説明

顧客応対支援システムおよび顧客応対支援方法

【課題】異なる複数種類のチャネルを介してなされた顧客応対の内容を集約して蓄積する。
【解決手段】顧客応対支援システム20は、ビデオチャットサーバ22と蓄積サーバ24と要約サーバ26を備える。ビデオチャットサーバ22は、カウンセラーとの対話要求を顧客端末10から受け付けてカウンセラー端末12へ通知し、対話要求においてテキスト対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示すテキストデータを顧客端末10とカウンセラー端末12の間で中継する。蓄積サーバ24は、対話要求において音声対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示す音声データを変換したテキストデータを蓄積する。要約サーバ26は、蓄積サーバ24に蓄積されたテキストデータと、ビデオチャットサーバ22により中継されたテキストデータのそれぞれを要約して蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデータ処理技術に関し、特に、顧客への応対を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客の購買意欲を喚起するために、企業の担当者が顧客応対を適切に行うことは重要である。また、将来の顧客応対において過去の顧客応対の内容を活用するために、過去の顧客応対の内容がデータベース等に蓄積されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−113490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業の担当者と顧客との対話は、異なる複数種類のチャネルを介してなされることがある。例えばテキストによるチャットや、電話による会話によりなされることがある。本発明者は、異なる複数種類のチャネルを介してなされた顧客応対の内容を集約して蓄積するための具体的な方法は、これまで十分に提案されてこなかったと考えた。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、異なる複数種類のチャネルを介してなされた顧客応対の内容を集約して蓄積するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の顧客応対支援システムは、オペレータとの音声による対話サービスである音声対話サービス、または、オペレータとのテキストによる対話サービスであるテキスト対話サービスを指定した対話要求を顧客の端末から受け付ける受付部と、対話要求において音声対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示す音声データをテキストデータへ変換する第1の変換部と、対話要求においてテキスト対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示すテキストデータを顧客の端末とオペレータの端末との間で中継する中継部と、第1の変換部により変換されたテキストデータと、中継部により中継されたテキストデータのそれぞれを要約して蓄積する要約部と、を備える。
【0007】
本発明の別の態様は、顧客応対支援方法である。この方法は、オペレータとの音声による対話サービスである音声対話サービス、または、オペレータとのテキストによる対話サービスであるテキスト対話サービスを指定した対話要求を顧客の端末から受け付けるステップと、対話要求において音声対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示す音声データをテキストデータへ変換するステップと、対話要求においてテキスト対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示すテキストデータを顧客の端末とオペレータの端末との間で中継するステップと、変換するステップにおいて変換されたテキストデータと、中継するステップにおいて中継されたテキストデータのそれぞれを要約して蓄積するステップと、を備える。
【0008】
なお、「オペレータ」とは、少なくとも音声または文字(テキスト)を用いて顧客に対する対話サービスを提供する者であってもよい。また、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、異なる複数種類のチャネルを介してなされた顧客応対の内容を集約して蓄積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態の情報処理システムの構成を示す図である。
【図2】顧客応対画面を示す図である。
【図3】顧客応対要約情報を示す図である。
【図4】図1のカウンセラー端末の機能構成を示すブロック図である。
【図5】顧客応対支援システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】図5のS16のテキスト対話処理を詳細に示すフローチャートである。
【図7】図5のS20の音声対話処理を詳細に示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態におけるカウンセラー端末の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態(以下、「第1実施形態」とも呼ぶ。)の情報処理システムの構成を示す。顧客応対支援システム20は、化粧品会社のカウンセラーによる美容に関するカウンセリングを顧客に提供することを支援する情報処理システムである。顧客端末10は顧客により操作される情報処理装置であり、カウンセラー端末12はカウンセラーにより操作される情報処理装置である。図1の各装置はLAN・WAN・インターネット等を含む通信網を介して接続される。
【0012】
