説明

顔面マスクのための前頭部支持体

【課題】前頭部支持体10を提供することである。
【解決手段】呼吸マスク16に固定される前頭部支持体10は、マスク16に固定するための連結部材14と、連結部材14にピボット運動可能に取り付けられたクッションフレーム12とを含んでいる。クッションフレーム12は、一つもしくはそれ以上の前頭部クッション25を位置づけるようにされている。クッションフレーム12は、又、連結部材14に対してピボット運動するようにされている。クッションフレーム12は、連結部材14に対して二つもしくはそれ以上の予め決められた角度位置で選択的に固定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可呼吸ガスを着用者の気道へ供給するのに用いられる顔面マスクの前頭部支持体に関する。
【0002】
本発明は、例えば閉塞性睡眠無呼吸症(OSA)の持続的気道陽圧法(CPAP)や、非侵襲性陽圧換気法(NIPPV)のような他の換気補助処置に用いられる鼻マスクを支持する用途に主に展開されており、この適用に関連して、以下ここに述べられる。しかしながら、本発明はこれら特定の用途に限定されるものではなく、また、例えばフルフェイス(すなわち、鼻および口の)マスクと共に用いるのに適当でもある。
【背景技術】
【0003】
CPAP処置は、OSAを含む呼吸障害のための一般的な改善処置の一つである。CPAP処置は、特許文献1に述べられているように、加圧された空気または他の可呼吸ガスを、大気圧よりも高い圧力で、典型的には4−20cmH2Oの範囲で高い圧力で、患者の気道の入口に供給する。
【0004】
処置圧のレベルについては、鼻CPAP処置の自動調節として知られているCPAPの形で特許文献2に述べられているように、患者の要求に応じて処置時間中に変更されることも知られている。
【0005】
NIPPVは、呼吸の吸気位相中に患者マスク内に供給される相対的に高い圧力のガスと、呼吸の呼気位相中に患者マスク内に供給される相対的に低い圧力または大気圧とを伴うことのできる、呼吸障害のためのもう一つの処置形態である。
【0006】
他のNIPPV法では、圧力は、呼吸サイクル全体を通して複雑なかたちで変化させることができる。例えば、吸気中または呼気中のマスク圧は、出願人の特許文献3に開示されているように、処置時間の全体を通して変えることができる。
【0007】
典型的には、CPAPまたはNIPPV処置のための換気補助は、鼻マスクの方法によって患者へ送られる。代替物として、口マスクまたはフルフェイスマスク、あるいは鼻プロングが用いられる。この明細書において、マスクに関する言及は、他に特に示さない限りは、その如何なる言及も鼻マスク、口マスク、フルフェイスマスク、あるいは鼻プロングに関するものと理解されるべきである。
【0008】
この明細書において、CPAP処置に関する言及は、上述した換気の処置または補助の全ての形態を包含するものと理解されるべきである。
【0009】
CPAP装置は、病院に配管された供給管のような、あるいは送風機のような、空気または可呼吸ガスの持続性のある供給源によって構成される気流発生器を、あまねく備えている。後者のケースでは、電動モータが送風機を駆動し、典型的にはマイクロコントローラユニットの制御下でサーボコントローラによって制御される。いずれのケースにおいても、ガス供給は導管またはチューブに接続され、それはまた患者の鼻マスクまたはフルフェイスマスクに接続され、そのマスクは、吐き出されたガスを通気するために、大気への排気口と協働している、あるいは近接位置に大気への排気口を有している。先行技術の鼻マスクの例は、特許文献4および5に示されている。
【0010】
供給導管は、マスクの壁によって形成されたチャンバ内へガスを送る。マスクは、着用者の顔面に対する位置にクッションを有しており、通常はストラップによって着用者の頭に固定される。ストラップは、クッションと着用者の顔面との間に気密なシールを達成するように、顔面に対してマスクを引きつけるように調整される。
【0011】
