説明

顧客注文を満たす処方箋の薬を出す方法

顧客注文の処方薬を調剤する方法。各製品(12)は、含まれる医薬品に関する情報を含む製品バーコード(24)によって印がつけられている。機械(10)に積み込む前に、各製品(12)には、顧客注文の患者の処方箋に関する印が不要である。方法は、機械(10)に積み込まれる各製品(12)の製品バーコード(24)を読み取るために機械(10)を使用するステップを含む。各製品(12)の製品バーコード(24)の読み取りに応じて、少なくともいくつかの製品(12)は、処方箋それぞれ1つに関する患者ラベル(32)に患者バーコード(34)などの情報のラベルが貼付される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2007年9月21日出願の米国仮出願第60/974,181号および2008年6月30日出願の米国仮出願第61/076,905号の利益を主張する2008年9月22日出願の第12/235,173号の一部継続出願であり、その開示内容はここに参照としてそれら全体が組み込まれている。本願はまた、2007年9月21日出願の米国仮出願第60/974,181号、および2008年6月30日出願の米国仮出願第61/076,905号の利益を主張する2008年9月22日出願の第12/234,985号の一部継続出願であり、その開示内容はここに参照としてそれら全体が組み込まれている。
【0002】
技術分野
本出願は、医薬品を分配する方法、特に顧客注文の処方箋の薬を出す自動化された方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、薬局は、労働集約的な、薬剤師ベースの組立ライン方法によって、高度看護施設、生活支援施設、自立生活施設、グループホーム、ホスピス施設、および他の形態の介護施設業界および制度化された長期介護業界のための大量の顧客注文を処理してきた。顧客注文は、医師から出た患者の処方箋からなり、かつ薬剤師の厳重な管理下で調剤される。処方箋の薬を出すことは、正しい医薬製品を正しい処方箋ラベルに関連付けることによって、顧客注文を遂行することからなる。これは、薬剤師、技術者、または彼らの組み合わせによって行われる。多様なパッケージ(例えば7日、14日、15日、30日分の投薬量、および形および薬効により個別化された)の形の製品は、大量在庫から取り出され、その後処方箋ラベルが印刷され、手動で適切な製品に貼られる。
【0004】
この適用行為は、多くの方法うちの1つにより検証されることができる。マスター注文シート(MAR)に照らした確認、技術者、薬剤師、または彼らの組み合わせによる視覚的な確認をすることができ、または処方箋ラベルの情報と製品ラベルとの情報の手動スキャンにより検証されることができる。一旦各製品にラベルが貼付されると、ラベル貼付製品は、グループ分けされ、かつ容器に事前に分類される。事前に分類された容器は、製品が個々にスキャンされて輸送用コンテナ(例えば箱、袋、小型容器、またはトート)に配置される分類エリアに分類される。主としてこの時点で、ラベルの貼付は、再度検証され、かつ特定の輸送容器との製品の関連付けが確認される。これは、バーコード−スキャンステップであり、パッケージラベル、処方箋ラベル、および発送用トート(または任意の数のこれらの組み合わせ)が正確であると確認される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ラベルが貼付され、かつ検証された製品が発送用トートに正確に配置されるまでに、製品は、主として約10〜13回人に取り扱われまたは接触される。製品を処理するために必要である多数の接触は、非効率であることを示し、人為的ミスの可能性を増大させる。したがって、顧客注文に対して処方を遂行するために薬剤師によって使用される手順には、改善の余地が十分ある。
【0006】
顧客注文を満たすために自動的にラベルを貼付する、製品を確認する、取り扱うための改善されたシステムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、それぞれが医薬品を含む複数の製品を機械で処理することにより、顧客注文の処方箋の薬を出す方法が提供される。各製品は、医薬品に関する情報を含む製品バーコードにより印がつけられ、各製品は、機械に積み込む前に処方箋に関する印をつける必要がない。方法は、機械に積み込まれた各製品の製品バーコードを読むために、機械を使用するステップを含む。各製品の製品バーコードの読み取りに応じて、少なくともいくつかの製品は、処方箋の各1つに関する情報のラベルが付けられる。
【0008】
他の実施形態において、複数の第1製品および少なくとも1つの第2製品によって顧客注文の処方箋の薬を出す方法が提供される。各第1製品および少なくとも1つの第2製品は、医薬品を含み、かつ医薬品に関する情報を含むバーコードにより印がつけられる。方法は、デジタルピッキングシステム(pick-to-light system)の複数の位置に第1製品を置くステップと、顧客注文の各第1製品のそれぞれの位置を特定するために視覚的な待ち行列を提供するためにデジタルピッキングシステムを動作させるステップと、デジタルピッキングシステムの位置以外の源から少なくとも1つの第2製品を得るステップと、を含む。方法はさらに、第1製品および少なくとも1つの第2製品を処理する機械に積み込むステップと、機械に積み込まれた各第1製品および少なくとも1つの第2製品の第1バーコードを読むために機械を使うステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】ALV(自動ラベル検証)システムの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1のALVシステムを示す平面図である。
【図3】図1のALVシステムのALV機械の配置を示す平面図である。
【図4】ALVシステムのALV機械とトートコンベアシステムの一部とを示す斜視図である。
【図5】図3のALV機械を示す正面図である。
【図6】製品バーコードが不明瞭にならないように、かつALVシステムにおいて製品バーコードを遮らないように、ブリスタカード形状因子を有し、患者ラベルが貼られた製品の斜視図である。
【図6A】ALV機械によって患者バーコードが貼られる前の状態の図6に似たカード形状因子を有する製品の斜視図である。
【図7】製品バーコードが不明瞭にならないように、かつALVシステムにおいて製品バーコードを遮らないように、箱形状因子を有し、患者ラベルが貼られた製品の斜視図である。
【図7A】ALV機械によって患者バーコードが貼られる前の状態の図6に似た箱形状因子を有する製品の斜視図である。
【図8】図1のALVシステムに使用されているデジタルピッキングラックを示す斜視図である。
【図9】ブリスタカードのスタックを個別化するための製品誘導マガジンと、ブリスタカードにある製品バーコードを読み込むためのカメラアセンブリと、を示す斜視図である。
【図10】ブリスタカードのスタックを個別化するための製品誘導マガジンと、ブリスタカードにある製品バーコードを読み取るためのカメラアセンブリと、を示す側面図である。
【図11】ブリスタカードのスタックを個別化するための製品誘導マガジンと、ブリスタカードにある製品バーコードを読み取るためのカメラアセンブリと、を示す平面図である。
【図12】製品誘導マガジンを示す斜視図である。
【図13】図12及び図14の製品誘導マガジンを示す平面図であってブリスタカードが明確さのため省略された平面図である。
【図14】製品誘導マガジンを示す側面図である。
【図15】図9〜図14の製品誘導マガジンにおける把持デバイスを示す斜視図である。
【図16】ALV機械の箱積込コンベアを示す斜視図である。
【図17】ALV機械の箱積込コンベアを示す平面図である。
【図18】ALV機械の箱移送アセンブリを示す斜視図である。
【図19】ALV機械の箱移送アセンブリを示す平面図である。
【図20】ALV機械の箱送込コンベアを示す斜視図である。
【図21】ALV機械の箱送込コンベアを示す平面図である。
【図22】ALV機械の箱送込コンベアに関連付けられたカメラアセンブリを示す斜視図である。
【図23】ALV機械の箱送込コンベアに関連付けられた箱回転機構を示す斜視図である。
【図24】製品を製品誘導マガジンおよび送込コンベアからALV機械に移送するのに使用されるロボットを示す斜視図である。
【図25】製品を製品誘導マガジン及び送込コンベアからALV機械に移送するのに使用されるロボットを示す平面図である。
【図26】ALV機械のダイアルコンベアを示す斜視図である。
【図27】図26のダイアルコンベアによって支持された入れ子アセンブリを示す斜視図である。
【図28】ブリスタカードが入れ子プレートに位置付けられた状態の入れ子アセンブリを示す平面図である。
【図29】箱が入れ子プレートに位置付けられた状態の入れ子アセンブリを示す側面図である。
【図30】箱が入れ子プレートに位置付けられた状態の入れ子アセンブリを示す正面図である。
【図31】図27の入れ子アセンブリを上昇及び降下するように構成されたリフトアセンブリを示す斜視図である。
【図32】ALV機械に使用されるラベル印刷機の一実施形態を示す斜視図である。
【図33】ALV機械に使用されるラベル印刷機の一実施形態を示す側面図である。
【図34】ALV機械のラベル貼付ステーションの構成要素を示す斜視図である。
【図35】図34のラベル貼付ステーションで使用されるラベル貼付器を示す斜視図である。
【図36】図34のラベル貼付ステーションで使用されるラベル貼付器を示す側面図である。
【図37】図34のラベル貼付ステーションで使用される平坦化デバイスを示す斜視図である。
【図38】図34のラベル貼付ステーションで使用される平坦化デバイスを示す正面図である。
【図39】図34のラベル貼付ステーションで使用されるラベル排除デバイスを示す斜視図である。
【図40】図34のラベル貼付ステーションで使用されるラベル排除デバイスを示す正面図である。
【図41】ALV機械に関連付けられたラベル擦付デバイスを示す斜視図である。
【図42】ALV機械に関連付けられたラベル擦付デバイスを示す側面図である。
【図43】ALV機械の視覚検査ステーションを示す斜視図である。
【図44】ALV機械の取り出しステーションを示すロボットを示す斜視図である。
【図45】製品をどのように組織化された方法で容器へ配置するかを示す外略図である。
【図46】ALVシステムのトートコンベアシステムを示す背面図である。
【図47】図46のトートコンベアシステムを示す平面図である。
【図48】図46のトートコンベアシステムを示す側面図である。
【図49】ALVシステムのトート取扱システムを示す平面図である。
【図49A】図46のトートコンベアシステムにおけるバーコードリーダを示す概略斜視図である。
【図50】図49のトート取扱システムのトート積込ロボットを示す斜視図である。
【図51】図49のトート取扱システムにおけるトートラックを示す斜視図である。
【図52】図51のトートラックを示す側面図である。
【図53】図51のトートラックを示す正面図である。
【図54】ALVシステムにて内部および外部のサプライヤーからの製品を処理することにより顧客注文を満たすための処理の線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び図2は、自動ラベル検証(ALV)システム10の一実施形態を示している。ALVシステム10は、薬局注文を新たな手順を用いて効率的な方法で処理することを可能とする自動薬局注文分配システムである。ALVシステム10とこれら手順の議論を容易にするため、ALVシステム10の全体的な外観を以下に提供し、その次にALVシステム10の構成要素をかなり詳細に説明する前に薬局注文を遂行するための手順を説明する。
【0011】
I.ALVシステムの概要
背景として、ALVシステム10は、少なくとも2つの異なる形状因子の製品12の処方の分配および遂行に使用することができる機械である。製品12多数の錠剤(すなわち薬の投薬量または経口固形形状の医薬品)を保持するブリスタカード20(図6,図6A)、および個々の熱形成されたブリスタストリップ(図示せず)または他の医薬品パッケージがあらかじめ包装された箱22(図7,図7A)の形状で示されている。しかし、当業者は、下記に説明される本発明の態様―特にALVシステム10の運転に関連して説明された手順−がこのような形状因子に限定される必要がないことは理解するだろう。したがって、符号12は、他の潜在的な形状因子に加えてブリスタカード20および箱22の両方に関して総称的に使用され、これは議論を容易にするために妥当である。
【0012】
