説明

飛行性能が改善されたゴルフボール

【課題】 ゴルフボールの空体力学効率を改善し、そのようなスイング速度のゴルファーであっても飛距離が伸び、とくに、初期速度が160マイル/時(257km/h)を超えるように、より具体的にはそれが約180マイル/時(290km/h)でボールを打ち出すゴルファーのような、かなり高速スイングのゴルファーにとって飛距離が伸びるようにする。
【解決手段】 ゴルフボールのディンプル数を少なくするとともにディンプルをマルチサイズとしディンプルのカバー領域をより大きくし、空体力学特性を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飛行性能が改善され長い飛行距離をもたらす改善された空体特性を有するゴルフボールに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフボールの飛行の仕方は多くの要素により決定されるが、これらの要素のほとんどはゴルファが関与できないものである。ゴルファは、特定のクラブでボールを打撃することにより、速度、打ち出し角度、およびスピンレートを制御できるが、打撃後は、ボールの空体力学(aerodyanamics)、構造および材料、ならびに環境条件例えば地勢や天候により左右されて、ボールは飛行する。飛行距離やその一貫性はゴルフのスコアをよくする上で重要な要素であるので、製造者は、常々、種々の空体特性やゴルフボールの構造を改善して、ゴルフボールの飛行一貫性や飛行距離の改善に努力してきた。
【0003】
1970年代以前では、多くのゴルフボールは、八面体に配列された336個のディンプルを有し、ディンプル領域は約60−65%の範囲であった。1970年代の間は、ボール表面の比較的大きな部分をカバーするディンプルパターンの傾向があった。これらゴルフボールは典型的には二十面体に配列された約同一個数のディンプル(332個)を有していた。これらディンプルは典型的には同一サイズであり、ボール表面の約70%をカバーしていた。この構成は飛行距離を飛躍的に向上させた。1980年代のはじめには、ボール表面のディンプルの個数をより多くし、ボール表面のディンプルのサイズをマルチサイズとする傾向が加わった。1980年代の間、ディンプルの総数を増大させようとする傾向がさらに強まり、ゴルフボール製造業者の間では、「ディンプル戦争」としてしばしばうけとられた。
【0004】
これらの傾向が相まって現在の典型的なゴルフボールの構造が生成された。すなわち、2−5の異なるサイズの約400個のディンプルを有し、ボール表面の約80%をカバーするものである。例えば、USGA(合衆国ゴルフ協会)は、標準セットアップゴルフボールとしてPinnacle Gold LSを用いている。このゴルフボールは、特許文献1(米国特許第5957786号明細書)に開示されるように392個のディンプルからなるパターンを有し、ディンプルのサイズも5とおりである。従来、ゴルフボールの空体特性や他の性能の特性が、余暇でプレイを行なうゴルファから高度に熟達したプロゴルファまでの種々のタイプのゴルファの要請に合致するように設計されてきた。このようなゴルファの間で典型的に際立った要素はスイング速度である。プロゴルファはスイング速度の上限を記録してきており、そのスイング速度は約160マイル/時(257km/h)のボール初速度を生成するのに十分なものであった。近年、賞金の高騰も一因となって、世界クラスのアスリートがゴルフゲームに集まってきた。プロゴルファは、かつてないほど、大きくなり、強靱になり、攻撃的になってきている。この結果、ボールの初速度が170マイル/時(274km/h)を優に超えるプロゴルファやアマチュアゴルファが見受けられるようになった。しかしながら、この分野において、今日のゴルファによりもたらされる高速のボール速度を含むすべてのボール速度に最適化されたゴルフボールについては何ら教示するところではない。
【0005】
したがって、高スイング速度のゴルファを含むすべてのゴルファに対して飛距離を伸ばすように設計されたゴルフボールが、依然、要請されている。
【特許文献1】米国特許第5957786号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、以上の事情を考慮してなされたものであり、空体力学的な効率を改善し、もってスイング速度がどのようなゴルファに対しても飛距離を向上させるゴルフボールを提供することを目的とし、とくに、160マイル/時(257km/h)以上、より具体的には約170マイル/時(274km/h)の初速度でボールを打つような、かなりスイング速度の速いゴルファに対して飛距離を向上させるゴルフボールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によれば、上述の目的を達成するために、特許請求の範囲に記載のとおりの構成を採用している。以下、この発明を詳細に説明する。
【0008】
この発明は、空体力学的な効率を改善し、もってスイング速度がどのようなゴルファに対しても飛距離を向上させるゴルフボールに向けられており、とくに、160マイル/時(257km/h)以上、より具体的には約170マイル/時(274km/h)の初速度でボールを打つような、かなりスイング速度の速いゴルファに対して飛距離を向上させるゴルフボールに向けられている。
【0009】
とくに、この発明は、空体力学上の効率、具体的には高スイング速度時の効率を向上させるディンプル配列やディンプルプロフィールの選択に向けられている。より具体的には、この発明は、初期のゴルフボールのようにディンプル総数が少なく、同時に、近年のゴルフボールのようにディンプルのカバー領域を大きくし、マルチサイズのディンプルとするものである。
【0010】
この発明の好ましい実施例によれば、外側表面が約370より少ないディンプルを有しこれらディンプルが外側表面の少なくとも約80%の領域をカバーし、しかもディンプルのサイズが少なくとも2とおりである外側表面を有するゴルフボールに向けられている。好ましくは、ゴルフボールは350未満のディンプルを有し、より好ましくは340未満のディンプルを有する。代替的には、ゴルフボールは約250個のディンプルを有する。好ましくは、このディンプルはボールの表面の少なくとも約83%をカバーし、少なくとも4通りのサイズとなっており、より好ましくは、少なくとも6通りのサイズとなっている。
【0011】
好ましいゴルフボールでは、レノルズ数180000でスピンレートが0.110の空体力の係数(coefficient of aerodyanamic force。空力係数とも呼ぶ)の、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の空体力の係数に対する比が、約0.780またはそれ未満であり、より好ましくは、この比が約0.760またはそれ未満である。この発明の一側面によれば、レノルズ数180000でスピンレートが0.110の空体力の係数は約0.290またはそれ未満である。この発明の他の側面によれば、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の空力係数は約0.370またはそれを超える。
【0012】
好ましいゴルフボールでは、レノルズ数180000でスピンレートが0.110の揚力(lift)係数の、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の揚力係数に対する比が、約0.730またはそれ未満である。好ましくは、この比が約0.725またはそれ未満であり、より好ましくは、約0.700またはそれ未満であり、最も好ましくは、約0.690である。この発明の一側面によれば、レノルズ数180000でスピンレートが0.110の揚力係数は約0.170またはそれ未満である。この発明の他の側面によれば、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の揚力係数は約0.240またはそれを超える。この発明のさらに他の側面によれば、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の抗力(drag)係数は約0.270またはそれ未満である。
【0013】
好ましいゴルフボールは、2層コアおよび2層カバーを含む。好ましくは、最も内側にコア層は約0.375インチ(約0.953cm)から約1.4インチ(約3.56cm)の範囲の直径を有し、外側コアは約1.4インチ(約3.56cm)から約1.62インチ(約4.11cm)の範囲の外側直径を有する。好ましくは、内側カバーは約1.59インチ(約4.04cm)から約1.66インチ(約4.22cm)の範囲の外側直径を有する。好ましいゴルフボールは0.800より大きな反発係数(Coefficient Of Restitution)を有する。
【0014】
他の好ましい実施例によれば、この発明は外側表面が約370より少ないディンプルを有しこれらディンプルが外側表面の少なくとも約80%の領域をカバーし、しかもディンプルの総容積(総合ディンプル容積)が少なくとも約1.25%であるゴルフボールに向けられている。好ましくは、ディンプルの総容積は少なくとも約1.5%である。好ましくは、ゴルフボールは、350個未満のディンプルを有し、またより好ましくは340個未満のディンプルを有する。代替的には、ゴルフボールは、300個未満のディンプルを有し、または約250個のディンプルを有する。好ましいゴルフボールの表面のディンプルはボールの表面の少なくとも約75%をカバーし、好ましくは、ボールの表面の少なくとも約80%をカバーし、より好ましくはボールの表面の少なくとも約83%をカバーする。
