説明

飛散防止装置、および破砕サンプリング設備

【課題】簡素な構造でベルトコンベアによる移送途中での試料の飛散を確実に防止しつつ、ベルトコンベアのメンテナンス作業の効率化を図ることが可能な飛散防止装置、およびこれを用いたサンプリング設備を提供する。
【解決手段】ベルトコンベア6に取り付けられる飛散防止装置16は、少なくともベルトコンベア6の載置面6aの周囲を覆うフードカバー17を有し、フードカバー17に、このフードカバー17の外部からベルトコンベア6内での作業を可能にする開口部19を形成すると共に、開口部19を閉蓋する樹脂シート24を係止具25a,25bを介して着脱自在に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、リサイクル利用される廃棄物を移送するためのベルトコンベアに取り付けられる飛散防止装置、およびこれを用いた破砕サンプリング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の工場や設備において、試料の移送手段としてベルトコンベアが多く使われている。例えば、電子基板等の廃棄物から貴金属等の有価物をリサイクルするためのリサイクル処置工場や廃棄物の含有されている有価金属の量を調査するためのサンプルを採取するサンプリング設備にあっては、廃棄物を破砕装置に移送する手段としてベルトコンベアを用いたり、破砕された廃棄物を減容処理するための減容機に移送する手段としてベルトコンベアを用いたりする。
【0003】
ここで、とりわけ破砕された廃棄物等を移送する場合にあっては、ベルトコンベアによる移送途中に廃棄物が周囲に飛散し、作業環境を悪化させる虞がある。このため、ベルトコンベアによって移送される試料の飛散を防止するためにさまざまな技術が提案されている。
【0004】
例えば、ベルトコンベアのヘッド側およびテール側に、裏ベルトからの試料の落下を防止する裏ベルト反転装置が配設され、裏ベルトのヘッド側の反転前領域およびテール側の正転後領域のほぼ全部の下方にホッパーを取り付け、このホッパーにより集められた試料を持ち上げて、再び表ベルト上に戻すチェーンコンベアを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このように構成することで、裏ベルトに付着した試料が設置床に落下して堆積し、この堆積物の二次飛散を防止できる。
【0005】
また、ベルトコンベアにスポンジ製の防塵部材を設け、この防塵部材の下端面を所定の弾性力をもってベルト表面に面接触させ、かつその弾性力にてベルトコンベアの撓みに追従させると共に、ベルトリターン側にスポンジ製のクリーナ本体を有するベルトクリーナを設け、クリーナ本体をベルト表面に所定の弾性力で面接触させて表面付着物を掻き取るように構成したものがある(例えば、特許文献2参照)。
このように構成することで、ベルトコンベアを損傷することなく、防塵部材やベルトクリーナによって確実にベルトコンベア上の付着物を除去することができ、ベルトリターン側での試料の落下飛散を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−143137号公報
【特許文献2】特開平11−29213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の従来技術にあっては、ベルトに付着した試料がベルトリターン側で飛散するのを防止できるものの、風などの影響による移送途中の試料の飛散を防止するのは困難であるという課題がある。
また、特許文献1にあっては、ベルトコンベアに反転装置が配設されている一方、特許文献2にあっては、ベルトコンベアに防塵部材が設けられているので、この分ベルトコンベアのメンテナンス時(例えば、清掃時)等の作業が煩わしいものとなり、作業時間がかかるという課題がある。
【0008】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、簡素な構造でベルトコンベアによる移送途中での試料の飛散を確実に防止しつつ、ベルトコンベアのメンテナンス作業の効率化を図ることが可能な飛散防止装置、およびこれを用いたサンプリング設備を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ベルトコンベアにより移送される試料の飛散を防止する飛散防止装置において、少なくとも前記ベルトコンベアの試料載置面の周囲を覆うフードカバーを有し、前記フードカバーに、このフードカバーの外部から前記ベルトコンベア内での作業を可能にする作業用窓を形成すると共に、前記作業用窓を閉蓋する樹脂製の保護カバーを係止具を介して着脱自在に設けたことを特徴とする。
【0010】
このように構成することで、ベルトコンベア上をフードカバーで覆うので、試料移送中の試料の飛散を防止できる。また、フードカバーに作業用窓が形成されているので、ベルトコンベアにフードカバーを取り付けた状態のまま、ベルトコンベアの清掃作業等を行うことができる。しかも、ベルトコンベアにフードカバーが取り付けられているだけなので、従来のようにベルトコンベアの周囲に装置が存在せず、容易に清掃作業等を行うことができる。
