説明

飛散防止フレコンバックとフレコンバック置き台の作成法

【課題】フレコンバックの内容物を別の容器に移す場合に、フレコンバックに穴を開けることなくフレコンバックを繰り返し使用し、内容物の飛散なしに移す方法を提供する。
【解決手段】フレコンバックの排出口の先端にリング形状の鉄板のツバを付け、さらに簡単なフレコンバック置き台にそのツバに結合するリング形状の鉄板等を取り付けることにより、フレコンバックを補修または廃却せず繰り返し使用し、かつ内容物の飛散なしに移す方法とその装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレコンバック中の内容物を別の容器に移す際に、内容物が洩れないように移すための飛散防止フレコンバックとフレコンバック置き台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フレコンバックによって輸送される内容物は、土壌、焼却灰、アスベスト、その他があるが、その内容を再資源化する時に、内容物が洩れることが作業者や住民の健康、安全を阻害する物質である場合が少なくない。しかし、規格化されたフレコンバックは、この要求に適うものがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005‐307639
【0004】
この特開2005‐307639は、固化材の飛散防止供給方法及び固化材の飛散防止供給カバーの発明であり、その請求項1のように、フレコンバックを覆って供給する固化材の飛散防止供給カバーを有することを特徴とする特許であるが、本発明においては飛散防止供給カバーを作る必要のない飛散防止フレコンバックとフレコンバック置き台からなる特許であり、構成が異なる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フレコンバックの排出口を開いて内容物を別の容器に移す場合に、フレコンバックの排出口と移される容器の受け口を間隙無しに結ぶ方法がないため、フレコンバックから落下した内容物が飛散することがある。
【0006】
内容物の飛散を防止するため、従来はフレコンバックをフレコンバック置き台に密着させてから、カッターもしくは開削槍で穴開けしフレコンバックから内容物を直接別の容器に移し、内容物のモレを防止していたが、これでは使用の度にフレコンバックを修理するか廃却しなければならなかった。
【0007】
そこでフレコンバックの排出口に合せたリング形状の鉄板を排出口に固定し、移される別の容器の受け口の上に設置するフレコンバック置き台に、フレコンバックの排出口に合ったリング形状鉄板を取り付け、フレコンバック排出口のリング形状の鉄板とフレコンバック置き台に付けられたリング形状鉄板をクリップ、クランプ及びボルト・ナットで固定し内容物の飛散を防止することにより、別の容器に直接落下するようにし、事前にフレコンバック置き台と別の容器を間隙のない状態にしておけば、内容物の飛散の心配はなくなる。
【0008】
この問題を解決するために、排出口は結びロープで絞めてもフレコンバックの排出口に付けたリング形状の鉄板が歪んでしまわないように、排出口を長めに作り結びロープで絞めてからリング形状の鉄板をフレコンバックの下面に水平に密着させ、排出口の汚れ防止用の蓋と菊割れ部でカバーする。この時、内容物の形状、重量等を考慮し十分な強度・厚みのリング形状の鉄板を備え、リング形状の鉄板が歪まず平面が保てるようにする。
【0009】
このようにして飛散防止フレコンバック使用時に、フレコンバックの排出口についたリング形状の鉄板とフレコンバック置き台のリング形状鉄板とが密着して洩れがないようにするために、フレコンバック置き台のリング形状鉄板も十分な厚みを必要とし、クリップ、クランプ及びボルト・ナット取り付け箇所は、2箇所以上とし密着を確実にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
フレコンバック1に収納された内容物をフレコンバック1から別の容器12に移すにあたり、フレコンバック1の下方にある排出口2の先端にリング形状の鉄板4のツバを作りこのツバをフレコンバック置き台8に設けたリング形状鉄板5と結合して、フレコンバック1の内容物を別の容器12に移す方法。
