説明

風呂・給湯システム

【課題】 構成が簡単で、メンテナンスが簡単に且つ容易に行うことができる風呂・給湯システムを提供すること。
【解決手段】 給湯用熱交換器10及び風呂用熱交換器12を備えた給湯器本体2と、浴槽4と、打たせ湯ノズル6と、を具備する風呂・給湯システム。このシステムは、給湯用熱交換器10に給水する給水流路18と、給湯用熱交換器からの温水を給湯する給湯流路20と、浴槽4内の水を風呂用熱交換器12に送給する追焚き往き流路22と、風呂用熱交換器からの温水を浴槽4に戻す追焚き戻り流路24と、給湯流路20と追焚き戻り流路24とを接続する接続流路30と、接続流路30から打たせ湯ノズル6に延びる打たせ湯流路32と、を備え、打たせ湯流路32に打たせ湯弁36が配設され、接続流路30に打たせ湯元弁34が配設され、追焚き戻り流路に風呂弁38が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の肩、背中などに打たせ湯を行う打たせ湯機能を持つ風呂・給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
打たせ湯機能を有する風呂・給湯システムとして、給湯用熱交換器及び風呂用熱交換器を備えた給湯器本体と、温水を入浴に利用するための浴槽と、温水を打たせ湯に利用するための打たせ湯ノズルと、を具備し、給水流路が給湯用熱交換機に接続され、給湯用熱交換機から給湯流路が延び、また浴槽からの追焚き往き流路が風呂用熱交換機に接続され、風呂用熱交換機からの追焚き戻り流路が浴槽に接続され、給湯流路と追焚き戻り流路とが接続流路を介して接続され、また追焚き戻り流路に打たせ湯流路が接続され、打たせ湯流路の下流端部に打たせ湯ノズルが設けられている(例えば、特許文献1参照)。このような風呂・給湯システムにおいては、接続流路と追焚き戻り流路との接続部に三方弁が設けられ、また打たせ湯流路に打たせ湯用バルブが設けられている。打たせ湯運転においては、三方弁は追焚き戻り流路と打たせ湯ノズルとを連通し、追焚き戻り流路を流れる温水が打たせ湯流路に送給され、かく送給された温水が打たせ湯ノズルから吐出され、かく吐出して落下する温水を肩、背中などに当てることによって、所望の打たせ湯効果を得ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2006−51195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した風呂・給湯システムでは、温水を打たせ湯流路へ流すための三方弁及び打たせ湯バルブが、浴室の壁面の内側に設けられる打たせ湯流路(即ち、打たせ湯配管)に配設されるので、これら三方弁及び打たせ湯バルブのメンテナンスが容易でなく、メンテナンスに手間と時間を要するという問題がある。また、このような風呂・給湯システムでは、打たせ湯流路などに関連して部品点数が多くなるととともに、その構造が複雑となる問題がある。更に、打たせ湯運転をした後、この打たせ湯流路に打たせ湯が残ることがり、このように打たせ湯が残ると、再運転した際に残った温水(又は水)が吐出され、低温の温水や長期間配管内に滞溜した残り湯が出るおそれがあり、安全性、快適性の観点から好ましくないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、構成が簡単で、メンテナンスが簡単に且つ容易に行うことができる風呂・給湯システムを提供することである。
また、本発明の他の目的は、打たせ湯流路に温水が残留するのを防止し、これによって、安全性、快適性の高い風呂・給湯システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の風呂・給湯システムは、給湯用温水を生成するための給湯用熱交換器及び風呂用温水を生成するための風呂用熱交換器を備えた給湯器本体と、前記給湯器本体にて生成された温水を入浴に利用するための浴槽と、前記給湯器本体にて生成された温水を打たせ湯に利用するための打たせ湯ノズルと、を具備する風呂・給湯システムであって、
前記給湯用熱交換器に水を供給する給水流路と、前記給湯用熱交換器にて生成された温水を給湯する給湯流路と、前記浴槽内の水を前記風呂用熱交換器に送給する追焚き往き流路と、前記風呂用熱交換器にて生成された温水を前記浴槽に戻す追焚き戻り流路と、前記給湯流路と前記追焚き戻り流路とを接続する接続流路と、前記接続流路から分岐して前記打たせ湯ノズルに延びる打たせ湯流路と、浴槽内の水を前記追焚き往き流路を通して前記風呂用熱交換器に送給するための風呂用ポンプと、を更に備え、
