説明

顔料顆粒

本発明は、一または複数のフレーク形態効果顔料、ポリマー粒子もしくはポリマー粒子混合物、接着促進剤、酸化防止剤および任意選択の添加剤を含む顔料顆粒、ならびに粉末被覆剤、プラスチックにおける、およびマスターバッチの調製におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一または複数のフレーク形態の(flake-form)効果顔料を含む顔料顆粒(pigment granules)に関し、また塗布媒体(application media)、例えば粉末被覆剤(powder coatings)、特にプラスチックの顔料着色(pigmentation)における、およびマスターバッチの調製におけるそれらの使用に関する。
【0002】
例えば雲母フレークなどのフレーク形態の基材に基づいた(based on)顔料の流動挙動は、多くの場合に不十分である。特に印刷および塗料部門における用途の多様性に関して、このことは大きな問題にはつながらない。しかし、プラスチックに組み込むと、これらの顔料の流動挙動が乏しいことは、特に問題であることが判明している。
【0003】
加えて、顕著なダスト(dust)が、例えばマスターバッチの調製における真珠光沢顔料の加工の際に発生し、このため、ダストを排除し、機械を洗浄するために、装置が更に複雑になる。
【0004】
例えばプラスチック、粉末被覆剤、トナーなどへの顔料の組み込みを簡単にするために、有機成分で顔料を被覆することは、それ自体は知られている。顔料組成物および顔料含有顆粒の調製についてのこのタイプの方法は、例えば、DE 26 03 211、WO 2005/052076、WO 2005/019327およびUS 2002/0098435 A1から知られている。
【0005】
フレーク形態の基材に基づいた効果顔料の機械的特性は、多くの場合に極めて不十分であり、このことは、顔料の破砕による、および層剥離の形態で支持体基材から被覆の接着が失われることによるダスト状の摩耗材料の形態で明らかである。更なる課題は、顔料含有組成物をプラスチックに組み込む押出方法における処理量(throughput)の増加である。従来技術の組成物は、多くの場合、不適当な酸化安定性により特徴付けられる。
【0006】
しかし更に、>50%の効果顔料および有機ポリマーを含む従来技術で既知の顔料顆粒は、多くの場合に酸化安定性がなく、危険な自然加熱の傾向があることが見出されているが、このタイプの顔料顆粒を、容易に燃焼し得る固体(1992年12月29日の欧州共同体官報の第L 383 A/76号の固体物質の可燃性の試験手順A. 10に準拠(test procedure A.10. Combustibility of Solid Substances in the Official Journal of the European Communities No. L 383 A/76 of 29.12.1992)として分類するべきではない。
【0007】
したがって本発明の目的は、塗布媒体、特にポリオレフィンプラスチックに極めて良好に組み込むことができ、同時に危険な自然加熱の傾向を示さない、ノンダスティング(non-dusting)顔料顆粒を提供することである。
【0008】
驚くべきことに、一または複数のフレーク形態の効果顔料、ポリマー粒子、少なくとも一の接着促進剤、少なくとも一の酸化防止剤および任意選択の添加剤を含む顔料顆粒は、特にプラスチック中に使用するのに極めて適しており、マスターバッチの調製に極めて良好に用いることもできることが今や見出された。加えて、これらの顔料顆粒は、自然燃焼に対して保護されている。
【0009】
したがって本発明は、一または複数のフレーク形態の効果顔料、ポリマー粒子、少なくとも一の接着促進剤、少なくとも一の酸化防止剤および任意選択の添加剤を含むという事実により特徴付けられる顔料顆粒に関する。
【0010】
ここでの効果顔料は、好ましくは、ポリマー粒子によって表面に接着的に結合されるか、またはポリマー粒子によって部分的もしくは完全に被覆される。
【0011】
このタイプの顔料顆粒は、有意に低減した自然燃焼の傾向を示し、良好な流動性のため、プラスチックの顔料着色およびマスターバッチの調製に特に適している。
【0012】
更に本発明は、一または複数のフレーク形態の効果顔料、一または複数のポリマー粒子、少なくとも一の接着促進剤および任意選択の添加剤が同時に、または逐次的に混合される、本発明の顔料顆粒の調製方法に関する。
【0013】
本発明の顔料顆粒は、プラスチックへの組み込みのために特に有利であることが判明している。加えて、本発明の顔料顆粒は、ノンダスティングであり、極めて容易に自由流動し、このことはこれを加工する装置の複雑性を低減する。加えて、二軸スクリュー押出機において本発明の顔料顆粒を使用すると、処理量を未処理顔料と比較して条件に応じて少なくとも2〜5倍増加することができる。更に、マスターバッチに基づいて50重量%までの効果顔料含有量を有するマスターバッチを、本発明の顔料顆粒を使用して一軸スクリュー押出機によって調製することができる。
【0014】
効果顔料の他に、本発明の顔料顆粒の基本構成成分は、ポリマー粒子である。
【0015】
ポリマー粒子は、好ましくは、ポリオレフィン、特にポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)からなる。とりわけ好ましいものは、LLD−PEプラスチック(LLD:線状低密度)であり、例えば、プラスチックペレットとしてEscorene LL6101 XRまたはプラスチック粉末としてEscorene LL6101 RQの商標名でExxonMobilから市販されている。
【0016】
ポリマー粒子は、好ましくは、0.5〜6mm、特に0.5〜5mm、とりわけ好ましくは0.8〜4mmの粒径を有する。ポリマー粒子は、一般に球状である。
【0017】
市販のプラスチック粉末は、多くの場合、0.5〜1.5mmの粒径を有し、またはプラスチックペレットは、多くの場合、3〜6mmの粒径を有する。次に、これらのポリマー粒子は本発明の顔料組成物の調製に使用するために予め溶融されるはずであり、次いで、例えば造粒、例えば水中造粒により、例えば有孔円盤を用いる粒度の調整により、所望の粒径に調整されるはずである。
【0018】
異なるポリマー粒子の混合物、すなわち、異なる大きさのポリマー材料、そして、異なる材料から作製される支持体材料の両者を採用することも可能であり、例えば、
−異なる粒径のポリマー粒子の混合物、
−異なる化学構造および熱可塑性構造のポリマー粒子の混合物
を採用することができる。
【0019】
