説明

食品整列供給システム

【課題】簡単な構造で、食品を搬送しつつその厚さ方向を横に向けて縦横に複数列をなすように整列した食品群として包装装置に供給することのできる食品整列供給システムを提供する。
【解決手段】伏姿勢で載置される多数の食品Fを複数の列に整列して供給搬送する整列搬送装置2と、送り出されてくる各列の食品Fを単列ずつに区分するとともに、搬送しつつ起立姿勢にして送り出す姿勢変更搬送装置3と、送り出されてくる各列の食品Fを列を保持した状態で中間搬送するとともに搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せる中間搬送装置4と、送り出されてくる各列の起立姿勢の食品Fを各列について1個ずつの横方向に並んだ食品群FGとして送り出すグループ形成装置5と、グループ形成装置5から送り出されてくる食品群FGを排出搬送する排出搬送装置6と、制御部7とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の食品を整列させて包装装置に供給するための食品整列供給システムに係り、特に、ピロー包装機に冷凍コロッケなどの食品を供給するのに好適な食品整列供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍コロッケや冷凍ハンバーグなどの食品は、保存に便利でかつ簡易な調理で食事に供することができることから、大いに普及している。例えば、冷凍コロッケは、飲食店あるいは一般家庭において、冷凍庫内で凍結保存され、食事に供する際に必要個数だけ取り出してそのまま油で揚げることで、温かいコロッケとして提供できるものである。このような食品は、冷凍状態で複数個ずつピロー包装されて袋単位で販売されている。このピロー包装は、食品などを包装する方法として広く利用されているものであり、例えば食品などの被包装物をシート状、あるいは筒状のフィルム内に収めた状態で、その開口部を溶着などによってシール(エンドシール)する包装である。
【0003】
冷凍コロッケや冷凍ハンバーグなどの小判形の平たい形状の食品をピロー包装する場合、図14に示すように、食品Fの厚さ方向を両矢印Tにて示す横方向、厚さ方向に対して直交する長手方向を両矢印Lにて示す縦方向、厚さ方向および長手方向のそれぞれに直交する幅方向を両矢印Wにて示す上下方向として揃えるとともに、縦および横のそれぞれの方向に、複数列、例えば縦5列、横5列に整列させてグループ化し、このグループ化した食品群FGの全体をピロー包装装置によって包装フィルムHで覆うことにより包装している。なお、食品群FGとしては、縦方向を単列とする場合もある。
【0004】
従来、食品の縦横への整列は、作業者の手作業によって行われているため、能率が低く、多大な労力と時間とを要し、包装された食品のコストが高くなる。
【0005】
そこで、冷凍コロッケや冷凍ハンバーグなどの食品を、その厚さ方向を横に向けて縦横に複数列をなすように並べてピロー包装装置に供給することのできる食品包装用整列装置(食品整列供給システム)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1の食品包装用整列装置は、第1整列装置と、第1整列装置の後方側に接続された第2整列装置とを備え、第1整列装置が、左右方向(横方向)に並設された複数の搬送路を備え、各搬送路が、それぞれ搬送手段を備えることにより、コロッケやハンバーグなどの食品が、その食品の厚さ方向を略上下方向にして載置された状態で搬送路に沿って前方から後方に順次搬送可能とされ、これらの搬送路によって、第1整列装置が、少なくとも左右方向に複数列をなして整列した食品群ごとに搬送可能とされ、第2整列装置が、左右方向に並設された複数の受容部を備え、これらの各受容部が、第1整列装置の各搬送路の後端側にそれぞれ接続されることにより、第1整列装置の各搬送路から送られてくる整列した各食品を受容し得るようになされ、これらの各受容部が、回動手段を備え、この回動手段が、食品を受容した各受容部を回動させることにより、各受容部に受容された整列状態の各食品がその整列状態を維持しながら厚さ方向をほぼ左右方向に揃わされるものである(請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3240602号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の食品包装用整列装置は、第1整列装置が、左右方向に並設された複数の搬送路を備え、各搬送路が個別の搬送手段を備え、第2整列装置が、左右方向に並設された複数の受容部を備え、これらの各受容部が、第1整列装置の各搬送路の後端側にそれぞれ接続されることにより、第1整列装置の各搬送路から送られてくる整列した各食品を受容し得るようになされ、これらの各受容部が、回動手段を備え、この回動手段が、食品を受容した各受容部を回動させることにより、各受容部に受容された整列状態の各食品がその整列状態を維持しながら厚さ方向を略左右方向に揃わされるものであり、食品を縦横に整列させるための構造が複雑であった。
