説明

顔料

【課題】際立った着色力と色の濃度と、特に純粋な色によって差別化され、かつ優れた隠蔽力を有する顔料の提供。
【解決手段】薄片状基材(天然および合成の粘土鉱物を除く)とアニオン結合層がアニオンを形成する有機、無機および/または有機金属着色剤を含んでいる層状複水酸化物とを含む顔料であり、薄片状基材がガラス片、SiO2薄片、Al2O3薄片、合成または天然の薄片状酸化鉄、合成または天然のグラファイトおよび/または薄片状金属から選ばれ、アニオン結合層が層状複水酸化物を含んでいることを特徴とする顔料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄片状基材(天然および合成の粘土鉱物を除く)およびアニオン結合層を含む顔料、特にアニオン結合層がアニオンを形成する有機、無機および/または有機金属着色剤を含んでいる層状複水酸化物を含む顔料に関する。本発明は、さらに、本発明による顔料の製造方法、ならびに、化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルムにおいて、証券印刷において、文書および身分証明書における安全対策において、種子の着色のために、食品または薬剤のコーティングの着色のために、ならびに顔料組成物および乾式調合品の製造に、顔料を使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
干渉現象を有する光沢顔料すなわちエフェクト顔料の使用は広範囲に及ぶ。このタイプの顔料は、自動車用塗料において、あらゆるタイプの化粧塗料、およびプラスチックの彩色において、塗料用および印刷用インク特に証券印刷において、また装飾的な化粧品への応用において不可欠なものになってきている。これらをとりまく基質中において、これらの顔料は理想的にはコーティングの表面に平行に整列しており、入射光線の干渉、反射および吸収の複雑な相互作用を介した光学的作用を示す。明るい彩色で、見る角度によって異なる色彩に変化する、いわゆるカラーフロップ、あるいは明るさの印象の変化は、様々な応用における興味の中心となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のエフェクト顔料は低い彩度と限られた色のスペクトルしか示さないことがしばしばであった。色のスペクトルを拡大するために、欧州特許第1481658号公報において、例えば雲母のような天然のフィロ珪酸塩を、染料アニオンを含んだ複水酸化物のハイドロタルサイト様層で被覆することが既に提案されている。しかしながら、先行技術で言及されている顔料は、色の純度が低く、充分な濃さが得られないという欠点を有することがしばしばである。とはいうものの、これらの条件は個別の応用において最適な彩色を達成できるためには欠くべからざるものである。
【0004】
したがって本発明の目的は、際立った着色力と色の濃度と、特に純粋な色によって差別化される顔料を提供することにある。
【0005】
さらなる目的は、これに加えて優れた隠蔽力を有する顔料を提供することにある。
【0006】
驚くべきことに本発明の顔料ではこれらの目的が達成されているのである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、薄片状基材(天然および合成の粘土鉱物を除く)と、有機、無機および/または有機金属着色剤を含んでいるアニオン結合層とを含む顔料に関する。特に、この薄片状基材はガラス薄片、SiO2薄片、Al23薄片、合成または天然の薄片状酸化鉄、合成または天然のグラファイトおよび/または薄片状金属から選ばれる。アニオン結合層も同様に好ましくは層状複水酸化物を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
干渉色および吸収色の魅力的な組み合わせに加えて、好ましくは本発明に従って選択された基材に基づく顔料は、基材の干渉色と有機、無機および/または有機金属着色剤の吸収色について特に高い色の純度を示す。もし、例えば基材が干渉色を示す場合、それは有機、無機および/または有機金属着色剤の吸収色と重ね合わせられて複合型の顔料、すなわち、異なる物理法則に基づいた少なくとも2つ以上の異なった色効果をもつ顔料が得られる。
【0009】
さらに、ガラス薄片に基づいた本発明による顔料は、天然のフィロ珪酸塩に基づいた顔料に比較してより高い光沢度をさらに示す。加えて、このタイプの顔料は、従来の顔料では達成が難しいかあるいは不可能であった輝き効果を示す。薄片状金属の場合、さらに隠蔽力に優れた強い色調の顔料が得られる。この優れた隠蔽力と色の濃さならびに高い純度は、先行技術による金属顔料では達成できないものである。着色剤アニオンが好ましくは正に帯電した複水酸化物の中間層に挿入されて固定されるため、単純な吸着性の結合と比較して安定性を増強することができる。これはにじみに対するより有意に高い安定性、すなわち着色剤の分離の大幅な低下から明らかである。さらに、本発明による顔料は、純粋な着色剤イオン、または干渉顔料と着色剤塩の単純な物理混合と比較して有意に優れた分散挙動を示す。
【0010】
この有利な特性のため、本発明による顔料は、非常に異なったタイプの多くの用途に広く適している。したがって本発明は、さらに、化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルムにおいて、証券印刷において、文書および身分証明書における安全対策において、種子の着色のために、食品または薬剤のコーティングの着色のために、ならびに顔料組成物および乾式調合品の製造において、顔料を使用することに関する。
【0011】
本発明による顔料は、特に、ガラス薄片、SiO2薄片、Al23薄片、合成若しくは天然の薄片状酸化鉄、合成若しくは天然のグラファイトおよび/または薄片状金属から選択された薄片状基材に基づくものである。好適な金属薄片は、とりわけ、アルミニウム、チタン、青銅、鋼鉄または銀からなり、好ましくはアルミニウムおよび/またはチタンからなる。この金属薄片は適切な処理により不動態化されてもよい。
【0012】
薄片状基材は好ましくはガラス薄片、SiO2薄片またはAl23薄片であり、とりわけ滑らかな表面と、非常に高い反射能力のためガラス薄片が特に好ましい。
【0013】
ここで使用するのに相応しいSiO2薄片は、均一な層の厚さを有する合成のSiO2薄片であり、好ましくは国際特許公開WO93/08237に記載の方法に従って、水ガラス溶液を固化し加水分解して得られた連続した帯状のものから製造される。ここで均一な層の厚さとは、粒子の乾燥した層の厚さ全体に対する層の厚さの許容誤差が3〜10%、好ましくは3〜5%であることを指す。薄片状二酸化珪素粒子は一般にアモルファス状である。このタイプの人工的な薄片は、例えば雲母のような天然の材料に対して、層の厚さを所望の効果が得られかつ誤差を小さくするように調節できる点で有利である。
【0014】
とりわけ非常に好ましいガラス薄片には、当業者に公知であるすべてのタイプのガラスが含まれるが、特に例えば窓用ガラス、Cガラス、Eガラス、ECRガラス、デュラン(登録商標)ガラス、実験器具用ガラスまたは光学ガラスのようなカルシウム−アルミニウム−ホウケイ酸ガラスが挙げられる。特に好ましいのはEガラスまたはECRガラスである。ガラス薄片の屈折率は好ましくは1.45〜1.80、特に1.50〜1.70である。さらに、ドープガラスを含むガラス薄片が基材として好ましく用いられる。ドーパントとして好適なものとしては、例えば、Fe、Bi、La、Nb、Ba、Ti、V、Ce、AuおよびCu、またはこれらの混合物が挙げられる。ドープによって、例えば屈折率が2.3に至る高いものや、濃い固有色のような特別な性質をもつガラスを利用することが可能になる。
【0015】
好適な基材は、カルシウム−アルミニウム−ホウケイ酸(例えばロナスター(登録商標)、メルク社製)、SiO2(例えばカラーストリーム(登録商標)メルク社製)、Al23(例えばシラリック(登録商標)、メルク社製)、天然葉状酸化鉄(例えばミオックス(登録商標)、ケルントナー・モンタン社製)、グラファイト、人工の薄片状酸化鉄(例えばタロックス(登録商標)、チタン工業社製)、あるいは金属アルミニウム、に基づく薄片状基材である。