適切な接着促進剤は、好ましくは、例えばKEIM ADDITEC Surface GmbHから市販されている、ワックスエマルジョンである。適切なワックスエマルジョンは、例えば、LD−PEワックスエマルジョン(LD=低密度)であり、例えばKEIM ADDITEC Surface GmbHのUltralube V−06070480である。ワックスエマルジョンは、好ましくは、20〜100nmの大きさを有するエマルジョン粒子を含む。適切なワックスエマルジョンは、好ましくは70〜160℃、特に80〜140℃、とりわけ好ましくは90〜130℃の溶融範囲を有する。ワックスエマルジョンは、特に好ましくは、HD−PE(HD=高密度)、LD−PE(LD=低密度)、LLD−PE(LLD=線状低密度)、VLD−PE(VLD=極低密度)およびPPワックスエマルジョンの群から選択されるものである。
【0020】
本発明の顔料顆粒における接着促進剤の割合は、顆粒の総重量に基づいて、好ましくは1〜30重量%、特に5〜20重量%、とりわけ好ましくは7.5〜15重量%である。
【0021】
本発明の顔料顆粒において、効果顔料、酸化防止剤、ポリマー粒子、接着促進剤および任意選択の添加剤は、相互の混合物の形態である。効果顔料およびポリマー粒子は、好ましくは、接着促進剤で少なくとも部分的に、または完全に被覆されているか、または外装されている(sheathed)。フレーク形態の効果顔料およびポリマー粒子が、接着促進剤により完全に外装されており、接着促進剤に「接着結合(adhesive bonding)」されていることが、とりわけ好ましい。
【0022】
用いられるワックスエマルジョンは、好ましくは10〜100nmの粒径を有するべきである。>100nmの粒径は、特に接着および摩耗安定性などの機械的特性が悪化または増加するので、多くの場合、同じ接着下塗り特性をもたらさない。
【0023】
乾燥し、顔料の表面をポリマー粒子に固着した後の、顔料表面がワックスエマルジョンの微細化エマルジョン粒子に結合している可能性は、ワックスエマルジョン粒子の粒径が増加すると共に減少する。
【0024】
フレーク形態の効果顔料は、好ましくは、真珠光沢顔料、干渉顔料、金属効果顔料、透明、半透明および/または不透明層を有する多層顔料、ホログラフ顔料、角度色彩(goniochromatic)顔料、被覆もしくは非被覆BiOClフレーク、ならびに/あるいはLCP顔料である。
【0025】
本発明に用いることができる真珠光沢顔料、干渉顔料、金属効果顔料または透明、半透明および/もしくは不透明層を有する多層顔料は、特に、好ましくはフレーク形態の支持体に基づいている。例えば、フレーク形態のTiO、合成雲母(例えば、フルオロフロゴパイト(fluorophlogopite))または天然雲母、タルク、カオリン、ドープもしくは非ドープガラスフレーク、金属フレーク、フレーク形態のSiO、フレーク形態のAlまたはフレーク形態の酸化鉄が適している。金属フレークは、とりわけ、アルミニウム、チタン、青銅、スチールまたは銀、好ましくはアルミニウムおよび/またはチタンからなることができる。ここで、対応する処理により金属フレークを不動態化することができる。ガラスフレークは、当業者に既知の全てのガラスのタイプ、例えば、Aガラス、Eガラス、Cガラス、ECRガラス、再生ガラス、窓ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、Duran(登録商標)ガラス、実験器具用ガラスまたは光学ガラスからなることができる。ガラスフレークの屈折率は、好ましくは、1.45〜1.80、特に1.50〜1.70である。ガラス基材は、特に好ましくは、Cガラス、ECRガラスまたはホウケイ酸塩ガラスからなる。
【0026】
好ましい実施形態において、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属酸窒化物またはこれらの物質の混合物を含む一または複数の透明、半透明および/または不透明層で支持体を被覆することができる。金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属酸窒化物の層またはこれらの混合物は、低屈折率(屈折率<1.8)または高屈折率(屈折率≧1.8)を有することができる。適切な金属酸化物および金属酸化物水和物は、例えば、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、酸化鉄、酸化スズ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化チタン、特に二酸化チタン、酸化チタン水和物および例えば、イルメナイトまたは擬板チタン石などのこれらの混合物などの、当業者に既知の全ての金属酸化物または金属酸化物水和物である。用いることができる金属亜酸化物は、例えば、亜酸化チタンである。適切な金属は、例えば、クロム、アルミニウム、ニッケル、銀、金、チタン、銅または合金であり、適切な金属フッ化物は、例えばフッ化マグネシウムである。用いることができる金属窒化物または金属酸窒化物は、例えば、金属チタン、ジルコニウムおよび/またはタンタルの窒化物または酸窒化物である。支持体は、好ましくは、金属酸化物、金属、金属フッ化物および/または金属酸化物水和物の層、とりわけ好ましくは、金属酸化物および/または金属酸化物水和物の層で被覆されている。更に、高および低屈折率の金属酸化物、金属酸化物水和物、金属または金属フッ化物の層を含む多層構造が存在することもでき、その場合、高および低屈折率の層が好ましくは交互に存在する。特に好ましいものは、高屈折率層と低屈折率層を含む層パッケージであり、一または複数のこれらの層パッケージを支持体に付けることができる。高および低屈折率層の順番は、支持体を多層構造に組み込むために、ここでの支持体に適合させることができる。更なる実施形態において、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物または金属酸窒化物の層を着色剤または他の元素と混合すること、またはそれらでドープすることができる。効果顔料の他に、適切な更なる着色剤は、例えば、着色金属酸化物、例えば磁鉄鉱、酸化クロムまたは例えばベルリン青、ウルトラマリン、ビスマスバナデート、テナール青などの着色顔料、あるいは例えばインジゴ、アゾ顔料、フタロシアニン、またカルミン赤などの有機着色顔料または例えばイットリウムもしくはアンチモンなどの元素などの、有機または無機着色顔料である。これらの層を含む効果顔料は、マストーンに関して高い色変化(colour variety)を示し、多くの場合に、干渉によって、色における角度依存性変化(カラーフロップ(colour flop))を示すことができる。
【0027】
好ましい実施形態において、支持体の外側層は高屈折率金属酸化物である。この外側層は、上記に記述された層パッケージに加えて、または高屈折率支持体の場合、層パッケージの一部であることができ、例えば、TiO、チタン亜酸化物、Fe、Fe、SnO、ZnO、ZrO、Ce、CoO、Co、V、Crおよび/または例えば、イルメナイトまたは擬板チタン石などのこれらの混合物からなることができる。TiOが特に好ましく、更にFeが好ましい。支持体フレークがTiOで被覆される場合、TiOは、好ましくはルチル変態、更にはアナターゼ変態である。
