説明

顔面加圧マッサージ器

【課題】ユーザに使用上の利便性を提供し、顔面の矯正を最大にする一方、顔面矯正時に加えられる圧力による痛みを緩和させることができる顔面加圧マッサージ器を提供する。
【解決手段】ユーザの頭部に着用され、両端部が左側及び右側顔面で弾性力を有する弾性フレーム100と、弾性フレームの弾性力により左側及び右側顔面を加圧する加圧板200と、弾性フレームの両端部に沿って加圧板を上下に調節する変位手段400とを含み、変位手段は、複数の係止部411を備えた滑走部410と、係止部に向かって貫通形成された締結部421を備えて、滑走部が挿入されるように貫通形成された滑走溝422が設けられて滑走部に沿って上下移動する中継部材420と、加圧板の一側に結合し、係止部に挿入される弾性加圧型の対応係止部431と締結部に挿入締結される対応締結部432とを備え、対応締結部により中継部材と締結される固定部材430とを含む構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔面加圧マッサージ器に係り、より詳しくは、ユーザの頭部に着用される弾性フレームと、その両端部に装着される加圧板とを備えることにより、ユーザの顔面を両側から加圧して矯正することができる顔面加圧マッサージ器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、顔面をマッサージする目的は、顔面の皮膚の老化防止、または荒れ易い皮膚の疲れを取ることである。特に、女性の場合には、化粧などによって顔面の皮膚が頻繁にストレスにさらされて皮膚の老化が深刻化し、常時露出される顔面の皮膚が環境の変化によって紫外線などにさらされることにより、しみができたり肌荒れになるなどの問題がある。このような現象に対し女性たちは特に関心があるため、顔面だけを専門的にマッサージする装置や機構が多く開発されている現状にある。
【0003】
従来の顔面加圧マッサージ器に関する技術としては、大韓民国登録実用新案第20−0416838号(登録日:2006年5月12日、以下「先行技術1」とする)と、大韓民国登録実用新案第20−0450535号(登録日:2010年10月4日、以下「先行技術2」とする)がある。
先行技術1は、顔の顔面に装着して着用者の頬骨を加圧する胴体部と、この胴体部の両側末端に設けられて伸縮を調節する固定手段と、胴体部の両側端部に設けられて一側面を介して顔の頬骨と耳との間の顔面骨を圧迫する顔面圧迫部材を含んで形成されており、これにより、着用者の頬骨と顔面骨を同時に矯正することができるが、着用者の顔面を後頭部側に圧迫するだけでなく頬骨と顔面骨だけを圧迫できる構造であるため、近年望まれる細おもての顔型(別名、「V」ライン)への顔面矯正には適さないという問題がある。
【0004】
先行技術2は、振動モータを備えたコントローラが内蔵され、中空を有する複数の枝が放射状に互いに離隔して形成され、ユーザの着用時に顔面と離隔するように丸く曲げられた復元弾性プラスチック材質の胴体部と、前記複数の枝内に一側が挿入され、ユーザの顔面形状に合うように前記枝内で長さ調整が可能であり、他側端部の一面には顔面に接触するシリコーン材質の接触シートが取り付けられて他側端部だけが顔面に接触するように丸く曲げられたマッサージ突起と、複数の枝のうちのいずれか一つの枝の外面上に一側が結合され、枝上におけるスライドによって長さ調整が可能で他側には複数の係止枝が互いに離隔形成されてユーザの着用時に頭の後部分に掛けて固定するために丸く曲げられた固定掛部を備え、これによってユーザの顔の大きさや構造などにかかわらず誰でも使用することができ、マッサージ部位を任意に調整できる利点がある。
【0005】
しかし、先行技術2は、先行技術1のようにユーザの顔面と後頭部とを圧迫する構造であり、さらにマッサージ突起の端部だけがユーザの顔面に接触するようにされることによって、顔面矯正効果を期待することが難しい構造である。また、ユーザの着用時に胴体部及び枝がユーザの鼻と口を遮る構造であり、使用が不便であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録実用新案第20−0416838号
【特許文献2】大韓民国登録実用新案第20−0450535号
