食事記録システム
【課題】食事記録を記録データとして登録することにより、摂取エネルギー値および栄養バランス状況を集計するための食事記録システムにおいて、記録を継続するための心理的な負荷を軽くし、かつ詳細に記録することで情報の二次活用も見込む。
【解決手段】食事記録システムにおいて、表示装置と、前記表示装置内に食事内容登録画面を含む所定の登録画面を表示する表示登録手段と、を備え、前記表示登録手段において画面表示が制御されることで、食事内容登録画面で登録される食事記録が、食材ではなく、調理された後の料理情報が登録される。本発明のシステムは、調理された後の料理情報から、利用者が料理区分と食材区分を入力できるように、練習するためのモードを有することも出来る。
【解決手段】食事記録システムにおいて、表示装置と、前記表示装置内に食事内容登録画面を含む所定の登録画面を表示する表示登録手段と、を備え、前記表示登録手段において画面表示が制御されることで、食事内容登録画面で登録される食事記録が、食材ではなく、調理された後の料理情報が登録される。本発明のシステムは、調理された後の料理情報から、利用者が料理区分と食材区分を入力できるように、練習するためのモードを有することも出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人において、標準的な食事単位を用いて簡易に食事を記録するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生活環境の変化に伴い、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が問題になっている。生活習慣病は、忙しい生活を送る中で毎日の食事が大切であることが忘れがちとなり、野菜の摂取不足、食塩・脂肪のとり過ぎ等の食生活が要因のひとつと考えられている。そのため、一般に、普段の生活習慣を見直し、適度な運動と、栄養バランスのとれた食事をすることが生活習慣病予防に重要といわれている。そのため、継続的な食生活の管理及び改善を支援する方法が求められている。
【0003】
継続的な食生活改善の管理のために、食事内容を記録することが推奨され、いくつかの方式が提案されている。それら従来の食事記録方式は、いずれも料理を構成する食材を記録する方式であった。この方式では、調理する前に料理に用いた食材単位で食事内容を記録し、エネルギー値および栄養価を算出する。調理する前の食材の名称、量、食事内容を記録して、集計することにより料理のエネルギー値や栄養価を算出する方法である。その記録した情報は、管理栄養士など専門知識を有する者が栄養分析データを解釈し、アドバイスを行う際に利用されている。
【0004】
食生活改善支援方法の手段の一つに、コンピュータもしくは情報システムを利用した食事管理システムがある。一例として、食事登録画面で利用者が食事メニューを登録する際に、よく利用するメニューを任意の料理セットとして設定出来るものや、料理セット以外の食事内容の登録を可能したもの(例えば特許文献1参照)や、身長,体重,摂取した食事情報及び運動時間などの個人総合情報に基づいて食生活の総合評価を行うこと、そして、その総合評価の結果に基づいて具体的な食事メニューを提供するもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。既存の食事メニューがシステム内に記憶されている場合、該当する料理を選択することにより、算出したエネルギー値および栄養価より、食事のエネルギーバランスや栄養素バランスなどを算出する。料理リストにない場合には、料理を構成する食材を個々に記録する。
【0005】
【特許文献1】特開2007−157090号公報
【特許文献2】特開2006−48177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのような従来の食事記録方式の欠点は、調理された料理から食事を記録する際に、調理前の食材を推理しなければならないことである。すなわち、記録情報の理解に専門知識が必要となるために、食事を記録する本人が専門知識を有さない時に、目標の管理が難しいことである。
【0007】
また、調理に使用する食材を基にした従来の記録方式では、その食材の分量もまた判らなければ、食材から調理された後の料理のエネルギー値や栄養バランスが算出できない。一部の事業者では食材を公開している場合があるが、現状では、殆どの外食産業及び中食産業事業者は食材を公開していないため、外食や中食のような調理済みの料理については、出来上がった料理から調理に用いた食材を把握することが難しい。
【0008】
また、調理前の食材が把握出来る料理であっても、複数人数の料理を同時に作成した場合、食事する個人毎の食事分量を把握することの複雑さが残る。例えば、大皿を多人数で食べる方式(中華料理など)やバイキング形式では、食材がわかったとしても食事量の把握は難しい。
【0009】
ここで、2005年に厚生労働省及び農林水産省により、生活習慣病を予防し、心身ともに健康で豊かな食生活の実現に向けた普及・啓発の一環として、食事バランスガイド(厚生労働省及び農林水産省合同監修、以下単に食事バランスガイドと称すこともある)が策定されている。この食事バランスガイドは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安を分かりやすくイラストで示したもので、料理・食事を、5つのグループ(主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物)に分類し、独楽形のイラストに色分けして表されている。独楽形のイラストの上から、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の順で5グループ(料理区分)に表され、上のグループほど摂取量が多く、下へいくほど少なくなっている。水分は軸で表され、この独楽のバランスが崩れないような食事が、栄養バランスのよい食事を示すように形成されている。さらに、食事バランスを考えるために、面倒なエネルギーや分量の計算をしなくてもよいように、量の単位は日常的な料理の量を目安として、各料理の重量を基にしたサービング数(SV、食事提供量)という単位を設定し、SV値が幾つかであるかを数値で表している。そして、標準的な一日分の適量として、主食は5〜7つ(SV)、副菜は5〜6つ(SV)、主菜は3〜5つ(SV)、牛乳・乳製品は2つ(SV)、果物は2つ(SV)とされている。この目安「つ(SV)」を利用することで、具体的に目に見える料理をもとに分類することが出来、食事を食べる側の判断で、食事を記録することが出来る。
【0010】
また、食事記録結果から算出される栄養分析情報は、利用者がある程度の専門知識を有する必要があるために、利用者自身が単独で食事量、栄養バランス、適正運動量の目標管理することが困難である。
【0011】
そこで、上記の食事バランスガイドにも記載の料理内容と、栄養分析情報を融合させ、利用者にとって使いやすく調整されたコンピュータもしくは情報システムを利用した食事管理システムがある。(例:先述の特許文献1)
【0012】
しかし、そのようなコンピュータもしくは情報システムを利用した食事管理システムは、格納された料理リストから料理を選んで記録する方法であるが、食事記録する料理がリストに未登録であった場合、利用者が新規に料理リストに登録した上で食事を記録することになる。この作業は、料理のバリエーションが増加すればするほど利用者の負担が増え、食事を記録する作業を日々継続する上では、記録を継続するための心理的な負荷になる。食材の種類は限られているが、それらの組み合わせである調理後の料理のバリエーションには限りが無く、上記食事管理システムに全てをデータ化して格納することは、事実上不可能である。
【0013】
また、食事バランスガイドによる記録方式では、食事記録結果から「食材や料理の特徴」に関する情報が不足しがちとなる。食事バランスガイドで提唱された料理区分に目安をつける方法では、料理区分の情報に食材を特定する情報が不足するため、記録データを再利用する価値が低下する。たとえば、『主菜が2つ』という情報のみからでは、具体的に何を食べたのを知ることができない。食事バランスガイド情報をもとに、管理栄養士などの専門家が食事指導を行うためには、献立の名称だけでなく食事の内容について特徴的な情報が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、食事内容を記録データとして登録することにより、摂取エネルギー値および栄養バランス状況を集計するための食事記録システムにおいて、
表示装置と、
前記表示装置内に食事内容登録画面を含む所定の登録画面を表示する表示登録手段と、を備え、
前記表示登録手段において画面表示が制御されることで、食事内容登録画面で登録される食事記録が、食材ではなく、調理された後の料理情報が登録されることを特徴とする、食事記録システムである。
【0015】
また、本発明の食事記録システムは、上記記録データが、料理区分に食材区分を加えた目安であることが出来る。
【0016】
また、本発明の食事記録システムは、調理された料理から、利用者が料理区分と食材区分を識別出来るように学習するための練習モードを有することが出来る。
【0017】
また、本発明の食事記録システムは、利用者が料理区分を識別できるようになった後に、食材区分を判断できるように、段階的な学習をするための練習モードを有することが出来る。
【0018】
また、本発明の食事記録システムは、食事内容登録画面において、食事量とエネルギー量を登録する際に、画面中に表示される任意の料理区分名の部分を利用者が選択することにより、選択料理区分に登録されている食材区分が表示されることが出来る。
