説明

食品の製造方法

【課題】苦味の発生を押さえて、果実が持っている本来のフレッシュ感を有し、加熱によるタールの発生を極力押さえた低カロリーのジャム、ソース、ジュースの製造方法を提供する。
【解決手段】糖分と果肉などの焦の微小塊が、完成前のジャム、ソース、ジュースの液に極力混ざり込まないうちに、ジャム、ソース、ジュースの液への加熱を終了する。よって、煮るジャム、ソース、ジュースの液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時にジャム、ソース、ジュースの液への加熱工程を終える。加熱工程を終了してから、果実などを刻む。果実などの刻み工程は鍋など調理器の中でおこない、果実などの刻み工程によって発生した果汁は全て完成前のジャム、ソース、ジュースの液の中に入るようにする。ここで発生する果汁は滅菌してあるので、新たに加熱する必要はない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャム、ソース、ジュースなどの食品の製造方法に関する技術分野である。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ、イチゴ、ブドウ、コケモモ、柑橘類などの様々な果実を使って、数多くの国で、商業ベースおよび一般家庭において、様々なジャム、ソース、ジュースなどの食品が製造されている。
【0003】
ジャム、ソース、ジュースなどの食品の製造は、主にとろ火で長い時間、十数分間から数十分間、長いときは数時間、完成前の果実などを煮詰めている。
【0004】
様々な果実などを鍋など調理器の中でとろ火で煮詰めることで、完成前の果実などの液の水分が鍋底で気泡になる。この時、発生する気泡の底側と鍋底との間で、完成前の果実などの液の糖分と果肉などが焦げて、焦げの微小塊になる。
【0005】
その糖分と果肉などの焦げの微小塊が鍋底に付着しなくとも、糖分と果肉などの焦げの微小塊が苦味となって完成前のジャム、ソース、ジュースなどの液に混ざり込んでしまう。ゆえに、ジャム、ソース、ジュースなどの液に混ざり込んだ糖分と果肉などの焦げの微小塊で独特の風味が作られる。
【0006】
完成前の果実などの液を煮詰め続けることで、糖分と果肉などの焦げの微小塊は果実などの液の中に増え続け、果実などの液は飴色になり、糖分と果肉などの焦げの微小塊の増加が果実などの液の苦味の上昇の原因となる。
【0007】
糖分と果肉などを焦げの微小塊に変えることで、糖分と果肉など甘味や旨みから苦味に変えてしまう。よって、甘味や旨みが減少し、苦味が上昇してしまう。苦味を押さえ、甘味を増やすため、糖類を余計に加えなければならなく、高カロリー食品になってしまう。生の果実は本来フレッシュ感の溢れる食べ物であるが、糖分と果肉などの焦げの微小塊が果実本来のフレッシュ感をなくした食べ物のジャム、ソース、ジュースなどの食品にしてしまう。
【0008】
ここでの糖分は、果実の糖分のほかに、食品の製造中に加えられた糖類も含むものである。
【0009】
糖分と果肉などの焦げの微小塊の成分は主にタールで、この焦げの微小塊を食することで、癌の発生率が高くなることは周知のことである。従来のジャム、ソース、ジュースなどは、食して癌の発生率が高くなる危険な食品である。
【0010】
果実を爼板などの上で刻むため、ジャム、ソース、ジュースなどの作りに重要な果汁が爼板などに付着してしまう。たとえ、爼板などに付着した果汁をうまく回収しても、鍋などの調理器の中に入れて加熱すると、その果汁は本来の風味をなくし、果実本来のフレッシュ感をなくしてしまう。
【0011】
高くとも75℃の温度で加熱することを特徴とし、殺菌のために高くとも75℃、即ち75℃以下の温度で加熱する(例えば、特許文献1参照。)。また、平均昇温速度1〜12℃/分で55〜75℃まで加熱する加熱処理する(例えば、特許文献2参照。)。ここで、ジャムなどを75℃以下の温度で加熱して、腸管出血性大腸菌O−157の食中毒を防ぐ事が出来るでしょうか。不十分と考えるのが妥当ではないかと思います。
【0012】
