説明

顔料混合物

【課題】向上した肌感触を有するBiOCl又はBN粉末を含有する顔料混合物を提供する。
【解決手段】成分Aがオキシ塩化ビスマス(BiOCl)又は窒化ホウ素(BN)を含み、成分Bが少なくとも1つの金属石鹸で処理された合成フレーク又は少なくとも1つの金属石鹸で処理された鉱物フレークを含む、少なくとも2つの成分を含むことを特徴とする、顔料混合物であり、合成フレークが、マイカ、シリカ、アルミナ、ホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩の群から選択され、鉱物フレークが、マイカ、粘土、タルク、及び/又はカオリンから選択される顔料混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成分Aがオキシ塩化ビスマス(BiOCl)又は窒化ホウ素(BN)を含み、成分Bが少なくとも1つの金属石鹸で処理された合成フレーク又は少なくとも1つの金属石鹸で処理された鉱物フレークを含む、少なくとも2つの成分からなる顔料混合物、及び特に化粧品配合物におけるこの顔料混合物の使用に関する。
【0002】
オキシ塩化ビスマスの性能の特徴は周知である。BiOCl粉末及び真珠光沢顔料は、例えば独国特許第1003377号、US2975053、DE2411966、EP0496686B1、及びDE4305280A1に開示されている。オキシ塩化ビスマスは、層状結晶構造のフラクタル伸長(fractal extension)である粒子のフレーク構造のために、流体の潤滑性に類似した非常に柔らかく滑りのよい肌感触、疎水性(撥水)及び/又は親油性(油への親和性)、肌への高い付着性、並びに流体のバインダーを必要とせずに粒子を圧縮した形態で保持する圧縮能力及び結着作用など、非常に望ましい固有の特性を有する。これは粒径(particle size)に応じて白色又はオフホワイトの粉末である。これはまた、高屈折率の滑らかなフレークからの増大した鏡面反射によって、繻子のような光沢をもたらすこともできる。オキシ塩化ビスマスは多くの場合、これらの触覚及び視覚特性のために、他の成分と組み合わされる。
【0003】
窒化ホウ素もまた周知である。これはグラファイト様構造を有し、乾燥粉末においてオキシ塩化ビスマスに類似した優れた潤滑性をもたらす。窒化ホウ素は、低屈折率及び低密度に起因する利点を有する。隠蔽力は比較的低く、このことは、着色剤と組み合わせた場合に色の強さが透けて見えることを意味する。その上、肌感触の改善という点におけるペイアウト(payout)が非常に良い、すなわち、比表面積が比較的大きい。しかし窒化ホウ素は、特に微粒子サイズにおいては、屈折率が低くより小さいフレークから光が散乱されるために、さほど高い光沢をもたらさない。反対に、粗粒子サイズの窒化ホウ素フレークは、それらが未処理の(かさ増しされていない(unextended))材料のときにはより光沢感がありキラキラ光って見えるが、肌において粗くザラザラした感触もある。
【0004】
化粧品粉末の(特にフレーク又は板の形状の粒子の)改善された触覚特性をもたらす処理として、金属石鹸(脂肪酸のアルカリ土類塩)を使用することは、例えばBrenntag,Cardre,Kobo,Miyoshi/US Cosmeticsなどの製品資料で周知である。金属石鹸はまた、純粋な固体として化粧品配合物中に添加することができる市販の成分としても周知である。これはワックスと比較して同様の柔らかさ、疎水性、及び流動性をもたらすが、性能においてはなお際だっている。そのようなものとして、混合したステアリン酸マグネシウムによって与えられる向上した肌感触の恩恵は、粉末の粒径が比較的大きいために金属石鹸が密接に混ざらないことによって制限を受ける。
【0005】
その上、粒子間の接着を向上させるために水性で沈着させた(deposited)金属石鹸をバインダーとして使用することが、US4863800、US3647492、US3656982で公知である。オキシ塩化ビスマス、酸化鉄、及びマイカが、沈殿させた金属石鹸により互いに結びつけられるとして特許請求されている。最新技術には、色素性の酸化鉄、酸化亜鉛、又は二酸化チタンなどの非フレーク状の粒子形状の粉末を金属石鹸により処理する、限られた肌感触の向上が含まれる。
【0006】
Cosmetics & Toiletries、第115巻、2000年8月、45−51ページにおいて、セリサイトをミリスチン酸マグネシウムで処理することにより、摩擦減少の向上がもたらされることが開示されている。
【0007】
湿式粉砕したマイカの、化粧品用途におけるその利益(肌感触など)への適合性が開示されている。反対に、「Evaluation of Feel:Lauroyl Lysine Treated Pigments」Cosmetics and Toiletriesにて刊行、85−90ページ、(1992)では、平均サイズが8.5μm以下である微細なマイカが、より大きいフレークのサイズと比較して肌感触において劣っていると述べられている。
【0008】
本発明の目的は、それぞれの施用系(application system)中にうまく取り込むことができその中で安定である、向上した肌感触を有するBiOCl又はBN粉末を含有する顔料混合物を提供することであった。その上、市販の既存製品と比較して、化粧品成分としての滑りがよく滑らかで柔らかい肌感触が改善されている。他の利点としては、とりわけ重量当たりをベースとする、改善されたペイアウト及び圧縮性が挙げられる。