マスクの存在によって生じる問題は、ストラップの使用を伴うことであり、マスクは着用者の顔面に押し付けられており、着用者の鼻を過度に強く圧迫するかもしれない。さらに、マスクは着用者の顔面上をあちこちと動くこともある。そこで、これまでも前頭部支持体が提供されてきており、それはマスクと前頭部との間の支持機構を提供するものである。この前頭部支持体は、マスクが着用者の鼻及び/又は顔面領域に対して強く圧迫するのを防止すると共に、マスクと着用者の頭部との間の接触点を付加することによってマスクの移動を最小限にし、そのことによって不快な圧迫点を減少する。さらに、前頭部支持体は、ガス供給導管が着用者の前頭部または顔面に接触するのを防ぐように配置されることも可能である。
【0012】
単一のクッションと前頭部に対する単一の接触点とを有する前頭部支持体は知られている。
【0013】
出願人の米国特許出願番号第09/008708号は、支持体の両外側端部に取り付けられた1対の前頭部クッションを有する、実質的に堅い一体型の前頭部支持体に関するものである。この前頭部支持体は、顔面マスクの上部に接続され、顔面マスクの上部と前頭部支持体との間の距離を、着用者の頭部に対するマスクの角度を着用者の顔面の形態に合わせるように予め決められた幾つかの位置の間で変更できるようにされている。
【0014】
出願人のオーストラリア仮特許出願第PP9499号は、それぞれの先端部に取り付けられた前頭部クッションを有する1対のピボットアームを備えた前頭部支持体に関するものである。この前頭部支持体はマスクの上部に接続されており、且つ、アーム間の角度を、着用者の頭部に対するマスクの角度を着用者の顔面の形態に合わせるように予め決められた幾つかの位置の間で変更できる調整機構を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第4944310号
【特許文献2】米国特許第5245995号
【特許文献3】国際公開第98/12965号
【特許文献4】米国特許第4782832号
【特許文献5】米国特許第5243971号
【特許文献6】実開昭52−76695号
【特許文献7】特公昭39−13991号
【特許文献8】欧州特許出願公開第0462701号
【特許文献9】特開2004−329941号
【特許文献10】国際公開第2004/022147号
【特許文献11】国際公開第2004/022146号
【特許文献12】国際公開第2004/022145号
【特許文献13】国際公開第2004/022144号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的の一つは、前頭部支持体の別の形態を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
第1の形態において本発明は、呼吸マスクに固定できるようにされた前頭部支持体を提供するものであり、該前頭部支持体は、マスクに固定するための連結部材と、該連結部材にピボット運動可能に取り付けられたクッションフレームとを含んでおり、そのクッションフレームは、一つもしくはそれ以上の前頭部クッションを位置付けするようにされており、このクッションフレームは、連結部材に対してピボット運動するようにされており、且つこのクッションフレームは、連結部材に対して二つもしくはそれ以上の予め決められた角度位置で選択的に固定することができる。
【0018】
第2の形態において本発明は、呼吸マスクと、該マスクに固定するようにされた前頭部支持体とからなる呼吸マスク組立体を提供するものであり、該前頭部支持体は、マスクに固定するための連結部材と、該連結部材にピボット運動可能に取り付けられたクッションフレームとを含んでおり、そのクッションフレームは、一つもしくはそれ以上の前頭部クッションを位置付けするようにされており、このクッションフレームは、連結部材に対してピボット運動するようにされており、且つこのクッションフレームは、連結部材に対して二つもしくはそれ以上の予め決められた角度位置で選択的に固定することができる。
【0019】
クッションフレームは、好ましくはT字状であり、そのT字状の上部部分の両端に前頭部クッションを含んでいる。
【0020】
好ましくは、クッションフレームまたは連結部材の一方が、二つもしくはそれ以上の予め決められた角度位置の一つでクッションフレームと連結部材とを固定するように、クッションフレームまたは連結部材の他方に少なくとも二つ設けられる溝の一つの中に受け容れられるようにされた舌状体を含んでいる。