【0011】
さらに、フードカバーに作業用窓を閉蓋する樹脂製の保護カバーが係止具を介して着脱自在に設けられているので、作業用窓からの試料の飛散を防止できると共に、容易に保護カバーを開けてベルトコンベアの状態を確認することができる。このため、ベルトコンベアのメンテナンスタイミングを容易に確認することができ、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能になる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記フードカバーと前記保護カバーとの間に、前記保護カバーの取り付け姿勢を保持するフレームを設け、このフレームは、外部から内部を視認可能に形成されていることを特徴とする。
【0013】
このように構成することで、保護カバーのフードカバーに対するバタつきを防止することができる。また、保護カバーのバタつきを防止することにより、脱落や風の侵入による脱鉱飛散を防止することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、前記係止具は、スナップボタン、および綿ファスナーの少なくとも何れか一方で構成されていることを特徴とする。
【0015】
このように構成することで、安価な方法で保護カバーをフードカバーに対して着脱自在とすることができる。このため、飛散防止のための施行コストを低減できる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、前記保護カバーは、可撓可能なシートであることを特徴とする。
【0017】
このように構成することで、保護カバーを捲るだけでベルトコンベアの状態を確認することができる。このため、メンテナンス作業効率をさらに向上させることが可能になる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の飛散防止装置を取り付けた複数のベルトコンベアと、前記ベルトコンベアにより移送された試料を破砕する破砕機とを有したことを特徴とする破砕サンプリング設備とした。
この場合、請求項6に記載した発明のように、前記破砕機の後工程側に複数のサンプリングバケットコンベアを配置してもよい。
【0019】
このように構成することで、簡素な構造でサンプリングバケットコンベアまでの移送途中での試料の飛散を確実に防止しつつ、途中の試料移送用ベルトコンベアのメンテナンス作業の効率化を図ることが可能な破砕サンプリング設備を提供することができる。
また、試料の飛散を防止することにより、分析精度を1〜3%向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ベルトコンベア上をフードカバーで覆うので、試料移送中の試料の飛散を防止できる。また、フードカバーに作業用窓が形成されているので、ベルトコンベアにフードカバーを取り付けた状態のまま、ベルトコンベアの清掃作業等を行うことができる。しかも、ベルトコンベアにフードカバーが取り付けられているだけなので、従来のようにベルトコンベアの周囲に装置が存在せず、容易に清掃作業等を行うことができる。
【0021】
さらに、フードカバーに作業用窓を閉蓋する樹脂製の保護カバーが係止具を介して着脱自在に設けられているので、作業用窓からの試料の飛散を防止できると共に、容易に保護カバーを開けてベルトコンベアの状態を確認することができる。このため、ベルトコンベアのメンテナンスタイミングを容易に確認することができ、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態におけるサンプリング設備の概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における飛散防止装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における飛散防止装置の概略構成図である。
【図4】本発明の他の実施形態における飛散防止装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(サンプリング設備)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、サンプリング設備1の概略構成図である。
同図に示すように、サンプリング設備1は、試料であるリサイクル原料を破砕する第一破砕機2と、破砕機2により破砕されたリサイクル原料を移送する第一ベルトコンベア3、および第二ベルトコンベア4と、リサイクル原料の破砕物を貯留する第一貯留槽5と、第一貯留槽5から供給されるリサイクル原料の破砕物を移送する第三ベルトコンベア6と、第三ベルトコンベア6により移送されたリサイクル原料の破砕物をサンプリングバケットコンベア31で縮分後に破砕する第二破砕機7と、この第二破砕機7により生成された破砕物を移送する第四ベルトコンベア8と、この第四ベルトコンベア8により移送された破砕物を減容処理する減容機9とを備えている。