【0015】
他の好ましい実施例によれば、この発明は、外側表面が複数のディンプルを有し、レノルズ数180000でスピンレートが0.110の空体力の係数の、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の空体力の係数に対する比が、約0.780またはそれ未満であるゴルフボールに向けられている。好ましくは、この比が約0.760またはそれ未満である。この発明の一側面によれば、レノルズ数180000でスピンレートが0.110の空体力の係数は約0.290またはそれ未満である。この発明の他の側面によれば、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の空力係数は約0.370またはそれを超える。好ましいゴルフボールの圧縮(compression)は90PGA(PGA圧縮値、ATTI圧縮ともいう)であり、そのディンプル数は約370個より少ない。
【0016】
さらに他の好ましい実施例によれば、この発明は、外側表面が複数のディンプルを有し、レノルズ数180000でスピンレートが0.110の揚力係数の、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の揚力係数に対する比が、約0.730またはそれ未満であるゴルフボールに向けられている。好ましくは、この比が約0.725またはそれ未満であり、より好ましくは、この比が約0.700またはそれ未満であり、最も好ましくは、約0.690またはそれ未満である。この発明の一側面によれば、レノルズ数180000でスピンレートが0.110の揚力係数は約0.170またはそれ未満である。この発明の他の側面によれば、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の揚力係数は約0.240またはそれを超える。
【0017】
さらに他の好ましい実施例によれば、この発明は、外側表面が複数のディンプルを有し、レノルズ数70000でスピンレートが0.188の抗力係数が約0.270またはそれ未満であるゴルフボールに向けられている。好ましいゴルフボールは370個未満のディンプルを有し、好ましくは300個未満のディンプルを有する。ディンプルは、好ましくは、ゴルフボールの表面領域の少なくとも約80%をカバーし、より好ましくはゴルフボールの表面領域の少なくとも約83%をカバーする。
【0018】
さらに他の好ましい実施例によれば、この発明は、外側表面が約300個未満のディンプルを有し、これらがゴルフボールの外側表面の少なくとも約75%をカバーするゴルフボールに向けられている。好ましくは、ボールは約275個未満のディンプルを有し、より好ましくは約250個のディンプルを有する。好ましくはディンプルのサイズは少なくとも2通りであり、より好ましくは、少なくとも4通りであり、最も好ましくは少なくとも6通りである。ディンプルは好ましくボールの表面の少なくとも約80%をカバーし、より好ましくは、ボールの表面の少なくとも約83%をカバーする。
【0019】
好ましい実施例の各々のエレメントまたは要素は谷好ましい実施例との組み合わせにおいても採用することができる。
【0020】
この発明の上述の側面および他の側面は特許請求の範囲に記載され以下実施例を用いて詳述される。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、空体力学的な効率を改善し、もってスイング速度がどのようなゴルファに対しても飛距離を向上させるゴルフボールを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
ゴルフボールに作用する空体力学上の力(空体力)は、典型的には、揚力および抗力の直交する成分に分解される。揚力(lift)は、飛行経路に直角な空体力要素として定義される。これは、ボールのバックスピンにより引き起こされる空気流中の歪みにより生成される圧力差によりもたらされる。図1に示すように、周囲層がボールの滞留点Bにおいて発生し、その後、成長して点S1、S2で分離する。バックスピンによって、ボールの頂部が空気流の同一方向に動き、周囲層の分離を遅らせる。これに対し、ボールの低部は空気流と反対方向に動き、ボールの底部において周囲層が分離するのは助長する。したがって、ボールの頂部における周囲層の分離点S1は、ボールの底部における周囲層の分離点S2より後方となっている。このように分離が非対称なため、空気流のパターンに孤が生成され、ボールの頂部を超える空気がより速く移動しなければならなくなり、この結果、ボールの下よりも低い圧力が生じる。
【0023】
抗力(drag)は、ボールの飛行方向と平行に作用する空体力要素として定義される。ボールが空気中を飛行するとき、ボールを囲む空気は異なる速度を有し、このため、異なる圧力を有する。空気は、図1に示すように、ボールの正面の滞留点Bで最大圧力を生じる。空気は、この後、ボールの側部を超えて流れ、速度が上昇し、圧力が減少する。空気は、点S1、S2においてボールの表面から離れ、低圧力の大きな乱流領域すなわち伴流(wake)を残す。ボールの前面の高圧力とボールの背面の低圧力との間の差により、ボールの速度が遅くなり、ゴルフボールの抗力源として作用する。
【0024】
ゴルフボール表面のディンプルは、ゴルフボールの抗力および揚力の特性を調節するのに用いられ、この結果、多くのボール製造業者はディンプルパターン、形状、容積(volume)、および断面を研究してゴルフボールの全体としての飛距離を向上させるようにしている。乱流は周囲層にエネルギを付与し、ボールの周囲に付着しやすくし、伴流を減少させる。ボールの背後の圧力が増大し抗力が実質的に減少する。
【0025】
この発明は、ここでは、典型的なゴルフボール軌道の飛行レジームをカバーするスピンレートおよびレノルズ数の範囲で、空体力の大きさおよび方向により定義される空体力学のクライテリアの観点から、説明される。これら空体力学のクライテリアおよび力は以下に説明される。
【0026】
飛行中のゴルフボールに作用する力は図2に示すように式1により計算される。
【0027】
F=F+F+F (式1)
ここでF=ボールに作用する総合力ベクトル
=揚力ベクトル
=抗力ベクトル
=重力ベクトル
【0028】
揚力ベクトル(F)はスピンベクトルおよび速度ベクトルの外積により決定される方向に作用する。抗力ベクトル(F)は速度ベクトルとまさに反対の方向に作用する。式1の揚力および抗力の大きさはそれぞれ式2および式3により計算される。
【0029】
=0.5CρAV (式2)
=0.5CρAV (式3)
ここでρ=空気密度(slugs/ft
A=ボールの投影面積(ft)((π/4)D
D=ボールの直径(ft)
V=ボール速度(ft/s)
=無次元揚力係数
=無次元抗力係数
【0030】
揚力および抗力係数は、飛行中のボールに加えられる力を定量化するのに用いられ、空気密度、空気速度、ボール速度およびスピンレートに左右される。これらパラメータのすべての影響は2つの無次元パラメータすなわちスピンレート(SR)およびレノルズ数(Nre)により把握される。スピンレートは、ボールの回転表面速度をボール速度で割ったものである。レノルズ数は、空気中を移動するボール表面に作用する粘力に対する慣性力の比を定量化する。SRおよびNreは下記の式4および式5により計算される。
【0031】
SR=ω(D/2)/V (式4)
re=DVρ/μ (式5)
ここで、ω=ボール回転レート(ラジアン/s)(2π(RPS))
RPS=ボール回転レート(回転/s)
V=ボール速度(ft/s)
D=ボール直径(ft)
ρ=空気密度(slugs/ft
μ=空気の絶対粘度(lb/ft−s)
【0032】
所定の範囲のSRおよびNreの範囲に対して揚力係数および抗力係数を決定するのに適した多くの方法があり、これらには、軌道スクリーン(ballistic screen)技術とともに室内テスト領域を用いることが含まれる。米国特許第5682230号明細書は一連の軌道スクリーンを用いて揚力および抗力係数を求めることを開示している。米国特許第6186002号明細書および同第6285445号明細書は室内テスト領域を用いて所定の範囲の速度およびスピンレートの範囲に対して揚力係数および抗力係数を決定する方法を開示している。ここでは、各ショットに関してCおよびCの値がSRおよびNreに関連付けられている。その詳細についてはこれら特許文献を参照されたい。ゴルフボールの空体力学試験に習熟した者は、室内テスト領域を使用してまたは代替的に風洞を用いて容易に揚力係数や抗力係数を決定することができる。
【0033】
ゴルフボールの空体特性は2つのパラメータにより定量化でき、これらは揚力及び抗力を同時に記述する。すなわち、(1)空体力の大きさ(Cmag)および(2)空体力の向き(Angle)である。ここで、ディンプルパターンおよびディンプルプロフィールを選択して好ましい大きさおよび向きのクライテリアを満たすようにすると飛行性能の改善が図られることが判明した。空体力の大きさおよび角度は揚力係数および抗力係数に関連するので、空力係数の大きさおよび角度が好ましいクライテリアを決定するのに用いられる。空力係数の大きさおよび角度は下記の式6および式7により定義される。
【数1】