【0019】
また、本発明の食事記録システムは、食事内容登録画面において、食事量とエネルギー量を登録する際に、画面中に表示されるシステム登録済みの料理リストから利用者が選択することが出来る。
【0020】
また、本発明の食事記録システムは、利用者が登録し終えた結果から算出される実際の食事内容と、利用者自身の目標値とを同一画面上に列記し、両者の比較を視覚的に行うことが出来る。
【0021】
また、本発明の食事記録システムは、食事管理の専門家による質問事項の設定を事前に記憶し、食事を記録する利用者が食事後に質疑応答することにより、食事内容に対して自己チェックを行うことが出来る。
【0022】
また、本発明の食事記録システムは、画面表示機能および登録装置を具備する情報端末上で好ましく実現される。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、食材からではなく、調理された後の料理内容から食事を記録することが出来るために、食事管理に関して専門知識を持たない場合であっても、食事量(エネルギー量を含む)、食事バランス、適正運動量の目標管理が出来る。その際には、信用のある標準的な食事単位を用いるために、いきおい、得られるデータも信用の高いものとなる。また、料理区分に食材区分を加えた目安が記録出来るために、記録データが再利用されやすくなる。さらに、調理された後の料理から料理区分と食材区分を識別出来るようになる練習モードを具備することで、誰もが料理を分解して料理区分に配分することを学習することが出来る。そして、事前に食事管理の専門家による質問事項の設定を行い、食事記録する利用者が食事後に質疑応答することにより、食事内容に対して自己チェックを行うことが出来る。
【0024】
本発明でも、調理後の料理のバリエーションをある一定量までシステム内に格納してあるが、食事登録作業そのものは食事ガイドバランスで定義されている単位へ変換されているために、もしも食事記録する料理が格納リストに未登録であった場合であっても、近い内容の料理を入力することで、望ましい単位へ展開することが出来る。また、慣れた利用者であれば、料理区分と食材区分を直接入力することが出来るために、料理リストの格納量を考慮する必要は無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明における食事記録するシステムにおいて、料理区分は、食事バランスガイドの料理区分に準拠した分類方式とする。2000年に当時の厚生省,農林水産省,文部省によって策定された「食生活指針」中に記述された、料理を主食・主菜・副菜に分類する考えに準じて、食事バランスガイドでも、「主食」「副菜」「主菜」の料理区分が採用された。「主食」とは、ご飯・パン・パスタなどを主材料とする料理、「主菜」は肉・魚・卵・大豆製品などを主材料とする料理、「副菜」は野菜・いも・豆類・きのこ・海藻などを主材料とする料理を示す。さらに、米国欧米諸国では野菜と果物が同じグループに整理されることが多いが、日本での食べ方を考慮し、「果物」を副菜とは独立した区分とした。「牛乳・乳製品」については、たんぱく質源という観点から主菜に含めることを検討されたが、食生活の中で、料理の材料というより飲料や間食としてとられることが多く、また学校給食等での位置づけを考えて、別に区分された。
【0026】
食事バランスガイドが持つ特徴とは、「実際に食べる状態をイメージして、調理された食事を標準的な食事単位に分類すること」である。本発明における料理区分を、これらの料理区分に準拠させることにより、調理された後の料理を分類する手段として、極めて合理性を有するようになる。
【0027】
本発明における食事記録するシステムにおいて、食材区分は食事バランスガイドの料理区分毎に含まれる食品群をもとに分類する。食事バランスガイドは、文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会報告による「五訂日本食品標準成分表」に準拠した食品群で分類されている。日本食品成分表は、昭和25年に食品に含まれる栄養成分の基礎データ集として、当時の経済安定本部が取りまとめたのに始まって継続的に取りまとめられたものである。現在は文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会に引き継がれたものであり、日本国内で長期にわたり継続管理されているものである。本発明における食材区分を食事バランスガイドの料理区分毎に含まれる食品群に準拠させることにより、日常の食事の基本となる食品の多くを網羅させることが出来、日常の栄養管理を行うために有効な食材の分類手段として、極めて合理性を有するようになる。
【0028】
本発明における食事記録するシステムにおいて、料理は単一または複数の料理区分における、それぞれに含まれる食材区分の数で料理に含まれる食材の量が示される。この食材の量を表す単位として、食事バランスガイドに準拠した「つ(SV)」を用いることを特徴とする。「つ」とは、料理を配膳する際に用いる皿やお椀などのような、標準的な食事給与の数である。本発明において、食材区分の単位を具体的な「(単位としての)皿」や「杯」という単位を用いてしまうと、多くの料理形態に共通して利用できなくなるため、食事バランスガイドに準拠した単位を用いることとした。
【0029】
本発明における前記料理区分と前記食材区分を用いて調理された料理を分類するシステムは、極めて合理的ではあるが、調理されてしまった後から、元となる食材を把握することは、一般利用者にとって、困難な場合が多い。そこで本発明は、食事記録を行う者が、料理を基本的な組み合わせに分解するための方法を理解する必要を見据えて、そのシステムもまた、本発明に組み込むものである。
【0030】
従って、本発明における食事記録するシステムは、誰もが調理された料理から料理区分と食材区分を識別する方法出来るように、食事を分解する思考方法を学習するための食事記録の練習モードを有することが出来る。
【0031】
本発明における食事記録の練習モードとは、利用者が、
1.料理区分および食材区分の理解、
2.実際の料理を単一の料理区分に分類する考え方の習得
3.実際の料理を複数の料理区分に分類する考え方の習得、
4.分類した料理区分に該当する食材の量的な基準の理解、
のそれぞれを出来るようにするための、双方向的な学習形式である。
【0032】
本発明における食事を記録するシステムにおいては、利用者が食事管理に関して専門知識を持たない場合であっても、食事量、食事バランス、適正運動量の目標管理が出来るようにするため、食事記録を視覚的に理解しやすい形にデータ加工を行う。このデータ加工では、料理区分毎に事前に割り当てられたエネルギー単位値をもとに、登録された食材区分の食材量に比例したエネルギー量を算出する。
【0033】
また、本発明における食事を記録するシステムにおいては、食事を記録する本人の身長・年齢・性別・生活強度(日常生活における身体活動量)をもとに、適正エネルギー摂取量を算出する。本発明のシステムは、この適正エネルギー摂取量をもとに、1日または複数日にわたる食事記録に対して、評価コメントが決定される仕組みを更に有する。
【0034】
本発明における食事を記録するシステムは、登録された食事記録の料理区分と食材区分の情報から、食事内容のエネルギー量および栄養バランスを算出した内容を図示する手段を更に有する。同時に評価コメントを表示する。食事を記録した本人は、図示された食事記録および評価コメントを参照することにより、適正エネルギー量に対する食事量の過不足と共に栄養バランスが視覚的に確認出来る。
【0035】
本発明における食事を記録するシステムは、食事管理の専門家(例えば、管理栄養士)により、質問事項を登録しておき、食事を記録する利用者が食事登録する際に質疑応答することにより、食事内容に対して体系的な視点で見直すことが出来る。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を具体的に説明するために、図面を参照して本発明に関わる食事記録システムの最良の形態を詳細に説明するが、本発明の思想及び範囲内に留まりながら、多くの変形及び変更が行われてもよいことが、当業者には明らかになるであろう。
【0037】
図1は、食事を記録するシステムを実現するための情報端末装置の構成の一例を示している。情報端末本体100の内部に情報処理を行うためのプロセッサを有し、画面表示部101およびタッチパネル方式の登録装置を兼ねた画面表示部102、画面表示上でカーソルを上下左右に移動させるための操作部105、画面表示上で選択決定や解除を行うなどの機能が割り当てられたボタン群106、情報端末本体に着脱が自由なプログラム保存部103からなる。画面表示部102には、専用ペン104または直接手による操作が可能である。
【0038】
この情報端末の利用者は、画面表示部101および102に表示された画像情報を参照して、利用者が行う必要な意思決定を画面表示部102上に表示されたコンテンツに直接専用ペンを接触させる、または操作部105でカーソルを移動させてボタン群106から必要なボタンを適時選択することで行うことが出来る。なお、以下の実施例において、画面が上下に分割されている場合、特に断りがなければ、画面上半分が画面表示部101を、画面下半分が画面表示部102を示す。
【0039】
図1で示されるような情報端末を用いた食事記録を行うために、食事バランスガイドを元にした、図2に示す料理区分と食材区分を用いる。
【0040】
