説明

顔料粒子の疎水処理方法及び前記記顔料粒子を含むパーソナルケア組成物

【課題】顔料粒子の疎水処理方法及び前記顔料粒子を含むパーソナルケア組成物を提供すること。
【解決手段】
本発明は顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、実質的にケイ素原子―水素原子間結合及びフッ素原子を含まない1種以上のシリコ−ンベース材料と接触させることを含み、疎水性の、非共有結合性で結合した、改質顔料粒子を製造するところの方法を提供する。加えて、本発明は前記改質剤又は被覆顔料粒子を含むパーソナルケア組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、共に参照することにより本明細書に組み込まれる、2006年10月5日に出願の、米国特許仮出願第60/849,563号及び2006年10月25日出願の、米国特許仮出願第60/854,306号、合衆国法典第35巻119(e)による利益を主張している。
【0002】
本発明は顔料粒子の疎水性を増加させるための顔料粒子の処理方法及び前記の改質された又は被覆された顔料粒子からなるパーソナルケア組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
不溶性顔料材料又は不溶性顔料粒子、例えば色彩に富んだ顔料、日焼け防止剤、タルク等は、コスメティック産業及び、他の産業、例えば塗料、被覆材、及びプラスチック産業に種々の目的を果たすために用いられている。好適な顔料又は顔料粒子は、色、不透明性又は真珠光沢のような特別な視覚効果の品質、又は、バルク、フリー、吸油度のような他の品質を広い範囲の消費者製品及び産業品に与えることができる。そのような顔料は概して水媒体又は有機媒体のどちらか一方に不溶性である。本明細書においては、本開示から当業者に明らかであるように、本発明により提供された新規な材料、方法及び組成物が、そのような改質された顔料が用いられ得る他の産業において有用であり得るとの理解をもって、本発明がパーソナルケア製品に当てはまるとして本発明を記載する。
【0004】
本発明のための興味ある顔料粒子は、最終製品に均一に分散されることが意図された十分に分離した粒子である。明確な粒径及び分散の均一性は最終製品の品質及び顔料の効果的な利用に寄与する望ましい特徴である。より微細な顔料粒子ほど最終製品中でより多くの粒子材料表面積を露呈し、粒子の色又は他の特性が最終製品により効果的に与えられることを可能にする。より大きな粒子ほど、より良好な被覆力又は、効果顔料の場合は、より優れた光沢及び輝きを示す。液体において、または顔料賦形剤においてさえ、前記粒子の均一な分散は、変色、沈殿又は他の欠点のない、良好な保存期間をもつ一貫した市販製品を提供するために望ましい又は不可欠でさえある。
【0005】
顔料粒子、殊に微細に分割された顔料を均一に分散することにおいて多くの問題点が生じ得る。未処理の多くの顔料、例えば酸化鉄、二酸化チタン及び酸化亜鉛のような金属酸化物、は著しい表面活性は共有結合性又はイオン性のどちらか一方の化学反応性に、もしくは吸着力または表面電荷の集積のようなより物理的な現象に起因し得る。そのような表面活性は粉末の初期分散の均一性を阻害し得、又は最終製品の長期安定性に悪影響を与え得る。顔料粒子は製剤中の他の成分と共有結合的又は電子化学的に結合する、又は凝集する、すなわち凝集物又は塊中にお互いに接合する傾向があり得る。その効果は、質が悪い又は受け入れられない最終製品、あるいは色又は他の特徴の不均一性、凝集、質が悪い、ザラザラした、砂のような感触、固化等の理由で限られた保存期間を有する製品であり得る。
【0006】
加えて、未処理の無機顔料の表面張力及び親水性は脂溶性の系への配合を困難にさせ、一方、強い吸油度は粘性に悪い影響を生じる。
【0007】
最後に、未処理の顔料粒子、殊に低密度の軽粒子、はバルク原料の取扱い中に重要な粉塵問題の原因となる。
【0008】
この問題を克服するために、これまで、顔料粒子を疎水性にした、そして最終製品にお
ける該顔料粒子の作業性、加工性及び顔料粒子の性能を高めるために顔料を表面処理することが一般に行われてきた。典型的な被覆材は、顔料粒子の表面活性を減少させることにより作用し、水や他の水性媒体をはじき、凝集を抑制し、吸油度を減少させ、そして最終製品の製造に使用される水性又は油性媒体における粉末粒子の分散性を高める。満足な被覆はどの粒子も完全に及び事実上均一に覆わなくてはならない。
【0009】
これらの目的を達成するために、多くの疎水性被覆材及び疎水性処理は商業上利用可能であり、及び文献、殊に特許文献、で提案されている。多くのものがある1種の又は数種の顔料に対しいくつかの目的のために効果的であり得るが、しかしあらゆる種類の顔料粒子に対し効果的である出願人等に知られた処理方法はない。
【0010】
不溶性顔料粒子は、当業界で周知のように、多くの非常に異なる材料、例えば、金属酸化物、金属ケイ酸塩、他の無機塩、体質顔料、又はタルクやシリカなどの充填材、並びに、金属塩又は酸化物上に固定された有機染料であるレーキのような有機材料、及び他の有機材料を包含する。これらの材料は、様々な表面特性を有し、そして単一のコスメティック組成物又は製剤が、多数の異なる被覆材を有する、多数の異なるそのような顔料又はコスメティック粉末成分を使用しうる。しかしながら、異なる被覆材はお互いに望ましくない影響を与え得る。それ故、相互作用を避けるため及び簡易にするために、与えられた処方におけるの全ての粒状物が同じ処理を受けることが望ましい。最も普通に使用される顔料に効果的である、単一の疎水処理を持つことが更に望ましい。
【0011】
加えて、特定の無機顔料は皮膚への親和性に欠けている。疎水性改質は皮膚親和性及び顔料の皮膚への密着性を高め、皮膚へのコスメティック製剤のよりよい着色効果をもたらし、及びよりよい損耗特性、例えば、長い耐久効果、をもたらす。同様に、総合的な皮膚感触が改善された。しかしながら、殊に高輝性効果の顔料ような大粒子は最先端の疎水性改良品でも未だに皮膚上でザラザラする。従って、ろう様の又はベタベタした感覚を生じずに、おおきな粒子に滑らかで絹のような皮膚感触を与えることのできる処理が存在したなら有益である。
【0012】
“シリコーンプライマー:アルコキシシランの化学及び応用”Journal of Coatings Technology 65;822、57−60頁(1993年7月)中でウィツキ(Witucki)は、とりわけ粒子状顔料及び充填材の表面処理のためにアルコキシ官能性シランを使用することを検討している。記載された反応機構は、表面ヒドロキシ基への水素結合と、その後の、各アルコシキ基を有するケイ素原子から粒子気質への共有結合を形成するための、乾燥、又は水の除去を伴う硬化を含む。
【0013】
米国特許第4,801,445号明細書は表面を被覆しているシリコーンポリマー膜を有している改質粉末又は改質粒子状材料を対象としていて、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0014】
米国特許第3,649,321号明細書はシリコーンと少なくとも1種のエステルで二酸化チタン粒子を被覆することを対象としていて、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0015】
米国特許第3,132,961号明細書は字オルガノポリシロキサンを有する被覆充填材、顔料等を対象としていて、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0016】
米国特許出願公開第2004−0096470号明細書は、数ある中で、フッ素被覆化合物及びシリコーン被覆化合物の混合物によって被覆されていてる二重被覆顔料を含むコスメティック組成物を請求するものであって、、参照することにより本明細書に組み込ま
れる。
【0017】
米国特許出願公開第2004−0197286号明細書は、
1)炭素原子数24ないし28の飽和しかつ枝分かれした炭素鎖を少なくとも2つ含む少なくとも1つの脂肪アルコールエステルの脂肪酸エステルを含む少なくとも1種のポリエステル、
2)少なくとも1種のシリコーン化合物、
3)少なくとも1種の微粉砕化合物を含む粒子状相、
を含む圧縮されたコスメティックパウダー組成物を開示しており、上記圧縮されたコスメティックパウダー組成物は均質である。前記出願は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0018】
米国特許第5,738,841号明細書は、脂肪相中に少なくとも1種のシリコーン含有化合物及びオクチルドデシルネオペンタノエートを含む無水組成物を含む、皮膚用及び/又は角質物質用ケア製品及び/又はメイキャップ製品であって、皮膚及び/又は角質物質に無水物の形態で適用される製品を開示する。前記特許は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0019】
特開2000−212024号公報、特開2000−256133号公報、特開2001−302455号公報、特開2001−316223号公報、特開1998−134442号公報、特開1996−118051号公報、特開1991−220446号公報、及び特開1990−63913号公報は、ペルフルオロ化シリコーン誘導体及び/又はペルフルオロ化ホスフェ−トエステル誘導体で処理されたコスメティック顔料を含むコスメティック組成物を開示している。
【0020】
米国特許第6,417,250号明細書は、1つ又は多くのシランで被覆されている真珠光沢顔料を含むことを特徴とするフィルム形成剤又は注型用樹脂を含む製剤を開示していて、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0021】
米国特許出願公開第2004−0234613号明細書は、互いにそして基質粉末に共有結合した、有機金属酸塩(organometallate)、例えばチタン酸塩(titanante)、及び機能化ケイ素化合物ケイ素、を用いる、顔料及び他の粉末、例えばコスメティック粉末のためのハイブリッド被覆材及び方法を開示しており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0022】
米国特許出願題2003−0161805号明細には、分子の骨格内の繰返し単位において置換されたカチオン性基及びアニオン性基、例えばアミノエチルアミノプロピル基及びアルコキシ基、の両方を有する、線状で反応性のアルキルポリシロキサンを用いたコスメティック粉末の処理を開示しており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0023】
米国特許出願公開第2004−0223929号明細書には疎水的に改質された干渉顔料を含むパーソナルケア組成物が開示されていて、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0024】
米国特許第5,143,722号明細書には、架橋製品を包含するジメチルポリシロキサン材料を含む疎水性材料を用いたコスメティック顔料の被覆材を公開していて、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0025】
特開平7−196946号公報には処理顔料のための、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基又はイミノ基のような反応性末端基を有した直鎖アルキルポリシ
ロキサンの使用を開示している。
【0026】
米国特許第5,458,681号明細書は、特定の狭い分子量分布、すなわち1.0ないし1.3の重量平均分子量の数平均分子量に対する割合、を有するアルキルポリシロキサンを用いた同様の反応性手段を開示しており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0027】
米国特許第6,524,705号明細書、特開昭55−136213号公報、及び特開昭56−016404号公報にはシラン化水素含有シリコーン誘導体で処理された顔料粒子を開示していて、前記米国特許明細書は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0028】
表面被覆反応を触媒するための有機金属触媒の使用は望ましくなく、その理由は、人間の体に塗布されるコスメティック製品中に異質の重金属を含む材料が存在することは受け入れられないからである。
【0029】
メチル水素ポリシロキサンはSi――H基を持ち、Si――H基は顔料表面のヒドロキシ基と反応できる。被覆工程の間に、メチル水素ポリシロキサンは重合されて、粒子を被覆する架橋樹脂を形成し及び場合によってはまた顔料の凝集集合体を生じ得る。上記工程においては、メチル水素ポリシロキサン中のSi――H基が配座エネルギーのせいで完全に反応することができない。未処理のSi――H基はその後、製品の完全性を損ない、水素を放出すために、経時的に徐々に顔料粒子と、又は最終製品中の他の成分と反応し得る。
【0030】
米国特許第6,200,580号明細書では、とりわけ絹雲母を包含する粉末基材を被覆するためのアミノ基であり得る単一の末端反応基を有する、反応性アルキルポリシロキサンの使用を開示しており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0031】
コスメティック粉末のための被覆材料として、ダウコーニング(商標)製品#1107のような、メチル水素ポリシロキサンを使用することの更なる難点は、それらが被覆することができる材料の範囲が限られることである。例えば、メチル水素ポリシロキサンは、D&CレッドNo.6バリウムレーキのような有機着色剤のレーキへ十分に結合できず、そして結果として撥水性が乏しい。従って、メチル水素ポリシロキサンはコスメティック粉末のためには不十分なの被覆材料である。
【0032】
被覆することが難しい他の種類の材料は、真珠光沢性のためにコスメティックに好まれる、絹雲母のような雲母ベースの材料である真珠光沢性のためにコスメティックに好まれる。より反応性のシリコーン出発材料の1種である、コネチカット州グリーンウィッチのオーエスアイスペシアリティズ製のSILQUEST(商標)A−137シランのようなアルコキシシランでさえ、絹雲母と良く反応せず、そして結果として疎水性は十分でない。
【0033】
米国特許第6,176,918号明細書はオリゴマーシラン系を用いた雲母ベースの改質真珠光沢顔料を被覆する方法を開示していて、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0034】
従って、広範囲のコスメティック粉末材料を被覆するための疎水処理方法であって上記工程とは、好ましくはまた被覆されにくい顔料粒子の効果的な処理に使用され得る方法に対する必要性が未だにある。パーソナルケア組成物及び他の製剤においても、この様な改質顔料粒子の更なる必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】米国特許第4,801,445号明細書
【特許文献2】米国特許第3,649,321号明細書
【特許文献3】米国特許第3,132,961号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0096470号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0197286号明細書
【特許文献6】米国特許第5,738,841号明細書
【特許文献7】特開2000−212024号公報
【特許文献8】特開2000−256133号公報
【特許文献9】特開2001−302455号公報
【特許文献10】特開2001−316223号公報
【特許文献11】特開1998−134442号公報
【特許文献12】特開1996−118051号公報
【特許文献13】特開1991−220446号公報
【特許文献14】特開1990−63913号公報
【特許文献15】米国特許第6,417,250号明細
【特許文献16】米国特許出願公開第2004/0234613号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開題2003/0161805号明細
【特許文献18】米国特許出願公開第2004/0223929号明細書
【特許文献19】米国特許第5,143,722号明細書
【特許文献20】特開平7−196946号公報
【特許文献21】米国特許第5,458,681号明細書
【特許文献22】米国特許第6,524,705号明細書
【特許文献23】特開昭55−136213号公報
【特許文献24】特開昭56−016404号公報
【特許文献25】米国特許第6,200,580号明細書
【特許文献26】米国特許第6,176,918号明細書
【非特許文献】
【0036】
【非特許文献1】「Journal of Coatings Technology」(米国)1993年7月、第65巻、第822号、p.57−60
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
本発明の1つの目的は疎水処理顔料粒子の疎水処理方法であって、該顔料粒子を実質的にケイ素原子−水素原子間結合及びフッ素原子を含まないシリコーンベースの材料1種以上と接触させることを含み、疎水的に改質された顔料粒子を製造するところの方法を提供することである。本発明のもう一つの目的は前記改質顔料粒子を含むパーソナルケア組成物である。
【課題を解決するための手段】
【0038】
上記の通り、本発明の1つの態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、該顔料粒子を、有効量の、
式(1)、式(2)、及び式(3)、
【化1】