前記打たせ湯流路には打たせ湯弁が配設され、前記接続流路における前記打たせ湯流路との接続部よりも上流側には打たせ湯元弁が配設され、また前記追焚き戻り流路における前記接続流路との接続部よりも下流側には風呂弁が配設され、前記打たせ湯弁、前記打たせ湯元弁及び前記風呂弁が前記給湯器本体に内蔵されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の風呂・給湯システムでは、浴槽内の残り湯を用いる残り湯運転モードでは、前記打たせ湯元弁及び前記風呂弁が閉状態に保持され、前記打たせ湯弁が開状態に保持され、前記浴槽内の水が前記追焚き往き流路を通して前記風呂用熱交換器に送給され、前記風呂用熱交換器にて熱交換により加温された温水が前記追焚き戻り流路、前記接続流路及び前記打たせ湯流路を通して前記打たせ湯ノズルに送給されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の風呂・給湯システムでは、前記給湯用熱交換器に給水される水を用いるさら湯運転モードでは、前記打たせ湯元弁及び前記打たせ湯弁が開状態に保持され、前記風呂弁が閉状態に保持され、前記給水流路を通して水が前記給湯用熱交換器に送給され、前記給湯用熱交換器にて加温された温水が前記給湯流路、前記接続流路及び前記打たせ湯流路を通して前記打たせ湯ノズルに送給されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の風呂・給湯システムでは、前記打たせ湯流路に溜まった水を排水する排水モードでは、前記打たせ湯弁及び前記風呂弁が開状態に保持され、前記打たせ湯元弁が閉状態に保持され、前記打たせ湯流路内の水が前記接続流路及び前記追焚き戻り流路を通して前記浴槽内に排水されることを特徴とする。
【0010】
更に、本発明に従う請求項5に記載の風呂・給湯システムでは、前記追焚き往き流路には、前記浴槽から前記風呂用熱交換器への水の流れを許容する逆止弁が配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の風呂・給湯システムによれば、給湯流路は給湯用熱交換器にて生成された温水を送給し、追焚き往き流路は浴槽内の水を風呂用熱交換器に送給し、追焚き戻り流路は風呂用熱交換器にて生成された温水を浴槽に戻し、接続流路は給湯流路と追焚き戻り流路とを接続し、打たせ湯ノズルは接続流路から分岐して打たせ湯ノズルに延びている。そして、打たせ湯流路に打たせ湯弁が配設され、接続流路に打たせ湯元弁が配設され、また追焚き戻り流路に風呂弁が配設されているので、簡単な構成でもって、打たせ湯機能付き風呂・給湯システムを提供することができる。また、給湯用熱交換器又は風呂用熱交換器からの温水を打たせ湯流路を通して打たせ湯ノズルに送給するための打たせ湯元弁、打たせ湯弁及び風呂弁が給湯器本体に内蔵されているので、メンテナンスが簡単で容易な風呂・給湯システムを提供することができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載の風呂・給湯システムによれば、残り湯運転モードの運転においては、打たせ湯元弁及び風呂弁が閉状態に保持され、打たせ湯弁が開状態に保持され、浴槽から追焚き往き流路を通して風呂用熱交換器に送給された残り湯が、風呂用熱交換器にて加温された後に追焚き戻り流路、接続流路及び打たせ湯流路を通して打たせ湯ノズルに送給されるので、風呂の残り湯を加温して打たせ湯として利用することができる。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載の風呂・給湯システムによれば、さら湯運転モードの運転においては、打たせ湯元弁及び打たせ湯弁が開状態に保持され、風呂弁が閉状態に保持され、給水流路を通して給湯用熱交換器に送給された水が、給湯用熱交換器にて加温された後に給湯流路、接続流路及び打たせ湯流路を通して打たせ湯ノズルに送給されるので、給水の水(例えば、水道水)を加温して打たせ湯として利用することができる。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載の風呂・給湯システムによれば、排水モードにおいては、打たせ湯弁及び風呂弁が開状態に保持され、打たせ湯元弁が閉状態に保持され、打たせ湯流路内の水が接続流路及び追焚き戻り流路を通して浴槽内に排水されるので、打たせ湯流路に残留する温水を排水してきれいな状態に保つことができる。この排水モードは、例えば、残り湯運転モード、さら湯運転モードが終了した後に行われるようにするのが好ましく、このように排水モードを行うことによって、その後残り湯運転モード又はさら湯運転モードの運転を行った際に、残留する温水(又は水)が打たせ湯に混ざって吐出されることはない。