この食事記録方式を実際に用いて,一般の利用者が支障なく食事記録を行うためには、食事内容を料理区分や食材区分に分類する思考方法を、予め習得しておくことが好ましい。そこで本発明では、図1で示されるような情報端末を用いた食事記録を実際に行うために、練習モードとして『食事を食べたか食べていないかで登録する方法』(簡単食事入力)を利用し、次に、食事記録方法が把握できて来た段階で『食事を量まで登録する方法』(詳細食事入力)を利用するように、段階的な2種類の登録方法から選択することが出来る。そのため、前記情報端末を最初に利用する際に利用者の名前、身長、体重、年齢、性別、身体活動量などの身体情報と、生活強度などの生活環境情報(後述)を登録した後、自動的に簡単食事入力が選択される。
【0041】
簡単食事入力では、本発明における食事記録方式で扱う思考方法を、ガイダンスによって学習する仕組みを有する。利用者はガイダンスを受けた上で、実際に食事登録する手順を操作することになる。
【0042】
図3は、食事登録機能を最初に呼び出した際に表示される、クイズ形式によるガイダンスの一例を示している。図3では、実際の料理を料理区分に分類するための具体的な考え方を示している。画面表示部の下側(画面表示部101)には三種の料理のイラスト画像302,303,304が表示され、画面表示部の上側(画面表示部102)に案内役キャラクタ301が次に行う作業内容をクイズ形式で語りかける格好で表示される。図3において、主菜に該当する料理は、主たるおかずとなる肉料理302であるため、そのイラスト画像を利用者が選択した時点で、図4に示されるように正解マークが付与・表示され、同時に案内役キャラクタ401が正解した理由を解説している。
【0043】
同様に、他の料理区分についてもガイダンスが行われることによって、利用者が料理区分の知識を習得出来るようにしている。
【0044】
図5は、料理区分を既に分類した後に、食材区分毎の食事量を判断する考え方をガイダンスする画面を示している。図5では、案内役キャラクタ501によって、実際の食事内容が『お茶碗に軽く1杯のご飯を食べた場合』と指定されているため、画面表示部の上側(画面表示部101)には、ご飯のイラスト画像が表示され、食事量が食事バランスガイドに準拠した単位を有した「1つ」であることが示されている。
【0045】
図6では、案内役キャラクタ601によって、食パン一切れが「1つ」、ざるそばが「2つ」であることを表しており、画面表示部の上側(画面表示部101)では、具体的な食事イラスト画像と共に対応する食事量を示している。同様に他の料理区分における食材区分の選択および食事量の判断する実際例についてガイダンスが実施される。食事登録を学習するためのガイダンスが終了した以降は、簡単食事入力機能が利用出来る。
【0046】
ここより、簡単食事入力における画面を解説する。図7は簡単食事入力において、食事を行った時間帯を選択する画面を示している。食事時間帯(朝食・昼食・夕食・間食)を示す複数のボタン701のうち一つを選択することにより、食事を行った時間帯を選択出来る。ボタン702(図7において「レベル設定」と表記されているボタン)を選択することにより、食事登録方式が、簡単食事入力か詳細食事入力のいずれか一方である画面に遷移することが出来る。また、ボタン703(図7において「評価」と表記されているボタン)を選択することにより、食事内容をカロリー換算したグラフを表示する評価画面に遷移することが出来る。
【0047】
図8は簡単食事入力において、図7の画面で選択された食事時間帯の食事の食材区分を選択する画面を示している。画面では、料理区分が主食となる食材区分の「ごはん」「パン」「麺類」が例示されている。利用者は、これらの中からいずれかが実際に食事内容と一致していれば「はい」を選択し、無ければ「いいえ」を選択することで、平易に食事を登録することが出来る。引き続き、同様に、他の料理区分の食材区分が表示される画面に切り替わる。
【0048】
図9は、料理区分が主菜となる場合の食材区分を表示する画面を示している。利用者は、各料理区分で表示される食材区分のうち、食事内容に該当する場合に「はい」を選択する。画面には、肉料理の例としてトンカツの写真画像を、魚料理の例として焼き魚の写真画像を、卵料理の例として目玉焼きの写真画像を、それぞれ例示している。以下、副菜、乳製品、果物の各食材区分においても同様に、利用者が摂取したか否かの確認を進めていく。
【0049】
図10は、簡単食事入力において摂取した食事内容に該当する料理区分を登録した結果を集計した、食事確認画面を示している。この画面において、先に登録済みの料理区分の選択を改めて変更することも出来る。決定ボタンを選択することにより、図7の画面で選択した食事時間帯における食事記録が登録される。
【0050】
図11は食事登録方式を切り換える画面を示している。利用者が簡単食事入力を用いた食事記録を継続することによって、食事記録方式で扱う思考方法を利用者自身が習得したと判断した時点で、食事登録方式を切り換えることが出来る。案内役キャラクタ1101が現在選択されている食事登録方法を画面上に通知する。利用者は、ボタン1102(簡単登録),1103(詳細登録)のいずれかを選択して食事登録方法を切り替えることが出来る。
【0051】
上記の詳細食事入力においては、食事記録を行う利用者が食事内容を料理区分に分類した上で、各料理区分の食材区分ごとの食事量を記録することが出来る。簡単食事入力では食材区分の記録は行わないが、詳細食事入力では食材区分の食事量を記録するために、食事のエネルギー量を算出することが出来、料理区分毎のエネルギー量として集計することが出来る。
【0052】
ここより、詳細食事入力における画面を解説する。図12は詳細食事入力において食事時間帯を選択する画面を示している。画面構成および選択内容は、簡単食事入力と同様であり、食事時間帯を示す複数のボタン1201で時間帯を選択出来る。ボタン1202(「レベル設定」と表記されているボタン)を選択することにより、食事登録方式を切り換える画面に遷移する。ボタン1203(「評価」と表記されているボタン)を選択することにより、食事内容をカロリー換算したグラフを表示する評価画面に遷移する。
【0053】
図13は詳細食事入力において、記録する食事内容を、料理区分ごとにその食事量を登録し、かつエネルギー量を算出して表示する画面を示している。食事内容の食事量とエネルギー量の登録は、食事内容に該当する料理区分ごとの食材区分の食事量を設定する方法、および登録済みの料理リストから登録する方法の2つがある。
【0054】
食事内容の食事量とエネルギー量の登録の上記1つの方法は、画面中の任意の料理区分名の部分を選択することにより、選択料理区分に登録されている食材区分を表示する画面に遷移する。例えば、料理区分が「副菜」の食材区分を表示するためには、図13での1303(「副菜」と表示されているアイコン)を選択する。すると、続く図14に示されるように、料理区分が副菜の食材区分である野菜・きのこ・芋・海藻が表示される。そうして、各食材区分に対して、食事量である「つ(SV)」を登録することが出来る。例えば、「きのこ」の食事量に「2つ(SV)」を登録する際には、食事項目がきのこの行の白丸を2つ選択することで、2つを赤丸に反転させる。該当する食材区分に目安量を登録した時点で決定ボタン1402を押せば、登録が終了する。
【0055】
食事内容の食事量とエネルギー量の登録の上記もう1つの方法は、登録済みの料理リストから登録する方法である。図13において、料理検索ボタン1301を選択することにより、図16で示される料理検索画面が表示される。料理をカテゴリから検索する場合、ボタン1601を選択することによりカテゴリ検索画面が表示される。料理をキーワードから検索する場合、ボタン1602を選択することによりキーワード検索画面が表示される。
【0056】
図17は料理をカテゴリから検索する画面を示している。カテゴリは画面表示部の下側(画面表示部102)に1701に示されるように列挙され、いずれかのカテゴリを選択した時点で、カテゴリ内の料理がすべて抽出されて検索料理表示画面に表示される。
【0057】
図18は料理をキーワード検索する画面を示している。画面表示部102に表示された文字登録領域1802にキーワードを記入し、検索を実行すれば、画面表示部101に表示された検索結果件数表示領域1801に検索件数が表示される。検索件数が妥当であれば決定ボタン1803を押すことにより、検索された料理が検索料理表示画面に表示される。
【0058】
図19は検索された料理を表示する画面を示している。上記カテゴリ検索またはキーワード検索された結果は、リスト表示領域1901に一覧表示される。リストから選択した料理の詳細情報は、画面表示部上側1902に料理名称・栄養価・料理画像・エネルギー量として表示される。図19では、天丼を例示している。食事内容に合致した料理が見つかった場合、該当する料理をリストで選択して決定ボタン1903を押すことで、詳細食事入力画面に戻る。この表示機能により、利用者が摂取した食事を肉眼で視覚的に確認できるため、料理の登録間違いを格段に減らすことが期待出来る。リスト内に見つからない場合は、戻るボタン1904を押せば、もとの検索画面に戻る。検索して決定された料理の詳細情報に基づいて料理区分の食事量とエネルギー量が図13に表示される。このように、直接に個々の料理区分を選択して食事量を変更することが出来る。
【0059】
図13においてボタン1304(「目安表示」と表記されているボタン)を選択することにより、飲料・嗜好食品・菓子などの間色的な色合いの強い食事の有無を記録する画面である図15に遷移する。図15は食事の目安表を示している。画面表示部の下側1501の領域に、飲料・嗜好食品・菓子などの名称がリスト表示される。実際の食事内容に合致する項目を選択すれば、マーク(塗りつぶした丸印)となる。決定ボタン1502を押すことで選択された項目が確定する。
【0060】