【0009】
なお、特許文献1の食品包装用整列装置は、食品を受容する受容部に回動手段を設け、この回動手段により食品を受容した受容部を回動させることにより厚さ方向が上下方向を向いた食品を厚さ方向が左右方向を向くようにしているため、例えば油で調理する前の衣(パン粉)を付けた冷凍コロッケなどの食品の場合、受容部の回動により冷凍コロッケの衣が部分剥離するという不具合が発生するという問題点があった。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、簡単な構造で、食品を搬送しつつその厚さ方向を横に向けて縦横に複数列をなすように整列した食品群として包装装置に供給することのできる食品整列供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の食品整列供給システムの特徴は、多数の食品を整列させて包装装置に供給する食品整列供給システムであって、厚さ方向を上下方向にした伏姿勢で載置される多数の平たい形状の食品を相互に平行な複数の列に整列して前方から後方に供給搬送する整列搬送装置と、前記整列搬送装置から伏姿勢で送り出されてくる各列の食品を単列ずつに区分するとともに、伏姿勢で移載された食品を搬送しつつ搬送方向後端で食品の厚さ方向を搬送方向に対して直交する横方向に90度回転させた起立姿勢にして送り出す姿勢変更搬送装置と、前記姿勢変更搬送装置から起立姿勢で送り出されてくる各列の食品を列を保持した状態で前方から後方に中間搬送するとともに、搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せる中間搬送装置と、前記中間搬送装置から起立姿勢で送り出されてくる各列の起立姿勢の食品を各列について1個ずつの横方向に並んだ食品群として送り出すグループ形成装置と、前記グループ形成装置から送り出されてくる食品群を前方から後方に排出搬送する排出搬送装置と、各駆動部の動作の制御を司る制御部とを有している点にある。そして、このような構成を採用したことにより、整列搬送装置により厚さ方向を上下方向にした伏姿勢で供給搬送される食品は、搬送中に複数の列に整列されて姿勢変更搬送装置に送り出され、この姿勢変更搬送装置により各列の食品は、単列ずつに区分されるとともに、搬送方向後端で食品の厚さ方向を搬送方向に対して直交する横方向に90度回転させた起立姿勢にして中間搬送装置に送り出され、この中間搬送装置により各列の食品は、列を保持した状態で前方から後方に中間搬送されるとともに搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せられてグループ形成装置に送り出され、グループ形成装置により各列の起立姿勢の食品は、各列について1個ずつの横方向に並んだ食品群とされて排出搬送装置に送り出され、排出搬送装置により食品群は排出搬送され、制御部により整列搬送装置、姿勢変更搬送装置、中間搬送装置、グループ形成装置および排出搬送装置の動作の制御が行われるので、簡単な構造で、食品を搬送しつつその厚さ方向を横に向けて縦横に複数列をなすように整列した食品群として包装装置に供給することができる。
【0012】
