説明

飛行機用トレーラー

【課題】飛行機を積載して運搬するためのハウス型の飛行機用トレーラーについて、機体の積み降ろし作業が容易且つ安全に行えるようにする。
【解決手段】ハウス型の収納室2を有しその開口部を開閉可能に扉7a,7b,7cが設けられて、飛行機50の主翼を折り畳み又は取り外した機体を、収納室2内に積載し固定手段で所定位置に固定した状態で牽引車両で牽引されて運搬する飛行機用トレーラー1において、収納室2の床面4が、機体積載位置で主翼下面から垂設した車輪付脚部55a,55bの載る位置から開口部までの車輪が通る部分を下り傾斜面40とされており、機体を積載する際に収納室2先端側から延出したウインチロープ210先端側を機体尾部側に掛止してウインチ21を作動させることにより、機体が尾部側を持ち上げられた状態で牽引され、車輪付脚部55a,55bが下り傾斜面40を登りながら積載位置に達して停止するものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飛行機用トレーラーに関し、殊に、主翼の大部分が折り畳み又は取り外し可能とされた比較的小型の飛行機を積載して運搬できるとともに格納庫としても使用できるトレーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
レジャーボート等の乗り物を積載して車両で牽引することで目的の場所まで運搬するトレーラーは、特開平11−334455号に記載されているように周知である。また近年では、他の乗り物を積載して運搬するものとして、主翼を取り外したグライダーを収納するハウス型の収納室を備えた飛行機用トレーラーも普及している。
【0003】
前者のトレーラーは、水上のレジャーボートを陸側のトレーラーに登載する際に、トレーラーに付設したウインチを用いながら先端側にワイヤロープを連結した状態でトレーラー上の積載位置まで電動にて引き上げる機能を有しており、積み降ろし時の人の労力を大きく軽減可能となっている。
【0004】
後者の飛行機用トレーラーは、ハウス型の収納室を格納庫としても使用することができ、また、積載対象のグライダーが極めて軽量で人力による積み降ろしが容易であることからウインチを備えたものは見られない。一方、エンジンを積んだ飛行機をこのような飛行機用トレーラーに積載しようとする場合は、グライダーと比べて格段に重量が大きくなるため、車軸よりも高い位置にある登載面まで人力で押し上げる際には比較的大きな労力を要することになる。
【0005】
そこで、飛行機用トレーラーにも積み降ろし用のウインチを設けることが考えられる。しかし、ウインチを駆動させるには、車両側のバッテリーにコネクタを接続する手間を要することに加え、これを格納庫として使用する際には電源の確保が問題になると考えられる。
【0006】
また、飛行機用トレーラーは、格納庫として使用するためにハウス型の収納室を有したものが好ましいところ、主翼を折り畳み又は取り外した機体をウインチで収納室まで引っ張り上げて積載した後に積載位置から降ろす際に、ウインチでは機体を押し出せないことから、機体の左右にある壁を避けて機体前方から人力で引っ張りながら、少なくとも地上まで延びた傾斜面まで動かす必要があり、その後傾斜面で機体に勢いが付いた場合には、機体前方の作業者に危険が及ぶ心配もある。
【0007】
さらに、飛行機をこのようなハウス型の飛行機用トレーラーに登載して運搬する場合は、収納室内部で機体が動いて壁に衝突・損傷するのを避けるために、積載位置で動かないようにしっかりと固定する必要があるところ、積載作業時に狭い収納室内に人が入り機体を固定する作業に大きな手間を要するとともに、これを降ろす際にも収納室内でその固定を解除する同様の手間を要することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−334455号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記のような問題を解決しようとするものであり、飛行機を積載して運搬するためのハウス型の飛行機用トレーラーについて、機体の積み降ろし作業が容易且つ安全に行えるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明は、車輪を設けた車台部の上にハウス型の収納室を有するとともに先端側に牽引車両に連結するための連結手段を有し、後端面に収納室の開口部を開閉可能な状態で扉が設けられており、飛行機の主翼の大部分を折り畳み又は取り外した機体を、開口部を介して収納室内に積載し所定の固定手段で収納室内の所定位置に固定した状態で牽引車両により牽引されて運搬する飛行機用トレーラーにおいて、その収納室の床面が、機体の積載位置で主翼下面から垂設した一対の車輪付脚部の載る位置から収納室開口部までの少なくとも車輪が通る部分を下り傾斜面とされており、機体を積載する際に、収納室先端側の所定位置から延出したウインチロープ先端側を機体尾部側に掛止した状態でウインチを作動させることにより、機体が尾部側を持ち上げられた状態で牽引されて、前記一対の車輪付脚部が前記下り傾斜面を登りながら積載位置に達して停止する、ことを特徴とするものとした。