【0016】
ベースとなる基材の大きさ自体は重大な影響を及ぼさないので、それぞれの用途に応じて調整することができる。薄片状基材の直径は通常1μmと500μmの間、好ましくは5μmと200μmの間、特に10〜150μmである。好ましいより小さな粒子のサイズは、さらに、1〜100μmの範囲、特に5〜60μm、さらに1〜15μmである。厚さは0.1μmと5μmの間であり、好ましくは0.1〜1μmである。薄片状基材の平均アスペクト比、すなわちここで直径の平均に対応する長さの測定値の平均の、厚さの測定値の平均に対する比は、通常5〜200、好ましくは20〜150、特に好ましくは30〜120である。
【0017】
基材は着色するためにイオンまたは元素でドープされていてもよい。さらに、基材は着色以外に、例えば屈折率、伝導性、蛍光発光、リン光、磁性、NLO特性、赤外線反射など、基材の物理的特性への効果を目的としてイオンまたは元素でドープされていてもよい。イオンまたは元素でドープすることにより誘導される前記物理的特性の例は本発明を具体的に説明するためのものであり、効果の範囲を制限することを意図したものではない。
【0018】
本発明の別の実施形態では、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシナイトライド、またはそれらの物質の混合物からなる1つ以上の透明な、半透明な、および/または不透明な層を、薄片状基材上でアニオン結合層の下、またはアニオン結合層の上に塗布できる。金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシナイトライド、またはそれらの物質の混合物からなる層の屈折率は低くても(屈折率<1.8)、高くても(屈折率≧1.8)よい。好適な金属酸化物および金属酸化物水和物としては、当業者に公知のものであればいかなる金属酸化物または金属酸化物水和物を用いてもよく、例えば、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化珪素、酸化珪素水和物、酸化鉄、酸化鉄水和物、酸化スズ、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化チタン、特に二酸化チタン、酸化チタン水和物が挙げられ、またこれらの混合物、例えばイルメナイトまたは擬板チタン石のようなものが挙げられる。金属亜酸化物としては、例えば亜酸化チタンを用いることができる。好適な金属としては例えばクロム、アルミニウム、ニッケル、銀、金、チタン、銅または合金が挙げられ、また好適な金属フッ化物としては例えばフッ化マグネシウムが挙げられる。金属窒化物または金属オキシナイトライドとして使用可能なものとしては、例えばチタン、ジルコニウムおよび/またはタンタルといった金属の窒化物またはオキシナイトライドが挙げられる。金属酸化物、金属、金属フッ化物および/または金属酸化物水和物の層、そして非常に格別に好ましくは金属酸化物および/または金属酸化物水和物の層は、好ましくは担体上に塗布される。さらに、高屈折率および低屈折率の金属酸化物、金属酸化物水和物、金属または金属フッ化物の層を含む多層構造が存在してもよい。ここで高屈折率および低屈折率の層は好ましくは交互に置かれる。高屈折率層と低屈折率層が一括して含まれる層が存在し、1以上の層のまとまりが担体上に塗布されるのが特に好ましい。高屈折率および低屈折率の層の並び方は基材を多層構造に組み込むために基材ごとに調整してよい。別の実施形態では、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物または金属オキシナイトライドの層は、着色剤または他の元素によって処理またはドープされる。好適な着色剤または他の元素としては、例えば有機または無機の有色顔料、例えば磁鉄鉱、酸化クロムのような有色金属酸化物、例えばベルリン青、ウルトラマリン、バナジウム酸ビスマス、テナール青のような有色顔料、またはその代わりに例えばインディゴ、アゾ顔料、フタロシアニンまたはカーミンレッドのような有機有色顔料、あるいは例えばイットリウムまたはアンチモンのような元素が挙げられるが、有色ヘテロ多価アニオンもまた使用できる。好ましい実施形態では、基材上の外側の層は高屈折率金属酸化物である。この外側の層は、さらに、前記で言及した層のまとまりの上にあり、または高屈折率担体の場合は層のまとまりの一部であり、例えばTiO2、亜酸化チタン、Fe23、SnO2、ZnO、ZrO2、Ce23、CoO、Co34、V25、CrOおよび/またはそれらの混合物、例えばイルメナイトまたは擬板チタン石のようなものからなる。TiO2が特に好ましい。
【0019】
前記被覆された基材は、1以上の角度依存干渉色を示す。とりわけ、基材の干渉色が着色剤の吸収色に対応する場合、極めて強い色印象が実現される。基材の干渉色が着色剤の吸収色と異なる場合は魅力的な多色効果が実現される。
【0020】
金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物または金属オキシナイトライド、あるいはそれらの混合物の層の厚さは通常3〜300nmであり、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属フッ化物、金属窒化物または金属オキシナイトライド、あるいはそれらの混合物の層の場合、好ましくは20〜200nmである。金属層の厚さは好ましくは4〜50nmである。
【0021】
薄片状基材としてガラス薄片を用いる場合、これらをSiO2層で被覆することが特に非常に好ましい。SiO2被覆は、ガラスの表面を、侵食性の酸性コーティング溶液中での膨張、ガラス成分の浸出または溶解のような化学修飾から保護する。これらの基材の製造における焼成工程の間、ガラス薄片の場合はガラス本体と沈殿したSiO2の間の界面で化学的に関連する物質の間で密接な結合が生じる。軟化温度が高いため、沈殿したSiO2の鞘は700℃を超える温度での焼成中においても基材に必要な機械的安定性をもたらしている。基材へのSiO2層に続くコーティングの密着性も改善される。ガラス薄片上のSiO2層の厚さは、所望とする効果によって広い範囲で変更可能である。この層は5〜350nm、好ましくは5〜150nmの厚さを有する。光沢および色の濃さを調節するためには、30〜100nmの層の厚さが好ましい。SiO2層は、大気中であるいは不活性ガス雰囲気下で700〜800℃の焼成温度まで安定であるという条件の下で、カーボンブラック粒子、有色ヘテロ多価アニオン、無機有色顔料および/または金属粒子によってドープされてもよい。SiO2基質中のドーパントの割合は結果として1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、特に5〜20重量%となる。特に好ましい実施形態においては、高屈折率金属酸化物の層、特にTiO2の層がSiO2層に塗布される。
【0022】
本発明では、前記で言及した基材は被覆されたものであってもなくても、アニオン結合層、特に層状複水酸化物を含む層で被覆される。このタイプの好ましい層は層状複水酸化物層(LDH層)としても知られている。この層状複水酸化物(LDH)は好ましくは下記一般式の複水酸化物を含む:
2+1-x3+x(OH)2(Zn-x/n・mH2
ここで0.2<x<0.33、M3+はAl3+、Cr3+、Fe3+、Ga3+、In3+、Y3+、La3+および/またはCe3+から選択され、また、M2+はBa2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Sr2+および/またはZn2+から選択され、Zn-は金属塩の対イオンおよび/またはアニオンあるいはアニオンを形成する有機および/または無機着色剤のアニオン混合物を指し、ここでnはアニオンの価数を意味する。mは化学量論係数であり、LDH中の結晶の含水量を指す。本発明の目的のためには、mは例えば1〜12とすることができるが、他の値をとることも可能であり、整数であっても非整数であってもよい。