顧客応対支援システム20は、2種類のカウンセリングサービスの提供を支援する。第1のカウンセリングサービスは、オペレータとしてのカウンセラー(カウンセリングサービスを提供することを主業務とする者のみならず、商品販売員を主業務とする中で顧客からの相談を受けるような者も含む)との文字による対話サービス(以下、「テキスト対話サービス」とも呼ぶ。)である。具体的には、カウンセラー端末12とのテキストチャットのサービスを顧客端末10へ提供する。第2のカウンセリングサービスは、カウンセラーと顧客との電話を介した音声による対話サービス(以下、「音声対話サービス」とも呼ぶ。)である。なお実施の形態では、音声対話サービスにおいてもテキストチャットを並行して使用できることとする。
【0013】
詳細は後述するが、顧客応対支援システム20は、カウンセラーと顧客との対話内容を要約して蓄積する。テキスト対話サービスでは、カウンセラーと顧客との対話は基本的にテキストチャットを介してなされるため、顧客端末10とカウンセラー端末12の間でやりとりされたテキストデータを要約対象とする。具体的にはビデオチャットサーバ22は顧客端末10〜カウンセラー端末12間で中継したテキストデータを蓄積し、そのテキストデータを要約サーバ26が取得して要約する。テキスト対話サービスでは、カウンセラーによるテキスト入力を支援するために、カウンセラーの発言内容を示す音声データを取り込んでテキストデータへ変換する入力支援処理を実行するが、この音声データは顧客応対支援システム20における要約の対象から除外される。
【0014】
また音声対話サービスでは、カウンセラーと顧客との対話は基本的に電話を介してなされるため、電話での通話内容を示す音声データ、厳密には電話での通話内容を示す音声データを変換したテキストデータを要約対象とする。具体的にはカウンセラー端末12は顧客との対話内容を示す音声データをテキストデータへ変換し、蓄積サーバ24は変換後のテキストデータを蓄積する。要約サーバ26はそのテキストデータを取得して要約する。上述したように音声対話サービスにおいてもテキストチャットを並行して使用可能であるが、顧客端末10とカウンセラー端末12の間でやりとりされたテキストデータは顧客応対支援システム20における要約の対象から除外される。
【0015】
図2は、図1のカウンセラー端末12で表示される顧客応対画面200を示す。顧客応対画面200には、カメラ画像エリア202と、共有コンテンツエリア204と、チャットエリア206と、テキスト入力エリア208と、発言ボタン210と、終了ボタン212を含む。カメラ画像エリア202は、カメラによるカウンセラーの撮像画像を表示する領域である。共有コンテンツエリア204は、カウンセラーと顧客による対話のテーマである美容のアドバイスや化粧品の使い方等をビジュアルに説明するためのコンテンツであり、カウンセラーにより編集可能なコンテンツの画像を表示する領域である。
【0016】
図2のチャットエリア206は、カウンセラーと顧客とによりなされるテキストチャットの内容を表示する領域である。テキスト入力エリア208は、チャットエリア206に入力する文字列を編集する領域である。発言ボタン210は、テキスト入力エリア208の文字列をチャットエリア206へ転記させるボタンオブジェクトである。また発言ボタン210の押下は、テキスト入力エリア208の文字列を顧客端末10に転送して表示させる契機ともなる。終了ボタン212は、カウンセリングの終了時にカウンセラーにより押下されるボタンオブジェクトである。
【0017】
顧客応対画面200は、テキスト対話サービスと音声対話サービスの両方においてカウンセラー端末12に表示される。また図1の顧客端末10には、顧客応対画面200に対応するサービス利用画面が表示される。このサービス利用画面には、図2のカメラ画像エリア202、共有コンテンツエリア204、チャットエリア206、テキスト入力エリア208、および発言ボタン210が含まれる。カメラ画像エリア202、共有コンテンツエリア204、およびチャットエリア206の表示内容は、顧客応対画面200とサービス利用画面で同じであり、いわばカウンセラーと顧客の間で共有される。
【0018】
図1に戻り、顧客応対支援システム20は、カウンセラー端末12と、ビデオチャットサーバ22と、蓄積サーバ24と、要約サーバ26と、応対履歴DB28を含む。また図1は、顧客応対支援システム20に含まれる各サーバの機能構成を示すブロック図でもある。
【0019】
本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。例えば図1の機能ブロックは、コンピュータプログラムとして各サーバのストレージへインストールされてもよい。そして、各機能ブロックに対応するプログラムモジュールが各サーバのメインメモリに読み出されてCPUにより実行されてもよい。また各保持部はメインメモリやストレージにより実現されてもよい。サーバは当該サーバが行う処理を行うための専用のPCに設けられるもの限定されず、クラウドコンピューティングのような仮想化されたコンピュータシステム上に構築されるサーバ環境も含む。
【0020】
図1のビデオチャットサーバ22は、顧客とカウンセラーとの間で行われる対話内容を示すデータ、第1実施形態ではテキストデータや画像データを顧客端末10とカウンセラー端末12との間で中継する情報処理装置である。ビデオチャットサーバ22は、対話要求受付部30と、対話指示通知部32と、データ転送部34と、第1転送データ保持部36と、第2転送データ保持部38を含む。なおビデオチャットサーバ22は、ウェブサーバの機能を備えてもよく、顧客端末10およびカウンセラー端末12とHTTP通信を介してデータを送受してもよい。
【0021】
対話要求受付部30は、テキスト対話サービスもしくは音声対話サービスを指定した対話要求を顧客端末10から受け付ける。対話指示通知部32は、対話要求受付部30において対話要求が受け付けられた場合、テキスト対話サービスもしくは音声対話サービスを指定した対話開始指示をカウンセラー端末12へ通知する。データ転送部34は、カウンセラー端末12から送信されたテキストデータや画像データを受け付けて顧客端末10へ転送する。また、顧客端末10から送信されたテキストデータを受け付けてカウンセラー端末12へ転送する。