【化2】

【化3】

(式中、
R1は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R2は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R3は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R4は炭素原子数11ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
qは1ないし約2000を表し、
tは1ないし約2000を表し、
qとtの合計は2ないし約2000であり、
R5は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R6は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R7は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R8は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
aは1ないし約100を表し、
bは1ないし約100を表し、
aとbの合計は2ないし約100であり、及び
xは1ないし約2000の整数を表す。)で表されるシリコーン化合物の1つ以上と接触させることを含むが、但し、式(1)、(2)、及び(3)は本質的にケイ素原子−水素原子間結合及びフッ素原子を含まず、そしてさらに但し、前記シリコーン化合物のうちの1つは式(1)で表されるものであるところの方法を提供することである。
【0039】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記記顔料粒子を、有効量の、式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上と接触させることからなり前記式(1)で表されるシリコーン化合物は、
R1は炭素原子数1ないし10の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R2は炭素原子数1ないし10の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R3は炭素原子数1ないし10の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R4は炭素原子数12ないし18の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
qは1ないし約1000を表し、
tは1ないし約1000を表し、
qとtの合計は2ないし約1000である、と定義されるところの方法である。
【0040】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記記顔料粒子を有効量の式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上と接触させることからなり、前記式(1)で表されるシリコーン化合物は、
R1は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R2は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R3は炭素原子数1ないし16の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R4は炭素原子数12ないし18の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
qは1ないし約100を表し、
tは1ないし約100を表し、
qとtの合計は2ないし約100である、と定義される、ところの方法である。
【0041】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記記顔料粒子を、有効量の、式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上と接触させることからなり、前記式(1)で表されるシリコーン化合物はセチルジメチコンであるところの方法である。
【0042】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の、式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上と接触させることからなり、前記式(2)で表されるシリコーン化合物は、
R5は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
R6は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
R7は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
R8は炭素原子数1ないし16の直鎖のアルキル基を表し、
aは1ないし約25を表し、
bはいないし約25を表し、
aとbの合計は2ないし約25である、と定義される、ところの方法である。
【0043】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の、式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上と接触させることからなり、前記式(2)で表されるシリコーン化合物は、
R5はメチル基を表し、
R6はメチル基を表し、
R7はメチル基を表し、
R8は炭素原子数1ないし8の直鎖のアルキル基を表し、
aは1ないし約9を表し、
bはいないし約9を表し、
aとbの合計は3ないし約9である、と定義されるところの方法である。
【0044】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の、式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を接触させることからなる方法であって、前記式(2)で表されるシリコーン化合物はシクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロヘキサジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン/メチルオクチルシロキサンの環状コポリマー、ヘキシルヘプタメチルトリシロキサン又はオクチルヘプタメチルトリシロキサンである、ところの方法である。
【0045】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の、式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を接触させることからなる方法であり、前記式(3)で表されるシリコーン化合物は、
xは1ないし約500の整数を表す、と定義されるところの方法。
【0046】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の、式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を接触させることからなる方法であって、前記式(3)で表されるシリコーン化合物は、
xは1ないし約50の整数を表すと定義されるところの方法。
【0047】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の、式(1)、式(2)、及び式(3)を有すシリコーン化合物の1種以上を接触させることからなり、前記式(3)で表されるシリコーン化合物はジメチルポリシロキサンである、ところの方法。
【0048】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の、セチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物接触させることからなる方法であって、前記式(2)で表されるシリコーン化合物は、
R5は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
R6は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
R7は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
R8は炭素原子数1ないし16の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
aは1ないし約25を表し、
bは1ないし約25を表し、
aとbの合計は2ないし約25である、と定義されるところの方法。
【0049】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の、セチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物と接触させることからなり前記式(2)で表されるシリコーン化合物は、
R5はメチル基を表し、
R6はメチル基を表し、
R7はメチル基を表し、
R8は炭素原子数1ないし8の直鎖アルキル基を表し、
aは1ないし約9を表し、
bは1ないし約9を表し、
aとbの合計は3ないし約9である、と定義されるところの方法。
【0050】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を有効量のセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物と接触させることからなり、前記式(2)で表されるシリコーン化合物は、例えば、シクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロヘキサジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン/メチルオクチルシロキサンの環状コポリマー、ヘキシルヘプタメ
チルトリシロキサン又はオクチルヘプタメチルトリシロキサンである、ところの方法。
【0051】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量のセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有すシリコーン化合物と接触させることからなり、前記式(3)で表されるシリコーン化合物は、
Xは1ないし約500の整数を表す、と定義されるところの方法。
【0052】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量のセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物とを接触させることからなり、前記式(3)で表されるシリコーン化合物は、
Xは1ないし約50の整数を表す、と定義されるところの方法。
【0053】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量のセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物とを接触させることからなり、前記式(3)で表されるシリコーン化合物はジメチルポリシロキサンである、ところの方法。
【0054】
本発明に使用されているシリコーンは、概して、市販のポリシロキサンであって、例えば、アルキル基又はアリール基で置換されたポリシロキサンである。式(1)に従うシリコーンの例としてはセチルジメチコンが含まれる。式(2)に従うシリコーンの例としてはシクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロヘキサジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン/メチルオクチルシロキサンの環状コポリマー、ヘキシルヘプタメチルトリシロキサン及びオクチルヘプタメチルトリシロキサンが含まれる。式(3)に従うシリコーンの例としてはジメチルポリシロキサンが含まれる。式(1)、(2)、及び/又は(3)で表されるシリコーンの混合物は本発明の方法に従って使用することができ、例えば、式(1)、式(2)、及び/又は(3)に従うシリコーンの何れか2種以上の混合物である、ところの方法。
【0055】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記式(1)と式(2)及び/又は式(3)の質量比が約1000:1ないし1:1000である、ところの方法。
【0056】
本発明の他の実施態様は顔料粒子の疎水処理方法であって、前記式(1)と式(2)及び/または式(3)の質量比が約100:1ないし1:100である、ところの方法。
【0057】
本発明の他の実施態様は顔料粒子の疎水処理方法であって、前記式(1)と式(2)及び/または式(3)の質量比が約10:1ないし1:10である、ところの方法。
【0058】
用語“本質的に含まない”は、質量に基づいて約1パーセント未満の量、好ましくは質量に基づいて約0.1パーセント未満の量、更に好ましくは質量に基づいて約0.01パーセント未満の量を指し、そして、最も好ましくは質量に基づいて0パーセントを指す。
【0059】
シリコーンは液体状態で使用されなくてはならない。通常は固体の又はろう質のシリコーンが適切な溶媒、例えば、アセトン又はエタノール、の溶液に使用され得、又はそれらの対応する融解又は軟化温度より上に加熱し得、そして顔料処理を上記温度より上で実行できる。前記シリコーンは乾燥工程においてより、例えば120℃で、顔料から実質的に除去されない十分な低い蒸気圧を有するべきであり、そして、約200℃又はより高い温度で操作する射出成形法で使用し得る改質顔料を含有するプラスチック組成物として、前記シリコーンは十分に低い蒸気圧を有するべきであり、及び上記温度で安定でもあるべきである。
【0060】
式(1)、式(2)、及び式(3)で表されるシリコーン化合物の有効量は未処理の顔料粒子表面の効果的な処理に必要とされる該シリコーン化合物の量を指す。本方法に従うシリコーン化合物の有効量は改質された又は処理された顔料粒子の質量に基づいて約0.1パーセントないし約90パーセントの範囲にある。本方法に従うシリコーン化合物の有効量は改質された又は処理された顔料粒子の質量に基づいて約0.1パーセントないし約30パーセントの範囲にある。本方法に従うシリコーン化合物の有効量は改質された又は処理された顔料粒子の質量に基づいて約1パーセントないし約15パーセントの範囲にある。本方法に従うシリコーン化合物の有効量は改質された又は処理された顔料粒子の質量に基づいて約3パーセントないし約10パーセントの範囲にある。
【0061】
顔料粒子の寸法に重大な制限はないが、好ましくは約0.01ないし約500マイクロメートルの平均粒子径を有する、さらに好ましくは約1ないし200マイクロメートルの平均粒子径を有する、最も好ましくは約5ないし150マイクロメートルの平均粒子径有する顔料粒子が本発明の式(1)、式(2)、又は式(3)に従うシリコーン化合物で改質される。
【0062】
重大な温度制限はないが、本発明に従う方法は約0℃ないし約200℃、好ましくは約10℃ないし約150℃、さらに好ましくは約25℃ないし約125℃の温度で行われる。
【0063】
本発明の方法によると、式(1)、式(2)及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物は多くの異なる手段によって未処理の顔料粒子表面に取り込み得る。噴霧乾燥及びジェットミリングは未処理の顔料粒子表面に式(1)、式(2)、及び/又は式(3)のシリコーン化合物を導入するための二つの手段である。
【0064】
加えて、式(1)、式(2)及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物は適切な溶媒に溶解され得、及びその後その溶液中に未処理の顔料粒子を適当なスラリー状に溶かし得る。結果として改質された顔料粒子はろ過又は遠心分離によって除去され、続いて残存溶媒を除去するために乾燥させる。
【0065】
しばしば、顔料粒子を、例えば、一種以上の含水無機酸化物、例えば、シリカ水和物又はアルミナ水和物、二酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、雲母、酸化亜鉛、カーマインのような着色剤又はプルシアンブルー、を用いて被覆することが望ましい。この場合、本発明の方法による処理は粒子が、例えば、含水無機酸化物で、被膜された後に行われる。
【0066】
本発明の他の実施態様において、顔料粒子は一種以上の含水無機酸化物で被覆され、分類され、そしていずれの溶解性物質をも除去するために洗浄され、次にシリコーンで処理され、続いて改質された顔料は乾燥されそして粉砕される。もう1つの方法として、含水無機酸化物で被覆された顔料粒子は上記含水無機酸化物を脱水するために部分的に乾燥及び/又は焼成し得、及び、所望により、溶液状かそれとも蒸気相でシリコーン処理する前に粉砕される。
【0067】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の式(1)、式(2)、及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上と接触されることからなり、前記顔料粒子は無機顔料、金属酸化物及び金属水酸化物、雲母、有機顔料、真珠光沢顔料、ケイ酸金属塩、多孔質材料、炭素、及び干渉顔料からなる群から選択される、ところの方法である。
【0068】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量
の式(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表される化合物を有すシリコーン化合物の1種以上と接触させることからなり、前記顔料粒子は無機顔料、金属酸化物及び金属水酸
化物、雲母、有機顔料、真珠光沢顔料、及び干渉顔料からなる群から選択される、ところの方法である。
【0069】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の式(1)、式(2)、及び/又は式(3)を有すシリコーン化合物の1種以上と接触させることからなり、前記顔料粒子は無機顔料、有機顔料、真珠光沢顔料、及び干渉顔料からなる群から選択される、ところの方法。
【0070】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子の疎水処理方法であって、前記顔料粒子を、有効量の式(1)、式(2)、及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上と接触させることからなり、前記顔料粒子は真珠光沢顔料又は干渉顔料である、ところの方法。
【0071】
本発明によれば、様々な種類の顔料粒子が前記顔料粒子の表面をシリコーン化合物で被覆することによって改質可能である。本発明に従い処理することができる顔料粒子の例としては、無機顔料、金属酸化物及び金属水酸化物、雲母、有機顔料、真珠光沢顔料、ケイ酸金属塩、多孔質材料、炭素、干渉顔料等を含むが、これらに限定されない。
【0072】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材は、有効量の
式(1)、式(2)、及び式(3)、
【化4】

