説明

飛び上り玩具

【課題】 他の玩具と組み合わせて遊べる飛び上り玩具を提供する。
【解決手段】飛び上り玩具を、上方に開口部1cを有した凸部1aと凸部1a下方を囲うように設けられる薄板状の操作部1bを具え操作部1bの上面に複数のボタンを突出するための複数の孔部1dを有した収納台1と、スプリングSとスプリングSを収縮した状態で掛止し押圧によりスプリングSを開放するトリガー3aとスプリングSの上端に固定され玩具2を乗せる押し上げ体3bとを具え前記収納台の凸部1a内に回転可能に収納される飛び出し手段3と、収納台1に格納され収納台1の孔部1bから突出するボタン部を具えボタン部の押圧時に飛び出し手段3のトリガー3aに接してトリガー3aを押圧する複数のボタン手段Bと、回転可能に収納台1に格納される飛び出し手段3のトリガー3aを複数このボタン手段Bと対向する位置で一時掛止する位置合わせ手段4a、4bと、を具えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飛び上り玩具に関するものであり詳しくは複数のボタンを具え、複数のボタンのいずれか一つのボタンを押すと玩具が飛び出すよう構成した飛び上り玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
飛び上り玩具は人気のある玩具として知られている。最も有名な飛び上り玩具は髭を生やした海賊を模した人形が樽の中に入れられたもので、この玩具は樽の側面に設けられた複数の孔に短剣を刺してゆき複数の孔のどれか一つに短剣を刺した際に人形が弾けるように飛び上る構造になっている。
この玩具は多数の人で遊ぶ事が出来、誰の刺す短剣で海賊が飛び出すのかのハラハラ感を楽しむ事が出来る。そしてこの玩具は電池が不要であり、また難しい操作も不要で誰もが簡単に楽しめるようになっている。
【0003】
この玩具はメーカー側の決めたルールでは囚われて樽に入れられた海賊を短剣により助け出すこととしており「海賊を飛び出させた人が勝ち」としたルールであった。しかしテレビのバラエティ番組で「海賊を飛び出させた人が負け」とルールを変更して楽しんだ事から今日では「海賊を飛び出させた人が負け」とするルールが広く定着することになったものである。
下記に示す特許文献はこうした飛び上り玩具をより楽しくするためになされたものであり、いずれの玩具も複数設けられた孔に短剣等を差し入れて人形を飛び上らせる構造になっている。
【0004】
【特許文献1】 特開2009−297452号公報
【特許文献2】 特開2005−192912号公報
【特許文献3】 実公平7−25997号公報
【特許文献4】 実開平6−061286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記従来の飛び上り玩具はメーカーが提供した遊び方しか出来ないという問題があった。
上記従来の飛び上り玩具は、いずれもメーカーが用意した短剣等の差し入れ具を使用しなければ遊べない、すなわち短剣等の差し入れ具は長さや幅が決められており代用品を選ぶ事が出来ずメーカーが用意した短剣等以外の道具(玩具)を用いて人形を飛び上げることは出来ない。
【0006】
例えば「ボール」や「鉄砲の玩具」そして「無線コントロールカー」等を持っていてもこれらの玩具を上記従来の飛び上り玩具と組み合わせて遊ぶ事が出来ないという問題がある。
子供達は玩具の「遊び方」や「ルール」を考え出すことに非常に優れており、異なる玩具を用いて新しい「遊び方」や「ルール」を決めて楽しむものであるが上記従来の飛び上り玩具ではそれが望めない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る飛び上り玩具は上記従来の課題を解決するためになされたもので飛び上り玩具を、上方に開口部を有した凸部と凸部の下方を囲うように設けられる薄板状の操作部を具え操作部の上面に複数のボタンを突出するための複数の孔部を有した収納台と、スプリングとスプリングを収縮した状態で掛止し押圧によりスプリングを開放するトリガーとスプリングの上端に固定され玩具を乗せる押し上げ体とを具え前記収納台の凸部内に回転可能に収納される飛び出し手段と、前記収納台に格納され収納台の孔部から突出するボタン部を具えボタン部の押圧時に前記飛び出し手段のトリガーに接してトリガーを押圧する複数のボタン手段と、回転可能に前記収納台に格納される前記飛び出し手段のトリガーを複数個の前記ボタン手段と対向する位置で一時掛止する位置合わせ手段と、を具えて構成することで上記従来の課題を解決しようとするものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る飛び上り玩具はボタンを押すことによって遊べる構造としたので従来の飛び上り玩具では出来ない種々「遊び方」や「ルール」を決めて玩具を楽しむことが可能となる。