【0015】
更に、本発明に従う請求項5に記載の風呂・給湯システムによれば、追焚き往き流路に逆止弁が配設されているので、給湯用熱交換器から給湯流路を通して打たせ湯流路に流れる温水の一部が追焚き戻り流路及び追焚き往き流路を通して浴槽に流れることがなく、給湯用熱交換器からの温水を打たせ湯として打たせ湯ノズルから吐出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う風呂・給湯システムの一実施形態について説明する。図1は、一実施形態の風呂・給湯システムを示す簡略図であり、図2は、図1の風呂・給湯システムの制御系を示すブロック図であり、図3は、図1の風呂・給湯システムにおける残り湯運転モードの運転を説明するための簡略図であり、図4は、図1の風呂・給湯システムにおけるさら湯運転モードの運転を説明するための簡略図であり、図5は、図1の風呂・給湯システムにおける排水モードを説明するための簡略図であり、図6は、図1の風呂・給湯システムにおける準備運転モードの運転を説明するための簡略図である。
【0017】
図1及び図2において、図示の風呂・給湯システムは、温水を生成するための給湯器本体2と、給湯器本体2にて生成された温水を入浴に利用するための浴槽4と、給湯器本体2にて生成された温水を打たせ湯に利用する打たせ湯ノズル6とを備え、浴槽4は浴室8のに設けられ、打たせ湯ノズル6は浴室8の例えば天井に設置される。
【0018】
給湯器本体2は、給湯用温水を生成するための給湯用熱交換器10と、風呂用温水を生成するための風呂用熱交換器12とを備えている。この実施形態では、給湯用熱交換器10に関連して給湯用燃焼バーナ14が設けられ、給湯用燃焼用バーナ14の燃焼ガスとの熱交換によって温水(給湯用温水)が生成される。また、風呂用熱交換器12に関連して風呂用燃焼バーナ16が設けられ、風呂用燃焼バーナ14の燃焼ガスとの熱交換によって温水(風呂用温水)が生成される。
【0019】
給湯用熱交換器10の流入部には給水流路18が接続され、この給湯流路18を通して給水が行われ、例えば水道水が供給される。給湯用熱交換器10の流出部には給湯流路20が接続され、給湯用熱交換器10からの温水が給湯流路20を通して送給され、例えばカラン(図示せず)などに給湯される。
【0020】
また、風呂用熱交換器12の流入部には追焚き往き流路22の一端部が接続され、その他端部は浴槽4に接続され、浴槽4内の温水(又は水)が追焚き往き流路22を通して風呂用熱交換器12に送給される。この風呂用熱交換器12の流出部には追焚き戻り流路24の一端部が接続され、その他端部が浴槽4に接続され、風呂用熱交換器12からの温水が浴槽4に送給される。
【0021】
この風呂・給湯システムでは、更に、次の通りに構成されている。給水流路18と給湯流路20とはバイパス流路26を介して接続され、このバイパス流路26バイパス調整弁28が設けられている。給水流路18を流れる水の一部がバイパス流路26を通して給湯流路20に送給され、バイパス調整弁28によりバイパス流路26を流れる水の流量が調整され、このように給湯流路20を流れる温水に混合される水の量を調整することによって、出湯する温水の温度が調整される。
【0022】
また、給湯流路20と追焚き戻り流路24とは接続流路30を介して接続され、この接続流路30から分岐して打たせ湯流路32が設けられている。接続流路30における打たせ湯流路32との接続部より上流側(即ち、接続流路30における、打たせ湯流路32との接続部と給湯流路20との接続部との間の部位)に、打たせ湯元弁34が配設されている。また、打たせ湯流路32には打たせ湯弁36が配設され、更に、追焚き戻り流路24における接続流路30との接続部よりも下流側(即ち、追焚き戻り流路24における、接続流路30との接続部と浴槽4との間の部位)に風呂弁38が配設されている。打たせ湯元弁34、打たせ湯弁36及び風呂弁38は、打たせ湯を制御するためのものであり、図1に示すように、給湯器本体2内に内蔵されており、このように構成することによって、打たせ湯機能付き給湯器本体2の構成を簡単にすることができるとともに、これら弁34,36,38のメンテナンスも給湯器本体2側で行うことができ、それらのメンテナンスを簡単に且つ容易に行うことができる。
【0023】