各製品12の製品バーコード24は、製品12の内容を反映している。例えば製品バーコード24は、製品12内部に収容される医薬品の米国医薬品コード(NDC)を表す、10桁、3区切りの数字で符号化することができる。医薬品に固有の数字であり、かつ一部は連邦医薬品局(FDA)によって割り当てられたNDCは、医薬品の製造業者または販売業者(すなわち製品サプライヤー)、医薬品(すなわち特定の薬効、投薬形態、および調合)、および流通パッケージの大きさおよびタイプを識別する。製品バーコード24はさらに、基本のNDCコードを装飾する追加の桁で符号化することができる。例えば製品バーコード24はさらに、パッケージタイプおよびタブレット数(すなわちパッケージ内の薬の数)を示す追加的な2桁を含むことができる。薬局に供給される共通のバルク輸送ケースの製品12グループは、通常共通の同じ製品バーコード24を共有する。
【0013】
図7、図7Aによく示されるように、製品バーコード24は、製品12の表面に直接印刷されている、あるいは製品12の表面に接着されたラベルに印刷されている。製品バーコード24は、一貫した方法で(すなわち実質的に製品12の同じ位置に)同じ形状因子の異なる製品に位置し、製品バーコード24は、製品バーコード24を読むためにALVシステム10によって使用されるリーダの視野にもたらされることができる。そのために、図6、図6Aに示すように、各ブリスタカード20の製品バーコード24は、ブリスタカード20の1つの角の近くの前面26に位置し、カードの周囲からわずかに差し込まれている。図7、図7Aに示すように、各箱22の製品バーコード24は、箱22の2つの側壁28、30の一つに位置することができる。それぞれ図6、および図7に明らかなように、患者ラベル32がALVシステム10内の構成要素によって製品12に付された後に、製品バーコード24が不明瞭でないまたは遮られないように、形状因子に関係なく製品バーコード2の製品12における位置付けが選択されている。他の機械で読み取り可能なバーコード25を各製品12に設けることができ、それは製品バーコード24に符号化された情報またはデータとは異なる情報またはデータが符号化されている。例えば、バーコード25は、製品ロット番号および製品12内の医薬品の使用期限を符号化することができる。一実施形態において、バーコード25のデータまたは情報は、直線の棒および空白、または一次元のバーコードではなく正方形、点、六角形のパターンおよび他の幾何学的なパターンを含む2次元マトリックスコードに符号化されることができる。当業者には理解されるように、このような2次元バーコードは、情報またはデータを表すバーコード25の能力を拡張する。バーコード25は、薬または医薬品に関する同時に符号化されたデータまたは情報を反映させるために、製品12が詰められる際に設定可能である。
【0014】
(図6及び図7において概略的に示されている)患者ラベル32は、従来のラベルストックに印刷され、カード形状因子または箱形状因子のどちらかの製品12に接着によって付着させるための接着裏面を含んでいる。処方に関する情報を符号化した患者バーコード34は、患者ラベル32周辺部の内側にある所定空間の窓部またはフットプリントに位置している。ALVシステム10は、患者バーコード34を読み取るために、患者ラベル32の上の患者バーコード34と製品12の上の患者ラベル32との正確な位置におけるわずかな不正確さを許容する。ラベルが貼られた製品12の上の患者バーコード34の位置決めは、患者バーコード34を読み取るALVシステム10によって使用されるリーダの視野に必要とされる程度に再現可能である。患者ラベル32は、製品12に収容されている薬または医薬品及び/または製品12に収容されている医薬品の消費者に関する人間が読める情報をさらに含んでいる。
【0015】
ALVシステム10によって処理される製品12のこの全般的な理解と共に、ここでALVシステム10の概要をここで図1〜図5を参照して説明する。ALVシステム10は、製品12を収容するバルク輸送ケース44を保持するデジタルピッキングラック(pick-to-light rack)42を有するデジタルピッキングシステム40と、製品12を処理するALV機械50と、ALV機械50によって処理される製品12を受容するための容器54を供給するトートコンベアシステム52と、トートコンベアシステム52からの充填された容器54を取り扱うトート取扱システム56と、を含む。ALV機械50の一態様は、ALV機械50を何ら再構成または変更することなく、異なる形状因子の製品12を交互に取り扱うALV機械50の能力である。
【0016】
ALV注文管理(AOM)制御システムは、薬局ホストサーバー604(図54)と連動し、ALV機械50及びデジタルピッキングシステム40にまたはALV機械50及びデジタルピッキングシステム40から送られる情報を管理する。ALV機械50は、操作者によりデジタルピッキングシステム40のラック42から引き抜かれた製品12を、1以上の特定な機能を果たすように設計されたさまざまなステーションに製品を通過させることによって処理する。そのため、ALV機械50は、操作者によりデジタルピッキングシステム40のラック42から引き抜かれた製品12を受け入れるために、カード積込ステーション60と箱積込ステーション62との双方を有している。カード積込ステーション60及び箱積込ステーション62は、関連するタイプの製品12(すなわちブリスタカード20及び箱22)の製品バーコード24(図6、図6A、図7及び図7A)を読み取り、製品12を検証および追跡するよう構成されている。この検証作業は、組織的な方法によって製品12を移送ステーション64に送る間に達成され、移送ステーション64は、製品12を回転またはダイアルコンベア68の指定された位置に移送するために、ロボット66形状の移送アームを含む。また、ロボット66は、製品12が検証できなかった場合のような特定の状況に、製品12を(ダイアルコンベア68ではなく)第1排除容器70に移送する。このため、カード積込ステーション60及び箱積込ステーション62の態様は、移送ステーション64と共に、第1製品検証及び排除(PVR1)ステーションとして機能する。
【0017】
例えばALV機械50に積み込まれる各製品12内の薬または医薬品の製品ロット番号および使用期限を判定する/測定するために、カード積込ステーション60および箱積込ステーション62はまた、バーコード25を読み取るように構成されることができる。この使用期限は、製造業者がなおも製品12に収容される薬または医薬品の十分な効力および安全性を保証することができる日付を表す。現在の日付と使用期限との比較に基づいて、ALV機械50は、期限までの残りの日にちを判定することができる。ALV機械50が、各製品12内の薬または医薬品が、処方箋に従って処方される前に期限が切れていることを判定した場合は、ALV機械50は、ラベルが貼られる前に排除されるように製品12にフラグを立てる。1つの製品12対する排除の決定は、実際の使用期限と最終的な予想分配日との間の差に時間マージンを組み込むことができる。例えば、製品12内の30日分の薬または医薬品は、使用期限が予想最終投薬日より45日未満前である場合は、ALV機械50によって排除される場合があり、これは15日の時間マージンを表している。
【0018】
ダイアルコンベア68は、回転して製品12をラベル貼付ステーション76に送るまたは運搬する。このステーションにおいて、ALV機械50は、患者バーコード34の形状の患者特定情報を有する患者ラベル32(図6、図6A、図7及び図7A)を印刷し、各患者ラベル32に患者バーコード34が印刷されていることを検証し、そして無事に検証された各患者ラベル32を対応する製品12に貼付する。より具体的には、ALV機械50に関連付けられたラベル印刷機78は、患者バーコード34を含み、一つの処方箋の患者特定情報を表すマークを有する患者ラベル32を印刷する。ラベル貼付器80は、患者バーコード34を検証し、かつ関連する患者ラベル32を対応する製品12に貼付する。検証が失敗した患者ラベル32は、製品12の1つではなくラベル排除デバイス82に貼付される。したがって、ラベル貼付ステーション76は、ラベル印刷、検証及び貼付(LPVA)ステーションとして機能する。
【0019】
箱22形状の製品12が処理される場合、ラベル貼付ステーション76は、関連する患者ラベル32を各箱22の前面88(図7、上から下方を見て)に貼付する。患者ラベル32は、前面88の幅よりも大きい幅を有し、患者ラベル32が前面88に貼付される場合に、患者ラベル32の突出部分は、側壁28、30の上に外側に延在する。ラベル貼付処理を完了するため、ダイアルコンベア68は、さらに回転し、これら突出部分を箱22の対向する側壁28、30に平坦に押し付けるラベル擦付ステーション90に箱22を運ぶ。ブリスタカード20は、患者ラベル32がこの形状因子の前面26(図6)に初めから完全に平坦に貼付されるため、ラベル擦付ステーション90によって処理されない。
【0020】
ダイアルコンベア68の円形ワークフロー経路に関連する次のステーションは、別の検証ステップを実行する視覚検査ステーション92である。このステーション92において、ALV機械50は、製品12の製品バーコード24と患者ラベル32の患者バーコード34との両方を再検証する。バーコード24、34のいずれかが読み取れない、または製品追跡データと一致/相関しない場合、製品12は、排除としてフラグ付けされる。バーコード24、34が製品追跡データと一致/相関する場合、製品12は、認可品としてフラグ付けされる。
【0021】
最後に、ダイアルコンベア68は、製品12を取出しステーション94に運ぶ。取出しステーション94のロボット96は、排除としてフラグ付けされた製品12を第2排除容器98へ移送し、認可品としてフラグ付けされた製品12をトートコンベアシステム52の容器54の1つへ移送する。したがって、視覚検査ステーション92と取出しステーション94とは、第2製品検証・排除(PVR2)ステーションとして機能する。
【0022】
トートコンベアシステム52は、ALV機械50の動作に強固に統合され、検証されかつラベルが貼付された製品12によって満たされた容器54をメインコンベア106に沿ってトート取扱システム56に送る。また、トートコンベアシステム52は、平行コンベア108を含み、満杯の容器54は、もう一つの方法として、品質保証のために監査が必要であるときはいつでも監査ステーション100に送られることができる。監査ステーション100において、操作者は、手持ちバーコードスキャナと操作者のインタフェース(両者とも図示せず)とを用いて、容器54をトート取扱システム56へ通過させる前に、容器54の内容を検証する。トート取扱システム56内のトート積込ロボット110は、容器54をトートラック112に置き、または監査が行われた場合にはトート返却コンベア114に置き、トート返却コンベア114は、監査ステーション100の操作者が容器54を取り上げることができる逃げ部116に至る。したがって、満杯の容器54は、トートコンベアシステム52、またはトート取扱システム56によって、監査ステーション100に移送される。
【0023】
1つのALVシステム10のみが示されているが、薬局は、それぞれがALVシステム10と同一または実質的に類似した複数のALVシステム(図示せず)を収容することができる。ALVシステム10は、それぞれがステーション各自のトートコンベアシステム52とトート取扱システム56とを有する非統合型薬局にある独立型のステーションを構成することができ、もしくは個別のALVシステム10が共有のトートコンベアシステム及び/またはトート取扱システムによって結合された統合型(すなわち自動型)薬局の構成要素を構成することができる。後者の場合において、同一の薬局内の複数のALVシステム10は、イーサネット(登録商標)通信チャネルのような通信チャネルを介して(第1ALVシステム10として指定された)ALVシステム10の1つに論理的に接続され、複数のALVシステム10によって共有されるトートコンベアシステム及び/またはトート取扱システムに物理的に接続されている。第1ALVシステム10のAOM制御システムは、薬局内に収容されている1以上の追加ALVシステム10を制御するために使用されている。
【0024】
II.薬局注文を遂行するALVシステムの使用
図54を参照すると、ALVシステム10は、顧客注文によって指定された処方の遂行に使用される、薬局598内に置かれた自動注文分配システムを表す。ALVシステム10は、後述される1人または複数の顧客からの患者注文を遂行するための全体のシステムに統合された構成要素である。
【0025】