【0022】
第1転送データ保持部36および第2転送データ保持部38は、顧客とカウンセラーとの対話内容を示すデータを保持する記憶領域である。第1転送データ保持部36は、顧客端末10〜カウンセラー端末12間のテキストチャットにおいてそれぞれの端末で入力された要約対象のテキストデータを保持する。第2転送データ保持部38は、顧客端末10〜カウンセラー端末12間のテキストチャットにおいてそれぞれの端末で入力されたテキストデータであり、要約対象にならないテキストデータを保持する。すなわち、第1転送データ保持部36に格納されたテキストデータは要約サーバ26により取得されるが、第2転送データ保持部38に格納されたテキストデータは要約サーバ26による取得対象にはならない。第2転送データ保持部38は、音声対話サービスにおける顧客とカウンセラーとの対話内容を示す証左物としてテキストデータを蓄積する。
【0023】
対話要求においてテキスト対話サービスが指定された場合、データ転送部34は、顧客端末10〜カウンセラー端末12間で転送したテキストデータを、テキスト対話サービスが開始されてからの経過時間を示すデータとともに第1転送データ保持部36へ格納する。対話要求において音声対話サービスが指定された場合も、データ転送部34は、顧客端末10〜カウンセラー端末12間でテキストデータを転送するが、転送したテキストデータは第2転送データ保持部38へ格納する。
【0024】
図1の蓄積サーバ24は、顧客とカウンセラーとの対話内容を示す音声データおよびテキストデータを蓄積する。蓄積サーバ24は、通話データ受付部40と、テキストデータ保持部42と、音声データ保持部44を含む。
【0025】
通話データ受付部40は、音声対話サービスの終了時にカウンセラー端末12から送信された音声データおよびテキストデータを受け付ける。この音声データおよびテキストデータのそれぞれは音声対話サービスにおいて顧客とカウンセラーとの間で行われた対話内容、言い換えれば、電話での通話内容を示すデータである。通話データ受付部40は、カウンセラー端末12から取得したテキストデータをテキストデータ保持部42へ格納し、カウンセラー端末12から取得した音声データを音声データ保持部44へ格納する。
【0026】
ここで、テキストデータ保持部42に保持されたテキストデータは顧客応対支援システム20における要約対象となり、言い換えれば、要約サーバ26により取得される。その一方、音声データ保持部44に保持された音声データは顧客応対支援システム20における要約対象にはならず、言い換えれば、要約サーバ26による取得対象にはならない。音声データ保持部44は、音声対話サービスにおける顧客とカウンセラーとの対話内容を示す証左物として音声データを蓄積する。
【0027】
図1の要約サーバ26は、顧客とカウンセラーとの対話内容を示すテキストデータを要約して蓄積する。要約サーバ26は、テキストデータ取得部50と、要約処理部52と、要約データ保持部54と、要約データ提供部56と、応対履歴更新部58を含む。
【0028】
テキストデータ取得部50は、ビデオチャットサーバ22の第1転送データ保持部36に保持されたテキストデータを定期的に取得する。テキストデータ取得部50はまた、蓄積サーバ24のテキストデータ保持部42に保持されたテキストデータを定期的に取得する。要約処理部52は、テキストデータ取得部50により取得されたテキストデータを所定のアルゴリズムにしたがって要約する。テキストデータの要約機能は、株式会社野村総合研究所が提供するソフトウェアである「TRUE TELLER(登録商標) VOICEダイジェスト」により実現されてもよい。要約処理部52は要約した結果のデータ(以下、「顧客応対要約情報」とも呼ぶ。)を要約データ保持部54へ格納する。
【0029】
図3は、顧客応対要約情報を示す。同図は、音声対話サービスにおける顧客応対要約情報を示しており、対話内容エリア220には顧客とカウンセラーとの通話内容が設定される。例えば、蓄積サーバ24から取得されたテキストデータの内容であってもよい。テキスト対話サービスにおける顧客応対要約情報の場合、対話内容エリア220には顧客とカウンセラーとのテキストチャットの内容が設定される。例えば、ビデオチャットサーバ22から取得されたテキストデータの内容であってもよい。要約内容エリア222には対話内容エリア220のテキストデータに対する要約結果が設定される。具体的には、要約処理部52は、対話内容エリア220の情報から、顧客の用件やカウンセラーによる対応、顧客に関する属性情報(コンタクト情報)を抽出して要約内容エリア222へ設定する。
【0030】
図1に戻り、要約データ提供部56は、顧客応対要約情報の確認要求をカウンセラー端末12から受け付け、顧客応対要約情報を含む顧客応対要約情報の編集画面のデータをカウンセラー端末12へ送信して表示させる。応対履歴更新部58は、顧客応対要約情報の編集画面において編集終了が指示された際に、編集画面に表示された編集後の顧客応対要約情報をカウンセラー端末12から取得する。そして、編集後の顧客応対要約情報を顧客応対履歴として応対履歴DB28へ格納する。
【0031】
応対履歴DB28は、顧客応対履歴を保持するデータベースである。この顧客応対履歴は、カウンセラーがカウンセリングを行った顧客に対するアドバイスや、化粧品の提案のための文書作成に活用される。顧客応対履歴の形式は、図3で示した顧客応対要約情報と同じであってもよい。
【0032】
図4は、図1のカウンセラー端末12の機能構成を示すブロック図である。まずコンバージャ64は、いわゆる通話録音アダプターであり、電話機本体である電話機60と、マイクおよびヘッドフォンを含むヘッドセット62の間に介在して通話中の音声を取得する。そして、その音声データをUSB経由でカウンセラー端末12へ送信して記録させる。
