説明

顔面肌分析装置

【課題】本発明は、肌荒れや皺などの情報を提供する手持ち式の肌分析装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、顔面肌分析装置であって、取得した画像を画像資料として出力する画像取得部と、前記画像資料を記録する記録部と、前記画像資料を表示する表示部と、前記画像取得部及び前記表示部に接続され、前記画像資料を、グレイ階調画像資料に変換して前記記録部に記録させるデータ処理部と、インターフェースとを備え、前記データ処理部が前記インターフェースにから、表示部に表示される画像資料から所定のエリアを選択する指令を受信して、前記グレイ階調画像資料によって前記エリアに関する肌荒れと皺の情報を含む顔面肌の分析結果を出力する顔面肌分析装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち式装置に関し、具体的に、顔面肌を分析するための手持ち式装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の顔面肌分析装置を示す図である。図に示すように、従来の顔面肌分析装置100は、走査設備110と、コンピュータ130と、表示装置140とを備える。走査設備110は、被測定者の顔面を受ける凹部115と、被測定者の顔面を撮影する複数のカメラ120とを含む。撮影された画像資料は、配線125を介してコンピュータ130に転送されて、また配線126を介して画像145として表示装置140に表示される。このような従来の顔面肌分析装置100は、通常、走査設備110で被測定者の肌を走査して、肌の状況を評価するデータを出力する。使用者は、出力されたデータによって、被測定者に合った商品を勧めて、商売を行う。しかし、従来の走査設備110は、高価で体積が大きく、異なるカメラ120で被測定者の肌を走査するので、同じ時間に顔面の僅か一部しか走査できなく、顔面全体を走査するには時間がかかる。また、このような従来設備が複雑なため、訓練を経た専門者しか操作できない。
【0003】
また、図1に示すように、従来の顔面肌分析装置100は非常に大きいものである。これを改善するために、走査設備110の代わるに、被測定者の顔面にタッチして肌を走査するペン型走査設備(図示せず)が使用される。しかし、このようなペン型走査設備は、使用する度に清潔する必要がある。このため、従来の顔面肌分析装置100の操作が面倒で清潔にコストがかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、以上の事情を鑑み、肌荒れや皺などの情報を提供する手持ち式の肌分析装置を提供することを目的とする。また、本発明は、顔面全体の画像を撮って短い時間で肌の状況を分析する顔面肌分析装置を提供することを目的とする。また、本発明は、特別な訓練をせずに、簡単に操作できる顔面肌分析装置を提供することを目的とする。また、本発明は、コストを低減し、製造工程が短い顔面肌分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は、顔面肌分析装置であって、取得した画像を画像資料として出力する画像取得部と、前記画像資料を記録する記録部と、前記画像資料を表示する表示部と、前記画像取得部及び前記表示部に接続され、前記画像資料を、グレイ階調画像資料に変換して前記記録部に記録させるデータ処理部と、インターフェースとを備え、前記データ処理部が前記インターフェースにから、表示部に表示される画像資料から所定のエリアを選択する指令を受信して、前記グレイ階調画像資料によって前記エリアに関する肌荒れと皺の情報を含む顔面肌の分析結果を出力する顔面肌分析装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】従来の顔面肌分析装置を示す図。
【図2】本発明に係る顔面肌分析装置の実施形態を示すブロック図。
【図3】本発明に係る顔面肌分析装置の実施例を示す図。
【図4】本発明に係る顔面肌分析装置のインターフェースの実施形態を示す図。
【図5】本発明に係る顔面肌分析装置のインターフェースの実施形態を示す図。
【図6】本発明に係る顔面肌分析装置のインターフェースの実施形態を示す図。
【図7】本発明に係る顔面肌分析装置のインターフェースの実施形態を示す図。
【図8】本発明に係る顔面肌分析装置の分析フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、例えば携帯電話などの手持ち式装置に搭載される手持ち式顔面肌分析装置に関する。