Angle=tan−1(C/C) (式7)
【0034】
ボールの方向性によらず一貫した飛行特性を保証するために、各SRおよびNreに対するCmagのパーセント偏差(percent deviation)が重要な役割を果たす。Cmagのパーセント偏差は式8に従って計算される。ここで、任意の2つの配向のCmagの間の差の絶対値の、これら2つの配向のCmagの平均値に対する比が100倍される。
パーセント偏差Cmag
=|(Cmag1−Cmag2)|((Cmag1+Cmag2)/2)×100 (式8)
ただしはCmag1=配向1のCmag 、Cmag2=配向2のCmagである。
【0035】
飛行特性が一貫するように、パーセント偏差は好ましくは約6パーセントまたはそれ未満である。より好ましくは、Cmagの偏差は約3パーセントまたはそれ未満である。
【0036】
空体力学上の非対称性は、典型的にはディンプル配列に固有の分離線または製造プロセスに関連する分離線に由来する。パーセントCmag偏差は、好ましくは、分離線平面と直交する回転軸、広く、極平面(poles horizontal)「PH」配向として呼ばれるもので測定されるCmag値と、PHに直交する配向、広くポール・オーバー・ポール「PP」配向として呼ばれるもので測定されるCmag値とを用いて取得される。空体力学上の最も大きな非対称性は一般にPP配向とPH配向との間で測定される。以上概略したCmagのパーセント偏差は、任意の他の2つの配向と同様にPHおよびPPの配向にも適用される。例えば、浅いディンプルからなる大きな円の特定のディンプルパターンを用いると、異なる配向を測定する必要がある。先の例のシナリオで対称性を測定するために用いる回転軸は、先の大きな円により記述されるこれと一致する平面と直交するであろう。
【0037】
また、名目(nominal)直径が1.68インチ(4.27cm)で標準重量が1.62オンス(45.91g)のゴルフボールに対するCmagおよびAngleのクライテリアは、任意のサイズおよび重量のゴルフボールに対する同様に最適化したクライテリアを得るための有益な尺度であると考えられる。任意のサイズおよび重量のゴルフボールに対してCmagおよびAngleを取得するために、式9および式10に従って、任意の好ましい空体力学クライテリアを調整できる。
【数2】