【0011】
このように、収納室における主翼の車輪付脚部が載る位置から開口部まで下り傾斜面として、ウインチロープを機体尾部側に掛止して引っ張り上げることで車輪付脚部が開口部から下り傾斜面を登って積載位置で停止するものとしたことで、エンジン付で比較的重い飛行機であっても電動で積載位置まで容易に引っ張り上げられるとともに、積載位置で機体尾部側がウインチロープで固定されるためその固定作業が容易なものとなり、また、機体を降ろす際には、下り傾斜面を重力を利用しながら降ろせるとともに、ウインチロープの送り出し速度を調整することで安全性を確保しやすいものとなる。
【0012】
また、この飛行機用トレーラーには、ソーラーパネル及び蓄電手段が配設されて、ソーラーパネルで発電した電力を蓄電手段に蓄えるものとされ、そのウインチをソーラーパネルで発電した電力又は/及び蓄電手段に蓄えた電力で作動させる、ことを特徴としたものとすれば、電源の確保のために手間を要さないものとなる。
【0013】
さらに、上述した飛行機用トレーラーにおいて、その収納室には飛行機の積載位置にて前記一対の車輪付脚部を電動で固定及び固定解除可能な一対の脚部ロック手段が設けられている、ことを特徴としたものとすれば、機体の固定及び固定解除作業が簡易化されてその積み降ろしが一層容易になる。
【0014】
さらにまた、上述した飛行機用トレーラーにおいて、その収納室の開口部の扉には、下端部端縁側が開口部の下端部端縁側に蝶着されて上端側を地面に接するまで下方向に開くことで前記下り傾斜面と地面まで傾斜面により接続する登り板となるものが含まれる、ことを特徴としたものとすれば、地面から収納室の積載位置まで傾斜面を連続させることができ、機体の積み降ろしをさらに行いやすいものとすることができる。
【0015】
加えて、上述した飛行機用トレーラーにおいて、そのウインチは無線端末を使用したリモートコントロールにて作動する、ことを特徴としたものとすれば、一人でも容易且つ安全に機体の積み降ろしを行うことができる。
【0016】
また加えて、上述した飛行機用トレーラーには、積載した飛行機のバッテリーを充電するための充電手段及び、飛行機のバッテリーの蓄電量を検知しながらその蓄電量を所定レベルに維持させるように充電手段を機能させる電子制御装置を備えており、飛行機のバッテリー蓄電量を自動で所定レベルに維持する、ことを特徴としたものとすれば、機体の管理に要する手間を削減することができる。
【発明の効果】
【0017】
車輪付脚部が載る位置から開口部まで下り傾斜面を形成しウインチで機体尾部側を引っ張り上げることで開口部から下り傾斜面を登って積載位置に停止するものとした本発明によると、機体の積み降ろし作業を容易且つ安全に行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】(A)は本実施の形態のトレーラーに飛行機を登載した状態を示す縦断面図、(B)は(A)のX−X線に沿う断面図。
【図2】図1(A)のトレーラーから飛行機を降ろす際の状態を示す縦断面図。
【図3】図1(A)のトレーラーにおける制御系の構成を示す配置図。
【図4】(A),(B),(C)は、図1(A)のトレーラーにおける飛行機の脚部ロック手段の構成及び動作を説明するための拡大した部分平面図、(D)は(A)の脚部ロック手段の応用例を示す拡大した部分平面図。
【図5】図2のトレーラーにおける開口部付近の構成を示す部分平面図。
【図6】図1のトレーラーを格納庫として地上に設置・固定した状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を説明する。
【0020】
図1(A)は、本発明における実施の形態である飛行機用のトレーラー1の縦断面図を示しており、図1(B)は、図1(A)のX−X線に沿う断面図を示している。このトレーラー1は、車輪6a,6bを設けた車台部3の上にハウス型の収納室2を有するとともに先端側に牽引車両側に連結するための連結手段27を有している。
【0021】