図2は本発明に係る顔面肌分析装置の実施形態を示すブロック図である。図2に示すように、顔面肌分析装置200は、画像取得部210と、データ処理部205と、記録部206と、表示部220とを備える。前記画像取得部210、データ処理部205、記録部206、表示部220の全てが一つのハウシングに設けられるのが好ましいが、これに限らず、少なくとも前記の一つの部材が独立とした装置であってよく、前記他の部材に接続して顔面肌分析装置200の機能を発揮できればよい。画像取得部210は、ディジタルカメラ、例えば携帯電話に付いたディジタルカメラであるのが好ましい。データ処理部205は、画像取得部210に接続され、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)であるのが好ましい。また、データ処理部205は、記録部206と表示部220にそれぞれ接続される。表示部220は、タッチパネルであるのが好ましく、使用者がパネルにタッチすることによってデータ処理部205に指令が転送される。記録部206は、フレッシュメモリや、画像取得部210が取得した大容量のディジタル画像を記録できる内蔵ハードディスクであってよく、また、クラウドデータベースや外付けハードディスクであってもよい。画像取得部210は、被測定者の顔面の画像を取得して、その画像を画像資料にエンコードする。前記画像資料は静止画像であってよく、序列によって配列された一連の静止画像フレームまたは動画(即ちストリーミングビデオ)であってもよい。エンコードされた画像資料はデータ処理部205に転送される。本実施形態において、データ処理部205は、画像資料を、記録部206に記録させてから、グレイ階調画像資料に変換して、変換されたグレイ階調画像資料をも同様に記録部206に記録させる。グレイ階調画像資料は、変換前の画像資料と同じく静止画像であってよく、序列によって配列された一連の静止画像フレームまたは動画であってもよい。画像資料は、データ処理部205により表示部220に転送されて表示される。また、画像資料の代わりに、グレイ階調画像資料が表示部220に表示されてもよい。本発明の顔面肌分析装置200は、データ処理部205にインストールされた指令、またはデータ処理部205がアクセスできる記録部206やデータ処理部205の他のハードウエアに記録された指令により、画像取得部210が取得した画像や記録部206に記録された画像資料を処理する。
【0008】
図3は図2に示す本発明に係る顔面肌分析装置の好ましい実施例を示す図である。図3に示すように、顔面肌分析装置200は、手持ち式装置、例えば携帯電話に内蔵されるが、これに限らず、PDA、タブレットコンピュータ、ディジタルカメラに内蔵されてもよい。図3に示すように、顔面肌分析装置200は、画像取得部210と、表示部220とを備える。データ処理部205と記録部206について、顔面肌分析装置200に内蔵されているので図3には示していない。表示部220は、使用者に選択や決定などの指令を入力するためのタッチパネルであるのが好ましい。また、顔面肌分析装置200は、キーボード230、例えば、携帯電話の場合の数字キーボード230を含んでもよい。顔面肌分析装置200を操作する時に、キーボード230とタッチパネルである表示部220を使い分け、または併用により、選択や決定などの指令を入力する。また、図3に示す画像取得部210と表示部220が同一の面に設けられるが、これに限らず、異なる面に設けてもよい。また、表示部220は、2Dの画像または3Dの画像を表示してもよい。本実施形態において、表示部220は、2Dの画像を表示して、その2Dの画像をタッチパネルである表示部220を併せて、インターフェース240として機能する。
【0009】
図4ないし図7は、本発明に係る顔面肌分析装置200のインターフェー240の実施形態を示す図である。顔面肌分析装置200が使用される時に、図4に示すインターフェー240が表示される。図4に示すインターフェー240は、使用者に顔面肌分析装置200の操作手順を知らせて「スタート」ボタンを押すことを提示して、インターフェー240上で次のステップへ進行させる。「スタート」ボタンを押した場合は、使用者の操作により顔面肌分析をはじめる。
【0010】
図5にはインターフェー240のレイアウトの好ましい実施形態が示される。図5に示すように、インターフェー240が情報提示部245と、画像部246と、GUI247と、三つの部分に分けられる。情報提示部245が使用者に必要な情報を文字や図形で提示する。画像部246が画像資料またはグレイ階調画像資料を表示する。画像資料またはグレイ階調画像資料が静止画像の場合、画像部246が静止画像とする画像資料またはグレイ階調画像資料を表示し、画像資料またはグレイ階調画像資料がストリーミングビデオの場合、画像部246が一連の画像フレームを序列によって一つずつ表示する。画像フレームの間のディレータイムは、予め決めた時間であってよく、使用者の都合により調節された時間であってもよい。また、画像資料またはグレイ階調画像資料がストリーミングビデオの場合、画像取得部210が取得した画像がリアルタイムで画像部246に表示される。好ましい実施形態において、画像資料またはグレイ階調画像資料が予め静止画像に設定されるが、これに限らず、前記他の画像形態であってもよい。図5に示すように、GUI247は、図3に示すキーボード230がない場合に、使用者に、顔面肌分析装置200に対して指令を入力するためのインターフェースを提供する。本実施形態において、情報提示部245、画像部246、GUI247について、レイアウト、形状、サイズが図示に限らず、他のデザインであってもよい。使用者が図4に示す「スタート」ボタンを押すと、顔面肌分析装置200は、被測定者の顔面を撮影することを提示し、画像取得部210によって被測定者の顔面画像を取得する。次に、取得した画像が画像資料にエンコードされて、データ処理部205のよって記録部206に記録される。