また、特許請求の範囲の請求項2に記載の本発明の食品整列供給システムの特徴は、請求項1において、前記整列搬送装置は、伏姿勢で載置された食品を下方から支持して前方から後方に供給搬送する1つの供給ベルトコンベア、および前記供給ベルトコンベア上を搬送される食品を複数の列に整列するために、搬送方向に沿って延在する整列ガイドによって隔てられ、横方向に隣接して並設された相互に平行な複数の供給列形成搬送路を具備しており、前記姿勢変更搬送装置は、前記供給列形成搬送路の数と同数の単列捻りベルトコンベアを具備しており、前記排出搬送装置は、前記グループ形成装置から送り出されてくる起立姿勢の横方向に並んだ食品群を受け取って下方から支持して前方から後方に排出搬送する1つの排出ベルトコンベア、および前記排出ベルトコンベア上を搬送される食品群の横方向の両側の位置を規制する排出ガイドを具備している点にある。そして、このような構成を採用したことにより、整列搬送装置は、厚さ方向を上下方向にした伏姿勢で供給搬送される食品を搬送中に複数の列に整列して姿勢変更搬送装置に確実かつ容易に送り出すことができ、姿勢変更搬送装置は、整列搬送装置から送られてくる各列の食品を単列ずつに区分するとともに、搬送方向後端で食品の厚さ方向を搬送方向に対して直交する横方向に90度回転させた起立姿勢にして中間搬送装置に確実かつ容易に送り出すことができ、排出搬送装置は、グループ形成装置から送られてくる食品群を確実かつ容易に排出搬送することができる。
【0013】
また、特許請求の範囲の請求項3に記載の本発明の食品整列供給システムの特徴は、請求項2において、前記制御部は、前記グループ形成装置から送り出されてくる横方向に並んだ食品群を連続、あるいは食品群の縦方向の個数を予め設定された個数とするブロックに区分して搬送するように前記排出ベルトコンベアを間欠駆動するように構成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、1つの包装単位に収納するために供給する食品の総数を必要に応じて変更することができる。
【0014】
また、特許請求の範囲の請求項4に記載の本発明の食品整列供給システムの特徴は、請求項2または請求項3において、前記複数の供給列形成搬送路のそれぞれに、前記供給ベルトコンベアにより搬送される食品を前記単列捻りベルトコンベアに送り出す直前の位置で検出する供給食品検出手段と、前記供給ベルトコンベアにより搬送される食品を前記単列捻りベルトコンベアに送り出す直前の位置で移動を許容しまたは阻止する移動規制手段とが設けられており、前記移動規制手段は、食品を上方から押さえる上下動可能な押さえパッドと、この押さえパッドを上下動させる押さえ用シリンダとを具備しており、前記制御部は、前記供給食品検出手段が食品を検出した場合、前記押さえ用シリンダを駆動して前記押さえパッドを下降させて前記供給食品検出手段が検出した食品を上方から押さえることにより前記供給ベルトコンベア上でスリップさせて移動を阻止し、すべての押さえパッドが食品を押さえた後に、すべての押さえ用シリンダを一斉に駆動してすべての押さえパッドを上昇させることにより、各列の食品を一斉に前記複数の単列捻りベルトコンベアのそれぞれに送り込むように構成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、各列について1つの食品をグループ形成装置に搬送することができるから、食品群を確実かつ容易に得ることができる。
【0015】
また、特許請求の範囲の請求項5に記載の本発明の食品整列供給システムの特徴は、請求項2ないし請求項4のいずれか1項において、前記中間搬送装置は、前記複数の単列捻りベルトコンベアのそれぞれから起立姿勢で送り出されてくる区分された各列の食品を受け取って下方から支持して前方から後方に中間搬送する1つの中間ベルトコンベア、および前記中間ベルトコンベア上を搬送される食品の起立姿勢および区分された列を保持するために、搬送方向に沿って延在する搬送ガイドによって隔てられ、横方向に並設された前記単列捻りベルトコンベアの数と同数の中間搬送路を具備しているとともに、前記複数の中間搬送路のそれぞれの後部は、全体の横幅が狭くなるように寄せられて隣接されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、姿勢変更搬送装置から送られてくる各列の食品を列を保持した状態で前方から後方に中間搬送するとともに、搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せてグループ形成装置に確実かつ容易に送り出すことができる。
【0016】