【0028】
特に好ましい効果顔料は、以下の構造を有する:
基材フレーク+(SiO)+TiO(ルチル)、
基材フレーク+(SiO)+Fe
基材フレーク+(SiO)+Fe
基材フレーク+(SiO)+SiO+TiO(ルチル)、
基材フレーク+(SiO)+TiO(ルチル)+SiO+TiO(ルチル)、
基材フレーク+(SiO)+TiO(アナターゼ)+SiO+TiO(アナターゼ)、
基材フレーク+(SiO)+TiO/Fe+SiO+TiO+TiO/Fe
基材フレーク+(SiO)+TiO/Fe+SiO+TiO/Fe
【0029】
SiO層を、場合により、保護層として基材フレークに付けることができる。基材フレークがガラスフレークである場合、SiO層の塗布は、湿式化学被覆の場合にガラスフレークが浸出する(leaching-out)のを防止するため、多くの場合に賢明である。
【0030】
本特許出願において、「高屈折率」は、≧1.8の屈折率を意味し、一方、「低屈折率」は、<1.8の屈折率を意味する。
【0031】
金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物もしくは金属酸窒化物の層またはこれらの混合物の厚さは、通常3〜300nmであり、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属窒化物もしくは金属酸窒化物の層またはこれらの混合物の場合では、好ましくは20〜200nmである。金属層の厚さは、好ましくは4〜50nmである。
【0032】
支持体の大きさ、したがって効果顔料の大きさは、それ自体は極めて重要ではない。フレーク形態の支持体および/あるいは、一または複数の透明もしくは半透明の金属酸化物、金属もしくは金属フッ化物の層で被覆されているフレーク形態の支持体は、一般に、0.05から5μmの間、特に0.1から4.5μmの間の厚さを有する。長さおよび幅の寸法は、通常、1から500μmの間、好ましくは2から200μmの間、特に2から100μmの間である。
【0033】
とりわけ好ましい効果顔料は、以下の層構造を有する:
雲母フレーク+TiO
雲母フレーク+TiO+Fe
雲母フレーク+TiO/Fe
雲母フレーク+Fe
雲母フレーク+Fe
雲母フレーク+チタン酸窒化物、
雲母フレーク+TiO+SiO+TiO
雲母フレーク+TiO/Fe
雲母フレーク+TiO/Fe+SiO+TiO
雲母フレーク+TiO/Fe+SiO+TiO/Fe
雲母フレーク+TiO/Fe+SiO+TiO+TiO/Fe
雲母フレーク+TiO+SiO+TiO/Fe
雲母フレーク+TiFe
Alフレーク+TiO
Alフレーク+Fe
Alフレーク+チタン酸窒化物、
SiOフレーク+TiO
SiOフレーク+Fe
SiOフレーク+チタン酸窒化物、
ガラスフレーク+TiO
ガラスフレーク+Fe
ガラスフレーク+TiO+Fe
ガラスフレーク+SiO+TiO
ガラスフレーク+SiO+Fe
ガラスフレーク+SiO+TiO+Fe
ガラスフレーク+SiO+TiO+SiO
ガラスフレーク+TiO+SiO+TiO
ガラスフレーク+TiO/Fe
ガラスフレーク+TiO/Fe+SiO+TiO
ガラスフレーク+TiO/Fe+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+TiO/Fe+SiO+TiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+TiO+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+TiFe
ガラスフレーク+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+SiO+TiO/Fe+SiO+TiO
ガラスフレーク+SiO+TiO/Fe+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+SiO+TiO/Fe+SiO+TiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+SiO+TiO+SiO+TiO/Fe
ガラスフレーク+SiO+TiFe
Feフレーク+TiO
Feフレーク+Fe
Feフレーク+チタン酸窒化物、
金属フレーク(場合により不動態化されている)+TiO
金属フレーク(場合により不動態化されている)+Fe
【0034】
TiO/Feは、TiOおよびFeが混合物として、ならびに/または擬板チタン石の形態で混合酸化物として層に存在することを意味する。擬板チタン石またはTiO/Fe混合層は、場合によりAlでドープされることもできる。
【0035】
適切な効果顔料は、例えばFiremist(登録商標)、Rightfit(商標)、Magnapearl(登録商標)の商標名で例えばBASF Corp.から、Iriodin(登録商標)、Miraval(登録商標)、Xirallic(登録商標)およびColorstream(登録商標)の商標名でMerck KGaAから市販されている。
【0036】
本特許出願において、効果顔料は、請求項2に提示されているものを意味すると理解される。
【0037】
顔料の光、水および耐候安定性を追加的に増加するために、適用分野に応じて、効果顔料を後被覆または後処理に付すことが多くの場合に賢明である。適切な後被覆または後処理方法は、例えば、ドイツ特許第2215191号、DE-A 31 51 354、DE-A32 35 017またはDE-A 33 34 598に記載されている方法である。この後被覆は、特に多様な媒体への組み込みにおいて、顔料の化学安定性を更に増加する、または顔料の取扱いを更に簡素化する。塗布媒体との湿潤性、分散性および/または相溶性を改善するために、Al、ZrO、これらの混合物または混合相を含む機能性被覆を顔料表面に付けることができる。更に、例えばEP 0090259、EP 0 634 459、WO 99/57204、WO 96/32446、WO 99/57204、US 5,759,255、US 5,571,851、WO 01/92425またはJ.J. Ponjee、Philips Technical Review、Vol. 44、No. 3、81 ff.およびP.H. Harding J.C. Berg, J. Adhesion Sci. Technol. Vol. 11、No. 4、471頁〜493頁に記載されているように、例えばシランを用いた有機または有機/無機組み合わせの後被覆が可能である。
【0038】