【0033】
コンバージャ64は、第1サウンドデバイス66と第2サウンドデバイス68を含む。第1サウンドデバイス66は、電話機60からヘッドセット62へ渡される受話データ、言い換えれば、顧客の発言内容を示す音声データを取得してカウンセラー端末12へ送出する。第2サウンドデバイス68は、ヘッドセット62から電話機60へ渡される送話データ、言い換えれば、カウンセラーの発言内容を示す音声データを取得してカウンセラー端末12へ送出する。
【0034】
カウンセラー端末12は、USBインタフェース70と、通話内容記録部72と、入力支援用音声テキスト変換部74と、ビデオチャットプラグイン76と、画像取得部78と、応対画面表示制御部80と、入力情報受付部82と、音声データ転送部84と、要約表示制御部86と、要約更新部88を含む。
【0035】
通話内容記録部72は、顧客とカウンセラーとの電話での通話内容を記録する。通話内容記録部72は、株式会社アドバンスト・メディアが提供するソフトウェアである「AmiVoice(登録商標) Assist」により実現されてもよい。
【0036】
通話内容記録部72は、第1記録部90と第2記録部92と通話データ保持部94と蓄積用音声テキスト変換部96を含む。第1記録部90は、USBインタフェース70を介してコンバージャ64の第1サウンドデバイス66から入力された受話データを、顧客の発言であることを示すデータおよび通話開始からの経過時間を示すデータとともに通話データ保持部94へ記録する。第2記録部92は、USBインタフェース70を介してコンバージャ64の第2サウンドデバイス68から入力された送話データを、カウンセラーの発言であることを示すデータおよび通話開始からの経過時間を示すデータとともに通話データ保持部94へ記録する。
【0037】
蓄積用音声テキスト変換部96は、USBインタフェース70を介してコンバージャ64の第1サウンドデバイス66から入力された受話データを第1記録部90から受け付け、その受話データをテキストデータへ変換する。そして変換後のテキストデータを、顧客の発言であることを示すデータおよび通話開始からの経過時間を示すデータとともに通話データ保持部94へ記録する。また蓄積用音声テキスト変換部96は、USBインタフェース70を介してコンバージャ64の第2サウンドデバイス68から入力された送話データを第2記録部92から受け付け、その送話データをテキストデータへ変換する。そして変換後のテキストデータを、カウンセラーの発言であることを示すデータおよび通話開始からの経過時間を示すデータとともに通話データ保持部94へ記録する。
【0038】
入力支援用音声テキスト変換部74は、コンバージャ64の第2サウンドデバイス68から入力された送話データを取得し、取得した送話データをテキストデータへ変換して応対画面表示制御部80へ渡す。入力支援用音声テキスト変換部74は、株式会社アドバンスト・メディアが提供するソフトウェアである「AmiVoice(登録商標) Ex」により実現されてもよい。
【0039】
入力支援用音声テキスト変換部74は、テキスト対話サービスの指示がビデオチャットサーバ22から受け付けられた場合に音声テキスト変換を実行し、音声対話サービスの指示が受け付けられた場合は音声テキスト変換を実行しない。すなわち入力支援用音声テキスト変換部74は、カウンセラーと顧客との間でテキストチャットが行われる場合に、カウンセラーの発言内容を示すテキストデータを顧客応対画面200へ自動設定することにより、カウンセラーによるテキスト入力の負担を低減する。
【0040】
ビデオチャットプラグイン76は、ビデオチャットサーバ22と通信するクライアントソフトウェアである。ビデオチャットプラグイン76は、ActiveX(登録商標)コントロールにより、ビデオチャットサーバ22からダウンロードされてカウンセラー端末12へインストールされてもよい。ビデオチャットプラグイン76は、テキスト対話サービスもしくは音声対話サービスを指定した対話開始指示を受け付けて応対画面表示制御部80へ渡す。
【0041】
またビデオチャットプラグイン76は、顧客応対画面200の共有コンテンツエリア204のコンテンツの画像データをビデオチャットサーバ22へ送信することにより、その画像データを顧客端末10へ中継させる。また、顧客応対画面200のチャットエリア206に対してカウンセラーの発言内容として設定されたテキストデータをビデオチャットサーバ22へ送信することにより、そのテキストデータを顧客端末10へ中継させる。また、画像取得部78から提供された画像データをビデオチャットサーバ22へ送信することにより、その画像データを顧客端末10へ中継させる。また顧客端末10においてサービス利用画面に入力されたテキストデータをビデオチャットサーバ22から取得し、そのテキストデータを応対画面表示制御部80へ渡す。
【0042】
画像取得部78は、カメラにより撮像されたカウンセラーの画像を取得して、その画像データを応対画面表示制御部80およびビデオチャットプラグイン76へ渡す。
【0043】
応対画面表示制御部80は、ビデオチャットプラグイン76において対話開始指示が受け付けられた場合、顧客応対画面200のデータをディスプレイへ出力して、顧客応対画面200の表示内容の制御を開始する。応対画面表示制御部80はウェブブラウザにより実現されてもよい。
【0044】
応対画面表示制御部80は、入力支援用音声テキスト変換部74から提供されたテキストデータを顧客応対画面200のテキスト入力エリア208へ設定する。またビデオチャットプラグイン76から提供されたテキストデータを、顧客の発言内容としてチャットエリア206へ設定する。また画像取得部78から提供された画像データを顧客応対画面200のカメラ画像エリア202へ設定する。
【0045】