また、特許請求の範囲の請求項6に記載の本発明の食品整列供給システムの特徴は、請求項5において、前記グループ形成装置は、前記各中間搬送路から起立姿勢で送り出されてくる区分された各列の食品を区分された列を保持した状態で下方から受け取るために上下方向に延在する区画ガイド板によって隔てられ横方向に隣接して並設された前記複数の中間搬送路の数と同数の受取路、前記複数の受取路から各列の食品の移動を許容しまたは阻止するように前記複数の受取路の下端を同時に開閉する前後方向に移動可能に形成された1つの送出シャッタ、前記送出シャッタを前後方向に駆動させる開閉用シリンダ、前記複数の受取路の下端のそれぞれに設けられ前記複数の受取路の下端のそれぞれに食品が到達したことを検出する受渡し食品検出手段、および前記送出シャッタの開状態において上部が前記複数の受取路のすべてに連通され下部が前記排出ベルトコンベア上に連通され前記複数の受取路を通過した各列の食品を列を隔てることなく前記排出ベルトコンベアに送り出す上下が開口の送出路を具備しているとともに、常時は前記複数の受取路の下端のそれぞれが前記送出シャッタにより閉じられており、前記送出路の後側には各列について1個の食品が通過可能な送出口が形成され、かつ前記送出路の前側には前記シャッタが通過可能なシャッタ口が形成されており、前記制御部は、前記供給ベルトコンベア、前記複数の単列捻りベルトコンベアおよび前記中間ベルトコンベアを駆動し、前記複数の受渡し食品検出手段のすべてが食品を検出した場合、前記開閉用シリンダを駆動して前記複数の受取路の下端が開くように前記送出シャッタを前方に移動させて、前記複数の受取路の下端のそれぞれに保持した区分された各列の食品を一斉に前記送出路を介して前記排出ベルトコンベア上に横方向に並んだ食品群として移動した後、前記開閉用シリンダを駆動して前記複数の受取路の下端のそれぞれが閉じるように前記送出シャッタを後方に移動させるとともに、前記送出シャッタが前記複数の受取路の下端を閉じる動作に同期させて前記排出ベルトコンベアを駆動する点にある。そして、このような構成を採用したことにより、中間搬送装置から送られてくる各列の起立姿勢の食品を列を隔てることなく各列について1個ずつの横方向に並んだ食品群として排出搬送装置に確実かつ容易に送り出すことができる。
【0017】
また、特許請求の範囲の請求項7に記載の本発明の食品整列供給システムの特徴は、請求項6において、前記送出路に、前記排出ベルトコンベア上に送り出す食品群の各列の食品を上方から個別に押さえる上押さえ装置が設けられており、前記上押さえ装置は、前記グループ形成装置の複数の受取路と前記送出路との間に横方向に並設され厚さ方向を前後方向に向けて上下方向に沿って延在するとともに前面が各列の食品に個別に接触可能な前記受取路の数と同数の上押さえ板と、前記複数の上押さえ板の後側に配設され前記複数の上押さえ板を個別に回動自在に支持する支持部材を具備する前後方向に移動可能に形成された1つの移動体と、前記移動体を前後方向に駆動する進退用シリンダとを有しており、前記制御部は、前記送出シャッタが前記複数の受取路の下端を開く前記開閉シリンダの動作に同期させて、前記移動体が前方に移動するように前記進退用シリンダを駆動させることにより、前記複数の上押さえ板のそれぞれが横方向に並んだ食品群の各列の食品を上方から個別に押さえるように構成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、食品群を確実に得ることができるとともに、食品群の整列状態が崩れるのを確実かつ容易に防止することができる。
【0018】
また、特許請求の範囲の請求項8に記載の本発明の食品整列供給システムの特徴は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記食品は、油で調理する前の衣を付けた小判形の冷凍コロッケである点にある。そして、このような構成を採用したことにより、冷凍コロッケをその厚さ方向を横に向けて縦横に複数列をなすように整列した食品群として供給することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る食品整列供給システムによれば、整列搬送装置により厚さ方向を上下方向にした伏姿勢で供給搬送される食品は、搬送中に複数の列に整列されて姿勢変更搬送装置に送り出され、この姿勢変更搬送装置により各列の食品は、単列ずつに区分されるとともに、搬送方向後端で食品の厚さ方向を搬送方向に対して直交する横方向に90度回転させた起立姿勢にして中間搬送装置に送り出され、この中間搬送装置により各列の食品は、列を保持した状態で前方から後方に中間搬送されるとともに搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せられてグループ形成装置に送り出され、グループ形成装置により各列の起立姿勢の食品は、各列について1個ずつの横方向に並んだ食品群とされて排出搬送装置に送り出され、排出搬送装置により食品群は排出搬送され、制御部により整列搬送装置、姿勢変更搬送装置、中間搬送装置、グループ形成装置および排出搬送装置の動作の制御が行われるので、簡単な構造で、食品を搬送しつつその厚さ方向を横に向けて縦横に複数列をなすように整列した食品群として包装装置に供給することができるなどの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る食品整列供給システムの実施形態の要部を示す概略構成図
