食品のGI値低減方法
【課題】様々な炭水化物から作られる食品に対してGI値を低減することができる食品のGI値低減方法を提供する。
【解決手段】アラビアガム、プルラン、デキストリン、タマリンドガム、カラギナン、ファーセレラン、タラガム、コンニャクマンナン、ジェランガム、フノリ抽出物、カラヤガム、アルギン酸およびその塩、大豆多糖類、ペクチン、ゼラチン及びCMCナトリウムのうち少なくとも1以上である水溶性高分子を小麦粉、米粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ及びワキシコーンスターチのいずれかに添加し、水とともに練り上げられた後に加熱処理することにより、α―アミラーゼの消化性試験による消化率を低下抑制することを特徴とする食品のGI値低減方法である。
【解決手段】アラビアガム、プルラン、デキストリン、タマリンドガム、カラギナン、ファーセレラン、タラガム、コンニャクマンナン、ジェランガム、フノリ抽出物、カラヤガム、アルギン酸およびその塩、大豆多糖類、ペクチン、ゼラチン及びCMCナトリウムのうち少なくとも1以上である水溶性高分子を小麦粉、米粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ及びワキシコーンスターチのいずれかに添加し、水とともに練り上げられた後に加熱処理することにより、α―アミラーゼの消化性試験による消化率を低下抑制することを特徴とする食品のGI値低減方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品に加えることによりそのGI値を低減する食品のGI値低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、食事により栄養素を得て、その栄養素をエネルギーに変え、又は体内にグリコーゲンや蛋白質として蓄積することによって、体を維持し、健康を保っている。人間にとって生命を維持していくための重要な栄養素も、第二次世界大戦頃の日本においては、極度の栄養不足が続き、その後の高度成長期前までは、総エネルギー量を確保することしかできず、炭水化物に頼り蛋白質・脂質が少なく栄養バランスの不適正な時代があった。このため、国民の栄養に関し、積極的に動物性蛋白を摂取する欧米型の食生活が推奨されてきた。その結果、肉食で柔らかい噛むことが少ない出来合い食品や加工食品が多く出回るようになってきた。このような出来合い食品や加工食品は、容易に摂食することができるため、逆に栄養バランスを崩してしまい、このため肥満からくる糖尿病及びその合併症や心筋梗塞など生活習慣病と呼ばれる現代病が増加している。このため、総カロリーを抑えた食事制限による改善をしながら生活習慣病の予防や治療が行われている。しかしながら、一度覚えた栄養過剰の贅沢な食事をやめることは難しく、我が国においては、1割以上の糖尿病予備軍の病状が進行してしまうという問題がある。
【0003】
このような現状の中、最近食品のGI値(グリセミックインデックス値)を考えて食事を組み立てるという考え方が出てきている。GI値は、食品中の糖質の量は、同じでも血糖値の上昇が食品の質によって異なるということを数値で表したものであり、ブドウ糖を飲んだときの血糖値を100として色々な食品について数値化している。具体的には、GI値50の玄米ご飯は、GI値70の白米ご飯に比べて低く、ブドウ糖の吸収が遅いことになる。GI値が高い食品ばかり摂取すると、血糖値を一定に保つためにインシュリンが吸収過剰により余った血液中のブドウ糖を脂肪に変換・合成し脂肪細胞に取り込まれ肥満になる。しかし、GI値が低い食品を摂取すると、正常に筋肉や肝臓などでグリコーゲンや蛋白質の合成を促進しエネルギー代謝に使われることになる。
【0004】
このような背景から、物理的処理又は化学的処理を施し、酵素耐性が付加されたGI値の低い澱粉を作り、そのGI値の低い澱粉を含有させた消化性の悪い食品が考案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−231469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、特殊な澱粉のみのGI値を下げるものであるので、米飯のように添加できない食品も存在し、様々な炭水化物から作られる食品に対応できるものではない。このような難消化性の澱粉を既存の澱粉と一部置き換えで添加した場合、消化吸収をより少なくするためには多くの澱粉を置き換える必要があり、食感や味が本来の食品と大きく異なってしまう場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、様々な炭水化物から作られる食品に対してGI値を低減することができる食品のGI値低減方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するため、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、水溶性高分子を食品に加えることにより、食品のGI値を低減することを見出した。すなわち、本発明は、本発明は、水溶性高分子を主成分とし、食品に加えることによりその消化吸収を抑制する消化吸収抑制剤、及び水溶性高分子を主成分とし、食品に加えることによりそのGI値を低減する食品のGI値低減剤、並びにα―アミラーゼの消化性試験による消化率を低下抑制することを特徴とする食品のGI値低減方法である。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明によれば、水溶性高分子を主成分とすることにより、様々な炭水化物から作られる食品に対してGI値を低減することができる食品のGI値低減方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る消化吸収抑制剤及び食品のGI値低減剤において、前記水溶性高分子は、アラビアガム、プルラン、デキストリン、タマリンドガム、寒天、カラギナン、ファーセレラン、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、グアー分解物、コンニャクマンナン、ジェランガム、フノリ抽出物、サイリュームシードガム、カードラン、カシアガム、カラヤガム、アルギン酸およびその塩、キサンタンガム、大豆多糖類、ペクチン、ゼラチン、CMCナトリウム、メチルセルロース、セルロース、難消化性デキストリン、及びポリデキストロースのうち少なくとも1以上であることが好ましい。