【0024】
また、サンプリング設備1には、第二破砕機7から排出される破砕物を回収する第五ベルトコンベア10、および第六ベルトコンベア11が設けられている。この第六ベルトコンベア11の下流端には、破砕物を貯留する不図示のタンクとサンプリングカットバケットとが設けられている。
【0025】
なお、リサイクル原料としては、例えば、プリント基板、フレキシブル基板、ICチップ、携帯電話、フィルム、印画紙等が挙げられる。これらリサイクル原料は、金、銀、銅等の有価金属を含有しており、有価金属の含有量によってリサイクル原料自体の価値が決定されることになる。
また、第一破砕機2、および第一ベルトコンベア3は、屋内に設置される一方、第一ベルトコンベア3よりも下流側のライン、つまり、第二ベルトコンベア4から下流側に設置された各機器は、屋外に設置される。
【0026】
ここで、第一破砕機2は、ロータ式の一軸破砕機とされており、外周面に硬質耐摩耗合金からなる切刃(不図示)が設けられた回転ローラ12を備えている。
また、第二破砕機7は、ハンマー式の一軸破砕機とされており、刃が装着されたローターブロックを破砕物に衝突させて破砕する。第二破砕機7の排出部には、第七ベルトコンベア13が設けられている。第七ベルトコンベア13により移送された破砕物は、この下流側に設けられている第二貯留槽14に投入される。第二貯留槽14の排出部には、所定寸法以下(例えば、20mm×20mm以下)の破砕物が定量供給されるフィーダ15が配設されている。
【0027】
フィーダ15により、減容処理可能な破砕物は、第四ベルトコンベア8に排出される一方、減容処理不可能な破砕物は、第五ベルトコンベア10に排出される。
ここで、屋外に設置されている第三ベルトコンベア6、第四ベルトコンベア8、および第七ベルトコンベア13としては、例えばフレックコンベアが採用され、各ベルトコンベア6,8,13には、それぞれ破砕物の飛散を防止するための飛散防止装置16が取り付けられている。
【0028】
(飛散防止装置)
図2は、飛散防止装置16の斜視図、図3は、飛散防止装置16の概略構成図である。なお、以下の説明において、各ベルトコンベア6,8,13に取り付けられている飛散防止装置16は、それぞれ同一構成から成るので、第三ベルトコンベア6に取り付けられている飛散防止装置16のみ説明し、第四ベルトコンベア8、および第七ベルトコンベア13に取り付けられている飛散防止装置16については説明を省略する。
【0029】
図2、図3に示すように、飛散防止装置16は、第三ベルトコンベア6の周囲を覆う金属板から成るフードカバー17を有している。フードカバー17は、第三ベルトコンベア6の破砕物を載置する載置面6a側に空間Kが形成されるように断面略コの字状に屈曲形成されており、一対の側壁18a,18aと、上壁18bとを有している。フードカバー17により、第三ベルトコンベア6上を覆うことにより、外部からの風の侵入を防止できるようになっている。空間Kの大きさは、作業者がフードカバー17内で作用可能な大きさに設定される。
【0030】
また、一対の側壁18b,18bのうちの一方には、大部分にフードカバー17の長手方向に沿う平面視略長方形状の開口部19が形成されている。さらに、一方の側壁18bには、開口部19の短手方向両側に、複数のボルト孔20が長手方向に沿って並設されている。
【0031】
複数のボルト孔20は、例えば、側壁18bの裏面側にナット(不図示)を溶接固定するなどして形成される。この場合、側壁18bのナット(不図示)に対応する部位には、このナットに螺入される不図示のボルトを挿通可能な貫通孔が形成される。
さらに、一方の側壁18bには、開口部19を閉塞する金網21が不図示のボルトによって締結固定されている。
【0032】
金網21には、この短手方向両側にそれぞれ取り付けプレート23が溶接等により固定されており、この取り付けプレート23の複数のボルト孔20に対応する箇所に、不図示のボルトを挿通可能な挿通孔22が形成されている。そして、取り付けプレート23の外側から不図示のボルトを挿通孔22に挿通した後、フードカバー17のボルト孔20にボルト螺入することにより、フードカバー17に金網21を固定するようになっている。
【0033】
また、金網21の外面側には、この金網21を覆う可撓性を有する樹脂シート24が設けられている。ここで、金網21の取り付けプレート23、および樹脂シート24の取り付けプレート23に対応する箇所には、互いに係脱可能な係止具25a,25bが貼付されている。この係止具25a,25bは、帯状の綿ファスナーにより構成されている。
【0034】
すなわち、樹脂シート24は、金網21に対して係止具25a,25bを介して着脱自在に設けられていることになる。樹脂シート24は、可撓性を有するが金網21に取り付けられることによってその取り付け状態の姿勢が保持される。
また、金網21を樹脂シート24で覆うことにより、金網21を介して内部に風が侵入することも防止できると共に、金網21から第三ベルトコンベア6上の破砕物が外部に飛散する虞もない。