【図2】本発明に係る食品整列供給システムの実施形態の要部を示す概略正面図
【図3】図2の概略平面図
【図4】本発明に係る食品整列供給システムの実施形態の供給食品検出手段の取着状態の要部を示す拡大正面図
【図5】図4の拡大平面図
【図6】本発明に係る食品整列供給システムの実施形態の姿勢変更搬送装置および中間搬送装置の搬送ガイドの要部を示す外観斜視図
【図7】図6の正面図
【図8】図6の平面図
【図9】図6の側面図
【図10】本発明に係る食品整列供給システムの実施形態のグループ形成装置および上押さえ装置の要部を示す拡大斜視図
【図11】図10の概略構成図
【図12】本発明に係る食品整列供給システムの実施形態の要部の構成を示すブロック図
【図13】発明に係る食品整列供給システムの実施形態における食品群が排出ベルトコンベア上に送り出された状態を説明する説明図
【図14】食品の厚さ方向を横方向とするとともに縦横に整列させた食品のピロー包装を説明する説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。
【0022】
図1から図3は本発明に係る食品整列供給システムの実施形態を示すものであり、図1は概略構成図、図2は要部の概略正面図、図3は要部の概略平面図である。なお、符号は一部にのみ付してある。
【0023】
図1から図3に示すように、本実施形態の食品整列供給システム1は、厚さ方向を上下方向にした伏姿勢で供給される食品Fを搬送しつつその厚さ方向を横に向けて縦横に複数列をなすように整列した食品群FGとし、これを包装する包装装置としてのピロー包装装置Pに供給するものである。本実施形態において、食品Fは、例えば油で調理する前の衣を付けた平面小判形の平たい形状に形成された冷凍コロッケであり、食品F整列供給システム1に供給される前に、冷凍コロッケ製造装置によりパン粉による衣を付けた状態で冷凍されたものである。
【0024】
なお、説明の便宜上、食品整列供給システム1において、図中太矢印にて示す食品Fの全体としての搬送方向Aを縦方向とし、これと直交する方向であって搬送方向上流側から見て左右に示す方向を横方向とし、縦方向および横方向の双方に直交する方向を上下方向(鉛直方向)とする。また、縦方向における搬送方向上流側を「前」、搬送方向下流側を「後」、横方向における左側を「左」、右側を「右」、上下方向における上側を「上」、下側を「下」として以下に説明する。
【0025】
図1から図3に示すように、本実施形態における食品整列供給システム1は、整列搬送装置2と、姿勢変更搬送装置3と、中間搬送装置4と、グループ形成装置5と、排出搬送装置6と、制御部7(図12)とを有している。また、整列搬送装置2、姿勢変更搬送装置3、中間搬送装置4、グループ形成装置5、および排出搬送装置6は、この順に、全体として太矢印にて示す食品Fの搬送方向A(以下、単に、搬送方向Aと記す。)に沿って平面直線状をなすように配置されている。そして、整列搬送装置2の前上部に示す位置が食品Fを人手、ロボット、ベルトコンベア(共に図示せず)などにより供給する供給位置SPとされ、排出搬送装置6の後上部に示す位置が後述するグループ化した食品群FGをピロー包装装置Pに向けて排出する排出位置OPとされている。
【0026】
前記整列搬送装置2について図1から図5によりさらに説明する。
【0027】
図4および図5は図1の供給食品検出手段の取着状態の要部を示すものであり、図4は拡大正面図、図5は図拡大平面図である。なお、符号は一部にのみ付してある。
【0028】
前記整列搬送装置2は、厚さ方向を上下方向にした伏姿勢で載置される多数の平たい形状の食品Fを複数の列に整列して前方から後方に供給搬送するためのものであり、図1から図3に示すように、1つの供給ベルトコンベア11と、複数、本実施形態においては5列の供給列形成搬送路12を形成するための複数、本実施形態においては6つの整列ガイド13とを有している。なお、供給列形成搬送路12の数は、設計コンセプトなどの必要に応じて設定することができる。