【0009】
驚くことに、金属石鹸(例えばステアリン酸マグネシウム)で処理したフレーク形態の天然又は合成粉末(例えばマイカフレーク)を、オキシ塩化ビスマス又は窒化ホウ素と混合すると、2つの種類のフレーク粒子が互いに挿入されること(interleafing)によって、相乗効果があることがわかった。この混合物の肌感触は、いずれかの単独の成分と同じか又はそれを上回る。加えて、より高屈折率のBiOClをより低屈折率のマイカで置き換えた場合、驚くことに光沢は減少しない。つまり、オキシ塩化ビスマスのレベルが低下するほど、混合物はより光沢が減少するはずである。反対に、オキシ塩化ビスマスの量が減少すると共に、光沢は増加する。
【0010】
本発明はこのように、成分Aがオキシ塩化ビスマス(BiOCl)又は窒化ホウ素(BN)を含み、成分Bが少なくとも1つの金属石鹸で処理された合成フレーク又は少なくとも1つの金属石鹸で処理された鉱物フレークを含む、少なくとも2つの成分からなる顔料混合物に関する。
【0011】
本明細書において、鉱物フレークは天然フレークとして定義される。
【0012】
成分Aは好ましくはBiOCl顔料である。成分B(好ましくは金属石鹸で処理したマイカフレークを含む)を、成分A(好ましくは、BiOCl顔料)と共に混合すると、施用系に増大した光沢を与えることが可能となり、単独のBiOClと比較して化粧品において改善された肌感触を示す。同時に、混合物は、ほぼ見えない状態から強力な隠蔽までのその可変の(すなわち制御可能な)隠蔽力によって特色づけられる。加えて、最終製品の機能性が改善される。本発明による混合物を含む配合物は、優れた肌感触、高い肌親和性、長持続特性(long−wear properties)、可変の隠蔽力(必要であれば)、光沢、最終製品への取り込みの容易性、及び比較的高い耐光性を有する。
【0013】
少量の少なくとも1つの金属石鹸、例えばステアリン酸マグネシウム(例えば湿式粉砕マイカ粉末98重量%あたり2重量%)の組成は、ステアリン酸塩の密着した水性の沈着物としてマイカ表面に結合させ、続いて10〜90%のオキシ塩化ビスマス粉末と混合させると、予想外に良好な肌感触(滑り、またの名を潤滑性、及びクッション性、またの名を圧縮降伏(compressive yield))を有し、これは純粋なオキシ塩化ビスマス粉末の肌感触に匹敵するか又はそれを超える。
【0014】
本明細書において、別途断りの無い限り、組成に関する百分率、比、部は質量基準である。
【0015】
続いて、これらの顔料混合物の肌感触は、驚くことに混合物の比率とは無関係に、個々の成分を上回る改善された上記の特性を示した。
【0016】
少なくとも1つの金属石鹸(例えばステアリン酸マグネシウム)で処理された天然又は合成フレーク(例えばマイカフレーク)の新規性は、2つの要因の組み合わせに由来する。すなわち:
[1]上記のような、微細なステアリン酸マグネシウムの粒子が密接に混ざること
及び、
[2]マイカフレークの薄さ、滑らかさ、及び粒径分布
である。
【0017】
重要な特色は、柔らかさ及び非極性(non−polarity)によって特徴づけられる、密接に沈着させたステアリン酸マグネシウムと、剛性(すなわち形状保持性)でありながらしかも可撓性(ねじり応力によって曲がる)であることによって特徴づけられるマイカフレークとの組み合わせである。ペグマタイトマイカ(pegmatite mica)などの適切な鉱床(mineral deposit)に由来する湿式粉砕マイカを使用するのが好ましい。片岩又はセリサイト型の微細マイカははるかに望ましくない。乾式粉砕マイカは比較的好適でない。あるいは、束状のマイカを慎重に成長させその後湿式粉砕することを含めて、合成マイカ(例えばフルオロフロゴパイト(fluorophlogopite))を適切に調製することもまた、非常に適切であり得る。マイカフレークはきっと高アスペクト比(すなわち、横方向の幅又は直径に比べて厚みが非常に薄い)によって特徴づけるであろう。フレークはきっと、比較的表面の段差及び縁部のほつれがないであろう。微細マイカフレークを典型的には水簸(elutriation)により十分に無くなるまで除去することにより、マイカフレーク分がきっと精製されるであろう。他のいずれの微細な機械的不純物もまた、除去することが重要である。湿式粉砕マイカの記載に関して、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology第4版、第16巻、556ページ、(1991)を参照のこと。
【0018】
本発明では処理されたマイカのいくつかの際だった特色がある。マイカフレークの性質は重要であり、単なる脂肪酸の塩よりもむしろ界面活性剤又はトリグリセリドエステルのバージョンを必要とすることがない。好ましい組成物は、界面活性剤を必要としない。好ましくは湿式粉砕品質のマイカ上にステアリン酸マグネシウム処理した、好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは2〜10μmの微粒子径であるマイカは、最も良い感触のグレードのオキシ塩化ビスマスと同じように良好な肌感触を有する。Miyoshi、Kobo、Cardre、及びBrenntag BSIはすべて、いわゆる金属石鹸(例えばミリスチン酸マグネシウム)で処理したマイカをすでに提案しているが、我々は本発明の実施形態によりもたらされる肌感触に対抗するものをいまだ見つけていない。