詳細食事入力を行った場合、登録された食事記録には「料理区分毎の食事量」と「エネルギー量」が自働的に算出されている。その値をもとに食事評価を行うことが出来る。図13においてボタン1302を選択することにより食事内容の登録が確定し、食事評価画面である図20に遷移する。
【0061】
図20で示されるように、食事評価画面では、食事時間帯ごとのエネルギー量を料理区分で色分けた形式でグラフ表示する。このように、料理区分ごとのエネルギー表示を行うことにより、食事バランスが視覚的に把握することが出来る。詳細食事入力画面で確定された食事記録に基づいて、エネルギー換算グラフ2001が表示される。料理区分ごとの食事量からエネルギー換算値を求めるために、本発明のシステムでは、図21に示されるカロリー換算表を組み込んでおき、換算することが出来る。
【0062】
本発明のシステムは、料理区分ごとに、図22に示されるように摂取目標量を予め登録している。その登録情報に基づき、図20において摂取目標量に従ったエネルギー換算グラフ2002を表示する。これによって実際の食事内容(2001)と目標値(2002)との比較を視覚的に行うことが出来る。また、画面表示部の下側2004から任意の時間帯を選択すれば、指定した時間帯のエネルギー換算グラフに切り替わる。図20に示すように、朝食・昼食・夕食の三食だけでなく、日毎・週毎・月毎などの長スパンでの表示も可能となる。
【0063】
食事記録を開始する前に、食事記録を行う本人の身長・年齢・性別・生活強度などの情報について登録を行う。その登録情報に基づき、その本人に対する適正エネルギー摂取量を算出する。適正体重は、世界標準であるBMI値(Body Mass
Index)から得られる計算式:適正体重(Kg)=身長(m)×身長(m)×22から算出される。例えば、身長165cmの人の場合、適正体重=1.65×1.65×22≒60(kg)となる。
【0064】
次に、図23が示すように生活強度と年齢の組み合わせより、適正体重1kg当たりの必要エネルギーが求められる。よって、適正エネルギー摂取量は、計算式:適正エネルギー摂取量(Kcal)=自分の適正体重(Kg)×体重1Kg当たりのKcalから算出される。例えば、身長165cmで年齢30歳、生活強度が軽労働(やや低い)に該当する場合、適正エネルギー摂取量=60×27.5=1650(Kcal)となる。
【0065】
図20において評価ボタン2005を選択することにより、図24に示されるように評価コメント画面が表示される。例えば、図24においては、実際の食事内容(図20における2001に相当)と目標値(図20における2002に相当)との比較結果に対して、実際の食事内容が目標値に対して高い(過剰にカロリーを摂取している)点を指摘している。それら評価コメントは、例えば図25に例示するような判定ロジックに従って表示される。また、食事記録を行った利用者は、詳細食事入力を一定期間行った後に、登録済みの食事記録に対して評価を行うことも出来る。
【0066】
また、本発明のシステムでは、図26に示されるように詳細食事入力を完了した時点で、食務質問(食事に関する質問の意味)画面が表示され、食事を記録する利用者が食事後に質疑応答することにより、食事内容に対して自己チェックを行うことが出来る。ここで質問される内容は、図28で示されるような質問グループと質問事項で構成される。これらの質問内容は、食事管理の専門家(管理栄養士、医師など)により事前に設定して記憶させてある質問事項からなるが、もちろん、食事管理の専門家が食事を記録する利用者に対して知り得たい事項へ、必要に応じて編集しておくことも出来る。本発明においては、網羅的な質疑を埋め込むという構成により、例えば「食べ過ぎた」という漠然とした観念だけでなく、利用者自身も気付いていない詳細な食事行動を見出し、利用者本人に、それら要因へ対する改善行動へ取り組ませることが期待できる。
【0067】
また、自由登録が「あり」と設定されている場合、図27に示されるように質疑応答後に自由登録による回答を要求する画面が表示される。その自由登録による回答内容も、システム内に記憶され、食事管理の専門家が後に閲覧して、利用者へ適切な助言と指導を与えることが出来る。
【0068】
以上のような食事記録を継続することにより、食事記録を実施する本人自身による食事目標管理を、平易かつ快適に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に関わるシステムを実現するための情報端末装置の構成の一例である。
【図2】本発明に関わる食事バランスガイドを元にした料理区分と食材区分を示す一覧である。
【図3】本発明に関わる料理区分を判断する考え方をガイダンスする画面における質問画面である。
【図4】本発明に関わる料理区分を判断する考え方をガイダンスする画面における回答画面である。
【図5】本発明に関わる、料理区分を既に分類した後に食材区分毎の食事量を判断する考え方をガイダンスする画面である。
【図6】本発明に関わる、食材区分毎の食事量を判断する、また別の考え方をガイダンスする画面である。
【図7】本発明に関わる簡単食事入力において、食事の時間帯を選択する画面である。
【図8】本発明に関わる簡単食事入力において、選択された食事時間帯の食事の食材区分を選択する画面である。
【図9】本発明に関わる簡単食事入力において、料理区分が主菜となる場合の食材区分を表示する画面である。
【図10】本発明に関わる簡単食事入力において、摂取した食事内容に該当する料理区分を登録した結果を集計した食事確認画面である。
【図11】本発明に関わる食事登録方式を切り換える画面である。
【図12】本発明に関わる詳細食事入力において、食事の時間帯を選択する画面である。
【図13】本発明に関わる詳細食事入力において、記録する食事内容を料理区分ごとにその食事量を登録し、かつエネルギー量を算出して表示する画面である。
【図14】本発明に関わる詳細食事入力において、料理区分を副菜と分類した後に、副菜の食材区分を選択する画面である。
【図15】その他の料理区分を摂取したか否かを記録する画面である。
【図16】本発明に関わる料理検索の開始画面である。
【図17】料理をカテゴリから検索する画面である。
【図18】料理をキーワードから検索する画面である。
【図19】検索された料理を表示する画面である。
【図20】本発明に関わる食事評価において、食事内容の登録が確定した際の食事評価画面である。
【図21】本発明に関わる食事評価において用いられるカロリー換算表の一例である。
【図22】本発明に関わる食事評価において用いられる料理区分別の摂取目標量の一例である。
【図23】本発明に関わる食事評価において用いられる生活強度と年齢との組み合わせを示す一例である。
【図24】本発明における、実際の食事内容に対する評価コメント画面である。
【図25】本発明における、評価コメントの元となる判定ロジックの一例である。
【図26】本発明に関わる食事評価において、食務質問(食事に関する質問の意味)の画面である。
【図27】本発明に関わる食事評価において、食事内容に対する自由登録による自己チェック入力画面である。
【図28】本発明に関わる食事評価において、食務質問の元となる質問グループと質問事項の一例である。
【符号の説明】
【0070】
100:情報端末本体
101:画面表示部
102:画面表示部
103:プログラム保存部
104:専用ペン
105:操作部
106:ボタン群
301,401,501,601,1101:案内役キャラクタ
1102:簡単登録ボタン
1103:詳細登録ボタン
1201:食事時間帯を示す複数のボタン
1202:食事登録方式を切り替えるためのボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、個人において、標準的な食事単位を用いて簡易に食事を記録するためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生活環境の変化に伴い、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が問題になっている。生活習慣病は、忙しい生活を送る中で毎日の食事が大切であることが忘れがちとなり、野菜の摂取不足、食塩・脂肪のとり過ぎ等の食生活が要因のひとつと考えられている。そのため、一般に、普段の生活習慣を見直し、適度な運動と、栄養バランスのとれた食事をすることが生活習慣病予防に重要といわれている。そのため、継続的な食生活の管理及び改善を支援する方法が求められている。
【0003】
継続的な食生活改善の管理のために、食事内容を記録することが推奨され、いくつかの方式が提案されている。それら従来の食事記録方式は、いずれも料理を構成する食材を記録する方式であった。この方式では、調理する前に料理に用いた食材単位で食事内容を記録し、エネルギー値および栄養価を算出する。調理する前の食材の名称、量、食事内容を記録して、集計することにより料理のエネルギー値や栄養価を算出する方法である。その記録した情報は、管理栄養士など専門知識を有する者が栄養分析データを解釈し、アドバイスを行う際に利用されている。
【0004】
食生活改善支援方法の手段の一つに、コンピュータもしくは情報システムを利用した食事管理システムがある。一例として、食事登録画面で利用者が食事メニューを登録する際に、よく利用するメニューを任意の料理セットとして設定出来るものや、料理セット以外の食事内容の登録を可能したもの(例えば特許文献1参照)や、身長,体重,摂取した食事情報及び運動時間などの個人総合情報に基づいて食生活の総合評価を行うこと、そして、その総合評価の結果に基づいて具体的な食事メニューを提供するもの(例えば、特許文献2参照)が提案されている。既存の食事メニューがシステム内に記憶されている場合、該当する料理を選択することにより、算出したエネルギー値および栄養価より、食事のエネルギーバランスや栄養素バランスなどを算出する。料理リストにない場合には、料理を構成する食材を個々に記録する。
