説明

風化に対して安定化されたビチューメン又はアスファルト組成物

【課題】風化に対して安定されたビチューメン又はアスファルト組成物の提供
【解決手段】少なくとも1種の立体障害アミン化合物を配合することにより、アスファルト又はビチューメン組成物は、熱、光及び酸素の悪影響に対して効果的に安定化される。代表的な立体障害アミンは、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物、又はN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱、光及び酸素の悪影響に対するビチューメン又はアスファルト組成物の安定化に関する。
【背景技術】
【0002】
ビチューメン及びアスファルトは、例えば、道路や屋根材に使用される既知の物質である。そのようなものとして、これらの組成物は、長期にわたって周囲の気象状況にさらされ、熱、光及び酸素の悪影響を受ける。そのような組成物は、より長期にわたって当初の性質を維持していることが望ましい。道路アスファルト舗装は、例えば、時間とともに延性や柔らかさを失う。アスファルト舗装は、その後、亀裂形成障害を受け、費用のかかる修理又はメンテナンスが必要とされる。
【0003】
米国特許第6174940号明細書には、相乗的な安定剤混合物が教示されている。
米国特許第6914110号明細書には、架橋性シリル基を有するポリマーを製造するための方法が開示されている。
米国特許第4442250号明細書及び米国特許第7122663号明細書には、大環状の立体障害アミン化合物が開示されている。
【0004】
屋外条件下で使用されるビチューメン又はアスファルトを安定化にする必要性が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6174940号明細書
【特許文献2】米国特許第6914110号明細書
【特許文献3】米国特許第4442250号明細書
【特許文献4】米国特許第7122663号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、熱、光及び酸素の悪影響に対して安定化している、ビチューメン又はアスファルト組成物に関し、該組成物は、アスファルト又はビチューメン、及びその中に配合された、有効安定化量の、下記式:
【化1】

{式中、
1は、水素原子、炭素原子数1乃至18のアルキル基、炭素原子数3乃至18のアル
ケニル基、炭素原子数5乃至18のシクロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数7乃至9のアラルキル基、又は、−R8−Yを表し、又はR1は、以下の部分式:
【化2】

【化3】

(式中、nは0又は1を表し、
rは、0、1、2又は3を表す。)で表される基を表し、
Xは、−O−、−S−、又は>NR16を表し、
基XR1はまた、塩素原子又はモルホリノ基、ピロリジニ−1−イル基、ピペリジニ−
1−イル基又はヘキサヒドロアゼピニ−1−イル基も表すことができ、
2、R4、R5及びR7は、独立して、水素原子、炭素原子数1乃至12のアルキル基、
炭素原子数2乃至6のヒドロキシアルキル基、炭素原子数3乃至12のアルケニル基、炭素原子数5乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数7乃至9のアラルキル基又は式(II)で表される基を表し、
3及びR6は、独立して、炭素原子数2乃至12のアルキレン基、炭素原子数4乃至12のイミノジアルキレン基又はオキサジアルキレン基、炭素原子数5乃至12のシクロアルキレン基、炭素原子数6乃至12のアリレーン基又は炭素原子数7乃至12のアラルキレン基を表し、
8は、炭素原子数2乃至6のアルキレン基を表し、
Yは、−O−R9又は−NR1011を表し、
9は、水素原子又は炭素原子数1乃至18のアルキル基を表し、
10及びR11は、独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル基又は1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジ−4−イル基を表し、
12は、水素原子、オキシル基、炭素原子数1乃至12のアルキル基、炭素原子数3乃至12のアルケニル基、炭素原子数7乃至9のアラルキル基、炭素原子数1乃至12のアシル基、2,3−エポキシプロピル基又は−CH2CH(R13)O−R14を表し、又はR12は、炭素原子数1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数2乃至12のアルケニルオキシ
基、炭素原子数5乃至12のシクロアルコキシ基、炭素原子数5乃至8のシクロアルケニルオキシ基、炭素原子数6乃至18のアリールオキシ基、炭素原子数7乃至9のアラルキルオキシ基を表し、又はR12は、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロポキシ基又は2−ヒドロキシシクロヘキシルオキシ基を表し、
13は、水素原子、メチル基、エチル基、又はフェニル基を表し、
14は、水素原子、炭素原子数1乃至12のアルキル基、炭素原子数3乃至12のアルケニル基、炭素原子数7乃至9のアラルキル基又は炭素原子数1乃至12のアシル基を表し、
15は、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルコキシ基、炭素原子数3乃至8のアルケニルオキシ基又はベンジルオキシ基を表し、及び
16は、R1と同様に定義されるが、
但し、基R1、R2、R4,R5及びR7の少なくとも1つは、式(II)で表される基を
表す。}で表される少なくとも1種の立体障害アミン化合物を含む。
【0007】
本発明はまた、熱、光及び酸素の悪影響に対してビチューメン又はアスファルトを安定化する方法であって、有効安定化量の式(I)で表される少なくとも1種の立体障害アミン化合物をその中に配合することを含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
式(I)で表される立体障害アミン化合物は、例えば、米国特許第4442250号明細書及び米国特許第7122663号明細書に開示されている。
【0009】
式(1)で表される化合物は、例えば、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物、又はN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物である。
【化4】