応対画面表示制御部80は、入力情報受付部82から提供された共有コンテンツエリア204における操作内容にしたがって共有コンテンツエリア204のコンテンツを設定し、またその画像データをビデオチャットプラグイン76へ渡す。また、入力情報受付部82から提供されたテキスト入力エリア208への入力データをテキスト入力エリア208へ設定する。また顧客応対画面200の発言ボタン210が押下された旨が入力情報受付部82から通知されると、テキスト入力エリア208のテキストデータをチャットエリア206へ転記する。それとともに、テキスト入力エリア208のテキストデータをカウンセラーの発言内容としてビデオチャットプラグイン76へ渡す。
【0046】
入力情報受付部82は、キーボードやマウス等の所定の入力デバイスを介してカウンセラーが顧客応対画面200へ入力したデータを取得する。例えば、入力情報受付部82は、顧客応対画面200の共有コンテンツエリア204におけるコンテンツの編集操作を検出して、その操作内容を応対画面表示制御部80へ通知する。
【0047】
また入力情報受付部82は、顧客応対画面200のテキスト入力エリア208に対するテキストの入力を検出して、そのテキストデータを応対画面表示制御部80へ渡す。また顧客応対画面200の発言ボタン210が押下されたことを検出して、その旨を応対画面表示制御部80へ通知する。また顧客応対画面200の終了ボタン212の押下されたことを検出して、その旨を音声データ転送部84へ通知する。
【0048】
音声データ転送部84は、顧客応対画面200の終了ボタン212が押下された旨が入力情報受付部82から通知されると、通話データ保持部94に保持された音声データおよびテキストデータを取得して蓄積サーバ24へ送信する。この音声データとテキストデータのそれぞれには、カウンセラーの発言内容と対話開始からの経過時間、顧客の発言内容と対話開始からの経過時間が含まれる。
【0049】
また入力情報受付部82は、顧客応対要約情報の確認要求をカウンセラーから受け付けて要約表示制御部86へ通知する。要約表示制御部86は、顧客応対要約情報の確認要求を要約サーバ26へ送信し、顧客応対要約情報の編集画面のデータを要約サーバ26から取得してディスプレイに表示させる。また要約表示制御部86は、顧客応対要約情報の編集画面における編集内容を入力情報受付部82を介して取得し、顧客応対要約情報に反映させる。
【0050】
入力情報受付部82は、顧客応対要約情報の編集終了の指示をカウンセラーから受け付けて要約更新部88へ通知する。要約更新部88は、顧客応対要約情報の編集終了の指示が受け付けられた場合、そのときに顧客応対要約情報の編集画面に表示された顧客応対要約情報を要約サーバ26へ送信する。
【0051】
以上の構成による顧客応対支援システム20の動作を以下説明する。
図5は、顧客応対支援システム20の動作を示すフローチャートである。化粧品会社のカウンセラーに対して化粧品に関する質問や美容に関する相談を行いたい顧客は、顧客端末10を操作して顧客応対支援システム20にアクセスし、テキスト対話サービスもしくは音声対話サービスを指定した対話要求を通知する。例えば、顧客端末10のウェブブラウザを操作して、顧客応対支援システム20のウェブサーバに対して対話要求のデータを送信してもよい。顧客端末10から送信されたカウンセラーとの対話要求をビデオチャットサーバ22が受け付けると(S10のY)、ビデオチャットサーバ22は顧客との対話指示をカウンセラー端末12へ通知する(S12)。
【0052】
対話要求でテキスト対話サービスが指定された場合(S14のY)、後述のテキスト対話処理を実行する(S16)。テキスト対話処理が終了すると、要約サーバ26は、ビデオチャットサーバ22から、顧客とカウンセラーの対話内容を示すテキストデータを取得する(S18)。対話要求で音声対話サービスが指定された場合(S14のN)、後述の音声対話処理を実行する(S20)。音声対話処理が終了すると、蓄積サーバ24は、顧客とカウンセラーの対話内容を示すテキストデータおよび音声データをカウンセラー端末12から取得して蓄積する(S22)。要約サーバ26は、蓄積サーバ24から、顧客とカウンセラーの対話内容を示すテキストデータを取得する(S24)。
【0053】
要約サーバ26は、ビデオチャットサーバ22から取得したテキストデータと蓄積サーバ24から取得したテキストデータのそれぞれを要約して、顧客とカウンセラーの対話内容を要約した要約データを蓄積する(S26)。対話要求でテキスト対話サービスが指定された場合は前者のテキストデータを要約し、対話要求で音声対話サービスが指定された場合は後者のテキストデータを要約することになる。ビデオチャットサーバ22が対話要求を受け付けなければ(S10のN)、S12〜S26をスキップする。要約サーバ26は、要約データの確認要求をカウンセラー端末12から受け付けると(S28のY)、要約データを編集可能な編集画面のデータをカウンセラー端末12へ提供して表示させる。要約サーバ26は、カウンセラーによる編集後の要約データを顧客応対履歴として応対履歴DB28へ格納する(S30)。要約データの確認要求を受け付けなければ(S28のN)、S30をスキップする。
【0054】
図6は、図5のS16のテキスト対話処理を詳細に示すフローチャートである。まずカウンセラー端末12は、ビデオチャットサーバ22から対話要求を受け付けると、顧客応対画面200を表示させる。カウンセラー端末12において音声入力、すなわちカウンセラーによる発言を検出すると(S40のY)、カウンセラー端末12の入力支援用音声テキスト変換部74は、その音声データをテキストデータへ変換して顧客応対画面200のテキスト入力エリア208へ表示させる(S42)。テキスト入力エリア208に自動設定されたテキストデータはカウンセラーにより適宜編集される。カウンセラー端末12において音声入力がなければ(S40のN)、S42はスキップされる。なお入力支援用音声テキスト変換部74による変換対象となる音声データは、カウンセラー端末12から外部の装置へ提供されず、すなわちビデオチャットサーバ22の中継対象にならず、蓄積サーバ24の蓄積対象にもならないため、要約サーバ26の要約対象から除外される。