【0005】
【特許文献1】特開2007−157090号公報
【特許文献2】特開2006−48177号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのような従来の食事記録方式の欠点は、調理された料理から食事を記録する際に、調理前の食材を推理しなければならないことである。すなわち、記録情報の理解に専門知識が必要となるために、食事を記録する本人が専門知識を有さない時に、目標の管理が難しいことである。
【0007】
また、調理に使用する食材を基にした従来の記録方式では、その食材の分量もまた判らなければ、食材から調理された後の料理のエネルギー値や栄養バランスが算出できない。一部の事業者では食材を公開している場合があるが、現状では、殆どの外食産業及び中食産業事業者は食材を公開していないため、外食や中食のような調理済みの料理については、出来上がった料理から調理に用いた食材を把握することが難しい。
【0008】
また、調理前の食材が把握出来る料理であっても、複数人数の料理を同時に作成した場合、食事する個人毎の食事分量を把握することの複雑さが残る。例えば、大皿を多人数で食べる方式(中華料理など)やバイキング形式では、食材がわかったとしても食事量の把握は難しい。
【0009】
ここで、2005年に厚生労働省及び農林水産省により、生活習慣病を予防し、心身ともに健康で豊かな食生活の実現に向けた普及・啓発の一環として、食事バランスガイド(厚生労働省及び農林水産省合同監修、以下単に食事バランスガイドと称すこともある)が策定されている。この食事バランスガイドは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安を分かりやすくイラストで示したもので、料理・食事を、5つのグループ(主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物)に分類し、独楽形のイラストに色分けして表されている。独楽形のイラストの上から、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の順で5グループ(料理区分)に表され、上のグループほど摂取量が多く、下へいくほど少なくなっている。水分は軸で表され、この独楽のバランスが崩れないような食事が、栄養バランスのよい食事を示すように形成されている。さらに、食事バランスを考えるために、面倒なエネルギーや分量の計算をしなくてもよいように、量の単位は日常的な料理の量を目安として、各料理の重量を基にしたサービング数(SV、食事提供量)という単位を設定し、SV値が幾つかであるかを数値で表している。そして、標準的な一日分の適量として、主食は5〜7つ(SV)、副菜は5〜6つ(SV)、主菜は3〜5つ(SV)、牛乳・乳製品は2つ(SV)、果物は2つ(SV)とされている。この目安「つ(SV)」を利用することで、具体的に目に見える料理をもとに分類することが出来、食事を食べる側の判断で、食事を記録することが出来る。
【0010】
また、食事記録結果から算出される栄養分析情報は、利用者がある程度の専門知識を有する必要があるために、利用者自身が単独で食事量、栄養バランス、適正運動量の目標管理することが困難である。
【0011】
そこで、上記の食事バランスガイドにも記載の料理内容と、栄養分析情報を融合させ、利用者にとって使いやすく調整されたコンピュータもしくは情報システムを利用した食事管理システムがある。(例:先述の特許文献1)
【0012】
しかし、そのようなコンピュータもしくは情報システムを利用した食事管理システムは、格納された料理リストから料理を選んで記録する方法であるが、食事記録する料理がリストに未登録であった場合、利用者が新規に料理リストに登録した上で食事を記録することになる。この作業は、料理のバリエーションが増加すればするほど利用者の負担が増え、食事を記録する作業を日々継続する上では、記録を継続するための心理的な負荷になる。食材の種類は限られているが、それらの組み合わせである調理後の料理のバリエーションには限りが無く、上記食事管理システムに全てをデータ化して格納することは、事実上不可能である。
【0013】
また、食事バランスガイドによる記録方式では、食事記録結果から「食材や料理の特徴」に関する情報が不足しがちとなる。食事バランスガイドで提唱された料理区分に目安をつける方法では、料理区分の情報に食材を特定する情報が不足するため、記録データを再利用する価値が低下する。たとえば、『主菜が2つ』という情報のみからでは、具体的に何を食べたのを知ることができない。食事バランスガイド情報をもとに、管理栄養士などの専門家が食事指導を行うためには、献立の名称だけでなく食事の内容について特徴的な情報が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、本発明は、上記の課題を解決するために、食事内容を記録データとして登録することにより、摂取エネルギー値および栄養バランス状況を集計するための食事記録システムにおいて、
表示装置と、
前記表示装置内に食事内容登録画面を含む所定の登録画面を表示する表示登録手段と、を備え、
前記表示登録手段において画面表示が制御されることで、食事内容登録画面で登録される食事記録が、食材ではなく、調理された後の料理情報が登録されることを特徴とする、食事記録システムである。
【0015】
また、本発明の食事記録システムは、上記記録データが、料理区分に食材区分を加えた目安であることが出来る。
【0016】
また、本発明の食事記録システムは、調理された料理から、利用者が料理区分と食材区分を識別出来るように学習するための練習モードを有することが出来る。
【0017】
また、本発明の食事記録システムは、利用者が料理区分を識別できるようになった後に、食材区分を判断できるように、段階的な学習をするための練習モードを有することが出来る。
【0018】
また、本発明の食事記録システムは、食事内容登録画面において、食事量とエネルギー量を登録する際に、画面中に表示される任意の料理区分名の部分を利用者が選択することにより、選択料理区分に登録されている食材区分が表示されることが出来る。
【0019】
また、本発明の食事記録システムは、食事内容登録画面において、食事量とエネルギー量を登録する際に、画面中に表示されるシステム登録済みの料理リストから利用者が選択することが出来る。
【0020】
また、本発明の食事記録システムは、利用者が登録し終えた結果から算出される実際の食事内容と、利用者自身の目標値とを同一画面上に列記し、両者の比較を視覚的に行うことが出来る。
【0021】
また、本発明の食事記録システムは、食事管理の専門家による質問事項の設定を事前に記憶し、食事を記録する利用者が食事後に質疑応答することにより、食事内容に対して自己チェックを行うことが出来る。
【0022】
また、本発明の食事記録システムは、画面表示機能および登録装置を具備する情報端末上で好ましく実現される。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、食材からではなく、調理された後の料理内容から食事を記録することが出来るために、食事管理に関して専門知識を持たない場合であっても、食事量(エネルギー量を含む)、食事バランス、適正運動量の目標管理が出来る。その際には、信用のある標準的な食事単位を用いるために、いきおい、得られるデータも信用の高いものとなる。また、料理区分に食材区分を加えた目安が記録出来るために、記録データが再利用されやすくなる。さらに、調理された後の料理から料理区分と食材区分を識別出来るようになる練習モードを具備することで、誰もが料理を分解して料理区分に配分することを学習することが出来る。そして、事前に食事管理の専門家による質問事項の設定を行い、食事記録する利用者が食事後に質疑応答することにより、食事内容に対して自己チェックを行うことが出来る。
【0024】
本発明でも、調理後の料理のバリエーションをある一定量までシステム内に格納してあるが、食事登録作業そのものは食事ガイドバランスで定義されている単位へ変換されているために、もしも食事記録する料理が格納リストに未登録であった場合であっても、近い内容の料理を入力することで、望ましい単位へ展開することが出来る。また、慣れた利用者であれば、料理区分と食材区分を直接入力することが出来るために、料理リストの格納量を考慮する必要は無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明における食事記録するシステムにおいて、料理区分は、食事バランスガイドの料理区分に準拠した分類方式とする。2000年に当時の厚生省,農林水産省,文部省によって策定された「食生活指針」中に記述された、料理を主食・主菜・副菜に分類する考えに準じて、食事バランスガイドでも、「主食」「副菜」「主菜」の料理区分が採用された。「主食」とは、ご飯・パン・パスタなどを主材料とする料理、「主菜」は肉・魚・卵・大豆製品などを主材料とする料理、「副菜」は野菜・いも・豆類・きのこ・海藻などを主材料とする料理を示す。さらに、米国欧米諸国では野菜と果物が同じグループに整理されることが多いが、日本での食べ方を考慮し、「果物」を副菜とは独立した区分とした。「牛乳・乳製品」については、たんぱく質源という観点から主菜に含めることを検討されたが、食生活の中で、料理の材料というより飲料や間食としてとられることが多く、また学校給食等での位置づけを考えて、別に区分された。
【0026】
食事バランスガイドが持つ特徴とは、「実際に食べる状態をイメージして、調理された食事を標準的な食事単位に分類すること」である。本発明における料理区分を、これらの料理区分に準拠させることにより、調理された後の料理を分類する手段として、極めて合理性を有するようになる。