1997年4月に、文部省体育局長名で、「腸管出血性大腸菌O−157発生状況を踏まえた食中毒発生の防止等について」、「学校給食における衛生管理の改善充実及び食中毒発生の防止について」という通知が出ました。これまでの衛生管理関係通知通達をまとめる形で、「学校給食衛生管理の基準」が出されました。
【0013】
「学校給食衛生管理の基準」には、加熱調理を行ったときには、中心温度計を使い、3点を計り、中心温度が75℃以上になり、それが1分以上加熱されているかどうか確かめることが求められ、学校給食の調理現場で行われています。
【0014】
腸管出血性大腸菌O−157の食中毒で死者が出た、大阪市や堺市などではこの基準を忠実に守り、ジャムも中心温度計を使い、3点を計り、中心温度が75℃以上になり、それを1分以上加熱していました。当然、中心温度計の誤作動等もあるので、完全に安全な学校給食を作るため、全ての学校給食の調理現場では、基準以上の加熱をしてます。ここで、文部省は腸管出血性大腸菌O−157の食中毒を防ぐため、中心温度が約80℃以上になり、それが2分以上持続すると指導してます。ゆえに、特許文献1.特開平11−243877号公報および特許文献2.特開2002−045127号公報の加熱は不適切と考えられます。
【0015】
加熱処理をおこなったのち、これに甘味糖類を加えて撹拌混合して得たジャム類やソース類が、果実類固有の風味、特に芳香が冴えた生の状態のまま保持されていることを知り、この知見に基づいて本発明を完成した(例えば、特許文献2参照。)。および、残りの配合組成物(クエン酸、ペクチン、砂糖)を加えて撹拌溶解した、または、残りの配合組成物(砂糖)を加えて撹拌溶解した(例えば、特許文献2参照。)。ここで、広辞苑で『撹拌』をひくと、『かきまわすこと。かきまぜること。』と、説明されてます。広辞苑で『混合』をひくと、『まじりあうこと。まぜあわせること。』と、説明されてます。ゆえに、『撹拌混合』とは、『かきまわし、かきまぜ、まぜあわせること。』と、解釈するのが正しいと考えられる。よって、「…甘味糖類を加えてかきまわし、かきまぜ、まぜあわせる…」と解釈するのが正しいと考えられる。また、広辞苑で『溶解』をひくと、『とけること。とかすこと。物質が液体中にとけて均一な液体となる現象』と、説明されてます。よって、『撹拌溶解』とは、『かきまわし、かきまぜて、とかすこと。』と、解釈するのが正しいと考えられる。果実を含め、残りの配合組成物とも溶解してしまう。または、残りの配合組成物を溶解してしまう。どちらか明らかでないが、『かきまわし、かきまぜて、とかすこと。』と、解釈するのが正しいと考えられる。果実を含め、残りの配合組成物とも溶解してしまうのであれば、溶解であるので、果肉片などは存在しない。このジャムやソースは糊状(ペースト状)のジャムやソースになる。残りの配合組成物を溶解してしまうのであれば、果実を刻んでいない。果実を刻んでいないのであれば、果実ソースは作れない。よって、特許文献2.特開2002−045127号公報において、『撹拌混合』と『撹拌溶解』は、通常の糊状(ペースト状)の果実ジャムや果実ソースを作るための工程と考えるのが妥当であろう。
【0016】
【特許文献1】 特開平11−243877号公報
【特許文献2】 特開2002−045127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
苦味の発生を押さえて、低カロリーのジャム、ソース、ジュースなどの食品を作る。
【0018】
果実が持っている本来のフレッシュ感のあるジャム、ソース、ジュースなどの食品を作る。糊状(ペースト状)のジャム、ソース、ジュースなどの食品でなく、果汁をたっぷり含んだ果実片が混じったジャム、ソース、ジュースなどの食品を作る。
【0019】
ジャム、ソース、ジュースなどの食品を作る工程で、食すると癌の発生率が高くなるタールの発生を極力押さえ、人が食しても健康の害にならないジャム、ソース、ジュースなどの食品を作る。
【0020】
「学校給食衛生管理の基準」において、文部省が腸管出血性大腸菌O−157の食中毒を防ぐため指導している、食品の温度が約80℃以上が2分以上持続する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