【0035】
(ベルトコンベアのメンテナンス作業)
このような構成のもと、金網21に取り付けられている樹脂シート24を捲るようにして金網21から引き剥がすと、第三ベルトコンベア6の状態を金網21を介して確認することができる。つまり、金網21は、樹脂シート24の姿勢を保持しつつ、外部からフードカバー17の内部の様子を視認可能なフレームとしての役割を有している。
【0036】
金網21越しに確認した第三ベルトコンベア6の様子から、例えば破砕物の詰まり等が確認された場合、飛散防止装置16の金網21越しにエアレーションを行い、清掃作業を行う。エアレーションによる清掃作業を行っても破砕物の詰まり等の不具合が解消されない場合、フードカバー17から金網21を取り外す。
【0037】
フードカバー17の開口部19は、一方の側壁18bの大部分に形成されているので、メンテナンス作業者が開口部19からフードカバー17内に身を乗り出すことができる。つまり、開口部19は、作業者が清掃したりメンテナンス作業したりするための作業用窓として機能する。
作業者が清掃作業、およびメンテナンス作業を終了した後、再びフードカバー17に金網21を不図示のボルトによって締結固定する。金網21を取り付けた後、この金網21に樹脂シート24を取り付け、メンテナンス作業が完了する。
【0038】
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、屋外に設置されている第三ベルトコンベア6、第四ベルトコンベア8、および第七ベルトコンベア13にフードカバー17を取り付けるので、フードカバー17内への風の進入を防止でき、破砕物の飛散を防止できる。
また、フードカバー17に作業用窓としての開口部19が形成されているので、各ベルトコンベア6,8,13にフードカバー17を取り付けた状態のまま、これらベルトコンベア6,8,13の清掃作業やメンテナンス作業を行うことができる。しかも、ベルトコンベア6,8,13にフードカバー17が取り付けられているだけなので、容易に清掃作業等を行うことができる。
【0039】
さらに、フードカバー17に開口部19を閉蓋する樹脂シート24が綿ファスナーにより構成される係止具25a,25bを介して着脱自在に設けられている。このため、開口部19からの破砕物の飛散を防止できると共に、樹脂シート24を捲るだけでフードカバー17内部の状態を確認することができる。
このため、安価な構造で各ベルトコンベア6,8,13のメンテナンスタイミングを日々容易に確認することができる。よって、飛散防止装置16の製造コストを低減できると共に、メンテナンス作業の効率化を図ることが可能になる。
【0040】
そして、フードカバー17の開口部19に金網21を取り付けた後、樹脂シート24を取り付けている。つまり、フードカバー17と樹脂シート24との間に、金網21を取り付けている。このため、金網21によって、樹脂シート24の取り付け姿勢が保持されるので、樹脂シート24のバタつきを防止できると共に、脱落や風の侵入による脱鉱飛散を防止することができる。
【0041】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、フードカバー17の一対の側壁18b,18bのうちの一方に開口部19を形成した場合について説明したが、他方の側壁18bにも開口部19を形成してもよい。
【0042】
また、上述の実施形態では、金網21に綿ファスナーにより構成される係止具25a,25bを介して樹脂シート24を着脱自在に設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、係止具25a,25bは、作業者が容易に樹脂シート24を取り外すことができるものであればよい。
ここで、図4に基づいて、綿ファスナーにより構成される係止具25a,25bに代わる他の係止具27a,27bを用いた例について、より詳述する。
図4は、他の飛散防止装置26の概略構成図である。なお、図4において、上述の実施形態と同一態様には、同一符号を付して説明する。
【0043】
同図に示すように、金網21の取り付けプレート23、および樹脂シート24の取り付けプレート23に対応する部位には、互いに係脱可能な複数の係止具27a,27bが貼付されている。この係止具27a,27bは、スナップボタンにより構成されている。スナップボタンにより構成される係止具27a,27bを用いることにより、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
ここで、樹脂シート24を金網21に対して着脱自在に設けるために、綿ファスナーにより構成される係止具25a,25bと、スナップボタンにより構成される係止具27a,27bとを併用してもよい。
【0044】