顔料顆粒中のフレーク形態の効果顔料の割合は、顆粒に基づいて、一般に60から90重量%の間、好ましくは70から85重量%の間、とりわけ好ましくは75から80重量%の間である。最適な割合は、当業者により容易に決定することができ、用いられる効果顔料の粒径、効果顔料の形状因子および顔料構造のタイプに本質的に依存する。
【0039】
本発明の特に好ましい顔料顆粒は、顔料顆粒配合の全体に基づいて、
60〜90重量%の一または複数の効果顔料と、
5〜30重量%のポリマー粒子と、
1〜30重量%の接着促進剤と、
0.1〜10重量%の添加剤と、
0.01〜5重量%の酸化防止剤と
を含み、ここで、顆粒における、全ての成分の合計の割合は、≦100重量%である。
【0040】
効果顔料の可能な限り高い含有量またはポリマー粒子の可能な限り低い含有量が、顔料着色される塗布媒体、例えばプラスチックに可能な限り少ない異物を導入するために望ましい。しかし、例えばマスターバッチの調製の際のノンダスティング挙動、改善された流動性またはより多い処理量などの、本発明の顔料顆粒の望ましい特性を確実にするために、十分な支持体材料が使用されるはずである。このために、ポリマー粒子は、効果顔料で外装されるだけでなく、互いに付着して易流動性(readily free-flowing)の粗大「粉末」を形成するはずである。
【0041】
ポリマーおよび効果顔料を含む顔料顆粒の危険な自然加熱は、酸化防止剤の添加により低減され、このことは、危険物輸送に関する勧告、試験および判定基準のマニュアル(Recommendations on the Transport of Dangerous Goods, Manual of Tests and Criteria)の第33.3.1.6章に記載されている試験方法N. 4に準拠した有害物(hazardous material)としての分類が不必要であることを意味する。
【0042】
当業者に既知の全ての酸化防止剤が、接着促進剤と相溶性がある限り、本発明に適している。酸化防止剤は、例えば表面被覆剤(surface coatings)およびプラスチックなどの塗布媒体において接着促進剤の熱誘導酸化を妨害または防止する。これらは、酸素の存在下で熱により形成されるフリーラジカルの形成を防止し、同時に、変色、ならびに/または例えばプラスチックおよび表面被覆剤などの塗布媒体の機械的特性の変更を防止する。
【0043】
好ましい酸化防止剤は、下記の群:
−ラクトン/ホスファイト(phospite)混合物、
−ラクトン/ホスファイト/フェノール混合物、
−フェノール/ホスファイト混合物、
−ホスファイト、
−フェノール
から選択される。
【0044】
特に好ましい酸化防止剤は、下記の群から選択される:
−テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]メタン、
−n−オクタデシルβ−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネート、
−N,N’−ビス(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、
−N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、
−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
−トリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、
−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、
−トリフェニルホスファイト、
−トリスノニルフェニルホスファイト、
−ジフェニルイソデシルホスファイト、
−ジイソデシルフェニルホスフェート、
−ジイソオクチルフェニルホスファイト、
−ジフェニルイソオクチルホスフェート、
−リン酸アルキル/アリールエステル、
−ビスフェノールAホスファイト、
−ジラウリルチオジプロピオネート、
−ジステアリルチオジプロピオネート、
−ブチル−およびオクチルジフェニルアミン、
−ジノニルジフェニルアミン、
−4,4’−ビス(アルファ,アルファジメチルベンジル)ジフェニルアミン、
−4,4’−ジオクチルジフェニルアミン、
−テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]メタンとトリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトの混合物(重量比1:1)、
−テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]メタンとトリ−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトの混合物(重量比1:2)、
−テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]メタンとトリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトの混合物(重量比1:3)、
−テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]メタンとトリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトの混合物(重量比1:4)、
−n−オクタデシル−β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロピオネートとトリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトの混合物(重量比1:1)。
【0045】
この化学組成を有する酸化防止剤は、例えばCiba Specialty Chemicalsから市販されている:
IRGANOX(登録商標)1010、IRGANOX(登録商標)1076、IRGANOX(登録商標)245:フェノール、
IRGANOX(登録商標)B225:フェノール/ホスファイト混合物、
IRGANOX(登録商標)XP620:フェノール/ホスファイト/フェノール混合物、
IRGAFOS(登録商標)168、IRGASFOS(登録商標)126:ホスファイト、
IRGAFOS(登録商標)XP60:ラクトン/ホスファイト混合物。
【0046】
本発明の顔料顆粒は、顔料顆粒に基づいて、好ましくは0.1〜5重量%、特に0.1〜1.5重量%、とりわけ好ましくは0.5〜1重量%の酸化防止剤を含む。
【0047】