【0011】
図6はインターフェース240の他の実施形態を示す図である。図6に示すように、表示部220のインターフェース240はデータ処理部205から画像資料またはグレイ階調画像資料を受信する。図6に示すように、好ましい実施形態において、画像資料がインターフェース240の画像部246に表示される。具体的に、画像資料がインターフェース240に表示され、画像資料に対応したグレイ階調画像資料が記録部206に記録される。これにより、顔面肌分析装置200はいつでも記録部206からグレイ階調画像資料にアクセスして分析を行うことができる。また、グレイ階調画像資料が記録部206に記録されているので、使用者が画像資料から分析エリアを選択する時に、顔面肌分析装置200は改めて画像資料をグレイ階調画像資料に変換する必要はなく、画像処理の時間を節約することができる。顔面肌分析装置200は画像資料から選択された分析エリアに対応したグレイ階調画像資料を分析すればよい。使用者はインターフェース240に表示された顔面から一つの分析エリアを選択することができる。選択した時に、四角の枠が選択された分析エリアに表示される。この四角の枠のサイズは、使用者によって、例えば、2本の指で四角の枠を広げるまたは縮めるように操作して拡大または縮小するように設定できる。前記のように、画像資料またはグレイ階調画像資料はストリーミングビデオであってよく、この場合に、インターフェース240に示す画像資料は(画像取得部210が取得した)顔面のリアルタイム画像であるのが好ましい。即ち、被測定者の顔面が動いている場合に、インターフェース240に示す顔面の画像も動いている。本実施形態において、データ処理部205は使用者が選択した分析エリア(四角の枠)を追跡することができ、顔面が動いた場合、四角の枠も対応的に動く。例えば、鼻先が分析エリアとして選択された場合、四角の枠が鼻先に追跡して移動する。
【0012】
図6に示すように、GUI247は、測定ボタン242と、やり直すボタン243と、やめるボタン244とを有する。測定ボタン242を押すことにより、画像処理を行う指令がデータ処理部205に発信される。やり直すボタン243を押すことにより、使用者に再びインターフェース240に示す顔面から他の分析エリアを選択させる。つまり、最初に分析エリアを選択した後、やり直すボタン243を押すことによって他の分析エリアを選択することができる。やめるボタン244を押すことによって、顔面肌分析装置200の操作が終了される。
【0013】
図7はインターフェース240の他の実施形態を示す図である。図7に示す情報提示部245は図6に示す情報提示部245よりも大きい。本実施形態において、データ処理部205は顔面肌の分析結果をインターフェース240に転送し、分析結果として、肌荒れと皺の情報が表示される。図7に示すように、インターフェース240の情報提示部245は、グラフで顔面肌の分析結果を示す表示欄249Aと、文字で顔面肌の分析結果および次の操作手順を示す詳細情報欄249Bとを有する。
【0014】
図8は本発明に係る顔面肌分析装置の分析フローチャートである。図8に示すように、この分析フローチャートはいくつのステップを有する。ステップ401(写真前置処理)において、画像取得部210が取得した画像資料をデータ処理部205に転送して、画像資料に基づいてグレイ階調画像資料を生成する。また、データ処理部205は画像資料とグレイ階調画像資料を記録部206に記録させる。ステップ402(分析エリア選択)において、画像資料から分析したいエリアを選択する。ステップ403(確認提示)において、選択された分析エリアで分析を行うかを、使用者に確認を求め、いいえの場合は、ステップ402に戻り、はいの場合は、顔面肌分析装置200がステップ404に進める。ステップ404において、データ処理部205が記録部206からグレイ階調画像資料にアクセスして、四角の枠の位置に対応したグレイ階調画像資料を分析し、顔面肌の分析結果を表示部220のインターフェース240に表示する。顔面肌の分析結果が表示部220に表示された後に、他の分析エリアを選択するか、または前のページに戻るかを使用者に提示する。
【0015】