【0038】
また、ここで用いられるように、用語「ディンプル」はゴルフボール表面の任意のテクスチャ、例えば凹みおよび出っ張りを含む。凹みおよび出っ張りの非制約的でないいくつかの例は、これに限定されないが、球形の凹み、メッシュ、隆起、およびブランブル(いちご)である。凹みおよび出っ張りは、円形、多角形、楕円形、または不規則形のような種々の形状をとることができる。複数レベルの形状のディンプル例えばディンプル内のディンプルも所望の空体特性を得るためにこの発明に含まれる。
【0039】
高速度においては、低速度に比べて、飛行中のゴルフボールに作用する空体力学の抗力が、抗力はボールの速度の二乗に比例するので、より重要である。したがって、以上に速いスイング速度のプレイヤにとっては、ボールの飛ぶ距離を最大化するためにゴルフボールの空体力学上のデザインが極めて重要になる。
【0040】
図3に示すように、この発明の実施例1に従うと、ゴルフボール10は、二十面体パターンに配列された複数のディンプルを有する。一般に、二十面体パターンは20個の三角形を含み、5つの三角形が各極に一致する共通頂点を共有する。そして10個の三角形が2つの5三角形極領域の間に配置される。他の適切なディンプルパターンには十二面体、8面体、6面体、4面体等が含まれる。ディンプルパターンはまた少なくとも部分的に、米国特許第6338684号明細書に記述されるように、葉列(phyllotaxis)ベースのパターンで定義されてもよい。
【0041】
実施例1は7つの異なるサイズのディンプルを表1に示すように有する。
【表1】

【0042】
これらディンプルは20個の三角形12を形成し、最も小さなディンプルAが頂点を占め、最も大きなディンプルGが三角形の内部のほとんどを占める。図3に示す通り、3つのディンプルFおよび2つのディンプルCは対称的に三角形の2つの辺を形成し、1個のディンプルF、2つのディンプルDおよび2つのディンプルCからなる対称的な配列が三角形の残りの辺を形成する。実施例1の第1の側面では、ボール10は、いずれのディンプルとも交差しない大きな円を有しない。
【0043】
実施例1の第2の側面では、製造を容易にするために、赤道(equator)すなわち分割線がボール表面に含まれる。二十面体パターンを中間部周辺で変更し、いずれのディンプルとも交差しない大きな円を形成する。図3に示すディンプル配列はこの変形例の極領域を示しており、図4に示すディンプル配列はこの変形例の赤道領域を示している。表1のディンプル数および表面カバリッジは図3および図4に示された実施例1の変形例のディンプル配列を説明するものである。
【0044】
図4に示すように、ボール10は分割線すなわち赤道16にの周りに配された修正された10個の三角形14を有する。図示のように、各三角形14は最も小さなディンプルを頂点に有するように定義され、各三角形14は任意に規定された不規則な辺を有する。不規則な辺は他のディンプルの組み合わせを通り抜けるように引かれても良く、この発明は修正された三角形の14の任意の組み合わせに限定されない。さらに、ディンプルパターンは2以上の分割線を形成するように修正されても良い。
【0045】
有益なことに、この発明の実施例1のディンプルおよびディンプルパターンは、比較的少ない数のディンプルとマルチサイズのディンプルを組み合わせてディンプルのカバー領域を増大させることにより、以下のテスト結果に示すように、ゴルフボールの空体力学上の効率を向上させている。
【0046】
この発明の実施例2は図5に示され、この実施例はより少ない数のディンプルを有しその大きさをより大きくしている。実施例2は下記の表2に示すように6通りのサイズのティンプルを有する。
【表2】

【0047】
図5に示すように、ゴルフボール20は、二十面体パターンに配列された複数のディンプルを有する。ボール20は、20個の三角形22を有し、最も小さなディンプルAが三角形の頂点を占める。三角形22の各辺は、2つのディンプルDおよび2つのディンプルBからなる対称入れるである。三角形22の内部は3つのディンプルDおよび3つのディンプルEを含む。
【0048】
同様に、ボール20も、赤道すなわち分割線をその表面に含むように修正できる。二十面体パターンは中間部の周辺で修正され、いずれのディンプルとも交差しない大きな円を形成する。図6に示すディンプル配列はこの変形例の極領域を示しており、図4に示すディンプル配列はこの変形例の赤道領域を示している。表2に示されるディンプル数および表面カバリッジは図5および図6に示された実施例2の変形例のディンプル配列を説明するものである。この実施例は6通りのサイズの252個のみのディンプルしか含まない。
【0049】
図6に示すように、ボール20は分割線すなわち赤道26にの周りに配された修正された10個の三角形24を有する。図示のように、各三角形24は最も小さなディンプルを頂点に有するように定義され、また、上述三角形14と異なり、各三角形24は不規則な辺を持たない。ディンプルのサイズおよび位置は、分割線26がいずれのディンプルも交差することなく、三角形を通り抜けるように調整される。さらに、ディンプルパターンは2以上の分割線を形成するように修正されても良い。
【0050】
この発明によれば、上述した通り、ディンプル数は好ましくは370個未満であり、より好ましくは350個未満であり、最も好ましくは340個未満である。好ましくは、ボールの表面の75%を超える領域がディンプルに覆われている。よ好ましくは、表面の80%を超える領域がディンプルに覆われ、最も好ましくは、表面の83%を超える領域がディンプルに覆われている。さらに、好ましくは、2またはそれ以上の組の異なる大きさのディンプルが用いられる。より好ましくは、4またはそれ以上の組の異なる大きさのディンプルが用いられる。
【0051】
好ましいディンプル数の範囲は、現在の慣用例のディンプルデザインのものより著しく小さいものであり、驚くべきことに、下記に示すように、空体力学性能において現行のデザインを上回っている。付加的な利点は、飛行のピーク高さにおける射程に沿う距離(downrange distance)により定義される、同一の軌道のピーク角度に対して、この発明のより少ないディンプルによれば、降下がより浅い角度となり、長く転がり、総距離も長くなる。
【0052】
この発明により生成されたディンプルは好ましくは丸い形状すなわちディンプルがボールの表面に形成する形状となる。適切な形状は、それに限定されないが、円、長円、楕円、卵形状、六角形、その他6を超える辺を有する多角形である。2以上の形状を同一のディンプルパターンに用いても良い。ディンプルの容積は、以下検討するように、この発明の重要な他の側面である。
【0053】
1実施例において、この発明のディンプルは、軸周りに懸垂曲線(catenary curve)を回転させることにより定義される。懸垂曲線は、好ましくは、柔軟な均一の密度の伸張しないケーブルを端点から懸架して生成される曲線で表される。一般に、そのような曲線を表す数学的な式は式11のように表される。
【0054】
y=a cosh(bx) (式11)
ここでa=定数
b=定数
y=垂直軸(2次元グラフに関して)
x=水平軸(2次元グラフに関して)
【0055】
ゴルフボール上のディンプル形状は懸垂曲線をそのy軸の周りに回転させることにより生成される。この実施例は式11を変形してゴルフボールのディンプルの断面を定義する。例えば、懸垂曲線はハイパーボリックサインまたはコサイン関数により定義される。ハイパーボリックサイン関数は式12のように表される。
【0056】
sinh(x)=(e−e−x)/2 (式12)
また、ハイパーボリックコサイン関数は式13に示すように表される。
【0057】
cosh(x)=(e+e−x)/2 (式13)
【0058】
1実施例においては、ディンプルの断面形状を記述する数式は式14のように表される。
【0059】
Y=(d(cosh(ax)−1))/(cosh(ar)−1) (式14)
ここで、Y=中心軸に沿うディンプルの底面中央からの距離
x=ディンプルの中心軸からディンプル表面までの半径方向距離
a=形状定数(形状ファクタ)
d=ディンプルの深さ
r=ディンプルの半径
【0060】
「形状定数」すなわち「形状ファクタ」aは、懸垂曲線の数式に独立した変数である。形状ファクタを用いて、ディンプルの深さや半径を固定にしたままで、容積率を独立して可変することができる。容積率は、ディンプル弦平面とディンプル表面とが囲む容積を、ディンプルを同様な半径および深さで定義された筒の容積で割った、分数比である。形状ファクタを用いることにより、固定した半径、深さのディンプルに対して種々のディンプルプロフィールを簡単に生成できる。例えば、所定の揚力および抗力特性のゴルフボールをデザインために、ディンプルパターンや深さ大きさを変えることなく、種々の揚力および抗力特性をもたらす種々の形状ファクタを採用することができる。ボールの表面のディンプルレイアウトを変更しないことが望まれている。
【0061】
式14に対して、1より大きな形状定数であると、0.5より大きなディンプル容積率となる。1実施例において、形状ファクタは約20〜約100の間である。表3は、半径が0.05インチで深さが0.025インチのディンプルに対して容積率がどのように変化するかを示している。所定のディンプル半径、深さに対して形状ファクタが大きくなると容積率が大きくなる。
【表3】

