説明

風切り音を軽減する装置

【課題】耳が露出した状態で無蓋車輌に乗る搭乗者には、前方から来る風が耳たぶに当たることにより、風切り音が聞こえる。
【解決手段】搭乗者の耳の前方に風防A1を設置し、風防A1の前方かつヘルメットの下方に風防B25を加えて設置する。あるいは、風防B25をのみを設置する。前方より来る風が風防B25に遮られて耳たぶに当たらなくなることにより、風切り音は消える。風防B25は、風の進行方向を緩やかに変えられるので、風防A1の左右長が短くても前述の乱流発生は抑えられる。また、前方から来た風が風防B前縁に衝突する音が発生するが、この音の発生する場所が耳穴から遠いため衝突音が耳穴に伝わりにくい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風防を用いて、無蓋の乗り物の搭乗者に聞こえる風切り音を軽減する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以下の説明にて、左右、上下、前後なる方向を示す言葉は、頭部が直立した状態の使用者に本発明の装置を装着し、使用者にとっての各方向が装置の各方向を示すものとする。外側、内側なる表現は、使用者の体から遠い側を外側、近い側を内側とする。即ち、左耳付近に装着する部材に関しては左が外側、右が内側となる。頭部とは、首より上を指す。周囲の音とは、使用者に聞える音のうち、使用者の耳付近で発生する音を除いた音のことである。
【0003】
耳が露出した状態で無蓋の乗り物に乗る搭乗者には、前方より来る風がその耳たぶ(4)に当たる為、風切り音が聞こえる。これによって、以下2つの不都合が発生する。
1.周囲の音が聞えにくくなることにより、運転上の危険が増す。特に、後方からの車輛接近に気づかなくなることの影響が大きい。
2.常時、風切り音が聞えることが、搭乗者の心理的負担、或いは難聴の原因となる。
【0004】
搭乗者の耳たぶ(4)全体をヘルメットの帽体、或いは布製、皮製のカバーで覆った場合、前項目で説明した風切り音は発生しない。しかし、周囲の音が聞き取りにくい、という不都合が発生する。また、使用者の耳付近の放熱性が悪いため、夏季にこれらを着用することは、苦痛となる。上記で述べた耳たぶ(4)全体を覆う布製又は皮製のカバーには、耳穴(5)付近に音を通す穴を設けたモデルが存在する。実願平8−11556号の請求項4は、その一例である。これらは、周囲の音が聞き取りにくいという不都合は解消される。しかし、使用者の耳付近の放熱性が悪いという欠点は依然として存在する。
【特許文献1】実願平8−11556公報
【0005】
アメリカ合衆国特許第5,323,493号の請求項1、3においては、以下の欠点がある。即ち、風防A(1)によって、耳たぶ(4)に当たる風は軽減され、装置不使用時に聞える風切り音は消える。しかし、風防A(1)が前方より来るに振動させられて高周波の音を発生し、それが使用者に聞えるという、新たな不都合が生じる。この音が聞えないようにするには、振動減衰性に優れた風防A(1)を作らなければならない。実際には十分な減衰性が得られず、高周波の音が発生して、それが使用者に聞こえることが多い。尚、本発明における風防A(1)は、同特許におけるair deflectorに相当する。
【特許文献2】アメリカ合衆国特許第5,323,493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下4つの特徴を備えることを、本発明装置の目的とする。
1.風切り音を軽減する。
2.周囲の音が減衰されることなく使用者の耳に届く。
3.使用者の耳付近の放熱性を確保する。
4.装置が新たな音を作り出した場合、それが使用者に聞こえないようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
使用者の耳(5)の前方に風防A(1)と遮音板(2)を設置し、固定する。風防A(1)は使用者の耳たぶ(4)を前方から、或いは前方から側方にかけて覆い、遮音板(2)は耳穴(5)と風防A(1)の間に位置する。耳全体を覆うカバーは、備えない。風防A(1)と遮音板(2)は耳たぶ(4)に接触しない。耳の大部分は外気に開放されており、使用者の耳たぶ(4)が後方より見えることを特徴とする。必要に応じて、風防A(1)の前方かつヘルメット(3)の下方に風防B(25)を加えて設置する。あるいは、風防B(25)を設置し、風防A(1)遮音板(2)の片方または両方を省略する。風防A(1)と風防B(25)の差異は、後述の発明を実施するための最良の形態及び実施例にて記す。