【0055】
カウンセラー端末12において、顧客応対画面200のチャットエリア206へのテキスト入力、すなわち発言ボタン210の押下を検出すると(S44のY)、カウンセラー端末12はチャットエリア206へ入力されたテキストデータをビデオチャットサーバ22へ送信する。ビデオチャットサーバ22は、そのテキストデータを顧客端末10へ転送し(S46)、またそのテキストデータを第1転送データ保持部36に蓄積する(S48)。カウンセラー端末12においてチャットエリア206へのテキスト入力がなければ(S44のN)、S46およびS48をスキップする。顧客端末10において、サービス利用画面のチャットエリアへのテキスト入力を検出すると(S50のY)、顧客端末10はチャットエリアへ入力されたテキストデータをビデオチャットサーバ22へ送信する。ビデオチャットサーバ22は、そのテキストデータをカウンセラー端末12へ転送し(S52)、またそのテキストデータを第1転送データ保持部36に蓄積する(S54)。顧客端末10において、サービス利用画面のチャットエリアへのテキスト入力がなければ(S50のN)、S52およびS54をスキップする。
【0056】
カウンセラー端末12においてテキスト対話サービスの終了を検出すると、すなわち顧客応対画面200の終了ボタン212の押下を検出すると(S56のY)、所定の終了処理を実行する(S58)。例えば、テキスト対話サービスが終了した旨をカウンセラー端末12がビデオチャットサーバ22へ通知し、ビデオチャットサーバ22はそれまで中継したテキストデータを、要約サーバ26による取得対象となる態様で第1転送データ保持部36に格納してもよい。またビデオチャットサーバ22は、テキスト対話サービスが終了した旨がカウンセラー端末12から通知されたことを契機として、それまで中継したテキストデータを第1転送データ保持部36へ格納してもよい。テキスト対話サービスの終了を未検出であれば(S56のN)、S40へ戻る。
【0057】
図7は、図5のS20の音声対話処理を詳細に示すフローチャートである。まずカウンセラー端末12は、ビデオチャットサーバ22から対話要求を受け付けると、顧客応対画面200を表示させる。カウンセラーは応対要求元の顧客に対して電話をかけて顧客との対話を開始する。この場合、顧客とカウンセラーとの対話内容を示す音声データは、PSTN(Public Switched Telephone Networks)網やIP電話網を介して、顧客側の電話機とカウンセラー側の電話機で送受される。
【0058】
カウンセラー端末12において、顧客応対画面200のチャットエリア206へのテキスト入力を検出すると(S60のY)、カウンセラー端末12はチャットエリア206へ入力されたテキストデータをビデオチャットサーバ22へ送信する。ビデオチャットサーバ22は、そのテキストデータを顧客端末10へ転送し(S62)、またそのテキストデータを第2転送データ保持部38に蓄積する(S64)。カウンセラー端末12においてチャットエリア206へのテキスト入力がなければ(S60のN)、S62およびS64をスキップする。顧客端末10において、サービス利用画面のチャットエリアへのテキスト入力を検出すると(S66のY)、顧客端末10はチャットエリアへ入力されたテキストデータをビデオチャットサーバ22へ送信する。ビデオチャットサーバ22は、そのテキストデータをカウンセラー端末12へ転送し(S68)、またそのテキストデータを第2転送データ保持部38に蓄積する(S70)。顧客端末10において、サービス利用画面のチャットエリアへのテキスト入力がなければ(S66のN)、S68およびS70をスキップする。既述したように、第2転送データ保持部38に蓄積されたテキストデータは、要約サーバ26の要約対象から除外される。
【0059】
カウンセラーの電話機60〜ヘッドセット62間で受話データ・送話データが送受された場合(S72のY)、カウンセラー端末12の通話内容記録部72はコンバージャ64を介して受話データ・送話データを取得して保存する(S74)。さらに通話内容記録部72の蓄積用音声テキスト変換部96は、受話データと送話データのそれぞれをテキストデータへ変換して保存する(S76)。カウンセラーの電話機60〜ヘッドセット62間で受話データ・送話データの送受がなければ(S72のN)、S74およびS76をスキップする。カウンセラー端末12において音声対話サービスの終了を検出すると、すなわち顧客応対画面200の終了ボタン212の押下を検出すると(S78のY)、カウンセラー端末12は保存した音声データおよびテキストデータを蓄積サーバ24へ送信する(S80)。音声対話サービスの終了を未検出であれば(S78のN)、S60へ戻る。
【0060】
なお図6および図7には不図示であるが、カウンセラー端末12はカウンセラーの撮像画像や、共有コンテンツエリア204の画像をさらに取得してビデオチャットサーバ22へ送信する。ビデオチャットサーバ22は、カウンセラーの撮像画像や、共有コンテンツエリア204の画像を顧客端末10へ転送して、顧客端末10のサービス利用画面で表示させる。
【0061】
第1実施形態の顧客応対支援システム20によれば、顧客による選択が可能な複数種類のチャネル(テキストもしくは音声)を介したカウンセラーとの対話サービスを顧客へ提供できる。また、複数種類のチャネルを介してなされた顧客応対の内容を、共通の形式の顧客応対要約情報および顧客応対履歴として一元的に集約して蓄積する。これにより、顧客応対要約情報や顧客応対履歴を、企業における各種の顧客サービスに活用することが容易になる。例えば、顧客応対要約情報や顧客応対履歴の利用者は、顧客との対話チャネルがテキストであるか音声であるかを意識することなく参照することができる。また、顧客応対の内容を記録したテキストデータから顧客応対要約情報を自動的に作成して、その内容をカウンセラーに確認させることにより、カウンセラーの負担を軽減しつつ、正確な顧客応対履歴を蓄積することができる。