形状定数が約40未満のハイパーボリックコサイン懸垂曲線によりプロフィールが定義されるディンプルは、球のプロフィールのディンプルより小さなディンプル容積を有する。これにより、大きな空体力角度および高い軌道が達成される。他方、形状定数が約40を超えるハイパーボリックコサイン懸垂曲線によりプロフィールが定義されるディンプルは、球のプロフィールのディンプルより大きなディンプル容積を有する。これにより、空体力の角度が小さくなり低い軌道がもたらされる。したがって、形状ファクタを伴う懸垂曲線によりディンプルを規定するゴルフボールは、形状ファクタを所望の空体力学効果をもたらすように選定できる点で、有益である。
【0062】
この実施例はゴルフボール上の少なくとも1つのディンプルに対して懸垂曲線を用いることに向けられているが、ゴルフボール上のすべてのディンプルについて懸垂曲線を用いる必要はない。いくつかの場合には、少数のディンプルについてのみ懸垂曲線を用いても良い。しかしながら、好ましくは、ゴルフボール上の十分な数のディンプルが懸垂曲線を有するようにし、デザイナが形状ファクタを加減してボールの所望の空体力学特性を達成できるようにする。1実施例においては、ゴルフボールのディンプルのは少なくとも約10%、より好ましくは、少なくとも約60%が懸垂曲線で定義される。
【0063】
さらに、すべてのディンプルが同一の形状ファクタを有する必要はない。その代わりに、ボール上の種々のディンプルに対して形状ファクタの組み合わせを変えることにより所望のボール飛行性能を達成するようにしても良い。例えば、同一のボール上の懸垂曲線で定義されるいくつかのディンプルが同一の形状ファクタを有し、他のディンプルが異なる形状ファクタを有しても良い。
【0064】
したがって、ひとたびゴルフボールについてディンプルパターンが選択されたら、懸垂プロフィールに対して種種の形状ファクタを、米国特許第6186002号明細書に記載されるように光ゲートテスト領域でテストし、所望の空体特性を実現する懸垂形状ファクタを実験により決定することができる。
【0065】
上述のとおり、種種のディンプルパターンおよびプロフィールを採用して空体特性を比較的効果的に修正する手法が提供される。懸垂曲線プロフィールを採用することにより、ゴルフボールデザインをディンプルパターンを著しく変更することなしに好ましい空体クライテリアに合致させることができる。種種の材料やボール構造も所望の性能を達成するために選択できる。
【0066】
この発明は、任意のタイプのボール構造とともに用いることができる。例えば、ボールは単一ピースデザインでも、2ピースデザインでも、3ピースデザインでも、二重コア、二重カバー、マルチコア、マルチカバー構造をボールに必要な性能のタイプに応じて採用できる。この発明とともに採用される、これらのタイプまたは他のタイプの非制約的な例のボール構造は、米国特許第5688191号明細書、同第5713801号明細書、同5803831号明細書、同第5885172号明細書、同第5919100号明細書、同第5965669号明細書、同5981654号明細書、同第5981658号明細書および同第6149535号明細書ならびに米国2001/0009310A1公報に記載されてものを含む。詳細についてはこれらを参照されたい。
【0067】
この発明を採用して製造されたゴルフボールの構造に種々の材料を用いることができる。例えば、ボールのカバーは、熱硬化、熱可塑性プラスチックまたは注形可能、非注形可能ポリウレタン、およびポリ尿素、アイオノマー樹脂、または他の適切な当業者に知られたカバー材料でボールを生成できる。また種々の材料をボールのコアおよび中間層を生成するのに用いることができる。例えば、ソリッド、糸巻き、液体充填、二重コア、および多層中間要素を具備するゴルフボールは、この発明の意図する範囲である。例えば、最も一般的なコア材料はポリブタジエンであるが、当業者は、この発明とともに利用できる種々の材料を知っている。所望のボール構造を選択した後、任意の所望の空体クライテリアを満たすゴルフボールの空体特性をデザインする。
【0068】
この発明に従うゴルフボールの好ましい構造は、二層コアおよび二層カバーを具備する4ピースのボールである。これは米国特許出願第09/782782号の「薄膜層でカバーされた多層ゴルフボール」(特開2002−272880公報)に開示されているようなものである。詳細については同出願を参照されたい。好ましい構造は広くはコアおよびこのコアの周囲に配置されたカバーを含む。コアは、センタとこのセンタに隣接する少なくとも1つお外側カバーとを含み、このカバーは少なくとも1つの内側カバーおよび外側カバー層とを含む。センタは約0.375インチ(約0.953cm)から約1.4インチ(約3.56cm)の外側直径を有し、1実施例では、100Kgの荷重の下、約4.5mmより大きな撓み(歪。deflection)を有する。外側コア層は約1.4インチ(約3.56cm)から約1.62インチ(約4.11cm)の外側直径を有する。内側カバー層は約1.58インチより大きな外側直径を有し、約72ショアDより小さい材料硬度を有し、外側カバー層は約50ショアDを超える硬度を有し、好ましくは、約55ショアDを超える硬度を有する。内側カバー層の外側直径は、好ましくは、約1.59インチ(約4.04cm)から約1.66インチ(約4.22cm)であり、より好ましくは、約1.60インチから約1.64インチである。1実施例では、外側カバー層の硬度は約55−60ショアDより小さい。内側カバー層はやく60および約70ショアDの間の材料硬度を有し、より好ましくは60および65ショアDの間の材料硬度を有する。
【0069】
さらに他の実施例では、ボールは約83g・cm未満の慣性モーメントを有する。さらに、センタは好ましくは第1の硬度を有し、外側コアは第1の硬度より大きな硬度の第2の硬度を有し、内側カバー層は、第2の硬度より大きな硬度の第3の硬度を有する。好ましい実施例では、外側カバー層は第3の硬度より小さな硬度の第4の硬度を有する。1実施例では、センタは第1の比重を有し、外側コア層は第2の比重を有し、少なくとも約0.1より小さな差を有する。好ましい実施例では、センタはソリッドである。センタはまた液体でも、中空でも、空気注入でもよい。
【0070】
一般に、ボールのディンプルなしのランド表面をディンプルの凹みから分離する協会が不明瞭であるため、ディンプルのエッジ角度を定義し測定することは難しい。図7は、ディンプルのプロフィール半体30を示しており、これはディンプル中心線31からディンプルの外部のランド表面33に延びる。ペイントおよびディンプルデザインの影響により、ランド表面とディンプル側壁の結合部は鋭角なコーナではなく、そのため不明瞭である。この結果、ディンプルエッジ角度およびディンプル直径の測定は曖昧になる。この問題を解決するために、ボールの仮想表面32が、ランド表面33の延長部としてディンプル上に設ける。第1接線T1が、仮想表面32から径方向内側に0.003インチだけ離れたディンプル側壁上の点に描く。T1は仮想表面32と点P1で交差し、これが名目ディンプルエッジ位置を定義する。第2接線T2を、仮想表面32に点P1で接するように描く。エッジ角度は接線T1およびT2の間の角度である。ディンプルの直径は点P1と、径方向反対側にディンプル周囲に沿う等価な点との間の距離である。代替的には、P1とディンプル中心線31との間で中心線31に対して直角な方向に測定した距離の2倍である。
【0071】
上述した通り、ディンプルの容積は重要なファクタである。ディンプルの容積はディンプルの形状、直径、深さおよびプロフィールにより左右される。深さは、ボールの半径方向に沿ってボールの仮想表面からディンプルの最も深い点までにいたる測定距離である。ディンプルのプロフィールは、ディンプルの断面形状である。例えば、ディンプルの容積は、エッジ角度およびプロフィールにより定義できる。ディンプルプロフィールは、円、三角形、矩形、多角形、球、放物線、サインカーブ、楕円、双曲線、懸垂曲線、その他である。
【0072】
この発明の他の側面によれば、好ましくは、ディンプルは、特定の形状であると比較的大きな総合ディンプル容積を持つ。ここでは、「総合ディンプル容積」は、ディンプルボールを生成するために平滑なボールから除去した材料の容積である。これを便宜上、平滑なボールの総容積の百分率で表す。表4に示すように、実施例1のボール10のディンプルは好ましくはボールの容積の少なくとも約1.50%、すなわち0.0011立方インチ(0.0180立方cm)を占める。Titleist Pro−V1(商標)のような、類似の形状の392個のディンプルを有する従来のボールは、1.40%未満のディンプル容積を有する。
【表4】