【0029】
前記供給ベルトコンベア11は、供給位置SPにおいて載置あるいは移載される食品Fを下方から支持して前方から後方に向かって供給搬送するためのものであり、食品Fを表面上に載置して搬送する無端環状に形成された幅広の搬送ベルトとしての整列用搬送ベルト14を備えている。この整列用搬送ベルト14としては、例えば布、ゴムを単独あるいは組み合わせた図示しないベルト本体の少なくとも食品Fが接触する搬送面をシリコン樹脂により被覆したものが用いられている。なお、被覆する樹脂としては、食品衛生上安全で摩擦係数が低く食品Fが滑り易い樹脂、例えばふっ素樹脂であってもよい。また、整列用搬送ベルト14は、搬送方向下流側に配置された整列用駆動ローラ15と、搬送方向上流側に配置された整列用従動ローラ16とのそれぞれの外周に掛け回されている。そして、整列用駆動ローラ15と整列用従動ローラ16とは、縦方向に所定の間隔をおいて相互に平行に配置されている。さらに、整列用駆動ローラ15の両端は、平面ほぼ縦長の矩形状に形成された枠状の整列用フレーム17の上部後端部近傍に、1対の整列用軸受18によって回転自在に支持されており、整列用従動ローラ16は、整列用フレーム17の上部前端部近傍に図示しない軸受によって回転自在に支持されている。また、整列用搬送ベルト14の裏面側、詳しくは整列用搬送ベルト14の内部空間における整列用駆動ローラ15と整列用従動ローラ16との間には、整列用搬送ベルト14の搬送面が水平面となるように案内するための整列用固定ガイド板19が整列用搬送ベルト14の長手方向に沿って整列用フレーム17に固定されている。
【0030】
前記整列用駆動ローラ15の左端部には歯付きベルトプーリなどの整列用従動プーリ20が取り付けられており、この整列用従動プーリ20の外周と、整列用フレーム17に配設されたサーボモータあるいはインバータモータなどからなる速度制御可能な整列用駆動モータ21の出力軸21aに取り付けられた歯付きベルトプーリなどの整列用駆動プーリ22の外周とには、歯付きベルトなどからなる整列用駆動ベルト23が掛け回されている。そして、整列用駆動モータ21の駆動力によって整列用駆動プーリ22を図1の反時計方向に回転駆動させることにより、整列用搬送ベルト14を図1の反時計方向に回転駆動させることができるようになっている。そして、整列用搬送ベルト14を回転駆動させることにより、整列用搬送ベルト14の表面上に載置した食品Fを前方から後方に向かって水平に供給搬送することができるように形成されている。この、供給ベルトコンベア11による食品Fの移動方向を図3に矢印X1にて示す。
【0031】
前記整列用駆動モータ21は、制御部7と電気的に接続されており、制御部7から送出される制御指令である制御信号に基づいて、回転速度、回転方向、駆動タイミングなどの動作制御がなされるようになっている。
【0032】
なお、供給ベルトコンベア11のその他の構成は、周知のベルトコンベアと同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
【0033】
前記6つの整列ガイド13は、5列の供給列形成搬送路12を形成するためのものであり、各供給列形成搬送路12は、供給ベルトコンベア11上を搬送される食品Fがその長手方向を前後方向にして1列状に整列して通過させるためのものである。これらの整列ガイド13は、両端がほぼ半球状をなす棒状に形成されており、その長手方向が搬送方向Aに沿って延在するように水平に配置されている。また、各整列ガイド13は、食品Fの長手方向に対して直交する幅方向のサイズより大きい間隔をもって相互に平行に延在するように横方向に隣接して並設されている。但し、各整列ガイド13の間隔は、食品Fの長手方向に沿った縦方向のサイズよりは小さくされている。
【0034】