【化5】

【化6】

【0010】
好ましい実施態様によれば、R12は、例えば、水素原子又はメチル基を表し、R3及び
6は、例えば、炭素原子数2乃至12のアルキレン基を表し、Xは、例えば、−O−又
は>NR16を表し、R16は、例えば、水素原子を表し、またR1は、例えば、炭素原子数
1乃至18のアルキル基を表し、R1Xは、例えば、第三オクチルアミノ基又はモルホリ
ノ基を示す。
【0011】
好ましい実施太陽によれば、式(I)で表される化合物は、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物である。
【0012】
式(I)で表される化合物はまた、有機酸塩又は無機酸塩の形態にあっても良い。例えば、適する塩は、HYが有機酸又は無機酸を表し、そしてnは1乃至4の整数を表す、式(I)・(HY)nで表されるものである。
【0013】
例えば、HYは、ハロゲン含有無機プロトン酸、リン含有無機酸、硫黄含有無機酸、炭素原子数1乃至4のアルキルカルボン酸、ペルフルオロ炭素原子数1乃至4のアルキルカルボン酸及び芳香族カルボン酸からなる群より選ばれる。
【0014】
本発明の立体障害アミン添加剤は、例えば、約320℃より高い融点を有する。本発明の立体障害アミン添加剤は、例えば、約1198g/molより高い又はそれと同等の分子量を有する。これらの環状構造は顕著な熱安定性をもたらす。前記添加剤は、とても低い蒸気圧を有し、それらは、高温でさえ蒸発によって失われない。例えば、前記蒸気圧は、25℃で4.1×10-14Paである。前記添加剤は、極めて低水溶性であり、例えば
、1Pa=1N/m2=10-5barである。
【0015】
アルキル基は、枝分かれした又は非枝分かれの基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、
イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、又は1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基である。
【0016】
アルケニル基は、アルキル基の不飽和形であり、例えば、イソプロペニル基、プロペニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等である。
【0017】
シクロアルキル基は置換されているか又は未置換であり、例えば、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、第三ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロオクチル基である。
【0018】
シクロアルキレン基は、シクロアルキル基の不飽和類似体である。
【0019】
アリール基は、例えば、フェニル基又はナフチル基又はビフェニル基であるが、炭素原子数1乃至4のアルキル基で置換されたフェニル基、炭素原子数1乃至4のアルコキシ基で置換されたフェニル基、ヒドロキシ基で、ハロゲン原子で又はニトロ基で置換されたフェニル基もまた含まれる。
アルキル基で置換されたフェニル基の例としては、エチルベンゼン、トルエン、キシレン及びその異性体、メシチレン又はイソプロピルベンゼンである。ハロゲンに置換されたフェニル基は、例えば、ジクロロベンゼン又はブロモトルエンである。
【0020】
アラルキル基は、例えば、未置換であるか又は1つ乃至3つの炭素原子数1乃至4のアルキル基によってフェニル基上を置換されたフェニルアルキル基及び、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、2−フェニルエチル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4−ジメチルベンジル基、2,6−ジメチルベンジル基又は4−第三ブチルベンジル基である。
【0021】
アルキレン基は、枝分かれした又は非枝分かれの二価の基であり、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基又はドデカメチレン基である。