【化5】

【化6】

(式中、
R1は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R2は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R3は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R4は炭素原子数11ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10
の炭素原子数のアリール基を表し、
qは1ないし約2000を表し、
tは1ないし約2000を表し、
qとtの合計は2ないし約2000であり、
R5は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R6は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R7は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R8は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
aは1ないし約100を表し、
bは1ないし約100を表し、
aとbの合計は2ないし約100であり、及び
xは1ないし約2000の整数を表す。)で表わされるシリコーン化合物の1種以上と接触させることを含むが、但し、式(1)、(2)、及び(3)で表される化合物では本質的にケイ素原子−水素原子間結合及びフッ素原子に含まず、そしてさらに但し、シリコーン化合物のうちの1つは式(1)で表されるものであるところの顔料粒子である。
【0073】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上のを被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材は式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を含み、前記式(1)で表される化合物は、
R1は炭素原子数1ないし10の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R2は炭素原子数1ないし10の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R3は炭素原子数1ないし10の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R4は炭素原子数12ないし18の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
qは1ないし約1000を表し、
tは1ないし約1000を表し、
qとtの合計は2ないし約1000の数でである、と定義されるところの顔料粒子である。
【0074】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材とは式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を含みからなるものであって、前記式(1)で表される化合物は、
R1は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R2は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R3は炭素原子数1ないし16の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R4は炭素原子数12ないし18の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
qは1ないし約100を表し、
tは1ないし約100を表し、
qとtの合計は2ないし約100の数である、と定義されるところの顔料粒子である。
【0075】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材は式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を含み、前記式(1)で表される化合物はセチルジメチコンであるところの顔料粒
子である。
【0076】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子状の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材は式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を含み、前記式(2)で表される化合物は、
R5は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R6は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R7は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R8は炭素原子数1ないし16の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
aは1ないし約25を表し、
bは1ないし約25を表し、
aとbの合計は2ないし約25である、と定義されるところの顔料粒子である。
【0077】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子状の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材は式(1)、式(2)、及び式(3)を有すシリコーン化合物の1種以上を含み、前記式(2)で表される化合物は、
R5はメチル基を表し、
R6はメチル基を表し、
R7はメチル基を表し、
R8は炭素原子数1ないし8の直鎖アルキル基を表し、
aは1ないし約9を表し、
bは1ないし約9を表し、
qとtの合計は3ないし約9の数である、と定義されるところの顔料粒子である。
【0078】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材は式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を含み、前記式(2)で表される化合物はシクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロヘキサジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン/メチルオクチルシロキサンの環状コポリマー、ヘキシルヘプタメチルトリシロキサン又はオクチルヘプタメチルトリシロキサンであるところの顔料粒子である。
【0079】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材は式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を含み、前記式(3)で表される化合物は、
xは1ないし約500の整数である、と定義されるところの顔料粒子である。
【0080】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材は式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を含み、前記式(3)で表される化合物は、
xは1ないし約50の整数である、と定義されるところの顔料粒子である。
【0081】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材は式(1)、式(2)、及び式(3)を有するシリコーン化合物の1種以上を含み、前記式(3)で表される化合物はジメチルポリシロキサンであるところの顔料粒子である。
【0082】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材はセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物を含み、前記式(2)で表される化合物は、
R5は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
R6は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
R7は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖アルキル基を表し、
R8は炭素原子数1ないし16の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
aは1ないし約25を表し、
bは1ないし約25を表し、
aとbの合計は2ないし約25の数である、と定義されるところの顔料粒子である。
【0083】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材はセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物を含み、前記式(2)で表される化合物は、
R5はメチル基を表し、
R6はメチル基を表し、
R7はメチル基を表し、
R8は炭素原子数1ないし8の直鎖アルキル基を表し、
aは1ないし約9を表し、
bは1ないし約9を表し、
aとbの合計は3ないし約9の数である、と定義されるところの顔料粒子である。
【0084】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材はセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物を含み、前記式(2)で表される化合物は、例えば、シクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロヘキサジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン/メチルオクチルシロキサンの環状コポリマー、ヘキシルヘプタメチルトリシロキサン又はオクチルヘプタメチルトリシロキサンであるところの顔料粒子である。
【0085】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材はセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物を含み、前記式(3)で表される化合物は、
xは1ないし約500の整数を表す、と定義されるところの顔料粒子である。
【0086】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材はセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物を含み、前記式(3)で表される化合物は、
xは1ないし約50の整数を表す、と定義されるところの顔料粒子である。
【0087】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記被覆材はセチルジメチコン及び式(2)及び/又は式(3)を有するシリコーン化合物を含み、前記式(3)で表される化合物はジメチルポリシロキサンであるところの顔料粒子である。
【0088】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上のを被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記中式(1)と式(2)及び/又は式(3)の質量比が約1000:1ないし1:1000であるところの顔料粒子である。
【0089】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記中式(1)と式(2)及び/又は式(3)の質量比が約100:1ないし1:100であるところの顔料粒子である。
【0090】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記中式(1)と式(2)及び/又は式(3)の質量比が約10:1ないし1:
10であるところの顔料粒子である。
【0091】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記粒子上の被覆材の質量パーセントは被覆顔料粒子の質量に基づいて約0.1パーセントないし90パーセントの範囲にあるところの顔料粒子である。シリコーン化合物の有効量は被覆顔料粒子の質量に基づいて約0.1パーセントないし30パーセントの範囲にある。シリコーン化合物の有効量は被覆顔料粒子の質量に基づいて約1パーセントないし約15パーセントの範囲にある。シリコーン化合物の有効量は被覆顔料粒子の質量に基づいて約3パーセントないし約10パーセントの範囲にある。
【0092】
顔料粒子の寸法に重大な制限はないが、好ましくは約0.01ないし約500マイクロメートルの平均粒子径を有する、さらに好ましくは約1ないし200マイクロメートルの平均粒子径を有する、最も好ましくは約5ないし150マイクロメートルの平均粒子径を有する顔料粒子が本発明の式(1)、式(2)、又は式(3)に従うシリコーン化合物で被覆される。
【0093】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記顔料粒子は無機顔料、金属酸化物及び金属水酸化物、雲母、有機顔料、真珠光沢顔料、ケイ酸金属塩、多孔質材料、炭素、及び干渉顔料からなる群から選択されるところの顔料粒子である。
【0094】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記顔料粒子は無機顔料、金属酸化物及び金属水酸化物、雲母、有機顔料、真珠光沢顔料、及び干渉顔料からなる群から選択されるところの顔料粒子である。
【0095】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子状の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記顔料粒子は無機顔料、有機顔料、真珠光沢顔料、及び干渉顔料からなる群から選択されるところの顔料粒子である。
【0096】
本発明の他の実施態様は、顔料粒子及び前記顔料粒子上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、前記顔料粒子は真珠光沢顔料又は干渉顔料であるところの顔料粒子である。
【0097】
本発明の他の実施態様は、1種より多い顔料粒子、又は顔料粒子のブレンドであって、該顔料粒子の1部が本発明に従って改質されているものである。例えば、本方法に従って改質された真珠光沢顔料及び未改質の有機顔料である。例えば、本方法に従って改質された真珠光沢顔料及び本発明に従って改質された干渉顔料である。さらに、2種以上の顔料のブレンドであって、該顔料の1部が本発明に従い改質をされているものである。
【0098】
本発明の他の実施態様は、1部が本発明に従って改質されている、顔料粒子のブレンドであって、1種の顔料と他の顔料の質量比が約1000:1ないし約1:1000であるものである。
【0099】
本発明の他の実施態様は、1部が本発明に従って改質されている顔料粒子のブレンドであって、前記中1種の顔料と他の顔料の質量比が約100:1ないし約1:100であるものである。
【0100】
本発明の他の実施態様は、1部が本発明に従って改質されている顔料粒子のブレンドであって、前記中1種の顔料と他の顔料の質量比が約10:1ないし約1:10であるものである。
【0101】
2種以上の顔料ブレンドであって、該顔料の1部が本発明に従って改質されているものを使用する場合、望ましい色彩又は陰影又は色彩効果をもたらすために顔料粒子の適切な割合が使用される。
【0102】
本発明によると、様々な種類の顔料粒子表面がシリコーン化合物で該表面上を被覆され得る。本発明に従い処理され得る顔料粒子の例としては、無機顔料、金属酸化物又は金属水酸化物、雲母、有機顔料、真珠光沢顔料、ケイ酸金属塩、多孔質材料、炭素、干渉顔料等を含むが、これらに限定されない。
【0103】
本発明に従い改質され得る無機顔料の例はウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、プルシアンブルー、マンガニーズバイオレット、チタニウムで被覆した雲母、ビスマス酸塩化物、酸化鉄、水酸化鉄、二酸化チタン、低酸化チタン、水酸化クロム及び酸化クロム、及び炭素ベースの顔料(例えばカーボンブラック)である。なかでも、ウルトラマリンブルー及びプルシアンブルーが主として本発明に記載の改質されたものである。
【0104】
当技術分野で周知であるように、ウルトラマリンブルー(すなわち、硫黄含有のケイ酸アルミニウムナトリウム)は一般的にNa6−9Al6Si6O2S2−4で表わされ、並びに種々の分野(例えば、塗料組成物、ペンキ、インク、コスメティック、及び洗剤)で青色無機顔料として慣用的にかつ広く使用されている。ウルトラマリンブルーは親水性を有し及び空気雰囲気下で約250℃の温度まで安定である。しかしながら、ウルトラマリンブルーはアルカリに対しては概して安定であるが酸に対して不安定である。例えば、酸性条件下(例えば、硫酸基の存在下)ではウルトラマリンブルーは徐々に分解され硫化水素を発生する。結果として、これに伴いウルトラマリンブルーは変色し及び白化する。明らかに、硫化水素の発生は殊に、例えば、コスメティックのような分野において好ましくない。更にその上、ウルトラマリンブルーは機械的なせん断力(例えば粉砕)又は加熱により硫化水素を発生しがちである。特開昭54−95632号公報及び特開昭50−27483号公報に示されるように、種々の試みがこの不都合を未然に防ぐために行われたが、それらの効果は実際的見地から満足いくものでなかった。
【0105】
しかしながら、ウルトラマリンブルーが本発明に従う式(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物で改質された場合、酸性条件下での又は高温条件下での又は機械的せん断力による硫化水素の発生を効果的に防ぐことができ、及び例えば香料に対する分解作用を抑制することができた。従って、式(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表されたシリコーン化合物で改質されたウルトラマリンブルーが、酸性条件下で使用された場合、アルミニウム又は銀容器における又はコスメティックにおける実質的な劣化が起きない。更にその上、改質ウルトラマリンブルーはシリコーン化合物層で被覆されているため、疎水性が示され及び湿潤性は改良される。従って、改質ウルトラマリンブルーはエマルジョン系の油相の中に配合され得る。
【0106】
先に述べたウルトラマリンブルーの特有の不利点はウルトラマリン粒子の表面上の硫黄の存在(すなわち、表面硫黄)に起因すると信じられている。前記表面硫黄はウルトラマリンブルーの結晶格子の表面上に存在する活性ラジカル型の硫黄であり、前記該ラジカル型の硫黄は、例えば、酸、熱、または機械的せん断力作用、の影響を受け易いことがありがちである。しかしながら、本発明によれば、ウルトラマリンブルー粒子の表面は該ウルトラマリンブルー粒子を安定させるためにシリコーン化合物層によって被膜されている。更にその上、シリコーン化合物層は高透明度を有するため、改質されてない及び改質されたウルトラマリンブルー粒子間に実質的な違いはない。
【0107】
本発明に従い改質されるウルトラマリンブルーは、例えば0.1ないし100マイクロ
メートル、の寸法を有する慣用のウルトラマリンブルーのいずれでもあり得る。安定化されたウルトラマリンブルー粉末粒子中に存在するシリコーン化合物の量は、粒子の表面積及び活性に依存して、典型的には、粒子の質量に基づいて約0.1質量%ないし20質量%、好ましくは0.2質量%ないし10質量%である。所望により、前記ウルトラマリンブルー粒子は処理の前に乾燥し得る。更にその上、例えば、プラスチック又は金属酸化物で被覆されたウルトラマリンブルー、の慣用の複合もまた本発明に従い処理され得る。
【0108】
当技術分野で周知なように、プルシアンブルー(すなわち、フェロシアン化鉄)は一般的にMFe[Fe(CN)6](前記式中Mはカリウム、アンモニウム、又はナトリウムを表す。そして種々の分野(例えば、塗料組成物、ペンキ、コスメティック)において大きな着色力を有す青色無機顔料として慣用的にかつ広く使用されている。しかしながら、プルシアンブルーは耐酸性は強いけれども、乏しい、耐アルカリ性を有している。更にその上、プルシアンブルーは加熱に対し安定でなく、分解又は暗褐色に変色する原因となる。さらに、熱を加えると、プルシアンブルーは還元されやすく及び共存物質(例えば、香料)の劣化の原因となる傾向がある。
【0109】