更なる実施形態において、本発明の顔料顆粒は、表面被覆剤、塗料、粉末被覆剤、プラスチックの領域の塗布媒体に通常使用される、更なる添加剤および/または助剤を含むことができる。このタイプの添加剤および/または助剤は、潤滑剤、離型剤、安定剤、帯電防止剤、促進剤、難燃剤、着色剤、柔軟剤および可塑剤(例えば、ジイソノニルフタレート)、発泡剤、酸化防止剤、UV吸収剤、有機/無機充填剤、フェノール誘導体、界面活性剤であることができる。用いることができる添加剤および助剤の概説は、Saechtling、Kunststoff Taschenbuch [Pocket Book of Plastics]、第27版、Carl Hanser VerlagまたはUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、Internet edition、第7版、2003のR. Wolfによる“Plastics, Additives”において提示されている。
【0048】
本発明の顔料顆粒の湿潤および滑り特性を改善するために、例えば市販されているPolytrend 719OT0005−BON(Degussa Colortrend B.V.)などの、脂肪酸/脂肪酸エステルと植物油の混合物に基づいた潤滑剤および湿潤剤が特に適している。
【0049】
本発明の顔料顆粒は、好ましくは200〜2000g/molの分子量および200〜300℃の沸点を有するエチレングリコールジメチルエーテルを添加剤として好ましく含む。適切なポリグリコールは市販されており、例えばClariantのポリグリコールDME200、DME250、DME500、DME1000またはDME2000である。
【0050】
本発明の顔料顆粒は、比較的容易に調製することができる。
【0051】
したがって、本発明の方法によると、例えば効果顔料(複数可)を最初に導入し、少なくとも一の接着促進剤、一または複数のポリマー粒子および少なくとも一の酸化防止剤、ならびに任意選択の添加剤と混合することができる。この方法の変形(variant)が好ましい。
【0052】
しかし、効果顔料(複数可)、ポリマー粒子、酸化防止剤および任意選択の添加剤を接着促進剤(複数可)に分散し、接着促進剤の溶媒を蒸発させることも可能である。
【0053】
使用される接着促進剤に好ましい溶媒は、水、更には水混和性有機溶媒、例えばエタノールまたはメタノールである。
【0054】
本発明の方法の更なる実施形態において、フレーク形態の効果顔料、接着促進剤、酸化防止剤およびポリマー粒子の混合物に、表面被覆剤およびプラスチックの加工の際に、従来の添加剤を加えることができる。
【0055】
本発明は、また、本発明の顆粒の調製方法に関する。
【0056】
本発明の顔料顆粒は、塗布媒体に容易に分散し、特にプラスチックに容易に溶解する(fusible)という事実によって特徴付けられる。
【0057】
顆粒の調製のために、一または複数の効果顔料、一または複数のポリマー粒子、接着促進剤、酸化防止剤および任意選択の添加剤を含む湿潤組成物を、当業者に既知の他の方法により、例えば錠剤成形、ブリケッティング、ペレット成形、造粒、噴霧造粒、流動層造粒または押出しにより押出しまたは圧縮して、圧縮粒子形状にし、続いて精密に制御した条件下で乾燥する。乾燥操作の際に、顆粒の溶媒含有量が連続的に低減される。
【0058】
使用される接着促進剤の溶媒に応じて、乾燥過程は、60〜150℃、好ましくは60〜120℃の温度で実施され、場合により減圧下、好ましくは80〜100mbar(8〜10kPa)で実施することができる。乾燥持続時間は、乾燥される組成物のバッチの大きさ、その乾燥の際の処理量および使用される溶媒に依存するが、一般に0.5〜24時間、好ましくは1〜18時間である。最後に、顆粒は、場合により分級される。
【0059】
ここでの用語「顆粒」は、例えばペレット、パーレット(pearlet)、チップ、ブリケット、錠剤、ソーセージ形などの全ての可能な固体粒子形状を意味すると理解される。顆粒の粒径は、0.5〜150mm、好ましくは0.5〜20mm、特に0.5〜6mmの範囲である。
【0060】
顆粒の溶媒含有量は、赤外線に基づいて稼働するSartoriusモデルMA30水分分析器を使用して、残留水分含有量を測定することにより、調製の際に測定される。取扱説明書に従って事前に較正した後、含水量を決定する。この方法において、モデルMA30水分分析器は、赤外線を使用して温めることによって、試験物質から揮発性構成成分を除去し、初期重量に対する測定重量損失を設定する。
【0061】
SartoriusモデルMA30水分分析器を使用して含水量を決定するには、結果を見出すために以下のパラメータが選択される:
試料重量:未粉砕試験物質4〜5g、
温度:135〜160℃、
時間設定:12〜20分間、
結果表示:0〜100%(水分含有量)。
【0062】
本発明は、同様に、プラスチックおよび表面被覆剤の直接的な顔料着色のため、ならびにマスターバッチの調製のための、本発明の顔料顆粒の使用に関する。
【0063】
プラスチックへの本発明の顔料顆粒の直接的な組み込みは、プラスチック顆粒および/または粉末を顔料顆粒と混合することによって実施される。本発明の顔料顆粒により顔料着色されたプラスチックを、続いて熱の作用のもとに造形する。更に、顔料顆粒の組み込みの際にプラスチック顆粒および/または粉末に更なる添加剤および顔料を場合により加えることができる。
【0064】
プラスチック顆粒、および/またはプラスチック粉末/顔料の混合物は、一般に、プラスチック顆粒および/またはプラスチック粉末を適切なミキサー、例えばタンブルまたはラピッドミキサーに導入し、任意の添加剤により湿潤し、次に本発明の顔料顆粒を加え、混合する方法によって調製される。
【0065】
一連の非常に多くのプラスチック、特に熱可塑性のプラスチックは、本発明の顔料顆粒の使用のために適している。プラスチックは、好ましくは非極性(オレフィン性)プラスチックである。適切なプラスチックの例は、例えば、Saechtling、Kunststoff Taschenbuch [Pocket Book of Plastics]、第27版、Carl Hanser Verlagに提示されている。
【0066】
更に、本発明の顔料顆粒を粉末被覆剤に使用することもできる。
【0067】
本発明の顔料顆粒は、特にマスターバッチの調製において有利に用いることができる。この方法によって、顔料分散についての最高の要求を満たすこともできる。マスターバッチは、例えば一軸または二軸スクリュー押出機によって、連続的にまたは非連続的に、好ましくは連続的に調製することができる。対応するプラスチックの粉末または粗粒の使用は、マスターバッチの調製に有利である。二軸スクリュー押出機において本発明の顔料顆粒を使用すると、処理量を未処理効果顔料と比較して、条件に応じて少なくとも2〜5倍増加することができる。更に、マスターバッチに基づいて50重量%までの顔料含有量を有するマスターバッチを、一軸スクリュー押出機において本発明の顔料顆粒を使用して調製することができる。
【0068】