【0062】
また顧客応対支援システム20によれば、音声対話サービスにおいては顧客とカウンセラーとの音声による会話が基本であるため、顧客とカウンセラーによるテキストチャットの内容を要約対象から除外する。これにより、音声による会話の内容とテキストチャットの内容が時系列で混在することがなく、適切な顧客応対要約情報を作成しやすくなる。
【0063】
また顧客応対支援システム20によれば、テキスト対話サービスにおいては顧客とカウンセラーとのテキストチャットが基本であるため、カウンセラーによる発言内容を示す音声データをテキストデータ変換して入力支援を行う一方で、その音声データを要約対象から除外する。これにより、音声による発言の内容とテキストチャットの内容が時系列で混在することがなく、適切な顧客応対要約情報を作成しやすくなる。
【0064】
(第2の実施の形態)
上記の第1実施形態では、カウンセラーと対話するための複数種類のチャネルとして、テキストチャットと電話による会話を提供することとした。第2の実施の形態(以下、「第2実施形態」とも呼ぶ。)では、カウンセラーとのテレビ電話による対話のチャネルを、「テレビ電話対話サービス」としてさらに提供する。
【0065】
第2実施形態のシステム構成は、図1に示す第1実施形態のシステム構成と同様である。以下、第1実施形態と同じ構成は説明を省略して異なる点を説明する。
【0066】
ビデオチャットサーバ22の対話要求受付部30は、テキスト対話サービス、音声対話サービス、もしくはテレビ電話対話サービスを指定した対話要求を顧客端末10から受け付け、対話指示通知部32はその対話要求をカウンセラー端末12へ通知する。ビデオチャットサーバ22のデータ転送部34は、対話要求においてテレビ電話対話サービスが指定された場合、カウンセラー端末12から受け付けたテキストチャットのデータ、カウンセラーの撮像画像、共有コンテンツエリア204の画像、およびカウンセラーの発言内容を示す音声データを顧客端末10へ中継する。さらに、顧客端末10から受け付けたテキストチャットのデータ、顧客端末10で撮像された顧客の撮像画像、および顧客の発言内容を示す音声データをカウンセラー端末12へ中継する。
【0067】
図8は、第2実施形態におけるカウンセラー端末12の機能構成を示すブロック図である。カウンセラー端末12は、図4の構成に加えて、再生用サウンドデバイス100とヘッドフォン端子102と、マイク端子104と、録音用サウンドデバイス106をさらに含む。また、カウンセラー端末12の外部に分岐コネクタ110と集約コネクタ112が設けられる。分岐コネクタ110は、単一の端子から入力された音声データをLチャネルおよびRチャネルに分岐して出力する公知のコネクタであってもよい。集約コネクタ112は、LチャネルおよびRチャネルのそれぞれから入力された音声データを単一の端子から出力する公知のコネクタであってもよい。
【0068】
図8では図示しないが、カウンセラー端末12は、図4で示す音声対話サービスを提供するための構成、すなわち電話機60、コンバージャ64、USBインタフェース70をさらに含んでもよいことはもちろんである。以下では、テレビ電話対話サービスに特有の構成を説明する。
【0069】
ビデオチャットプラグイン76は、ビデオチャットサーバ22から受け付けたテキストデータおよび画像データを応対画面表示制御部80へ渡して顧客応対画面200に表示させる。また、ビデオチャットサーバ22から受け付けた音声データを再生用サウンドデバイス100に渡してヘッドフォン端子102を介してヘッドセット62で再生させる。また、ヘッドセット62へ入力されたカウンセラーの発言内容を示す音声データをマイク端子104を介して録音用サウンドデバイス106が受け付けてビデオチャットプラグイン76に渡す。ビデオチャットプラグイン76はその音声データをビデオチャットサーバ22へ送信して顧客端末10へ中継させる。
【0070】
ここで、対話要求においてテレビ電話対話サービスが指定された場合、顧客とカウンセラーとの対話内容は、対話要求において音声対話サービスが指定された場合と同様の方式で要約される。すなわち、カウンセラー端末12の通話内容記録部72は顧客とカウンセラーの対話内容を示す音声データおよびテキストデータを記録する。そして、テレビ電話対話サービスの終了を契機として音声データ転送部84はその音声データおよびテキストデータを蓄積サーバ24へ送信する。
【0071】
カウンセラーの発言内容を示す音声データを記録する場合は、ヘッドセット62に入力された音声データを録音用サウンドデバイス106が受け付けて、録音用サウンドデバイス106がその音声データを第2記録部92へ渡せばよい。その一方、ビデオチャットサーバ22から受け付けられた音声データ、すなわち顧客の発言内容を示す音声データを記録する方式としては、その音声データを再生用サウンドデバイス100から第1記録部90へ直接渡して記録させることも考えられる。しかし、カウンセラー端末12ではデジタルコンテンツ保護の観点から、再生用サウンドデバイス100から第1記録部90へ音声データを直接渡すことが禁止される。そのため、第2実施形態では顧客の発言内容を示す音声データを以下の方式で記録する。
【0072】
すなわち、分岐コネクタ110は、ヘッドフォン端子102を介して再生用サウンドデバイス100から受け付けた音声データをLチャネルとRチャネルの両方から出力する。Rチャネルで出力された音声データはヘッドセット62で再生される一方、Lチャネルで出力された音声データは集約コネクタ112のLチャネルから入力される。集約コネクタ112は、ヘッドセット62に入力されたカウンセラーの発言内容を示す音声データをRチャネルで受け付け、Lチャネルに入力された音声データと、Rチャネルに入力された音声データとを識別可能な態様でマイク端子104へ出力する。録音用サウンドデバイス106は、Rチャネルに対応づけられた音声データを入力支援用音声テキスト変換部74、第2記録部92、ビデオチャットプラグイン76へ渡す一方、Lチャネルに対応づけられた音声データを第1記録部90へ渡す。これにより、ビデオチャットサーバ22から受け付けられた顧客の発言内容を示す音声データおよびテキストデータを通話データ保持部94へ保存させる。
