説明

顕微鏡で使用するための、光反射が最小化された、均一な光の強さで照射するための装置

本発明は、反射型顕微鏡で使用するための、光反射が最小化された、均一な光の強さで照射するための装置に関している。均一に放射する光源(1)を有しており、該光源(1)には、放射方向で後続して設けられた、焦点距離が短い焦点距離fの組合せレンズ(2)が設けられており、焦点距離fは、光源(1)が無限遠で結像されるように調整されており、組合せレンズ(2)の後ろ側の焦点面には、矩形の絞り開口(3)が使用されており、後ろ側の焦点面には、組合せレンズ(2)のフーリエ面が位置しており、焦点距離fの別のレンズ(4)によって、矩形の絞り開口(3)が顕微鏡(9)の中間像面(6)上に結像され、且つ、別のレンズ(4)の後ろ側の焦点面に、円形の絞り(5)が設けられており、焦点距離fの別のレンズ(4)によって、光源(1)がシャープに結像される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡で使用するための、光反射が最小化された、均一な光の強さで照射するための装置及び方法に関する。
【0002】
ここで説明する方法は、反射型顕微鏡で、高い光収量の照射ビームを適切に成形し、且つ、照射開口を顕微鏡対物レンズの入射瞳に適合させるために使われる。本発明を用いると、比較的光が弱い光源に用いることができる新たな手段を提供することができるようになる。殊に、LED光源を、非常に光が弱いと見なされている共焦点顕微鏡に用いることが、本発明により可能となる。内部の光反射の影響が、適切な絞りの配置によって著しく低減される。
【0003】
図面:
図1は、均一な像照射用光ビームを所定の面上に成形するための原理を示す図、
図2は、瞳の結像のための原理を示す図である。
【0004】
図1は、照射強度の損失が最小で、且つ、光の反射像形成が最小の顕微鏡に使用するための、中間像の照射を均一化するための原理を示す。使用されている顕微鏡対物レンズの入射瞳に達することができない光は、光反射を除去するために、既に適切な組合せの絞りによって減弱されている。光源として、このような場合には、一般性(Allgemeinheit)を制限せずにLED(1)を使用する必要がある。この光源は、できる限り、ランベルト放射源として構成して、できる限り均一に放射する必要がある。従って、LEDのエミッタが無限遠で結像され、つまり、組合せレンズの焦点であるように調整された、焦点距離fの(例えば、f=10−15mm)のできる限り短い焦点距離の組合せレンズ(2)が用いられる。エミッタが無限遠でシャープに結像することができればできるほど、後述のように、不特定の光反射による問題は一層小さくなる。矩形の絞り開口(3)が、組合せレンズの後ろ側の焦点面に使用される。この開口は、完全に照射される必要があり、可能な別の絞りによって部分的に陰影が生じてはならない。この面に、組合せレンズ(2)のフーリエ面が位置しており、そのために、照射が、ここでは、放射された光強度の角度を配分すること(Winkelverteilung)によって定められる。ビームプロフィルのランベルト特性によって、この位置で、絞りの非常に均一な照射が達成される。この絞りは、焦点距離f(例えば、f =50mm)の別のレンズ(4)を用いて顕微鏡内の中間像面(6)上に結像される。それにより、中間像面は、均一に照射される。円形の絞り(5)が、レンズ(4)の後ろ側の焦点面に使用される。この絞り上に、LED(1)のエミッタがシャープに結像される。エミッタの倍率は、焦点距離比V = f/fに相応する。約1mm(ハイパワーLED)のエミッタの大きさ場合、これは、提案している焦点距離で、約4−5mmの直径の絞り(5)の照射である。顕微鏡での光収量を高めるために、絞りは、できる限り小さな大きさにする必要がある。照射された中間像(6)の所望の対角線と、矩形絞り(3)の対角線との商から、レンズ(4)を用いて達成すべき倍率V=b/gが算出される。その際、bは、中間像面(6)とレンズ(4)との距離であり、gは、矩形絞り(3)とレンズ(4)との距離である。つまり、中間像が、11.3mmの絞りの対角線の場合に、22.6mmの対角線である場合、倍率V=2、つまり、b=2・gが得られ、ここで、g=1.5・f及びb=3・fである。開口絞り(5)と中間像(6)との距離は、d=b−f=2・fで算出される。
【0005】