しかしながら、プルシアンブルーが本発明に従う式(1)、式(2)及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物で改質された場合、先に述べた慣用のプルシアンブルーの不利点は効果的に除かれ得る。従って、改質プルシアンブルーはコスメティックのような組成物、医薬組成物に配合され、他の成分(例えば、香料)との望ましくない相互作用を排除できるためにそして該組成物の安定性が著しく改良される。更にその上、シリコーン化合物層は非常に透明なので、改質されていない粒子及び改質されたプルシアンブルー粒子間の色彩に実質的な変化は観察されない。
【0110】
本発明に従って改質される前記プルシアンブルー粉末粒子は、好ましくは0.01ないし100マイクロメートル、さらに好ましくは0.05ないし0.1マイクロメートルの寸法を有する、慣用の何れのプルシアンブルー粉末粒子でもあり得る。改質プルシアンブルー粉末粒子の表面に被覆したシリコーン化合物の量は、粒子の表面積に依存して、典型的には0.5質量%ないし40質量%、さらに好ましくは5質量%ないし30質量%である。
【0111】
本発明に従い改質できる金属酸化物及び金属水酸化物の例は酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、酸化鉄(.アルファ−Fe2O3、.ガンマ−Fe2O3、Fe3O4、FeO)、水酸化鉄、二酸化チタン、低酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、及び酸化亜鉛である。これら酸化物及び水酸化物は単独でまたはそれらのいずれの混合物も使用し得る。更にその上、鉄チタン、コバルトチタン、及びコバルトアルミニウムのような複合酸化物及び複合水酸化物は本発明で使用され得る。核材料を被膜した金属酸化物又は金属水酸化物からなる合成材料(例えば、酸化チタンで被覆された雲母、酸化鉄で被覆されたナイロン)もまた本発明で使用され得る。
【0112】
金属酸化物又は金属水酸化物粉末粒子の寸法に重大な制限はないが、0.001ないし500マイクロメートル、好ましくは0.01ないし200マイクロメートルの寸法を有する金属酸化物又は金属水酸化物、が粉末粒子の凝集を起こさずにシリコーン化合物で好ましく被覆され得る。シリコーン化合物の好ましい被覆量は金属酸化物及び金属水酸化物の種類及び表面積に依存して、0.1質量%ないし20質量%、さらに好ましくは0.2質量%ないし10質量%である。
【0113】
当技術分野で周知であるように、金属酸化物及び金属水酸化物は例えば、種々の用途分
野(例えば、塗料組成物、ペンキ、コスメティック、インク)の着色剤として、又は磁性材料として、慣用的に及び広く使用されている。しかしながら、慣用の金属酸化物及び金属水酸化物は一般的に親水性を有しており及び、それ故、油中又は有機溶媒中への乏し分散性を有している。さらにその上、金属酸化物及び金属水酸化物は触媒活性を有しており及び、それ故、脂肪や油もしくは香料のような共存成分を劣化させるか又は表面活性のせいで退色を引き起こす。
【0114】
一方、金属酸化物又は金属水酸化物が本発明に従う式(1)、式(2)及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物で改質された場合、得られた金属酸化物及び金属水酸化物はそれ全体の表面をシリコーン化合物層で均一に被覆され、及び、それ故、前記金属酸化物及び金属水酸化物は安定化されて、他の物質と干渉せず及び香料等を劣化させない。従って、改質金属酸化物及び改質金属水酸化物が種々の組成物(例えば、塗料組成物、ペンキ、コスメティック、医薬組成物)に配合された場合、該組成物の経時安定性は著しく改良される。更にその上、シリコーン化合物層はとても薄く、透明であるため、未処理の金属酸化物と処理された金属酸化物の間の色彩の違いは観察されず、及び金属酸化物及び金属水酸化物の磁性特徴は、たとえあったとしても、悪影響を及ぼされない。従って、改質ガンマ−Fe2O3又はCo−ガンマ−Fe2O3は磁気記録材料の製造に有利に使用することができる。
【0115】
本発明に従って改質できる雲母の例は白雲母、金雲母、黒雲母、絹雲母、鱗雲母、ソーダ雲母及び天然雲母の水酸基を置換したフッ素原子を有する人工の又は合成された雲母並びにその焼いた又はか焼した製品である。前記雲母顔料は単独で又はその何れかの混合物として使用することができる。
【0116】
未加工の雲母は本発明に従い改質し得るが、0.5ないし200マイクロメートルの寸法を有する雲母は本発明に従う式(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表わされるシリコーン化合物で好ましく改質し得る。しかしながら、雲母は薄い形状(例えば、薄片)へと開裂された後に本発明に従う改質し得る。雲母の大きさに重大な制限はないが、本来の雲母の場合には、好ましくは式(1)、式(2)、及び/又は式(3)のシリコーン化合物の被覆量は0.1質量%ないし20質量%、より好ましくは質量に対して0.2質量%ないし10質量%である。しかしながら、過剰量の蒸気の形態の式(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表わされるシリコーン化合物が導入される場合、雲母は雲母の開裂が起こるために膨張し及び、それ故、最大20質量%ないし90質量%までのシリコーン化合物が使用され得る。
【0117】
当技術分野で周知なように、雲母は、例えば、塗料、インク、及びコスメティック、並びにプラスチック及びゴムに充填剤及び添加剤として慣用的にかつ広く使用されている。しかしながら、雲母は一般的に親水性を有し及び、それ故油及び有機溶媒中への乏しい分散性を持つ。更にその上、雲母がプラスチック及びゴムへ混練された場合、雲母は凝集を引き起こしがちであり及び、均一な混練は難しい。
【0118】
一方で、雲母が本発明に従う式(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物で改質された場合、改質雲母はその表面全体を薄いシリコーン化合物層で均一に被覆され及び、それ故に前記雲母は安定化する。従って、改質雲母が組成物に配合された場合、雲母は共存物質(例えば香料)を分解又は劣化させず及び、それ故、コスメティック及び医薬組成物の径時安定性は著しく改良される。さらにその上、シリコーン化合物層は薄く及び透明なので、未処理の雲母及び改質された雲母間で色彩の実質的な違いはない。加えて、改質雲母は疎水性を示し及びエマルジョンの場合油相に配合されることができる。
【0119】
本発明に従う式(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物で改質することができる有機顔料の例は、C.I.15850、C.I.15850:1、C.I.15585:1、C.I.15630、C.I.15880:1、C.I.73360、C.I.12085、C.I.15865:2、C.I.12075、C.I.21110、C.I.21095、及びC.I.11680、C.I.74160、及びC.I.45430、C.I.45410、C.I.45100、C.I.17200、C.I.45380、C.I.45190、C.I.14700、C.I.15510、C.I.19140、C.I.15985、C.I.45350、C.I.47005、C.I.42053、C.I.42090のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキである。
【0120】
C.I.は英国染料染色学会(The Society Dyers and Colourists)及び米国繊維化学技術・染色技術協会(The American Association of Textile Chemists and Coliurists)によって編纂されたカラーインデックスを意味する。
【0121】
興味深いオレンジ顔料の範囲はさらにモノアゾ、ジスアゾ、ナフトール、ジオキサゾン、アゾメチン、アゾ縮合物、金属錯体、ニトロ、ペリノン、キノリン、アントラキノリン、ベンズイミダゾロン(benzimidozolone)、イソインドリン、イソインドリノン、トリアリールメタン、キナクリドン、ヒドロキシアントラキノン、アミノアントラキノン、アントラピリミジン、インダントロン、フラバントロン、ピラントロン、アンタントロン、イソバイオラントロン、ジケトピロロピロール、カルバゾール、インディゴ又はチオインディゴ(thiolndigo)顔料を含み得る。
【0122】
有機顔料の混合物が使用され得る。
【0123】
上記の顔料及びまた更なる顔料の例は、研究論文:W.ハーベスト(Herbst)、K.ハンガー(Hunger)“Industrielle Organische Pigmente,”第2版,1995年,VCH Verlagsgesellschaft出版、に見出しえる.
【0124】
本発明に利用される好ましい顔料はモノ−又はジスアゾ顔料であって、好ましくはモノ−又はジアリリド、又は金属錯体、好ましくはフタロシアニン銅顔料、又はナフトール顔料、好ましくは.ベータ.−ナフトール又は.ベータ.−オキシナフト酸(BONA)顔料、又はキナクリドン又はインダントロンである。
【0125】
更に好ましくは、下記に示す有機顔料が本発明に使用される:
C.I.顔料イエロー1、2、10、12、13、14、17、61、62、63、64、65、73、74、75、83、127、168、174、176、188及び191から選択されたモノ−又はジアリリドイエロー顔料。
【0126】
C.I.顔料イエロー1、C.I.顔料イエロー2、C.I.顔料イエロー65、C.I.顔料イエロー73、C.I.顔料イエロー74及びC.I.顔料イエロー75から選択されたモノアリリドイエロー顔料。
【0127】
C.I.顔料イエロー12、C.I.顔料イエロー13、C.I.顔料イエロー14、C.I.顔料イエロー17及びC.I.顔料イエロー83から選択されたジアリリドイエロー顔料。
【0128】
C.I.顔料オレンジ16及びC.I.顔料オレンジ34から選択されたジスアドオレ
ンジ顔料。
【0129】
C.I.顔料レッド48:1、C.I.顔料レッド48:2、C.I.顔料レッド48:3、C.I.顔料レッド48:4、C.I.顔料レッド48:5、C.I.顔料レッド49:1、C.I.顔料レッド52:1、C.I.顔料レッド52:2、C.I.顔料レッド52:3、C.I.(C.1)顔料レッド53:1、C.I.顔料レッド53:2、C.I.顔料レッド53:3、C.I.顔料レッド57:1、C.I.顔料レッド57:2、C.I.顔料レッド58:2、C.I.顔料レッド58:4、C.I.顔料レッド63:1及びC.I.顔料レッド64:1から選択されたナフトールレッド顔料。
【0130】
キナクリドンレッド顔料、例えばC.I.顔料レッド202。
【0131】
C.I.顔料ブルー15:1、C.I.顔料ブルー15:2、C.I.顔料ブルー15:3、C.I.顔料ブルー15:4、C.I.顔料グリーン7及びC.I.顔料グリーン36から選択されたブルー又はグリーンフタロシアニン銅顔料。
【0132】
ブルーインダントロン顔料、例えばC.I.顔料ブルー60。
【0133】
上記有機顔料の表面は加えて、例えば、ロジンで処理され得る。
【0134】
上記有機顔料の寸法に重大な制限はないが、0.05ないし100マイクロメートルの寸法を有す有機顔料が式(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物で好ましく被覆又は被膜され得る。好ましいシリコーン化合物の好ましい被覆量は、有機顔料の種類及び表面積に依存していて、0.1質量%ないし20質量%であり、更に好ましくは0.2質量%ないし10質量%である。
【0135】
当技術分野で周知であるように、有機顔料は例えば塗料組成物、インク、及びコスメティック並びにプラスチック及びゴムに着色剤として慣用的に及び広く使用されている。しかしながら、慣用の有機顔料又はその表面処理製品は組成物に配合された場合、組成物への成形時に、それらの表面上の活性部位の存在に基づく、共存物質の相互作用に起因して共存物質の分解又は劣化の原因となる。更にその上、ある種の有機顔料は、例えば、結晶水の吸着又は脱着に起因して変色の原因となる。
【0136】
一方、有機顔料が本発明に記載の式(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物で改質されたとき、前記改質有機顔料は完全に表面を被膜する均一なシリコーン化合物層を有する。従って、前記改質有機顔料は安定化し及び共存物質に対する相互作用活性を有しなくなる。それ故に、前記改質有機顔料が組成物に形成される場合、組成物の径時安定性は著しく改良される。更にその上、前記シリコーン化合物層は薄く及び透明性が高いので、処理の前後で前記有機顔料の色彩に違いはない。加えて、展色剤への分散性もまた改良される。
【0137】
真珠光沢顔料(又は真珠箔)の例は雲母−チタン複合材料であって、例えばチタン成分として、二酸化チタン、チタン低酸化物、チタン酸窒化物、雲母−酸化鉄合成材料、ビスマス酸塩化物、及びグアニンが含まれる。前記雲母−チタン複合材料は酸化鉄、プルシアンブルー、酸化クロム、カーボンブラック、及びカルミンのような着色顔料と混合することができる。これら真珠光沢顔料は単独で又は何れかの混合物として使用してもよい。
【0138】
真珠光沢顔料の寸法に重大な制限はないが、1ないし200マイクロメートルの寸法を有す真珠光沢顔料はその表面全体を本発明に従う(1)、式(2)、及び/又は式(3)で表される化合物の均一なシリコーン化合物層で好ましく被覆されるか又は覆われる。真
珠光沢顔料の場合、粉末粒子は好ましくは平らな形状(例えば、薄片)であることに注目されたい。シリコーン化合物の好ましい被膜量はおおよそ0.01質量%ないし20質量%である。
【0139】
当技術分野で周知であるように、真珠光沢顔料は、例えば、塗料組成物、インク、コスメティック、プラスチック、セラミックス、装飾品、日用品、及び繊維又は織物製品に広く使用されている。雲母は一般的にこれら組成物に、着色顔料と共に配合されて、種々の着色外観を示す。しかしながら、雲母複合材料が他の物質と共に使用された場合、前記複合材料自体が劣化するか又は共存物質の変色又は劣化の原因となる。真珠光沢顔料の他の問題点は、顕著な真珠光沢効果、光沢効果及び輝き効果は粒径に依存し、そして粒径は粉砕加工により変化するために、前記顔料粒子は他の無機及び有機顔料のように粉砕して油相に入れ得ないことである。コスメティック製剤にとって、皮膚へ色彩効果をもたらすことは不可欠である。しかしながら真珠光沢顔料は、確かに、概して皮膚への親和性が非常に低く、そのためメイキャップ製品の製造を更に困難にし、そして、その皮膚への色彩効果の持続性を減少させている。加えて、真珠顔料の粉塵性が、該顔料の取り扱いを困難にし、そして大粒径真珠は皮膚上に不快なザラザラした感触を残す。
【0140】
一方、本発明によれば、真珠光沢顔料がシリコーン化合物膜で均一に被覆又は覆われたとき、得られた真珠光沢顔料は安定化し、そして共存物質の劣化又は分解の原因とならない。前記真珠光沢顔料は粘度への重大な影響なしに製剤の油相へ容易に攪拌して入れ得、そして皮膚へよく密着し、コスメティックにおける全体的な塗布性を改良する。他の利点は、本発明に従い被覆された真珠光沢顔料は優れた皮膚感触を示し、高粒径顔料にさえ滑らかで且つ絹のようなキメをもたらすことである。我々は又、色の強度が増し、そして金属のような光沢が得られたことも見出した。更なる恩恵は粉塵問題を著しく減少させたことである。
【0141】
本発明に従い改質できるケイ酸金属塩の例は、フィロケイ酸塩及びテクトケイ酸塩であって、例えば、葉ろう石、タルク、緑泥石、温石綿、アンチゴライト、リザーダイト、高陵石、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、モンモリロナイト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコン石、及びベントナイト;ソーダフッ石、中沸石、灰沸石、及びトムソン沸石のようなソーダフッ石類;輝沸石、束沸石、剥沸石(epistibite)のような輝沸石類;及び方沸石、重度十字沸石(harmotone)、十字沸石、菱沸石、及びグメリン沸石のようなゼオライトのようなものである。これらケイ酸金属塩は単独で又はこれらの組み合わせで使用され得る。フィロケイ酸塩はその層の界面に有機カチオンを有していてもよく又はアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンで置換されていてもよい。テクトケイ酸塩はそれらの細孔中に金属イオンを含んでもよい。
【0142】
ケイ酸金属塩の寸法に重大な制限はないが、好ましくは0.01ないし100マイクロメートル、より好ましくは0.1ないし30マイクロメートルの寸法を有した金属ケイ酸塩が本発明の式(1)、式(2)及び/又は式(3)で表されるシリコーン化合物で改質される。シリコーン化合物の好ましい被覆量は、ケイ酸金属塩粒子の種類及び表面積に依存して、0.1質量%ないし20質量%であり、より好ましくは0.2質量%及び5.0質量%である。
【0143】
当技術分野で周知のように、特定のシリコーン樹脂で所望により被覆された慣用のケイ酸金属塩は、電気絶縁材料、充填剤、及び添加剤として種々の分野(例えば、医薬組成物、セラミックス、紙、ゴム、インク、コスメティック、及び塗料)で広く使用されている。しかしながら、例えば、コスメティック及び塗料に配合された場合、慣用のケイ酸金属塩は不都合にも、共存物質(例えば、香料、油脂、樹脂)の劣化の原因となる。
【0144】
一方、本発明によれば、前記ケイ酸金属塩は安定化されることができ、その理由はケイ酸金属塩粒子の表面が薄いシリコーン化合物層で均一に被覆又は覆われるからである。結果として、改質ケイ酸金属塩が組成物中に配合された場合、前記改質ケイ酸金属塩は共存物質を劣化させない。
【0145】
本発明に従う式(1)、式(2)、又は式(3)で表されるシリコーン化合物で改質されることができる多孔質材料の例は、上記で述べたケイ酸金属塩;上記で述べた雲母;上記で述べた金属酸化物;KAl2(Al,Si3)O10F2、KMg(Al,Si3)O10F2、及びK(Mg,Fe3)(Al,Si3)O10F2;CaCO3、MgCO3、FeCO3、MnCO3、ZnCO3、CaMg(CO3)2、Cu(OH)2CO3、及びCu3(OH)2(CO3)2のような炭酸塩鉱物;BaSO4、SrSO4、PbSO4、CaSO4、CaSO4.2H2O、CaSO4.5H2O、Cu4SO4(OH)6、KAl3(OH)6(SO4)2、及びKFe3(OH)6(SO4)2のような硫酸塩鉱物;YPO4、(Ce,La)PO4Fe3(PO4)2.8H2O、Ca5 (PO4)3F、Ca5(PO4)3Cl、Ca5(PO4)3OH、及びCa5(PO4,CO3OH)3(F,OH)のようなリン酸塩鉱物;及び窒化チタン、窒化ホウ素、及び窒化クロムのような金属窒化物である。これら材料は単独で又はいずれかの混合物として使用し得る。更にその上、これら多孔質材料は、粉砕または成形の後に改質し、続いて焼くか又はか焼し得る。更にその上、セルロース、繊維、及び合成樹脂が本発明に従う式(1)、式(2)、又は式(3)で表されるシリコーン化合物で改質し得る。
【0146】
多孔質材料の寸法に重大な制限はないが、好ましくは、10mm以下、より好ましくは3マイクロメートルないし10mmの寸法を有する多孔質材料が、好ましくは本発明に従うシリコーン化合物で被覆され得る。上記シリコーン化合物の好ましい被覆量は、多孔質材料の種類及び表面積に依存して、おおよそ0.01ないし20質量%である。
【0147】
本発明の記載によれば、多孔質材料の表面及び多孔質材料の微小孔の表面に沈着したシリコーン化合物は、前記多孔質材料のどんな不都合な表面活性をも減らすために十分である。従って、改質多孔質材料は医薬組成物および香料のような物質の劣化を引き起こさない。それ故に、改質他孔質材料は、例えば、香料、医薬組成物、玩具、人工臓器、人口骨、及びセラミックスに有利に使用され得る。
【0148】
式(1)、式(2)及び式(3)で表されるシリコーン化合物で改質されることができる炭素の例は、例えば、塗料、インク、タイヤ、及びコスメティックで一般的に使用される活性炭及びカーボンブラックである。
【0149】
炭素粉末粒子の寸法に重大な制限はないが、好ましくは0.001ないし200マイクロメートル、より好ましくは0.01ないし100マイクロメートルの寸法を有する炭素粉末粒子が本発明に従うシリコーン化合物で改質される。シリコーン化合物の好ましい被覆料は、炭素粉末粒子の種類及び表面積に依存して、おおよそ0.1ないし50質量%であり、より好ましくは1質量%ないし30質量%である。
【0150】
当技術分野で周知のように、炭素粉末粒子は、例えば、塗料、インク、及びコスメティックの着色剤として広く使用されている。しかしながら、炭素は概して親水性であるため、油及び有機溶媒中での分散性はよくない。更にその上、炭素は油脂及び香料のような共存物質を劣化させ及び炭素上に有益な成分を吸着する傾向がある。
【0151】
一方で、本発明によれば、炭素粉末粒子表面に沈着したシリコーン化合物はそれらの全表面に均一なシリコーン化合物層を形成する。結果として、炭素の表面活性は消失し、そして改質炭素は疎水性及び親油性になる。それ故に、前記改質炭素は、油脂及び香料のよ