【0011】
前記グアー分解物とは、グアーガムを酸や加熱処理、または酵素により加水分解したものである。前記フノリ抽出物とは、フノリを熱水抽出することにより得られたものである。アルギン酸塩としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウムなどがある。また、難消化性デキストリンとは、デキストリンを焙焼することにより得られるものである。
【0012】
また、本発明に係る消化吸収阻害剤及び食品のGI値低減剤は、食品の加熱処理前に加えられることにより消化吸収を抑制し、又はGI値を低減するよう構成されていることが好ましい。
【実施例】
【0013】
次に、本発明に係る消化吸収抑制剤及び食品のGI値低減剤の実施例について説明する。
実施例1乃至28
先ず、本発明に係る消化吸収抑制剤及び食品のGI値低減剤の実施例1乃至28として、表1に示すようにアラビアガム(CNI社製)、プルラン(林原商事社製)、デキストリン(松谷化学社製)、タマリンドガム(大日本製薬社製)、タラガム(伊那食品工業社製)、グアー分解物(伊那食品工業社製)、コンニャクマンナン(伊那食品工業社製)、フノリ抽出物(伊那食品工業社製)、カラヤガム(ソマール社製)、アルギン酸ナトリウム(キミカ製)、大豆多糖類(不二製油社製)、HMペクチン(CPケルコ社製)、ゼラチン(新田ゼラチン社製)、乳化でんぷん(松谷化学工業社製)、LMペクチン(CPケルコ社製)、CMCナトリウム(第一化学薬品社製)、寒天(伊那食品工業社製)、κ―カラギナン(伊那食品工業社製)、λ―カラギナン(伊那食品工業社製)、ローカストビーンガム(伊那食品工業社製)、グアーガム(伊那食品工業社製)、ジェランガム(CPケルコ社製)、サイリュームシードガム(五協産業社製)、カードラン(武田薬品工業製)、カシアガム(伊那食品工業社製)、キサンタンガム(伊那食品工業社製)、セルロース(旭化成社製)、難消化性デキストリン(松谷化学工業社製)を用意した。
【0014】
【表1】
【0015】
実験例1
これら実施例1乃至28に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gを小麦粉(日清製粉製)10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表1に示すようにサンプル1a乃至28aを得た。
【0016】
同様に小麦粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し、完全に小麦粉を糊化させた後、実施例1乃至28に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)を添加することによって表1に示すようにサンプル1b乃至28bを得た。
【0017】
また、小麦粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。
【0018】
これらサンプル1a乃至28a、サンプル1b乃至28b、比較例それぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。α−アミラーゼの消化性試験は、サンプル1a乃至28a、サンプル1b乃至28b及び比較例それぞれにα−アミラーゼ50unitを添加後30分後、60分後、及び120分後にサンプリングを行い、直ちに蒸留水で任意に希釈を行い、Park−Johnson法にてα−アミラーゼの消化作用によって生じた還元末端の定量を行った。比較例の120分後の還元末端数を100としてその割合を%で示した。その結果を図1に示す。サンプル1a乃至28aは、図1から明らかなようにサンプル1b乃至28b及び比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0019】
実験例2
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gを餅粉10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1c乃至16cを得た。また、餅粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1c乃至16c及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図2に示す。サンプル1c乃至16cは、図2から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0020】
【表2】
【0021】
実験例3
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gを米粉10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1d乃至16dを得た。また、米粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1d乃至16d及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図3に示す。サンプル1d乃至16dは、図3から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0022】
実験例4
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gを馬鈴薯澱粉10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1e乃至16eを得た。また、馬鈴薯澱粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1e乃至16e及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図4に示す。サンプル1e乃至16eは、図4から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0023】
実験例5