【0019】
本発明は同様に、化粧品組成物における本発明による混合物の使用に関する。
【0020】
各成分A及びBの比を変化させることにより、光沢及び不透明性に関する選択の幅広い選択範囲を提供することができる。加えて、単独のオキシ塩化ビスマス若しくはBN(=成分A)か、又は単独の天然若しくは合成フレーク(例えばマイカ)よりもはるかに光沢のある粉末を作ることが可能である。
【0021】
成分A対成分Bの比は好ましくは10:90〜90:10、特に好ましくは30:70〜70:30である。好ましい実施形態において、BiOCl(成分A)対処理されたマイカフレーク(成分B)の比は好ましくは10:90〜90:10、特に好ましくは30:70〜70:30である。
【0022】
粉末BiOCl製品は市販されており、例えばMerck KGaA(独国)、及びRona、EMD Chemicalsより、Biron(登録商標)、Bital(登録商標)、Mibiron(登録商標)、及びRonaflair(商標)の商標名で、並びに、BASFよりPearl Glo、Bi−Lite、Mearliteの商標名で販売されている。
【0023】
多様な製造が可能であるため、艶なしから光沢性まで、及び透明から隠蔽性までの、様々な光学特性を有するBiOCl粉末を得ることができる。個々のBiOCl顔料粒子のサイズは1〜100μm、好ましくは1〜40μm、とりわけ2〜35μmである。粒子はまた小さい凝集物状であってもよく、これは100μmまでであってもよいが、好ましくは75μm未満である。BiOCl粉末は場合により、金属石鹸によって、又はシリコーン若しくは他の疎水性物質などの他の処理剤によって処理することができる。
【0024】
成分Bは好ましくはマイカ、シリカ、アルミナ、ホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩の群から選択される合成フレーク、あるいはマイカ、粘土(clay)、タルク、及び/又はカオリンから選択される鉱物フレークである。特に好ましい成分Bは、金属石鹸で処理した天然又は合成マイカフレークを含む。
【0025】
好ましい混合物は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、又はステアリン酸カルシウムなどの、ステアリン酸のアルカリ土類金属塩で処理したマイカを含む。ステアリン酸塩以外の、他の脱プロトン化した脂肪酸アニオン成分としては、イソステアリン酸塩(分岐鎖又は非直鎖)、水素化リシノール酸塩(別名ヒドロキシステアリン酸塩)、アラキジン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、ミリスチン酸塩、ラウリン酸塩、カプリン酸塩、又はカプリル酸塩が挙げられるであろう。
【0026】
ステアリン酸のアルカリ土類金属塩の、好ましいステアリン酸塩は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、及びステアリン酸アルミニウムから選択される。ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸亜鉛で処理したマイカフレークが特に好ましい。
【0027】
本発明による顔料混合物は、成分A及び成分B並びに場合によりさらなる成分を混合する方法で調製される。
【0028】
好ましい処理方法は、水性析出(aqueous precipitation)により金属石鹸を沈着させて、天然又は合成フレーク(例えばマイカフレーク)との密接な混合物を水中懸濁物として得ることである。処理した懸濁物を、次に脱水及び乾燥させる。析出は、溶液中の多価塩を石鹸のナトリウム塩の温水溶液に加えることによって生じる。石鹸のナトリウム塩はまた、脂肪酸の分散液を水酸化ナトリウムで中和することにより、in situで事前に生成させることもできる。別の重要ではない選択肢は、成分A(例えばBiOCl)を含む天然又は合成フレーク(例えばマイカフレーク)の懸濁物、及び場合により他の不溶性成分に、金属石鹸を析出させることである。
【0029】
鉱物又は合成フレーク、好ましくはマイカフレークの表面上の金属石鹸、好ましくはイソステアリン酸塩を含めたステアリン酸塩又はステアリン酸塩の混合物の量は、鉱物又は合成フレークの総重量を基準として、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%である。
【0030】
特に好ましい混合物は、BiOCl+ステアリン酸マグネシウムで被覆したマイカを含み、これには下記の代表的組成物が含まれる:
− 68.6%合成又は天然マイカ+1.4%ステアリン酸マグネシウム+30%BiOCl
− 68.6%合成又は天然マイカ+1.4%ステアリン酸マグネシウム+15%BiOCl+15%酸化亜鉛
− 68.6%合成又は天然マイカ+1.4%ステアリン酸マグネシウム+25%BiOCl+5%酸化亜鉛
− 49%合成又は天然マイカ+1%ステアリン酸マグネシウム+50%BiOCl
− 49%合成又は天然マイカ+1%ステアリン酸マグネシウム+45%BiOCl+5%酸化亜鉛。
【0031】
成分Bの好適なフレークは、一般に厚みが0.2〜2μm、とりわけ0.3〜1.0μmである。他の2つの寸法における伸張(extension)は、通常1〜100μm、好ましくは2〜50μm、とりわけ2〜20μmである。