本発明に係る顔面肌分析装置200による顔面肌分析は、下記のように行われる。
まず、前記画像資料は、R、G、B三色によって構成され、グレイ階調画像資料は、下記の数式によって計算される。
【0016】
【数1】

次に、分析エリアRROIを選択して、下記3×3水平Mask_iと垂直Mask_jのソーベルの演算子によって計算される。
【0017】
【数2】

また、ソーベルの演算子をたたみ込みをとって水平方向と垂直方向の勾配Gx、Gyを得ることができ、画像勾配Gを算出することができる。
【0018】
【数3】

【0019】
【数4】

また、肌荒れに関する閾値TH及び皺に関する閾値THを下記のように定義される。
【0020】
THはa1<TH<a2(a1、a2は正の整数)の範囲に定義される。
THはb1<TH<b2(b1、b2は正の整数)の範囲に定義される。
また、密度パラメータDは勾配強度がTHまたはTHの画素総数/分析エリア内の画素総数となる0と1の間の小数に定義される。詳細に、密度パラメータDは勾配強度がTHの画素総数/分析エリア内の画素総数に定義され、da1<D<da2(da1、da2は0と1の間の小数)の範囲に定義される。また、密度パラメータDBは勾配強度がTHBの画素総数/分析エリア内の画素総数に定義され、db1<D<db2(db1、db2は0と1の間の小数))の範囲に定義される。
そして、肌荒れの量化標準MはD×Gに定義され、Mの値が高いほど肌荒れが深刻になる。また、皺の量化標準MはD×Gに定義され、Mの値が高いほど皺が深刻になる。これによって、顔面肌を測定して分析する。
【0021】
好ましい実施形態において、表示部220は、リアルタイムで顔面肌の分析結果をインターフェース240でグラフの形で表示する。また、顔面肌分析装置200に音声出力手段(図示せず)が設けられ、前記分析結果を音声で出力することができる。また、本実施形態において、前記分析結果は、顔面画像と、撮影時間と、肌荒れと、皺との情報が含まれ、記録部206に記録されるが、他の実施形態において、有線及び無線のネットウォーク(例えばインターネット)を介して、クラウドデータベースに転送され、記録されてもよい。
【符号の説明】
【0022】
200…顔面肌分析装置、205…データ処理部、206…記録部、210…画像取得部、220…表示部、230…キーボード、242…測定ボタン、243…やり直すボタン、244…やめるボタン、245…情報提示部、246…画像部、247…GUI、248…所定エリア、249A…表示欄、249B…詳細情報欄。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔面肌分析装置であって、
取得した画像を画像資料として出力する画像取得部と、
前記画像資料を記録する記録部と、
前記画像資料を表示する表示部と、
前記画像取得部及び前記表示部に接続され、前記画像資料を、グレイ階調画像資料に変換して前記記録部に記録させるデータ処理部と、
インターフェースとを備え、
前記データ処理部が前記インターフェースから、表示部に表示される画像資料から所定のエリアを選択する指令を受信して、前記グレイ階調画像資料によって前記エリアに関する肌荒れと皺の情報を含む顔面肌の分析結果を出力する顔面肌分析装置。
【請求項2】
前記分析結果を音声で出力する音声出力手段を備える請求項1に記載の顔面肌分析装置。
【請求項3】
前記表示部はタッチパネルである請求項1に記載の顔面肌分析装置。
【請求項4】
前記インターフェースは、キーボード、少なくとも一つのボタン、またはタッチパネルである請求項1に記載の顔面肌分析装置。
【請求項5】
前記分析結果は表示部に表示される請求項1に記載の顔面肌分析装置。
【請求項6】
前記画像資料及びグレイ階調画像資料は、序列によって配列された一連の静止画像である請求項1に記載の顔面肌分析装置。
【請求項7】
前記インターフェースは、情報提示部と、画像部と、GUIとを含む請求項1に記載の顔面肌分析装置。
【請求項8】
前記分析結果に、顔面画像と、撮影時間と、肌荒れと、皺との情報が含まれる請求項1に記載の顔面肌分析装置。
【請求項9】
前記記録部は、フレッシュメモリまたはクラウドデータベースである請求項1に記載の顔面肌分析装置。
【請求項10】
少なくとも、携帯電話、PDA、タブレットコンピュータ、ディジタルカメラに内蔵される請求項1に記載の顔面肌分析装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−232128(P2012−232128A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−102663(P2012−102663)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【出願人】(507420950)財團法人國家実驗研究院 (3)
【Fターム(参考)】