人が食して有害な菌は、健康な果肉や花托にはほとんど存在せず、ジャム、ソース、ジュースなどの食品への加熱は、果肉や花托などの周囲の有害な菌を滅菌するだけの温度と時間を与えれば良い。これ以上の加熱を続けると果肉や花托などの本来の風味をなくしてしまう。
【0022】
糖分と果肉などの焦の微小塊が完成前のジャム、ソース、ジュースなどの食品の液に極力混ざり込まないうちに、ジャム、ソース、ジュースなどの食品の液への加熱を終了する。
【0023】
完成前のジャム、ソース、ジュースなどの食品の液への加熱工程を終了してから、果実などの刻み工程をする。果実などの刻み工程は鍋など調理器の中でおこない、果実などの刻み工程によって発生した果汁は全て完成前のジャム、ソース、ジュースなどの食品の液の中に入るようにする。ここで発生する果汁は滅菌してあるので、新たに加熱する必要はない。また、新たに加熱すると、刻み工程によって発生した果汁がフレッシュ感をなくしてしまう。
【0024】
果実などはできるだけ刻まないで、鍋などの調理器の中に入れて加熱してジャム、ソース、ジュースなどを作る。ただし、果核や果皮を取り除く必要があるときは、果核や果皮を取り除いてから鍋などの調理器の中に入れて加熱してジャム、ソース、ジュースなどの食品を作る。
【0025】
ジャム、ソース、ジュースなどの食品の製造工程において、ジャム、ソース、ジュースなどの食品を作る為に加えた糖と、元から果物がもっている糖と、両方の糖が水に溶けているため、水と比べるとジャム、ソース、ジュースなどの液の粘度は高く、流動性が悪いので、食品の製造工程のときに加熱によって生じる一番初めの気泡の発生は、小さい気泡であるが気泡群として発生し、現象としてはっきり強く現れる。つまり、目に障害の無い人なら簡単に、一番初めの気泡群の発生を確認することが出来るのである。
【0026】
ジャム、ソース、ジュースなどの食品の製造工程において、加熱中に果肉と果皮を含んだ液を撹拌しなかった場合を表1に示し、加熱中に液を撹拌した場合を表2に示す。製造場所,栃木県栃木市大宮町2584番地。製造日月,2005年5月11日から2005年5月14日。高度,約53m。果実と果皮を含んだ液への加熱時間である、一番初めの気泡群の発生を確認できた時間。一番初めの気泡群の発生を確認時の液の温度。リンゴ果肉と果皮とを片に刻んだ時間。加熱終了2分後の液の温度。などについて、調べた。
【0027】
つがるリンゴを洗浄し、つがるリンゴの果核を取り除き、果皮と果肉とで1kgのつがるリンゴを容量3lのステンレス製の鍋の中に入れ、つがるリンゴの果皮と果肉の周囲に300gの砂糖を絡めて、24時間放置した後、150mlの水を鍋の中に入れ、その鍋をガスレンジの上に載せ、その鍋をとろ火にて加熱した。果肉などを含んだ煮る液から一番初めの気泡群の発生を確認すると、即時に果肉などを含んだ液へ加熱を終了した。加熱中は果肉などを含んだ液を撹拌しなかった。加熱後のつがるリンゴの果皮と果肉の形は加熱前のつがるリンゴの果皮と果肉の形とほぼ同じであったので、加熱工程を終了直後、つがるリンゴを煮た鍋の中でつがるリンゴの果肉と果皮とをステンレス製のナイフにて片に刻んだ。
【0028】
【表1】

【0029】
つがるリンゴを洗浄し、つがるリンゴの果核を取り除き、果皮と果肉とで1kgのつがるリンゴを容量3lのステンレス製の鍋の中に入れ、つがるリンゴの果皮と果肉の周囲に300gの砂糖を絡めて、24時間放置した後、150mlの水を鍋の中に入れ、その鍋をガスレンジの上に載せ、その鍋をとろ火にて加熱した。果肉などを含んだ煮る液から一番初めの気泡群の発生を確認すると、即時に果肉などを含んだ液へ過熱を終了した。加熱中は果肉などを含んだ液を撹拌した。撹拌は、ヘラで鍋の壁面や底面を二秒間につき約一回転した。液を撹拌したが、加熱後のつがるリンゴの果皮と果肉の形は加熱前のつがるリンゴの果皮と果肉の形とほぼ同じであったので、加熱工程を終了直後、つがるリンゴを煮た鍋の中でつがるリンゴ果肉と果皮とをステンレス製のナイフにて片に刻んだ。
【0030】
【表2】

【0031】