上記の結合はクリップ、クランプまたはボルト・ナットさらに永久磁石または電磁石によることを特徴とする請求項1に記載の内容物を別の容器に移す方法。
上記筒状の排出口2の先端部にリング形状の鉄板4からなるツバは接着剤またはおよび錨を使用することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の内容物を別の容器に移す方法。
フレコンバック1の排出口2の先端部にリング形状の鉄板4を接着剤またはおよび錨で固定したツバを備えたフレコンバック1と、フレコンバック置き台8の枠の内側に取り付けたフレコンバック1を所定の位置に導く導入ガイド10とそのガイドの終端にあるフレコンバック停止台9を有し、フレコンバック停止台9はフレコンバック置き台8の底部に固定され、フレコンバック置き台8の下面には丸穴が穿たれ、その丸穴に連結する円筒の台に固定したリング形状鉄板5または永久磁石または電磁石を備えたフレコンバック置き台8からなる装置
【0011】
フレコンバック1の形状および機能の改善として、排出口2の形状に合わせてリング形状の鉄板4の厚み1〜10mm×内径(500mm+排出口布厚×2)×幅25〜100mmに、ボルト・ナットにて締め付ける時には、排出口のリング形状の鉄板4およびフレコンバック置き台8のリング形状鉄板5に結合用の穴を2箇所以上穿つ必要がある。リング形状の鉄片4を折り返した排出口2の布のツバ2-1に固定する。固定方法は排出口2を山高帽子のツバ2−1のように幅25〜100mm折り曲げ、錨6の中間にツバ2−1の先端を菊割り切り込み7(排出口のツバ2−1先端を長さ20〜95mm切り込み)してリング形状の鉄片4に錨6を打つ。錨6を打つ前に、必要に応じリング形状の鉄片4とツバ2−1を接着剤で貼り付け、それが固着した時点で錨6を打ち込み、錨6の頭が鉄板結合面にはみ出さないようにする。
【0012】
排出口2の長さは従来、内径500mmФの場合長さ500mmとなっているが、これを長さ500mm+100〜150mm(=600〜650mm)として、排出口の結びロープ3を手でも治具でも自動でも開けやすくする。また、鋲6を打ちやすくするためツバ2−1のように幅25〜100mm折り曲げ菊割り切り込み7状にし、ツバの上側にリング形状の鉄板4を接着剤で接着するか鋲6で取り付ける。鋲6打ちつけ位置は菊割り切り込み7から離れた直径方向の対向に位置決めする。錨6の材質は特に規定しない。
【0013】
フレコンバック置き台8の形状と機能は、縦1000〜1200mm×横1000〜1200mmの台に立ち上がり700〜1000mmで立ち上がり導入ガイド10を付け、その中心にフレコンバック1が挿入されるようにする。フレコンバック置き台8の中心に規格内径500mmの排出口を設け、その上に50〜100mm程度の立ち上がりを設けその上に規格内径500mmФ×25〜100mmツバ2−1幅×厚み10〜20mmのリング形状鉄板5を取り付ける。
【0014】
フレコンバック1はクレーンなど吊り具と吊ベルト11により方角が決り、一般的なフレコンバック1(縦900mm×横900mm×高さ1250mm)本体でフレコンバック置き台8の縦・横位置が決るように吊降ろす導入ガイド10を設ける。
【0015】
用語の説明をする。
フレコンバック1とは、フレキシブルコンテナの通称。
排出口2とは、フレキシブルコンテナの内容物を排出する口
ツバ2−1とは、排出口2の下端を高山帽子のツバ状に折り返し、リング形状の鉄板4を取り付ける部分とする。
結びロープ3とは、排出口2を結んで内容物のモレを防止すると同時に容易に開閉ができるロープ
リング形状の鉄板4は、排出口2のツバ2−1に取り付けられ、排出口2が結びロープ3で結ばれても水平を保って居り、その状態でフレコンバック1の下面に押し当てられ、排出口2の蓋で保護されている鉄板で、多少の応力で変形のし難い鋼板。リング形状の鉄板4をフレコンバック置き台8のリング形状鉄板5に結合させる手順は、排出口2の保護用の蓋を開け、排出口2が下部に引き出す。その状態でフレコンバック1を下降させ、リング形状鉄板5に接した時点でフレコンバック1の下降を止めて、クリップ、クランプまたはボルト・ナットで結合する。