うな共存物質の劣化を引き起こすことなしに、例えば、塗料、インク、及びコスメティックに有利に配合され得る。
【0152】
本発明によれば、干渉顔料は式(1)、(2)、及び/又は(3)で表されるシリコーン化合物で改質される。干渉顔料は粒子基材材料の表面を薄膜で被覆することによって製造される真珠様の輝きを持つ顔料である。前記粒子基材材料は概してプレートレットの形状をしている。前記薄膜は高屈折率を有している透明又は半透明材料である。前記高屈折率材料は、プレートレット基材/薄膜層の界面からの反射及び入射光と、被覆層表面からの入射光の反射光、の間の相互緩衝作用の結果として真珠様の輝きを示す。
【0153】
本発明の干渉顔料はプレートレット粒状物である。前記プレートレット粒状物は、好ましくは約5マイクロメートル以下の厚さを有し、より好ましくは約2マイクロメートル以下の厚さを有し、さらに好ましくは約1マイクロメートル以下の厚さを有している。前記プレートレット粒状物は好ましくは少なくとも約0.02マイクロメートルの厚さを有し、より好ましくは少なくとも約0.05マイクロメートルの厚さを有し、なお一層好ましくは少なくとも約0.1マイクロメートルの厚さを有し、及びさらに好ましくは少なくとも約0.2マイクロメートルの厚さを有する。
【0154】
粒子径は不透明性及び光沢を決定する。粒子径は粒子状材料の直径厚さの計測によって決定される。本明細書で使用されている用語“直径”とは、粒子状材料の主軸の全巾にわたる最大距離を意味する。直径は当技術分野で知られている任意の適した方法、例えばマルヴァンインストゥルメント(Malvern Instruments)社製の粒径分析器マスターサイザー2000などで測定することができる。干渉顔料は好ましくは平均直径約200マイクロメートル以下であり、より好ましくは約150マイクロメート以下である。干渉顔料は好ましくは少なくとも約0.1マイクロメートル、より好ましくは少なくとも約1.0マイクロメートル、なお一層好ましくは少なくとも約2.0マイクロメートル、及び更に好ましくは少なくとも約5.0マイクロメートルの直径を有している。
【0155】
干渉顔料は多層構造から成る。粒状物の中心は普通1.8より小さい反射率(RI)の平らな基材である。多種多様の粒子基材が本明細書中に使用される。非限定的な例としては、自然雲母、合成雲母、黒鉛、タルク、カオリン、アルミナ薄片、ビスマス酸塩化物、シリカ薄片、ガラス薄片、セラミックス、二酸化チタン、CaSO4、CaCO3、BaSO4、ホウケイ酸塩及びそれらの混合物であり、好ましくは雲母、シリカ及びアルミナ薄片である。
【0156】
薄膜単層又は薄膜多重層で前記の基材の表面は被覆されている。前記薄膜は高屈折率材料でできている。これら材料の高屈折率は通常1.8以上である。
【0157】
多種多様の薄膜が本明細書中では有用である。非限定的な例としては、TiO2、Fe2O3、SnO2、Cr2O3、ZnO、SnO、ZrO2、CaF2、Al2O3、BiOCl、及びそれらの混合物又は独立層の形態、好ましくはTiO2、Fe2O3、Cr2O3、及びSnO2である。多重層構造については、薄膜は全て高屈折率で構成されるか又は最上層として高屈折率膜を配した高屈折率材料及び低屈折率材料の交互の薄膜で構成され得る。
【0158】
干渉顔料の色は、薄膜の厚さと相関関係にあるもので、固有の色のための厚さは種々の材料ごとに異なり得る。TiO2に関しては、40nmないし60nmの層又はそれらの整数倍は銀色、60nmないし80nmは黄色、80nmないし100nmは赤色、100nmないし130nmは青色、130nmないし160nmは緑色を与える。干渉色に加えて、他の透明吸収顔料がTiO2層の上に又は該層と同時に沈着させることができる
。一般的な材料は赤色及び黒色酸化鉄、フェロシアン化鉄、酸化クロム、又はカーマインである。その輝度に加えて干渉顔料の色はヒト皮膚の色調の知覚に重要な影響を与えることが見出されている。概して、好ましい色彩は銀、金、赤、緑、及びそれらの混合物である。
【0159】
ここで有用な干渉顔料の非限定的な例としては、パースパース社(Persperse,Inc.)によって商品名プレステージ(PRESTIGE)(登録商標)の下に供給されているもの、フロナック(FLONAC)(登録商標);EMDケミカルズ社(EMD Chemicals,Inc.)によって商品名チミロン(TIMIRON)(登録商標)、コロロナ(COLORONA)(登録商標)、ジクローナ(DICHRONA)(登録商標)及びキシローナ(XIRONA)(登録商標)の下に供給されているもの;エンゲルハンド社(Engelhand Co.)によって商品名フラメンコ(FLAMENCO)(登録商標)、チミカ(TIMICA)(登録商標)、デュオクローム(DUOCHROME)(登録商標)の下に供給されているもの、及びチバ(Ciba)によって商品名カリシャ(CALISHA)(登録商標)の下に供給されているものを含む。
【0160】
雲母複合材料の場合と同様に、干渉顔料自身が劣化するか、又は共存物質の退色又は劣化の原因となり得る。顕著なハイライト効果、光沢効果及び輝き効果は粒径に依存し、粒径は粉砕加工により変化するために、干渉顔料は他の無機又は有機顔料のように粉砕して油相に入れることができない。コスメティック製剤にとって、皮膚へ色彩効果をもたらすことは不可欠である。しかしながら干渉顔料は、確かに、概して皮膚への親和性が非常に低く、そのためメイキャップ製品の製造を更に困難にし、そして、その皮膚への色彩効果の持続性を減少させる。干渉顔料の粉塵性が、該顔料の取り扱いを困難にしている。
【0161】
一方で、本発明によれば、干渉顔料がシリコーン化合物膜で均一に被覆又は覆われた場合、得られた干渉顔料は安定化し及び共存物質の劣化又は分解を引き起こさない。それらは粘性の重大な影響なしに製剤の油相へ簡単に攪拌して入れ得、そしてそれらは皮膚へよく密着し、大粒子顔料にさえも滑らか及び絹のようなキメをもたらし及びほぼ金属の様な輝きを与え、従ってコスメティックにおける全体的な塗布性を改良される。さらなる利点は粉塵の著しい減少である。
【0162】
本発明の他の実施態様は、本方法に従い改質された顔料粒子及び/又は本発明に従う被覆された顔料粒子を含むパーソナルケア組成物である。
【0163】
パーソナルケア組成物の改質された又は被覆された顔料粒子は該組成物の約100質量パーセントをなし、好ましくはパーソナルケア組成物の約50質量パーセント以下、より好ましくはパーソナルケア組成物の約25質量パーセント以下、なお一層好ましくは約7質量パーセント以下、及び更に好ましくは約5質量パーセント以下をなす。パーソナルケア組成物の改質顔料粒子は好ましくはパーソナルケア組成物の少なくとも約0.001質量パーセント、より好ましくは少なくとも約0.01質量パーセント、なお一層好ましくは約0.1質量パーセントをなし、及び更に好ましくは少なくとも該組成物の少なくとも約0.2質量パーセントをなす。
【0164】
本発明に従うパーソナルケア組成物は種々様々なパーソナルケア製剤に含有され得る。例えば、殊に以下の製剤が考えられる:
−シェービング製剤、例えばシェービングソープ、発泡性シェービングクリーム、非発泡性シェービングクリーム、フォーム及びジェル、ドライシェービングのためのプレシェービング製剤、アフターシェーブ又はアフターシェーブローション、
−皮膚用ケア製剤、例えば、皮膚用エマルジョン、マルチエマルジョン又は皮膚用オイル及びボディパウダー、
−コスメティックパーソナルケア製剤、例えばリップスティック、アイシャドウ、アイライナー、液体メイクアップ、日中用クリーム又はパウダー、顔用ローション、ファンデーション、クリーム及びパウダー(ルーズ又は圧縮された)の形態にある顔用メイキャップ、
−光保護製剤、例えば日焼けローション、クリーム及びオイル、日焼け止め及びプレタンニング製剤、
−マニキュア製剤、例えばネイルポリッシュ、ネイルエナメル、エナメル除去剤、ネイルトリートメント、
−脱臭剤、例えば脱臭スプレー、ポンプ作動のスプレー、脱臭ジェル、スティック又はロールオン
−制汗剤、例えば制汗剤スティック、クリーム又はロールオン、及び
−固体/液体パーソナルクリーニング製品、例えば石鹸、磨き洗剤、シャンプー、コンディショナー、ヘアートリートメント
【0165】
本発明の他の実施態様は、油中水エマルジョン又は水中油エマルジョンとして、アルコール性又はアルコール含有配合物として、イオン性又は非イオン性両親媒性液体の小胞状分散液として、ジェルとして、または水性系又は非水性系の固体スティックとして配合されたパーソナルケア組成物である。
【0166】
本発明の他の実施態様は、更に金属封鎖剤、非カプセル化着色剤、香料、増粘剤又は凝固剤(コンシステンシー調整剤)、皮膚軟化剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、漂白剤、皮膚保護剤、酸化防止剤、防腐剤からなる群から選択された少なくとも1種の更なる成分を含む、パーソナルケア組成物である。
【0167】
本発明の他の実施態様は、パーソナルケア組成物又はコスメティック組成物が1つのマトリックス材に個々に加えられたに改質顔料粒子のブレンドを含む、パーソナルケア組成物である。
【0168】
パーソナルケア組成物又はパーソナルケア製剤は、その形態に応じて、本発明の改質顔料に加えて、更なる成分、例えば金属封鎖材、更なる非カプセル化着色剤、香料、増粘剤及び凝固材(コンシステンシー調整剤)、皮膚軟化剤、紫外線吸収剤、皮膚保護剤、酸化防止剤、防腐剤等を含む。
【0169】
本発明に従うパーソナルケア組成物は一種以上の更なるスキンケア又はヘアケア成分を含んでもよい。組成物が人の角質組織に接触している好ましい実施態様において、前記更なる成分は角質組織への適用に適しているべきであり、言い換えれば、組成物に配合される場合、正常な医学的判断の範囲内での過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等なしに、人の角質組織に接触して使用されるために適している。
【0170】
CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient
Handbook)、第二版(1992年)にパーソナルケア産業に通例使用されている種々様々な限定されないコスメティック及び医薬品成分が開示されていて、該成分は本発明のパーソナルケア組成物に使用するのに適している。
【0171】
本発明は所望により油構築成分(structurant)からなることもできる。前記構築成分(structurant)は分散相に的確なレオロジー特性を与え得る。これは皮膚への効果的な沈着及び保持力を与える助けとなり得、構築油(structured oil)又は油相は1秒間あたり100ないし約200,000ポアズ、好ましくは200ないし約100,000ポアズ、及びより好ましくは200ないし約50,000ポアズの範囲の粘度を有するべきである。この粘度を生ずるために必要な前記構築成分
(structurant)の量は油及び構築成分(structurant)に依存して変化するが、しかし概して、構築成分(structurant)は好ましくは分散油相の75質量パーセント未満であり、より好ましくは50質量パーセント未満であり、及びさらにより好ましくは分散油相の35質量パーセント未満である。
【0172】
前記構築成分(structurant)は有機構築成分(structurant)かそれとも無機構築成分(structurant)であり得る。本発明に適している有機増粘剤の例は固体の脂肪酸エステル、天然又は改質された脂肪、脂肪酸、脂肪アミン、脂肪アルコール、天然及び合成ワックス、及びペトロラタム、ならびにシェルによりクラトン(KRATON)という名前で販売されているブロックコポリマーである。無機構築剤は疎水性改質シリカ又は疎水性改質泥を含有する。無機構造の非限定的な例はレオックス製のベントーン27V(BENTONE27V)、ベントーン38V(BENTONE38V)又はベントーンゲルミオV(BENTONE GEL MIO V);及びキャボットコーポレーション製のCAB−O−SIL TS720又はCAB−O−SIL 5Mである。
【0173】
選択された肌への好相性の油についての上記要件を満たす構築成分は選択された油の粘度を確立するために3次元網状構造を形成し得る。このような構築油相、すなわち3次元網状構造により構築されたもの、は入浴中に使用される湿った皮膚のトリートメント組成物としての使用に非常に望ましいことが見出された。これらの構築油は、湿った皮膚に沈着し、そして非常に効果的に保持され得、そして濯ぎ及び乾燥後に保持され得て、油状すぎる/油っぽすぎる湿った及び乾燥した感触を生ずることなしに持続的な皮膚洗浄後の利益をもたらす。前記構築された油の使用中及び使用後の非常に望ましい特性は、該油のせん断薄化、レオロジー特性及び前記網状構造の弱い構造のおかげであると信じられている。この高い低せん断粘性のおかげで、前記3次元網状構築油はスキンコンディショナーが適用されている間、皮膚上に良く粘着しそして保持され得る。皮膚へ沈着した後は、弱い結晶網状構造及びその低い高せん断粘性のおかげで摩擦の間に、網状組織が簡単にくずれる。
【0174】
種々様々な界面活性剤が、分散相の乳化のため、並びに非起泡性の系について許容できる塗布性及び使用特性をもたらすための両方に、本発明において有用である。洗浄用途については、界面活性剤相はまた皮膚を洗浄する及び使用者にとって満足のいく量の泡を与える役目を果たす。前記組成物は好ましくは約50質量パーセント以下の界面活性剤を含有し、より好ましくは約30質量パーセント以下、さらにより好ましくは約15質量パーセント以下、そしてなお一層より好ましくは約5質量パーセント以下の界面活性剤を含有する。前記組成物は好ましくは少なくとも約5質量パーセントの表面活性剤を含有するであって、より好ましくは少なくとも約3質量パーセント、さらにより好ましくは少なくとも約1質量パーセント、そしてなおさら一層好ましくは少なくとも約0.1質量パーセントの界面活性剤を含有する。洗浄用途については、起泡量試験(Lathering Volume Test)で記載されているように、パーソナルケア組成物は好ましくは少なくとも300mlの総泡量を生じ、より好ましくは600mlより多い総泡量を生ずる。起泡量試験(Lathering Volume Test)で記載されているように、前記パーソナルケア組成物は好ましくは少なくとも100ml、好ましくは200mlよりもおおく、より好ましくは300mlよりも多い瞬間泡量を生ずる。
【0175】
好ましい界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非起泡性界面活性剤、乳化剤及びそれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。本発明の組成物に使用される界面活性剤の非限定的な例2001年8月28日登録のMcAteeらの米国特許第4,280,757号明細書、に開示されている。
【0176】
本発明のパーソナルケア組成物において有用なアニオン性界面活性剤の限定されない例は、マカッチャンの(McCutcheon’s)、洗剤及び乳化剤(Dtergents and Emulsifiers)、北アメリカ版(1986)、Allured Publishing Corporation発行;マカッチャンの(McCutcheon’s)、機能材料(Functional Materials)、北アメリカ版(1992);及びLaughlinらの、1975年9月30日登録の米国特許第3,929,678号明細書に開示されている。
【0177】
種々様々なアニオン性界面活性剤が本明細書中で有用である。アニオン性界面活性剤の限定されない例としては、サルコシネート、硫酸塩、イセチオン酸塩、タウレート、リン酸塩、乳酸塩、グルタミン酸塩、及びこれらの混合物から成る群から選択されたもの等である。イセチオン酸塩のうち、アルコイルイセチオン酸塩が好ましく、及び硫酸塩のうちでは、アルキル及びアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
【0178】
本明細書中で使用される他のアニオン性材料は脂肪酸せっけん(すなわち、アルカリ金属塩、例えばナトリウム又はカリウム塩)であって、典型的に約8ないし約24個の炭素原子、好ましくは約10ないし約20個の炭素原子を有する脂肪酸からなるものである。せっけんを作るのに用いられるこれら脂肪酸は例えば、例として、植物又は動物由来のグリセリド、(例えば、パーム油、ココナッツ油、大豆油、ひまし油、獣脂、ラード、等)、などの天然源から入手し得る。前記脂肪酸はまた合成によって作られ得る。せっけん及びこれらの製造は米国特許第4,557,853号明細書に詳細に開示されている。
【0179】
他のアニオン性材料は例えばモノアルキル、ジアルキル、及びトリアルキルリン酸塩などのリン酸塩を含む。本明細書中で有用な好ましいアニオン性起泡性界面活性剤の非限定的な例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン、カプロイル乳酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、及びココイルグルタミン酸ナトリウム及びそれらの混合物から成る群から選択されたものを含む。
【0180】
本明細書中で使用されるために殊に好ましいのは、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミンである。
【0181】
本発明のパーソナルケア組成物中に使用するための非イオン性界面活性剤の限定されない例は、マカッチャンの(McCutcheon’s)、洗剤及び乳化剤(Dtergents and Emulsifiers)、北アメリカ版(1986)、Allured Publishing Corporation発行;マカッチャンの(McCutcheon’s)、機能材料(Functional Materials)、北アメリカ版(1992)に開示されている。
【0182】
本明細書中で有用な非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミン、アルコキシル化脂肪酸エステル、スクロースエステル、アミンオキサイド、及びそれらの混合物から成る群から選択されたものを含む。
【0183】
本明細書中で使用するための好ましい非イオン性界面活性剤の非限定的な例は、炭素原子数8ないし14のグルコースアミド、炭素原子数8ないし14のアルキルポリグルコシド、スクロースココエート、スクロースラウレート、ラウルアミンオキサイド、ココアミンオキサイド及びこれらの混合物から成る群から選択されたものである。
【0184】
本明細書中で使用された、用語“両性界面活性剤”はまた両性イオン性界面活性剤を包含することを意図し、両性イオン性界面活性剤は両性界面活性剤の一部として当技術分野でよく知られている。
【0185】
種々様々な両性起泡性界面活性剤が本発明のパーソナルケア組成物に使用され得る。特に有用なのは、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として幅広く記載されているものであって、好ましくは窒素原子がカチオン状態であり、脂肪族基は直鎖又は枝分かれ鎖であり得、そして該基の1つはイオン性溶液可溶化基、例えば、カルボキシル基、スルホネート基、スルフェート基、フォスフェート基、又はホスホネート基を含む。
【0186】
本発明の前記組成物に有用な両性界面活性剤の限定されない例はマカッチャンの(McCutcheon’s)、洗剤及び乳化剤(Dtergents and Emulsifiers)、北アメリカ版(1986)、Allured Publishing Corporation発行;マカッチャンの(McCutcheon’s)、機能材料(Functional Materials)、北アメリカ版(1992)に開示されている。
【0187】
両性イオン性界面活性剤の非限定的な例は、ベタイン、スルタイン、ヒドロスルタイン、アルキルイミノアセテート、イミノジアルカノエート、アミノアルカノエート、及びこれらの混合物かならなる群から選択されるものである。
【0188】
本明細書中で使用されるための好ましい界面活性剤は下記のものであり、ここではアニオン性界面活性剤はラウロイルサルコシンアンモニウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものであって、非イオン性の界面活性剤はラウルアミンオキサイド、ココアミンオキサイド、デシルポリグルコース、ラウリルポリグルコース、スクロースココエート、炭素原子数12ないし14のグルコサミド、乳酸スクロース、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものであって、及び、両性界面活性剤はラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、セチルジメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0189】
種々様々な非起泡性界面活性剤が本明細書中で有用である。本発明のパーソナルケア組成物は、適した粒子径及び湿った肌への良好な適用性を生じさせるために、分散層を乳化するのに十分な量の1種以上の非起泡性界面活性剤を含み得る。