【0023】
前記複水酸化物の例としては、Mg0.67Al0.33(OH)2(Zn-0.33/n・mH2O、Mg0.67Fe0.33(OH)2(Zn-0.33/n・mH2O、Zn0.67Al0.33(OH)2(Zn-0.33/n・mH2O、Zn0.67Fe0.33(OH)2(Zn-0.33/n・mH2O、Ca0.67Al0.33(OH)2(Zn-0.33/n・mH2O、Ca0.67Fe0.33(OH)2(Zn-0.33/n・mH2Oが挙げられる。特に、Mg0.67Fe0.33(OH)2(Zn-0.33/n・mH2O、Ca0.67Al0.33(OH)2(Zn-0.33/n、Zn0.67Fe0.33(OH)2(Zn-0.33/n・mH2OおよびCa0.67Fe0.33(OH)2(Zn-0.33/n・mH2Oが特に有利であることが判明している。
【0024】
好ましくは、M3+=Al3+またはFe3であり、M2+=Mg2+、Ca2+またはZn2+である。特に非常に好ましいのはM3+=Fe3+である。後者のカチオンを含む層状複水酸化物においては、アルミニウムカチオンを含まないものが有利である。これはとりわけ化粧品への応用において有利である。なぜならば、アルミニウムはとりわけパーキンソン病の引き金になると疑われているからである。アニオン結合層の厚さは0.5〜500nmであり、特に1〜300nmである。
【0025】
前記アニオン結合層は、アニオンを形成する有機、無機および/または有機金属着色剤を含む。このような着色剤には以下のようなものが挙げられる:有機染料もしくは顔料由来、または染料もしくは顔料の前駆体由来のアニオン、あるいは無機または有機のアニオン、またはフリーラジカルアニオンあるいは有色ヘテロ多価アニオン、あるいは前記で言及した着色剤の混合物。
【0026】
化粧品以外の用途に用いられる着色剤としては、原則的にすべてのアニオン性もしくはアニオン形成染料が使用できる。好適なものとしては、特にC.I.アシッド染料が挙げられ、例えば以下のようなものである:C.I.アシッドイエロー13、C.I.アシッドイエロー17、C.I.アシッドイエロー23、C.I.アシッドイエロー25、C.I.アシッドイエロー36、C.I.アシッドイエロー38、C.I.アシッドイエロー42、C.I.アシッドイエロー44、C.I.アシッドイエロー56、C.I.アシッドイエロー65、C.I.アシッドイエロー76、C.I.アシッドイエロー127、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドオレンジ10、C.I.アシッドオレンジ19、C.I.アシッドオレンジ65、C.I.アシッドオレンジ67、C.I.アシッドレッド1、C.I.アシッドレッド13、C.I.アシッドレッド14、C.I.アシッドレッド32、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド38、C.I.アシッドレッド42、C.I.アシッドレッド88、C.I.アシッドレッド119、C.I.アシッドレッド131、C.I.アシッドレッド138、C.I.アシッドレッド154、C.I.アシッドレッド249、C.I.アシッドレッド299、C.I.アシッドバイオレット14、C.I.アシッドバイオレット42、C.I.アシッドバイオレット43、C.I.アシッドブルー25、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドブルー43、C.I.アシッドブルー62、C.I.アシッドブルー92、C.I.アシッドブルー113、C.I.アシッドブルー117、C.I.アシッドブルー129、C.I.アシッドグリーン1、C.I.アシッドグリーン25、C.I.アシッドグリーン41、C.I.アシッドブラック1、C.I.アシッドブラック24、C.I.アシッドブラック26、C.I.アシッドブラック48、C.I.アシッドブラック210、C.I.アシッドブラック234、C.I.アシッドブラウン14、C.I.アシッドブラウン20。
【0027】
さらに、C.I.リアクティブ染料も好適であり、例えば以下のようなものが挙げられる:C.I.リアクティブイエロー4、C.I.リアクティブイエロー17、C.I.リアクティブオレンジ1、C.I.リアクティブレッド8、C.I.リアクティブレッド12、C.I.リアクティブレッド23、C.I.リアクティブブルー15、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー216、C.I.リアクティブブラック、C.I.リアクティブブラック8、C.I.リアクティブブラック31。
【0028】
C.I.ダイレクト染料もまた好適であり、例えば以下のようなものが挙げられる:C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトイエロー27、C.I.ダイレクトイエロー29、C.I.ダイレクトイエロー50、C.I.ダイレクトイエロー86、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトレッド23、C.I.ダイレクトレッド75、C.I.ダイレクトレッド76、C.I.ダイレクトレッド79、C.I.ダイレクトレッド80、C.I.ダイレクトレッド81、C.I.ダイレクトレッド250、C.I.ダイレクトブルー78、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダイレクトブルー93、C.I.ダイレクトブルー106、C.I.ダイレクトグリーン26、
C.I.ダイレクトブラック19、C.I.ダイレクトブラック22、C.I.ダイレクトブラック51、C.I.ダイレクトブラック150、C.I.ダイレクトブラック151、C.I.ダイレクトブラック166、C.I.ダイレクトブラック168。
【0029】
最後に、例えば以下に挙げるようなC.I.モーダント染料を使用することも可能である:C.I.モーダントイエロー1、C.I.モーダントイエロー5、C.I.モーダントイエロー30、C.I.モーダントレッド7、C.I.モーダントレッド19、C.I.モーダントレッド30、C.I.モーダントブルー7、C.I.モーダントブルー13、C.I.モーダントブラック3、C.I.モーダントブラック9、C.I.モーダントブラック11、C.I.モーダントブラウン33、C.I.モーダントブラウン48、しかしながら、C.I.ソリュビライズドサルファーレッド11および、例えば次のような蛍光染料も使用可能である:C.I.ベーシックイエロー40、C.I.ベーシックレッド12、C.I.ソルベントイエロー94。
【0030】
化粧品への使用を許可された有機染料および顔料または前駆体およびそれらの混合物のアニオンを使用することが好ましい。例を挙げれば次の通り:FD&Cイエロー5(タルトラジン)、FD&Cイエロー6(サンセットイエローFCF)、FD&Cイエロー10、FD&Cレッド3(エリスロシン)、FD&Cレッド6(リソールルビンB)、FD&Cレッド7(リソールルビンBN)、FD&Cレッド21、FD&Cレッド27、FD&Cレッド28(フロキシンB)、FD&Cレッド33、C.I.ナチュラルレッド33、FD&Cレッド36、FD&Cレッド40、カーミン、FD&Cブルー1(ブリリアントブルーFCF)、C.I.ナチュラルグリーン3(E141)、FD&Cブルー、FD&Cブラック1(ブリリアントブラック)。
【0031】
特に、基材上のアニオン結合層の上に少なくとも2種類の着色剤アニオンの混合物を固定することも可能である。これにより得られる色の変化は無数に及ぶ。
【0032】
ここで記載されている着色剤は実例としてのみ見なされるべきものであり、単に本発明の説明を意図したものであって、技術的範囲の制限を意図したものではない。様々な基材を、他のアニオン性の/アニオンを形成する有機または無機着色剤と組み合わせることも勿論可能である。
【0033】
アニオンを形成する有機および/または無機着色剤の割合は顔料全体に対して0.01〜30重量%、特に0.5〜10重量%である。