【0022】
シクロアルキレン基は、2つの自由原子価及び少なくとも1つの環単位を有する飽和炭化水素基であって、例えば、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロヘプチレン基又はシクロオクチレン基である。
【0023】
アリーレン基は、フェニレン基又はナフチレン基又はビフェニレン基であり、各々、未置換であるか又は炭素原子数1乃至4のアルキル基によって置換されており、例えば、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレン基又は1,2−、1,3−、1,4−、1,6−、1,7−、2,6−又は2,7−ナフチレン基である。
【0024】
アラルキレン基は、例えば、フェニルアルキリデン基であり、及び、例えば、ベンジリデン基、2−フェニルエチリデン基又は1−フェニル−2−ヘキシリデンである。
【0025】
アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基及びアシル基のアルキル基部分は、上記のアルキル基と同様に定義される。
【0026】
シクロアルコキシ基のシクロアルキル基部分は、上記のシクロアルキル基と同様に定義される。
【0027】
アルケニルオキシ基のアルケニル基部分は、上記のアルケニル基と同様に定義される。
【0028】
シクロアルケニルオキシ基のシクロアルケニル基部分は、上記のシクロアルケニル基と同様に定義される。
【0029】
アリールオキシ基のアリール基部分は、上記のアリール基と同様に定義される。
【0030】
アラルキルオキシ基のアラルキル基部分は、上記のアラルキル基と同様に定義される。
【0031】
本発明によれば、適するビチューメン又はアスファルト基質は、例えば、米国特許第4247335号明細書及び米国特許第5473000号明細書に開示されている。
【0032】
普通の気温では、ビチューメン及びアスファルトは普通、固体、半固体又は粘性の液体物質である。そのようなアスファルト及びビチューメンは、天然由来の又は火成由来の炭化水素の混合物であり、通常、石油又は石炭から誘導されるが、それ自体天然に存在し得る。
【0033】
ビチューメンは、主に、炭化水素の性質を持つ化合物及び/又は有機酸素化合物から構成された、様々な色及び濃度の、天然のあるいは技術的に製造された複合有機混合物である。「ビチューメン」は、特にアスファルト及び石油蒸留残渣(アスファルトビチューメン)を意味する。ビチューメンは異なったタイプの物質(例えば、アスファルテン、樹脂、固体パラフィン、灯油、炭化水素の性質を有する油、エステルワックス、ケローゲン、高分子酸及び有機金属化合物)の混合物である。天然のビチューメンは、例えば、天然ガス、原油、天然アスファルト、鉱蝋(オゾケライト)、モンタン蝋(茶色のカーボンビチューメン)及び化石樹脂から得られる。人工のビチューメンは、石油蒸留物、固体パラフィン、石油蒸留残渣、石油製品の酸処理からの残渣、及び石油製品の溶剤及び沈殿剤処理の生成物から得られる。アメリカ合衆国では、さらに定義された、いわゆるピロビチューメンがあり、該ピロビチューメンは、アスファルト ピロビチューメン(ウルツ石、エラテライト、アルバータイルやインプソン石)及びケローゲナイト(頁岩と石灰岩)に分類される。
【0034】
「アスファルト」は、第一に通常のアスファルト及びアスファルト乳剤(水中で乳化されたビチューメン製品)を意味する。
【0035】
ビチューメン及びアスファルトの定義範囲内には、道路油及び舗装タールもまた含まれる。
【0036】
本発明によるビチューメン又はアスファルトは、特に道路舗装材又は屋根材に使用される。ビチューメン又はアスファルトに基づく本組成物は、例えば、鉱物骨材、充填材又は繊維材料との結合剤として使用され得る。そして、その場合、作業は一般的に溶融して行われる。また、本発明による組成物は、ダンボール、紙又はホイルの含浸用に、またコンクリート、モルタン又は金属のコーティング用に使用しても良い。そして、その場合、作業は室温で溶解するか又は分散させて行われる。ビチューメンはASTM標準に従うどんな商業的な品質でも良い。