前記6つの整列ガイド13は、供給ベルトコンベア11の上方を横切るように整列用フレーム17に相互に平行に間隔をおいて取り付けられた2つのガイド支持フレーム24により上方から支持されており、各整列ガイド13の下端が整列用搬送ベルト14の搬送面から若干上方に位置するように水平に配置されている。また、各整列ガイド13の前端は、整列用搬送ベルト14の搬送方向Aに沿った長手方向の中央より前側に配置されており、整列用搬送ベルト14の整列ガイド13が配置されていない領域は、食品Fが不整列状態で搬送される不整列領域とされており、この不整列領域に食品Fが載置あるいは移載されるようになっている。勿論、整列用搬送ベルト14の整列ガイド13が配置されている領域は、食品Fが1列状をなすように整列状態で搬送される整列領域とされている。また、整列ガイド13の下端の位置は、整列用駆動ベルト23の搬送面より若干上方に離れて配置されている。さらに、整列ガイド13の上端の位置は、食品Fの厚さ方向のほぼ中央部となるように形成されている。なお、整列ガイド13の上端の位置としては、設計コンセプトなどの必要に応じて変更することができる。さらに、整列ガイド13としては、平板状のものであってもよい。
【0035】
前記5列の供給列形成搬送路12には、それぞれ供給食品検出手段26と、移動規制手段28とが設けられている。
【0036】
前記供給食品検出手段26は、供給ベルトコンベア11により搬送される食品Fを姿勢変更搬送装置3に送り出す直前の位置で検出するためのものであり、例えば検出距離が5−10mm程度で、発光器および受光器が一体とされた反射型光センサ(フォトリフレクタ)が用いられている。この供給食品検出手段26は、図4および図5に示すように、整列ガイド13の後端部近傍に埋設されており、発光器から出た光が供給列形成搬送路12を通過する食品Fにより反射した反射光を受光器で受光することにより、食品Fを検出することができるようになっている。また、各供給列形成搬送路12に設けられた5つの供給食品検出手段26は、それぞれ制御部7に電気的に接続されており、各供給列形成搬送路12毎に、食品Fが供給列形成搬送路12の後端部近傍に到達したことをあらわす検出信号、例えばON信号を個別に制御部7に送出することができるようになっている。なお、供給食品検出手段26としては、食品Fの種類や設計コンセプトなどの必要に応じて、発光器および受光器が別々とされた透過型光センサや、リミットスイッチなどの各種の接触式センサから選択使用することができる。また、供給食品検出手段26の取付位置としては、供給列形成搬送路12を通過する食品Fの移動、および食品Fの検出を阻害しない位置であればよく、例えば製品ガイドの上部に配置したり、供給列形成搬送路12の上方に配置したりすることができる。
【0037】
前記移動規制手段28は、食品Fの移動、具体的には供給ベルトコンベア11により搬送される食品Fを姿勢変更搬送装置3に送り出すのを許容しまたは阻止するためのものであり、図4および図5に示すように、供給列形成搬送路12を通過する食品Fを供給列形成搬送路12の後端で上方から押さえる押さえパッド29を有している。この押さえパッド29は、例えばウレタンゴムにより下端面がほぼ平坦に形成されている。なお、押さえパッド29の材料としては、シリコーンゴム、ゴムスポンジなどの弾性体や樹脂であってもよい。
【0038】
前記押さえパッド29は、その上端が空気圧駆動の往復動シリンダなどからなる押さえ用シリンダ30の出力軸30aに着脱自在に取り付けられており、押さえ用シリンダ30は、その出力軸30aの先端を供給列形成搬送路12に向けて配置されている。これら5つの押さえ用シリンダ30は、供給ベルトコンベア11の後端部近傍の上方を横切るように整列用フレーム17に取り付けられたシリンダ支持フレーム31に相互に平行に延在するように横方向に隣接して並設されている。なお、押さえ用シリンダ30としては、油圧駆動あるいは電気駆動のものであってもよい。
【0039】
前記各押さえ用シリンダ30の出力軸30aの昇降動作は、制御部7の制御信号によって動作するそれぞれの押さえ用電磁弁32(図12)によって制御されている。そして、押さえ用シリンダ30の出力軸30aを下降させることにより、押さえパッド29が下降して、押さえパッド29の下端面を供給列形成搬送路12を通過する食品Fの上面に接触させて食品Fを上方から押さえることができるようになっている。また、押さえパッド29により食品Fの上面を上方から押さえた場合、押さえパッド29が弾性変形するとともに、食品Fが駆動状態の整列用搬送ベルト14の搬送面で円滑にスリップするように、押さえ用シリンダ30の出力軸30aの下降位置が規制されている。勿論、押さえパッド29が食品Fの上面を上方から押さえたときの荷重は、食品Fが破損しない程度に設定されている。なお、押さえ用シリンダ30は、図2に示すように、常時は、出力軸30aが後退した状態を保持しており、押さえパッド29は、供給列形成搬送路12を上方から臨む上方位置を保持している。