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gをタピオカ澱粉10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1f乃至16fを得た。また、タピオカ澱粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1f乃至16f及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図5に示す。サンプル1f乃至16fは、図5から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0024】
実験例6
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gをコーンスターチ10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1g乃至16gを得た。また、コーンスターチ10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1g乃至16g及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図6に示す。サンプル1g乃至16gは、図6から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0025】
実験例7
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gをワキシコーンスターチ10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1h乃至16hを得た。また、ワキシコーンスターチ10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1h乃至16h及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図7に示す。サンプル1h乃至16hは、図7から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0026】
実験例8乃至10
次に、サンプル1a乃至16aについて、消化酵素としてαーアミラーゼの代わりにβ-アミラーゼ、グルコアミラーゼとプルラナーゼを用いて実験例1と同様の消化性試験を行った。これらの結果を図8乃至10に示す。サンプル1a乃至16aは、図8乃至10から明らかなように、消化酵素を変えた場合であっても、比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0027】
実験例11
次に、実施例1に係るアラビアガムの添加量を変化させて水と小麦粉(日清製粉製)に加えて小麦粉に対して1%、2%、5%、10%、25%のスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表3に示すようにサンプル1i乃至1mを得た。これらサンプル1i乃至1m及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図11に示す。サンプル1i乃至1mは、図11から明らかなように濃度を上げると消化率が抑制されることを示した。
【0028】
【表3】
【0029】
実験例12
次に、実施例に係る大豆多糖類の添加量を変化させて水と小麦粉(日清製粉製)に加えて小麦粉に対して1%、2%、5%、10%、25%のスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表4に示すようにサンプル11i乃至11mを得た。これらサンプル11i乃至11m及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図12に示す。サンプル11i乃至11mは、図12から明らかなように濃度を上げると消化率が抑制されることを示した。
【0030】
【表4】
【0031】
実験例13
中力粉500gに対し、実施例1に係るアラビアガム及び実施例4に係るタマリンドガムをそれぞれ15gずつ加え混合後、12ボーメの食塩水230gを添加し、混合器で15分間練り上げ、30分静置した後ローリングプレス機でさらに練り上げ、3時間室温にねかし、ローリングプレス機で生地を長方形に薄く延ばし、切断機で切断することによって、実施例1に係るアラビアガム及び実施例4に係るタマリンドガムそれぞれが含まれている生麺(うどん)をそれぞれ作製した。また、消化吸収抑制剤を加えないこと以外は同様の処方で生麺(うどん)を比較例として作成した。
【0032】
作製したそれぞれのうどんを10倍量の水で一定時間茹で上げ、10meshの篩に通し、そのうちの100gを1Lの50mMリン酸緩衝液(pH6.0)の入った溶出試験機に分散させ、α-アミラーゼを100unit添加し、0〜120分までのサンプリングを行い、各サンプルについて酵素反応により生じる還元末端の定量をPark−Johnson法によって行った。その結果を図13に示す。実施例1に係るアラビアガム及び実施例4に係るタマリンドガムが含まれているうどんは、図13から明らかなように比較例に係るうどんに比し消化率が抑制されることを示した。
【0033】
実験例14
小豆500gを3倍量の水に一晩浸漬後、実施例1に係るアラビアガム5g、15g及び実施例12に係るHMペクチン15gをそれぞれ溶解した水1Lでかご炊きを行い、水切りをして灰汁を洗い流した後、実施例1に係るアラビアガム5g、15g及び実施例12に係るHMペクチン15gをそれぞれ溶解した水1.5Lで30分間茹で上げ、20分間蒸らし、茹で小豆を作製した。出来上がった茹で小豆をそれぞれ潰し、皮と“ゴ”を分離し、“ゴ”を流水にさらして灰汁抜きをした後、さらしで絞り、生餡を作成した。次に、実施例1に係るアラビアガムから1%及び3%のアラビアガム水溶液を作り、これら水溶液それぞれと生餡を1:2の割合で混ぜ合わせ、次いで生餡の1/2重量のエリスリトールと、生餡に対し0.01%のアスパルテームを加えて練り餡を作成した。また、消化吸収抑制剤を加えないこと以外は同様の処方で練り餡を比較例として作成した。
【0034】