【0037】
本発明の立体障害アミン添加剤は、例えば、アスファルトを加熱し流体状態にして、攪拌するなど、既知で便利な方法で配合される。他の添加剤、例えば、反剥離剤などを、本
明細書に記載された添加剤と共に配合し得る。
【0038】
合成ゴムで改質されたアスファルト、例えば、舗装のために使用されるもの、もまた、本発明に含まれる。改質したアスファルトは、例えば、米国特許第5473000号明細書に開示されている。合成ゴムは、例えば、スチレン−ブタジエンゴムである。
【0039】
いわゆる立体障害アミンは、改質されたアスファルトの合成ゴム部分中に添加剤として所望により存在するか、又はアスファルト及び合成ゴムの両方に存在する。立体障害アミンは、既知の方法、例えば、溶融押出、同時混錬等によって合成ゴムに配合され得る。
【0040】
このように、この発明の更なる特徴は、熱、光及び酸素の悪影響に対して安定化された、改質されたアスファルト又はビチューメン組成物であって、アスファルト又はビチューメン、合成ゴム、及び該アスファルト、ビチューメン又はゴムに、又は該アスファルト、ビチューメン及びゴムの各々に配合された、有効安定化量の、式(I)で表される少なくとも1種の立体障害アミン化合物を含む組成物である。
【0041】
アスファルト又はビチューメンに配合される立体障害アミンの量は、例えば、アスファルト又はビチューメンの質量に基づき、約0.01質量%乃至約7質量%の範囲内である。例えば、本添加剤は、アスファルト又はビチューメンの質量に基づき、約0.05質量%乃至約6質量%、約0.1質量%乃至約5質量%、約0.25質量%乃至約5質量%、又は約0.3質量%乃至約5質量%存在する。例えば、立体障害アミンは、アスファルト又はビチューメンの質量に基づき、約0.5質量%、約1質量%、2質量%、3質量%又は4質量%のレベルで存在し得る。同じ質量レベルが、合成ゴム中に使用され得る。アスファルト又はビチューメンの安定化に対する、本立体障害アミン添加剤の有利な効果は、その特性を測るのに用いられる標準的なASTM法により、観測される。
【0042】
例えば、アスファルト又はビチューメンの安定化は、貫通度、軟化点及び延性により、測定される。
【0043】
貫通度は、ASTM D5に従って測定される。それは、温度、荷重及び時間の厳密な特定条件下、標準的な針が適切に準備されたアスファルトのサンプルを貫通する範囲を含む。軟らかいアスファルトは、高貫通度値を有する。
【0044】
軟化点は、ASTM D36に従って測定される。アスファルトの軟化点は、試験の特定条件下、アスファルトが、ある程度の柔軟度に達する温度と定義され得る。それは、工業用及び屋根用アスファルトの等級を分類するのに一般に使用される。
【0045】
延性は、ASTM D113に従って測定される。アスファルトの延性は、標準的なブリケットが、切断前に引き伸ばされ得るcmでの距離として表される。延性は、流動性の組み合わせであり、粘着性及びせん断され易さの両方を反映する。
【0046】
例えば、7年の使用期間の後、一般のアスファルト道路は、貫通因子が半分になっており、軟化点が約30℃増加しており、そして、その延性は、50だけ減少しているだろう。
【0047】
本添加剤による安定化は、これらの方法に従って測定されたアスファルト又はビチューメンの性能を大いに向上させる。
【0048】
ASTM D5−25に従えば、使用されるビチューメンは30から400の間での貫通度である。例えば、現在、試験されたビチューメンは、25℃で85〜100の貫通度
を有する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱、光及び酸素の悪影響に対して安定化された、ビチューメン又はアスファルト組成物であって、
アスファルト又はビチューメン、及びその中に配合された、有効安定量の、下記
【化1】