【0034】
本発明の別の実施形態では、安定化無機および/または有機コーティングが、さらに顔料に対して適用される。この「ポスト−コーティング」は、用途分野にもよるが、光、水および天候に対する安定性を高めるものである。製品のにじみ安定性もさらに高められる。このタイプのコーティングは、例えば:DE 2215191、DE 3151354、DE 3334598、EP 0632109、US 5,759,255、DE 4317019、DE 3929423、DE 3235017、EP 0492223、EP 0342533、EP 0268918、EP 0141174、EP 0764191、WO 98/13426、EP 0090259、EP 0634459、WO 99/57204、WO 96/32446、WO 99/57204、US 5,571,851、WO 01/92425または EP 0465805に示されており、これらで公開された内容は参考文献として本願の記載に加えられる。ポスト−コーティングのための無機材料として好適なのは、Al、Si、Zr、Ce、Zn、Feの酸化物および/または酸化物水和物、および/またはそれらの混合物であり、好ましくはAl、Ce、Zn、Zrおよび/またはSiの酸化物および/または酸化物水和物である。前記層はそれぞれの酸化物および/または酸化物水和物の個々の層の形態をとってよいし、混合層の形態をとってもかまわない。さらに、酸化物を単独で堆積させるだけでなく、酸化物と硫酸塩、リン酸塩および/またはホウ酸塩の混合物もまた使用することができる。硫酸塩の例はZnSO4およびCaSO4であり、リン酸塩の例はAlPO4およびCePO4であり、そしてホウ酸塩の例はAlBO4である。
【0035】
これらの材料は高い透明度、無色またはごくわずかの固有色および高い輝きによって特徴づけられ、顔料の色特性になんら影響を与えないことを意味している。概して、追加安定化コーティングのそれぞれの割合は本発明による顔料の光学特性が目立った影響を受けない範囲で選択するべきである。
【0036】
所望により適用される有機コーティングはカップリング剤として働き、下記一般式で表されるオルガノシラン、オルガノアルミネート、オルガノチタネートおよび/またはオルガノジルコネートからなる:
4-n-mZ−Rn(−B−Y)m
ここでX=OH、ハロゲン、アルコキシまたはアリールオキシであり、Z=Si、Al、TiまたはZrであり、R=アルキル、フェニルまたは水素であり、B=有機の少なくとも二価性の基(アルキレンまたはアルキレンオキシアルキレン)であり、Y=アミノ、置換アミノ、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、シロキサン、アセトキシ、イソシアネート、ビニル、アクリロイル、エポキシド、エポキシプロピルオキシ、イミダゾールまたはウレイド基、nおよびm=0、1、2または3、ここでn+m≦3である。
【0037】
カップリング剤は表面に結合するアンカー基(X4-n-mZ)、少なくとも1つの疎水基(R、B)および1個以上の官能基(Y)からなる。ここでZ=Siである化合物がカップリング剤として好ましい。アンカー基は好ましくはアルコキシシランからなる。このアルコキシシランは加水分解反応条件下で対応するヒドロキシル基に転換できるものである。後者は顔料の表面に結合して酸素の橋を介した固着を達成することができる。さらに、混合状態でも単独でも使用可能な異なったカップリング剤の混合物を使用することも可能である。
【0038】
有機コーティングは好適な官能基を選ぶことによって、使用する媒体に合致するように調整することができる。さらに、カップリング剤をその官能基と使用する媒体中の対応する官能基を反応させることにより、顔料と媒体の間に追加の結合を形成することも可能である。特別な実施形態では、本発明による顔料の表面は使用する媒体に合致した有機官能基の組み合わせによって修飾されている。異なったカップリング剤の混合物を有機コーティングの中で使用することもこの目的には好適である。例えば、アルキルシランのようなアルキル含有カップリング剤との一体化により、顔料表面を疎水性に適応させることができる。オルガノシランに加えて、その加水分解物ならびに均一および不均一なオリゴマーおよび/またはポリマーも、同様に単独で、あるいはシラン、ジルコネート、アルミネート、ジルコンアルミネートおよび/またはカルボキシジルコンアルミネートと組み合わせて有機コーティングとして使用することができ、同様に好ましい。特に好ましいのは、異なったカップリング剤の混合物、特に互いに異なった官能基Yを有する混合物を含む有機コーティングであり、特に広い応用範囲が保証されている。
【0039】
オルガノシランの例としては、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、i−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランが挙げられ、好ましくはn−オクチルトリメトキシシランおよびn−オクチルトリエトキシシランである。アルコールを含まない好適なオリゴマーのオルガノシラン加水分解物は、とりわけ、シベント社からダイナシラン(登録商標)の商品名で発売されている製品であり、例えばダイナシランHS2926、ダイナシランHS2909、ダイナシランHS2907、ダイナシランHS2781、ダイナシランHS2776、ダイナシランHS2627などが挙げられる。さらに、オリゴマーのビニルシランおよびアミノシラン加水分解物は有機コーティングとして好適である。官能基を有するオルガノシランとしては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、1,3−ビス(3−グリシドオキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン,ウレイドプロピルトリエトキシシラン、好ましくは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン,3−メタクリルオキシトリメトキシシラン,3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン,β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン,γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。重合性シラン系の例としては、国際特許公開WO 98/13426に記載されており、例えばシベント社からハイドロシル(登録商標)の商品名で発売されている。
【0040】
有機コーティングの量は顔料を基準として0.2%〜5重量%であり、好ましくは0.5〜2重量%である。
【0041】
本発明はさらに本発明による顔料の製造方法に関する。ここで薄片状基材、金属カチオン塩、着色剤塩ならびに苛性アルカリ溶液および/または苛性アルカリ溶液前駆体(例えば尿素)の懸濁液は、溶媒または溶媒混合物中で10〜120℃の温度で攪拌され、アニオン結合層、好ましくは層状複水酸化物を含むものが基材上に形成される。ここでアニオン結合層はアニオンを形成する有機、無機および/または有機金属着色剤を含むものであり、製品は続いて分離され、洗浄され、乾燥され、さらに必要に応じふるいにかけられる。
【0042】
最も単純な場合では、基材、金属カチオン塩および着色剤塩を最初に苛性アルカリ溶液および/または苛性アルカリ溶液前駆体とともに懸濁液中に導入し、使用するLDHおよび着色剤のタイプにもよるが10〜120℃の温度で2〜48時間にわたって攪拌する。反応懸濁液を冷却した後、製品を吸引濾過し、好適な溶媒で流出する濾液がほとんど無色になるまで洗浄する。続いて濾過ケーキを50〜180℃で乾燥し、必要に応じ所望の細かさにまでふるいにかける。
【0043】