作製した練り餡それぞれを5%濃度になるように50℃のリン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁し、α-アミラーゼ50unitを添加し、0〜120分までのサンプリングを行い、各サンプルについて酵素反応により生じる還元末端の定量をPark−Johnson法によって行った。その結果を図14に示す。実施例1に係るアラビアガム及び実施例12に係るHMペクチンが含まれている練り餡は、図14から明らかなように比較例に係る練り餡に比し消化率が抑制されることを示した。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】水溶性高分子を加えた場合の小麦粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図2】水溶性高分子を加えた場合の餅粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図3】水溶性高分子を加えた場合の米粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図4】水溶性高分子を加えた場合の馬鈴薯澱粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図5】水溶性高分子を加えた場合のタピオカ澱粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図6】水溶性高分子を加えた場合のコーンスターチに対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図7】水溶性高分子を加えた場合のワキシーコーンスターチに対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図8】水溶性高分子を加えた場合の小麦粉に対するβ―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図9】水溶性高分子を加えた場合の小麦粉に対するグルコアミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図10】水溶性高分子を加えた場合の小麦粉に対するプルラナーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【図11】アラビアガムの濃度を変えた場合の小麦粉に対するα―アミラーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【図12】大豆多糖類の濃度を変えた場合の小麦粉に対するα―アミラーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【図13】アラビアガム及びタマリンドガムを加えた生麺(うどん)に対するα―アミラーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【図14】アラビアガム及びペクチンを加えた練り餡に対するα―アミラーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品に加えることによりそのGI値を低減する食品のGI値低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、食事により栄養素を得て、その栄養素をエネルギーに変え、又は体内にグリコーゲンや蛋白質として蓄積することによって、体を維持し、健康を保っている。人間にとって生命を維持していくための重要な栄養素も、第二次世界大戦頃の日本においては、極度の栄養不足が続き、その後の高度成長期前までは、総エネルギー量を確保することしかできず、炭水化物に頼り蛋白質・脂質が少なく栄養バランスの不適正な時代があった。このため、国民の栄養に関し、積極的に動物性蛋白を摂取する欧米型の食生活が推奨されてきた。その結果、肉食で柔らかい噛むことが少ない出来合い食品や加工食品が多く出回るようになってきた。このような出来合い食品や加工食品は、容易に摂食することができるため、逆に栄養バランスを崩してしまい、このため肥満からくる糖尿病及びその合併症や心筋梗塞など生活習慣病と呼ばれる現代病が増加している。このため、総カロリーを抑えた食事制限による改善をしながら生活習慣病の予防や治療が行われている。しかしながら、一度覚えた栄養過剰の贅沢な食事をやめることは難しく、我が国においては、1割以上の糖尿病予備軍の病状が進行してしまうという問題がある。
【0003】
このような現状の中、最近食品のGI値(グリセミックインデックス値)を考えて食事を組み立てるという考え方が出てきている。GI値は、食品中の糖質の量は、同じでも血糖値の上昇が食品の質によって異なるということを数値で表したものであり、ブドウ糖を飲んだときの血糖値を100として色々な食品について数値化している。具体的には、GI値50の玄米ご飯は、GI値70の白米ご飯に比べて低く、ブドウ糖の吸収が遅いことになる。GI値が高い食品ばかり摂取すると、血糖値を一定に保つためにインシュリンが吸収過剰により余った血液中のブドウ糖を脂肪に変換・合成し脂肪細胞に取り込まれ肥満になる。しかし、GI値が低い食品を摂取すると、正常に筋肉や肝臓などでグリコーゲンや蛋白質の合成を促進しエネルギー代謝に使われることになる。
【0004】
このような背景から、物理的処理又は化学的処理を施し、酵素耐性が付加されたGI値の低い澱粉を作り、そのGI値の低い澱粉を含有させた消化性の悪い食品が考案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−231469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、特殊な澱粉のみのGI値を下げるものであるので、米飯のように添加できない食品も存在し、様々な炭水化物から作られる食品に対応できるものではない。このような難消化性の澱粉を既存の澱粉と一部置き換えで添加した場合、消化吸収をより少なくするためには多くの澱粉を置き換える必要があり、食感や味が本来の食品と大きく異なってしまう場合がある。
【0007】