煮る果肉などを含んだ液から一番初めの気泡群の発生を確認できた時の果肉などを含んだ液の温度は、加熱中に果肉などを含んだ液を撹拌の無い場合は約94℃で、加熱中に果肉などを含んだ液を撹拌の有る場合は約96℃です。加熱終了2分後の果肉などを含んだ液の温度は、加熱中に果肉などを含んだ液を撹拌の無い場合は約90℃で、加熱中に果肉などを含んだ液を撹拌の有る場合は約92℃です。
【0032】
ここで、水の沸点と高度について説明致します。高度が100m高くなるにつれて、気圧はおよそ10hPa低くなります。気圧が1hPa下がると、沸点は約0.027℃下がります。よって、高度3000mの高地では、 気圧が300hPa低くなり、0.027×300=8.1より、沸点は100℃から8.1℃低い、91.9℃となります。また、富士山頂の高度が3776mであるので、気圧が378hPa低くなり、0.027×378=10.2より、沸点は100℃から10.2℃低い、89.8℃となります。これらの高地で、ジャム、ソース、ジュースなどを作ったことは無いが、単純に、水の沸点が約10℃下がった、約90℃とすると、ジャム、ソース、ジュースなどを煮る液から一番初めの気泡群の発生を確認時の液の温度も、約10℃下がると考えられる。ジャム、ソース、ジュースなどを煮る液から一番初めの気泡群の発生を確認時の液の温度は、加熱中にジャム、ソース、ジュースなどを煮る液を撹拌の無い場合は約84℃で、加熱中にジャム、ソース、ジュースなどを煮る液を撹拌の有る場合は約86℃と予想できる。加熱終了2分後の液の温度も、加熱中にジャム、ソース、ジュースなどを煮る液を撹拌の無い場合は約80℃で、加熱中にジャム、ソース、ジュースなどを煮る液を撹拌の有る場合は約82℃と予想できる。
【0033】
このように気圧によって、煮るジャム、ソース、ジュースなどの液から一番初めの気泡群の発生を確認できた時のジャム、ソース、ジュースなどの液の温度は、加熱中にジャム、ソース、ジュースなどの液を撹拌の無い場合は約94℃から約84℃である。加熱中にジャム、ソース、ジュースなどの液を撹拌の有る場合は約96℃から約86℃である。加熱終了2分後のジャム、ソース、ジュースなどの液の温度は、加熱中にジャム、ソース、ジュースなどの液を撹拌の無い場合は約90℃から約80℃で、加熱中にジャム、ソース、ジュースなどの液を撹拌の有る場合は約92℃から約82℃である。
【0034】
水の沸点が気圧によって左右されます。本発明において、煮るジャム、ソース、ジュースなどの液から一番初めの気泡群の発生を確認する温度も気圧によって左右されます。ジャム、ソース、ジュースなどを作る工程において、いちいち温度を計測するのに手間がかかり面倒であり、ジャム、ソース、ジュースなどを作る工程の邪魔になるで、ジャム、ソース、ジュースなどを作る工程の温度をあえて何度と特定せず、煮るジャム、ソース、ジュースなどの食品の液から「一番初めの気泡群の発生を確認する」と特定するのである。
【発明の効果】
【0035】
煮るジャム、ソース、ジュースなどの液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時にジャム、ソース、ジュースなどの液への加熱工程を終えるので、果肉や果汁の甘味や旨みが温存される。よって、加える糖類は少なくてすむので、低カロリーのジャム、ソース、ジュースなどが作れ、ジャム、ソース、ジュースなどの食品に果実本来のフレッシュ感が残るのである。
【0036】
癌の発生率を上げるタールの発生を極力押さえてるので、食しても非常に安全な食品である。
【0037】
完成前のジャム、ソース、ジュースなどの液への加熱工程を終了してから、果実などの刻み工程は鍋など調理器の中でおこない、果実などの刻み工程によって発生した果汁は全て完成前のジャム液などの中に入るようにし、果実などの刻み工程によって発生した果汁に、新たに加熱しない。よって、完成したジャム、ソース、ジュースなどにはフレッシュ感が残る。果実などの刻み工程によって、果汁をたっぷり含んだ果実片が混じったジャム、ソース、ジュースなどの食品ができるのである。
【0038】
本発明は、表1および表2で説明致しましたように、一番初めの気泡群の発生の時のジャム、ソース、ジュースなどの液の温度は90℃以上である。気泡の発生を確認すると即時にジャム、ソース、ジュースなどへの加熱を終了します。加熱終了2分後のジャム、ソース、ジュースなどの液の温度は85℃以上である。ジャム、ソース、ジュースなどの液の温度は85℃以上が2分以上続くのである。