図2は、顕微鏡対物レンズによって照射される反射光式顕微鏡乃至共焦点式顕微鏡の典型的なビーム路を示す。ここで、図1の開口絞り(5)に相応する開口絞り(5)は、フィールド(視野)レンズ(8)によって、顕微鏡対物レンズ(9)の入射瞳上に結像される。つまり、エミッタの像は、対物レンズの入射瞳上に形成され、対物レンズの後ろ側に角度を配分した像として示され、対物レンズの焦点面の後ろ側で初めて明らかに可視となる。試料の照射は、例えば、典型的には共焦点フィルタディスクが設けられる中間像面(6)内での照射に相応する。検出分路内では、試料によって反射された光が先ず中間像面(6)上に結像される。中間像面の近傍に位置している、焦点距離fのフィールド(視野)レンズ(8)は、顕微鏡対物レンズの瞳をビームスプリッタを介して結像レンズ(10)の瞳上にフォーカシングする。結像レンズ(10)は、中間像(6)を検出器マトリックス(11)、典型的にはCCDカメラ上に結像する。中間像面と絞り(5)乃至結像レンズ(10)との間に位置している光路は、最大照射を達成するために、同じ長さにする必要がある。
【0006】
例えば、160mmの管の長さの場合、上述の実施例の継続のために、絞り(5)により、最大1.6の倍率が得られる。つまり、5mmの絞りの直径(5)は、照射分路で8mmの瞳の直径に結像され、検出分路内で、再度、スポットの直径でフォーカシングされる。
−1=b−1+g−1で、フィールド(視野)レンズが例えば中間像面内にある場合には、61.5mmの焦点距離が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】均一な像照射用光ビームを所定の面上に成形するための原理を示す図
【図2】瞳の結像のための原理を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射型顕微鏡で使用するための、光反射が最小化された、均一な光の強さで照射するための装置において、
均一に放射する光源(1)を有しており、該光源(1)には、放射方向に後続して設けられた、焦点距離が短い焦点距離fの組合せレンズ(2)が設けられており、前記焦点距離fは、前記光源(1)が無限遠で結像されるように調整されており、前記組合せレンズ(2)の後ろ側の焦点面には、矩形の絞り開口(3)が使用されており、前記後ろ側の焦点面には、前記組合せレンズ(2)のフーリエ面が位置しており、焦点距離fの別のレンズ(4)によって、前記矩形の絞り開口(3)が顕微鏡(9)の中間像面(6)上に結像され、且つ、前記別のレンズ(4)の後ろ側の焦点面に、円形の絞り(5)が設けられており、前記焦点距離fの前記別のレンズ(4)によって、前記光源(1)がシャープに結像されることを特徴とする装置。
【請求項2】
光源は、LEDのエミッタである請求項1記載の装置。
【請求項3】
光源(1)は、ランベルト放射源として構成されている請求項1又は2記載の装置。
【請求項4】
円形の絞り(5)と顕微鏡(9)の対物レンズとの間に、フィールド(視野)レンズ(8)が設けられており、前記円形の絞り(5)と中間像面(6)との間に、ビームスプリッタ(7)が設けられており、該ビームスプリッタ(7)を介して、顕微鏡対物レンズの瞳が、焦点距離fの結像レンズ(10)の瞳上に結像され、前記顕微鏡対物レンズの瞳は、前記中間像(6)を、例えば、CCDカメラにすることができる検出器(10)上に結像する請求項1から3迄の何れか1記載の装置。
【請求項5】
中間像面(6)と絞り(5)との間の光路は、前記中間像面(6)と結像レンズ(10)との間の光路に等しい請求項4記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−534694(P2009−534694A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505712(P2009−505712)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000634
【国際公開番号】WO2007/121705
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(301014719)ナノフォーカス アクチエンゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】NanoFocus AG
【住所又は居所原語表記】Lindnerstrasse 98, D−46149 Oberhausen, Germany
【Fターム(参考)】