【0027】
本発明における食事記録するシステムにおいて、食材区分は食事バランスガイドの料理区分毎に含まれる食品群をもとに分類する。食事バランスガイドは、文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会報告による「五訂日本食品標準成分表」に準拠した食品群で分類されている。日本食品成分表は、昭和25年に食品に含まれる栄養成分の基礎データ集として、当時の経済安定本部が取りまとめたのに始まって継続的に取りまとめられたものである。現在は文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会に引き継がれたものであり、日本国内で長期にわたり継続管理されているものである。本発明における食材区分を食事バランスガイドの料理区分毎に含まれる食品群に準拠させることにより、日常の食事の基本となる食品の多くを網羅させることが出来、日常の栄養管理を行うために有効な食材の分類手段として、極めて合理性を有するようになる。
【0028】
本発明における食事記録するシステムにおいて、料理は単一または複数の料理区分における、それぞれに含まれる食材区分の数で料理に含まれる食材の量が示される。この食材の量を表す単位として、食事バランスガイドに準拠した「つ(SV)」を用いることを特徴とする。「つ」とは、料理を配膳する際に用いる皿やお椀などのような、標準的な食事給与の数である。本発明において、食材区分の単位を具体的な「(単位としての)皿」や「杯」という単位を用いてしまうと、多くの料理形態に共通して利用できなくなるため、食事バランスガイドに準拠した単位を用いることとした。
【0029】
本発明における前記料理区分と前記食材区分を用いて調理された料理を分類するシステムは、極めて合理的ではあるが、調理されてしまった後から、元となる食材を把握することは、一般利用者にとって、困難な場合が多い。そこで本発明は、食事記録を行う者が、料理を基本的な組み合わせに分解するための方法を理解する必要を見据えて、そのシステムもまた、本発明に組み込むものである。
【0030】
従って、本発明における食事記録するシステムは、誰もが調理された料理から料理区分と食材区分を識別する方法出来るように、食事を分解する思考方法を学習するための食事記録の練習モードを有することが出来る。
【0031】
本発明における食事記録の練習モードとは、利用者が、
1.料理区分および食材区分の理解、
2.実際の料理を単一の料理区分に分類する考え方の習得
3.実際の料理を複数の料理区分に分類する考え方の習得、
4.分類した料理区分に該当する食材の量的な基準の理解、
のそれぞれを出来るようにするための、双方向的な学習形式である。
【0032】
本発明における食事を記録するシステムにおいては、利用者が食事管理に関して専門知識を持たない場合であっても、食事量、食事バランス、適正運動量の目標管理が出来るようにするため、食事記録を視覚的に理解しやすい形にデータ加工を行う。このデータ加工では、料理区分毎に事前に割り当てられたエネルギー単位値をもとに、登録された食材区分の食材量に比例したエネルギー量を算出する。
【0033】
また、本発明における食事を記録するシステムにおいては、食事を記録する本人の身長・年齢・性別・生活強度(日常生活における身体活動量)をもとに、適正エネルギー摂取量を算出する。本発明のシステムは、この適正エネルギー摂取量をもとに、1日または複数日にわたる食事記録に対して、評価コメントが決定される仕組みを更に有する。
【0034】
本発明における食事を記録するシステムは、登録された食事記録の料理区分と食材区分の情報から、食事内容のエネルギー量および栄養バランスを算出した内容を図示する手段を更に有する。同時に評価コメントを表示する。食事を記録した本人は、図示された食事記録および評価コメントを参照することにより、適正エネルギー量に対する食事量の過不足と共に栄養バランスが視覚的に確認出来る。
【0035】
本発明における食事を記録するシステムは、食事管理の専門家(例えば、管理栄養士)により、質問事項を登録しておき、食事を記録する利用者が食事登録する際に質疑応答することにより、食事内容に対して体系的な視点で見直すことが出来る。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を具体的に説明するために、図面を参照して本発明に関わる食事記録システムの最良の形態を詳細に説明するが、本発明の思想及び範囲内に留まりながら、多くの変形及び変更が行われてもよいことが、当業者には明らかになるであろう。
【0037】
図1は、食事を記録するシステムを実現するための情報端末装置の構成の一例を示している。情報端末本体100の内部に情報処理を行うためのプロセッサを有し、画面表示部101およびタッチパネル方式の登録装置を兼ねた画面表示部102、画面表示上でカーソルを上下左右に移動させるための操作部105、画面表示上で選択決定や解除を行うなどの機能が割り当てられたボタン群106、情報端末本体に着脱が自由なプログラム保存部103からなる。画面表示部102には、専用ペン104または直接手による操作が可能である。
【0038】
この情報端末の利用者は、画面表示部101および102に表示された画像情報を参照して、利用者が行う必要な意思決定を画面表示部102上に表示されたコンテンツに直接専用ペンを接触させる、または操作部105でカーソルを移動させてボタン群106から必要なボタンを適時選択することで行うことが出来る。なお、以下の実施例において、画面が上下に分割されている場合、特に断りがなければ、画面上半分が画面表示部101を、画面下半分が画面表示部102を示す。
【0039】
図1で示されるような情報端末を用いた食事記録を行うために、食事バランスガイドを元にした、図2に示す料理区分と食材区分を用いる。
【0040】
この食事記録方式を実際に用いて,一般の利用者が支障なく食事記録を行うためには、食事内容を料理区分や食材区分に分類する思考方法を、予め習得しておくことが好ましい。そこで本発明では、図1で示されるような情報端末を用いた食事記録を実際に行うために、練習モードとして『食事を食べたか食べていないかで登録する方法』(簡単食事入力)を利用し、次に、食事記録方法が把握できて来た段階で『食事を量まで登録する方法』(詳細食事入力)を利用するように、段階的な2種類の登録方法から選択することが出来る。そのため、前記情報端末を最初に利用する際に利用者の名前、身長、体重、年齢、性別、身体活動量などの身体情報と、生活強度などの生活環境情報(後述)を登録した後、自動的に簡単食事入力が選択される。
【0041】
簡単食事入力では、本発明における食事記録方式で扱う思考方法を、ガイダンスによって学習する仕組みを有する。利用者はガイダンスを受けた上で、実際に食事登録する手順を操作することになる。
【0042】
図3は、食事登録機能を最初に呼び出した際に表示される、クイズ形式によるガイダンスの一例を示している。図3では、実際の料理を料理区分に分類するための具体的な考え方を示している。画面表示部の下側(画面表示部101)には三種の料理のイラスト画像302,303,304が表示され、画面表示部の上側(画面表示部102)に案内役キャラクタ301が次に行う作業内容をクイズ形式で語りかける格好で表示される。図3において、主菜に該当する料理は、主たるおかずとなる肉料理302であるため、そのイラスト画像を利用者が選択した時点で、図4に示されるように正解マークが付与・表示され、同時に案内役キャラクタ401が正解した理由を解説している。
【0043】
同様に、他の料理区分についてもガイダンスが行われることによって、利用者が料理区分の知識を習得出来るようにしている。
【0044】
図5は、料理区分を既に分類した後に、食材区分毎の食事量を判断する考え方をガイダンスする画面を示している。図5では、案内役キャラクタ501によって、実際の食事内容が『お茶碗に軽く1杯のご飯を食べた場合』と指定されているため、画面表示部の上側(画面表示部101)には、ご飯のイラスト画像が表示され、食事量が食事バランスガイドに準拠した単位を有した「1つ」であることが示されている。
【0045】
図6では、案内役キャラクタ601によって、食パン一切れが「1つ」、ざるそばが「2つ」であることを表しており、画面表示部の上側(画面表示部101)では、具体的な食事イラスト画像と共に対応する食事量を示している。同様に他の料理区分における食材区分の選択および食事量の判断する実際例についてガイダンスが実施される。食事登録を学習するためのガイダンスが終了した以降は、簡単食事入力機能が利用出来る。
【0046】
ここより、簡単食事入力における画面を解説する。図7は簡単食事入力において、食事を行った時間帯を選択する画面を示している。食事時間帯(朝食・昼食・夕食・間食)を示す複数のボタン701のうち一つを選択することにより、食事を行った時間帯を選択出来る。ボタン702(図7において「レベル設定」と表記されているボタン)を選択することにより、食事登録方式が、簡単食事入力か詳細食事入力のいずれか一方である画面に遷移することが出来る。また、ボタン703(図7において「評価」と表記されているボタン)を選択することにより、食事内容をカロリー換算したグラフを表示する評価画面に遷移することが出来る。
【0047】
図8は簡単食事入力において、図7の画面で選択された食事時間帯の食事の食材区分を選択する画面を示している。画面では、料理区分が主食となる食材区分の「ごはん」「パン」「麺類」が例示されている。利用者は、これらの中からいずれかが実際に食事内容と一致していれば「はい」を選択し、無ければ「いいえ」を選択することで、平易に食事を登録することが出来る。引き続き、同様に、他の料理区分の食材区分が表示される画面に切り替わる。