【0190】
これらの非起泡性界面活性剤の非限定的な例は:ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウラート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5ソヤステロ−ル、ステアレス−20、セテアレスー20、PPG−2ジステアリン酸メチルグルコースエーテル、セテス−10、ポリソルベート80、セチルリン酸、セチルリン酸カリウム、セチルリン酸ジエタノールアミン、ポリソルベート60、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸PEG−100、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレート(ポリソルベート
85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルソジウムステアレート、ポリグリセリル−4イソステアレート、ヘキシルラウレート、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ステアリン酸グリセリル、PEG−100ステアレート、及びそれらの混合物である。
【0191】
加えて、本発明に従うパーソナルケア組成物の一部の実施態様において有用な、いくつかの市販されている乳化剤混合物がある。例えばISP社製のPROLIPID141(ステアリン酸グリセリル、ビヘニルアルコール、パルミチン酸、ステアリン酸、レシチン、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール及びセチルアルコール)及び151(ステアリン酸グリセリル、セテアリールアルコール、ステアリール酸、1−プロパナミウム(1−propanamium)、3−アミノ−N−(2−(ヒドロキシエチル−)−N−−N−ジメチル、N――C(炭素原子数16ないし18の)アシル誘導体、塩化物);クローダ社製のポーラワックスNF(POLAWAX NF)(乳化ろうNF)、インクロクワットビヘニル(INCROQUAT BEHENYL)TMS(硫酸ビヘントリモニウム及びセテアリールアルコール);及びガットホッセ(Gattefosse)社製のエミュリウムデルタ(EMULLIUM DELTA)(セチルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ペグ−75ステアリン酸塩、セテス−20及びステアレス−20)を含有する。
【0192】
本発明の前記パーソナル組成物は、1部の実施態様においては、更に1つ以上の増粘剤/水性相安定剤を含むことができる。異なる安定剤は異なる効力で増粘するので、正確な組成範囲を提供することは難しいが、しかしながら、存在する場合、前記組成物はパーソナルケア組成物の好ましくは約20質量パーセント以下、より好ましくは約10質量パーセント以下、より好ましくは約8質量パーセント以下、及びなお一層好ましくは7質量パーセント以下をなす。存在する場合、前記増粘剤/水性相安定剤は、前記パーソナルケア組成物の好ましくは少なくとも約0.01質量パーセント、より好ましくは少なくとも約0.05質量パーセント、及びなお一層好ましくは少なくとも約0.1質量パーセントをなす。前記安定剤を説明するより良い方法は、該安定剤は製品中で粘度を高めねばならないと言うことである。このことは安定剤粘度試験(Stability Agent Viscosity Test)を使用して測定され得る。好ましくは、安定剤は少なくとも1000cps、より好ましくは少なくとも1500cps、及びなお一層好ましくは2000cpsのこの試験での粘度を生じる。
【0193】
ここで有用な増粘剤の非限定的な例は、例えばカルボマー (B.F.グッドリッチ(
B.F.Goodrich)社から商標カルボポール(CARBOPOL)(登録商標)900シリーズの下に市販されているもの、例えばカルボポール(登録商標)954)のようなカルボン酸ポリマーを含む。他の適したカルボン酸ポリマー剤は炭素原子数10ないし30のアルキルアクリレートとアクリル酸、メタクリル酸の1種以上、またはそれら短鎖(すなわち、炭素数1ないし4のアルコール)エステルの1つとのコポリマーを含むものであって、ここでは架橋剤はスクロース又はペンタエリスリトール(pentaerytritol)のアリルエーテルである。これらコポリマーはアクリレート/炭素原子数10ないし30のアルキルアクリレートクロスポリマーとして知られており、及びB.F.グッドリッチ(Goodrich)社からカルボポール(CARBOPOL(登録商標)1342、カルボポール(登録商標)1382、ペムレンTR−1(PEMULEN
TR−1)、及びペムレンTR−2(PEMULEN TR−2)として市販されている。
【0194】
増粘剤の他の非限定的な例はカチオン性及び非イオン性ポリマー両者を含む架橋ポリアクリレートポリマーを含む。
【0195】
増粘剤の更に他の非限定的な例はポリアクリルアミドポリマーを含み、殊に置換された、枝分かれの又は非枝分かれのポリマーを含む非イオン性ポリアクリルアミドポリマーを含む。これらポリアクリルアミドポリマーのうちより好ましいものはCTFA指定を与えられたポリアクリルアミドである非イオン性ポリマー及びイソパラフィン及びであって、セピック(Seppic)社(ニュージャージー州、フェアフィールド)から商標セピゲル(SEPIGEL)305の下に市販されているラウレス−7である。ここで有用な他のアクリルアミドポリマーはアクリルアミド及び、置換アクリルアミドとアクリル酸及び置換アクリル酸とのマルチブロックコポリマーを含む。これらマルチブロックコポリマーの市販されている例はリポケミカルズ社(ニュージャージー州、パターソン)社製のハイパン(HYPAN)SR150H、SS500V、SS500W、SSSA100Hを含む。
【0196】
ここで有用な増粘剤のその他の非限定的な種類は多糖類である。多糖類ゲル化剤の限定されない例はセルロース、及びセルロース誘導体から選択されたものを含む。アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテルのうち好ましいものはCTFA指定を与えられたセチルヒドロキシエチルセルロースである物質であって、該物質はセチルアルコール及びヒドロキシエチルセルロースのエーテルであって、アクアロンコーポレーション(Aqualon Corporation)(デェラウェア州、ウィルミントン)から商標ナトローセル(NATROSEL)(登録商標)CSプラスの下に売られている。他の有用な多糖類はスクレログルカンを含み、スクロースグルカンは3単位ごとに(1−6)結合したグルコースを有する(1−3)結合したグルコース単位直鎖であって、その市販されている例としてマイケルメルシエプロダクトインコーポレーテッド(Michel Mercier Products Inc.)(ニュージーランド州、マウンテンサイド)社製クリーロゲル(CLEAROGEL)(商標)CS11がある。
【0197】
ここで有用な増粘剤のその他の非限定的な種類はガムである。本明細書中で有用なガムの非限定的な例はヘクトライト、ケイ酸、キサンタンガム、セルロースガム、グアーガム、バイオサッカリドガム及びそれらの混合物を含む。
【0198】
ここで有用な増粘剤のさらにその他の非限定的な種類は加工でんぷんである。例えばグレインプロセッシングコーポレーションからのウォーターロック(登録商標)の様なアクリレート加工でんぷんを使用し得る。ナショナルスターチ社製の商標ストラクチャーXL(STRUCTURE XL)のハイドロキシプロピルスターチホスフェート、は有用な加工でんぷんにのその他の例であり、及び他の利用できる例はクラリアント社からのアリストフレックスHMB(ARISTOFLEX HMB)(アンモニウムアクリロジメチルタウレート(Ammonium Acrylodimethyltaruate)/ベヘネス−−25メタクリレートクロスポリマー)及びカチオン性スタビレンを含む。
【0199】
本発明に従うパーソナルケア組成物はまた有機カチオン性沈着ポリマーを含有し得る。カチオン性沈着ポリマーの濃度は好ましくはパーソナルケア組成物の質量に基づいて、約0.025%ないし約3%の範囲であり、更に好ましくは0.05%ないし約2%の範囲であり、なお一層好ましくは約0.1%ないし約1%の範囲である。
【0200】
本発明に使用される適したカチオン性沈着ポリマーは、例えば四級アンモニウム又はカチオン性プロトン化アミノ部分のようなカチオン性窒素含有部分を含有する。前記カチオン性プロトン化アミンは特定種及び選択されたパーソナルクレンジング組成物のpHに依存して、第一級、第二級、又は第三級アミン(好ましくは第二級又は第三級)であり得る。カチオン性沈着ポリマーの平均分子量は約5,000ないし1000万の間であり、好ましくは少なくとも約100,000、更に好ましくは少なくとも約200,000、た
だし好ましくは約200万以下、より好ましくは150万以下である。前記ポリマーはまた一般的に約pH4ないし約pH9の範囲、好ましくは約pH5及びpH8の間である。パーソナルクレンジング組成物の目的の用途のpHにおいて、約0.2meq/gmないし約5meq/gmの範囲、好ましくは少なくとも約0.4meq/gmの範囲、より好ましくは少なくとも約0.6meq/gmの範囲のカチオン性電荷密度を有している。
【0201】
パーソナルケア組成物に使用されるカチオン性沈着ポリマーの非限定的な例はポリサッカリドポリマー、例えばカチオン性セルロース誘導体を含む。好ましいカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウムで置換されたエポキシドと反応させたヒドロキエチルシセルロースの塩であって、アメリコール コーポレーション(Americal
Corp.)(アメリカ合衆国、ニュージャージー州、エジソン)からポリマーKG、JR及びLRシリーズのポリマー内で入手可能なポリクアテミウム(Polyquatemiun)10として当該業界(CTFA)で言及されるものであり、最も好ましいものはKG−30Mである。
【0202】
他の適したカチオン性沈着ポリマーはカチオン性グアーガム誘導体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドを含み、その具体例はロディアインコーポレーテッド(Rhodia Inc.)から市販されているジャガーシリーズ(好ましくはジャガーC−17)及びアクアロン社から市販されているN−ハンスポリマーシリーズを含む。
【0203】
他の適したカチオン性沈着ポリマーは合成カチオン性ポリマーを含む。本明細書中でパーソナルクレンジング組成物における使用に適した前記カチオン性ポリマーは、約4meq/gmないし約7meq/gmの、好ましくは約4meq/gmないし約6meq/gmの、さらに好ましくは約4.2meq/gmないし5.5meq/gmのカチオン性電荷密度を有する水溶性又は水分散性の、架橋結合されていないいカチオン性ポリマーである。この選択されたポリマーはまた約1,000ないし約100万の、好ましくは約10,000ないし約500,000の、さらに好ましくは約75,000ないし約250,000の平均分子量を有せねばならない。
【0204】
パーソナルケア組成物におけるカチオン性ポリマーの濃度は、前記組成物の質量に基づいて約0.025%ないし約5%の範囲であって、好ましくは約0.1%ないし約3%の範囲であって、さらに好ましくは約0.2%ないし約1%の範囲である。
【0205】
前記クレンジング組成物に使用されるための市販されている合成カチオン性ポリマーの限定されない例はポリメチアクリルアミドプロピルトリモニウムクロライドであり、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、クランベリー、ロディア社、から商標ポリケア(POLYCARE)133の下に入手できる。
【0206】
所望による成分のその他の非限定的な例は、有益な作用剤を含むものであって、有益な作用剤はビタミン及びそれらの誘導体(例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、酢酸トコフェニロール等)、日焼け止め、増粘剤(例えば、クローダ(Croda)社からクロティックス(CROTHIX)として入手できるポリオールアルコキシエステル)、前記クレンジング組成物全体的な抗菌性を保つための防腐剤、抗アクネ菌薬(レゾルシノール、サリチル酸等)、酸化防止剤、例えばアロエベラ抽出物のようなスキンスージング及びヒーリング剤、アラントイン及び同様のもの、キレート剤及び金属イオン封鎖剤、及び例えばフレグランス、エッセンシャルオイル、皮膚知覚薬、顔料、真珠光沢剤(例えば、雲母及び二酸化チタン)、レーキ、着色剤等(例えば、チョウジ油、メントール、樟脳、ユーカリ油、及びオイゲノール)のような美的な目的に適した作用剤、抗菌剤及びそれらの混合物から成る群から選択される。これら材料は当業者には明らかであるように、要求され
る利点をもたらすために十分な範囲で使用され得る。
【0207】
加えて、本発明に従う改質顔料粒子は、例えば、溶剤型、粉末型、エマルジョン型、及び水性型塗料組成物を含むどんな塗料組成物及びラッカー組成物へも好都合に配合され得る。塗料組成物は一般的に樹脂、顔料、溶剤、可塑剤、及び複雑な成分混合物として他の慣用の添加剤を含有する。例えば、改質顔料粒子は塗料組成物へ、
(i)塗膜フィルム、色、隠蔽力、物理的な特性(例えば、硬度、強度、粘着性)、及び改良された耐候性、蛍光、燐光、磁性、導電性及び同様の改質顔料粒子の固有の特性をもたらすために、
(ii)被覆時の、塗料組成物の流動性及び作業性を改良するために、及び
(iii)錆、真菌成長、及び有害な生物の発生を防止するために配合される。
これらの理由により、顔料と樹脂又は分散剤の適合性が研究されている。顔料は、例えば、親水性ないし疎水性の様々な特性を有し、そして結果として得られた塗料組成物において色分解及び他の望ましくない現象を引き起こす。本発明に従う改質顔料粒子が塗料組成物に配合される場合、改質顔料粒子の表面は均一に及び完全にシリコーン流体層で被膜されるので、好ましくない色分解は起こらない。結果として得られた被膜はより更なる光沢を示す。加えて、顔料の表面活性はシリコーン流体層で密封被覆させるため、被覆フィルムの経時的劣化が効果的に防止され得る。さらにその上、改質顔料に塗布されたシリコーン流体層はとても薄く及び透明であるため、非処理の顔料と比較した場合、改質顔料の基本的な色調は実質的に変化しないが、明度は著しく増加し及びさらなる金属光沢が示される。従って、改質後の色補正は要求されない。本発明に従う塗料組成物に使用可能な樹脂展色剤の典型的な例は従来使用されるものであって、例えば、ニトロセルロース、油改質アルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂である。
【0208】
下記の実施例に本発明の一部の実施態様を記すが、しかし本発明はこれに限定されるものではない。開示された実施態様に対するの数々の変更が、本明細書の開示に従い本発明の精神及び範囲から外れることなく為され得ることが理解されるはずである。これらの実施例はそれ故、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。むしろ、本発明の範囲は添付された請求項及びそれらと同等のものによってのみ決定される。下記の実施例では、特記されない限りはすべて質量によるものである。
【実施例】
【0209】
実施例1−疎水性改質銀色真珠光沢顔料粒子
85マイクロメートル未満の粒子径を持つ銀色真珠光沢顔料(二酸化チタンで被覆された雲母、チバ)をジェットミルに通過させた。ジェットミルに通過させている間、顔料質量に基づいて、5パーセントのセチルジメチコン(ダウコーニング(登録商標)2502)を添加し、そして60Fないし200Fの温度で20分間完全に混合した。次に、処理後、大きな粒子を取り除くために、前記改質顔料をふるいにかけた。疎水性改質銀色真珠光沢顔料粒子を得た。
【0210】
実施例2−疎水性改質青銅色真珠光沢顔料粒子
85マイクロメートル未満の粒径の青銅色真珠光沢顔料(酸化鉄で被覆した雲母、チバ)をジェットミルに通過させた。ジェットミルに通過させている間、顔料質量に基づいて、6パーセントのセチルジメチコン(ダウコーニング(登録商標)2502)を添加し、そして60Fないし200Fの温度で20分間完全に混合した。次に、処理後、大きな粒子を取り除くために、前記改質顔料粒子をふるいにかけた。疎水性改質青銅色真珠光沢顔料粒子を得た。
【0211】
実施例3−疎水性改質高輝度銀色真珠光沢顔料粒子
150マイクロメートル未満の粒径の高輝度銀色真珠光沢顔料(二酸化チタンで被覆した雲母原料の青銅色真珠光沢粒子、チバ)をジェットミルに通過させた。ジェットミルに通過させている間、顔料質量に基づいて、3パーセントのセチルジメチコン(ダウコーニング(登録商標)2502)を添加し、そして60Fないし200Fの温度で20分間完全に混合した。次に、処理後、大きな粒子を取り除くために、前記改質顔料粒子をふるいにかけた。疎水性改質高輝度銀色珠光沢顔料粒子を得た。
【0212】
実施例4−改質顔料粒子のネイルラッカーへの組込
本願実施例1に記載されている、未処理の銀色真珠光沢粒子及び改質真珠光沢粒子は、顔料質量に基づいて、5質量%をネイルラッカー基材に各々配合し、及びプロペラ型攪拌機で絶え間なく攪拌した。配合後、両方のネイルラッカーを静置した。
【0213】
本発明に従う改質真珠光沢顔料が未処理の試料より著しい光沢を示したことを視覚的評価は示した。
【0214】
実施例5−ヒトの皮膚への改質顔料の適用
本願実施例3に記載の高輝度銀色真珠光沢顔料粒子の改質されたもの及び未処理のものをアイシャドウ塗布器を利用して肌に直接塗布した。本発明に従い改質された真珠光沢顔料粒子を用いると、色結果はより強烈で且つよりキラキラしているようであった。水で濯いだ場合、未処理の真珠光沢顔料は洗い流され、一方、視覚的に分かるように、改質真珠光沢顔料はほぼ変化なしに皮膚に留まった。
【0215】
このことが、本発明により得られた予期せぬ肯定的な結果を明確に実証している。
【0216】
実施例6−水中油エマルジョンへの適用
本願実施例1に記載の銀色真珠光沢顔料の改質したもの及び未処理のものを、顔料質量に基づいて10%、別々に攪拌して鉱油中に入れ、そしてこの分散液を研究室のボトル内の等量の水に加えた。前記ボトルを密封しそして振った。未処理の真珠光沢顔料は水相内に移動し、そして色が水相に流れ出、それ故水相は変色した。本発明に従う改質真珠光沢顔料は油相にとどまり、及び色は水相に流れ出ず、それ故、水相は無色のままであった。
【0217】
このことが、本発明により得られた予期せぬ肯定的な結果を明確に実証している。
【0218】
実施例7−疎水性及び皮膚感触の判定
本願実施例2に記載の改質真珠光沢顔料及び同じ青銅色真珠光沢顔料の未処理のものを別々の小皿に加え、そして各々の表面をガラス板で平らにならした。一滴のひまし油を各々の顔料粉末の表面上に加えた。ひまし油の油滴は本願実施例2に記載の改質された真珠光沢顔料粉末に対してとても低い表面角を有し、及び直ちに染込んだ。未処理の真珠光沢顔料でできている真珠光沢顔料粉末は視覚的に大きな表面角を示し、及び、ひまし油は未処理の真珠光沢顔料粉末に極めてゆっくりと移動した。
【0219】
このことは、本発明に従う改質顔料が極めて大きな疎水性を示すことを明らかに実証している。
【0220】
スキンケア製品評価の10人の専門家に、本願実施例3に記載の改質顔料及び同じ真珠光沢顔料の未処理のものを前腕の皮膚に塗布するよう求めた。並べて比較したところ、10人中10人が、人の皮膚に塗布したとき、未処理の顔料は荒くザラザラすると感じ、それに対して本願実施例3に記載の改質顔料は滑らかで絹のように感じると判断した。
【0221】
この実験は、本発明に従う改質顔料の皮膚感触が未処理の顔料より著しく良好であるこ
とを明らかに実証している。
【0222】
実施例8−親水性の判定
本願実施例2に記載の改質真珠光沢顔料及び同じ青銅色真珠光沢顔料の未処理のものを別々の小皿に加え、そしてガラス板で各々の表面を平らにならした。一滴の水を各々の顔料粒子の表面上に加えた。水滴は未処理の真珠光沢顔料粉末に直ぐに吸収され、一方で水滴は改質真珠光沢顔料粉末にとても大きな表面角を示し、及び本発明に従う改質された顔料粉末へ全く染込まなかったことが観察された。
【0223】
このことは、本発明に従う改質顔料が親水性を示さないことを明らかに実証している。
【0224】
実施例9−改質顔料粒子の低塵特性
本願実施例2に記載の改質真珠光沢顔料及び同じ青銅色真珠光沢顔料の未処理のもの(各々100g)を別々の大皿へ30cmの高さから別々に落とした。未処理の真珠光沢顔料は大きな塊で落下し、及び大量の粉塵を発生させた。改質真珠光沢顔料はよく流動し、著しく粉塵が少なく、そして全く塊にならなかった。
【0225】
このことは、本発明に従う改質顔料粒子が取り扱い時にとても低い粉塵性を示すことを明らかに実証している。
【0226】
実施例10−固形パウダーアイシャドウ
【表1】