収納室2の後端面には、上半分を観音開き式に開く一対の扉7b,7cと、下半分を下端部端縁側が開口部の下端部端縁側に蝶着され上端側を地面に接するまで下方向に開く扉7aが設けられて、その開口部を開閉可能とされており、主翼51a,51bの大部分を折り畳み又は取り外した飛行機50の機体を、開口部を介し収納室2内に積載し牽引車両で牽引しながら運搬するものであり、このこと自体は周知の技術である。
【0022】
そして、本発明においては、その収納室2の床面4が、飛行機50の積載位置にて主翼51a,51b下面から垂設した一対の車輪付脚部55a,55bが各々載った位置から開口部までの少なくとも車輪が通る部分で下り傾斜面40とされており、飛行機50を積載する際に、収納室2先端側のほぼ中央位置から延出したウインチロープ210先端側のフック211を飛行機50尾部側に設けた掛止リング57に掛止した状態でウインチ21を作動させることにより、飛行機50が尾部側を持ち上げた状態で牽引されて、一対の車輪付脚部55a,55bが下り傾斜面40を登りながら積載位置まで達して停止する、ことを特徴としている。
【0023】
これにより、エンジン付の比較的重い機体であっても人の力を要することなく積載位置まで容易に引っ張り上げることができる。また、ウインチ21には逆転防止機能が付設されており、積載位置で機体尾部側がウインチロープ210で完全に固定されることから、その後は車輪付脚部55a,55bを固定するだけで機体の固定作業が完了する。
【0024】
さらに、機体を降ろす際には、下り傾斜面40を重力を利用しながら降ろすことが出来るとともにウインチ21を調整しながら安全に降ろすことができる。尚、積載位置でウインチ21を作動停止させるための手段としては、ウインチ21に所定レベル以上の荷重がかかることまたは、フック211の基端側が壁面側のリミットスイッチに触れること等により、作動を停止するようにすれば良い。
【0025】
本実施の形態のトレーラー1には、屋根外面にソーラーパネル28a,28bが配置されているとともに、これに接続されたバッテリー11とこれらに接続された電子制御装置10が配置されており、電子制御装置10の制御にてソーラーパネル28a,28bで発電した電力を、バッテリー11に蓄えるようになっており、前述のウインチ21をソーラーパネル28a,28b又は/及びバッテリー11の電力で作動させるようになっている点を特徴としており、牽引車両側のバッテリーに接続する手間や電源の確保に手間取ることがないものとしている。
【0026】
また、収納室2の床面4には、飛行機50の積載位置にて前述した一対の車輪付脚部55a,55bの車輪上方の軸部550,550(図4参照)を、電動にて動作不能な状態に固定、及び固定解除可能な一対の脚部ロック機構23a,23bが設けられており、これらと前述のウインチロープ210による3点式にて完全に積載位置で固定されることから、機体積み降ろし作業時の機体の固定・固定解除作業が極めて容易なものとなる。尚、収納室2の先端側には機体尾部側をやや持ち上げた状態で下から支持する支持部材43が配置されており、積載位置における機体の安定性を確保しやすいものとしている。
【0027】
さらに、収納室2の先端側壁面には、バッテリー11とともに充電手段を構成するバッテリー11から延設された接続端子26が配置されており、飛行機50の尾部に設けた接続部56に接続することにより、電子制御装置10が飛行機50に登載している図示しないバッテリーの蓄電状態を検知しながら、その蓄電量を所定のレベルに維持する方向で制御するようになっており、フライト間隔が空いても良好なバッテリーの状態を維持できるようになっている。尚、収納室2の上部側には換気扇24が配設されており、室内温度を検知している電子制御装置10がこれを適宜作動させて温度管理を行うようになっている。
【0028】
図2は、本実施の形態のトレーラー1から飛行機50を降ろしている状態を示すものであり、扉7a,7b,7cを開いて収納室2の開口部を完全開放状態とし、小窓7dを介して接続端子26を機体の接続部56から外すとともに脚部ロック機構23a,23bを解除した後、ウインチ21を逆回転またはフリーの状態にすることで、下り傾斜面40上に一対の車輪付脚部55a,55bが載っている飛行機50が、その自重のみ、又は手で僅かに引くことにより、下り斜面40を下り、開口部下端と地面を渡した扉7a上を下って、車輪総てが地面まで達する。
【0029】
この場合、作業者が手に持っているリモコン18で、ウインチ21による逆回転駆動と速度又はフリーへの切り替え操作を行うとともに、脚部ロック機構23a,23bのロック解除操作を行うものとすれば、一人でも飛行機50をトレーラー1から容易に降ろすことができる。また、機体の積載する際には、以上の逆を行えば前記同様に人の労力を要することなく容易に行えるものとなる。
【0030】