【0073】
先の表2に列挙した実施例2のボール20のディンプルは同様なエッジ角度を有し、下記の表5に示すように、ボールの容積の約1.81%、すなわち約0.00135立方インチ(0.0221cm)を占める。
【表5】

【0074】
好ましくは、すべてのディンプルがボールの容積の少なくとも1.25%またはそれ以上を占め、より好ましくは、少なくとも約1.5%を占める。いくつかの場合には、ディンプルはボールの容積の約2%より大きな容積を持つ。
【0075】
実施例1(ディンプル数332個)に従うゴルフボール10の5個のプロトタイプ、第1〜第5プロトタイプが製造された。これらのプロトタイプの総合ディンプル容積は番号の順番で小さくなる。すなわち、第1プロトタイプが最も大きな総合ディンプル容積を有し、第5プロトタイプがもっとも小さな総合ディンプル容積を有する。第2および第3プロトタイプ上のディンプルは類似したプロフィールを有するが、第2プロトタイプの方が若干大きな総合ディンプル容積を有する。第4および第5プロトタイプのディンプルも類似のプロフィールを有するが、第4プロトタイプの方が若干大きな総合ディンプル容積を有する。さらに、第2プロトタイプは上述の表4のディンプル容積を有する。これらプロトタイプはテストされ、市販されている多くのボールと比較された。
【0076】
テストした物理的な特性は下記の表6に示す。
【表6】

【0077】
反発係数(Coefficient Of Restitution)は、ボールを125フィート/秒(38.10m/s)の名目速度で塊状の鋼鉄ターゲットに発射し、衝撃の前後の実速度を測定することにより測定した。反発係数は、衝撃後の相対速度の衝突前の相対速度に対する比である。
【0078】
これらのボールは、初めに、ボールに約175マイル/時(274km/h)の初速度を与える高衝撃速度で約10°の打ち出し角度でテストされた。各ボールに対する具体的な衝撃条件は下記の表7に示す通りである。
【表7】

ここで、σは各ボールのヒット数に基づいた統計解析による標準偏差を表す。
【0079】
ぼールが衝撃後に移動した距離を下記の表8に列挙する。距離はヤード(0.914m)であらわされている。キャリー距離はボールが飛行移動した距離であり、ロール距離は、ボールが着地した後転がったり弾んだりして移行した距離である。総合距離はキャリー距離およびロール距離の和である。
【表8】