リング形状鉄板5は、フレコンバック停止台9に取り付けられたリング形状鉄板で、フレコンバック1のリング形状の鉄板4がリング形状鉄板5に接した時点で、それら二つの鉄板がクリップ、クランプまたはボルト・ナットで結合される。
錨6とは、リング形状の鉄板4を排出口2のツバ2−1に固定するもの、強力な固定を必要としない場合は、接着剤のみでも良いが、強力な固定を必要とする場合は錨6を用いる。
菊割り切り込み7とは、排出口2のツバ2−1を形成する時、排出口2を歪んで変形しないようにするために用いるツバ2−1先端の切込みをいう。
フレコンバック置き台8とは、(1)フレコンバック1を定位置に下ろし、リング形状の鉄板4とリング形状鉄板5を接触させる目的を持つ。(2)別の容器の上に設置しフレコンバック1と別の容器を間隙ない状態で連結するもの。
フレコンバック停止台9とは、フレコンバック1を下降時に定位置に停止させ、引き出された排出口2の先につけられたリング形状の鉄板4がリング形状鉄板5に接するように高さが調整されたフレコンバック1を停止させる台
導入ガイド10とは、フレコンバック置き台8に挿入されたフレコンバック1が所定の定位置に着地するようにフレコンバック1を誘導する案内
吊りベルト11とは、フレコンバック1を吊り下げるためのベルトでフレコンバック1の四隅に取り付けてある。
別の容器12とは、フレコンバック1の内容物を移すための容器をさす。
【発明の効果】
【0016】
フレコンバック1で搬送される土壌、焼却灰、アスベスト、その他について、安全衛生意識の向上に従い、環境規制が厳しくなり、作業環境や作業場周辺環境を汚染して、健康被害や火災・爆発などの災害を引き起こす惧れのある作業が少なくない。
【0017】
その度毎に、内容物の飛散防止対策として、飛散防止供給カバーを設計し、作成し対策を取っている例が多い。このために操業開始に時間が掛かり、飛散防止供給カバーと同時にフレコンバック1を搬送することにより、余分な物体の搬送を必要とする。またフレコンバック1内容物を落下移送させ、飛散が沈静するまで飛散防止供給カバーを別の容器12の上に設置して置かなければならず、作業のピッチが遅くなるなどの問題があった。
【0018】
そこでフレコンバック1の排出口2にリング形状の鉄板4を付け、簡単なフレコンバック置き台8に設けたリング形状鉄板5により、フレコンバック1と別の容器を一体化させて、内容物の飛散を用意に防止することができる。フレコンバック1の内容物の排出が終われば、リング形状の鉄板4とリング形状鉄板5の結合を外し、リング形状鉄板5の口を薄いシート等で覆えば、次々と別の新たなフレコンバック1の供給ができ作業ピッチを遅くすることがない。
【0019】
飛散防止供給カバーを作成しない場合の内容物の飛散防止方法は、従来、別の容器12上にフレコンバック1置き板を設置してフレコンバック1をこの置き板に密着させ、その状態でカッターや開放用の槍でフレコンバックに開口部を作り、内容物を落下させる方法が一般的であり、その度にフレコンバック1を廃棄していた。本特許の飛散防止フレコンバックとフレコンバック置き台を用いれば、フレコンバック1を破壊することなくフレコンバック1は繰り返し使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】フレコンバックとフレコンバック置き台の関係
【図2】排出口の側断面図
【図3】排出口の下面からの平面図
【図4】フレコンバック置き台の側断面図
【図5】フレコンバック置き台の平面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
フレコンバック1の排出口2に付けられたリング形状の鉄板4とフレコンバック置き台8に付けられたリング形状鉄板5の関係を図1に示す。リング形状の鉄板4とリング形状鉄板5が固定されて、フレコンバック1の内容物が、フレコンバック置き台8の下の別の容器12に落下する。
【0022】