【特許文献3】特開2007−244842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、ユーザに使用上の利便性を提供し、顔面の矯正を最大にする一方で、顔面矯正時に加えられる圧力による痛みを緩和できる顔面加圧マッサージ器を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の顔面加圧マッサージ器は、ユーザの着用時にユーザの頭部を横切って左側の顔面から右側顔面まで連結された状態でユーザの頭部に着用され、ユーザの頭部に着用された状態で両端部が左側顔面と右側顔面で一定の弾性力を有する弾性フレーム100と、前記弾性フレーム100の両端部に結合して左側顔面と右側顔面に密着し、前記弾性フレーム100の弾性力によって左側顔面と右側顔面を加圧する加圧板200と、前記加圧板200を前記弾性フレーム100の両端部に結合して、前記加圧板200が前記弾性フレーム100の両端部に結合された状態で前記弾性フレーム100の両端部の長手方向に沿って前記加圧板200の位置を上下に調節する変位手段400とを含み、前記変位手段400は、前記弾性フレーム100の両端部から延長形成され、長手方向に形成された複数の係止部411を備えた滑走部410と、前記係止部411に向かって貫通形成された締結部421を備えて、前記滑走部410が挿入されるように貫通形成された滑走溝422が設けられて前記滑走部410に沿って上下移動する中継部材420と、一側が前記加圧板200の一側に結合し、他側が前記係止部411に挿入される弾性加圧型の対応係止部431と前記締結部421に挿入締結される対応締結部432とを備え、前記対応締結部432によって前記中継部材420と締結される固定部材430とを含むことを特徴とする。
【0009】
前記固定部材430は、一側に前記加圧板200の一側に設けられたたソケット部220と結合される球形結合部433が設けられており、前記球形結合部433によって前記固定部材430と前記加圧板200とは互いにボールジョイント(ball joint)結合されていることを特徴とする。
【0010】
前記弾性フレーム100の両端部を覆うケース500と、前記弾性フレーム100の両端部または前記ケース500を連結するあご紐600とをさらに含むことを特徴とする。
【0011】
前記加圧板200の一側部に設けられた装着部230に装着されて、前記加圧板200に振動を発生させてユーザの加圧部位に対する痛みを緩和する発振手段300をさらに含み、前記発振手段300は、前記滑走部410を覆うように設けられたケース500内に備えられる電池310から電源が供給されて振動する振動モータで構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1に、ユーザの顔面に密着する加圧板が弾性フレームの両端部に配置されることにより、ユーザの顔面を両側から加圧して顔面の矯正を最大にすることができる。
第2に、加圧板のための上下変位手段が備えられることによって様々なユーザの顔面形状に対応して顔面の上下加圧位置を調節することができる。
第3に、加圧板がボールジョイントされることによって、ユーザの顔面形状や動きに対応して前記加圧板の位置及び角度を多様に調節することができる。
第4に、加圧板の一側部に振動モータを設置することによって顔面圧迫過程で顔面に加えられる圧迫によって発生する顔面痛みを緩和させることができる。
第5に、あご紐が備えられることによって着用及び使用状態がしっかりし、安定する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る顔面加圧マッサージ器の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示した顔面加圧マッサージ器の一部を分解して示す斜視図である。
【図3】本発明に係る顔面加圧マッサージ器の着用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る顔面加圧マッサージ器を説明するために示す断面図であり、図2は、図1に示した顔面加圧マッサージ器の一部を分解して示す斜視図であり、図3は、本発明に係る顔面加圧マッサージ器の着用状態を示す図である。
図1〜図3に示すように、本発明の実施形態に係る顔面加圧マッサージ器は、弾性フレーム100と、加圧板200と、変位手段400とを含む。また、発振手段300をさらに含む。
【0015】
弾性フレーム100は、ユーザ着用時のユーザの頭部を横切って左側顔面から右側顔面まで連結された状態でユーザの頭部に着用され、ユーザの頭部に着用された状態で両端部が左側顔面と右側顔面に一定の弾性力を提供する。ここで、弾性フレーム100は、弾性力に優れた金属板材または合成樹脂をヘアバンド状に加工して製造してもよい。また、弾性フレーム100には着用感を向上させるためにゴム、シリコーン、スポンジなどのような緩衝材質のクッション110を重ねて当ててもよい。