【0039】
3000m以上の高地でも、煮るジャム、ソース、ジュースなどの液から一番初めの気泡群の発生を確認時のジャム、ソース、ジュースなどの液の温度は、加熱中にジャム、ソース、ジュースなどの液を撹拌の無い場合は約84℃と予想できる。加熱中にジャム、ソース、ジュースなどの液を撹拌の有る場合は約86℃と予想できる。加熱終了2分後のジャム、ソース、ジュースなどの液の温度も、加熱中にジャム、ソース、ジュースなどの液を撹拌の無い場合は約80℃と予想できる。加熱中にジャム、ソース、ジュースなどの液を撹拌の有る場合は約82℃と予想できる。よって、本発明が解決しようとする課題である、ジャム、ソース、ジュースなど食品の温度は約80℃以上が2分間以上続くのである。
【0040】
「学校給食衛生管理の基準」において、文部省が腸管出血性大腸菌O−157の食中毒を防ぐために指導している、ジャム、ソース、ジュースなどの液の温度が約80℃以上になり、それが2分以上持続することができます。
【発明の実施するための最良の形態】
【0041】
発明の実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1において、果実を洗浄し、果皮と果核を取り除き、果肉を調理器の中に入れ、調理器を加熱し、煮る果肉を含む液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に果肉を含む液への加熱を終了し、果肉を煮る加熱工程が終了してから、果肉を煮た調理器の中で、煮た果肉を刻んで片にする、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【0042】
図2において、果実を洗浄し、果核を取り除き、果肉と果皮を調理器の中に入れ、調理器を加熱し、煮る果肉と果皮を含む液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に果肉と果皮を含む液への加熱を終了し、果肉と果皮を煮る加熱工程が終了してから、果肉と果皮を煮た調理器の中で、煮た果肉と果皮を刻んで片にする、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【0043】
図3において、果実を洗浄し、果実を調理器の中に入れ、調理器を加熱し、煮る果実を含む液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に果実を含む液への加熱を終了し、果実を煮る加熱工程が終了してから、果実を煮た調理器の中で、煮た果実を刻んで片にする、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【0044】
図4において、果実が偽果で花托が発達したものでは、花托を洗浄し、花托を調理器の中に入れ、調理器を加熱し、煮る花托を含む液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に花托を含む液への加熱を終了し、花托を煮る加熱工程が終了してから、花托を煮た調理器の中で、煮た花托を刻んで片にする、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【実施例1】
【0045】
発明の実施例を図面参照して説明する。
図1において、白桃を洗浄し、白桃の果皮と果核を取り除き、果肉1kgの白桃を容量3lのステンレス製の鍋の中に入れ、白桃果肉に80gの砂糖を絡めて、6時間放置した後、100mlの水を鍋の中に入れ、その鍋をガスレンジの上に載せ、その鍋をとろ火にて加熱する。白桃ジャムを煮る加熱工程において、煮る白桃ジャム液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に白桃ジャム液への加熱を終了し、白桃ジャムを煮る加熱工程が終了してから、白桃ジャムを煮た鍋の中で白桃果肉をステンレス製のナイフにて片に刻んだ、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【実施例2】