また、上述の実施形態では、フードカバー17の開口部19に金網21を取り付け、この金網21を、樹脂シート24の姿勢を保持しつつ、外部からフードカバー17の内部の様子を視認可能なフレームとして機能させた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、樹脂シート24の姿勢を保持しつつ、外部からフードカバー17の内部の様子を視認可能な構造のものを開口部19に取り付ければよい。例えば、金網21に代わってパンチングメタル等を用いてもよい。
さらに、開口部19に金網21を設けず、直接樹脂シート24により開口部19を閉蓋してもよい。この場合、開口部19の短手方向両縁と、樹脂シート24の短手方向両側とに係止具25a,25b(係止具27a,27b)を設ければよい。
【0045】
そして、上述の実施形態では、屋外に設置されている第三ベルトコンベア6、第四ベルトコンベア8、および第七ベルトコンベア13に、それぞれ破砕物の飛散を防止するための飛散防止装置16を取り付けた場合について説明した。しかしながら、屋内に設置されている第一ベルトコンベア3や、他の各ベルトコンベア4,10,11に飛散防止装置16を取り付けることも可能である。
また、フードカバー17は、飛散防止装置16と一体でなくてもよい。
【0046】
さらに、上述の実施形態では、金網21に樹脂シート24を取り付けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、可撓性を有さない樹脂プレートを用いてもよい。
【0047】
ここで、例えば、金属プレートを用いる場合、この自重に起因して綿ファスナーにより構成される係止具25a,25bやスナップボタンにより構成される係止具27a,27bでは、金網21上に取り付け不能となる虞がある。この場合、金属プレートをフードカバー17にボルト・ナット等を用いて締結固定する必要がある。このため、フードカバー17から金属プレートを着脱させる際に工具が必要となるので、清掃作業等が煩わしいものとなり、メンテナンス作業効率が低下してしまう。
したがって、金網21を覆う部材として、金属プレートと比較して軽量な樹脂製の部材(樹脂シート24や樹脂プレート)を用いることにより、係止具25a〜27bを使用することが可能になるので、メンテナンス作業効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 サンプリング設備(破砕サンプリング設備)
3 第一ベルトコンベア
4 第二ベルトコンベア
6 第三ベルトコンベア
6a 載置面
7 第二破砕機(破砕機)
8 第四ベルトコンベア
9 減容機
10 第五ベルトコンベア
11 第六ベルトコンベア
13 第七ベルトコンベア
16,26 飛散防止装置
17 フードカバー
19 開口部(作業用窓)
21 金網(フレーム)
24 樹脂シート(保護カバー)
25a,25b,27a,27b 係止具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベアにより移送される試料の飛散を防止する飛散防止装置において、
少なくとも前記ベルトコンベアの試料載置面の周囲を覆うフードカバーを有し、
前記フードカバーに、このフードカバーの外部から前記ベルトコンベア内での作業を可能にする作業用窓を形成すると共に、前記作業用窓を閉蓋する樹脂製の保護カバーを係止具を介して着脱自在に設けたことを特徴とする飛散防止装置。
【請求項2】
前記フードカバーと前記保護カバーとの間に、前記保護カバーの取り付け姿勢を保持するフレームを設け、
このフレームは、外部から内部を視認可能に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の飛散防止装置。
【請求項3】
前記係止具は、スナップボタン、および綿ファスナーの少なくとも何れか一方で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の飛散防止装置。
【請求項4】
前記保護カバーは、可撓可能なシートであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の飛散防止装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の飛散防止装置を取り付けた複数のベルトコンベアと、
前記ベルトコンベアにより移送された試料を破砕する破砕機とを有したことを特徴とする破砕サンプリング設備。
【請求項6】
前記破砕機の後工程側に複数のサンプリングバケットコンベアを配置したことを特徴とする請求項5に記載の破砕サンプリング設備

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−126677(P2011−126677A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287639(P2009−287639)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000006264)三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Fターム(参考)】