別の変形態様では、金属カチオン塩の溶液を、薄片状基材、着色剤塩ならびに苛性アルカリ溶液および/または苛性アルカリ溶液前駆体の懸濁液に加えることもできる。最も単純な場合では、基材、苛性アルカリ溶液および/または苛性アルカリ溶液前駆体ならびに着色剤塩が懸濁液中に初めに導入されることを意味する。金属カチオン塩の溶液はその後室温で滴下して加えられる。溶液を加え終えたら、反応混合物を使用するLDHおよび着色剤のタイプにもよるが30〜100℃にまで加熱し、2時間〜48時間にわたって攪拌する。反応懸濁液を冷却した後、製品を吸引濾過し、好適な溶媒で流出する濾液がほとんど無色になるまで洗浄する。続いて濾過ケーキを50〜180℃で乾燥し、必要に応じ所望の細かさにまでふるいにかける。
【0044】
好適な苛性アルカリ溶液は、NaOH、KOHまたはNH3の水溶液であるが、苛性アルカリ溶液前駆体、例えば尿素のように、反応媒体中でのみ、例えば加水分解することで苛性アルカリ溶液そのものを遊離するものも利用できる。反応中のpH(これは反応全体を通してのpH挙動を意味する)は、通常2〜13であり、特に3〜11である。
【0045】
好適な金属カチオン塩は、原則としてはAl3+、Cr3+、Fe3+、Ga3+、In3+、Y3+、La3+、Ce3+、Ba2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Sr2+および/またはZn2+カチオンとのすべての塩であり、これらからアニオン結合層、特に層状複水酸化物を含むものが製造される。
【0046】
特に、前記金属カチオン塩は、対応するハロゲン化物であり、とりわけ塩化物、臭化物またはヨウ化物である。しかしながら、硫酸または硝酸アニオンと金属カチオンとの塩もまた好適である。対応する塩化物は特に非常に好適に用いられる。
【0047】
本発明による顔料の調製における、別の2段階からなる変形態様では、薄片状基材、金属カチオン塩ならびに苛性アルカリ溶液および/または尿素の懸濁液を10〜120℃の温度で溶媒または溶媒混合物中で攪拌し、アニオン結合層、特に層状複水酸化物を含むものを基材上に形成させる。続いて中間体は分離され、洗浄され,50〜300℃で乾燥され、さらに必要に応じふるいにかけられる。このLDH被覆された基材は続いてアニオンを形成する有機、無機および/または有機金属着色剤の溶液に加えられ、攪拌される。この変形プロセスでは、イオン交換が起こり、アニオン結合複水酸化物のアニオンZn-がアニオンを形成する着色剤で置換される。反応懸濁液を冷却した後、製品を吸引濾過し洗浄する。濾過ケーキを40〜100℃で乾燥する。乾燥した顔料はその後必要に応じ擂り潰し、あるいはふるいにかける。
【0048】
最後に述べた方法では、使用される金属塩は対応する塩化物もしくは硝酸塩が好適に使用されるべきである。その理由はこれら2種のアニオンが後の段階において最も速く着色剤アニオンに置換されるからである。この2段階からなる方法は温度敏感性の着色剤にとって特に好適でもある。その理由は、他の方法に比較して、着色剤を含む最終製品がかなり低い温度で乾燥可能であるからである。
【0049】
さらに、この2段階合成の変形態様は、中間体をアニオン結合層、好ましくは基材上に形成された層状複水酸化物を含む層とともに300〜600℃の温度で焼成することを、アニオンを形成する有機および/または無機着色剤の溶液を加える前に行うのでこの点でも有利であることが立証されている。この、好ましくはLDHで被覆された基材は、300〜600℃で焼成されることでまずLDO被覆された基材へと変換される。LDO(層状複酸化物)は続いて水性のまたは水を含んだ媒体中でLDH構造を再度形成し、挿入をより容易かつ完全なものにすることを促進する。
【0050】
上述した2段階からなる方法の別の変形態様では、まずLDHまたはLDOで被覆された基材の懸濁液を調製し、次いで着色剤アニオンの溶液を20〜70℃で攪拌しながら加えることもできる。混合物は通常この温度で2時間〜48時間にわたって攪拌される。着色剤アニオンの固定を完了した後、製品を吸引濾過し、好適な溶媒で流出する濾液がほとんど無色になるまで洗浄する。続いて濾過ケーキを40〜70℃で乾燥し、必要に応じ所望の細かさにまでふるいにかける。
【0051】
さらに、無機および/または有機コーティングを本発明に従って同様の方法で外側の層としてさらに塗布することもできる。このタイプのコーティング方法の例は、とりわけEP 0632109、US 5,759,255、DE 4317019、DE 3929423、DE 3235017、EP 0492223、EP 0342533、EP 0268918、EP 0141174、EP 0764191、WO 98/13426またはEP 0465805に示される。本発明による顔料の合成における無機および/または有機コーティングの例および関連する利点については、上に既に示した通りである。有機コーティングを塗布する工程段階は、本発明による方法の他の段階の直後に行うことができる。カップリング剤は60℃を超える温度の、好ましくは70℃を超える温度の溶液中で使用される。好適な溶剤は、有機溶剤、水またはこれらの混合物であり、好ましくは水である。有機コーティングの塗布に必要な反応時間は少なくとも5分間であり、好ましくは10〜90分の間にわたって行われるが、所望によりさらに延長することもできる。得られた顔料は当業者によく知られた方法、例えば濾過、乾燥およびふるいわけで仕上げ・分離される。
【0052】
本発明による顔料は、さまざまな用途に使用できる。したがって本発明は、化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルムにおいて、証券印刷において、文書および身分証明書における安全対策において、種子の着色のために、食品または薬剤のコーティングの着色のために、ならびに顔料組成物および乾式調合品の製造において本発明による顔料を使用することにも関する。
【0053】
化粧品の場合では、本発明による顔料は、例えば、軟膏、クリーム、ペースト、マニキュア液、カラーリングパウダー、リップスティックまたはアイシャドー、石鹸、練り歯磨きのような、装飾的およびケア用化粧品における製品や処方において特に好適である。本発明による顔料は、もちろんすべてのタイプの化粧品の原料および助剤と組み合わせて処方することもできる。これらは、とりわけ、油、脂肪、ワックス、塗膜形成要素、保存料、ならびに一般的に塗布特性を決める助剤、例えば増粘剤およびレオロジー添加剤、および/または界面活性助剤などであり、その中でレオロジー添加剤としては例えばベントナイト、ヘクトライト、二酸化珪素、珪酸カルシウム、ゼラチン、高分子量炭水化物などが挙げられる。本発明による顔料を含む処方は、脂溶性、親水性または疎水性のいずれのタイプでもよい。水性および非水性の別個の相を有する不均一な処方の場合では、本発明の顔料は2相のうちの一方のみであっても両方の相に分配されていてもよい。
【0054】
水性の処方のpH値は5〜14でよく、好ましくは5〜11、特に好ましくは6〜9である。処方される本発明による顔料の濃度についての制限はない。用途にもよるが―0.001%(水で洗い流せる製品、例えばシャワー用ジェル)と99%(例えば特別な用途のための光沢効果用品)の間とすることが可能である。本発明による顔料は、さらに化粧品の有効成分と組み合わせても用いられる。好適な有効成分としては、例えば、虫除け剤、UVA/BC保護フィルター(例えばOMC、B3、MBC)、老化防止の有効成分、ビタミン類およびそれらの誘導体(例えばビタミンA、C、Eなど)、セルフ・タンニング剤(例えばDHA、とりわけエリスルロース)、そしてさらに例えば、ビサボロール、LPO、エクトイン、エンブリカ、アラントイン、バイオフラボノイドおよびそれらの誘導体のような化粧品有効成分が挙げられる。
【0055】
有機UVフィルターは一般的に重量基準で0.5〜10%の量で、好ましくは1〜8%の量で、また無機フィルターは0.1〜30%の量で化粧調合品に組み込まれる。
【0056】
本発明による製品ではさらに、従来の皮膚保護またはスキンケア有効成分を含んでもよい。これらは原則としては当業者に公知の有効成分である。
【0057】
特に好ましい有効成分はピリミジンカルボン酸および/またはアリールオキシムである。
【0058】