【発明の効果】
【0008】
1.前方より来る風は、風防A(1)によってせき止められ、使用者の耳たぶ(4)、耳穴(5)には到達しない。これにより、装置を使用する以前に聞えていた風切り音は消滅する。同時に副作用として、風防A(1)が前方より来る風によって振動させられ高周波数の音を発生する。
2.前方より来る風は風防A(1)にせき止められ、遮音板(2)には到達しない。従って、遮音板(2)は振動せず音を発生しない。前述の風防A(1)が振動して発生する音は、遮音板(2)で遮断され、使用者の耳穴(5)には到達しない。
3.以上の作用により、前方より来る風によって作られる音は、使用者に聞えない。
4.使用者の耳たぶ(4)の大部分が外気に開放されているので、付近の放熱性は確保される。同じ理由により、周囲の音は減衰されることなく使用者の耳穴(5)に届く。
5.アメリカ合衆国特許第5,323,493号の請求項1、3と比較した場合、本発明では風防A(1)が振動しても良い為、その軽量化、簡素化が実現できる。
6.副二次的な効果として、遮音板(2)の後ろ側が、使用者の後方で発生する音を反射するため、使用者には後方の音がよりよく聞える。同じく副二次的な効果として、風防A(1)と遮音板(2)が衝撃緩衝材となり、事故発生時に使用者の頭部側面を保護する作用がある。
【0009】
風防B(25)設置の目的と効果は以下の通りである。
1.設置される風防が風防A(1)のみの場合には、前方より来た風は短い区間で急激に進行方向を変えられるため、風防A(1)の左右長(18)が短いと、前方から来た風が風防(1)後端から耳穴(5)方向に回り込み乱流が発生しやすい。従って、耳穴(5)付近が静かになるためには、風防A(1)の左右長(18)を長くする必要がある。左右長(18)を増大させることは、美観を損ない空気抵抗増加の原因となる。また、風が風防A(1)前縁に衝突して音が発生し、これが耳穴(5)の近くで発生するため、遮音板(2)は高い遮音性能が要求されて重厚長大となる。
2.風防B(25)を設置した場合は、風の進行方向が緩やかに変えられるので、風防A(1)の左右長(18)が短くても前述の乱流発生は抑えられる。
3.前方から来た風が風防B(26)前縁に衝突する音が発生するわけであるが、この音の発生する場所が風防A(1)のみ設置の場合と比べて耳穴(5)から遠い。このため衝突音が耳穴(5)に伝わりにくくなり、遮音板(2)の小型化、簡素化、あるいは設置省略が可能となる。
4.使用者がヘルメット(3)を着用して頭部を前傾させる状況においては、風防B(25)の設置は、以下の理由により更に有効な手段となる。
第23図に示すとおり、風防B(25)がない場合、ヘルメット(3)の帽体表面を通過した風がヘルメット下端(26)で曲がって使用者のこめかみ部分(27)に回り込み、再び風防A(1)の前縁(28)に衝突する。
市販されているヘルメット帽体の厚みは2ないし3cmであり、風防A(1)の多くは左右長(18)が3cm程度である。ヘルメット下端(26)から風防A(1)の最も左右方向に突き出た部分までの空間を風防B(25)が埋めた場合、第24図に示すとおり、前方から来た風は耳付近での急激な進路変更がなく、風防A(1)にも風防B(25)にも衝突しない。つまり、使用者がヘルメット(3)を着用して頭部を前傾させる状況においては、風防B(25)は風切り音発生原因の二つを完全に消滅させる効果を有するわけである。
5.本発明において、風防B(25)は風防A(1)、遮音板(2)と併用することを前提としているが、この片方または両者が欠けても風防B(25)が消音効果を有することは、言うまでもない。
6.こめかみ部(27)に風切り音を軽減する装置を設置する方法は、アメリカ特許第6,029,769号にある。この発明の作用は、装置付近の乱流をshaped fiber filterによって層流に変換し、後方に流すことである。本発明における風防B(25)の役割は、前方から来た風を使用者の頭部側面から数cm離して通過させることである。よって、両者は目的が異なる。
【特許文献3】アメリカ特許第6,029,769号公報
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