【0080】
この結果によれば、この発明のプロトタイプが、170マイル/時(274km/h)を超えるすなわち約175マイル/時(282km/h)の初期ボール速度における総合距離が市販のゴルフボールに対して著しく優れていることが明確にわかる。重要なことに、プロトタイプを、プロトタイプと実質的に同様の圧縮を有するCTU Red(商標)およびHX Red(商標)のボールと較べると、プロトタイプが総合移動距離において著しく有利であることがわかる。とくに、第2および第4プロトタイプはそれぞれ299ヤード(273.3m)および296.8ヤード(271.3m)の最長総合距離をそれぞれ達成する。顕著なことに、これらのボールはまた289.6ヤード(264.7m)および288.6ヤード(263.8m)の最長キャリー距離をそれぞれもたらす。
【0081】
衝撃後の高速な初期速度において距離に優れていることは、ボールを高速な初期ボール速度で打ち出す今日のプロゴルファにとって福音となる。重要なことに、低速度において、この発明のプロトタイプは、下記の表9および表10に示すように、市販のボールと類似の性能を有する。従ってこの発明のディンプルおよびディンプルパターンは、同様に、より典型的なスイング速度にも適切なものであり、約160マイル/時(257km/h)の初期ボール速度においても市販のゴルフボールと同等なものである。
【表9】

【表10】

【0082】
この発明の他の側面によれば、この発明に関するディンプルおよびディンプルパターンは、また、市販のゴルフボールのものに対して優れた空体特性を有している。この発明の発明者らは、ゴルフボールの飛行中、その上昇期に比較的小さな揚力係数Cを有してそのためボールが遠くに移動してより多く転がることがより有利であることを発見した。他方、飛行中の下降期に比較的大きな揚力係数Cを持ちキャリー距離を最大化することがより有利である。
【0083】
下記の表11および表12に示すテストにおいて、この発明の好ましい2つのプロトタイプ、すなわち第2および第4プロトタイプの空体特性が市販のゴルフボールの空体特性と比較されている。これらのテストに関しては、約70000のレノルズ数Nreおよび約0.188のスピンレートSRが、下降期の速度のような比較的低速度の飛行の近似である。他方、約180000のレノルズ数Nreで約0.110のスピンレートが、上昇期のような比較的高速度の飛行を表す。
【0084】
これらボールの平均揚力係数は下記の表11にまとめられている。
【表11】

【0085】
(**=Pro2pは1995年ごろに販売されていたソリッドコア、ポリウレタンカバーのゴルフボールである。)
【0086】
平均抗力係数は下記の表12にまとめられている。
【表12】