顧客注文は、薬局598から特定の輸送によって顧客の場所(例えば看護施設)に運ばれる処方箋を表す。このため、各顧客注文は、したがって代表的な顧客施設600,602などの顧客の場所における患者のための、個々の患者注文の集合、グループ、1回分または1組を備える。顧客注文に含まれる各個人の患者注文は、1つまたは複数の処方箋を含むことができ、かつ各個人の処方箋は、ブリスタカード20形状因子、または箱22形状因子を有する1つまたは複数の製品12を含むことができる。各処方箋の製品12は、投薬タイプ、強さ、製品包装の形状因子、タブレット数等を表す固有の薬在庫識別番号(SKU)を有する。製品12の元において在庫管理のために薬のSKUが割り当てられ、かつシリーズ化されており、かつ製品バーコード24に統合されることができる。製品12はまた製造業者またはサプライヤー名、投薬タイプ、投薬の強さおよび説明、ロット番号、使用期限、タブレット数等の印刷、またはラベル貼付された人が読み取り可能な情報を含むことができる。
【0026】
顧客注文は、顧客施設600,602から患者注文遂行システムのフロントエンドの薬局ホストサーバー604(すなわちコンピュータシステム)に通信リンク601,603を介して通信される。ここでの説明を簡単にするため、薬局ホストサーバーと呼ばれるが、薬局ホストサーバー604は、通常薬局598から離れたデータセンターに配置され、かつ薬局598内には収容されていない。薬局ホストサーバー604は、ALVシステム10と通信し、かつ通信リンク605を介してALVシステム10に患者および顧客注文に関する作業を与える。薬局ホスト604は、例えば薬局598の外部に配置された倉庫管理システムまたは倉庫制御システムとすることができる。この薬局ホストサーバー604は、薬局598の在庫を追跡し、かつ薬局598を通して注文を追跡し、かつ導く。薬局ホストサーバー604からの注文は、製品12の「選択要求(pick requests)」の形で通信リンク605を介してALVシステム10に送られる。
【0027】
ALVシステム10のAOM制御システムは、さまざまな種類のルール/論理を適用して薬局ホストサーバー604から受信した選択要求を管理し、かつ系統的な選択要求をALV機械50に伝達する。例えば、AOM制御システムは、入ってくる選択要求を、例えば顧客施設600、602の同一性によってグループ分けし、優先度によって整理し、薬によってグループ分けし、患者によってグループ分けする。薬局ホストサーバー604で処理される複数の注文、およびそれに従いALVシステム10のAOM制御システムに送信される複数の選択要求は、通常時間によって変化する。特定のピーク時間においては(例えば通常の勤務時間の始めと終わりに)受信する注文は多量であり、他の時間においては(例えば深夜時間)少量である。好都合に、ALVシステム10のAOM制御システムは、顧客注文が便宜的な方法で処理、および運送用に準備されるように薬局ホストサーバー604から受信した選択要求を取り扱う。
【0028】
より具体的には、ALVシステム10は、効果的に最適化し、かつ運送用に準備された顧客注文606を出力するために、3つの異なる運用モードで運用する。1日のうち多量な時間において、ALVシステム10は、オンデマンドモードで運用する。この運用モードにおいてALVシステム10によって処理される容器54は、顧客施設600、602のような顧客施設に配達される発送用トートである。これらの時間における多量の選択要求により、ALVシステム10のAOM制御システムは、選択要求を各施設600、602についての大きな選択群に分けることができる。選択群に対応する製品12は、発送用トートを満たすまたはほぼ満たす。上で簡潔に説明したように、ALVシステム10は、患者ラベル32を自動的に印刷して貼付し、製品及び患者バーコード24、34を検証し、そしてラベル貼付されかつ検証された製品12を容器54に置く。容器54は、(後述するように、トートコンベアシステム52に関連付けられたバーコードリーダによって)同様に検証される。容器54は、顧客注文6060として顧客施設600、602に配達される準備ができた発送用トートであるため、この運用モード中のさらなる処理または検証ステップは必要ない。
【0029】
1日の中で顧客注文が中程度である別の時間では、オンデマンドモードの効率の一部が失われ始める。ALVシステム10のAOM制御システムにおけるオンデマンドの仕分けルールによって処理された選択群は、より小さく、発送用トートを満たさない。その結果、ALVシステム10は、容器54が、取り扱いが面倒ではなく、かつ薬局598内に留まる仕掛品(WIP)トートとなる運用モードに切り替える。このWIPトートの運用モードは、より小さい選択群に対応するラベル貼付されかつ検証された製品12によってWIPトートを自動的に満たすステップを含む。したがって、WIPトートには、発送用トートと同様の方法製品12が積み込まれる。WIPトートは、製品12を受け取った後に、トート取扱システム56のトートラック112に移送されることさえ可能である。しかし相違点は、この運用モード中においては、顧客注文606が顧客施設600、602への配達の準備がされる追加の処理ステップが行われることである。
【0030】
具体的には、顧客注文に関連する2以上のWIPトート内の製品12は、薬局598から1つの顧客施設600、602などの各顧客施設に配達するための共通の発送用トートへ後に組み合わされる/移送される。各WIPトートは、バーコードを含んでおり、WIPトート内に配置される製品12は、WIPトートとの適切な関連を(発送用トートの検証と同様に)検証されることができる。このWIPトートの検証により、製品12は、発送用トートに移送されることができ、各製品12を個別にスキャンすることなく発送用トートとの適切な関連を検証することができる。替わりに、操作者が、WIPトートからすべての製品12を発送用トートに移送する前に、WIPトートと発送用トートとを単にスキャンする。このスキャンステップは、顧客施設600、602に配達される準備ができた顧客注文606として、内容物が特定の発送用トートに移送される各WIPトートに対して実行される。
【0031】
1日の中で顧客注文が最少量である時間では、オンデマンドの仕分けルールを用いてAOM制御システムによって生成された選択群は、さらに小さくなる。この結果、操作者は、デジタルピッキングラック42とALV機械50との間をより歩くことになる。さらに、1つの発送用トートを満たすために製品12を組み合わせなければならないWIPトートの数が増大し、その結果スキャンステップがより多くなる。これらの非効率性のため、ALVシステム10は、「通路トート(aisle tote)」運用モードに切り替える。この運用モードにおいて、AOM制御システムは、入ってくる選択をSKUによってグループ分けし、それらを薬局の一時的に保管する場所である通路または区域によって仕分けする。これにより、より大きな選択群を生成させることができる。この通路トートは、ラベル貼付されかつ検証された製品12で満たされ、そして一時保管場所に持っていかれる。そして、操作者は、個別の製品12をさまざまな保管場所から選択し、そして顧客注文606として顧客施設600,602への最終の配達のための発送用トートに配置された製品のように検証するために、製品12それぞれをスキャンすることにより、通常の方法で発送トートを満たす。
【0032】
ALVシステム10のラック42に蓄えられた製品12は、代表的な外部の製品サプライヤー608,610などの外部のサプライヤーからのものである。これらの外部製品サプライヤー608,610は、包装された各医薬品に対する製品バーコード24によってそれぞれ印がつけられた製品12を準備するが、それは患者特定ではない。製品12は、ブリスタカード20および/または医薬品によって満たされ箱22、または他のタイプの包装済み医薬品であり、かつ周知の多数の自動または手動の方法のうちの任意の1つによって製品バーコード24によって印がつけられる。製品12はまた、薬局ホストサーバー604と通信リンク611を介して通信する内部の製品サプライヤー612からのものとすることができる。内部の製品サプライヤーは、ブリスタカード20および/または箱22を薬または医薬品で満たすことができ、かつ周知の多数の自動または手動の方法の任意の1つの方法を用いて、各製品12に製品バーコード24の印をつけることができる。
【0033】
受け取り次第、薬局598は、デジタルピッキングシステム40のラック42に製品12を蓄え、ALVシステム10によって使用される全ての薬の大量の供給が連続的に利用可能なとなる。製品12が製品サプライヤー608,610,612から輸送された状態でラック42に存在している場合、製品12は、任意の特定の顧客注文を指定しておらず、かつ1つの処方箋からの任意の項目の情報の形の任意のタイプの患者特定情報を欠いている。これらの製品12は、ALVシステム10のために薬局598の場所に輸送される。例えば、共通の製品バーコード24を有する患者非特定製品12群は、共通のバルク輸送ケースによって薬局598に供給されることができる。薬局ホスト604からの注文は、製品12に対する「選択要求」の形でALVシステム10に伝えられる。ALVシステム10は、ここに説明されたように製品12に各患者注文の処方箋に関連する患者特定ラベル32を貼付する。処理後、各製品12は、1つの顧客施設600,602の特定の患者に特有の処方箋によって印がつけられる。
【0034】
わかるように、ALVシステム10は、顧客注文を遂行する薬局598内での処理を大幅に自動化する。自動化は、人の介入がほとんどなく、薬局598によって多数の選択要求を迅速かつ確実に処理することを可能とし、大幅なコスト節約を示す。実際には、オンデマンドモードにおいて、製品12は、操作者によって一度だけ「触れられた」または取り扱われた後に、ラベルが貼付され、検証され、かつ顧客施設600,602の1つへの発送準備がされる(デジタルピッキングシステム40からALV機械50に移送している間に触れる機会がある)。WIPトートモードにおいて、製品12をWIPトートから発送用トートに移送する際に追加の取扱いステップがあるため、製品12は、2回「触れられる」。しかしまだ、WIPトートモードでは、発送用トートに搬送する間に、ラベル貼付されかつ検証された各製品12を個別にスキャン必要性が回避される。通路トートモードにおいて操作者はこのようなステップを手動で実行しなければならないが、ALVシステム10は、まだいくつかの有利点を提供している。すべての運用モードおいて、患者ラベル32を手で製品に貼付し、ラベルを貼付した直後に患者バーコード34及び製品バーコード24を検証する工程は、ALVシステム10によって自動化される。したがって、ALVシステム10は、通路トートモードで運用したとしても、大幅なコスト削減の機会を提供する。
【0035】
薬局注文を遂行するALVシステム10を用いた手順が説明されたが、ALVシステム10のさまざまな構成要素をここでより詳細に説明する。
【0036】
III.ALVシステムの構成要素
(a)制御部
ALVシステム10のALV機械50は、プログラマブル論理制御装置(PLC)、または具体的な実施形態においてはAllen-Bradley CompactLogix(登録商標)PLCのような制御装置(図示せず)によって制御される。制御装置は、メモリカードまたは拡張可能なメモリに収容されているプログラム可能な構成要素を処理するための1以上の中央処理装置(CPU)、電力供給ユニット、入力/出力制御モジュール及び当業者に認識されている他の構成要素を含むことができる。制御装置は、一連のプログラムコンポーネントによってプログラムされており、プログラムコンポーネントは、ALV機械50の機械的な機能を制御し、かつさまざまなバーコードリーダ、モータ及びALV機械50に収容されている可動構成要素への入力/出力インタフェースとして、およびヒューマン・マシン・インタフェース(HMI)コンピュータ130(図5)への入力/出力インタフェースとして動作する一連のアルゴリズムを有している。これらプログラムコンポーネントは、メモリ内に格納され、制御装置内のCPUの1つによって実行されることができる。
【0037】
制御装置は、ALV機械50の機械的な機能を調整しかつ組織化するために使用される。通信インタフェースは、イーサネット(登録商標)、フィールドバス(CAN/CAN OPEN)、シリアル(RS−232)プロコトルを含むがこれに限定されない当業者に認識されている任意の一般的な通信チャネル技術を備えることができる。制御装置は、ALV機械50のさまざまなステーションによって処理される各製品12に関連付けられた製品データを追跡する。追跡データからの製品情報及び状態は、HMIコンピュータ130において要求に応じて表示かつ更新される。
【0038】