【0021】
さらに好ましくは、1対の舌状体がクッションフレーム上に設けられており、少なくとも2対の溝が連結部材上に設けられている。
【0022】
舌状体は、好ましくは、半剛性の部材上に設けられて、その部材上での指先の操作で舌状体が溝から外れるのを許容するようにされているのがよい。舌状体は、その部材上での指先の操作を簡単にするように、クッションフレームから突出するようにされたボタンに接続されているのがよい。
【0023】
クッションフレームは、そこにヘッドストラップを接続する手段を含んでいるのがよい。
【0024】
マスクもまた、そこにヘッドストラップを接続する手段を含んでいるのがよい。
【0025】
連結部材は、例えば、ポリプロピレンまたはポリカーボネートから製造することができる。
【0026】
マスクは、マスクシェルとマスククッションとを含むことができる。マスクシェルは、例えば、ポリプロピレンまたはポリカーボネートから製造することができる。
【0027】
クッションフレームは、例えば、ポリプロピレンまたはポリカーボネートから製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】鼻マスクに接続された本発明に係る前頭部支持体の第1実施形態の前方斜視図である。
【図2】図1に示された前頭部支持体の側断面図であり、クッションフレームの舌状体が連結部材の1対の溝の一方と係合している。
【図3】図1に示された前頭部支持体の側断面図であり、クッションフレームの舌状体が連結部材の1対の溝との係合から外れている。
【図4】図1に示された前頭部支持体の側断面図であり、舌状体と溝とが四つの位置の第1位置で係合した状態で着用者の頭部に当接している。
【図5】図1に示された前頭部支持体の側断面図であり、舌状体と溝とが四つの位置の第2位置で係合した状態で着用者の頭部に当接している。
【図6】図1に示された前頭部支持体の側断面図であり、舌状体と溝とが四つの位置の第3位置で係合した状態で着用者の頭部に当接している。
【図7】図1に示された前頭部支持体の側断面図であり、舌状体と溝とが四つの位置の第4位置で係合した状態で着用者の頭部に当接している。
【図8】本発明に係る前頭部支持体の第2実施形態の部分分解斜視図である。
【図9】本発明に係る前頭部支持体の第3実施形態の側断面図であり、一体的に形成されたクッションフレームと連結部材とを含んでいる。
【図10】図9に示された前頭部支持体の断面図であり、舌状体と溝とが四つの位置の第1位置で係合している。
【図11】図9に示された前頭部支持体の断面図であり、舌状体と溝とが四つの位置の第2位置で係合している。
【図12】図9に示された前頭部支持体の断面図であり、舌状体と溝とが四つの位置の第3位置で係合している。
【図13】図9に示された前頭部支持体の断面図であり、舌状体と溝とが四つの位置の第4位置で係合している。
【図14】図9に示された前頭部支持体の断面図であり、舌状体が溝との係合から外れている。
【図15】本発明に係る前頭部支持体の第4実施形態の側面図であり、細部が拡大されている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明に係る前頭部支持体10の第1実施形態を示している。前頭部支持体10は、連結部材14にピボット運動可能に取り付けられた、ほぼT字状のクッションフレーム12を含んでいる。連結部材14は、着用者の気道へ可呼吸ガスを供給するのに用いられる鼻呼吸マスク16に接続される。
【0030】
マスク16は、マスクシェル17とマスククッション19とを含んでいる。マスクシェル17はまた、ガス供給導管(図示せず)に接続するための末端部20と、マスク16に接続するための基端部22とを有する屈曲コネクタ18も含んでいる。コネクタ18は、ガス供給導管からマスク16の内部へ供給ガスを通じている。マスクシェル17はまた、鼻マスクを着用者の頭に固定するための下ヘッドストラップの端部がそれぞれ接続される1対の孔付きコネクタ24も含んでいる。
【0031】