尚、扉7a,7b,7cが閉じた状態でこれら3つが接する部分には、電動式の施錠機構25が配置されており、これもリモコン18を操作することにより、鍵を使用するのと同様に施解錠を行うことができる。また、このリモコン18には携帯電話機を利用することも可能であり、これにより、例えば収納室2内に不審者が侵入したような緊急時にアラーム通報することも可能となる。
【0031】
図3は、本実施の形態における制御系の構成を示している。その中核には電子制御装置10が配置され、送受信手段13でリモコン18との間で送受信を行いながら各種指令(操作)を受けるとともに、温度センサ15により収納室2内の温度を検知するとともに、盗難防止センサ16で扉7aが開くのを検知するものとされ、また、以下に述べるようにトレーラー1に付設した各機構の作動を制御するようになっている。
【0032】
ソーラーパネル28a,28bは変圧・配電手段12に接続されてこれがバッテリー11に接続されており、電子制御装置10は変圧・配電手段12を介して、バッテリー11の蓄電量を調整するとともに各装置への電力の供給を制御するようになっている。即ち、変圧・配電手段12にはウインチ21、車台リフト機構22a,22b、脚部ロック機構23a,23b、換気扇24、施錠機構25が接続されており、これらの作動を電子制御装置10が操作・調整するようになっている。
【0033】
また、変圧・配電手段12及び電子制御装置10からは、接続端子26が延設されており、機体側の接続部56に接続した状態で機体に登載したバッテリーの蓄電量を電子制御装置10が検知しながら、変圧・配電手段12を介してその蓄電量が適切なレベルを維持するように自動的に充電を行うようになっている。尚、車台リフト機構22a,22bと脚部ロック機構23a,23bは、近接して配置されていることから、その駆動部であるモータはリンクの切り替えによる共用としても良い。
【0034】
図4(A),(B),(C)は、脚部ロック機構23aの構成及び動作の一例を説明するために拡大した部分平面図を示している。この脚部ロック機構23aは床面4から突設されて車輪付脚部55aの車輪551上方の軸550の高さ位置で傘を開いたようなキノコ状とされており、その傘の一部が円周側から平面視半円状に切り欠かれてなる脚収納凹部230を有しており、これが傘とともにモータ駆動で周方向に往復回動動作するようになっている。
【0035】
そして、機体の積載作業時には、図4(A)に示すように、この脚収納凹部230が収納室2開口部側を向いており、そこに車輪付脚部55aの軸550が入り脚収納凹部230の先端側面231に当接してこれを回動させながら進み、タイヤハウス61に車輪551が当接した位置にて、リモコン18を操作することで傘がモータによりさらに回動して脚収納凹部230の基端側面232で軸500をやや内側に向かって押した状態にて逆転不能にロックされ、車輪付脚部55aは積載位置にて完全に固定される(車輪付脚部55bも同様)。
【0036】
一方、機体を降ろす場合には、リモコン18でロック解除操作をすることにより、傘が逆転動作をして脚収納凹部230が図4(A)の最初の位置に戻るため、車輪付脚部55aの軸550は開放される。このとき、脚収納凹部230の先端側面231で軸550を僅かに押すことにより、機体が停止状態からスムースに動き始める。尚、図4(D)はその変形例としての脚部ロック機構29aを示しているが、脚部ロック機構23aの脚収納凹部230形成した傘の代わりに鈎状体290を設けたものであり、前記同様に軸550を固定できるものの押出し機能は有していないものである。
【0037】
図5は、図2のトレーラー1における開口部付近の構成を示す部分平面図であるが、登り板となる扉7aには、機体の積み降ろし時に主翼下の車輪付脚部55a,55b及び機体の本体部先端側下面の車輪付脚部54のガイドとなるリブ71a,71b,71c,71d,72a,72bが設けられており、機体を積載位置方向に案内する機能を有していると同時に扉7aの強度を高める機能を有している。また、これに続く収納室2側の下り傾斜面40にも、同様にリブ41a,41b,41c,41d,42a,42bが形成されており、機体を積載位置まで案内するようになっている。
【0038】
図6は、トレーラー1を飛行機の格納庫として設置・固定して使用する場合を示すものである。前述したように、トレーラー1には車台リフト機構22a,22bが設けられており、車台3に対する車輪6a,6bの車軸位置を電動にて上下動作させることにより、その底面と地面の距離を適宜変更できるようになっている。
【0039】