【0087】
空体力の平均の大きさは下記の表13にまとめられている。
【表13】

平均揚力係数C、平均抗力係数Cおよび空力係数CMAGはPHおよびPP配向における係数を測定しこれら2値を平均して求める。さらに、Titleist Pro V1(商標)のボールの係数は、異なる時点で行なわれた数回のテストの平均である。少なくとも1つのPro V1のテストは、上に列挙した従来のボールのテストと同時期に行なわれ、いくつかのPro V1のテストは、プロトタイプのテストと同時期に行なわれた。Pro V1は他のゴルフボールの比較対称基準として用いる。
【0088】
この発明の発明者らは、また、C(レノルズ数180000および0.110のSRの時)のC(レノルズ数7000で0.188のSRの時)に対する有効な比により、上昇期に好ましいより小さな揚力係数をもたらし、下降期に好ましいより大きな揚力係数をもたらすことを見いだした。より具体的には、第2プロトタイプに関する当該比は、約0.730より小さく、好ましくは約0.725より小さく、より好ましくは約0.700より小さいが、これにより上昇期の小さなCおよび下降期の大きなCの双方が最善となる。第2プロトタイプは、また、先の表8で検討したように、約175mph(281.58km/h)の初期ボール速度を発生させるのに十分なようにドライバークラブで打撃したときに最も長い総合移動距離を達成する。このような有益な結果は、より少ないディンプル数および大きなディンプルカバー領域およびマルチサイズのディンプルによりもたらされると考えられる。レノルズ数180000でSRが0.110のときのCの、レノルズ数70000でSRが0.188の時のCに対する比が0.725未満であるような市販のゴルフボールはいままでに存在しなかった。テストした市販のボールのなかでUSGA標準のPinnacle Goldが最も低い、(レノルズ数180000時のC)/(レノルズ数70000時のC)の比をもたらし、これは0.733である。
【0089】
他方、第4プロトタイプは、先の表8で検討したように、約175mph(281.58km/h)の初期ボール速度を発生させるのに十分なようにドライバークラブで打撃したときに2番目に長い総合移動距離を達成するが、レノルズ数180000でSRが0.110のときのCの、レノルズ数70000でSRが0.188の時のCに対する比が好ましいものではなく、これは大きな総合ディンプル容積が揚力係数にとって重要であることを示唆している。さらに、第4プロトタイプのC値は先の表12の示されるが、これによると、第4プロトタイプはレノルズ数180000および0.110のSRで第2プロトタイプとほとんど等しいCを有するが、レノルズ数70000おより0.188のSRで、第2プロトタイプならびに他のテストした市販ボールよりも著しく小さなCを有する。これによると、第4プロトタイプは中間的なレノルズ数において好ましい飛行特性を有することがわかる。テストデータに示されるように、第4プロトタイプはテストされたすべてのボールの中で2番目に長いキャリー距離を実現し、2番目に長い総合移動距離を実現する。
【0090】
テスト結果によれば、また、この発明にしたがって、レノルズ数180000でSRが0.110のときのCMAGの、レノルズ数70000でSRが0.188の時のCMAGに対する比が0.7800より小さくすることが好ましく、また0.7600より小さくすることがより好ましいことがわかる。
【0091】
以上説明した、この発明の説明用の実施例が上述の目的を達成することは明らかであるが、多くの変更や他の実施例を当業者が行なえることも理解されるところである。説明用の各実施例のエレメントやコンポーネントを他の1つまたは組み合わせとともに採用してもよい。特許請求の範囲は、かかる変更や他の実施例をも範囲に含むことを意図されており、これらはこの発明の趣旨および範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】飛行中のゴルフボールのまわりの空気流を説明する図である。
【図2】飛行中のゴルフボールに作用する力を説明する図である。
【図3】この発明の実施例1および実施例1の変形例の正面図すなわち極面図である。
【図4】上述実施例1の変形例の赤道図である。
【図5】この発明の実施例2および実施例2の変形例の正面図すなわち極面図である。
【図6】上述実施例2の変形例の赤道図である。
【図7】ディンプルのエッジ角度および直径をどのように測定するかを説明する図である。
【符号の説明】
【0093】
10、20 ゴルフボール
12、14、22、24 三角形
16、26 赤道
20 ゴルフボール
30 プロフィール半体
31 ディンプル中心線
32 仮想表面
33 ランド表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
370個未満のディンプルを有する外側表面を具備し、上記ディンプルは全体で上記外側表面の少なくとも80%を覆うゴルフボールであって、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの空力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの空力係数に対する比が0.780以下である、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
空力係数(CMAGで表す)は、揚力係数(Cで表す)の平方および抗力係数(Cで表す)の平方の和の平方根(CMAG=(C+C1/2)であり、揚力係数Cおよび抗力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、揚力ベクトル(Fで表す)および抗力ベクトル(Fで表す)をそれぞれF=0.5CρAV、およびF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項2】
レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの空力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの空力係数に対する比が0.760以下である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項3】
レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの空力係数が0.290以下である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項4】
レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの空力係数が0.370以上である請求項1記載のゴルフボール。
【請求項5】
370個未満のディンプルを有する外側表面を具備し、上記ディンプルは全体で上記外側表面の少なくとも80%を覆うゴルフボールであって、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの揚力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの揚力係数に対する比が0.730以下である、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
空力係数(CMAGで表す)は、揚力係数(Cで表す)の平方および抗力係数(Cで表す)の平方の和の平方根(CMAG=(C+C1/2)であり、揚力係数Cおよび抗力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、揚力ベクトル(Fで表す)および抗力ベクトル(Fで表す)をそれぞれF=0.5CρAV、およびF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項6】
上記揚力係数に関する比が0.725以下である請求項5記載のゴルフボール。
【請求項7】
上記揚力係数に関する比が0.700以下である請求項6記載のゴルフボール。
【請求項8】
上記揚力係数に関する比が0.690以下である請求項7記載のゴルフボール。
【請求項9】
レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの揚力係数が0.170以下である請求項5記載のゴルフボール。
【請求項10】
レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの揚力係数が0.240以上である請求項5記載のゴルフボール。
【請求項11】
2層コアおよび2層カバーをさらに有する請求項5記載のゴルフボール。
【請求項12】
最も内側のコア層の直径が0.95cm(0.375インチ)から3.56cm(1.4インチ)の範囲である請求項11記載のゴルフボール。
【請求項13】
最も外側のコア層の外側直径が3.56cm(1.4インチ)から4.11cm(1.66インチ)の範囲である請求項11記載のゴルフボール。
【請求項14】
内側カバー層の外側直径が4.04cm(1.59インチ)から4.22cm(1.62インチ)の範囲である請求項11記載のゴルフボール。
【請求項15】
衝撃速度が125フィート/秒(38.10m/s)のときに測定した反発係数が0.800より大きい請求項5記載のゴルフボール。
【請求項16】
衝撃速度が125フィート/秒(38.10m/s)のときに測定した反発係数が約0.810である請求項15記載のゴルフボール。
【請求項17】
外側表面が、370個未満のディンプルを有し、これらディンプルがゴルフボール本体の外側表面の少なくとも80%を覆い、これらディンプルの大きさが少なくとも2通りであり、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの揚力係数が0.170以下であり、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
揚力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、揚力ベクトル(Fで表す)をF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項18】
外側表面が、370個未満のディンプルを有し、これらディンプルがゴルフボール本体の外側表面の少なくとも80%を覆い、これらディンプルの層容積がゴルフボール本体の容積の少なくとも1.5%であり、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの抗力係数が0.270以下であり、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
抗力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、抗力ベクトル(Fで表す)をF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項19】
370個未満のディンプルを有する外側表面を具備し、上記ディンプルは全体で上記外側表面の少なくとも75%を覆うゴルフボールであって、これらディンプルの大きさが少なくとも2通りであり、かつ、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの揚力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの揚力係数に対する比が0.730以下である、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
揚力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、揚力ベクトル(Fで表す)をF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項20】
370個未満のディンプルを有する外側表面を具備し、上記ディンプルは全体で上記外側表面の少なくとも75%を覆うゴルフボールであって、これらディンプルの大きさが少なくとも2通りであり、かつ、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの抗力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの抗力係数に対する比が0.797である、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
抗力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、抗力ベクトル(Fで表す)をF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項21】
370個未満のディンプルを有する外側表面を具備し、上記ディンプルは全体で上記外側表面の少なくとも75%を覆うゴルフボールであって、これらディンプルの大きさが少なくとも2通りであり、かつ、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの空力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの空力係数に対する比が0.780以下である、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
空力係数(CMAGで表す)は、揚力係数(Cで表す)の平方および抗力係数(Cで表す)の平方の和の平方根(CMAG=(C+C1/2)であり、揚力係数Cおよび抗力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、揚力ベクトル(Fで表す)および抗力ベクトル(Fで表す)をそれぞれF=0.5CρAV、およびF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項22】
370個未満のディンプルを有する外側表面を具備し、上記ディンプルは全体で上記外側表面の少なくとも75%を覆うゴルフボールであって、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの揚力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの揚力係数に対する比が0.730以下である、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
揚力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、揚力ベクトル(Fで表す)をF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項23】
370個未満のディンプルを有する外側表面を具備し、上記ディンプルは全体で上記外側表面の少なくとも75%を覆うゴルフボールであって、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの抗力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの抗力係数に対する比が0.780以下である、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
抗力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、抗力ベクトル(Fで表す)をF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項24】
370個未満のディンプルを有する外側表面を具備し、上記ディンプルは全体で上記外側表面の少なくとも75%を覆うゴルフボールであって、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの揚力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの揚力係数に対する比が0.832である、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
揚力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、揚力ベクトル(Fで表す)をF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。
【請求項25】
370個未満のディンプルを有する外側表面を具備し、上記ディンプルは全体で上記外側表面の少なくとも75%を覆うゴルフボールであって、レノルズ数が180000でスピンレートが0.110のときの抗力係数の、レノルズ数が70000でスピンレートが0.188のときの抗力係数に対する比が0.841である、
ただし、スピンレートはゴルフボールの回転表面速度をゴルフボールの速度で割ったものであり、
抗力係数Cは、ρを空気密度、Aをゴルフボールの投影面積、Dをゴルフボールの直径、Vをゴルフボールの速度としたときに、抗力ベクトル(Fで表す)をF=0.5CρAVとする無次元係数である、
ことを特徴とするゴルフボール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−93472(P2008−93472A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341533(P2007−341533)
【出願日】平成19年12月29日(2007.12.29)
【分割の表示】特願2004−1472(P2004−1472)の分割
【原出願日】平成16年1月6日(2004.1.6)
【出願人】(390023593)アクシュネット カンパニー (155)
【氏名又は名称原語表記】ACUSHNET COMPANY