化粧品に使用する場合、エクトインおよびエクトイン誘導体を老化した、乾燥したあるいは炎症を起こした皮膚のケアに使用することについて特に言及すべきである。そこで、欧州特許出願EP−A−0671161では、特に、エクトインおよびヒドロキシエクトインが、パウダー、石鹸、界面活性剤を含んだクレンジング製品、リップスティック、ルージュ、メイク、ケアクリームおよび日焼け止め組成物のような化粧品の調製に用いられることが記載されている。
言及されている化粧品処方の使用形態としては、例えば:溶液、懸濁液、乳液、PIT乳液、ペースト、軟膏、ジェル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤を含んだクレンジング組成物、油、エアロゾルおよびスプレーが挙げられる。他の使用形態の例としてはスティック、シャンプーおよびシャワー調製品が挙げられる。所望とする通例の物質、助剤であればいかなるものでも、また、所望により、さらなる有効成分を調製品に加えてもよい。
【0059】
軟膏、ペースト、クリームおよびジェルは、通例の物質、例えば動物性および植物性の脂肪、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含む。
【0060】
パウダーおよびスプレーは、通例の物質、例えば乳糖、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含む。スプレーはこれに加えて通例の高圧ガス、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルを含む。
【0061】
溶液および乳濁液は、溶剤、可溶化剤および乳化剤、例えば水、エタノール、イソプロパノール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油、特に綿実油、落花生油、小麦胚芽油、オリーブ油、ひまし油およびゴマ油、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物のような通例の物質を含む。
【0062】
懸濁液は、液体の希釈剤、例えば水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁液媒体、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物のような通例の物質を含む。
【0063】
石鹸は、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオネート、ラノリン、脂肪アルコール、植物油、植物抽出物、グリセリン,糖類、またはこれらの物質の混合物のような通例の物質を含む。
【0064】
界面活性剤を含んだクレンジング製品は、脂肪アルコールサルフェートの塩、脂肪アルコールエーテルサルフェート、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオネート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性および合成の油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセリン脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物のような通例の物質を含む。
【0065】
顔用および身体用油は、例えば、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、シリコーン油のような合成の油、植物油および油性植物抽出物、パラフィン油、ラノリン油のような天然の油、またはこれらの物質の混合物のような通例の物質を含む。
【0066】
化粧品の調製品には様々な形態が存在する。したがって、例えば、溶液、水を含まない 調製(品)、油中水(W/O)または水中油(O/W)型の乳濁液またはマイクロエマルジョン、多重エマルジョン例えば水中油中水(W/O/W)型のもの、ジェル,固体スティック,軟膏またはエアロゾルが挙げられる。エクトインを投与するには、カプセルに入れられた形態、例えばコラーゲン基質中および他の従来のカプセル封入材料、例えばセルロースカプセル封入として、ゼラチン、ワックス基質中またはリポソームのカプセルに入れられたものなども有利である。特に、ドイツ特許出願DE−A4308282に記載されたワックス基質が好ましいことが立証されている。好ましいのは乳濁液である。O/W乳濁液が特に好ましい。乳濁液、W/O乳濁液およびO/W乳濁液は従来の方法で得られる。
【0067】
別の実施形態は天然または合成の油およびワックス、ラノリン、脂肪酸エステル特に脂肪酸トリグリセリドをベースにした油性のローション、あるいは、エタノールのような低級アルコール、プロピレングリコールのようなグリコール、および/またはグリセリンのようなポリオール、ならびに油、ワックスおよび脂肪酸トリグリセリドのような脂肪酸エステルをベースにした油性ローションである。
【0068】
固体スティックは、天然若しくは合成のワックスおよび油、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリンおよび他の脂肪質の物質からなる。
【0069】
エアロゾル製品を調製する場合、アルカン、フルオロアルカンおよびクロロフルオロアルカンのような通例の高圧ガスが使用される。
【0070】
化粧品調製品は、変色、脱色または機械的な性質のダメージを防ぐことで、毛髪を光化学作用によるダメージから保護するのにも用いられる。この場合、好適な処方は洗い流しのシャンプー、ローション、ジェルまたは乳濁液の形態でなされ、問題の調製品は洗髪の前または後、着色または脱色の前または後、あるいはパーマの前または後に使用される。毛髪のスタイリングまたはトリートメントのためのローションまたはジェルの形態の調製品、ブラッシングまたはブローウェーブ整髪のためのローションまたはジェルの形態の調製品、毛髪用のヘアマニキュア、パーマ組成物、着色剤または毛髪用の脱色剤の形態の調製品を選択することも可能である。光−保護特性を有する調製品は、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、軟化剤、保存料、気泡安定剤、電解液、有機溶剤、シリコーン誘導体、油、ワックス、アンチグリース剤、組成物自体、毛髪または他のヘアケアで通常使用される原料を着色する染料および/または顔料などのような助剤を含んでもよい。
【0071】
この顔料の塗料およびコーティング用としての使用の場合、例えば、パウダーコーティング、自動車塗料,グラビア、オフセット、スクリーンまたはフレキソ印刷のためのインク、および戸外で使用されるコーティングのような、当業者に公知のすべての分野に使用可能である。ここに挙げる塗料およびコーティングは、例えば、放射線硬化、物理的乾燥または化学的硬化を行うことができる。多様なバインダーが印刷用インクや液体による表面コーティングのための調製品として好適であり、例えばアクリレート、メタクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリアミド、ポリビニルブチレート、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、澱粉またはポリビニルアルコール、アミノ樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニルまたはこれらの混合物、特に水溶性のグレードのものをベースにしたものが挙げられる。表面コーティングはパウダーコーティングまたは水もしくは溶剤ベースのコーティングでよいが、ここでコーティング成分の選択は、当業者の一般知識の一部である。パウダーコーティングのための一般的な重合体のバインダーは、例えば、ポリエステル、エポキシド、ポリウレタン、アクリレートまたはこれらの混合物である。
【0072】
