説明

顧客又は利用者吸引機能を持たせた店舗又は公共施設が発行する整理券

【課題】
銀行、郵便局、証券会社、病院、旅行代理店、調剤薬局、飲食店等の店舗における窓口業務または受付業務において、営業店舗を訪れた顧客を退屈させることのないように配慮した顧客サービスを提供すると共に、顧客の待ち時間を利用して、新しい商品を紹介したり、新しいサービスの内容についてPRするための仕組みを提供し、また公共施設を利用するために訪れた利用者に、当該施設が提供するサービスを知ってもらうことによって当該施設に理解を深めてもらうための情報を提供するための仕組みを提供する。
【解決手段】
店舗や公共施設が窓口を訪れた顧客又は利用者の受付を行う際に発行する整理券において、当該整理券に受付番号の他に当該店舗又は公共施設のウェブサイトアドレス情報を記載した2次元バーコードを表示する構成にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行、郵便局、証券会社、病院、旅行代理店、調剤薬局、飲食店等の店舗を訪れた顧客や、公共施設を訪れた利用者に対して発行される整理券に係り、更に詳細には、当該整理券を介して顧客又は利用者を当該店舗又は公共施設のウェブサイトへ誘引するための整理券に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行、郵便局、証券会社、病院、旅行代理店、調剤薬局、飲食店等の営業店舗を訪ずれた顧客や、公共施設を訪れた利用者の受付は、以下のように行われていた。
【0003】
顧客または利用者は、まず、発券機が発券する受付番号が記載された整理券を受領した後、待合場所に配置された座席に腰掛け、前記受付番号が呼び出されるまで待機することになる。そして、受付番号が呼びだされると、自分の持っている整理券に記載された番号と照合し、自分の整理券の番号と一致した場合には、指定された窓口に赴き、その窓口で各種の手続きを行うようになっている。
【0004】
このように整理券を発行して受付順を管理することにより、顧客は窓口の前に並んで待つ必要が無く、待合場所に配置された座席に腰掛けて順番を待てばよいことになる。
【0005】
また、混雑した飲食店等においても、整理券を発行することにより受付順に客席へ案内する方法が想定されるが、このような場合においても、顧客は受付番号が記載された整理券を受け取り、待合場所に配置された座席に腰掛けて順番を待てばよいことになる。しかし、このような方法をとったとしても、顧客は整理券の番号を眺めつつ、待合場所で退屈しながら自分の順番を待たなくてはならなかった。
【0006】
また、各店舗としては、営業店舗を訪ねてくれた顧客を放置しておくだけで、顧客に対して新しい商品を紹介したり、新しいサービスの内容についてPRすることができるチャンスであるにもかかわらず、適切な対応をとらずセールスプロモーションの機会を逃がしていた。また、公共施設の場合には、公共施設を利用するために訪れた利用者に、当該施設が提供するサービスを知ってもらうことによって当該施設に理解を深めてもらう折角の機会を喪失していたことにもなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述したような問題を鑑みなされたものである。即ち、銀行、郵便局、証券会社、病院、旅行代理店、調剤薬局、飲食店等の店舗における窓口業務および受付業務において、営業店舗を訪れた顧客を退屈させることのないように配慮した顧客サービスを提供すると共に、顧客の待ち時間を利用して、新しい商品を紹介したり、新しいサービスの内容についてPRするための仕組みや、公共施設を利用するために訪れた利用者に、当該施設が提供するサービスを知ってもらうことによって当該施設に理解を深めてもらうための情報を提供するために、整理券に顧客又は利用者吸引機能を持たせることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明では、店舗又は公共施設を訪れた顧客又は利用者の受付を行う際に発行する整理券であって、当該整理券に受付番号の他に当該店舗又は公共施設のウェブサイトアドレス情報を記載した2次元バーコードを表示する構成にした。
【0009】
また、請求項2に係る発明では、請求項1に記載した、店舗又は公共施設を訪れた顧客又は利用者の受付を行う際に発行する整理券であって、更に、当該整理券にクイズ、占い、地域情報、くじ、プレゼント、サービスポイント、アミューズメント、生活情報に係る情報の少なくとも一つ以上を記載し、その情報の答え、結果、続きに関する情報は前記2次元バーコードを介して前記店舗又は公共施設のウェブサイトへアクセスすることにより得ることができる旨記載することにより、前記顧客又は利用者に対し、前記店舗又は公共施設のウェブサイトへのアクセスを誘引するような構成とした。
【0010】
更に、請求項3に係る発明では、請求項1または2のいずれかに記載した、店舗又は公共施設を訪れた顧客又は利用者の受付を行う際に発行する整理券であって、前記2次元バーコードとしてQRコード使用した構成の整理券とした。
【発明の効果】
【0011】
店舗又は公共施設が発行する受付整理券を、以上説明したような構成とすることにより、以下に説明するような効果が得られる。