図5を参照すると、HMIコンピュータ130は、カード積込ステーション60および箱積込ステーション62の近くの上の位置においてALV機械50の枠組み132によって支持されている。HMIコンピュータ130は、任意の従来のオペレーティングシステムを実行することができ、ALV機械50における製品12の処理を制御するための制御装置の動作と連携する別のソフトウエアアプリケーションを実行することができる。操作者がALV機械50と情報のやり取りをすることができるHMIコンピュータ130は、タッチディスプレイまたは操作者との相互作用を促進するコンピュータスクリーンを備えている。HMIコンピュータ130は、コンピュータスクリーンにグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を実装することができ、GUIは、ALVシステム10の手順の試験、設定及び実行に関連する操作者との相互作用ためにボタン及び特定のインタフェースコンポーネントを有するフレームおよびウィンドウ枠で特徴付けている。
【0039】
HMIコンピュータ130は、イーサネット(登録商標)のような通信チャネルを介して薬局ホストと通信している。上述したように、薬局ホストは、ALVシステム10と通信し、かつ作業を与えるコンピュータシステムである。
【0040】
ALVシステム10のAOM制御システムは、ソフトウエアアプリケーションを実行し、かつ薬局ホストから受信した注文及び選択要求をまとめて処理する複数の処理装置を含む。イーサネット(登録商標)のような通信チャネルによって互いに結合されたコンピュータは、選択(Pick)サーバ、リアルタイムデジタルピッキングコンピュータ(PickPC)、統計コンピュータ(StatPC)及び注文調整コンピュータを含む。Pickサーバ、PickPC、およびStatPCは、必要に応じて、ALV機械50に物理的に備え付けられた、または薬局内に収容されたラックマウント式サーバとすることができる。Pickサーバ、PickPC及びStatPCは、耐故障冗長電源及びRAIDドライブによって構成されることができる。注文調整コンピュータは、デスクトップ型パーソナルコンピュータ及び薬局内のどこでも取り付けることができるインタフェースで接続された手持ちバーコードスキャナを備えることができる。
【0041】
(b)デジタルピッキングシステム
選択要求の形の注文は、薬局ホストからALVシステム10へ伝えられる。上述のように、選択要求は、ユーザ定義パラメータ及び検索に基づいて論理的にグループ分けするためにAOM制御システムによって保存される。論理的にグループ分けする処理により、デジタルピッキングラック12から操作者が選択するための選択群が作られる。各選択群は、容器54の1つに配置されることになっている1以上の製品12を含むことができる。
【0042】
デジタルピッキングシステム40の代表的なデジタルピッキングラックを図8に示す。各デジタルピッキングラック12は、ベイコントローラ(bay controller)(図示せず)と、複数段に配置された複数の棚140と、を含む。各棚140は、仕切り142によって分割され、技術者の手が届く範囲にありかつ1以上のバルク輸送ケース44(図1)が蓄えられた複数の貯蔵所または在庫場所を形成する。各バルク輸送ケース44、独特の薬SKUによって特徴づけられた製品12を保持する。デジタルピッキングラック12の1以上の在庫場所、主として隣接する在庫場所は、同一の薬SKUの製品12を保持するバルク輸送ケース44を保持することができ、ALVシステム10によって単一のユニットとして処理される。大部分の薬SKUは、デジタルピッキングラック12の棚140に一つの在庫場所を有しているが、より早く使用される薬SKUを有する製品12は、複数の在庫場所に割り当てられることができる。
【0043】
図1及び図2に示すように、デジタルピッキングラック42は、1人以上の操作者を囲むように配置されている。一部またはすべてのデジタルピッキングシステム40の個別のラックは、ALV機械50に対する配置の再構成を容易にするキャスタ(図示略)によって支持されることができる。デジタルピッキングラック42の外周は、例えばU字状に配置されており、デジタルピッキングシステム40の在庫場所からALV機械50への通路に沿う歩行距離を最小化する。しかし、デジタルピッキングラック42は、薬局または設計上の選択における空間的な制約に適合するように選択された別の構成を有することができる。デジタルピッキングラック42の棚140の垂直位置及び傾斜角度は、調整可能とすることができる。デジタルピッキングラック42は、早く使用される薬SKUの製品12のための特定の在庫場所がALV機械50のカード積込ステーション60及び箱積込ステーション62の近くに位置するように配置されることができる。
【0044】
ここに示されていない方法において、デジタルピッキングラック42の各在庫場所は、表示ランプ、1以上のボタン及び英数字表示モジュールを含む選択面を有する専用のデジタルピッキングモジュールを有している。英数字表示は、注文に対して選択する製品12の数を操作者に示し、ボタンは、在庫に問題がある場合に、操作者が数量を増減して調整することを可能とする。調整は、操作者に対して、AOM制御システムのデータベースにおいて製品12の正確な在庫数をリアルタイムに更新する手段を提供する。各デジタルピッキングラック12は、ベイコントローラの制御の下で動作する注文制御モジュールのような他のタイプのデジタルピッキングモジュールを含むことができる。
【0045】
ALVシステム10のワークフロー手順において、操作者は、在庫場所に関連付けられた表示ランプによって供給される視覚的な列により、個別の製品12をデジタルピッキングシステム40から選択するように指示される。デジタルピッキングモジュールの表示ランプは、操作者が各選択群についてデジタルピッキングラック42における在庫場所を迅速かつ正確に識別する補助をする。操作者は、点灯している在庫場所から製品12を選択し、(必要に応じて)選択面にあるボタンを用いて在庫を調整し、そして在庫場所の選択面にある選択完了ボタンを押下する。操作者は、デジタルピッキングラック42の点灯している在庫場所全てに応答するまで、この処理を繰り返し、これは、操作者が選択群を完了したことを制御装置に示す。
【0046】
操作者によって収集された製品12がブリスタカード20の形である場合、操作者は、ブリスタカード20をALV機械50のカード積込ステーション60に送る。製品12が箱22である場合、操作者は、箱22をALV機械50の箱積込ステーション62に送る。
【0047】
代替の実施形態において、操作者は、デジタルピッキングシステム40に依存しない異なる方法によって、ALV機械50のカード積込ステーション60および/または箱積込ステーション62に製品12を積み込むことができる。特に非デジタルピッキング機能性は、デジタルピッキング手法と類似した方法だが、デジタルピッキングシステム40を使用しない方法によって操作者が処方箋を一群にまとめることができる能力を提供する。通常、非デジタルピッキングとなる製品12は、小調剤量のものである。製品12は、デジタルピッキングラック42の外に保管され、したがって棚140には保管されない。非デジタルピッキング機能性により、ALV機械50のALV処理を通じて無制限のSKU数の選択、ラベル貼付および検証が可能となる。一群を作成するために、特定の処方箋の製品12は、グループ分けされ、かつ選択チケットが割り当てられる。これらの製品12は、薬局内の無制限の薬SKUの数によって表される。製品12は、選択され、かつ選択トートに配置される。選択トートは、ALV機械50によって要求され、そこで選択チケットからの製品12は、ALV機械50においてデジタルピッキングシステム40から収集された製品12にまとめられる。非デジタルピッキング製品12は、デジタルピッキングシステム40によって収集された製品12に沿って処理される。結合された製品12のグループは、ラベルが添付され、かつ検証され、そして運用モードに応じて輸送トート、WIPトート、または通路トートに統合される。
【0048】
(c)カード積込ステーション
図9から図15は、カード積込ステーション60の構成要素をより詳細に示している。カード積込ステーション60は、操作者によって選択されたブリスタカード20をALV機械50の積込ステーションへ供給するための製品誘導マガジン150と、ブリスタカード20の製品バーコード24(図6)を検証するためのカメラアセンブリ152と、を含む。図9〜図11において、製品誘導マガジン150には、複数のブリスタカード20が積み込まれている。図12〜図14において、製品誘導マガジン150は、ほぼ空の状態にあり、カメラアセンブリは、明確にするために隠されている。
【0049】
製品誘導マガジン150は、1組の柱状の案内ポスト154と一対の可動アーム156、158とによって形成される供給シュートを含み、一対の可動アーム156、158は、隣接する一対の案内ポスト154間の各間隙を通りシュートの内部空間へ伸張かつ格納するように構成されている。直角棒材から形成された案内ポスト154は、ブリスタカード20の形状と相関するように互いに対して構成された凹状のL字状垂直チャネルを有しており、ブリスタカード20の外側角部は、最も近い案内ポスト154の凹状垂直チャネルへ突出している。シュートの上部入口において、各案内ポスト154のチャネルは、ブリスタカード20を受け入れる断面積を増すために外側に広げられ、操作者によってシュートへ落とされるブリスタカード20の導入を容易にする。
【0050】
各アーム156、158は、伸張位置および格納位置の間でシュートに対して移動するために、リニアアクチュエータ162、164の形の直線移動機構それぞれと機械的に結合されている。アーム156、158が伸張位置に位置している場合、各アーム156、158の一部は、製品誘導マガジン150のシュートへ操作者が手動で落としたブリスタカード20のストックにおける底部のブリスタカード20の両側に接触しかつ支持する。案内ポスト154のチャネルは、供給シュートの上部から下方に向かうブリスタカードの垂直移動をまとめて案内し、ストック底部のブリスタカード20が、アーム156、158上に置かれる。制御装置が両方のリニアアクチュエータ162、164にアーム156、158を格納位置まで外側に引くように指示する場合、ブリスタカード20のグループは、もはや支持されず、重力の影響により落下する。案内ポスト154は、スタック底部のブリスタカード20がアーム156、158の下に位置する荷揚プレート166の上に置かれるまで、下方移動をまとめて案内する。そして、荷揚プレート166上に置かれたブリスタカード20スタックは、後述のように、製品誘導マガジン150によって個別化される。
【0051】
荷揚プレート166上に配置されると、底部のブリスタカード20の一部は、荷揚プレート166に隣接し、かつわずかに下方の面にある入れ子プレート170の一部に突き出る。蹴上げ部172は、荷揚プレート166に設けられており、ブリスタカード20の突き出た部分を入れ子プレート170に対してさらに上昇させる。入れ子プレート170は、一対の平行なスロット174、176と、スロットの長さに沿って延びる案内レール178、180と、を含む。底部のブリスタカード20をシュートのスタックから離して、入れ子プレート170に沿って移動させるため、製品誘導マガジン150は、各垂直スペーサポスト186a〜186dに支持された一組の吸引部材184a〜184dを有する把持デバイス182と、垂直スペーサポスト186a〜186dを支持するベースプレート190を横方向に移動させる直線移動機構188と、ベースプレート190を垂直に移動させる垂直移動機構192と、をさらに有している。把持デバイス182は、吸引部材184〜184dが入れ子プレート170のスロット174、176を通って延在するよう構成されるように位置付けられる。最初に、代表的な実施形態においてリニアアクチュエータの形の直線移動機構188は、ベースプレート190を荷揚プレート166に隣接する入れ子プレート170の一部の下に配置する。同様に代表的な実施形態においてリニアアクチュエータの形の垂直移動機構192は、吸引部材184a〜184dが、荷揚プレート166のブリスタカード20が突き出た部分にすぐ隣接するかつ/または接触するまで、ベースプレート190を上昇させる。
【0052】