支持体材料の対応する選択肢を考慮すると、極性、それと非極性のプラスチックの両方がマスターバッチのベースとして適している。例えば、極性および非極性(オレフィン性)プラスチックの両方において、本発明の効果顔料組成物に支持体材料として用いることができるグラフトコポリマーが存在する。例えば、エチレン−アクリル酸コポリマーは、極性と非極性のプラスチックの両方における使用に適している。
【0069】
本発明は、更に、マスターバッチ用途における本発明の顔料顆粒の使用に関する。マスターバッチの調製において、本発明の顔料顆粒をプラスチック粉末との混合物として、またはプラスチック顆粒との混合物として用いることができる。
【0070】
以下の例は、本発明をより詳細に説明することを意図するが、限定することを意図しない。
【0071】
I.使用例
例1:酸化安定顔料着色顆粒(LLDPEプラスチック粉末に基づいた)の調製
ワックスエマルジョン
下記からなる、例に使用したUltralube V−06070480(KEIM−ADDITEC Surface GmbHの製品):
−42重量%の酸化LDPEワックス(ワックスの融点110〜125℃)、
−5重量%の、エトキシル化脂肪アルコールに基づいた乳化剤、
−52.79重量%の水、
−0.21%のフェノール性酸化防止剤Irganox 1010(Ciba Specialty Chemicals)
は、以下の特性値を有する:
ポリマー粒径:60〜80nm、
pH:6〜7、
イオン化度(ionogeneity):非イオン性。
【0072】
このLDPEワックスエマルジョンは、LDPEワックスエマルジョン/添加剤プレミックス(premix)の調製に役立つ。
【0073】
プレミックスNo.1の調製
例1において、予め水で1:1に希釈した1,238gのUltralube V−06070480および120gのポリグリコールDME500(Clariantのポリエチレングルコールジメチルエーテル500)を、撹拌機の名称がDZM20である、IKA実験室用撹拌機駆動による4枚羽根撹拌機を1200〜1500rpmで使用して、30分間均質化する。
【0074】
顆粒の調製
顆粒の調製では、良好な混合を確実にしなければならない。混合物は、Eirich R02ミキサーを使用して調製する。
【0075】
700gのIriodin(登録商標)100(Merckの真珠光沢顔料、TiO被覆雲母顔料)を最初に混合容器に導入し、続いて145gの、0.8〜1.2mmの粒径を有するEscorne LL6201RQ(=LLD−PEプラスチック粉末/LLD=線状低密度;Exxon−Mobil)を計量して入れ、次に358gのプレミックスNo.1をゆっくりと加え、混合物を制御設定1(パン/流動化装置)で2分間均質的に混合する。
【0076】
このようにして調製した湿潤顔料/LLDPEポリマー/LD−PE接着促進剤/添加剤の混合物を粒度分布(size distribution)も設定されるEirich TR04ペレット製造機のパンでペレット化する。このために、200gの新たに調製した顆粒をパンに置き、呼び(nominal)粒径を200〜350rpmおよび30〜40°の傾斜角で確立する。呼び粒径が確立されたとき、水湿潤顔料/LLDPEポリマー/LDPE接着促進剤/添加剤のバッチの全体量の導入を少量ずつ始める。
【0077】
呼び粒径は、事前に指定された実験において2±0.5mmに増大するべきである。
【0078】
この点に関して、50から100gの間の部分を導入するが、これは短時間内に加えることができる(約10〜15分間に1kg)。粗凝集体が、ペレット化の際に形成される「材料の流れのキドニー(material flow kidney)」の中心に蓄積する。これらを小型シャベルで取り出し、手作業により微粉砕し、もう一度加える。
【0079】
湿潤造粒混合物を流動層乾燥機により40〜60℃で50〜70分間乾燥する。このようにして調製された顆粒を3mmのメッシュ幅を有する篩により保護的に分級する(protectively classified)。
【0080】
得られた顔料顆粒は、摩耗耐性、寸法安定性があり、生成される著しく純粋な真珠効果を有する。
【0081】
得られた顆粒は、PE/PP粉末またはPE/PP中で、二軸スクリュー押出機により40〜50%の顔料含有量を有するマスターバッチに問題なく変換することができる。
【0082】
例2:酸化安定プラスチック顆粒(LLDPEプラスチックコアに基づいた)の調製
プレミックスNo.2の調製
予め水で1:1に希釈した238gのUltralube V−06070480および120gのポリグリコールDME500(Clariantのポリエチレングルコールジメチルエーテル500)を、撹拌機の名称がDZM20である、IKA実験室用撹拌機駆動による4枚羽根撹拌機を1200〜1500rpmで使用して、30分間均質化する。
【0083】
顆粒の調製
顆粒の調製では、良好な混合を確実にしなければならない。混合物は、Eirich R02ミキサーを使用して調製する。
【0084】
700gのIriodin(登録商標)100(Merckの真珠光沢顔料、TiO被覆雲母顔料)を最初に混合容器に導入し、続いて145gの、1.5〜1.7mmの粒径を有する(粒径は、水中造粒により平均3〜4mmから1.5〜1.7mmに変換される。この処置は、押出機のノズルの目詰まりを防止することを意図する)Escorne LL6201XR(=LLD−PEプラスチックペレット/LLD=線状低密度;Exxon−Mobil)を計量して入れ、次に358gのプレミックスNo.2をゆっくりと加え、混合物を制御設定1(パン/流動化装置)で2分間均質的に混合する。このようにして調製した湿潤顔料/LLDPEポリマー/LDPE接着促進剤/添加剤の組成物を、粒度分布も設定されるEirich TR04ペレット製造機のパンでペレット化する。
【0085】
このために、200gの新たに調製した顆粒をパンに置き、呼び粒径を200〜350rpmおよび30〜40°の傾斜角で確立する。呼び粒径が確立されたとき、水湿潤顔料/LLDPEポリマー/LDPE接着促進剤/添加剤のバッチの全体量の導入を少量ずつ始める。
【0086】
呼び粒径は、事前に指定された実験において3±0.5mmに増大するべきである。
【0087】
この点に関して、50から100gの間の部分を導入するが、これは短時間内に加えることができる(約10〜15分間に1kg)。粗凝集体が、ペレット化の際に形成される「材料の流れのキドニー」の中心に蓄積する。これらを小型シャベルで取り出し、手作業により微粉砕し、もう一度加える。
【0088】
湿潤造粒混合物を流動層乾燥機により40〜60℃で50〜70分間乾燥する。このようにして調製された顆粒を5mmのメッシュ幅を有する篩により保護的に分級する。
【0089】
得られた顔料顆粒は、摩耗耐性、寸法安定性があり、生成される著しく純粋な真珠効果を有する。
【0090】