フレコンバック1の排出口2の下部を外側に折り曲げ、そのツバ2−1の上にリング形状の鉄板4を取り付けた状態を図2に示す。接着剤でツバ2−1とリング形状の鉄板4を固定し、場合によっては錨6を打って両者の固定を強化し、リング形状の鉄板4とリング形状鉄板5とクリップ、クランプまたはボルト・ナットの能力を考慮し結合力をさらに向上する。
【0023】
排出口2に設けたツバ2−1の作り方として、ツバ2−1の周囲に菊割り切り込み7の入れ方及び錨の関係を図3に示した。
【0024】
図4に示すように、フレコンバック置き台8は、フレコンバック停止台9とフレコンバック1を所定の位置に導く導入ガイド10とリング形状鉄板5を載せている台からなっている。また、リング形状鉄板5を載せている台とリング形状の鉄板4と排出口2を結びロープ3で結んだ状態の関係を図4に示す。リング形状の鉄板4とリング形状鉄板5が固定された時点で、結びロープ3が開放され、フレコンバック1の内容物が下の別の容器に落下する。
【0025】
図5のフレコンバック置き台8の中央にリング形状鉄板5があり、その中心部がフレコンバックの内容物が落下する穴である。井桁状のスキッドは導入ガイド10であり、フレコンバック1が所定の位置中央に設置される案内である。
【実施例】
【0026】
複写機の印字用等に使用された廃トナーの回収にあたり、廃トナーを入れたフレコンバックから、ミキサータンクに廃トナーを移す場合、今までは最初にフレコンバックにフレコンバック穴あけ槍で穴を開けて別の容器に全て移し、そこから次にスクリュウコンベアでミキサータンクに移して混合することをやっていた。なぜ2段階に分けて移送をするかと言えば、フレコンバックに穴を開けると途中で落下が停止できないからである。
【0027】
この時、飛散防止フレコンバックにおいては、結びロープ3を縛れば廃トナーの移送を停止できる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の内容物の洩れない飛散防止フレコンバックとフレコンバック置き台の作り方は、フレコンバックの内容物が飛散させないためにリング形状の鉄板とリング形状鉄板
の結合をクリップ、クランプまたはボルト・ナットでの結合を考慮しているが、リング形状の鉄板を排出口の下面に付け、リング形状鉄板を永久磁石または電磁石に変えれば、フレコンバックの内容物の条件によるが、簡単な結合が可能となる。
【符号の説明】
【0029】
1 フレコンバック
2 排出口
2−1 ツバ
3 結びロープ
4 リング形状の鉄板
5 リング形状鉄板
6 錨
7 菊割り切り込み
8 フレコンバック置き台
9 フレコンバック停止台
10 導入ガイド
11 吊りベルト
12 別の容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレコンバックに収納された内容物をフレコンバックから別の容器に移すにあたり、フレコンバックの下方にある排出口の先端にリング形状の鉄板のツバを作りこのツバをフレコンバック置き台に設けたリング形状鉄板と結合して、フレコンバックの内容物を別の容器に移す方法
【請求項2】
上記の結合はクリップ、クランプまたはボルト・ナットさらに永久磁石または電磁石によることを特徴とする請求項1に記載の内容物を別の容器に移す方法。
【請求項3】
上記筒状の排出口の先端部にリング形状の鉄板からなるツバは接着剤またはおよび錨を使用することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の内容物を別の容器に移す方法。
【請求項4】
フレコンバックの排出口2の先端部にリング形状の鉄板を接着剤またはおよび錨で固定したツバを備えたフレコンバックと、フレコンバック置き台の枠の内側に取り付けたフレコンバックを所定の位置に導く導入ガイドとそのガイドの終端にあるフレコンバック停止台を有し、フレコンバック停止台はフレコンバック置き台の底部に固定され、フレコンバック置き台の下面には丸穴が穿たれ、その丸穴に連結する円筒の台に固定したリング形状鉄板または永久磁石または電磁石を備えたフレコンバック置き台からなる装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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