この風呂・給湯システムにおいては、給湯流路20(バイパス流路26との接続部と接続流路30との接続部との間の部位)に、第1温度センサ40及び流量制御弁42が配設されている。第1温度センサ40は給湯流路20を流れる温水の温度を検知し、流量制御弁42は給湯流路20を流れる温水の水量を調整する。また、追焚き往き流路22には、風呂用ポンプ44及び第2温度センサ46が設けられている。風呂用ポンプ44は浴槽4内の残り湯を追焚き往き流路22を通して風呂用熱交換器12に送給し、第2温度検知センサ46は追焚き往き流路22を流れる温水(又は水)の温度を検知する。更に、追焚き往き流路22(この実施形態では、風呂用ポンプ44の配設部位と風呂用熱交換器12の流入部との間の部位)に逆止弁48が配設され、この逆止弁48は、浴槽4から風呂用熱交換器12への温水の流れは許容するが、風呂用熱交換器12から浴槽4への流れを阻止する。
【0024】
この風呂・給湯システムは、例えばマイクロプロセッサなどから構成されるコントローラ50を備え、このコントローラ50によって後述する如く作動制御される。コントローラ50は制御手段52及びメモリ手段54を備え、この制御手段52は給湯用燃焼バーナ14、風呂用燃焼バーナ16、各種弁28,34,36,38,42及び風呂用ポンプ44を後述する如く制御しする。また、メモリ手段54には、風呂・給湯システムの各種モードを実行するための制御プログラムが登録されており、この実施形態では、残り湯運転モード、さら湯運転モード、給湯運転モード、追焚き運転モード及び排水モードの制御プログラムが登録されている。
【0025】
このコントローラ50は、リモコン56からの信号によって操作制御され、リモコン56は、運転モード設定手段58、風呂温度定手段60、打たせ湯温度設定手段62及び給湯温度設定手段64を含んでいる。運転モード設定手段58は、例えば運転モードを設定するためのモード設定スイッチから構成され、モード設定スイッチを押圧操作する毎に、例えば残り湯運転モード、さら湯運転モード、給湯運転モード、追焚き運転モード及び排水モードがこの順に設定される。風呂温度設定手段60は、例えば浴槽4内の温水の温度を設定するための温度設定スイッチから構成され、給湯用熱交換器10又は風呂用熱交換器12から浴槽4に送給される温水の温度を設定する。打たせ湯温度設定手段62は、給湯用熱交換器10又は風呂用熱交換器12から打たせ湯流路32を通して送給される温水の温度を設定する。また、給湯温度設定手段64は、例えば給湯される温水の温度を設定するための温度設定スイッチから構成され、給湯用熱交換器10から給湯流路20を通して流れる温水の温度を設定する。
【0026】
リモコン56からの操作信号並びに第1及び第2温度センサ40,46からの検知信号はコントローラ50に送給され、コントローラ50はこれら操作信号及び検知信号に基づいて給湯用燃焼バーナ14、風呂用燃焼バーナ16、各種弁28,34,36,38,42及び風呂用ポンプ44を作動制御しする。
【0027】
次に図1及び図2とともに,図3〜図6を参照して、上述した風呂・給湯システムの各種運転について説明する。リモコン56の運転モード設定手段58を操作して残り湯運転モードを設定した場合、浴槽4に溜まっている残り湯を利用した打たせ湯が行われる。この残り湯運転モードの運転においては、打たせ湯弁36が開状態に、また打たせ湯元弁34及び風呂弁38が閉状態に保持され、更に風呂用ポンプ44が作動され、風呂用燃焼バーナ16が燃焼される。この運転状態においては、図3に矢印で示すように、風呂用ポンプ44の作用によって浴槽4内の残り湯(温水又は水)が追焚き往き流路22を通して風呂用熱交換器12に送給され、この風呂用熱交換器12において燃焼ガスとの熱交換によって残り湯が加温され、加温された残り湯が追焚き戻り流路24、接続流路30及び打たせ湯流路32を通して打たせ湯ノズル6に送給され、この打たせ湯ノズル6から浴槽4内に向けて残り湯が吐出される。従って、打たせ湯ノズル6からの温水を肩、背中などに当てることによって、残り湯を利用した打たせ湯効果を得ることができる。
【0028】