得られた顆粒をPE/PP粉末またはPE/PP顆粒中で、二軸スクリュー押出機により40〜50%の顔料含有量を有するマスターバッチに問題なく変換することができる。
【0091】
例3:非酸化安定顔料着色プラスチック顆粒(LLDPEプラスチック顆粒に基づいた)の調製
ワックスエマルジョン
下記からなる、例に使用したUltralube E−668H(KEIM−ADDITEC Surface GmbHの製品):
−35重量%の酸化PPワックス(ワックスの融点154℃)、
−5重量%の、エトキシル化脂肪アルコールに基づいた乳化剤、
−60重量%の水
は、以下の特性値を有する:
ポリマー粒径:<100nm、
pH:8〜9、
イオン化度:非イオン性。
【0092】
このLDPEワックスエマルジョンは、LDPEワックスエマルジョン/添加剤プレミックスの調製に役立つ。
【0093】
プレミックスNo.3の調製
この例において、予め水で1:1に希釈した285gのUltralube E−668−H(Keim Additec)および120gのポリグリコールDME500(Clariantのポリエチレングルコールジメチルエーテル500;添加剤として機能する)を、撹拌機の名称がDZM20である、IKA実験室用撹拌機駆動による4枚羽根撹拌機を1200〜1500rpmで使用して、30分間均質化する。
【0094】
顆粒の調製
700gのIriodin(登録商標)100(Merckの真珠光沢顔料、TiO被覆雲母顔料)を最初に混合容器に導入し、続いて145gの、1.5〜1.7mmの粒径を有する(粒径は、水中造粒により平均3〜4mmから1.5〜1.7mmに変換される)Escorne LL6201XR(=LLD−PEプラスチックペレット/LLD=線状低密度;Exxon−Mobil)を計量して入れ、次に405gのプレミックスNo.3をゆっくりと加え、混合物を制御設定1(パン/流動化装置)で2分間均質的に混合する。
【0095】
このようにして調製した湿潤顔料/LLDPEポリマー/PP接着促進剤/添加剤の組成物を、粒度分布も設定されるEirich TR04ペレット製造機のパンでペレット化する。このために、200gの新たに調製した顆粒をパンに置き、呼び粒径を200〜350rpmおよび30〜40°の傾斜角で確立する。呼び粒径が確立されたとき、水湿潤顔料/LLDPEポリマー/PP接着促進剤/添加剤バッチの全体量の導入を少量ずつ始める。
【0096】
呼び粒径は、事前に指定された実験において3±0.5mmに増大するべきである。
【0097】
この点に関して、50から100gの間の部分を導入するが、これは短時間内に加えることができる(約10〜15分間に1kg)。粗凝集体が、ペレット化の際に形成される「材料の流れのキドニー」の中心に蓄積する。これらを小型シャベルで取り出し、手作業により微粉砕し、もう一度加える。
【0098】
湿潤造粒混合物を流動層乾燥機により40〜60℃で50〜70分間乾燥する。このようにして調製された顆粒を5mmのメッシュ幅を有する篩により保護的に分級する。
【0099】
得られた顔料顆粒は、摩耗耐性、寸法安定性があり、生成される著しく純粋な真珠効果を有する。
【0100】
得られた顆粒をPE/PP粉末またはPE/PP顆粒中で、二軸スクリュー押出機により40〜50%の顔料含有量を有するマスターバッチに問題なく変換することができる。
【0101】
例4:非酸化安定顔料着色プラスチック顆粒(LLDPEプラスチック粉末に基づいた)の調製
マイクロワックス分散体
下記からなる、例に使用したUltralube MD2011(KEIM−ADDITEC Surface GmbHの製品):
−40重量%の酸化HDPEワックス(ワックスの融点128℃)、
−5重量%の、エトキシル化脂肪アルコールに基づいた乳化剤、
−55重量%の水
は、以下の特性値を有する:
ポリマー粒径:0.4〜4μm、
pH:3〜4、
イオン化度:非イオン性。
【0102】
このHDPEマイクロワックス分散体は、HDPEマイクロワックス分散体/添加剤プレミックスの調製に役立つ。
【0103】
プレミックスNo.4の調製
この例において、予め水で1:1に希釈した250gのUltralube MD2011および120gのポリグリコールDME500(Clariantのポリエチレングルコールジメチルエーテル500;添加剤として機能する)を、撹拌機の名称がDZM20である、IKA実験室用撹拌機駆動による4枚羽根撹拌機を1200〜1500rpmで使用して、30分間均質化する。
【0104】
顆粒の調製
顆粒の調製では、良好な混合を確実にしなければならない。混合物は、Eirich R02ミキサーを使用して調製する。
【0105】
700gのIriodin(登録商標)100(Merckの真珠光沢顔料、TiO被覆雲母顔料)を最初に混合容器に導入し、続いて145gの、0.8〜1.2mmの粒径を有するEscorne LL6201RQ(=LLD−PEプラスチック粉末/LLD=線状低密度;Exxon−Mobil)を計量して入れ、次に370gのプレミックスNo.4をゆっくりと加え、混合物を均質的に混合する(パン/流動化装置)。
【0106】
このようにして調製した湿潤顔料/LLDPEプラスチック粉末/HD−PE接着促進剤/添加剤の混合物を、粒度分布も設定されるEirich TR04ペレット製造機のパンでペレット化する。このために、200gの新たに調製した顆粒をパンに置き、呼び粒径を200〜350rpmおよび30〜40°の傾斜角で確立する。呼び粒径が確立されたとき、水湿潤顔料/ポリマー/HDPE接着促進剤/添加剤のバッチの全体量の導入を少量ずつ始める。呼び粒径は、事前に指定された実験において2±0.5mmに増大するべきである。この点に関して、50から100gの間の部分を導入するが、これは短時間内に加えることができる(約10〜15分間に1kg)。粗凝集体が、ペレット化の際に形成される「材料の流れのキドニー」の中心に蓄積する。これらを小型シャベルで取り出し、手作業により微粉砕し、もう一度加える。湿潤造粒混合物を流動層乾燥機により40〜60℃で50〜70分間乾燥する。
【0107】
このようにして調製された顆粒を3mmのメッシュ幅を有する篩により保護的に分級する。得られた顔料顆粒は、摩耗耐性、寸法安定性があり、生成される著しく純粋な真珠効果を有する。
【0108】
得られた顆粒を、PE/PP粉末またはPE/PP顆粒中で、二軸スクリュー押出機により40〜50%の顔料含有量を有するマスターバッチに問題なく変換することができる。
【0109】
II.自然加熱挙動の調査
例1および2の顆粒の自然加熱挙動を試験するために、危険物輸送に関する勧告、試験および判定基準のマニュアルの第33.3.1.6章に記載されている試験方法N. 4を使用する。試験は、自然燃焼または危険な自然加熱が発生するかどうかについて試験するために、25mmおよび100mmの縁の長さを有するワイヤーバスケットにおいて140℃の温度で実施する。ここでの制限基準は、24時間以内にオーブン温度を少なくとも60K超える温度上昇である。