そこで、本発明は、様々な炭水化物から作られる食品に対してGI値を低減することができる食品のGI値低減方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するため、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、水溶性高分子を食品に加えることにより、食品のGI値を低減することを見出した。すなわち、本発明は、本発明は、水溶性高分子を主成分とし、食品に加えることによりその消化吸収を抑制する消化吸収抑制剤、及び水溶性高分子を主成分とし、食品に加えることによりそのGI値を低減する食品のGI値低減剤、並びにα―アミラーゼの消化性試験による消化率を低下抑制することを特徴とする食品のGI値低減方法である。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明によれば、水溶性高分子を主成分とすることにより、様々な炭水化物から作られる食品に対してGI値を低減することができる食品のGI値低減方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に係る消化吸収抑制剤及び食品のGI値低減剤において、前記水溶性高分子は、アラビアガム、プルラン、デキストリン、タマリンドガム、寒天、カラギナン、ファーセレラン、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、グアー分解物、コンニャクマンナン、ジェランガム、フノリ抽出物、サイリュームシードガム、カードラン、カシアガム、カラヤガム、アルギン酸およびその塩、キサンタンガム、大豆多糖類、ペクチン、ゼラチン、CMCナトリウム、メチルセルロース、セルロース、難消化性デキストリン、及びポリデキストロースのうち少なくとも1以上であることが好ましい。
【0011】
前記グアー分解物とは、グアーガムを酸や加熱処理、または酵素により加水分解したものである。前記フノリ抽出物とは、フノリを熱水抽出することにより得られたものである。アルギン酸塩としては、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウムなどがある。また、難消化性デキストリンとは、デキストリンを焙焼することにより得られるものである。
【0012】
また、本発明に係る消化吸収阻害剤及び食品のGI値低減剤は、食品の加熱処理前に加えられることにより消化吸収を抑制し、又はGI値を低減するよう構成されていることが好ましい。
【実施例】
【0013】
次に、本発明に係る消化吸収抑制剤及び食品のGI値低減剤の実施例について説明する。
実施例1乃至28
先ず、本発明に係る消化吸収抑制剤及び食品のGI値低減剤の実施例1乃至28として、表1に示すようにアラビアガム(CNI社製)、プルラン(林原商事社製)、デキストリン(松谷化学社製)、タマリンドガム(大日本製薬社製)、タラガム(伊那食品工業社製)、グアー分解物(伊那食品工業社製)、コンニャクマンナン(伊那食品工業社製)、フノリ抽出物(伊那食品工業社製)、カラヤガム(ソマール社製)、アルギン酸ナトリウム(キミカ製)、大豆多糖類(不二製油社製)、HMペクチン(CPケルコ社製)、ゼラチン(新田ゼラチン社製)、乳化でんぷん(松谷化学工業社製)、LMペクチン(CPケルコ社製)、CMCナトリウム(第一化学薬品社製)、寒天(伊那食品工業社製)、κ―カラギナン(伊那食品工業社製)、λ―カラギナン(伊那食品工業社製)、ローカストビーンガム(伊那食品工業社製)、グアーガム(伊那食品工業社製)、ジェランガム(CPケルコ社製)、サイリュームシードガム(五協産業社製)、カードラン(武田薬品工業製)、カシアガム(伊那食品工業社製)、キサンタンガム(伊那食品工業社製)、セルロース(旭化成社製)、難消化性デキストリン(松谷化学工業社製)を用意した。
【0014】
【表1】
【0015】
実験例1
これら実施例1乃至28に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gを小麦粉(日清製粉製)10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表1に示すようにサンプル1a乃至28aを得た。
【0016】
同様に小麦粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し、完全に小麦粉を糊化させた後、実施例1乃至28に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)を添加することによって表1に示すようにサンプル1b乃至28bを得た。
【0017】
また、小麦粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。
【0018】
これらサンプル1a乃至28a、サンプル1b乃至28b、比較例それぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。α−アミラーゼの消化性試験は、サンプル1a乃至28a、サンプル1b乃至28b及び比較例それぞれにα−アミラーゼ50unitを添加後30分後、60分後、及び120分後にサンプリングを行い、直ちに蒸留水で任意に希釈を行い、Park−Johnson法にてα−アミラーゼの消化作用によって生じた還元末端の定量を行った。比較例の120分後の還元末端数を100としてその割合を%で示した。その結果を図1に示す。サンプル1a乃至28aは、図1から明らかなようにサンプル1b乃至28b及び比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0019】
実験例2
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gを餅粉10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1c乃至16cを得た。また、餅粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1c乃至16c及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図2に示す。サンプル1c乃至16cは、図2から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0020】
【表2】
【0021】
実験例3
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gを米粉10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1d乃至16dを得た。また、米粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1d乃至16d及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図3に示す。サンプル1d乃至16dは、図3から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0022】