また、リモコン56の運転モード設定手段58を操作してさら湯運転モードを設定した場合、給水流路18からの水(例えば、水道水)を利用した打たせ湯が行われる。このさら湯運転モードの運転においては、打たせ湯元弁34及び打たせ湯弁36が開状態に、また風呂弁38が閉状態に保持され、更に給湯用燃焼バーナ14が燃焼される。この運転状態においては、図4に矢印で示すように、給湯流路18からの水が給湯用熱交換器10に送給され、この給湯用熱交換器10において燃焼ガスとの熱交換によって水が加温され、加温された温水が給湯流路20に送給される。このとき、バイパス調整弁28の開度が所要の通りに調整され、給水流路18を流れる水の一部がバイパス流路26を通して給湯流路20に送給され、かかる水との混合によって給湯流路20を流れる温水の温度が調整される。このように温度調整された温水は、接続流路30及び打たせ湯流路32を通して打たせ湯ノズル6に送給され、この打たせ湯ノズル6から浴槽4内に向けて温水が吐出され、給水を利用した打たせ湯効果を得ることができる。尚、このとき、追焚き往き流路22に逆止弁48が配設されているので、接続流路30を流れる温水の一部が風呂用熱交換器12及び追焚き往き流路22を通して浴槽4に流れるのが防止することができる。
【0029】
また、リモコン56の運転モード設定手段58を操作してさら排水モードを設定した場合、打たせ湯流路32に残留する温水のパージ(排水)がが行われる。この排水モードにおいては、打たせ湯弁36及び風呂弁38が開状態に、また打たせ湯元弁34が閉状態に保持され、給湯用燃焼バーナ14及び風呂用燃焼バーナ16が燃焼することはなく、風呂用ポンプ44が作動されることもない。この排水モードにおいては、図5に矢印で示すように、打たせ湯流路32内の温水が接続流路30及び追焚き戻り流路24を通して浴槽4内にパージされ、この浴槽4の例えば排水口(図示せず)を通して外部に排水される。打たせ湯流路32の下流側(打たせ湯ノズル6側)は、例えば浴室8の天井の裏側などの高い場所に沿って配設され、給湯器本体2は地面などの低い場所に設置されるので、それらの高低差を利用して温水が給湯器本体2を通して浴槽4内に排水される。このときも、逆止弁48の存在によって、打たせ湯流路32からの温水が風呂用熱交換器12及び追焚き往き流路22を通して浴槽4に流れることはない。
【0030】
このような排水モードは、リモコン56を操作して手動で行うことも可能であるが、残り湯運転モード及びさら湯運転モードの運転終了後にこの排水モードが実行されるようにするのが望ましい。このように構成した場合、打たせ湯の終了の後に、打たせ湯流路32に残留する温水が自動的に排水されるようになり、従って、その後に残り湯運転モード又はさら湯運転モードによる打たせ湯を行ったときに、低い温度の温水や水、また高い温度の温水が打たせ湯ノズル6から吐出されることがなく、安全に且つ快適に打たせ湯をすることができる。
【0031】
上述したさら湯運転モードの運転においては、運転開始当初に打たせ湯ノズル6から一時的に水が吐出されるようになるので、このような冷たい水を浴槽4に排水し、給湯流路2を通して流れる温水の温度が上昇した時点で打たせ湯流路32を通して温水を打たせ湯ノズル6に送給するようにするようにしてもよい。この場合、運転開始当初は、打たせ湯元弁34及び風呂弁38が開状態に、打たせ湯弁36が閉状態に保持される。この状態においては、給水流路18から給湯用熱交換器10を通して給湯流路20に流れた低温の温水(又は水)は、図6に矢印で示すように、接続流路30及び追焚き戻り流路24を通して浴槽4内に送給され、低温の温水(又は水)が打たせ湯流路32を通して打たせ湯ノズル6に送給されることはない。尚、このときも、逆止弁48が存在するので、接続流路30からの温水(又は水)が風呂用熱交換器12及び追焚き往き流路22を通して浴槽4内に流れることはない。
【0032】
以上、本発明に従う風呂・給湯システムの一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。
【0033】
例えば、残り湯運転モードの運転の後に、残り湯による汚れなどをきれいに洗浄するようにすることもできる。この場合、残り湯運転モードの運転の後に排水モードを行って残り湯を排水し、その後、給湯運転モードの運転を所定時間(例えば、1分前後)行って洗浄し、更に洗浄した温水を排水するために排水モードを行うようにすることができる。
【0034】
また、例えば、上述した実施形態では、打たせ湯の温度を打たせ湯温度設定手段62により設定する構成であるが、この打たせ湯温度設定手段62を省略し、風呂温度設定手段60により打たせ湯の温度も設定するように構成することができ、この場合、打たせ湯の温度と風呂の温度とが同じ温度に設定される。
【0035】