【0016】
加圧板200は、弾性フレーム100の両端部に結合して左側顔面と右側顔面に密着し、弾性フレーム100の弾性力によって左側顔面と右側顔面を加圧する。ここで、加圧板200の表面は、ユーザの顔面に隅々まで密着するように曲面で形成され、弾性フレーム100のように着用感の向上のためのパッド210を重ねて当ててもよい。また、加圧板200は、射出成形工程によって製作することが望ましく、ここで、加圧板200の裏面には後述されるソケット部220及び装着部230が共に形成されるようにする。
【0017】
変位手段400は、加圧板200の位置を上下に調節するために、加圧板200を弾性フレーム100の両端部に結合し、加圧板200が弾性フレーム100の両端部に結合された状態で弾性フレーム100の両端部の長手方向に沿って加圧板200の位置を上下に調節する。このような変位手段400は、弾性フレーム100の両端部から延長形成され、長手方向に形成された複数の係止部411を備えた滑走部410と、係止部411に向かって貫通形成された締結部421を備え、滑走部410が挿入されるように貫通形成された滑走溝422が設けられて滑走部410に沿って上下移動する中継部材420と、一側が加圧板200の一側に結合し、他側が係止部411に挿入される弾性加圧型の対応係止部431と締結部421に挿入締結される対応締結部432とを備え、対応締結部432によって中継部材420と締結される固定部材430とを含む。
【0018】
滑走部410は、弾性フレーム100の両端部に平坦な状態で延長形成され、係止部411は、互いに対向する滑走部410の2つの内側面に凹状に陥没した形態からなる。中継部材420は、滑走部410に挟まれるように上下に貫通形成された滑走溝422が設けられて滑走部410に沿って上下移動し、締結部421は雌ネジからなる。固定部材430は、雄ネジからなる対応締結部432によって中継部材420と螺合される。また、固定部材430の内部には一側が開放された収容部434が形成されるが、この収容部434にドーム(dome)型のストッパ431a及びコイルばね431bが内蔵され、対応係止部431を構成する。結局、固定部材430は、ボールプランジャー(ball plunger)などの形態からなり、中継部材420に結合し、締結部421内に位置するストッパ431aがコイルばね431bの弾性力によって係止部411を選択的に加圧する。
【0019】
したがって、加圧板200は、中継部材420が滑走部410に沿って移動して、固定部材430の対応係止部431が滑走部410の係止部411を加圧する動作によって上下の位置調節が可能になり、これによって、ユーザの下顎骨、上顎骨、頬骨、咀嚼筋などを選択的にまんべんなく加圧できる。そして、固定部材430の他側端部には、球形結合部433が形成されるが、この結合部433は前記加圧板200のソケット部220に嵌め込まれて、この内部で滑動する。 結局、固定部材430と加圧板200は、互いにボールジョイントされて加圧板200の位置及び角度がユーザの顔面の形状や動きに応じて自由に調節できる。
【0020】
発振手段300は、加圧板200に振動を発生させてユーザの加圧部位に対する痛みを解消し、マッサージ効果を提供するために加圧板200の一側部に設けられた装着部230に装着されて加圧板200に振動を発生させ、ユーザの加圧部位に対する痛みを緩和させる。このような発振手段300は、振動モータで構成することができ、前記振動モータは装着部230内に少なくとも1つまたは複数を等間隔で設けてもよい。
【0021】
発振手段300を駆動させるための電源は、外部電源を用いてもよいが、携帯性を考慮して充電が可能な電池310を用いることが望ましい。電池310はリチウムイオン電池を用いてもよい。このような電池310は、空間活用度を考慮して別の空間に収容されるが、このために本発明の実施形態では滑走部410を覆うケース500が備えられる。即ち、ケース500は、弾性フレーム100の両端部に配置して弾性フレーム100の端部を収め、電池310が収納される収納部510を提供する。電池310と振動モータは別の電源ライン(図示せず)を介して連結されており、前記電源ラインはユーザに不便さを感じさせないように適材適所に配設してもよい。
【0022】
一方、図1に示すように、本発明の実施形態に係る顔面加圧マッサージ器は、ケース500で互いに対向するように用意されている2つの内側面に上下に長く形成されたスリット520が設けられるが、これは、係止部411の配列区間に亘って形成されることによって、加圧板200の上下の位置調節が干渉することなく円滑になされる。