吸引力は、真空源(図示せず)から吸引部材184a〜184dに供給され、吸引部材184a〜184dは、吸引部材184a〜184dと荷揚プレート166のブリスタカード20との間の空間から空気を吸引し、ブリスタカード20の突き出た部分を吸引部材184a〜184dと係合させる引力を加える。ブリスタカード20がそのように把持されると、垂直移動機構192は、ブリスタカード20の先端がブロックプレート196の底縁部194を通過するのに十分な距離だけベースプレート190と吸引部材184a〜184dとを下方に移動させる。そして、直線移動機構188は、ブリスタカード20がブロックプレート196を越えてシュートから外に出るのに十分な距離だけ水平にベースプレート190を移動させる。入れ子プレート170に設けられた案内レール178、180は、この水平移動の案内を補助する。
【0053】
ブリスタカード20は、移送ステーション64のロボット66(図3)によってアクセス可能な入れ子プレート170の「デッド領域」位置に運ばれる。この点において、吸引部材184a〜184dは、個別化されたブリスタカード20に加えられた引力を開放するよう通気される。そして、直線移動機構188と垂直移動機構192とは、これらの初期位置に戻り、スタックの次のブリスタカード20を個別化する準備をする。直線移動機構188と垂直移動機構192と吸引部材184a〜184dのための真空源との電磁バルブは、制御装置に電気的に結合、かつ制御されている。センサ(図示せず)は、アーム156、158によって捕捉された1以上のブリスタカード20および荷揚プレート166上にあるブリスタカード20の1つの存在を検出するように設けられている。これらセンサは、直線移動機構188、垂直移動機構192及び吸引部材184a〜184dのための真空源の電磁バルブを動作するために制御装置にフィードバックを供給する。またセンサ200は、ブリスタカード20がデッド領域にいつ送られたかを検出するよう入れ子プレート170に取り付けられている。
【0054】
ダイアルコンベア68に移送される前に、個別化された各ブリスタカード20の製品バーコード24は、カメラアセンブリ152によって検証される。カメラアセンブリ152は、入れ子プレート170の上方でカメラ架台214とカメラカバー216とを支持する一対の垂直シャフト210、212を含む。カメラカバー216によって保持されるカメラ215は、入れ子プレート170上の個別化されたブリスタカード20の製品バーコード24の画像を1以上撮影する。制御装置は、センサ200がブリスタカード20の存在を検出したときにカメラ215を起動する。画像の撮影を補助するため、照明アセンブリ218が入れ子プレート170に取り付けられ、製品バーコード24に向けて発光するように構成されている。制御装置は、カメラ215によって取得された画像を機械視覚ソフトウエアを用いて解析する。別の実施形態においては、カード積込ステーション60は、製品バーコード24を読み取り電気信号を用いて対応する文字列を制御装置伝えるように構成されたレーザスキャナ(図示せず)を含むことができる。同様な方法においては、カメラ215または別のリーダー(図示せず)は、各ブリスタカード20のバーコード25を撮影または読み取り、画像または文字列を表す電気信号をALV機械50の制御装置に伝えることができる。ALV機械50は、バーコード25からのデータまたは情報を、上述のように、期限切れの薬を含むブリスタカード20を排除するために、またはALV機械50によって各ブリスタカード20に関連づけられる処方箋の予定最終分配日前に期限切れになる薬を含むブリスタカード20を排除するために、使用することができる。
【0055】
カード積込ステーション60において使用されるバーコードリーダのタイプにかかわらず、ALV機械50の制御装置は、薬局ホストからの予想される選択要求に対して、個別化されたブリスタカード20の製品バーコード24を個別に検証する。これにより、カード積込ステーション60によって処理される各ブリスタカード20が、製品誘導マガジン150へ導入された選択群に対する追跡データにおいて予想される製品12の任意の1つと一致することを確実にすることが容易になる。
【0056】
(d)箱積込ステーション
図16〜図23は、箱積込ステーション62(図3)の構成要素をより詳細に示している。箱積込ステーション62は、3つの主要構成要素アセンブリ、すなわち、操作者によって収集された箱22が配置される積込コンベアアセンブリ220と、箱22を移送ステーション64へ送る送込コンベアアセンブリ222と、箱22を積込コンベアアセンブリ220から送込コンベアアセンブリ222へ移送する移送アセンブリ224と、を含む。積込コンベアアセンブリ220は、フレーム232によって支持されかつ操作者によって迅速にアクセス可能である積込コンベア230を含む。積込コンベア230がALV機械50の前方をほぼ横切って配置されるため(図5参照)、操作者は、積込コンベア230の長さに沿って複数の箱22を置くことができる。
【0057】
積込コンベア230に隣接する上面236を有する移送スタンド234は、箱22を受け取れるための領域を増やすために設けられている。また、移送スタンド234は、箱が積込コンベア230上へスライドする前に箱22が同じ方向になるように配置する領域を設ける。例えば、操作者は、収集した箱22を移送スタンド234上に降ろし、そして上面238が積込コンベア230の長さに沿って延びる第1案内レール240を向くように、かつ製品バーコード24を有する箱の側壁28が上方を向くように、各箱を配置することができる。そして、箱22は、移送スタンド234の上面236を横切って、上面238が第1案内レール240に当接するまで積込コンベア230上をスライドされる。あるいは、操作者は、箱を積込コンベア230に直接置く前に、各箱22を適切に方向付けすることができる。箱22を同じ向きに配置することにより、製品バーコード24が確実に同じワークフロー経路を辿ることができる。
【0058】
積込コンベア230は、矢印244で全体的に示された方向に箱22を移動させる。積込コンベア230の端部246に達する前に、箱22は、プッシャアセンブリ250によって第2案内レール248に対して押し付けられる。プッシャアセンブリ250は、第1案内レール240に沿って配置され、積込コンベア230の方向244の横断方向にリニアアクチュエータ254によって駆動される接触部材252を含む。各箱22を第2案内レール248に対して押し付けることにより、プッシャアセンブリ250は、箱22が積込コンベア230の端部246に達したときに同じように位置付けられることを確実にする。センサ256、258、260は、積込コンベア230の端部246において各箱22の位置及び方向を検証する。
【0059】
送込コンベアアセンブリ222は、概ね積込コンベア230に直交して配置された送込コンベア266を含む。したがって、箱22が積込コンベア230の端部246に達する際に、箱は、送込コンベア266の上へ前方に押されなければならない。この移送工程は、移送アセンブリ224によって達成され、移送アセンブリは、方向244にほぼ平行な移送アーム270と、移送アーム270に結合され、かつ方向244にほぼ垂直方向に配置された第1リニアアクチュエータ272と、第1リニアアクチュエータ272に結合され、かつ方向244にほぼ平行に配置された第2リニアアクチュエータ274と、を含む。移送アーム270は、フレーム278に設けられたスロット276を通って延在し、端部246において積込コンベア230の上方に位置する1以上のスペーサプレート280を含む。積込コンベア230の端部246に達する箱22は、積込コンベア230が箱22の下方で移動し続けるため、スペーサプレート280に対して一瞬静止する。
【0060】
初期位置において、第1及び第2リニアアクチュエータ272、274は、伸張状態にあり、移送アーム270は第2案内レール248に隣接して配置される。移送アーム270は、箱22の積込コンベア230の端部246への移動を妨げない。センサ256、258、260が箱22の位置及び方向を検証した後、第1リニアアクチュエータ272は収縮して、方向244を横切る方向に移送アーム270を移動させ、これにより箱22を送込コンベア266へ押しやる。そして、第2リニアアクチュエータ274は収縮して、第1リニアアクチュエータ272と移送アーム270とを送込コンベア266から離す。この点において、第1リニアアクチュエータ272は、伸張状態へ戻り、移送アーム270は、再び第2案内レール248にほぼ並ぶ。最後に、第2リニアアクチュエータ274も同様に伸張状態へ戻り、移送アーム270は、第2案内レール248に隣接して、積込コンベア230の端部246へ移動される次の箱22を押す準備をする。上述した移送処理は、積込コンベア230の連続する各箱22に対して繰り返される。その結果、箱22の配列は、積込コンベア230における横並びの配列から送込コンベア266における縦並びの配列へ変換される。
【0061】
送込コンベア266は、フレーム286によって支持され、フレームは、箱が送込コンベア266の機械方向に移動するように、箱22を向けるための案内レール288、290を有する。箱22は、箱回転機構292に達するまで送込コンベア266に沿って移動し、箱回転機構は、箱22の一部を支持するように構成されたブラケット294と、ブラケット294に結合された回転アクチュエータ296と、回転アクチュエータ296を支持するフレーム298と、フレーム298を垂直に移動させるリニアアクチュエータ300と、を含む。ブラケット294は、最初は送込コンベア266の端部において箱22に対する製品停止部を形成する。箱22が送込コンベア266の端部に達しているとセンサ302がいったん判断すると、リニアアクチュエータ300がフレーム298を上げ、かつ回転アクチュエータ296がブラケット294を回転させる。これにより、箱22が上昇かつ回転され、前面88は、水平面に並べられ(すなわち上を向き)、側壁28、30は、垂直面に並べられる。また、このため、箱22は、側壁28の製品バーコード24がカメラアセンブリ304によって容易に読み込める位置へ上昇される。
【0062】
このために、カメラアセンブリ304は、カメラ架台314を支持する一対のシャフト310、312を含み、カメラ架台は、照明アセンブリ316およびカメラ架台に取り付けられたカメラカバー318を有する。箱が上昇され箱回転機構292によって回転された後に照明デバイス317が箱22の製品バーコード24へ発光するように、照明アセンブリ316が位置付けられている。カメラカバー318は、この位置において製品バーコード24を向くカメラ320を支持するように構成されている。カード積込ステーション60のカメラアセンブリ152と同様に、カメラ320は、機械視覚ソフトウエアを用いて制御装置によって解析される製品バーコード24の画像を撮影する。また、カメラ320は、別の実施形態においてレーザスキャナ(図示せず)に置換されることができる。使用されるバーコードリーダのタイプにかかわらず、ALV機械50は、薬局ホストからの予想される選択要求に対して、箱22の製品バーコード24を個別に検証する。これにより、箱積込ステーション62によって処理された箱22それぞれが選択群についての追跡データにおける予想される製品12の1つと一致することを確実にすることが容易になる。同様な方法においては、カメラ320または別のリーダー(図示せず)は、各箱22のバーコード25を撮影または読み取り、画像または文字列を表す電気信号をALV機械50の制御装置に伝えることができる。ALV機械50は、バーコード25からのデータまたは情報を、上述のように、期限切れの薬を含む箱22を排除するために、またはALV機械50によって各箱22に関連づけられる処方箋の予定最終分配日前に期限切れになる薬を含む箱22を排除するために、使用することができる。
【0063】
(e)移送ステーション及びダイアルコンベア
図3、図24及び図25を参照すると、移送ステーション64は、全体的にロボット66で示されており、ロボットは、SCARA(水平多関節ロボットアーム)構造を有して示されている。ロボット66は、基部326と、X−Y方向において基部326に枢動可能に結合された第1アーム328と、X−Y方向において第1アーム328に枢動可能に結合された第2アーム330と、を含む。第1アーム328に関連するエンドエフェクタまたは手首部332は、Z方向に移動し、異なる形状因子を有する製品12を取り上げるよう構成されている。より具体的には、エンドエフェクタ332は、1つの箱22の側壁28、30を把持するよう互いに向けて移動する把持部材334、336と、1つのブリスタカード20の前面26との係合を確立して維持するよう真空源(図示せず)によって動作する吸引部材338a、338bと、を含む。1つの具体的な実施形態において、ロボット66は、Adept Technologies社から入手可能なAdept Cobra(登録商標)スカラ型(SCARA)ロボットとすることができる。直交座標構造(Cartesian configuration)のような別のロボット構成を別の実施形態において使用することができる。当業者は、構造にかかわらず、ロボット66が所望の移動を実行するために、リミットスイッチ、センサ、入力/出力端子、増幅器、空気弁、取付具、ソレノイド、電源、プログラマブル・コントローラー、サーボモータ及びベルトプーリ駆動部のようなさまざまなモーションコントローラ及び電子システムデバイスを含むことができることを理解するだろう。