【0012】
即ち、銀行、郵便局、証券会社、病院、旅行代理店、調剤薬局、飲食店等の店舗における窓口業務または受付業務において、待ち時間の間、営業店舗を訪れた顧客を退屈させることのないよう配慮した顧客サービスを提供することができるようになる。
【0013】
また、顧客の待ち時間を利用して、当該店舗が新規に開発した新しい商品を紹介したり、あるいは新しく開始したサービスの内容についてPRするといったセールスプロモーションのための仕組みを提供することが可能となり、店舗が発行する整理券に顧客吸引機能を持たせることができる。
【0014】
また、公共施設の窓口においても、待ち時間の間、利用者を退屈させることのないサービスを提供することができると共に、当該施設が提供するサービスを知ってもらうことによって当該施設に理解を深めてもらうための情報を提供することが可能となり、公共施設が発行する整理券に利用者吸引機能を持たせることもできるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明する。
【0016】
図1は、店舗又は公共施設が発行する受付整理券の実施例の一つを示したものである。当該整理券10には、来店した顧客あるいは公共施設を踊れた利用者の受付番号11が記載されている。この受付番号11は、来店した顧客あるいは公共施設を訪れた利用者の順番に割り当てられる番号であり、一般的にはこの番号順に窓口業務が進められる。また、この整理券には、2次元バーコード12が記載されており、当該2次元バーコードの周囲には、更に「この2次元バーコードから簡単に当店舗または当公共施設のウェブサイトへアクセスすることができます。」という趣旨の案内文13が記載されている。
【0017】
2次元バーコード12としては、現在多数の種類のものが存在しそのいずれを使用してもよいが、その中の一例としてQRコードを例にとり説明する。QRコードは、マトリックス式の2次元バーコードであり、情報を白黒交互のます目(セル)で縦横モザイク状に表示したものである。従来の1次元バーコードに比べ約10倍の情報密度を有しており、より多くの情報を収納できるという特徴を持っている。
【0018】
整理券10にこのQRコードを記載することにより、当該店舗または公共施設のウェブサイト情報、すなわちURL情報を記号化して収納することが可能になる。整理券10を受け取った顧客は、整理券10中に記載されたQRコード12とQRコードについての案内文13を見て、当該ウェブサイトへアクセスしてみようと考えると、顧客が所有するCCDカメラを搭載した携帯電話を使用して当該QRコード12が読み込まれる。読み込まれたQRコード12は一旦携帯電話の記憶部に格納され、予め携帯電話にロードされている解読ソフトによってQRコード12はデコードされ、ウェブアドレスに変換される。携帯電話に予め組み込まれた所定の制御プログラムによって、ブラウザ機能が起動され、前記ウェブアドレスを用いてインターネットを介して所定のウェブサイト(この場合には当該店舗又は公共施設のウェブサイトになるが)へ自動的にアクセスすることになる。
【0019】
QRコードを介してアクセスしたウェブサイトには、当該店舗が新規に開発した新しい商品を紹介したり、あるいは新しく開始したサービスの内容についてPRするといったセールスプロモーションのための仕組みを設けておき、顧客の選択によってさまざまな情報を提供できるようにしておくことができる。また、公共施設の窓口においても、利用者を退屈させることのないサービスを提供することができると共に、利用者の選択によって、当該施設が提供するサービスを知ってもらうことによって当該施設に理解を深めてもらうための情報を提供できるようにしておくこともできる。
【0020】
また、顧客や利用者の「遊びこころ」を刺激するような仕掛けを多数備えるようにしておくこともできる。たとえば、漫画サイト、懸賞付クイズサイト、癒しの動画サイト、占いサイト、クロスワードサイト等を設け、これらとリンクさせることによって、待ち時間の間、営業店舗や公共施設を訪れた顧客又は利用者を退屈させることのないようにすることができる。
【0021】
図2および3は、店舗や公共施設が発行する受付整理券10の別の実施例を示したものである。これらの整理券10には、上述した実施例と同様に、顧客や利用者の受付番号11が記載されている。また、この整理券には、クイズ(図2参照)、占い、地域情報、くじ(図3参照)、プレゼント、サービスポイント、アミューズメント、生活情報に係る情報の内の、例えば、クイズの問題部分や、プレゼントのアウトラインだけを示した、いわば情報のイントロダクション部分14のみが記載されている。なお、整理券に記載されるこれらの情報は、整理券の発券機に内臓された入力装置を介してマニュアル操作または、オンラインによる操作によって自由に切り替えることができるようにしておくことができる。
【0022】
そして、当該整理券10には上述した実施例の場合と同様、当該店舗又は当該公共施設のウェブサイト情報、すなわちURL情報を記号化して収納したQRコード12が記載されている。
【0023】