【0032】
合成又は天然由来である、血小板形のマイカ基材(platelet−shaped mica substrates)が特に好適である。湿式粉砕フレークであるマイカ基材が特に好ましい。好適なマイカフレークは一般に、厚みが0.2〜2μm、とりわけ0.3〜1.0μmである。他の2つの寸法における伸張は、通常1〜100μm、好ましくは2〜50μm、とりわけ2〜20μmである。
【0033】
湿式粉砕は、粗粒マイカフレークの濃厚ペーストを、高剪断及び低衝撃下で摩砕(milling)にかけることにより成される。高度にひずんだ形状のフレークを製造する乾式摩砕とは異なり、湿式粉砕のアウトプットは、極めて表面積が大きいだけでなく非常に均一な形状(段差の変形及び縁部の傷みが最小限で、厚み及び滑らかさにおいて均一である)でもある薄く均一なフレークをもたらす。非常に薄いながらも滑らか、均一、かつ規則的な湿式粉砕マイカフレークが、優れた触覚性能(肌感触、滑り又は潤滑性、及び柔軟なクッション性)が重要である化粧品での使用において好ましい。
【0034】
顔料混合物は多目的でもあり、処理済み又は未処理の酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、及びシリカ、並びに天然及び合成由来の有機又は無機着色剤などの、他の成分に適応できる。好ましい着色剤としては、カルミン、紺青又は酸化クロム緑、ウルトラマリン、マンガンバイオレット、FD&C及びD&C着色剤が挙げられる。これらの添加剤は、そのような添加剤がフレークではないとしても、混合物の触覚特性に最小限の影響しか与えない。このタイプの混合物の肌感触は非常になじみが良い。
【0035】
本発明による混合物は扱いが容易でシンプルである。この混合物は、粉末の形態で単純にかき混ぜ入れることにより施用系の中に組み込むことができる。混合物の複雑な粉砕及び分散は不要であり、場合によっては逆効果である。
【0036】
施用系中(好ましくは化粧品配合物中)の混合物の濃度は、一般に70重量%まで、好ましくは50重量%までである。これは一般に具体的な用途によって決まる。
【0037】
本発明による顔料混合物は、カラー/装飾用、及びパーソナルケア用の化粧品において有利に使用される。粉末形態のBiOCl又はBNを含む本発明による混合物は、とりわけ、アイシャドー、ルージュ、化粧スティック、ペンシル、及びあらゆる種類のメーキャップパウダーに用いられる。化粧品は、特に興味深い触覚及び/又は色彩の効果により特色づけられる。カラー化粧品において、本発明による混合物は、粉末を肌へ特に均一に塗布することを可能にし、肌感触の改善をもたらす。加えて、肌の付着が改善され、固形パウダーの結着が高まる。さらに、化粧品配合物中の本発明による混合物は、滑り及びクッション性、並びに施用及び分配の容易さ、並びに透明から隠蔽性まで及び/又は艶なしからつやつやした光沢までの可変の隠蔽力における改善を示す。
【0038】
顔料混合物はさらに、市販の最新技術のフィラーと混合することができる。挙げることができるフィラーは、例えば、被覆していない天然及び合成マイカ、ガラスビーズ又はガラス粉末、ナイロン粉末、ポリメチルメタクリラート粉末、純粋又は充填剤入りメラミン樹脂、タルク、ガラス、カオリン、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、若しくは亜鉛の酸化物又は水酸化物、BiOCl、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、窒化ホウ素、並びにこれらの物質の物理的又は化学的な組み合わせである。フィラーの粒子形状に関する制約はない。必要に応じて、これは例えば、フレーク形、球形、針状、結晶性、又はアモルファスであってもよい。
【0039】
本発明による顔料混合物は当然ながら、配合物中でいかなる種類の化粧品原料及び補助剤とも組み合わせることができる。これらとしては、とりわけ、オイル、脂肪、ワックス、フィルム形成剤(film former)、界面活性剤、抗酸化剤(例えば、ビタミンC又はビタミンEなど)、安定剤、香気増強剤(odour intensifier)、シリコーンオイル、乳化剤、溶媒(例えば、エタノール又は酢酸エチル又は酢酸ブチルなど)、保存料、及び一般に塗布特性を決定する補助剤(例えば、ベントナイト、ヘクトライト、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ゼラチン、高分子量炭水化物、及び/又は表面活性補助剤などの、例えば、増粘剤及びレオロジー添加剤など)などが挙げられる。
【0040】
本発明による顔料混合物を含む配合物は、親油性、親水性、又は疎水性のタイプに属していてもよい。不連続な水性及び非水性相を有する不均一な配合物の場合、本発明による顔料混合物は、それぞれの場合で、2つの相のうち1つのみに存在するか、あるいは両方の相にわたって分配されていてもよい。
【0041】
化粧品配合物のpHは1〜14の間、好ましくは2〜11の間、及び特に好ましくは5〜8の間であってもよい。
【0042】