風防A(1)、遮音板(2)の支持方法は、実施例にて示す。それ以外の要点は、下記1から14にて示す。
1.風防A(1)及び遮音板(2)は、使用者の頭部側面に接し、耳穴(5)の前方に取り付けられる。耳穴(5)に近づけられるほど良い。
2.風防A(1)及び遮音板(2)の形状は、平らな、或いは湾曲、屈曲した板状を基本形状とする。過度な乱流発生を招かなければ、板状でなくてもよい。

3.風防A(1)、遮音板(2)の取り付け向きは、外側にまっすぐに向ける、後ろに傾ける、更に途中で湾曲、屈曲する、の3通りある。これを組み合わせた代表的な例を図15、16、17、18にて示す。これらの図は、耳穴(5)の高さの断面図である。簡単の為、後述の実施例およびそれを示す図面においては、一つの実施例につき、一つの取り付け向きのみを示す。
4.風防A(1)の上下方向の大きさは、3cm以上とする。最大大きさは、定めないが、耳たぶ(4)の上端および下端から2cmを越えて大きくしても、装置の効果は増大しない。後述の実施例1、2に示すように、ヘルメット(3)を支持点として装着する場合は、風防A(1)の上端はヘルメット(3)に連結するのがよい。
5.風防A(1)の左右方向の大きさは、1cm以上とする。5cmを越えて大きくしても、装置の効果は増大しない。風防A(1)の上下端にテーパーあるいは丸みを着けた場合には、その箇所が1cm未満になってもよい。
6.風防A(1)の後端の位置は、図15、16に示す型では、耳穴(5)より前方となる。図17、18に示す型では、風防A(1)の後端の位置はいくらでも伸ばしてもよい。ただし、耳たぶ(4)の前後長の中央を越える後方に位置しても、装置の効果は、大きくは増大しない。強い横風を考慮しない限り、中央を越える後方まで伸ばす必要はない。
7.遮音板(2)は、風防A(1)と耳穴(5)の間を完全に遮る大きさを有することが望ましい。遮音板(2)は、前方から見て、風防A(1)よりはみ出さないことが望ましい。風防A(1)からはみ出す場合は、前方から見て上下外側とも、はみ出す量は5mm以内とする。
8.風防A(1)、遮音板(2)は、両者の振動や変形によってお互いが接触しないものとする。
9.風防A(1)および遮音板(2)が使用者頭部に接する場所には、5mm程度の隙間があってもよい。もちろん、隙間がないのが理想である。そのため、これらが頭部に接触する部分にやわらかい材料を用いる、或いは緩衝材を取り付けるとよい。更に、バネ機構、或いは風防A(1)遮音板(2)自体の弾力によって、風防A(1)遮音板(2)を使用者の頭部側面に密着させるとよい。
10.風防A(1)、及び遮音板(2)の材料は、風圧と振動によって容易に変形しない程度の剛性が要求される。材料はゴム、軟質樹脂が適する。剛性不足の場合は、芯となる材料にて剛性を補う。走行中の振動や風圧で容易に位置を変えないよう、確実に固定する。
11.風防A(1)および遮音板(2)に、眼鏡のつるを通す穴(7)を必要に応じて設ける。隙間から風が通過しないよう、スポンジ(8)で塞ぐとよい。使用者が眼鏡を着用しない場合は、つるを通す穴(7)を別部品にて塞いでおくとよい。これは、後述の実施例3にて記す。
12.使用者の体格差に適応するよう、風防A(1)および遮音板(2)の取り付け位置を調整する機構を設けるとよい。
13.簡略的な方法として、風防A(1)と遮音板(2)を同一の連続した部材で作り、前方を風防の役割を果たす部位(16)、後方を遮音板の役割を果たす部位(17)とする方法がある。
14.同じく簡略的な方法として、遮音板(2)を風防A(1)に取り付ける方法がある。この場合、両者を完全に貼り合わせるのではなく、両者の接触部分が出来るだけ少なくなるようにする。或いは、遮音板(2)を、支持棒を介して風防A(1)に取り付ける方法がある。
上記13、14、二つの簡略的な方法においては、遮音板(2)が頭部側面に接することはなくなり、遮音板(2)は、風防A(1)と耳穴(5)の間を完全に遮らなくなる。すなわち、7に記述されていることの例外となる。
なお、上記9、10、11、12は、後述の風防B(25)についても適用される。
【0011】
風防B(25)に関しては、以下の通りである。