【0009】
例えば「口にくわえたストローでボタンを押さなければいけない」とルールを決めれば目前で飛び上る玩具へのハラハラ感は従来の飛び上り玩具より一層強くなる。
また「鉄砲の玩具」によってボタンを狙い撃ちすればボタンに命中させなければ人形等が飛び上らず、またボタンに命中させてもそのボタンが「ハズレボタン」であれば人形等は飛び上がらない。この遊び方のルールでは人形等を飛び上らせた人が勝ちとなる。なお、狙ったボタンに向けてボールを転がす、あるいは投げ、そのボールによってボタンを押すようにしても楽しめる。
そして無線コントロールカーを走らせボタンをタイヤで押すようにすれば無線コントロールカーの操作の上手下手も勝負を左右することになりこの場合も人形等を飛び上らせた人が勝ちとなる。
【0010】
本願発明に係る飛び上り玩具はメーカーが決めた差し入れ具(短剣等)を用いなくとも遊ぶ事が出来、子供達に今までにない「遊び方」や「ルール」を案出して楽しめる玩具を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図面にもとづいてこの発明の実施の形態を説明する。図1はこの発明の請求項1に係る飛び上り玩具の一実施例を示す外観斜視図である。
【0012】
図1に示す1は収納台であり、この収納台1は図に示すように中央部に設けられ上方に立ち上がる凸部1aと、この凸部1aの下方を囲うように設けられる薄板状の操作部1bと、を具えている。
そして図に示すように凸部1aの上方には開口部1cが設けられ、操作部1bの上面には後述する複数のボタンが突出するための孔部1dが設けられている。
【0013】
一方、図2に示す3は飛び出し手段であり、この飛び出し手段3は人形2を上方に向けて弾けるように飛ばすための手段であり、スプリングSと、トリガー3aと、押し上げ体3bと、を備えている。
スプリングSは常には開放された状態で飛び出し手段3内に格納されている。そしてスプリングSの上端には押し上げ体3bが固定され押し上げ体3bは飛び出し手段3の内部で昇降可能となっていて、この押し上げ体3bの上に人形2が乗せられる事になる。
またトリガー3aはスプリングSを収縮した状態の下降した押し上げ体3bを掛止することが出来るとともにトリガー3aの下端を矢符に示す方向に押すと上端に設けられた掛止部が押し上げ体3bから離れスプリングSを開放する事が出来るようになっている。
そしてこの飛び出し手段3は収納台1の凸部1a内で回転可能に支持されていて図1に示すように外部から見えないようになっている。
【0014】
一方図1に示すBはボタン手段であり、このボタン手段Bは図3(a)に示すようにピンPにより回動可能になっていて先端(図では右端)に収納台1に形成された孔部1dから突出するボタン部を具え、不図示の付勢手段によりボタン部は常には突出した状態となっている。
またボタン手段Bの後端(図では左端)は飛び出し手段3のトリガー3aの近傍まで延長しており、ボタン部が押された際には図3(b)に示すようにトリガー3aの下端部を押すことが出来、これによってトリガー3aは押し上げ体3bを掛止していた上端部が押し上げ体3bから外れスプリングSを開放する事になる。
なお同様の構造からなるボタン手段Bが複数設けられ図1に示すように収納台1の孔部1dからボタン部のみを突出している。
【0015】
そして図1および図2に示す4aと4bは位置合わせ手段であり、この位置合わせ手段は飛び出し手段3の下面に設けられる突起部4aと、複数のボタン手段Bの後端前方の収納台1床面に複数形成される溝4bと、によって構成されている。
この位置合わせ手段は飛び出し手段3を回転させた際、トリガー3aを各ボタン手段Bと対向する位置で一時掛止することが出来る。
【0016】