【0048】
図9は、料理区分が主菜となる場合の食材区分を表示する画面を示している。利用者は、各料理区分で表示される食材区分のうち、食事内容に該当する場合に「はい」を選択する。画面には、肉料理の例としてトンカツの写真画像を、魚料理の例として焼き魚の写真画像を、卵料理の例として目玉焼きの写真画像を、それぞれ例示している。以下、副菜、乳製品、果物の各食材区分においても同様に、利用者が摂取したか否かの確認を進めていく。
【0049】
図10は、簡単食事入力において摂取した食事内容に該当する料理区分を登録した結果を集計した、食事確認画面を示している。この画面において、先に登録済みの料理区分の選択を改めて変更することも出来る。決定ボタンを選択することにより、図7の画面で選択した食事時間帯における食事記録が登録される。
【0050】
図11は食事登録方式を切り換える画面を示している。利用者が簡単食事入力を用いた食事記録を継続することによって、食事記録方式で扱う思考方法を利用者自身が習得したと判断した時点で、食事登録方式を切り換えることが出来る。案内役キャラクタ1101が現在選択されている食事登録方法を画面上に通知する。利用者は、ボタン1102(簡単登録),1103(詳細登録)のいずれかを選択して食事登録方法を切り替えることが出来る。
【0051】
上記の詳細食事入力においては、食事記録を行う利用者が食事内容を料理区分に分類した上で、各料理区分の食材区分ごとの食事量を記録することが出来る。簡単食事入力では食材区分の記録は行わないが、詳細食事入力では食材区分の食事量を記録するために、食事のエネルギー量を算出することが出来、料理区分毎のエネルギー量として集計することが出来る。
【0052】
ここより、詳細食事入力における画面を解説する。図12は詳細食事入力において食事時間帯を選択する画面を示している。画面構成および選択内容は、簡単食事入力と同様であり、食事時間帯を示す複数のボタン1201で時間帯を選択出来る。ボタン1202(「レベル設定」と表記されているボタン)を選択することにより、食事登録方式を切り換える画面に遷移する。ボタン1203(「評価」と表記されているボタン)を選択することにより、食事内容をカロリー換算したグラフを表示する評価画面に遷移する。
【0053】
図13は詳細食事入力において、記録する食事内容を、料理区分ごとにその食事量を登録し、かつエネルギー量を算出して表示する画面を示している。食事内容の食事量とエネルギー量の登録は、食事内容に該当する料理区分ごとの食材区分の食事量を設定する方法、および登録済みの料理リストから登録する方法の2つがある。
【0054】
食事内容の食事量とエネルギー量の登録の上記1つの方法は、画面中の任意の料理区分名の部分を選択することにより、選択料理区分に登録されている食材区分を表示する画面に遷移する。例えば、料理区分が「副菜」の食材区分を表示するためには、図13での1303(「副菜」と表示されているアイコン)を選択する。すると、続く図14に示されるように、料理区分が副菜の食材区分である野菜・きのこ・芋・海藻が表示される。そうして、各食材区分に対して、食事量である「つ(SV)」を登録することが出来る。例えば、「きのこ」の食事量に「2つ(SV)」を登録する際には、食事項目がきのこの行の白丸を2つ選択することで、2つを赤丸に反転させる。該当する食材区分に目安量を登録した時点で決定ボタン1402を押せば、登録が終了する。
【0055】
食事内容の食事量とエネルギー量の登録の上記もう1つの方法は、登録済みの料理リストから登録する方法である。図13において、料理検索ボタン1301を選択することにより、図16で示される料理検索画面が表示される。料理をカテゴリから検索する場合、ボタン1601を選択することによりカテゴリ検索画面が表示される。料理をキーワードから検索する場合、ボタン1602を選択することによりキーワード検索画面が表示される。
【0056】
図17は料理をカテゴリから検索する画面を示している。カテゴリは画面表示部の下側(画面表示部102)に1701に示されるように列挙され、いずれかのカテゴリを選択した時点で、カテゴリ内の料理がすべて抽出されて検索料理表示画面に表示される。
【0057】
図18は料理をキーワード検索する画面を示している。画面表示部102に表示された文字登録領域1802にキーワードを記入し、検索を実行すれば、画面表示部101に表示された検索結果件数表示領域1801に検索件数が表示される。検索件数が妥当であれば決定ボタン1803を押すことにより、検索された料理が検索料理表示画面に表示される。
【0058】
図19は検索された料理を表示する画面を示している。上記カテゴリ検索またはキーワード検索された結果は、リスト表示領域1901に一覧表示される。リストから選択した料理の詳細情報は、画面表示部上側1902に料理名称・栄養価・料理画像・エネルギー量として表示される。図19では、天丼を例示している。食事内容に合致した料理が見つかった場合、該当する料理をリストで選択して決定ボタン1903を押すことで、詳細食事入力画面に戻る。この表示機能により、利用者が摂取した食事を肉眼で視覚的に確認できるため、料理の登録間違いを格段に減らすことが期待出来る。リスト内に見つからない場合は、戻るボタン1904を押せば、もとの検索画面に戻る。検索して決定された料理の詳細情報に基づいて料理区分の食事量とエネルギー量が図13に表示される。このように、直接に個々の料理区分を選択して食事量を変更することが出来る。
【0059】
図13においてボタン1304(「目安表示」と表記されているボタン)を選択することにより、飲料・嗜好食品・菓子などの間色的な色合いの強い食事の有無を記録する画面である図15に遷移する。図15は食事の目安表を示している。画面表示部の下側1501の領域に、飲料・嗜好食品・菓子などの名称がリスト表示される。実際の食事内容に合致する項目を選択すれば、マーク(塗りつぶした丸印)となる。決定ボタン1502を押すことで選択された項目が確定する。
【0060】
詳細食事入力を行った場合、登録された食事記録には「料理区分毎の食事量」と「エネルギー量」が自働的に算出されている。その値をもとに食事評価を行うことが出来る。図13においてボタン1302を選択することにより食事内容の登録が確定し、食事評価画面である図20に遷移する。
【0061】
図20で示されるように、食事評価画面では、食事時間帯ごとのエネルギー量を料理区分で色分けた形式でグラフ表示する。このように、料理区分ごとのエネルギー表示を行うことにより、食事バランスが視覚的に把握することが出来る。詳細食事入力画面で確定された食事記録に基づいて、エネルギー換算グラフ2001が表示される。料理区分ごとの食事量からエネルギー換算値を求めるために、本発明のシステムでは、図21に示されるカロリー換算表を組み込んでおき、換算することが出来る。
【0062】
本発明のシステムは、料理区分ごとに、図22に示されるように摂取目標量を予め登録している。その登録情報に基づき、図20において摂取目標量に従ったエネルギー換算グラフ2002を表示する。これによって実際の食事内容(2001)と目標値(2002)との比較を視覚的に行うことが出来る。また、画面表示部の下側2004から任意の時間帯を選択すれば、指定した時間帯のエネルギー換算グラフに切り替わる。図20に示すように、朝食・昼食・夕食の三食だけでなく、日毎・週毎・月毎などの長スパンでの表示も可能となる。
【0063】
食事記録を開始する前に、食事記録を行う本人の身長・年齢・性別・生活強度などの情報について登録を行う。その登録情報に基づき、その本人に対する適正エネルギー摂取量を算出する。適正体重は、世界標準であるBMI値(Body Mass
Index)から得られる計算式:適正体重(Kg)=身長(m)×身長(m)×22から算出される。例えば、身長165cmの人の場合、適正体重=1.65×1.65×22≒60(kg)となる。
【0064】
次に、図23が示すように生活強度と年齢の組み合わせより、適正体重1kg当たりの必要エネルギーが求められる。よって、適正エネルギー摂取量は、計算式:適正エネルギー摂取量(Kcal)=自分の適正体重(Kg)×体重1Kg当たりのKcalから算出される。例えば、身長165cmで年齢30歳、生活強度が軽労働(やや低い)に該当する場合、適正エネルギー摂取量=60×27.5=1650(Kcal)となる。
【0065】
図20において評価ボタン2005を選択することにより、図24に示されるように評価コメント画面が表示される。例えば、図24においては、実際の食事内容(図20における2001に相当)と目標値(図20における2002に相当)との比較結果に対して、実際の食事内容が目標値に対して高い(過剰にカロリーを摂取している)点を指摘している。それら評価コメントは、例えば図25に例示するような判定ロジックに従って表示される。また、食事記録を行った利用者は、詳細食事入力を一定期間行った後に、登録済みの食事記録に対して評価を行うことも出来る。
【0066】
また、本発明のシステムでは、図26に示されるように詳細食事入力を完了した時点で、食務質問(食事に関する質問の意味)画面が表示され、食事を記録する利用者が食事後に質疑応答することにより、食事内容に対して自己チェックを行うことが出来る。ここで質問される内容は、図28で示されるような質問グループと質問事項で構成される。これらの質問内容は、食事管理の専門家(管理栄養士、医師など)により事前に設定して記憶させてある質問事項からなるが、もちろん、食事管理の専門家が食事を記録する利用者に対して知り得たい事項へ、必要に応じて編集しておくことも出来る。本発明においては、網羅的な質疑を埋め込むという構成により、例えば「食べ過ぎた」という漠然とした観念だけでなく、利用者自身も気付いていない詳細な食事行動を見出し、利用者本人に、それら要因へ対する改善行動へ取り組ませることが期待できる。