15.風防B(25)の前端を耳穴(5)中心より5cm以上前方に伸ばしたとき、前述の効果を発揮する。使用者がヘルメット(3)を着用している場合は、耳たぶ付近で風の流れが速いのは耳穴(5)中心より上の方なので、前方から見て風防B(25)が風防A(1)の全てを覆う必要はなく、下端は耳穴(5)中心から下方であればよい。上端はヘルメット下端に密着させるのが望ましく、離す場合はヘルメット(3)下端から5mm以内とする。
16.後述実施例7,8に示すように風防とヘルメット(3)を一体化させる場合は、風防に相当する部分の境界があいまいになる。そこで便宜上、耳穴(5)中心より前方は耳たぶ(4)付け根最上部(30)から下を風防と考え、耳穴(5)中心より後方は耳穴(5)中心より下を風防と考える。耳穴(5)中心の前後で 分けた理由は、後方は騒音対策上の必要ではなく装飾として風防が存在すること
があるからである。以上、第27図参照のこと。
17.後述実施例7、8に示すように風防A(1)と風防B(25)を一体化させて両者の区別がなくなる場合は、ABが一体化された風防(35)の後端は前述6が適用されるが、耳穴(5)中心あるいは耳たぶ最前部から前方でも、十分な風切り音軽減の効果が得られる。他は、前述15、16の規定を適応する。
18.風防B(26)の左右方向の厚さは、第20、21、22図に示すとおり、前縁で薄くなるテーパーをつけると良い。ただし、第24図に示す使用者の頭部が前傾した状況のみの風切り音軽減を目的とする場合は、このテーパーは不要である。
19.風防B(25)の前縁が描く線は、第20図に示すとおり、下方にいくに従って後方に向かう傾斜をつけるとよい。これは、前方から来た風を下方に進路を変えさせ、耳穴(5)付近を通過する風速を減じる効果がある。同時に、第24図に示す使用者の頭部が前傾した状況では、ヘルメット(3)の下端(26)より下を通過する風が風防B(25)の前縁に当たって騒音源となるのを避ける効果を有する。第27、28、29、30図に示すとおり、美観追求目的でこれを屈曲または湾曲させることも可能である。なお、アメリカ特許6,029,769では、shaped fiber filterが風防B(25)前縁と同様の傾斜をしているが、outer abutmentsによって風が下方に流れるのを遮られており、上記の効果は有しない。
20.風防A(1)、風防B(25)、ヘルメット(3)、使用者頭部がそれぞれ接近または接触する場所は、隙間や段差が少ないほど望ましく、大きくとも1cm、できれば5mm以下に抑える。
21.風防B(26)は、ヘルメット(3)下端に連結して支持するのが望ましい。着脱機構や位置調整機構を設けると、更に良い。材料の一部または全部に熱可塑性エラストマーを用いると、使用者または販売店にて使用者の頭部形状に合わせた、形状の微調整ができる。熱可塑性エラストマーの使用は、風防A(1)遮音板(2)についても適用できる。
【実施例1】
【0012】
ヘルメット(3)の帽体下端に風防A(1)と遮音板(2)を取り付ける。この方式は、細い顎紐を備えた、耳より上のみを覆うヘルメットに適する。自転車用ヘルメット、および一部のオートバイ用ヘルメットがこれに該当する。
【実施例2】
【0013】
実施例1の装置に、風防A(1)および遮音板(2)の着脱機能を加えたものである。台座A(12)を介して風防A(1)および遮音板(2)をヘルメット(3)に連結し、脱落防止機構(11)によって、固定される。装置を使用しないときは、着脱用つまみ(10)を押し下げて、装置を取り外す。
【実施例3】
【0014】
ヘルメット(3)の顎紐(6)に風防A(1)と遮音板(2)を固定する。この方式は、幅広の帯状顎紐を備えた、耳より上のみを覆うヘルメットに適する。競馬用ヘルメット、一部のオートバイ用ヘルメットがこれに該当する。装置を着脱可能とすると、なお良い。図面に示した例では、台座B(14)に風防A(1)と遮音板(2)を取り付け、台座B(14)を顎紐(6)にマジックテープ(登録商標)(15)で固定する方法を取った。これにより、装置の着脱が可能となっている。
【実施例4】
【0015】
ヘルメットを着用しない使用者に対しては、ヘッドフォンのようにアーチ状の支持具を用いて装置を固定する方法がある。
【実施例5】
【0016】
ヘルメット(3)に風防A(1)、遮音板(2)、風防B(25)を装着した例を第19図に示す。ヘルメット(3)に風防B(25)を固定する。
【実施例6】
【0017】
前述実施例5の風防A(1)と風防B(25)を一体化したものである。