更に、当該整理券のQRコード周辺には、「上記クイズ、占い、地域情報、くじ、プレゼント、サービスポイント、アミューズメント、生活情報に係る情報の答え、結果、続きに関する情報は前記QRコードを介して当該店舗又は公共施設のウェブサイトへアクセスすることにより得ることができます。」という趣旨の案内文13が記載されている。
【0024】
整理券10を受け取った顧客は、整理券10中に記載されたクイズ、占い、地域情報、くじ、プレゼント、サービスポイント、アミューズメント、生活情報等のコンテンツを見て興味を覚え、その答えや、結果、または続きを見てみたいと思うようになると共に、QRコード12(2次元バーコード)とQRコードについての案内文13を見て、当該ウェブサイトへ誘引されることになる。この場合においても、上述した実施例の場合と同様に、顧客又は利用者が所有するCCDカメラを搭載した携帯電話を使用して当該QRコードを読み込み、予め携帯電話にロードされている解読ソフトによって所定のウェブサイト(この場合には当該店舗又は公共施設のウェブサイトになるが)へ自動的にアクセスすることになる。
【0025】
この実施例の場合には、当該店舗又は公共施設のウェブサイトには、整理券10中に記載されたクイズ、占い、地域情報、くじ、プレゼント、サービスポイント、アミューズメント、生活情報等の答えや、結果、または続きを網羅したサイトを準備しておくことができる。また、この店舗のウェブサイトには、ここで述べたコンテンツにリンクした形で当該ウェブサイトに、当該店舗が新規に開発した新しい商品を紹介したり、あるいは新しく開始したサービスの内容についてPRするためのウェブサイトを設けておくようにすることもできる。更に、公共施設のウェブサイトにおいても、上述したコンテンツにリンクさせて当該施設が提供するサービスに係る情報を提供できるようにしておくこともできる。
【0026】
このようにすることによって、当該店舗は、待ち時間の間、営業店舗を訪れた顧客を退屈させることのないよう配慮した顧客サービスを提供することができると共に、顧客の待ち時間を利用して、当該店舗がセールスプロモーションを行うことができるようになる。
【0027】
また、公共施設の窓口においても、待ち時間の間、利用者を退屈させることのないサービスを提供することができると共に、当該施設が提供するサービスを知ってもらうことによって当該施設に理解を深めてもらうための情報を提供することが可能となり、公共施設が発行する整理券に利用者吸引機能を持たせることもできるようになる。
【0028】
更に、このようにウェブサイトへアクセスした顧客または利用者が、当該店舗又は公共施設のウェブサイトのコンテンツに興味を持った場合、自らの携帯電話の「ブックマーク」や「お気に入り」に登録するようになり、顧客又は利用者が店舗又は公共施設から帰った後に再度アクセスする機会も増え、当該店舗のセールスプロモーション活動が自動的に推進されたり、公共施設の案内が自動的に推進されるようになる。その結果、店舗又は公共施設が発行する整理券に顧客又は利用者吸引機能を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、店舗又は公共施設が発行する受付整理券の実施例の一つを示したものである。
【図2】図2は、店舗又は公共施設が発行する受付整理券の別の実施例の一つを示したものである。
【図3】図3は、店舗又は公共施設が発行する受付整理券の更に別の実施例の一つを示したものである。
【符号の説明】
【0030】
10 整理券
11 受付番号
12 2次元バーコード または QRコード
13 案内文
14 情報のイントロダクション部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗又は公共施設を訪れた顧客又は利用者の受付を行う際に発行する整理券であって、当該整理券に受付番号の他に当該店舗又は公共施設のウェブサイトアドレス情報を記載した2次元バーコードを表示していることを特徴とする整理券。
【請求項2】
請求項1に記載の整理券であって、更に、当該整理券にクイズ、占い、地域情報、くじ、プレゼント、サービスポイント、アミューズメント、生活情報に係る情報の少なくとも一つ以上を記載し、その情報の答え、結果、続きに関する情報は前記2次元バーコードを介して前記店舗又は公共施設のウェブサイトへアクセスすることにより得られる旨記載することにより、前記顧客又は利用者に対し、前記店舗又は公共施設のウェブサイトへのアクセスを誘引するようにしたことを特徴とする整理券。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の整理券であって、前記2次元バーコードがQRコードであることを特徴とする整理券。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−44123(P2008−44123A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219241(P2006−219241)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(505111339)
【出願人】(506200315)株式会社システムトラスト研究所 (3)
【Fターム(参考)】