【0046】
図1において、ナシの長十郎を洗浄し、長十郎の果皮と果核を取り除き、果肉1kgの長十郎を容量3lのステンレス製の鍋の中に入れ、長十郎果肉に100gの砂糖を絡めて、12時間放置した後、150mlの水を鍋の中に入れ、その鍋をガスレンジの上に載せ、その鍋をとろ火にて加熱する。長十郎ジャムを煮る加熱工程において、煮る長十郎ジャム液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に長十郎ジャム液への加熱を終了し、長十郎ジャムを煮る加熱工程が終了してから、長十郎ジャムを煮た鍋の中で長十郎果肉をステンレス製のナイフにて片に刻んだ、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【実施例3】
【0047】
図2において、つがるリンゴを洗浄し、つがるリンゴの果核を取り除き、果肉と果皮とで1kgのつがるリンゴを容量3lのステンレス製の鍋の中に入れ、つがるリンゴの果肉と果皮の周囲に300gの砂糖を絡めて、24時間放置した後、150mlの水を鍋の中に入れ、その鍋をガスレンジの上に載せ、その鍋をとろ火にて加熱する。つがるリンゴソースを煮る加熱工程において、煮るつがるリンゴソース液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時につがるリンゴソース液への加熱を終了し、つがるリンゴソースを煮る加熱工程が終了してから、つがるリンゴソースを煮た鍋の中でつがるリンゴ果肉と果皮とをステンレス製のナイフにて片に刻んだ、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【実施例4】
【0048】
図2において、サクランボのナポレオンを洗浄し、ナポレオンの果核を取り除き、果肉と果皮とで1kgのナポレオンを容量3lのステンレス製の鍋の中に入れ、ナポレオン果肉と果皮に200gの砂糖を絡めて、24時間放置した後、100mlの水を鍋の中に入れ、その鍋をガスレンジの上に載せ、その鍋をとろ火にて加熱する。ナポレオンジュースを煮る工程において、煮るナポレオンジュース液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時にナポレオンジュース液への加熱を終了し、ナポレオンジュースを煮る加熱工程が終了してから、ナポレオンジュースを煮た鍋の中でナポレオン果肉と果皮をステンレス製のナイフにて片に刻んだ、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【実施例5】
【0049】
図3において、コケモモ果実を洗浄し、コケモモ果実1kgを容量3lのステンレス製の鍋の中に入れ、コケモモ果実に150gの砂糖を絡めて、24時間放置した後、200mlの水を鍋の中に入れ、その鍋をガスレンジの上に載せ、その鍋をとろ火にて加熱する。コケモモジャムを煮る加熱工程において、煮るコケモモジュース液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時にコケモモジュース液への加熱を終了し、コケモモジュースを煮る加熱工程が終了してから、コケモモジュースを煮た鍋の中でコケモモ果実をステンレス製のナイフにて片に刻んだ、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【実施例6】
【0050】
図3において、ブドウの巨峰を洗浄し、巨峰果実1kgを容量3lのステンレス製の鍋の中に入れ、巨峰果実に200gの砂糖を絡めて、24時間放置した後、100mlの水を鍋の中に入れ、その鍋をガスレンジの上に載せ、その鍋をとろ火にて加熱する。巨峰ソースを煮る加熱工程において、煮る巨峰ソース液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に巨峰ソース液への加熱を終了し、巨峰ソースを煮る加熱工程が終了してから、巨峰ソースを煮た鍋の中で巨峰果実をステンレス製のナイフにて片に刻んだ、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【実施例7】