【0023】
また、本発明の実施形態に係る顔面加圧マッサージ器は、あご紐600をさらに含んでもよい。
あご紐600は、マッサージ器着用の際にユーザのあごの下に位置するものであり、マッサージ器を固定して使用時に容易にマッサージ器が顔面から離脱するのを防止するためのものである。あご紐600は伸縮性の材料を用いるものの、バックル610を装着して長さの調節が可能なように連結することが望ましいが、あご紐600の締める程度を調節することによって、ユーザの顔面に対する加圧板200の加圧力を調節できる。図によれば、あご紐600は、ケース500の下段部に形成されたホールディング部530に連結される。
しかし、前述したあご紐600は一例であって、これに制限されるものではない。あご紐600は、ケース500が不要な場合や、ケース500と弾性フレーム100との間の遊動を防止しようとする場合、弾性フレーム100の両端部に直接連結されてもよい。
【0024】
以上、本発明に関する好ましい実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0025】
100:弾性フレーム
110:クッション
200:加圧板
210:パッド
220:ソケット部
230:装着部
300:発振手段
310:電池
400:変位手段
410:滑走部
411:係止部
420:中継部材
421:締結部
422:滑走溝
430:固定部材
431:対応係止部
431a:ストッパ
431b:コイルばね
432:対応締結部
433:球形結合部
434:収容部
500:ケース
510:収納部
520:スリット
530:ホールディング部
600:あご紐
610:バックル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの着用時にユーザの頭部を横切って左側顔面から右側顔面まで連結された状態でユーザの頭部に着用され、ユーザの頭部に着用された状態で両端部が左側顔面と右側顔面で一定の弾性力を有する弾性フレームと、
前記弾性フレームの両端部に結合して左側顔面と右側顔面に密着し、前記弾性フレームの弾性力によって左側顔面と右側顔面を加圧する加圧板と、
前記加圧板を前記弾性フレームの両端部に結合して、前記加圧板が前記弾性フレームの両端部に結合された状態で前記弾性フレームの両端部の長手方向に沿って前記加圧板の位置を上下に調節する変位手段と、を含み、
前記変位手段は、
前記弾性フレームの両端部から延長形成され、長手方向に形成された複数の係止部を備えた滑走部と、
前記係止部に向かって貫通形成された締結部を備えて、前記滑走部が挿入されるように貫通形成された滑走溝が設けられて前記滑走部に沿って上下移動する中継部材と、
一側が前記加圧板の一側に結合し、他側が前記係止部に挿入される弾性加圧型の対応係止部と前記締結部に挿入締結される対応締結部とを備え、前記対応締結部によって前記中継部材と締結される固定部材と、
を含むことを特徴とする顔面加圧マッサージ器。
【請求項2】
前記固定部材は、一側に前記加圧板の一側に設けられたソケット部と結合される球形結合部が設けられており、前記球形結合部によって前記固定部材と前記加圧板とは互いにボールジョイント結合されることを特徴とする請求項1に記載の顔面加圧マッサージ器。
【請求項3】
前記弾性フレームの両端部を覆うケースと、前記弾性フレームの両端部または前記ケースを連結するあご紐と、をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の顔面加圧マッサージ器。
【請求項4】
前記加圧板の一側部に設けられた装着部に装着されて、前記加圧板に振動を発生させてユーザの加圧部位に対する痛みを緩和する発振手段をさらに含み、
前記発振手段は、前記滑走部を覆うように設けられたケース内に備えられる電池から電源が供給されて振動する振動モータからなることを特徴とする請求項1または2に記載の顔面加圧マッサージ器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−111475(P2013−111475A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−104663(P2012−104663)
【出願日】平成24年5月1日(2012.5.1)
【特許番号】特許第5142304号(P5142304)
【特許公報発行日】平成25年2月13日(2013.2.13)
【出願人】(512114833)
【Fターム(参考)】