実験例4
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gを馬鈴薯澱粉10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1e乃至16eを得た。また、馬鈴薯澱粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1e乃至16e及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図4に示す。サンプル1e乃至16eは、図4から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0023】
実験例5
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gをタピオカ澱粉10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1f乃至16fを得た。また、タピオカ澱粉10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1f乃至16f及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図5に示す。サンプル1f乃至16fは、図5から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0024】
実験例6
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gをコーンスターチ10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1g乃至16gを得た。また、コーンスターチ10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1g乃至16g及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図6に示す。サンプル1g乃至16gは、図6から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0025】
実験例7
次に、実施例1乃至16に係る消化吸収抑制剤(食品のGI値低減剤)それぞれ0.5gと水200gをワキシコーンスターチ10gに加えてスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表2に示すようにサンプル1h乃至16hを得た。また、ワキシコーンスターチ10gと水200gでスラリーを作り、これを100℃まで加熱し完全に糊化させることによって比較例を得た。これらサンプル1h乃至16h及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図7に示す。サンプル1h乃至16hは、図7から明らかなように比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0026】
実験例8乃至10
次に、サンプル1a乃至16aについて、消化酵素としてαーアミラーゼの代わりにβ-アミラーゼ、グルコアミラーゼとプルラナーゼを用いて実験例1と同様の消化性試験を行った。これらの結果を図8乃至10に示す。サンプル1a乃至16aは、図8乃至10から明らかなように、消化酵素を変えた場合であっても、比較例に比し消化率が低い値を示した。
【0027】
実験例11
次に、実施例1に係るアラビアガムの添加量を変化させて水と小麦粉(日清製粉製)に加えて小麦粉に対して1%、2%、5%、10%、25%のスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表3に示すようにサンプル1i乃至1mを得た。これらサンプル1i乃至1m及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図11に示す。サンプル1i乃至1mは、図11から明らかなように濃度を上げると消化率が抑制されることを示した。
【0028】
【表3】
【0029】
実験例12
次に、実施例に係る大豆多糖類の添加量を変化させて水と小麦粉(日清製粉製)に加えて小麦粉に対して1%、2%、5%、10%、25%のスラリー状にした後、100℃まで加熱し見かけ上十分な位糊化させることによって表4に示すようにサンプル11i乃至11mを得た。これらサンプル11i乃至11m及び比較例について実験例1と同様にそれぞれについてα−アミラーゼの消化性試験を行った。その結果を図12に示す。サンプル11i乃至11mは、図12から明らかなように濃度を上げると消化率が抑制されることを示した。
【0030】
【表4】
【0031】
実験例13
中力粉500gに対し、実施例1に係るアラビアガム及び実施例4に係るタマリンドガムをそれぞれ15gずつ加え混合後、12ボーメの食塩水230gを添加し、混合器で15分間練り上げ、30分静置した後ローリングプレス機でさらに練り上げ、3時間室温にねかし、ローリングプレス機で生地を長方形に薄く延ばし、切断機で切断することによって、実施例1に係るアラビアガム及び実施例4に係るタマリンドガムそれぞれが含まれている生麺(うどん)をそれぞれ作製した。また、消化吸収抑制剤を加えないこと以外は同様の処方で生麺(うどん)を比較例として作成した。
【0032】
作製したそれぞれのうどんを10倍量の水で一定時間茹で上げ、10meshの篩に通し、そのうちの100gを1Lの50mMリン酸緩衝液(pH6.0)の入った溶出試験機に分散させ、α-アミラーゼを100unit添加し、0〜120分までのサンプリングを行い、各サンプルについて酵素反応により生じる還元末端の定量をPark−Johnson法によって行った。その結果を図13に示す。実施例1に係るアラビアガム及び実施例4に係るタマリンドガムが含まれているうどんは、図13から明らかなように比較例に係るうどんに比し消化率が抑制されることを示した。
【0033】
実験例14