【0051】
図4において、イチゴのとちおとめを洗浄する。とちおとめの可食部は花托が発達した偽果である。とちおとめの花托1kgを容量3lのステンレス製の鍋の中に入れ、とちおとめ花托に200gの砂糖を絡めて、12時間放置した後、その鍋をガスレンジの上に載せ、その鍋をとろ火にて加熱する。とちおとめジャムを煮る加熱工程において、煮るとちおとめジャム液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時にとちおとめジャム液への加熱を終了し、とちおとめジャムを煮る加熱工程が終了してから、とちおとめジャムを煮た鍋の中でとちおとめ花托をステンレス製のナイフにて片に刻んだ、以上のことを特徴とする食品の製造方法である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
総務省統計局の平成17年5月1日現在の人口推計概算値は、1億2758万人である。この人口の3%の人が一年間に2個の本発明のジャムやソースなどを購入し、ジャムやソースが1個1000円とすると、約76億5千万円の売上が見込める。その売上の3割を利益とすると、利益は約22億9千万円となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の食品の製造方法の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明の食品の製造方法の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の食品の製造方法の実施例を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の食品の製造方法の実施例を説明するためのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実を洗浄し、果皮と果核を取り除き、果肉を調理器の中に入れ、調理器を加熱し、煮る果肉を含む液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に果肉を含む液への加熱を終了し、果肉を煮る加熱工程が終了してから、果肉を煮た調理器の中で、煮た果肉を刻んで片にする、以上のことを特徴とする食品の製造方法。
【請求項2】
果実を洗浄し、果核を取り除き、果肉と果皮を調理器の中に入れ、調理器を加熱し、煮る果肉と果皮を含む液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に果肉と果皮を含む液への加熱を終了し、果肉と果皮を煮る加熱工程が終了してから、果肉と果皮を煮た調理器の中で、煮た果肉と果皮を刻んで片にする、以上のことを特徴とする食品の製造方法。
【請求項3】
果実を洗浄し、果実を調理器の中に入れ、調理器を加熱し、煮る果実を含む液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に果実を含む液への加熱を終了し、果実を煮る加熱工程が終了してから、果実を煮た調理器の中で、煮た果実を刻んで片にする、以上のことを特徴とする食品の製造方法。
【請求項4】
花托を洗浄し、花托を調理器の中に入れ、調理器を加熱し、煮る花托を含む液から一番初めの気泡群の発生を確認すると即時に花托を含む液への加熱を終了し、花托を煮る加熱工程が終了してから、花托を煮た調理器の中で、煮た花托を刻んで片にする、以上のことを特徴とする食品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−202547(P2007−202547A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56930(P2006−56930)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【特許番号】特許第3845825号(P3845825)
【特許公報発行日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(599015641)
【Fターム(参考)】