さらに、本発明による顔料は、フィルムおよびプラスチック,例えば農業用のシート、赤外線−反射性のホイルおよびシート、贈答用ホイル、プラスチック容器および成形品において、当業者に公知のすべての用途のために用いられる。本発明による顔料を混和するために好適なプラスチックは、すべての一般的なプラスチック、例えば熱硬化性または熱可塑性のものである。可能な用途および使用可能なプラスチック、製造方法および添加剤についての説明は、例えばRD 472005、または、R. Glausch、M. Kieser、R. Maisch、G. Pfaff、J. Weitzel、「真珠光沢顔料」Curt R. Vincentz Verlag、1996、83頁以降においてなされており、そこで開示されている内容もここに組み込む。
【0073】
さらに、本発明による顔料は、証券印刷において、および、例えば、偽造が防止されたカードおよび、例えば入場券、個人身分証明書のような身分証明書、銀行券、小切手および小切手保証カードのための、また他の偽造が防止された文書のための安全相当対策にも好適である。農業の分野では、この顔料は種子および他の出発原料の着色、さらに食品分野では食品の着色にも用いられる。本発明による顔料は、例えば、錠剤または糖衣錠のような薬剤の着色コーティングにも同様に使用できる。
【0074】
本発明による顔料は前記で言及した用途分野において、有機および/または無機染料および/または顔料、例えば、透明なおよび不透明な、白色、有色および黒色顔料のような顔料と、また薄片状酸化鉄、有機顔料、ホログラフィー顔料、LCPs(液晶ポリマー)および従来の金属酸化物で被覆された雲母、ガラス、Al23、Fe23、SiO2などをベースにした薄片ベースの透明な、有色および黒色光沢顔料と混合して使用しても同様に好適である。前記で言及した材料および顔料構造の例および実施形態については、例えば研究発表RD471001およびRD472005において与えられ、これらの開示内容も参考文献として組み込まれる。本発明による顔料は市販の顔料または増量剤といかなる比率で混合してもよい。
【0075】
言及される増量剤は、例えば、天然および合成の雲母、ナイロン粉末、純粋なまたは増量されたメラミン樹脂、タルク、ガラス、カオリン、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛の酸化物または水酸化物、BiOCl,硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、これらの物質のおよび物理的または化学的組み合わせである。増量剤の粒子の形状については制限はない。必要に応じて例えば、薄片状、球形または針状とすることができる。
【0076】
本発明による顔料は、本発明による,1種以上の粒子、バインダー、および所望により1種以上の添加剤を含む、流動性の顔料組成物の調製品および、乾燥した調製品にとってもさらに好適である。乾燥した調製品は、0〜8重量%、好ましくは2〜8重量%、特に3〜6重量%の水および/または溶剤または溶剤混合物を含む調製品をも意味する。乾燥した調製品は、好ましくは球状、顆粒、小片状、ソーセージ状または豆炭状の形態であり、粒子のサイズは0.2〜80mmである。乾燥した調製品は、特に、印刷用インクの調製や化粧品処方で用いられる。
【0077】
本発明はさらに、本発明による顔料を含む顔料組成物および乾燥した調製品だけでなく、さらに、化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルム、文書および身分証明書、種子、食品または薬剤のコーティングにも関する。
【0078】
前記で言及したすべての特許出願、特許ならびに刊行物の開示内容のすべてを、参考文献として本願に組み込む。
【0079】
下記実施例は本発明をより詳細に説明することを意図したものであり、技術的範囲を制限することを意図したものではない。
【実施例】
【0080】
実施例1:
ガラス薄片50g(ECRガラス;分画:10〜100μm、基材厚さ:850nm)を水300mlおよびNaOH溶液(0.5M)150mlに加える。30分の撹拌後、C.I.FD&Cレッド6”ユニピュアレッドLC303”5.8gを着色剤前駆体として加える。MgCl2×6H2O 10.15g、AlCl3×6H2O 6.05g、および尿素20.95gをそれぞれ約100mlの水に溶解し、同様に加える。混合物を24時間還流させながら攪拌する。懸濁液を冷まし、残留物を吸引濾過し、流出する濾液がほとんど無色になるまで水で洗浄する。残留物を50℃で乾燥すると、非常に優れた隠蔽力と同時に澄んだきらめき効果を示す、明るい赤色粉末顔料が得られる。
【0081】
実施例2:
赤色干渉顔料50g(約4重量%のSiO2、約1重量%のSnO2、および約25重量%のTiO2で被覆されたECRガラス;分画:10〜100μm、基材厚さ:850nm)を水190mlおよびNaOH溶液(0.5M)310mlに加える。30分の撹拌後、C.I.FD&Cレッド6”ユニピュアレッドLC303”5.8gを着色剤前駆体として加える。MgCl2×6H2O 10.15gおよびAlCl3×6H2O 6.05gを約150mlの水に一緒に溶解し、1時間にわたって攪拌しながら加える。続いて混合物に水を加えて全量を750mlにする。混合物を24時間還流させながら攪拌する。懸濁液を冷まし、残留物を吸引濾過し、流出する濾液がほとんど無色になるまで水で洗浄する。残留物を110℃で乾燥することで、非常に優れた隠蔽力と同時に澄んだきらめき効果を有し、さらに同時に、赤色の干渉色が重ね合わせられた、明るい赤色粉末顔料が得られる。
【0082】
実施例3:
a)バイオレット色の干渉顔料50g(約4重量%のSiO2、約1重量%のSnO2、および約27重量%のTiO2で被覆されたECRガラス;分画:10〜100μm、基材厚さ:850nm)を水190mlおよびNaOH溶液(0.5M)310mlに加える。30分の撹拌後、MgCl2×6H2O 10.15gおよびAlCl3×6H2O 6.05gを含む約150mlの水溶液を加え、1時間にわたって攪拌しながら加える。続いて混合物に水を加えて全量を750mlにする。混合物を24時間還流させながら攪拌する。懸濁液を冷まし、残留物を吸引濾過し、約2Lの水で洗浄する。残留物を50℃で乾燥する。
【0083】
b)バイオレット色の干渉顔料50g(約4重量%のSiO2、約1重量%のSnO2、および約27重量%のTiO2で被覆されたECRガラス;分画:10〜100μm、基材厚さ:850nm)を水190mlおよびNaOH溶液(0.5M)310mlに加える。30分の撹拌後、MgCl2×6H2O 10.15gおよびAlCl3×6H2O 6.05gを含む約150mlの水溶液を加え、1時間にわたって攪拌しながら加える。続いて混合物に水を加えて全量を750mlにする。混合物を24時間還流させながら攪拌する。懸濁液を冷まし、残留物を吸引濾過し、約2Lの水で洗浄する。残留物をまず110℃で乾燥し、続いて300〜600℃で焼成する。この方法では、基材上のLDH層は層状複酸化物層(LDO層)に変化している。
【0084】
c)ステップa)で得られた中間体25g、またはステップb)で得られた中間体20gを水135ml中に懸濁させ攪拌する。C.I.FD&Cレッド6”ユニピュアレッドLC303”2.9gを染料として加える。混合物のpHを12になるように調整する。懸濁液を12〜24時間攪拌し、固体を吸引濾過し、流出する濾液がほとんど無色になるまで水で洗浄し、続いて製品を50℃で乾燥する。特に好ましい手順においては、C.I.FD&Cレッド6”ユニピュアレッドLC303”2.9gの完全に飽和した水溶液を最初にpH=12で導入する。ステップa)で得られた中間体25g、またはステップb)で得られた中間体20gをその中で懸濁させ攪拌する。この手順でも、懸濁液を12〜24時間攪拌し、固体を吸引濾過し、流出する濾液がほとんど無色になるまで水で洗浄し、続いて製品を50℃で乾燥する。
【0085】
いずれの方法を用いても、非常に優れた隠蔽力と同時に澄んだきらめき効果を有し、さらに同時に、赤色の干渉色が重ね合わせられた、明るい赤色粉末顔料が得られる。
【0086】
使用実施例:
アイシャドージェル
【0087】
【表1】