【実施例7】
【0018】
風防A(1)と風防B(25)とヘルメット(3)を一体化したものである。
【実施例8】
【0019】
風防B(25)とヘルメット(3)を一体化したものである。風防Bによってある程度の風切り音軽減の効果が得られるため、普段は風防A(1)や遮音板(2)を取り外してヘルメット(3)を使用し、特に風切り音軽減を必要とする際のみにこれらを取り付ける、という使用法が可能である。
【実施例9】
【0020】
分厚いあご紐を備えるヘルメット(3)に風防B(25)と遮音板(2)のみを設置した例である。あご紐(6)が風防A(1)の役割を担う。おおむね厚さ2cm以上のあご紐を備えたヘルメットに、この方法が有効となる。図面に示した例では遮音板(2)が設置されているが、設置しなくても十分な風切り音軽減効果が得られる場合もある。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、前方から来る定常的な風を受ける人物が聞く風切り音を取り除く作用を有する。これに該当する状況すべてが、利用可能分野となる。主たる利用者は無蓋車両の搭乗者である。無蓋車両に搭乗する際は、頭部全体を覆うヘルメットを着用することが安全面で望ましい。しかし、耳が露出するヘルメットが選ばれる場合は已然、存在する。あるいは、ヘルメットを装着しない場合もある。よって、本発明は必要とされる。これ以外に、強風下にての作業、前方に移動することが主となるスポーツが利用可能分野となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施例1を示す。図1は、側面図である。これは頭部全体を示す。
【図2】実施例1を示す。図2は、側面図である。これは装置周辺の拡大図である。
【図3】実施例1を示す。図3は、正面図である。左側の装置のみを示す。風防A(1)遮音板(2)の向きは、図16とする。
【図4】実施例2を示す。図4は、側面図を示す。
【図5】実施例2を示す。図5は、図4に示すA−A断面図を示す。使用者の頭部は省いてある。装置周辺を実寸より拡大して示す。部品間の隙間を実際より大きく描いてある。風防A(1)遮音板(2)の向きは、図15とする。
【図6】実施例3を示す。図6は、実施例3の側面図を示す。これは、全体図である。図6のB−B断面は、図16である。
【図7】実施例3を示す。図7は側面図を示す。これは、装置周辺の拡大図である。
【図8】実施例3を示す。図8は、実施例3の正面図を示す。顎紐(6)とマジックテープ(登録商標)(15)は実際より厚目に描いてある。頭部側面と顎紐(6)の間、および、マジックテープ(登録商標)(15)両面の間は、実際は密着しているが、図面ではやや浮き上がらせて描いてある。
【図9】実施例4を示す。図9は、側面図を示す。これは、全体図である。
【図10】実施例4を示す。図10は、後方からの正面図を示す。ヘルメット(3)、及び使用者頭部を省略してある。
【図11】実施例4を示す。図11は、図9のC−C断面図を示す。使用者頭部は省略してある。
【図12】図12は、風防A(1)の大きさの計り方を示す正面図である。図面左側の風防A(1)は、最大大きさであり、図面右側の風防A(1)は最小大きさである。
【図13】図13は、遮音板2が風防A(1)からはみ出す量の計り方を示す正面図である。
【図14】図14は、風防A(1)の後端の位置と、耳たぶ(4)の前後長の計り方を示す側面図である。簡単の為、遮音板(2)と顎紐(6)は省略してある。
【図15】風防A(1)および遮音板(2)の向きの代表的な例を示す、耳穴(5)の高さでの断面図である。
【図16】風防A(1)および遮音板(2)の向きの代表的な例を示す、耳穴(5)の高さでの断面図である。図16は図6のB−B断面図を示している。
【図17】風防A(1)および遮音板(2)の向きの代表的な例を示す、耳穴(5)の高さでの断面図である。
【図18】風防A(1)および遮音板(2)の向きの代表的な例を示す、耳穴(5)の高さでの断面図である。
【図19】実施例5を示す。図19は、側面図である。
【図20】実施例5を示す。図20はD−D断面である。
【図21】実施例5を示す。図21がE−E断面である。
【図22】実施例5を示す。図22がF−F断面である。
【図23】風防A(1)遮音板(2)のみを設置し風防B(25)を備えず、使用者頭部が前傾した状態での、耳周辺の風の流れを示す。