本発明による顔料混合物はさらに、化粧品活性成分と組み合わせてもよい。好適な活性成分は、例えば、防虫剤、無機紫外フィルター、例えば、TiO2、紫外線A/BC保護フィルター(例えばOMC、B3、及びMBC)など(カプセル化した形態でもよい)、老化防止活性成分、ビタミン及びその誘導体(例えばビタミンA、C、Eなど)、セルフタンニング剤(例えば、とりわけ、DHA、エリスルロース)、並びにさらなる化粧品活性成分、例えば、ビサボロール、LPO、VTA、エクトイン、エンブリカ(emblica)、アラントイン、バイオフラボノイド、及びそれらの誘導体である。
【0043】
有機紫外フィルターは一般に0.5〜10重量%、好ましくは1〜8%の量、無機フィルターは0.1〜30%の量で化粧品配合物中に組み込まれる。
【0044】
加えて、本発明による顔料混合物は、さらなる従来型の肌保護又は肌ケアの活性成分を含んでいてもよい。これらは原則として、当業者に公知の任意の活性成分であってもよい。特に好ましい活性成分は、ピリミジンカルボン酸及び/又はアリールオキシムである。
【0045】
化粧品施用のうちで特に言及すべきは、エクトイン及びエクトイン誘導体を、老化した肌、乾燥肌、又は炎症を起こした肌のケアに使用することである。そのため、欧州特許出願EP−A−0671161はとりわけ、エクトイン及びヒドロキシエクトインを、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング製品、リップスティック、ルージュ、メーキャップ品、ケアクリーム、及び日焼け止め組成物などの化粧品調製物に使用することを記載している。
【0046】
挙げることができる化粧品配合物の施用形態は、例えば、溶液、懸濁液、エマルション、PIT エマルション、ペースト、軟膏、ジェル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有のクレンジング組成物、オイル、エアロゾル、及びスプレーである。他の施用形態の例は、スティック、シャンプー、及びシャワー調製物である。任意の所望の慣例的な賦形剤、補助剤、及び必要であればさらなる活性成分を調整物に添加してもよい。
【0047】
軟膏、ペースト、クリーム、及びジェルは、慣例的な賦形剤、例えば動物性及び植物性脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルク、及び酸化亜鉛、又はこれらの物質の混合物を含んでいてもよい。
【0048】
パウダー及びスプレーは、慣例的な賦形剤、例えばラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物を含んでいてもよい。スプレーは、慣例的な高圧ガス、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタン、又はジメチルエーテルをさらに含んでいてもよい。
【0049】
溶液及びエマルションは、溶媒、可溶化剤、及び乳化剤などの慣例的な賦形剤、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾアート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、オイル、とりわけ綿実油、ピーナッツ油、小麦胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、又はこれらの物質の混合物を含んでいてもよい。
【0050】
懸濁液は、液体希釈剤(例えば水、エタノール、又はプロピレングリコール)、懸濁化剤(例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、アガーアガー、及びトラガカント)、又はこれらの物質の混合物などの、慣例的な賦形剤を含んでいてもよい。
【0051】
石鹸は、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオナート、ラノリン、脂肪アルコール、植物油、植物抽出物、グリセロール、糖類、又はこれらの物質の混合物などの、慣例的な賦形剤を含んでいてもよい。
【0052】
界面活性剤含有クレンジング製品は、脂肪アルコールサルフェートの塩、脂肪アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオナート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウラート、サルコシナート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油及び合成油、ラノリン誘導体、エトキシ化グリセロール脂肪酸エステル、又はこれらの物質の混合物などの、慣例的な賦形剤を含んでいてもよい。
【0053】
顔及び体用のオイルは、合成オイル(例えば、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、シリコーンオイルなど)、天然オイル(植物油及び油性植物抽出物、パラフィン油、ラノリン油など)、又はこれらの物質の混合物などの、慣例的な賦形剤を含んでいてもよい。
【0054】
化粧品調製物は様々な形態で存在してもよい。そのため、化粧品調製物は例えば、溶液、水フリー調製物、油中水(W/O)型若しくは水中油(O/W)型の、エマルション又はマイクロエマルション、多重エマルション(例えば水中油中水(W/O/W)型)、ジェル、固形スティック、軟膏、又はエアロゾルであってもよい。エクトインを、例えばコラーゲン基質及び他の従来型のカプセル化材料中に(例えばセルロースカプセル化として、ゼラチン、ワックス基質中に、又はリポソーム中にカプセル化して)、カプセル化した形態で施すこともまた有利である。とりわけ、DE−A4308282に記載されるようなワックス基質が好都合であることがわかっている。好ましいのはエマルションである。O/Wエマルションがとりわけ好ましい。エマルション、W/Oエマルション、及びO/Wエマルションは従来の方法で得ることができる。