【0067】
また、自由登録が「あり」と設定されている場合、図27に示されるように質疑応答後に自由登録による回答を要求する画面が表示される。その自由登録による回答内容も、システム内に記憶され、食事管理の専門家が後に閲覧して、利用者へ適切な助言と指導を与えることが出来る。
【0068】
以上のような食事記録を継続することにより、食事記録を実施する本人自身による食事目標管理を、平易かつ快適に行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に関わるシステムを実現するための情報端末装置の構成の一例である。
【図2】本発明に関わる食事バランスガイドを元にした料理区分と食材区分を示す一覧である。
【図3】本発明に関わる料理区分を判断する考え方をガイダンスする画面における質問画面である。
【図4】本発明に関わる料理区分を判断する考え方をガイダンスする画面における回答画面である。
【図5】本発明に関わる、料理区分を既に分類した後に食材区分毎の食事量を判断する考え方をガイダンスする画面である。
【図6】本発明に関わる、食材区分毎の食事量を判断する、また別の考え方をガイダンスする画面である。
【図7】本発明に関わる簡単食事入力において、食事の時間帯を選択する画面である。
【図8】本発明に関わる簡単食事入力において、選択された食事時間帯の食事の食材区分を選択する画面である。
【図9】本発明に関わる簡単食事入力において、料理区分が主菜となる場合の食材区分を表示する画面である。
【図10】本発明に関わる簡単食事入力において、摂取した食事内容に該当する料理区分を登録した結果を集計した食事確認画面である。
【図11】本発明に関わる食事登録方式を切り換える画面である。
【図12】本発明に関わる詳細食事入力において、食事の時間帯を選択する画面である。
【図13】本発明に関わる詳細食事入力において、記録する食事内容を料理区分ごとにその食事量を登録し、かつエネルギー量を算出して表示する画面である。
【図14】本発明に関わる詳細食事入力において、料理区分を副菜と分類した後に、副菜の食材区分を選択する画面である。
【図15】その他の料理区分を摂取したか否かを記録する画面である。
【図16】本発明に関わる料理検索の開始画面である。
【図17】料理をカテゴリから検索する画面である。
【図18】料理をキーワードから検索する画面である。
【図19】検索された料理を表示する画面である。
【図20】本発明に関わる食事評価において、食事内容の登録が確定した際の食事評価画面である。
【図21】本発明に関わる食事評価において用いられるカロリー換算表の一例である。
【図22】本発明に関わる食事評価において用いられる料理区分別の摂取目標量の一例である。
【図23】本発明に関わる食事評価において用いられる生活強度と年齢との組み合わせを示す一例である。
【図24】本発明における、実際の食事内容に対する評価コメント画面である。
【図25】本発明における、評価コメントの元となる判定ロジックの一例である。
【図26】本発明に関わる食事評価において、食務質問(食事に関する質問の意味)の画面である。
【図27】本発明に関わる食事評価において、食事内容に対する自由登録による自己チェック入力画面である。
【図28】本発明に関わる食事評価において、食務質問の元となる質問グループと質問事項の一例である。
【符号の説明】
【0070】
100:情報端末本体
101:画面表示部
102:画面表示部
103:プログラム保存部
104:専用ペン
105:操作部
106:ボタン群
301,401,501,601,1101:案内役キャラクタ
1102:簡単登録ボタン
1103:詳細登録ボタン
1201:食事時間帯を示す複数のボタン
1202:食事登録方式を切り替えるためのボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食事内容を記録データとして登録することにより、摂取エネルギー値および栄養バランス状況を集計するための食事記録システムにおいて、
表示装置と、
前記表示装置内に食事内容登録画面を含む所定の登録画面を表示する表示登録手段と、を備え、
前記表示登録手段において画面表示が制御されることで、食事内容登録画面で登録される食事記録が、食材ではなく、調理された後の料理情報が登録されることを特徴とする、食事記録システム。
【請求項2】
記録データが、料理区分に食材区分を加えた目安であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の食事記録システム。
【請求項3】
調理された料理から、利用者が料理区分と食材区分を識別出来るように学習するための練習モードを有する、特許請求の範囲第2項に記載の食事記録システム。
【請求項4】
利用者が料理区分を識別できるようになった後に、食材区分を判断できるように、段階的な学習をするための練習モードを有する、特許請求の範囲第3項に記載の食事記録システム。
【請求項5】
食事内容登録画面において、食事量とエネルギー量を登録する際に、画面中に表示される任意の料理区分名の部分を利用者が選択することにより、選択料理区分に登録されている食材区分が表示されることを特徴とする、特許請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の食事記録システム。
【請求項6】
食事内容登録画面において、食事量とエネルギー量を登録する際に、画面中に表示されるシステム登録済みの料理リストから利用者が選択することを特徴とする、特許請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の食事記録システム。
【請求項7】
利用者が登録し終えた結果から算出される実際の食事内容と、利用者自身の目標値とを同一画面上に列記し、両者の比較を視覚的に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載の食事管理システム。
【請求項8】
食事管理の専門家による質問事項の設定を事前に記憶し、食事を記録する利用者が食事後に質疑応答することにより、食事内容に対して自己チェックを行うことの出来る、特許請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の食事記録システム。
【請求項1】
食事内容を記録データとして登録することにより、摂取エネルギー値および栄養バランス状況を集計するための食事記録システムにおいて、
表示装置と、
前記表示装置内に食事内容登録画面を含む所定の登録画面を表示する表示登録手段と、を備え、
前記表示登録手段において画面表示が制御されることで、食事内容登録画面で登録される食事記録が、食材ではなく、調理された後の料理情報が登録されることを特徴とする、食事記録システム。
【請求項2】
記録データが、料理区分に食材区分を加えた目安であることを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の食事記録システム。
【請求項3】
調理された料理から、利用者が料理区分と食材区分を識別出来るように学習するための練習モードを有する、特許請求の範囲第2項に記載の食事記録システム。
【請求項4】
利用者が料理区分を識別できるようになった後に、食材区分を判断できるように、段階的な学習をするための練習モードを有する、特許請求の範囲第3項に記載の食事記録システム。
【請求項5】
食事内容登録画面において、食事量とエネルギー量を登録する際に、画面中に表示される任意の料理区分名の部分を利用者が選択することにより、選択料理区分に登録されている食材区分が表示されることを特徴とする、特許請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の食事記録システム。
【請求項6】
食事内容登録画面において、食事量とエネルギー量を登録する際に、画面中に表示されるシステム登録済みの料理リストから利用者が選択することを特徴とする、特許請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の食事記録システム。
【請求項7】
利用者が登録し終えた結果から算出される実際の食事内容と、利用者自身の目標値とを同一画面上に列記し、両者の比較を視覚的に行うことを特徴とする、特許請求の範囲第1〜6項のいずれかに記載の食事管理システム。
【請求項8】
食事管理の専門家による質問事項の設定を事前に記憶し、食事を記録する利用者が食事後に質疑応答することにより、食事内容に対して自己チェックを行うことの出来る、特許請求の範囲第1〜7項のいずれかに記載の食事記録システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
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【図14】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2009−282722(P2009−282722A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133705(P2008−133705)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
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