全ての原料は初期段階で計量し及びオスタライザー又は適したグラインダーでひとつにまとめた。初期相が均一でかつ顔料の小片を有さなくなったとき、結合剤相を粉にゆっくり添加し、そして結合剤が完全に分散し、そして均一になるまで、手で混ぜた。そのバッ
チを、粉末が完全に湿潤し、そして該バッチが均一であることを確実にするために、再びオスタライズした。本改質顔料を添加し、そして該顔料がバッチの中で完全に均一であることを確実にするためにゆっくりブレンドした。改質真珠光沢顔料を粉砕しすぎないように気をつけた。完成したとき、ブレンドされた内容物全体を必要になるまで密閉した容器に保存した。少量のバッチをアイシャドウ皿へ圧縮して入れた。
【0227】
実施例11−油/水ファンデーションメイキャップ
【表2】

適した容器で水相成分の計量し、及び混合を開始してガムを湿潤させた。オスタライザー又は同等のグラインダーで着色剤相を予備粉砕した。ガムが水和され及び前記相が均一になった時、粉砕した着色剤相を水相へ加えそして全ての着色剤が分散するまで攪拌した。水相成分の加熱を開始してよく混合し、75℃にした。別々の容器で、油相成分を計量し、そして加熱を開始して、75ないし80℃にした。両相が均一になり、そして適した温度になった時、連続的に混合しながら油相を水相にゆっくり加えた。そのバッチを15
分間混合し、そして次に冷却を開始して25℃にした。25℃でバッチを取除き、充填する準備ができるまで密閉容器に貯蔵した。
【0228】
実施例12−保湿剤
【表3】