【0110】
試験1:
100mmのワイヤーバスケットにおける140℃での例1+2の組成物の試験:陰性(negative)
試験2:
25mmのワイヤーバスケットにおける140℃での例1+2の組成物の試験:陰性
試験3:
100mmのワイヤーバスケットにおける140℃での例3+4の組成物の試験:陽性(positive)
試験4:
25mmのワイヤーバスケットにおける140℃での例3+4の組成物の試験:陽性
結果:
接着促進剤エマルジョンへの酸化防止剤の添加は、自然加熱を防止する。
【0111】
酸化防止剤を乳化の際に添加することは、酸化防止剤の、プラスチック粉末の溶融体への添加と比較して、より微細でより効果的な分散を生じる。
【0112】
例1〜2の顔料組成物のうちで分類4.2の有害物として分類するべきものはない。
【0113】
使用されたエマルジョンに用いられるワックスの融点は、ASTM D3954と同様のメトラー滴点(Mettler drop point)によって決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一または複数のフレーク形態の効果顔料、ポリマー粒子もしくはポリマー粒子の混合物、接着促進剤、酸化防止剤および任意選択の添加剤を含むことを特徴とする顔料顆粒。
【請求項2】
効果顔料が、真珠光沢顔料、干渉顔料、金属効果顔料、透明、半透明および/または不透明層を有する多層顔料、角度色彩顔料、ホログラフ顔料、被覆もしくは非被覆BiOClフレーク、ならびに/あるいはLCP顔料の群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の顔料顆粒。
【請求項3】
効果顔料の割合が、顆粒に基づいて60〜90重量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の顔料顆粒。
【請求項4】
ポリマー粒子がポリオレフィンからなることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項5】
ポリマー粒子が、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)からなることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項6】
ポリマー粒子が、LD−PEまたはLLD−PEからなることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項7】
ポリマー粒子が1〜5mmの粒径を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項8】
ポリマー粒子の割合が、顆粒に基づいて5〜30重量%であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項9】
接着促進剤がワックスエマルジョンであることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項10】
接着促進剤が、HD−PE、LD−PE、LLD−PE、VLD−PEまたはPPワックスエマルジョンであることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項11】
接着促進剤の割合が、顔料組成物に基づいて1〜20重量%であることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項12】
顆粒が、潤滑剤および湿潤剤の群から選択されるものを含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項13】
顆粒における添加剤の割合が0.1〜10重量%であることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項14】
顔料組成物が一または複数の酸化防止剤を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項15】
酸化防止剤が、
−ラクトン/ホスファイト混合物、
−ラクトン/ホスファイト/フェノール混合物、
−フェノール/ホスファイト混合物、
−ホスファイト、
−フェノール
の群から選択されることを特徴とする、請求項1から14のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項16】
酸化防止剤の割合が、顆粒に基づいて0.01〜5重量%であることを特徴とする、請求項1から15のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項17】
顔料顆粒に基づいて、
60〜90重量%の一または複数の効果顔料と、
5〜30重量%のポリマー粒子と、
1〜30重量%の接着促進剤と、
0.1〜10重量%の添加剤と、
0.01〜5重量%の酸化防止剤と
を含み、顆粒における、全ての成分の合計の割合が≦100重量%であることを特徴とする、請求項1から16のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項18】
顆粒が、無機充填剤、染料および/または有機もしくは無機着色顔料をさらに含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれかに記載の顔料顆粒。
【請求項19】
一または複数のフレーク形態の効果顔料、一または複数のポリマー粒子、少なくとも一の接着促進剤、少なくとも一の酸化防止剤および任意選択の一または複数の添加剤を互いに同時に、または逐次的に混合することを特徴とする、請求項1から18のいずれかに記載の顔料顆粒の調製方法。
【請求項20】
粉末被覆剤、プラスチックの顔料着色のため、およびマスターバッチの調製のための、請求項1から18のいずれかに記載の顔料顆粒の使用。
【請求項21】
マスターバッチの調製において、請求項1から18のいずれかに記載の顔料顆粒をプラスチック粉末との混合物として、またはプラスチック顆粒との混合物として用いることを特徴とする、マスターバッチ用途における請求項20に記載の顔料顆粒の使用。

【公表番号】特表2012−513508(P2012−513508A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542708(P2011−542708)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009117
【国際公開番号】WO2010/072379
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】