【0064】
上述のように、カード積込ステーション60は、ブリスタカード20を、箱積込ステーション62は、箱22を、それぞれロボット66によって迅速にアクセス可能な場所に送る。検証が失敗し、かつ排除として示された製品12は、ロボット66によって把持されて第1排除容器70(図5)へ移送される。ロボット66は、利用可能な空間を効率的に使用する組織化された方法で排除された製品12を配置する。例えば、図45に示すように、ロボット66によって配置されたブリスタカード20及び箱22(説明のために重ねて示されている)は、他のブリスタカード20または箱22の頂部に積重ねられる、またはすぐ隣に配置される。排除されたブリスタカード20及び箱22を第1排除容器70にランダムに置く場合よりも、このように組織化された配列を提供する場合の方が、多数のブリスタカード20及び箱22を第1排除容器70に置くことができる。
【0065】
カード積込ステーション60または箱積込ステーション62のいずれかにおいて首尾よく検証された製品12は、ロボット66によって把持されてダイアルコンベア68によって支持された製品入れ子アセンブリ346のベースプレート344(図26)に移送される。ダイアルコンベア68には、全部で8つのベースプレート344(および対応する製品入れ子アセンブリ346)があり、ALV機械50は、異なる製品12が異なる処理ステップを受けながら、複数の製品12を同時に処理することができる。ダイアルコンベア68は、ベースプレート344が円形ワークフロー経路を辿るように回転するが、ワークフロー経路に位置するさまざまなステーションにおいて製品12を処理する時間があるように、1/8回転ごとに休止する。したがって、ダイアルコンベア68のワークフロー経路に関連する全体で8つのインデックス付けされた場所がある。図3に概略的に示された移送ステーション64内の2つの場所は、ロボット66が検証された製品12を置く場所である。
【0066】
図27から図30に示すように、各入れ子アセンブリ346は、異なる形状因子を有する製品12を支持して安定化させるように好都合に構成されている。入れ子アセンブリ346は、ダイアルコンベア68に支持されたベースプレート344と、ダイアルコンベア68の下に吊るされたピンプレート350と、をそれぞれ含む。ベースプレート344は、ほぼ平面であるが、ベースプレートの外周の周囲に間隔をあけてかつ上方に向けて延在する複数のカード位置決めピン352を有する。カード位置決めピン352は、ロボット66によって置かれたブリスタカード20を収容するためにベースプレート344に境界領域を画定する補助をする。したがって、ロボット66は、カード位置決めピン352間の領域内へブリスタカード20を配置することにより、カード位置決めピンは、ダイアルコンベア68のワークフロー経路において処理される間、置かれたブリスタカード20がベースプレート344から移動することを防止する。
【0067】
ピンプレート350は、ベースプレート344の下でダイアルコンベア68の窓部または開口部(図示せず)に受け入れられるように構成されている。しかし、初期位置において、ピンプレート350は、窓部の下に垂下しており、各対の案内シャフト362、364によってベースプレート344から懸架された対向する支持部358、360に載置している。ピンプレート350は、案内シャフト362、364に沿って移動可能であり、ベースプレート344に向かって上方に延在するさまざまな大きさの箱位置決めピン366を含む。箱位置決めピン366は、ピンプレート350が対の案内シャフト362、364に沿ってダイアルコンベア68の窓部へ移動する場合に、ベースプレート344の孔368を通って延在するように構成されている。このような位置に移動される場合、箱位置決めピン366は、ロボット66によって配置された箱22を収容するためにベースプレート344に境界領域を画定する補助をする。したがって、箱位置決めピン366は、カード位置決めピン352と同様に、ダイアルコンベア68のワークフロー経路において処理される間、置かれた箱22がベースプレート344から移動することを防止する。また、ピンプレート350は、フランジ部372で終端する下方延在シャフト370を含む。
【0068】
図26及び図31を参照すると、ALV機械50は、移送ステーション64に関連する2つのインデックス付けされた場所に対するピンプレート350の垂直移動を制御するための2つのリフトアセンブリ374を有している。各リフトアセンブリ374は、リニアアクチュエータの形の垂直移動機構376と、垂直移動機構376によって駆動されるアダプタカラー378と、垂直移動機構376の運動を案内するための支持ポスト384に取り付けられる案内プレート382と、を含む。アダプタカラー378は、ほぼU字状のブラケットであり、基部386、基部386から上方に延在する対向アーム388、390と、対向アーム388、390から内側に延在する対向上部392、394と、を有する。各入れ子アセンブリ346下方延在シャフト370に適合するために、対向上部392、394間に間隙があり、対向アーム388、390の間の幅は、各入れ子アセンブリ346のフランジ部372よりも大きい。したがって、ダイアルコンベア68が入れ子アセンブリ346をリフトアセンブリ374が存在するワークフロー経路のインデックス付けされた場所の1つに移動させる場合、入れ子アセンブリ346のシャフト370は、関連するアダプタカラー378の間隙を通って延在し、フランジ部372は、対向アーム388、390の間に位置する。ピンプレート350が初期の下方位置にある場合、フランジ部372は、アダプタカラー378の基部386の近くに位置する。検証済みの箱22の1つが関連するベースプレート344上に配置されようとする場合、垂直移動機構376は、アダプタカラー378を上方へ駆動する。その結果、アダプタカラー378の基部386は、フランジ部372に接触し、箱位置決めピン366が孔368を通って延在して箱22を収容するための領域を画定するまで、シャフト370を介してピンプレート350をベースプレート344に向けて押し付ける。
【0069】
入れ子アセンブリ346は、ダイアルコンベア68が別のインデックス付けされた場所に移動させた後でも、ピンプレート350を上昇位置に維持するさまざまな構成要素を含む。アダプタカラー378が定位置に復帰するため、入れ子アセンブリ346は、リフトアセンブリ374から離れて自在に移動することができる。より具体的には、ピンプレート350及びアダプタカラー378が上昇位置にある場合、フランジ部372は、対向支持部358、360を含む平面の下に位置したままである。垂直移動機構376は、アダプタカラー378を定位置に後退させ、この定位置において、上部392、394は、支持部358、360とフランジ部372との間で垂直方向に位置する。そして、アダプタカラーが開放構造のため、シャフト370およびフランジ部372がアダプタカラー378を通過した状態で、入れ子アセンブリ346は、リフトアセンブリ374と干渉せずに自在に移動する。
【0070】
箱22が処理されてダイアルコンベア68から移動した後、ピンプレート350は、上昇位置のままである。ダイアルコンベア68の次のサイクル中にブリスタカード20が入れ子アセンブリ346に置かれる場合、箱位置決めピン366は、ベースプレート344から後退されなければならない。これは、アダプタカラー378をより低い位置へ移動することによって達成される。特に、入れ子アセンブリ346が、検証された製品12が置かれる、ダイアルコンベア68のワークフロー経路における2つのインデックス付けされた場所の1つに戻る場合、シャフト370およびフランジ部372は、アダプタカラー378のアーム388、390の間に受け入れられる。これは、やはりアダプタカラー378の開放構造の結果である。この点において、垂直移動機構376は、アダプタカラー378をより低い位置に下方へ移動させる。アダプタカラー378の対向上部392、394は、この下方への移動中にフランジ部372と係合し、ピンプレート350をベースプレート344から離し、より低い位置へ引っ張る。そして、垂直移動機構376は、基部386がフランジ部372と接触することなく、アダプタカラー378をその定位置に戻すことができる。
【0071】
(f)ラベル貼付ステーション
一旦ベースプレート344の1つに配置された製品12を処理するダイアルコンベア68のワークフロー経路に位置する第1ステーションは、ラベル貼付ステーション76である。図32から図42を参照すると、ラベル貼付ステーション76は、ラベル印刷機78、ラベル貼付器80、ラベル排除デバイス82及び平坦化デバイス400を含む。ラベル印刷機78は、任意の商用タイプのラベル印刷機78を備え、1つの具体的な実施形態においては、Barry-Wehmiller Companies株式会社から入手可能なACCRAPLY S8400 Seriesのラベル印刷機である。ラベル印刷機78は、テーブル408上に取り付けられ、大容量のラベル供給ロールおよび大容量の裏面巻取ロールを有している。テーブル408は、カート402によって支持され、ラベル印刷機78を物理的に持ち上げる必要なくさまざまな場所に移動されることができる。解放可能なクランプ機構406は、テーブル408をカート402に固定し、解放可能なクランプ機構404は、カート402をALV機械50に固定する。
【0072】
ラベル印刷機78は、「プラグアンドプレイ」設計を特徴としており、印刷機の故障または異常の場合において、ラベル印刷機78を、容易かつ迅速に予備のラベル印刷機78に交換することができる。ラベル印刷機78とALV機械50との電気的接続は、迅速な交換を促進する開放可能なコネクタ(図示せず)を特徴としている。ラベル印刷機78が故障または異常の場合、操作者は、クランプ機構404を解放し、電気コネクタのプラグを抜き、カート402の上の故障したラベル印刷機78をALV機械50から離す。
【0073】
図34から図36において最もよく示されるように、ラベル貼付ステーション76のラベル貼付器80はタンプブロック(tamp block)410と、タンプブロック410に支持される真空タンプヘッド412と、タンプブロック410を垂直に移動させるアクチュエータ414と、アクチュエータ414に結合された取付アーム416と、取付アーム416をダイアルコンベア68の上で上昇させる一対の支持シャフト418、420と、を含む。タンプヘッド412は、ラベル印刷機78によって印刷された各患者ラベル32(図6及び図7)を一時的に捕捉するように構成されている。具体的には、タンプヘッド412は、患者ラベル32の非粘着側に吸引力を加えるように構成され、患者ラベル32は、粘着側が製品12に対して下に向いた状態で、タンプパッド422に対して保持される。タンプヘッド412を通って延在する窓部424は、患者ラベル32がタンプパッド422に対して保持されている場合に、患者バーコード34に揃えられている。したがって、窓部424により、患者バーコード34が製品12に貼付される前に視認されかつ検証されることができる。
【0074】
このため、ラベル貼付器80は、カメラカバー430と、取付アーム416に結合される取付プレート432と、をさらに含む。カメラカバー430は、窓部424を介して患者バーコード34の画像を取得するカメラ436を支持するように構成されている。平坦化デバイス400に取り付けられた照明アセンブリ434は、光を患者バーコード34へ向け、周辺の光を補って画像処理を容易にする。機械視覚ソフトウエアを用いて、ALVシステム10の制御装置は、ラベル貼付器80のカメラ436によって取得された画像を解析し、患者バーコード34が患者ラベル32にきちんと印刷されているか判断する。患者バーコード34が読み取れない、またはそうではないものの検証が失敗した場合は、患者ラベル32は、ラベル排除デバイス82に貼付するためにフラグ付けされる。患者バーコード34がきちんと読み取られ、かつ検証される場合、患者ラベル32は、製品12に貼付するためにフラグ付けされる。
【0075】