【0055】
さらなる実施形態は、天然又は合成オイル及びワックス、ラノリン、脂肪酸エステル、とりわけ脂肪酸のトリグリセリドをベースとする油性ローション、あるいは、エタノールなどの低級アルコール、又はプロピレングリコールなどのグリセロール、及び/又はグリセロールなどのポリオール、及びオイル、ワックス、及び脂肪酸のトリグリセリドなどの脂肪酸エステルをベースとする油性アルコール性ローションである。
【0056】
固形スティックは、天然又は合成のワックス及びオイル、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、及び他の脂肪性物質から成る。
【0057】
調製物がエアロゾルとして調合される場合、アルカン、フルオロアルカン、及びクロロフルオロアルカンなどの慣例的な高圧ガスが一般に用いられる。
【0058】
光防護特性を有する化粧品配合物は、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、軟化剤、保存料、泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、オイル、ワックス、アンチグリース剤(antigrease agent)、組成物自体若しくは髪を着色する染料及び/又は顔料、又は化粧品分野で通常使用される他の成分などの、補助剤を含んでいてもよい。
【0059】
このように本発明はさらに、吸収剤、収斂剤、抗菌物質、抗酸化剤、制汗剤、消泡剤、フケ防止活性成分、静電気防止剤、バインダー、生物系添加剤、漂白剤、キレート剤、防臭剤、皮膚軟化剤、乳化剤、乳化安定剤、染料、保湿剤、フィルム形成剤、フィラー、香気物質、香味物質、防虫剤、保存料、腐食防止剤、化粧品オイル、溶媒、酸化剤、植物性成分、緩衝物質、還元剤、界面活性剤、高圧ガス、乳白剤、紫外フィルター及び紫外線吸収剤、変性剤、粘度調節剤、香料、及びビタミンの群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせて本発明による顔料混合物を含む配合物にも関する。
【0060】
加えて、本発明による顔料混合物は、当業者に公知のあらゆる用途のフィルム及びプラスチック、ギフト用ホイル、プラスチック容器及び成型品において使用することができる。本発明によるフィラー顔料を組み込むのに適したプラスチックは、あらゆる一般的なプラスチック、例えば熱硬化性樹脂又は熱可塑性物質である。可能性のある用途及び使用することができるプラスチック、加工方法、及び添加剤について、例えば、RD472005又はR.Glausch、M.Kieser、R.Maisch、G.Pfaff、J.Weitzel、Perlglanzpigmente[Pearlescent Pigments]、Curt R.Vincentz Verlag、1996、83ページ以下に記載されており、その開示内容もまた本明細書に組み込まれる。
【0061】
本発明による顔料混合物は同様に、有機染料及び/又は顔料(例えば、透明及び不透明な白色、有色、及び黒色顔料など)と共に、並びに、マイカ、ガラス、Al23、Fe23、SiO2、金属フレークなどをベースとする、金属酸化物で被覆したフレークをベースとした、フレーク形酸化鉄、BiOCl、有機顔料、ホログラフィック顔料、LCP(液晶高分子)、及び従来型の透明、有色、及び黒色の光沢顔料と共に混合して、上記の利用領域で使用するのに適している。本発明によるフィラー顔料は、市販の顔料及びフィラーと任意の比率で混合することができる。
【0062】
本発明による顔料混合物はさらに、前記顔料混合物、バインダー、及び場合により1つ又は複数の添加剤を含む、流動性の顔料組成物及び乾燥調製物の調製に適している。乾燥調製物はまた、0〜8重量%、好ましくは2〜8重量%、とりわけ3〜6重量%の水、及び/又は溶媒、又は溶媒混合物を含む調製物を意味するものとみなされる。乾燥調製物は好ましくはペレット、顆粒、チップ、ソーセージ状物、又はブリケットの形態であり、粒径が0.2〜80mmである。乾燥調製物はとりわけ、印刷用インクの調製及び化粧品配合物において使用される。
【0063】
さらに詳細に説明することなく、当業者は先の記述を用いて本発明をその最大限の範囲まで利用することができると考えられる。
【0064】
このように本発明はまた、本発明による混合物を含む配合物にも関する。
【0065】
したがって、下記の好ましい具体的な実施形態は、単に例示的なものとして解釈されるべきであり、本開示の残りの部分をどのような形であれ制限するものではない。
【0066】
以下にある下記の例は本発明を説明することを意図しているが、それを制限しない。パーセンテージは、別途注記されない限り、重量による。例において、すべての温度は独立してセ氏温度で示され;別途示されない限り、すべての部及びパーセンテージは重量による。
【0067】

例1:天然マイカの処理