また、例えば、上述した実施形態のような給湯器本体2(給湯用熱交換器10及び風呂用熱交換器12を備えたもの)においては、給湯と風呂(打たせ湯)とが同時に使用される場合、風呂設定温度(打たせ湯設定温度)が給湯設定温度よりも優先して給湯されるようにすることが望ましい。また、打たせ湯運転(残り湯運転モード、さら湯運転モード)(例えば、42℃に設定)中に給湯運転(例えば、60℃に設定)が割り込んできた場合、給湯温度として打たせ湯運転の温度(例えば、42℃)となるようにすることが望ましく、これらのように構成することによって、入浴者(打たせ湯者)の安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一実施形態の風呂・給湯システムを示す簡略図。
【図2】図1の風呂・給湯システムの制御系を示すブロック図。
【図3】図1の風呂・給湯システムにおける残り湯運転モードの運転を説明するための簡略図。
【図4】図1の風呂・給湯システムにおけるさら湯運転モードの運転を説明するための簡略図。
【図5】図1の風呂・給湯システムにおける排水モードを説明するための簡略図。
【図6】図1の風呂・給湯システムにおける準備運転モードの運転を説明するための簡略図。
【符号の説明】
【0037】
2 給湯器本体
4 浴槽
6 打たせ湯ノズル
8 浴室
10 給湯用熱交換器
12 風呂用熱交換器
18 給水流路
20 給湯流路
22 追焚き往き流路
24 追焚き戻り流路
30 接続流路
32 打たせ湯流路
34 打たせ湯元弁
36 打たせ湯弁
38 風呂弁
48 逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯用温水を生成するための給湯用熱交換器及び風呂用温水を生成するための風呂用熱交換器を備えた給湯器本体と、前記給湯器本体にて生成された温水を入浴に利用するための浴槽と、前記給湯器本体にて生成された温水を打たせ湯に利用するための打たせ湯ノズルと、を具備する風呂・給湯システムであって、
前記給湯用熱交換器に水を供給する給水流路と、前記給湯用熱交換器にて生成された温水を給湯する給湯流路と、前記浴槽内の水を前記風呂用熱交換器に送給する追焚き往き流路と、前記風呂用熱交換器にて生成された温水を前記浴槽に戻す追焚き戻り流路と、前記給湯流路と前記追焚き戻り流路とを接続する接続流路と、前記接続流路から分岐して前記打たせ湯ノズルに延びる打たせ湯流路と、浴槽内の水を前記追焚き往き流路を通して前記風呂用熱交換器に送給するための風呂用ポンプと、を更に備え、
前記打たせ湯流路には打たせ湯弁が配設され、前記接続流路における前記打たせ湯流路との接続部よりも上流側には打たせ湯元弁が配設され、また前記追焚き戻り流路における前記接続流路との接続部よりも下流側には風呂弁が配設され、前記打たせ湯弁、前記打たせ湯元弁及び前記風呂弁が前記給湯器本体に内蔵されていることを特徴とする風呂・給湯システム。
【請求項2】
浴槽内の残り湯を用いる残り湯運転モードでは、前記打たせ湯元弁及び前記風呂弁が閉状態に保持され、前記打たせ湯弁が開状態に保持され、前記浴槽内の水が前記追焚き往き流路を通して前記風呂用熱交換器に送給され、前記風呂用熱交換器にて熱交換により加温された温水が前記追焚き戻り流路、前記接続流路及び前記打たせ湯流路を通して前記打たせ湯ノズルに送給されることを特徴とする請求項1に記載の風呂・給湯システム。
【請求項3】
前記給湯用熱交換器に給水される水を用いるさら湯運転モードでは、前記打たせ湯元弁及び前記打たせ湯弁が開状態に保持され、前記風呂弁が閉状態に保持され、前記給水流路を通して水が前記給湯用熱交換器に送給され、前記給湯用熱交換器にて加温された温水が前記給湯流路、前記接続流路及び前記打たせ湯流路を通して前記打たせ湯ノズルに送給されることを特徴とする請求項1に記載の風呂・給湯システム。
【請求項4】
前記打たせ湯流路に溜まった水を排水する排水モードでは、前記打たせ湯弁及び前記風呂弁が開状態に保持され、前記打たせ湯元弁が閉状態に保持され、前記打たせ湯流路内の水が前記接続流路及び前記追焚き戻り流路を通して前記浴槽内に排水されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の風呂・給湯システム。
【請求項5】
前記追焚き往き流路には、前記浴槽から前記風呂用熱交換器への水の流れを許容する逆止弁が配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の風呂・給湯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−229008(P2009−229008A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76175(P2008−76175)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)