小豆500gを3倍量の水に一晩浸漬後、実施例1に係るアラビアガム5g、15g及び実施例12に係るHMペクチン15gをそれぞれ溶解した水1Lでかご炊きを行い、水切りをして灰汁を洗い流した後、実施例1に係るアラビアガム5g、15g及び実施例12に係るHMペクチン15gをそれぞれ溶解した水1.5Lで30分間茹で上げ、20分間蒸らし、茹で小豆を作製した。出来上がった茹で小豆をそれぞれ潰し、皮と“ゴ”を分離し、“ゴ”を流水にさらして灰汁抜きをした後、さらしで絞り、生餡を作成した。次に、実施例1に係るアラビアガムから1%及び3%のアラビアガム水溶液を作り、これら水溶液それぞれと生餡を1:2の割合で混ぜ合わせ、次いで生餡の1/2重量のエリスリトールと、生餡に対し0.01%のアスパルテームを加えて練り餡を作成した。また、消化吸収抑制剤を加えないこと以外は同様の処方で練り餡を比較例として作成した。
【0034】
作製した練り餡それぞれを5%濃度になるように50℃のリン酸緩衝液(pH6.0)に懸濁し、α-アミラーゼ50unitを添加し、0〜120分までのサンプリングを行い、各サンプルについて酵素反応により生じる還元末端の定量をPark−Johnson法によって行った。その結果を図14に示す。実施例1に係るアラビアガム及び実施例12に係るHMペクチンが含まれている練り餡は、図14から明らかなように比較例に係る練り餡に比し消化率が抑制されることを示した。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】水溶性高分子を加えた場合の小麦粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図2】水溶性高分子を加えた場合の餅粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図3】水溶性高分子を加えた場合の米粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図4】水溶性高分子を加えた場合の馬鈴薯澱粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図5】水溶性高分子を加えた場合のタピオカ澱粉に対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図6】水溶性高分子を加えた場合のコーンスターチに対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図7】水溶性高分子を加えた場合のワキシーコーンスターチに対するα―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図8】水溶性高分子を加えた場合の小麦粉に対するβ―アミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図9】水溶性高分子を加えた場合の小麦粉に対するグルコアミラーゼ消化率の測定結果を示すグラフである。
【図10】水溶性高分子を加えた場合の小麦粉に対するプルラナーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【図11】アラビアガムの濃度を変えた場合の小麦粉に対するα―アミラーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【図12】大豆多糖類の濃度を変えた場合の小麦粉に対するα―アミラーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【図13】アラビアガム及びタマリンドガムを加えた生麺(うどん)に対するα―アミラーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【図14】アラビアガム及びペクチンを加えた練り餡に対するα―アミラーゼ消化率の結果を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラビアガム、プルラン、デキストリン、タマリンドガム、カラギナン、ファーセレラン、タラガム、コンニャクマンナン、ジェランガム、フノリ抽出物、カラヤガム、アルギン酸およびその塩、大豆多糖類、ペクチン、ゼラチン及びCMCナトリウムのうち少なくとも1以上である水溶性高分子を小麦粉、米粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ及びワキシコーンスターチのいずれかに添加し、水とともに練り上げられた後に加熱処理することにより、α―アミラーゼの消化性試験による消化率を低下抑制することを特徴とする食品のGI値低減方法。
【請求項1】
アラビアガム、プルラン、デキストリン、タマリンドガム、カラギナン、ファーセレラン、タラガム、コンニャクマンナン、ジェランガム、フノリ抽出物、カラヤガム、アルギン酸およびその塩、大豆多糖類、ペクチン、ゼラチン及びCMCナトリウムのうち少なくとも1以上である水溶性高分子を小麦粉、米粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ及びワキシコーンスターチのいずれかに添加し、水とともに練り上げられた後に加熱処理することにより、α―アミラーゼの消化性試験による消化率を低下抑制することを特徴とする食品のGI値低減方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−206527(P2008−206527A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150162(P2008−150162)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【分割の表示】特願2003−35143(P2003−35143)の分割
【原出願日】平成15年2月13日(2003.2.13)
【出願人】(000118615)伊那食品工業株式会社 (95)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【分割の表示】特願2003−35143(P2003−35143)の分割
【原出願日】平成15年2月13日(2003.2.13)
【出願人】(000118615)伊那食品工業株式会社 (95)
【Fターム(参考)】
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