【0088】
【表2】

【0089】
【表3】

【0090】
調製:
赤色顔料とミクロナスファー(登録商標)Mを相Aの水の中に分散させる。粘度を低下させるためにクエン酸数滴を用いて酸性化し、カルボポール中に攪拌しながら分散させる。完全に溶解したら、溶解前の相B中、続いて相C中でゆっくりと攪拌する。最後に、pHを7.0〜7.5の間に調整する。
【0091】
ルージュパウダー
【0092】
【表4】

【0093】
【表5】

【0094】
調製:
相Aの成分を組み合わせ、あらかじめ混合しておく。続いて溶融した相Bを粉末混合物に滴下し攪拌する。粉末を40〜50barで圧縮する。
【0095】
リップスティック
【0096】
【表6】

【0097】
【表7】

【0098】
調製:
相Bの成分を75℃にまで加熱し溶融する。相Aの顔料を加え、その全体をよく攪拌する。このリップスティック組成物を成形装置中で65℃の温度に保ちながら15分間攪拌する。均一な溶融物を55℃にまで予熱された鋳型に流し込む。その後鋳型を冷却し、冷却下で型を除去する。リップスティックは室温にまで暖められたのち、速やかに火炎消毒処理される。
【0099】
マニキュア液
【0100】
【表8】

【0101】
調製:
顔料をワニスベースとともに秤量し、スパチュラを用いて手動でよくかきまぜた後、1000rpmで10分間攪拌する。
【0102】
ボリュームマスカラ
【0103】
【表9】

【0104】
【表10】

【0105】
【表11】

【0106】
【表12】

【0107】
調製:
Demacryl 79以外のすべての相Bの成分を一緒にして約85℃で溶融したのち、Demacryl 79を加え攪拌し、全体が均一に分散するまで20分間攪拌し続ける。相Cの成分を約85℃にまで加熱する。相Aの赤色顔料を相Cに入れて攪拌する。相Cを相Bに加えて攪拌を続けた後、Ultra−TurraxT25を用いて1分間に8000rpmで均質化する。攪拌を続けながら冷まし、40℃で相Dを加える。
【0108】
石鹸
【0109】
【表13】

【0110】
調製:
すべての成分を均一に混合する。
【0111】
ほお紅およびアイカラー
【0112】
【表14】

【0113】
【表15】

【0114】
【表16】

【0115】
調製:
相Bを約85℃にまで加熱し、全部が融解するのを待って、75℃にまでさます。次に相AおよびCの原料を攪拌しながら加え、出来上がった組成物を75℃で包装する。
【0116】
シャンプー
【0117】
【表17】

【0118】
【表18】

【0119】
【表19】

【0120】
調製:
相Aのために、顔料を水に入れかきまぜる。粘度を低下させるためにクエン酸(10%)数滴を用いて酸性化し、Carbopol中に攪拌しながらゆっくりと分散させる。完全に溶解したら、ゆっくりと相Bを加える。続いて相Cの成分を加える。pHを6.0〜6.5の間に調整する。
【0121】
ヘアジェル
【0122】
【表20】

【0123】
【表21】

【0124】
調製:
真珠光沢顔料を相Aの水の中に分散させ、次いでCarbopol中に攪拌しながら分散させる。完全に溶解したら、あらかじめ溶解させた相B中でゆっくりとかきまぜる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄片状基材(天然および合成の粘土鉱物を除く)と、有機、無機および/または有機金属着色剤を含んでいるアニオン結合層とを含む顔料。
【請求項2】
前記薄片状基材がガラス薄片、SiO2薄片、Al23薄片、合成または天然の薄片状酸化鉄、合成または天然のグラファイトおよび/または薄片状金属から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の顔料。
【請求項3】
前記アニオン結合層が層状複水酸化物を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の顔料。
【請求項4】
金属酸化物、金属酸化物水和物、金属亜酸化物、金属、金属フッ化物、金属窒化物、金属オキシナイトライド、またはそれらの物質の混合物からなる1つ以上の透明な、半透明な、および/または不透明な層が、薄片状基材上でアニオン結合層の下、またはアニオン結合層の上に塗布されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項以上に記載の顔料。
【請求項5】
前記ガラス薄片を含む薄片状基材が、層の厚さ5〜350nmのSiO2層で被覆されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項以上に記載の顔料。
【請求項6】
前記薄片状基材が、イオンまたは元素によりドープされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項以上に記載の顔料。
【請求項7】
前記アニオン結合層が下記一般式で表される層状複水酸化物層を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1以上に記載の顔料:
2+1-x3+x(OH)2(Zn-x/n・mH2
ここで0.2<x<0.33、M3+はAl3+、Cr3+、Fe3+、Ga3+、In3+、Y3+、La3+および/またはCe3+から選択され、また、M2+はBa2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Sr2+および/またはZn2+から選択され、Zn-は金属塩の対イオンおよび/またはアニオンあるいはアニオンを形成する有機、無機および/または有機金属着色剤のアニオン混合物を指し、ここでnはアニオンの価数を意味する。
【請求項8】
前記M3+がAl3+またはFe3+であり、前記M2+がMg2+、Ca2+またはZn2+であることを特徴とする請求項7に記載の顔料。
【請求項9】
前記アニオン結合層の厚さが0.5〜500nmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項以上に記載の顔料。
【請求項10】
前記アニオンを形成する有機および/または無機着色剤の割合が顔料全体に対して0.01〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項以上に記載の顔料。
【請求項11】
安定化無機および/または有機コーティングがさらに顔料に対して適用されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項以上に記載の顔料。
【請求項12】
請求項1記載の顔料を製造する方法であって、薄片状基材、金属カチオン塩、着色剤塩ならびに苛性アルカリ溶液および/または苛性アルカリ溶液前駆体の懸濁液を溶媒または溶媒混合物中で10〜120℃の温度で攪拌し、アニオン結合層を基材上に形成し、ここでアニオン結合層はアニオンを形成する有機、無機および/または有機金属着色剤を含むものであり、次いで得られた製品を分離し、洗浄し、乾燥し、さらに必要に応じふるいにかける、顔料の製造方法。
【請求項13】
前記金属カチオン塩の溶液を薄片状基材、着色剤塩ならびに苛性アルカリ溶液および/または苛性アルカリ溶液前駆体の懸濁液に加えることを特徴とする請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
請求項1記載の顔料を製造する方法であって、薄片状基材、金属カチオン塩ならびに苛性アルカリ溶液および/または苛性アルカリ溶液前駆体の懸濁液を溶媒または溶媒混合物中で10〜120℃の温度で攪拌して、アニオン結合層を基材上に形成させ、次いで得られた中間体を分離し、洗浄し,乾燥し、さらに必要に応じふるいにかけ、次いで該中間体を続いてアニオンを形成する有機、無機および/または有機金属着色剤の溶液に攪拌しながら加える、顔料の製造方法。
【請求項15】
製品が、アニオンを形成する有機および/または無機着色剤の溶液に加える前に、基材上に形成されたアニオン結合層とともに300〜600℃の温度で焼成されることを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
請求項1記載の顔料の、化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルムにおける、証券印刷における、文書および身分証明書における安全対策における、種子の着色のための、食品または薬剤のコーティングの着色のための、または顔料組成物および乾式調合品の製造のための使用。
【請求項17】
請求項1記載の顔料が、有機および/または無機染料および/または顔料との混合物の形態であることを特徴とする請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1記載の顔料を含む、化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルム、文書および身分証明書、種子、食品若しくは薬剤のコーティングまたは、顔料組成物および乾式調合品。

【公開番号】特開2007−297621(P2007−297621A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109553(P2007−109553)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】