次にこの発明に係る飛び上り玩具の遊び方を説明する。図1に示すように人形2を飛び出し手段3の上方に乗せスプリングを収縮させるように人形2を下方に移動させることでトリガー3aによって収縮したスプリングSを掛止させる。
【0017】
この状態で人形2を左右いずれかの方向に回転させる。この際、人形2と共に飛び出し手段3は回転し、位置合わせ手段はトリガー3aとボタン手段Bが対向する位置になる度にカチカチと回転を一時停止させる。
そして人形2から手を離せば遊びの準備は完了する。なおトリガー3aは収納台1に格納され外部から見る事が出来ないのでトリガー3aがどのボタン手段Bと対向しているかは全く想像出来ない。
【0018】
本願発明の飛び出し玩具は複数のボタン手段Bのいずれか一つを押すと人形2が弾けるように飛び出すものである。そしてボタン手段Bは指先で押しても良いが、この飛び上り玩具は従来の飛び上り玩具とは異なり他の玩具によって人形を飛び上げて遊ぶことが出来る。
【0019】
図4はこの発明に係る飛び出し玩具の遊び方の例を示す図で、図において5は鉄砲の玩具から放たれた弾であり、鉄砲の玩具によりボタンを押す遊び方を示すものである。
このように鉄砲の玩具によりボタンを押すようにすれば上手に弾をボタンに当て、更にそのボタンが「アタリボタン」であった場合のみ人形は弾けるように飛び上る。
そして上手に弾をボタンに当ててもそのボタンが「ハズレボタン」であれば人形は飛び上ることは無い。すなわちこの遊びは「人形を飛び出せた人が勝ち」とするルールの遊びである。
【0020】
また図に示す6は床を転がるボールであり、ボール6によってボタンを押す遊び方を示すものである。自分の決めたボタンを狙って上手にボールを転がすがボールの転がし方はボーリングのように手によって転がす、あるいはゴルフのように何かで叩いて転がしても良い。
【0021】
そして図に示す7は無線コントロールカーで、無線コントロールカー7のタイヤによってボタンを押すゲームを示すものである。一度だけバックしても良い等のルールを決めて遊ぶことが出来る。
【0022】
この発明に係る飛び出し玩具は薄板状の操作部に複数のボタンを設け、複数のボタンの一つを押すと人形が飛び出す構造としたため従来の飛び出し玩具では望めなかった種々の「遊び方」や「ルール」を提案して遊ぶ事が出来る新規の飛び出し玩具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態を示す飛び出し玩具の外観斜視図である。
【図2】飛び出し手段の構造を示す説明図である
【図3】同飛び出し玩具のボタン手段の作用を示す説明図である。
【図4】同飛び出し玩具と他の玩具を組み合わせた遊び方を示す説明図である。
【符号の説明】
【0024】
1 収納台
1a 凸部
1b 操作部
2 人形
3 飛び出し手段
3a トリガー
3b 押し上げ体
4a、4b 位置合わせ手段
B ボタン手段
S スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の押しボタンを具え複数のボタンのいずれか一つのボタンを押すと玩具が飛び上る飛び上り玩具であり、この飛び上り玩具を、
上方に開口部を有した凸部と凸部の下方を囲うように設けられる薄板状の操作部を具え操作部の上面に複数のボタンを突出するための複数の孔部を具えた収納台と、
スプリングとスプリングを収縮した状態で掛止し押圧によりスプリングを開放するトリガーとスプリングの上端に固定され玩具を乗せる押し上げ体とを具え前記収納台の凸部内に回転可能に収納される飛び出し手段と、
前記収納台に格納され収納台の孔部から突出するボタン部を具えボタン部の押圧時に前記飛び出し手段のトリガーに接してトリガーを押圧する複数のボタン手段と、
回転可能に前記収納台に格納される前記飛び出し手段のトリガーを複数個の前記ボタン手段と対向する位置で一時掛止する位置合わせ手段と、
を具えて構成したことを特徴とする飛び上り玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−228494(P2012−228494A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110811(P2011−110811)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(591211803)
【Fターム(参考)】