そこで、トレーラー1を格納庫として地面に設置する場合には、トレーラー1の長さ方向中央位置の手前までの長さの平面視コ字状の基礎台100の上にその先端側約半分が来るまで進めてから、その後端側位置の地面に基礎ブロック101,101,101,101を配置した後、リモコン18を操作して車台リフト機構22a,22bを作動させ、その底面を下げることで基礎台100及び基礎ブロック101,101,101,101の上に載せる。
【0040】
そして、収納室2の床面4に開口した図示しないボルト孔等を介したボルト止め等の手段により、地面側に固定された基礎台100及び基礎ブロック101,101,101,101に対し車台3部分を連結・固定することができる。これにより、トレーラー1は自由に動かせない状態となって、設置型の格納庫として使用できる。
【0041】
尚、その際、連結手段27は折り畳む構成とすることが好ましい。また、車台リフト機構22a,22bを操作することにより、例えば走行時に横風が強い場合は、これを作動させて底面を低い状態にしたり、傾斜地や凹凸面を走行する際に地面に擦るのを回避するために底面を高い状態にしたりすることも可能となる。
【0042】
以上、述べたように、飛行機を積載して運搬するためのハウス型の飛行機用トレーラーについて、本発明により、機体の積み降ろし作業が容易且つ安全に行えるようになった。
【符号の説明】
【0043】
1 トレーラー、2 収納室、3 車台、4 床面、6a,6b 車輪、7a,7b,7c 扉、10 電子制御装置、11 バッテリー、18 リモコン、21 ウインチ、23a,23b,29a 脚部ロック機構、26 接続端子、27 連結手段、28a,28b ソーラーパネル、40 下り傾斜面、50 飛行機、54,55a,55b 車輪付脚部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を設けた車台部の上にハウス型の収納室を有するとともに先端側に牽引車両に連結するための連結手段を有し、後端面に前記収納室の開口部を開閉可能な状態で扉が設けられており、飛行機の主翼の大部分を折り畳み又は取り外した機体を、前記開口部を介して前記収納室内に積載し所定の固定手段で前記収納室内の所定位置に固定した状態で前記牽引車両により牽引されて運搬する飛行機用トレーラーにおいて、
前記収納室の床面が、前記機体の積載位置で主翼下面から垂設した一対の車輪付脚部の載る位置から前記開口部までの少なくとも車輪が通る部分を下り傾斜面とされており、前記機体を積載する際に、前記収納室先端側の所定位置から延出したウインチロープ先端側を前記機体尾部側に掛止した状態でウインチを作動させることにより、前記機体が尾部側を持ち上げられた状態で牽引されて、前記一対の車輪付脚部が前記下り傾斜面を登りながら前記積載位置に達して停止する、ことを特徴とする飛行機用トレーラー。
【請求項2】
ソーラーパネル及び蓄電手段が配設されており、前記ソーラーパネルで発電した電力を前記蓄電手段に蓄えるものとされ、前記ウインチを前記ソーラーパネルで発電した電力又は/及び前記蓄電手段に蓄えた電力で作動させる、ことを特徴とする、請求項1に記載した飛行機用トレーラー。
【請求項3】
前記収納室には、前記積載位置にて前記一対の車輪付脚部を電動で固定及び固定解除可能な一対の脚部ロック手段が設けられている、ことを特徴とする請求項1または2に記載した飛行機用トレーラー。
【請求項4】
前記開口部の扉には、下端部端縁側が前記開口部の下端部端縁側に蝶着されて上端側を地面に接するまで下方向に開くことで前記下り傾斜面と地面まで傾斜面により接続する登り板となるものが含まれる、ことを特徴とする請求項1,2または3に記載した飛行機用トレーラー。
【請求項5】
前記ウインチは、無線端末を使用したリモートコントロールにて作動する、ことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載した飛行機用トレーラー。
【請求項6】
積載した前記飛行機のバッテリーを充電するための充電手段及び前記バッテリーの蓄電量を検知しながら該蓄電量を所定レベルに維持させるように前記充電手段を機能させる電子制御装置を備えており、前記バッテリーの蓄電量を自動で所定レベルに維持する、ことを特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載した飛行機用トレーラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−158307(P2012−158307A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21154(P2011−21154)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(506124815)