロン(IPTI)、及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記架橋剤が、ジイソシアン酸ヘキサメチレン(HDI)、トリイソシアン酸ヘキサメチレン(HTI)、ビス−(4−シクロヘキシルイソシアン酸)メチレン(HMDI)、及びこれらの組合せからなる群より選択されるイソシアネート官能化化合物である、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記分散剤が、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ポリカルボン酸ポリマー及びポリシロキサンのコポリマー溶液、並びにヒドロキシ官能化カルボン酸エステルからなる群より選択される、請求項8に記載の組成物。
【請求項14】
前記顔料が、ケイ素及びアルミニウムから選択される表面処理剤を有する、請求項8に記載の組成物。
【請求項15】
ポリオール、シルセスキオキサン、ポリウレタンデンドリマー、及び架橋剤を接触させて、溶媒中に分散しているコーティング混合物を形成するステップ;
前記コーティング混合物に、分散剤に接触している顔料を添加するステップ;及び
少なくとも1つの層を有する自己層状化コーティングを形成し、前記顔料が前記少なくとも1つの層のうちの1つの中に実質的に存在しているようにするステップ、
を含む、コーティング組成物を調製する方法。
【請求項16】
前記ポリオールが、フッ素化ポリエーテル、フルオロエチレン−アルキルビニルエーテル、及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記シルセスキオキサンが、一般式(R)(C11(SiO1.5のエポキシ官能化シルセスキオキサンであり、この一般式のRが、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、及びこれらの異性体からなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ポリウレタンデンドリマーが、ジイソシアン酸イソホロン(IPDI)、トリイソシアン酸イソホロン(IPTI)、及びこれらの組合せからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記架橋剤が、ジイソシアン酸ヘキサメチレン(HDI)、トリイソシアン酸ヘキサメチレン(HTI)、ビス−(4−シクロヘキシルイソシアン酸)メチレン(HMDI)、及びこれらの組合せからなる群より選択されるイソシアネート官能化化合物である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記分散剤が、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ポリカルボン酸ポリマーとポリシロキサンのコポリマー溶液、ヒドロキシ官能化カルボン酸エステルからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−285621(P2010−285621A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−135533(P2010−135533)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(507258777)トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド (4)
【Fターム(参考)】