アクチュエータ414がタンプブロック410およびタンプヘッド412を製品12に向けて下方へ移動させることによって、ラベル貼付器80は、患者ラベル32を製品12に貼付する。ラベル排除デバイス82は、この移動経路のタンプヘッド412と製品12との間に初めに位置付けられた部分を有する排除プレート440を含む。患者ラベル32が排除とフラグ付けされている場合、排除プレート440は、この位置にとどまり、タンプヘッド412は、製品12ではなく排除プレート440に接触する。アクチュエータ414は、患者ラベル32と排除プレート440との間の接着接合を確立するのに十分な力でタンプヘッド412を排除プレート440に対して押し付ける。その結果、アクチュエータ414は、次に、患者ラベル32を排除プレート440に残したまま、タンプヘッド412をその初期位置へ戻す。
【0076】
最終的には、検証が失敗した患者ラベル32のスタック442は、排除プレート440に蓄積される。排除プレート440にあるこれらの非検証患者ラベル32を定期的に取り除く必要があってもよい。ラベル排除デバイス82に関連付けられたセンサ444は、スタック442が(線446によって全体的に示されている)最大許容レベルに達したときを判断する。ALVシステム10の制御装置は、センサ444から受信した信号を処理し、スタック442を取り除くことを操作者に知らせる。
【0077】
患者ラベル32が首尾よく検証され、製品12への貼付のフラグ付けがされた場合、アクチュエータ414は、排除プレート440をタンプヘッド412の移動経路から外へ移動させる。そして、タンプヘッド412は、製品12に達する前に、平坦化デバイス400の支持プレート452に設けられた窓部450を通って下方に移動する。製品12が箱22である場合、タンプヘッド412は、接着接合を確立するが箱22をつぶす、または破損させない程度の力で患者ラベル32を前面88に対して押し付ける。タンプヘッド412および患者ラベル32は、前面88より幅が大きく、箱22は、タンプヘッド412の下で中心合わせされている。その結果、このラベル貼付ステップ中に、患者ラベル32の一部のみが箱22に接着接合される。アクチュエータ414は、タンプヘッド412をその初期位置に戻し、患者ラベル32が前面88を横断して延在するままし、患者ラベルの一部は、対向する側壁28、30の上方で前面88から外側へ突出した状態である。これら部分は、後述するように、ラベル擦付ステーション90において、側壁28、30に平坦化、または「擦り付けられ」る。ラベル貼付器80のカメラは、箱22がラベル擦付ステーション90に移動する前に、患者ラベル32がまだタンプヘッド412に貼付されていないことを検証する。
【0078】
ラベル貼付ステーション76の製品12がブリスタカード20である場合、平坦化デバイス400は、患者ラベル32を貼付する際にベースプレート344上でブリスタカード20を安定化させる。平坦化デバイス400は、ラベル貼付ステーション76においてベースプレート344の両側の上方で回転可能に支持された一対の指部460、462を含む。指部460、462は、エアシリンダの形で示された各アクチュエータ464、466に結合される。アクチュエータ464、466は、指部460、462をブリスタカード20対して回転させ、ベースプレート344に対してブリスタカード20を押し付ける。したがって、ブリスタカード20は、指部460、462とベースプレート344との間でしっかりと把持され、ラベル貼付処理中にブリスタカード20が移動することを防止する。
【0079】
患者ラベル32は、箱22と同様の方法でブリスタカード20に貼付される。すなわち、タンプヘッド412は、ブリスタカード20の前面26を押し付けるまで、支持プレート452の窓部450を通って下方へ移動する。患者ラベル32の貼付領域または着地領域全体が前面26に位置しているため、患者ラベル32は、前面26に全体が平らに貼付される(他の面に擦り付けなければならない突出部分がない)。タンプヘッド412が後退する場合、ラベル貼付器80のカメラは、患者ラベル32がタンプヘッド412に取り付けられていないかを検証するために同様に使用される。タンプヘッド412が後退すると、アクチュエータ464、466は、指部460、462を回転してブリスタカード20から離し、ダイアルコンベア68がブリスタカード20を次の処理ステーションへ移送することを可能とする。
(g)ラベル擦付ステーション
【0080】
いったん患者ラベル32が製品12に貼付されると、ダイアルコンベア68は、回転して、製品12をラベル擦付ステーション90に運ぶ。図41及び図42に示すように、ラベル擦付ステーション90は、ラベル擦付ステーション90は、製品12の上方で懸架された一対の擦付指部474、476を有するラベル擦付デバイス472を含む。ラベル擦付指部474、476は、互いに平行に配置されかつ箱22の1つの幅とほぼ同等の距離だけ離間したほぼ長方形の要素である。取付プレート478、480は、ラベル擦付指部474、476を垂直移動機構482に結合し、垂直移動機構は、一対の垂直支持シャフト486、488によって支持された取付プレート484に結合されている。また、ラベル擦付デバイス472は、初めに水平方向に突出した把持指部492、494を有する把持要素490を含む。
【0081】
センサ(図示せず)は、ブリスタカード20または箱22のどちらがラベル擦付ステーション90にあるかを判断する。ブリスタカード20がある場合は、ラベル擦付デバイス472は、処理ステップを実行しない。上述のように、患者ラベル32は、最初からブリスタカード20の前面26に平らに貼付されているため、擦り付けは必要でない。ブリスタカード20は、ダイアルコンベア68がさらに回転してブリスタカード20をワークフロー経路の次のインデックス付けされた場所に移動させるまで、さらなる処理なくラベル擦付ステーション90に一時的に配置される。
【0082】
ラベル擦付ステーション90に運ばれた箱22は、前面88に貼付された患者ラベル32を有し、患者ラベル32の一部は側壁28、30を越えて外側に突出した状態である。センサが箱22を検出すると、把持要素490の把持指部492、494は、下方に回転し、箱22の側壁28、30を把持する。箱22が把持要素490によって安定している状態で、垂直移動機構482は、取付プレート478、780及びラベル擦付指部474、476を箱22を覆うように下方へ移動させる。ラベル擦付指部474、476は、その間に箱22を密接に受け入れる。したがって、下方への移動中、ラベル擦付指部474、476は、患者ラベル32の突出部分と接触し、それらを下方に押して、前面88の側縁に沿って折り部を形成する。患者ラベル32の突出部分は、箱22の側壁28、30に効率的に「擦り付け」られる。この点において、把持要素490は、把持指部492、494を回転してその初期位置へ戻し、垂直移動機構482は、ラベル擦付指部474、476を後退させる。ここで、箱22は、患者ラベル32が前面88及び側壁28、30の周囲に巻かれた状態で、さらに処理される準備が整う。
【0083】
(h)視覚検査ステーション
ダイアルコンベア68のワークフロー経路の次のインデックス付けされた場所は、視覚検査ステーション92である。図43を参照すると、視覚検査ステーション92は、ダイアルコンベア68の上方で垂直支持シャフト508、510、512、514によって支持されたさまざまな取付プレート502、504、506を有している。第1カメラ保護部516は、取付プレート502に結合されて、ほぼ垂直方向に整列されている。第1カメラ保護部516は、ブリスタカード20の製品バーコード24及び患者バーコード34の両方を検査するオーバーヘッドカメラ517を支持するように構成されている。したがって、製品バーコード24及び患者バーコード34両方は、オーバーヘッドカメラ517の視野内にある。また、照明アセンブリ518は、この画像処理を補助するためにダイアルコンベア68の上方に懸架されることができる。このように、照明アセンブリ518は、ブリスタカード20の患者バーコード34及び製品バーコード24に対して光を向けるように構成されている。当業者は、別の実施形態において別個のカメラ(図示せず)を用いて製品バーコード24及び患者バーコード34を読み込んでもよいことを理解するだろう。
【0084】
視覚検査ステーション92は、取付プレート504に結合された第2カメラ保護部524と、取付プレート506に結合された第3カメラ保護部526と、をさらに含む。第2及び第3カメラ保護部524、526は、ほぼ水平方向に整列されており、ダイアルコンベア68の若干上にのみ懸架されている。第2カメラ保護部524は、ラベル擦付ステーション90の結果として、箱22の側壁28に位置する患者バーコード34を読み取るカメラ525を支持するように構成される。第3カメラ保護部526は、箱22の側壁28にある患者バーコード34を読み取るカメラ527を支持するように構成されている。1以上の照明アセンブリ528は、第1及び第2カメラ保護部524、526に隣接したダイアルコンベア68の上方に懸架されることができる。照明アセンブリ528は、画像処理を容易にするために、患者バーコード34及び製品バーコード24を照らすように構成されている。
【0085】
ALVシステム10の制御装置は、視覚検査ステーション92のカメラ517、525、527によって取得された画像を解析する。製品バーコード24及び患者バーコード34が一致している場合、製品12は、認可品としてフラグ付けされる。製品バーコード24及び患者バーコード34が一致しないまたは読み取れない場合、製品12は、排除としてフラグ付けされる。
【0086】
(i)取り出しステーション
ALV機械50の取り出しステーション94は、図44に示すように概してロボット96によって表される。移送ステーション64のロボット66と同様に、代表的な実施形態における取り出しステーション94のロボット96は、SCARA構成を有する。実際、ロボット96は、ブリスタカード20および箱22を1つの位置から別の位置に移動するために同じ方法にて動作させるように、移送ステーション64のロボット66と同じ型(例えばAdept Cobra(登録商標)ロボット)とすることができる。それに応じて、図44の同様な符号は、ロボット66と同様な構造を参照するために使用され、ブリスタカード20および箱22を「ピックアンドプレース」するためにこれらの構成要素がどのように作動するかをより完全に理解するために、ロボット66の説明を参照することができる。
【0087】
視覚検査ステーション92において、排除としてフラグ付された製品12は、ロボット96によって選択され、それらが取り出しステーション94に達すると第2排除容器98に配置される。第1および第2排除容器70,98は、ALV機械50の各引出しまたは区画(図4参照)に位置する。第1および第2排除容器70,98の一方または両方は、キーまたはコードによってロックされることができる。したがって、適切な権限を有する人のみが排除製品12にアクセスすることができ、これはALVシステム10の安全機能である。
【0088】
視覚検査ステーション92にて首尾よく検証され、かつ認可品としてフラグ付された製品12は、ロボット96によって選択され、かつトートコンベアシステム52のメインコンベア106の容器54の1つに配置される。図45に示すように、ロボット96は、排除されたおよび認可された製品12を利用可能な空間を効率的に使用する組織化された方法にて置くことができる。
【0089】
(j)トートコンベアシステム及びトート取扱システム
図46〜図53は、トートコンベアシステム52及びトート取扱システム56の構成要素をより詳細に示している。トートコンベアシステム52は、容器54のスタックをメインコンベア106へ個別化するように構成されたトート積込装置540を含む。トート積込装置540は、例えばTotal Tote社から入手可能なTote Tender(登録商標)取扱システムとすることができる。このようなシステムは、高速で大量の容器54をばらす(de-stack)。したがって、使用時において、操作者は、スタックをトート積込装置540に供給する供給コンベア542に容器54のスタックを配置する。そして、トート積込装置540は、一つずつ容器54をばらし、メインコンベア106に供給する。
【0090】
容器54は、一側に容器バーコード(図示略)を有しているため、属性(例えば顧客施設)が容器54に割り当てられ、ラベル貼付されかつ検証された製品12は、容器54に照らして確認されることができる。容器54スタックを供給コンベア542に積み込む場合、操作者は、確実に容器バーコードを同じ方向に向ける。メインコンベア106に沿って配置された1以上のバーコードリーダ550は、容器がトート積込装置540によってばらされた後に容器54の状態を追跡するように構成されている。また、メインコンベア106は、容器54の位置を監視するさまざまなセンサ(図示せず)を含むことができる。これらのセンサは、ラベル貼付されかつ検証された製品12で容器を満たすALV機械50の取り出しステーション94においてメインコンベア106が容器54を停止させることを可能とする。