{式中、R1は、水素原子、炭素原子数1乃至18のアルキル基、炭素原子数3乃至18
のアルケニル基、炭素原子数5乃至18のシクロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数7乃至9のアラルキル基、又は、−R8−Yを表し、又はR1は、以下の部分式:
【化2】

【化3】

(式中、nは0又は1を表し、
rは、0、1、2又は3を表す。)で表される基を表し、
Xは、−O−、−S−、又は>NR16を表し、
基XR1はまた全体として、塩素原子又はモルホリノ基、ピロリジニ−1−イル基、ピ
ペリジニ−1−イル基又はヘキサヒドロアゼピニ−1−イル基も表すことができ、
2、R4、R5及びR7は、独立して、水素原子、炭素原子数1乃至12のアルキル基、炭素原子数2乃至6のヒドロキシアルキル基、炭素原子数3乃至12のアルケニル基、炭素原子数5乃至12のシクロアルキル基、炭素原子数6乃至18のアリール基、炭素原子数7乃至9のアラルキル基又は式(II)で表される基を表し、
3及びR6は、独立して、炭素原子数2乃至12のアルキレン基、炭素原子数4乃至12のイミノジアルキレン基又はオキサジアルキレン基、炭素原子数5乃至12のシクロアルキレン基、炭素原子数6乃至12のアリレーン基又は炭素原子数7乃至12のアラルキレン基を表し、
8は、炭素原子数2乃至6のアルキレン基を表し、
Yは、−O−R9又は−NR1011を表し、
9は、水素原子又は炭素原子数1乃至18のアルキル基を表し、
10及びR11は、独立して、炭素原子数1乃至6のアルキル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジ−4−イル基又は1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジ−4−イル基を表し、
12は、水素原子、オキシル基、炭素原子数1乃至12のアルキル基、炭素原子数3乃至12のアルケニル基、炭素原子数7乃至9のアラルキル基、炭素原子数1乃至12のアシル基、2,3−エポキシプロピル基又は−CH2CH(R13)O−R14を表し、又はR12は、炭素原子数1乃至12のアルコキシ基、炭素原子数2乃至12のアルケニルオキシ
基、炭素原子数5乃至12のシクロアルコキシ基、炭素原子数5乃至8のシクロアルケニルオキシ基、炭素原子数6乃至18のアリールオキシ基、炭素原子数7乃至9のアラルキルオキシ基を表し、又はR12は、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロポキシ基又は2−ヒドロキシシクロヘキシルオキシ基を表し、
13は、水素原子、メチル基、エチル基、又はフェニル基を表し、
14は、水素原子、炭素原子数1乃至12のアルキル基、炭素原子数3乃至12のアルケニル基、炭素原子数7乃至9のアラルキル基又は炭素原子数1乃至12のアシル基を表し、
15は、水素原子、炭素原子数1乃至8のアルコキシ基、炭素原子数3乃至8のアルケニルオキシ基又はベンジルオキシ基を表し、及び
16は、R1と同様に定義されるが、
但し、基R1、R2、R4,R5及びR7の少なくとも1つは、式(II)で表される基を
表す。}で表される少なくとも1種の立体障害アミン化合物を含む組成物。
【請求項2】
前記式(I)で表される化合物が、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物、又はN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記式(I)で表される化合物が、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−第三オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンの環状縮合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
3及びR6は炭素原子数2乃至12のアルキレン基を表し、R12は水素原子又はメチル基を表し、Xは−O−又は>NR16を表し、またR16は水素原子を表し、またR1は炭素
原子数1乃至18のアルキル基を表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
3及びR6は炭素原子数2乃至12のアルキレン基を表し、R12は水素原子又はメチル基を表し、またR1Xは第三オクチルアミノ基又はモルホリノ基を表す、請求項1に記載
の組成物。
【請求項6】
前記式(I)で表される立体障害アミン化合物が、アスファルト又はビチューメンの質量に基づき、約0.01質量%乃至約7質量%存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記式(I)で表される立体障害アミン化合物が、アスファルト又はビチューメンの質量に基づき、約0.3質量%乃至約5質量%存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
熱、光及び酸素の悪影響に対して安定化された、改質したアスファルト又はビチューメン組成物であって、アスファルト又はビチューメン、合成ゴム、及び該アスファルト、ビチューメンに又はゴムに、又は該アスファルト、ビチューメン及びゴムの各々に配合された、有効安定量の、式(I)で表される少なくとも1種の立体障害アミン化合物を含む前記組成物。
【請求項9】
熱、光及び酸素の悪影響に対してビチューメン又はアスファルトを安定化させる方法であって、有効安定化量の請求項1に記載の式(I)で表される少なくとも1種の立体障害アミン化合物をアスファルト又はビチューメンに配合することを含む方法。


【公表番号】特表2010−511068(P2010−511068A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537613(P2009−537613)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062483
【国際公開番号】WO2008/065016
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】