200gの量の2〜19μmの粒径の湿式粉砕した天然マスコバイトマイカ(muscovite mica)を、65℃の脱イオン水中で撹拌することにより、およそ10%にて懸濁させる。2%のステアリン酸マグネシウムを形成するのに十分である、4.0gの量のステアリン酸ナトリウム(Brenntag)を投入し溶解させる。続いて1.3gの塩化マグネシウム(六水和物)を投入する。析出したステアリン酸マグネシウムの懸濁液を、脱イオン水で水簸して沈降及び又はろ過により塩化ナトリウム塩を除去することができ、次いで湿った混合物を乾燥させ、生成物は混合できる状態になる。
【0068】
処理した天然マイカは、非常に良好な肌感触を示す。
【0069】
例2:合成マイカの処理
天然マイカの代わりに粒径5〜25μmの合成マイカを用いる以外は、例1で用いた方法を繰り返す。
【0070】
処理した合成マイカは、非常に良好な肌感触を示す。
【0071】
例3:49%合成マイカ/50%BiOCl/1%ステアリン酸マグネシウムの混合物
例2に従って処理したマイカを、化粧品グレードのBiOClと同じ重量で、実験室用ブレンダー(Waring又はOster)中で混合する。
【0072】
例4:68.6%合成マイカ/15%BiOCl/15%ZnO/1.4%ステアリン酸マグネシウムの混合物
例2に従って処理したマイカを、総重量に対して70%で、15%の化粧品グレードのBiOCl及び15%の化粧品グレードの酸化亜鉛と共に、実験室用ブレンダー(Waring又はOster)中で混合する。
【0073】
使用例
使用例1:ルースパウダーアイシャドー
【0074】
【表1】

【0075】
調製:
相Aの成分を均一に混合する。撹拌しながら相Bを加える。
【0076】
供給元:
(1)Merck KGaA
(2)Luzenac
(3)Argo Brand Corn Starch/Corn Products
(4)Spectrum Chemical
(5)Phoenix Chemical。
【0077】
使用例2:鉱物メーキャップ品
【0078】
【表2】

【0079】
調製:
相Aの成分を均一に混合する。
【0080】
供給元:
(1)Sun Chemical
(2)Merck KGaA。
【0081】
例3:アイペンシル
【0082】
【表3】

【0083】
調製:
相Aのすべての成分を合わせ、均一になるまで撹拌しながら80〜85℃まで加熱する。相Bの成分を加える。凝集物が残らなくなるまで高速ミキサーで撹拌する。70℃で注ぐ。
【0084】
供給元:
(1)Luzenac
(2)Croda
(3)Phoenix Chemical
(4)Cognis
(5)Spectrum Chemical
(6)Merck KGaA。
【0085】
例4:固形アイシャドー
【0086】
【表4】

【0087】
調製:
相Aの成分を合わせる。ハンマーミルで粉砕し、0.027インチ(0.69mm)のヘリングボーンスクリーン(herring bone screen)に2回通す。静かに撹拌しながら相Bを加える。相Cを混合しながら合わせ;70℃まで加熱する。バルクを撹拌しながら相Cをバッチへスプレーする。バッチ全体をジャンプギャップ(jump gap)に通す。静かに混ぜ、加圧してディスクとする。
【0088】
供給元:
(1)Luzenac
(2)National Starch & Chemical
(3)Brenntag BSI
(4)Merck KGaA
(5)Inolex
(6)Cognis
(7)Penreco
(8)Spectrum Chemical。
【0089】
例5:クリーム状アイシャドー
【0090】
【表5】

【0091】
調製:
相Bをすべてが融解するまで約80℃で加熱し、65℃まで冷却する。次いで相Aの成分を撹拌しながら加え、完成したアイシャドーをまだ液体のうちに容器に詰める。
【0092】
供給元:
(1)Merck KGaA
(2)Croda
(3)Huls AG
(4)ISP Europe。
【0093】
例6:リップパウダー
【0094】
【表6】

【0095】
調製:
相Aの成分を合わせ、あらかじめ混ぜる。続いて、溶融した相Bを粉末混合物へ撹拌しながら滴下して加える。粉末を40〜50バール(4〜5MPa)で加圧(プレス)する。
供給元:
(1)Merck KGaA
(2)Henkel KGaA
(3)Dow Corning。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分Aがオキシ塩化ビスマス(BiOCl)又は窒化ホウ素(BN)を含み、成分Bが少なくとも1つの金属石鹸で処理された合成フレーク又は少なくとも1つの金属石鹸で処理された鉱物フレークを含む、少なくとも2つの成分を含むことを特徴とする、顔料混合物。
【請求項2】
成分Aがオキシ塩化ビスマス(BiOCl)であることを特徴とする、請求項1に記載の顔料混合物。
【請求項3】
成分Bが、マイカ、シリカ、アルミナ、ホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩の群から選択される合成フレークを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の顔料混合物。
【請求項4】
成分Bが、マイカ、粘土、タルク、及び/又はカオリンから選択される鉱物フレークを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の顔料混合物。
【請求項5】