【0091】
そして、いったん容器54が満たされると、メインコンベア106は、容器54を第2コンベア552に移動する。容器54が監査のためにフラグ付けされた場合、第2コンベア552は、監査ステーション100に送るための平行コンベア108に容器54を移送する。監査ステーション100は、手持ちのバーコードスキャナ(図示せず)と、操作者用のインタフェース(例えばコンピュータモニタなど)と、を含む。監査ステーション100の操作者は、製品バーコード24、患者バーコード34および容器バーコードをスキャンして、患者ラベル32が正しい製品12に貼付されているか、および製品12が正しい容器54に配置されているかを確認する。
【0092】
容器54が監査のためのフラグ付けがされていない場合、第2コンベア552は、容器54をトート取扱システム56に移送する。トート取扱システム56は、トート積込ロボット110及びトートラック112に加えて、容器54を第2コンベア552から受け取る積込列、またはコンベア560を含む。1つの具体的な実施形態において、トート積込ロボット110は、Adept Technologies社から入手可能な6軸Adept Viper(登録商標)ロボットである。トート積込ロボット110は、容器54を積込コンベア560から選択し、監査ステーション100へ送るためのトート返却コンベア114、または一時的に保管するためのトートラック112、のどちらかに配置する。トートラック112は、容器54を保管する別個のレーン564に分割された棚562を含む。レーン564は、操作者によってアクセス可能なトートラック112の前方から、トート積込ロボット110によってアクセス可能なトートラック112の後方に向かって傾けられている。各レーン564が複数のローラ566を備えているため、トート積込ロボット110によって置かれた容器54は、レーン564に沿ってトートラック112の前方に移動することができる。トートラック112の前方に位置する停止部568は、容器54が棚562から落下することを防止する。
【0093】
上記に詳述したALVシステム10の構成要素は、事実上単なる代表的なものである。当業者は、ALVシステム10と同様の方法で製品12を処理するのに他の構成要素を用いることができることを理解するだろう。
【0094】
要約すると、ALVシステム10は、効率を向上しかつラベル貼付・検証処理を自動化するために、便宜的に、固体錠剤の2つの一般的な形状因子、すなわちブリスタカード20または箱22に依存している。ALVシステム10は、製品12または患者ラベル32のいずれかを損傷することなく、薬局検証または判定後の注文/選択要求を処理かつ最適化し、正しい患者ラベル32が正しい製品12に配置されていることを検証し、そして、正しい製品12が正しい容器54に配置されていることを検証する。ラベル貼付されかつ検証された製品12は、他の可能性のある形状因子と共に、ブリスタカード20および箱22の任意の組合せを含むことができ、自動化されたラベル貼付および検証処理の間、処理は機械で読み取り可能なバーコード24、25、34に依存する。ALVシステム10は、手作業で分配することに関連する医薬品エラーを低減し、医薬品の分配に関連するコストを抑え、人員の削減を可能とし、そして在庫制御を改善する。
【0095】
本発明がさまざまな実施形態の説明によって示されており、これら実施形態がかなり詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制限または多少なりとも限定することは、本出願人の意図ではない。構成要素の置き換えによるさらなる利点及び改良点は、当業者にはすぐに分かるだろう。例えば、翻明細書ではどの場合でも「カメラ」を説明しているが、当業者は、他のタイプのバーコードリーダをALVシステム10に使用することができることを理解するだろう。したがって、広い態様における本発明は、具体的な詳細、代表的な装置および方法並びに図示されかつ説明された具体例に限定されない。したがって、本出願人の全体的な発明概念の精神または技術範囲から逸脱することなくこのような詳細から外れることができる。
【符号の説明】
【0096】
10 自動ラベル検証(ALV)システム
12 製品
20 ブリスタカード
22 箱
24 製品バーコード
25 バーコード
32 患者ラベル
34 患者バーコード
40 デジタルピッキングシステム
42 デジタルピッキングラック
44 バルク輸送ケース
50 ALV機械
52 トートコンベアシステム
56 トート取扱システム
60 カード積込ステーション
62 箱積込ステーション
64 移送ステーション
68 ダイアルコンベア
76 ラベル貼付ステーション
90 ラベル擦付ステーション
92 視覚検査ステーション
94 取出しステーション
100 監査ステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬局内に置かれた機械おいて複数の製品を処理することにより顧客注文の処方箋の薬を出す方法であって、各前記製品は、医薬品を含み、かつ前記医薬品に関する情報を含む第1バーコードによって印がつけられ、ならびに各前記製品は、前記機械に積み込む前に前記処方箋に関する印をつける必要がなく、前記方法は、
ホストサーバーから前記薬局内部に位置する内部製品サプライヤーへ前記製品の注文を伝えるステップと、
前記処方箋に関する印が不要な前記製品を生成し、かつ前記各医薬品によって前記注文を満たすために使用する前記内部製品サプライヤーを使用するステップと、
前記製品を前記機械に積み込むステップと、
前記機械に積み込まれた各前記製品の前記第1バーコードを読み取るために前記機械を使用するステップと、
各前記製品の前記第1バーコードの読み取りに応じて、少なくともいくつかの前記製品それぞれに、前記処方箋のそれぞれ1つに関する情報のラベルを貼付するステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記第1バーコードエンコードによって含まれる情報が、第1の形状因子または第2の形状因子のいずれかを識別する第1部分と、前記製品パッケージに収容される前記医薬品の投薬量を表す第2部分と、を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各前記処方箋が、前記製品のそれぞれ1つにおける前記医薬品に相関し、かつ、方法が
前記顧客注文をホストサーバーによって受けるステップと、
前記顧客注文における前記処方箋に相関する複数の製品要求を前記ホストサーバーから前記機械に伝えるステップと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1バーコードに含まれる情報と、前記顧客注文に関する追跡データとを比較するステップと、
前記比較に基づき、各前記製品が前記顧客注文に合っているか、または前記顧客注文に合っていないか、のいずれかを決定するステップと、
をさらに備える請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記薬局外部の製品サプライヤーによって前記各医薬品でそれぞれ満たされ、かつ前記処方箋に関する印がそれぞれ不要な、追加の製品を前記薬局にて受けとるステップ、をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各前記処方箋が、前記製品のそれぞれ1つにおける前記医薬品に相関し、かつ方法が、
前記顧客注文における前記処方箋に相関する複数の製品要求を前記機械に伝えるステップをさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記製品要求に基づいて前記製品が前記機械に積み込まれる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記機械に隣接して配置された複数のラックに前記製品を蓄えるステップをさらに備える請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記内部製品サプライヤーが、各前記製品を前記各医薬品によって自動的に満たすよう構成された自動機械である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数の製品を処理することにより顧客注文の処方箋の薬を出す方法であって、各前記製品は、医薬品を含み、かつ前記医薬品に関する情報を含む第1バーコードによって印がつけられ、ならびに各前記製品は、前記機械に積み込む前に前記処方箋に関する印をつける必要がなく、および各前記製品は、各前記製品内の前記医薬品の使用期限に関する情報を含む第2バーコードによって印がつけられ、前記方法は、
前記機械に前記製品を積み込むステップと、
前記機械に積み込まれた各前記製品の前記第1バーコードを読み取るために前記機械を使用するステップと、
各前記製品の前記第1バーコードの読み取りに応じて、少なくともいくつかの前記製品のそれぞれに、前記処方箋のそれぞれ1つに関する情報のラベルを貼付するステップと、
前記機械に積み込まれた各前記製品の前記第2バーコードを読み取るために前記機械を使用するステップと、
各前記製品の前記第2バーコードの読み取りに応じて、前記使用期限より前に起こる終了日までに、前記医薬品が前記処方箋のそれぞれ1つにより分配される見通しであるかどうかを決定するステップと、
を備える、方法。
【請求項11】
前記使用期限が前記終了日後に起こる場合、ラベルの貼付を防ぐために前記製品が排除されるステップをさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2バーコードは、2次元マトリックスの情報を符号化し、かつ前記機械が、前記第2バーコードから読み取った前記2次元マトリックスの情報を解釈するよう構成されている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数の第1製品および少なくとも1つの第2製品によって顧客注文の処方箋の薬を出す方法であって、各前記第1製品および前記少なくとも1つの第2製品は、医薬品を含み、かつ前記医薬品に関する情報を含むバーコードによって印がつけられ、前記方法は、
デジタルピッキングシステムの複数の位置に前記第1製品を蓄えるステップと、
前記顧客注文の各前記第1製品のそれぞれの位置を特定する視覚の待ち行列を提供するよう前記デジタルピッキングシステムを動作させるステップと、
前記デジタルピッキングシステムの前記位置以外の源から前記少なくとも1つの第2製品を得るステップと、
処理のために前記第1製品および前記少なくとも1つの第2製品を前記機械に積み込むステップと、
前記機械に積み込まれた各前記第1製品および前記少なくとも1つの第2製品の前記第1バーコードを読み取るために前記機械を使用するステップと、
を備える方法。
【請求項14】
各前記製品の前記第1バーコードの読み取りに応じて、各前記第1製品および前記少なくとも1つの第2製品に、前記処方箋それぞれの1つに関する情報のラベルを貼付するために前記機械を使用するステップをさらに備える請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記デジタルピッキングシステムを動作させるステップが、
前記それぞれの位置に関連した表示ランプを照らすステップを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記デジタルピッキングシステムの前記位置に前記第1製品を蓄えるステップが、
前記第1製品を複数の棚に積み込むステップを備える、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図49A】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【公表番号】特表2013−514830(P2013−514830A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544873(P2012−544873)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/060968
【国際公開番号】WO2011/084672
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(510078218)オムニケア・インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】