【図24】風防B(25)を備えて、使用者頭部が前傾した状態での、耳周辺の風の流れを示す。
【図25】風防B(25)の各部寸法を測る方法を示す。図25は正面図であり、耳たぶ(4)の付け根最上部を示す。
【図26】風防B(25)の各部寸法を測る方法を示す。
【図27】風防B(25)の各部寸法を測る方法を示す。図27は境界があいまいな場合に風防B(25)を規定する方法である。
【図28】実施例6を示す。
【図29】実施例7を示す。
【図30】実施例8を示す。
【図31】実施例9を示す。図31が側面図である。
【図32】実施例9を示す。図32は図31のG−G断面であり切断面のみを示した。
【符号の説明】
【0023】
1 風防A
2 遮音板
3 ヘルメット
4 使用者耳たぶ
5 使用者耳穴
6 顎紐
7 眼鏡のつるを通す穴
8 スポンジ
9 頭髪
10 着脱用つまみ
11 脱落防止機構
12a 台座A
12b 台座Aの断面
13 ヘルメット断面
14 台座B
15 マジックテープ(登録商標)
16 風防の役目を果たす部位
17 遮音板の役目を果たす部位
18 風防A(1)の寸法、左右方向最大値、及び最小値の計り方
19 風防A(1)の寸法、上下方向最大値の計り方
20 風防A(1)の寸法、上下方向最小値の計り方
21 遮音板(2)が風防A(1)よりはみ出す量、左右方向の計り方
22 遮音板(2)が風防A(1)よりはみ出す量、上下方向の計り方
23 耳たぶ(4)の前後長の計り方
24 風防A(1)後端の位置
25 風防B
26 ヘルメット(3)の下端
27 使用者こめかみ部
28 風防A(1)の前縁
29 前傾姿勢を取ったときに耳付近を流れる風の進路
30 耳たぶ(4)付け根の最上部の高さ
31 耳穴(5)中心の高さ
32 風防B(25)の下端
33 耳穴(5)中心の前後位置
34 風防B(25)の前端位置
35 風防A(1)と風防B(25)を一体化させた風防
36 風防B(25)とみなす部分のうち、耳穴(5)中心より前方の区画
37 風防B(25)とみなす部分のうち、耳穴(5)中心より後方の区画
38 ヘルメット(3)に一体化された風防A(1)と風防B(25)の役割を担う部位
39 ヘルメット(3)に一体化された風防B(25)の役割を担う部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方より定常的な風を耳たぶに受ける人物の耳付近に固定される風防A(1)を備え、風防A(1)、左右それぞれに1枚以上を有し、風防A(1)は人物の耳たぶ(4)前方を、或いは前方から側方にかけてを覆い、風防A(1)の前方に風防B(25)を備えていることを特徴とする、風切り音を軽減する装置。
【請求項2】
請求項1から風防A(1)を取り除いたことを特徴とする、請求項1記載の風切り音を軽減する装置。
【請求項3】
請求項1において、風防A(1)と風防B(25)を一体化させた風防(35)で置き換えたことを特徴とする、請求項1記載の風切り音を軽減する装置。
【請求項4】
厚さ2cm以上の顎紐を備えるヘルメット(3)に風防Cを設置することを特徴とする、風切り音を軽減する装置。風防Cは顎紐の前方に設置され、その前縁の最前部が耳穴(5)の中心より5cm以上前方にあり、その前縁が描く線が下方にいくに従って後方に向かう傾斜を持つことを特徴とする。
【請求項5】
厚さ2cm以上の顎紐を備えるヘルメット(3)に風防B(25)を設置することを特徴とする、風切り音を軽減する装置。
【請求項6】
請求項1より5において、一部または全部の風防が使用者の着用するヘルメットと一体化されていることを特徴とする風切り音を軽減する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2009−19325(P2009−19325A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215745(P2008−215745)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【分割の表示】特願2007−552997(P2007−552997)の分割
【原出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(500519448)
【Fターム(参考)】