A成分を混合しそして80℃に加熱した。BをAに加えた。C成分を混合し、そして80℃に加熱した。10ないし15分間連続的に混ぜ合わせながらCをA及びBに加えた。よくかき混ぜながら25℃まで冷却した。充填する準備ができるまで密閉容器に保存した。室温で充填した。
【0229】
実施例13−真珠光沢のあるリップスティック
【表4】

摂氏70ないし80度で全ての固体ろうを融解し、そして前記ろうが一旦融解したら、攪拌しながら残りの成分を加えた。均質になった時リップスティック型(molts)に注ぎ(poor)、そして室温まで冷却した。型からリップスティックを取外した。
【0230】
実施例14−リップスティック
【表5】

手順:
A相を混合し、90ないし150℃の間で加熱し、そして均一化するまで混ぜ合わせた。B相を次に均質化するまで攪拌しながら加えた。リップスティックを型に流し込む時、温度を70℃より高く維持した。
【0231】
実施例15−中間保護の日焼け止め剤
【表6】

手順:
適した容器中にA部を加え、そして穏やかにかき混ぜた。
B部を加えそして均一になるまで攪拌した。
C部を加え、次にD部、及びよくブレンドするまで混ぜ合わせた。
【0232】
実施例16−タルク非含有ルースフェイスパウダー
【表7】

手順:
完全に分散するまでAを一緒に挽いた。BをAに加えそして均一に成るまでブレンドした。
【0233】
実施例17−水中油フェイシャルファンデーション

【表8】

手順:
ホモジナイザーを使用してA相の成分を混合し、そして加熱を開始して80℃にした。B相及びC相を加えそして1時間均質化した。別のビーカーにD相の成分を混合し、80℃まで加熱し、そして均一になるまでかき混ぜた。D相の全ての成分が均一になった後、均質化を続けながらゆっくりと主相に加えた。D相を完全に添加した後、80℃で15分間均質化し、次に混合物(mmixture)の冷却を開始した。60℃でへら混合に切り替えて穏やかにかき混ぜた。E相を加え、そして均質な混合物が得られるまで混ぜ合わせた。50℃でF相を加えた。混合物を室温になるまで冷却した。
【0234】
実施例18−固形粉体アイシャドウ(赤色)
【表9】

手順:
各成分を混合し及びよく混ぜ合わせた。100℃まで加熱し及び2000psiで加圧をした。
【0235】
実施例19−ネイルエナメル(紫色)
【表10】

手順:
A相を混合し、そして均一になるまで混ぜ合わせた。B相を別の容器で混合し、そして均一になるまで混ぜ合わせた。均一になるまで攪拌しながらB相をA相に加えた。
【0236】
実施例20−疎水性改質銀色真珠光沢顔料粒子
85マイクロメートル未満の粒径の銀色真珠光沢顔料(二酸化チタンで被覆された雲母、チバ)をジェットミルに通過させた。ジェットミルに通過させている間、顔料質量に基づいて、5パーセントのセチルジメチコン/ジメチルポリシロキサン(1:1質量比)を加え、そして72Fないし180Fの温度で20分間完全に混合した。次に、処理後に大きな粒子を取り除くために、前記改質顔料粒子をふるいにかけた。疎水性改質銀色真珠光沢粒子を得た。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料粒子を疎水処理する方法であって、該顔料粒子を、有効量の、
式(1)、式(2)、及び式(3)、
【化1】

【化2】

【化3】

(式中、
R1は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R2は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R3は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R4は炭素原子数11ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
qは1ないし約2000を表し、
tは1ないし約2000を表し、
qとtの合計は2ないし約2000であり、
R5は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R6は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R7は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R8は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
aは1ないし約100を表し、
bは1ないし約100を表し、
aとbの合計は2ないし約100であり、及び
xは1ないし約2000の整数を表す。)で表されるシリコーン化合物の1つ以上と接触させることを含むが、但し、式(1)、(2)、及び(3)は本質的にケイ素原子−水素原子間結合及びフッ素原子を含まず、そしてさらに但し、前記シリコーン化合物のうちの1つは式(1)で表されるものであるところの方法。
【請求項2】
前記式(1)で表されるシリコーン化合物が、
R1は炭素原子数1ないし10の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R2は炭素原子数1ないし10の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R3は炭素原子数1ないし10の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R4は炭素原子数12ないし18の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
qは1ないし約1000を表し、
tは1ないし約1000を表し、
qとtの合計は2ないし約1000である、と定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式(1)で表されるシリコーン化合物が、
R1は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R2は炭素原子数1ないし6の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R3は炭素原子数1ないし16の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
R4は炭素原子数12ないし18の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基を表し、
qは1ないし約100を表し、
tは1ないし約100を表し、
qとtの合計は2ないし約100である、と定義される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記式(1)で表されるシリコーン化合物がセチルジメチコンである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記式(1)で表されるシリコーン化合物がセチルジメチコン及び前記式(2)で表される化合物であり、ここで、前記式(2)で表されるシリコーン化合物が、
R5はメチル基を表し、
R6はメチル基を表し、
R7はメチル基を表し、
R8は炭素原子数1ないし8の直鎖のアルキル基を表し、
aは1ないし約9を表し、
bはいないし約9を表し、
aとbの合計は3ないし約9である、と定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記式(1)で表されるシリコーン化合物がセチルジメチコン及び前記式(2)で表されるシリコーン化合物であり、ここで、前記式(2)で表されるシリコーン化合物がシクロテトラジメチルシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シクロヘキサジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン/メチルオクチルシロキサンの環状コポリマー、ヘキシルヘプタメチルトリシロキサン、及びオクチルヘプタメチルトリシロキサンからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記式(1)で表されるシリコーン化合物がセチルジメチコン及び前記式(3)を有するシリコーン化合物であり、ここで、前記式(3)で表されるシリコーン化合物は、
xは1ないし約50の整数を表す、と定義される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記式(1)で表されるシリコーン化合物はセチルジメチコン及び前記式(3)を有するシリコーン化合物であり、ここで、前記式(3)で表される化合物がジメチルポリシロキサンである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記顔料粒子が無機顔料、金属酸化物及び金属水酸化物、雲母、有機顔料、真珠光沢顔料、珪酸金属塩、多孔質材料、炭素、あるいは干渉顔料からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記顔料粒子が真珠光沢顔料又は干渉顔料である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
処理された顔料粒子の全質量に基づいて、使用する1つ以上の前記シリコーン化合物の有効量が約0.1ないし約90パーセントである請求項1に記載の方法。
【請求項12】
処理された顔料粒子の全質量に基づいて、使用する1つ以上のシリコーン化合物の有効量が約1ないし約15パーセントである請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記顔料粒子が約0.01ないし約500マイクロメートルの平均粒径を有している請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記顔料粒子が約5ないし約150マイクロメートルの平均粒子径を有している請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記式(1)と式(2)及び/又は式(3)の質量比が約1000:1ないし約1:1000である請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記式(1)と式(2)及び/又は式(3)の質量比が約10:1ないし約1:10である請求項15に記載の方法。
【請求項17】
顔料粒子及び該顔料粒子表面上の被覆材を含む被覆顔料粒子であって、該被覆材は、
式(1)、式(2)、及び式(3)、
【化4】

【化5】

【化6】

(式中、
R1は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R2は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R3は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R4は炭素原子数11ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
qは1ないし約2000を表し、
tは1ないし約2000を表し、
qとtの合計は2ないし約2000であり、
R5は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R6は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R7は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
R8は炭素原子数1ないし22の枝分かれ鎖又は直鎖のアルキル基又は6ないし10の炭素原子数のアリール基を表し、
aは1ないし約100を表し、
bは1ないし約100を表し、
aとbの合計は2ないし約100であり、及び
xは1ないし約2000の整数を表す。)で表されるシリコーン化合物の1つ以上を含むが、但し、式(1)、(2)、及び(3)は本質的にケイ素原子−水素原子間結合及びフッ素原子を含まず、そしてさらに但し、前記シリコーン化合物のうちの1つは式(1)で表されるものであるところの被覆顔料粒子。
【請求項18】
請求項17に記載の被覆顔料粒子を含むパーソナルケア組成物。
【請求項19】
前記被覆顔料粒子がパーソナルケア組成物の質量に基づいて約0.01ないし約100パーセントを占める、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項20】
前記被覆顔料粒子がパーソナルケア組成物の質量に基づいて約0.01ないし約50パーセントを占める、請求項19に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項21】
前記被覆顔料粒子がパーソナルケア組成物の質量に基づいて約0.2ないし約5パーセントを占める、請求項20に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項22】
前記パーソナルケア組成物がシェービング製剤、スキンケア製剤、コスメティックパーソナルケア製剤、光保護製剤、マニキュア製剤、デオドラント剤、制汗剤、又はパーソナルクリーニング製品の形態にある、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項23】
油中水エマルジョン又は水中油エマルジョンとして、アルコールの又はアルコール含有の製剤として、イオン性又は非イオン性両親媒性脂質の小胞分散液として、ジェルとして、または固形スティックとして配合される、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項24】
金属イオン封鎖剤、非カプセル化着色剤、香料、増粘剤又は凝固剤(コンシステンシー調整剤)、皮膚軟化剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、漂白剤、皮膚保護剤、酸化防止剤及び防腐剤からなる群から選択された、少なくとも1種の更なる構成成分を含む、請求項18に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項25】
前記パーソナルケア組成物が1種より多くの被覆顔料粒子を含む、請求項18に記載の
パーソナルケア組成物。


【公表番号】特表2010−505980(P2010−505980A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530852(P2009−530852)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060199
【国際公開番号】WO2008/040668
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】