連結部材14は、着用者の鼻の上に且つほぼ当接してマスクシェル17の上部に接続されている。図示されている鼻マスクは、前頭部支持体10によって支持されることのできる呼吸マスクの一例にすぎないことは理解されるであろう。例えば、前頭部支持体はまた、フルフェイス(すなわち、鼻および口の)マスクの支持における適用も可能である。
【0032】
本発明に係る前頭部支持体はまた、ガス供給コネクタ18が連結部材14の一般的な位置でマスク内に組み込まれている顔面マスクと共に用いることもできる。このタイプのマスクでは、供給ガスは前頭部支持体10を通して乃至通過して流れる。
【0033】
T字状クッションフレーム12は、Tの上部部分の両端で着用者に接する側に取り付けられた1対の前頭部クッション25を含んでいる。クッション25の例には、開放気泡または独立気泡、シリコーン、デュアル・デュロメータ発泡体(dual durometer foams)、単一パッド、あるいは一体に結合された多数のパッドが含まれる。前頭部クッション25は、フレーム12と一体成形することができ、あるいはクリップや接着剤またはそれらと同等のものでそこに取付けることができる。フレーム12はまた、前頭部クッション25のそれぞれに隣接した孔付きコネクタ26を含んでおり、その孔付きコネクタには、クッションフレーム12を着用者の頭に固定するための上ヘッドストラップの端部がそれぞれ接続される。
【0034】
T字状クッションフレーム12はまた、Tの下部部分に1対のシャフト(一方のみ図示)27も含んでおり、連結部材14に設けられた部分円形開口(一方のみ図示)28内にそれぞれ受け容れられる。シャフト27は、軸30の回りでクッションフレーム12と連結部材14の間に両方向矢印31の方向にピボット運動または回転運動をさせるために、それらの各開口28内でピボット運動または回転運動をすることができる。
【0035】
クッション25の曲面形状は、クッションフレーム12と連結部材14の間の角度調整に際して着用者の前頭部上を効果的に「転がる」のを許容する。
【0036】
図2および3に最もよく示されるように、クッションフレーム12は可撓性部材32も含んでおり、これは横に並んで隔てられた二つの舌状体34と、その先端部上の中央突出ボタン36とを有している。連結部材14はまた、二つのほぼ円弧状部分38を含んでおり、それらはそれぞれ1対の四本溝40を有している。それら四本溝の対は単に好ましい例であって、最低二本溝またはそれ以上の溝が必要であることが理解されるであろう。また、可撓性部材32は連結部材14上に設けられ、且つ溝40はクッションフレーム12上に設けることができることも理解されるであろう。舌状体34と溝40は、軸30から径方向に延びているラインとほぼ平行に延びている。
【0037】
クッションフレーム12はポリプロピレンまたはポリカーボネートのようなプラスチック材から構成されており、それは、ボタン36に矢印42の方向に押圧力が加わったときに、部材32の取付けられているクッションフレーム12に対してその部材が曲げられるのを許容する。舌状体34の対応する動きは、それらが溝対40の一つとの係合から解除され(図3に示すように)、軸30の回りのクッションフレーム12と連結部材14の間の角度調整を許容する。ボタン36を放すと、舌状体34は弾性で溝40の方向へ戻る。舌状体34と溝対40の一つとが同じ位置にあるとき(図2および4から7に示すように)、舌状体34はその溝対40の一つと係合する。舌状体34が溝対40の一つと係合するとき、クッションフレーム12と連結部材14は、それらの間のピボット運動に対して予め決められた角度で固定される。
【0038】
図4から7は、それぞれ、舌状体34が四つの溝対40のうち第1、第2、第3および第4の対と係合する別々の着用者の頭部に当てられた前頭部支持体10を示している。
【0039】
図4から7が示すように、着用者の前頭部に当てられたクッションフレーム12と連結部材14の間の角度は、着用者の比較的高い鼻領域と比較的低い前頭部(図4および5)に合わせるべく大きくすることができ、また着用者の比較的低い鼻領域と比較的高い前頭部(図6および7)に合わせるべく小さくすることができる。
【0040】