成分Bが金属石鹸で処理された天然又は合成マイカフレークを含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項6】
成分Bが粒径の範囲が1〜100μmである合成又は鉱物フレークを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項7】
成分Bが粒径の範囲が1〜100μmである合成又は天然マイカフレークを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項8】
金属石鹸が、ステアリン酸又は分岐鎖若しくは非直鎖イソステアリン酸のアルカリ土類金属塩、又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の顔料混合物。
【請求項9】
ステアリン酸のアルカリ土類金属塩が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の顔料混合物。
【請求項10】
金属石鹸が、水素化したリシノール酸塩、アラキジン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、ミリスチン酸塩、ラウリン酸塩、カプリン酸塩、若しくはカプリル酸塩、又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の顔料混合物。
【請求項11】
成分Bが、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸亜鉛で処理された天然又は合成マイカフレークを含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項12】
成分A及び成分Bが10:90〜90:10の重量比で混合されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の顔料混合物。
【請求項13】
成分A及び成分Bが30:70〜70:30の重量比で混合されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の顔料混合物。
【請求項14】
成分A及び成分Bに加えて、化粧品グレードの酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、ウルトラマリン顔料、マンガンバイオレット、カルミン、酸化クロム緑、紺青、又は、FD&C及びD&C着色剤などの有機顔料からなる群から選ばれる他の粉末を追加の成分としてさらに含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の顔料混合物。
【請求項15】
成分A及び成分B並びに場合により他の粉末は、下記:
− 68.6%合成又は天然マイカ+1.4%ステアリン酸マグネシウム(=成分B)+30%BiOCl(=成分A)
又は
− 68.6%合成又は天然マイカ+1.4%ステアリン酸マグネシウム(=成分B)+15%BiOCl(=成分A)+15%酸化亜鉛
又は
− 68.6%合成又は天然マイカ+1.4%ステアリン酸マグネシウム(=成分B)+25%BiOCl(=成分A)+5%酸化亜鉛
又は
− 49%合成又は天然マイカ+1%ステアリン酸マグネシウム(=成分B)+50%BiOCl(=成分A)
又は
− 49%合成又は天然マイカ+1%ステアリン酸マグネシウム(=成分B)+45%BiOCl(=成分A)+5%酸化亜鉛、
ただし全ての%は重量%である、
のように混合されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の顔料混合物。
【請求項16】
成分A及び成分Bに加えて、吸収剤、収斂剤、抗菌物質、抗酸化剤、制汗剤、消泡剤、フケ防止活性成分、静電気防止剤、バインダー、生物系添加剤、漂白剤、キレート剤、防臭剤、皮膚軟化剤、乳化剤、乳化安定剤、染料、保湿剤、フィルム形成剤、フィラー、香気物質、香味物質、防虫剤、保存料、腐食防止剤、化粧品オイル、溶媒、酸化剤、植物性成分、緩衝物質、還元剤、界面活性剤、高圧ガス、乳白剤、紫外フィルター及び紫外線吸収剤、変性剤、粘度調節剤、香料、及びビタミンの群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含むことを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の顔料混合物。
【請求項17】
成分A及び成分B及び場合によりさらなる成分を混合するか、又は成分A及び鉱物若しくは合成フレーク及び金属石鹸及び場合によりさらなる成分を水中懸濁物として混合し次いで懸濁物を脱水及び乾燥させることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の顔料混合物の製造方法。
【請求項18】
化粧品配合物における、請求項1から16のいずれか一項に記載の顔料混合物の使用。
【請求項19】
請求項1から16のいずれか一項に記載の顔料混合物を含む配合物。

【公開番号】特開2010−270330(P2010−270330A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−111758(P2010−111758)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】