【0073】
第2実施形態の顧客応対支援システム20によれば、第1実施形態における効果に加えて、カウンセラーとのテレビ電話による対話チャネルを提供する場合に、デジタルコンテンツ保護のための制約下において顧客応対内容を蓄積することができる。すなわち、カウンセラー端末12において、顧客端末10から送信された音声データを再生用のサウンドデバイスから一旦外部デバイスへ出力し、その外部デバイスを経由した音声データを録音用のサウンドデバイスで受け付けることで、顧客端末10から送信された音声データの記録を実現する。
【0074】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0075】
上述した実施の形態および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【0076】
請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施の形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連係によって実現されることも当業者には理解されるところである。例えば、請求項に記載の受付部はビデオチャットサーバ22の対話要求受付部30により実現されてもよく、中継部はビデオチャットサーバ22のデータ転送部34により実現されてもよい。また第1の変換部はカウンセラー端末12の蓄積用音声テキスト変換部96により実現されてもよく、第2の変換部はカウンセラー端末12の入力支援用音声テキスト変換部74により実現されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
10 顧客端末、 12 カウンセラー端末、 20 顧客応対支援システム、 22 ビデオチャットサーバ、 24 蓄積サーバ、 26 要約サーバ、 28 応対履歴DB、 30 対話要求受付部、 32 対話指示通知部、 34 データ転送部、 36 第1転送データ保持部、 38 第2転送データ保持部、 40 通話データ受付部、 42 テキストデータ保持部、 44 音声データ保持部、 50 テキストデータ取得部、 52 要約処理部、 54 要約データ保持部、 56 要約データ提供部、 58 応対履歴更新部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータとの音声による対話サービスである音声対話サービス、または、オペレータとのテキストによる対話サービスであるテキスト対話サービスを指定した対話要求を顧客の端末から受け付ける受付部と、
前記対話要求において音声対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示す音声データをテキストデータへ変換する第1の変換部と、
前記対話要求においてテキスト対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示すテキストデータを顧客の端末とオペレータの端末との間で中継する中継部と、
前記第1の変換部により変換されたテキストデータと、前記中継部により中継されたテキストデータのそれぞれを要約して蓄積する要約部と、
を備えることを特徴とする顧客応対支援システム。
【請求項2】
前記中継部は、前記対話要求において音声対話サービスが指定された場合も、顧客とオペレータとの対話内容を示すテキストデータを顧客の端末とオペレータの端末との間で中継する一方、当該テキストデータは前記要約部による要約の対象から除外されることを特徴とする請求項1に記載の顧客応対支援システム。
【請求項3】
前記対話要求においてテキスト対話サービスが指定された場合、前記オペレータの端末において、オペレータの発言内容を示す音声データをテキストデータへ変換し、変換後のテキストデータを、前記顧客の端末へ送信すべきテキストデータとして出力する第2の変換部をさらに備え、
前記オペレータの発言内容を示す音声データは、前記要約部による要約の対象から除外されることを特徴とする請求項1または2に記載の顧客応対支援システム。
【請求項4】
前記要約部は、要約したデータを編集可能な態様でオペレータの端末へ提示することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の顧客応対支援システム。
【請求項5】
オペレータとの音声による対話サービスである音声対話サービス、または、オペレータとのテキストによる対話サービスであるテキスト対話サービスを指定した対話要求を顧客の端末から受け付けるステップと、
前記対話要求において音声対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示す音声データをテキストデータへ変換するステップと、
前記対話要求においてテキスト対話サービスが指定された場合、顧客とオペレータとの対話内容を示すテキストデータを顧客の端末とオペレータの端末との間で中継するステップと、
前記変換するステップにおいて変換されたテキストデータと、前記中継するステップにおいて中継されたテキストデータのそれぞれを要約して蓄積するステップと、
を備えることを特徴とする顧客応対支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−84123(P2013−84123A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223663(P2011−223663)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)