この方法において前頭部支持体10は、マスク16が着用者の顔面の特定の形態に対して快適に適合する位置になるのを許容すると共に、マスククッション19が着用者の顔面に対して理想的に位置決めされるのを確実にする。例として、図4に示されたクッションフレーム12と連結部材14との相対的位置は、狭い額の着用者や頬または鼻の突出した着用者の使用に対してより適切であり、また同時に図7に示されたクッションフレーム12と連結部材14との位置は、額の突出したあるいは膨らんだ着用者の使用に対してより適切であろう。
【0041】
図8は、本発明に係る前頭部支持体50の第2実施形態を示している。第1実施形態の説明で用いたのと同様の参照番号は、第2実施形態に関して同様の構成を指示するのに用いられる。
【0042】
第2実施形態において、それらのは二つのボタン36である。これらのボタンを矢印52の方向へ一緒に押圧すると、舌状体34はそれぞれ溝40から外れる方向に撓み、クッションフレーム12と連結部材14との間の角度調整を許容する。ボタン36を放すと、舌状体34は弾性で溝40の方向へ戻って溝と係合し、クッションフレーム12と連結部材14との間の相対的ピボット運動に対してこれらを固定する。
【0043】
図9から14は、本発明に係る前頭部支持体60の第3実施形態を示している。第1実施形態の説明で用いたのと同様の参照番号は、第3実施形態に関して同様の構成を指示するのに用いられる。
【0044】
第3実施形態において、クッションフレーム12は連結部材14と一体成形され、一体ヒンジ(ときには、ナチュラルヒンジまたはリビングヒンジとして知られている)62によって連結されている。クッションフレーム12と連結部材14は、ヒンジ62の回りで互いに相対的にピボット運動することが可能である。前頭部支持体60は、図9に示されるような、実質的に「平坦な」形状に成形される。クッションフレーム12は、舌状体34が四つの溝40の一つに係合するまで、連結部材14に対してほぼ180°にわたってピボット運動する。先の実施形態におけるように、ボタン36を矢印42の方向に押すと、舌状体34は溝との係合から外れてクッションフレーム12と連結部材14との間の角度調整を許容する。ボタン36と舌状体34は、先の実施形態と再び同様に、溝40の一つと係合する位置へ本来的に付勢されている。
【0045】
示された好適な形態においては、マスクシェル17もまた連結部材14と一体成形される。このことは製造および組立を簡単にし、且つ製造費も低減する。前頭部支持体60は、一体ヒンジを成形することができるのでポリプロピレンから製造されるのが好ましい。
【0046】
図15は、本発明に係る前頭部支持体100の第4実施形態を示している。第1実施形態の説明で用いたのと同様の参照番号は、第4実施形態に関して同様の構成を指示するのに用いられる。
【0047】
第4実施形態は、舌状体34と溝40が、軸30から舌状体34または溝40へ径方向に延びる線に対して角度をつけられる点を除いて、第1実施形態と殆ど同一である。この角度をつけた配置は、マスク16の前面に着用者の顔の方向へ力が働いたときに、舌状体34が溝40の一つとの係合から不用意に外れてしまうようなことをなくす。
【0048】
本発明は、特定の例を参照して説明されたが、この発明は、他の多くの形態に具体化できることが当業者には理解されるであろう。
【0049】
例として、前頭部支持体は、舌状体が溝対の一つから係合解除されるときに、クッションフレームと連結部材が互いの相対的角度を大きくするように、または小さくするように、互いを弾性的に付勢する手段を含むこともできる。
【符号の説明】
【0050】
10 前頭部支持体
12 クッションフレーム
14 連結部材
16 鼻呼吸マスク16
17 マスクシェル
18 屈曲コネクタ
19 マスククッション
20 末端部
22 基端部
24 コネクタ
25 前頭部クッション
26 コネクタ
27 シャフト
28 部分円形開口
30 軸
32 可撓性部材
34 舌状体
36 中央突出ボタン
38 円弧状部分
40 溝
50 前頭部支持体
60 前頭部支持体
62 ヒンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸マスクに固定されるようにされた前頭部支持体であり、マスクに固定するための連結部材と、該連結部材にピボット運動可能に取り付けられたクッションフレームとを含んでおり、該クッションフレームは一つもしくはそれ以上の前頭部クッションを位置づけるようにされており、該クッションフレームは連結部材に対してピボット運動するようにされており、且つ該クッションフレームは、連結部材に対して二つもしくはそれ以上の予め決められた角度位置で選択的に固定することができる、前頭部支持体。
【請求項2】
上記クッションフレームは、T字状であり、そのT字状の上部部分の両端に前頭部クッションを含んでいる、請求項1記載の支持体。
【請求項3】
上記クッションフレームまたは連結部材の一方が、二つもしくはそれ以上の予め決められた角度位置の一つでクッションフレームと連結部材とを固定するように、クッションフレームまたは連結部材の他方に少なくとも二つ設けられる溝の一つの中に受け容れられるようにされた舌状体を含んでいる、請求項1または2記載の支持体。
【請求項4】
1対の舌状体がクッションフレーム上に設けられており、少なくとも2対の溝が連結部材上に設けられている、請求項3記載の支持体。
【請求項5】
上記クッションフレームは、軸の回りで上記連結部材に対してピボット運動し、且つ上記舌状体と溝は、該軸から径方向に延びているラインとほぼ平行に延びている、請求項4記載の支持体。
【請求項6】
上記クッションフレームは、軸の回りで上記連結部材に対してピボット運動し、且つ上記舌状体と溝は、該軸から径方向に延びているラインに対して角度がつけられた方向に延びている、請求項4記載の支持体。
【請求項7】
上記舌状体は、半剛性の部材上に設けられて、その部材上での指先の操作で舌状体が溝から外れるのを許容するようにされている、請求項4ないし6のいずれかに記載の支持体。
【請求項8】
上記舌状体は、その部材上での指先の操作を簡単にするように、クッションフレームから突出するようにされたボタンに接続されている、請求項4ないし7のいずれかに記載の支持体。
【請求項9】
上記クッションフレームは、そこにヘッドストラップを接続する手段を含んでいる、請求項1ないし8のいずれかに記載の支持体。
【請求項10】
上記マスクは、そこにヘッドストラップを接続する手段を含んでいる、請求項1ないし9のいずれかに記載の支持体。
【請求項11】
上記連結部材は、ポリプロピレンまたはポリカーボネートから製造されている、請求項1ないし10のいずれかに記載の支持体。
【請求項12】
上記マスクは、マスクシェルとマスククッションとを含んでいる、請求項1ないし11のいずれかに記載の支持体。
【請求項13】
上記マスクシェルは、ポリプロピレンまたはポリカーボネートから製造されている、請求項12記載の支持体。
【請求項14】
上記クッションフレームは、ポリプロピレンまたはポリカーボネートから製造されている、請求項1ないし13のいずれかに記載の支持体。
【請求項15】
上記クッションフレームと上記連結部材とが、一体成形されており、且つそれらの間で相対的なピボット運動を許容する一体ヒンジによって連結されている、請求項1ないし14のいずれかに記載の支持体。
【請求項16】
呼吸マスクと、該マスクに固定するようにされた前頭部支持体とからなる呼吸マスク組立体であり、該前頭部支持体は、マスクに固定するための連結部材と、該連結部材にピボット運動可能に取り付けられたクッションフレームとを含んでおり、該クッションフレームは、一つもしくはそれ以上の前頭部クッションを位置付けするようにされており、該クッションフレームは、連結部材に対してピボット運動するようにされており、且つ該クッションフレームは、連結部材に対して二つもしくはそれ以上の予め決められた角度位置で選択的に固定することができる、呼吸マスク組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−147829(P2011−147829A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106504(P2011−106504)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【分割の表示】特願2010−54721(P2010−54721)の分割
【原出願日】平成12年2月11日(2000.2.11)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】RESMED LTD