【0040】
前記姿勢変更搬送装置3について図1から図3および図6から図9によりさらに説明する。
【0041】
図6から図9は図1の姿勢変更搬送装置および中間搬送装置の搬送ガイドの要部を示すものであり、図6は外観斜視図、図7は図6の正面図、図8は図6の平面図、図9は図6の側面図である。なお、符号は一部にのみ付してある。
【0042】
前記姿勢変更搬送装置3は、整列搬送装置2から伏姿勢で送り出されてくる各列の食品Fを単列ずつに区分するとともに、伏姿勢で移載された食品Fを搬送しつつ搬送方向後端で食品Fの厚さ方向を搬送方向Aに対して直交する横方向に90度、本実施形態においては搬送方向上流側から見て反時計方向に90度回転させた起立姿勢(駒立て)にして送り出すためのものであり、図1から図3および図6に示すように、各供給列形成搬送路12の後端に接続する5つの単列捻りベルトコンベア34を有している。これら5つの単列捻りベルトコンベア34は、相互に平行に延在するように横方向に隣接して並設されている。また、本実施形態の5つの単列捻りベルトコンベア34は、単列捻りベルトコンベア34によって一体に形成されている。勿論、5つの個別の単列捻りベルトコンベア34を用いる構成としてもよい。
【0043】
前記各単列捻りベルトコンベア34は、図6から図9に示すように、それぞれ食品Fを表面上に載置して搬送する無端環状に形成された搬送ベルトとしての捻り用搬送ベルト36を備えている。これらの捻り用搬送ベルト36としては、整列用搬送ベルト14と同様の構成のものが用いられている。また、捻り用搬送ベルト36は、搬送方向上流側に配置された1つの捻り用共通駆動ローラ37と、搬送方向下流側に配置された捻り用個別従動ローラ38との間に掛け回されている。そして、捻り用共通駆動ローラ37と5つの捻り用個別従動ローラ38とは、縦方向に所定の間隔をおいて相互に平行に配置されている。なお、捻り用搬送ベルト36のベルト幅は、供給列形成搬送路12の横幅とほぼ同一に形成されている。
【0044】
前記捻り用共通駆動ローラ37は、5つの捻り用搬送ベルト36を一体駆動させるためのものであり、単列捻りベルトコンベア34の前端近傍にその軸方向を横方向にして水平に回転自在に取り付けられている。そして、捻り用共通駆動ローラ37の胴部には、5つの捻り用搬送ベルト36のそれぞれが掛けられる5つのベルト掛け部37aが横方向に配列されている。また、5つの捻り用個別従動ローラ38のそれぞれは、単列捻りベルトコンベア34の後端近傍に、横方向に所定の間隔をおいて相互に平行に配列されているとともに、その軸方向を上下方向にして回転自在に取り付けられている。すなわち、5つの捻り用搬送ベルト36のそれぞれは、捻り用共通駆動ローラ37のベルト掛け部37aの外周と捻り用個別従動ローラ38の外周との間にそれぞれ掛け回されている。そして、捻り用共通駆動ローラ37の左端部には駆動ギア39が取り付けられており、この駆動ギア39には、単列捻りベルトコンベア34の左端前側に配設されたサーボモータあるいはインバータモータなどからなる速度制御可能な捻り用駆動モータ40の出力軸40aに取り付けられた出力ギア41が噛合されている。そして、捻り用駆動モータ40の駆動力によって捻り用共通駆動ローラ37を図1の反時計方向に回転駆動させることにより、整列搬送装置2の5つの供給列形成搬送路12のそれぞれから伏姿勢で送り出されてくる各列の食品Fを各列毎に捻り用搬送ベルト36により受け取って、捻り用搬送ベルト36上に移載された食品Fを前方から後方へ搬送するとともに、食品Fの厚さ方向を搬送方向Aに対して直交する横方向に90度回転させた起立姿勢にして送り出すことができるように構成されている。これら単列捻りベルトコンベア34による食品Fの移動方向を図2および図3に矢印X2にて示す。
【0045】
前記単列捻りベルトコンベア34は、図2および図3に示すように、後述する中間ベルトコンベア44が上部に配置される中間用フレーム50に取り付けられている。また、単列捻りベルトコンベア34には、図6から図9に示すように、厚さ方向を横方向に向けた縦方向に長い平板状の捻り用区画板42が、5列の単列捻りベルトコンベア34の相互間および横方向両側の6箇所に相互に平行に配置されている。これら6つの捻り用区画板42によって、5列の単列捻りベルトコンベア34が区分されている。
【0046】
前記捻り用駆動モータ40は、制御部7と電気的に接続されており、制御部7から送出される制御指令に基づいて、回転速度、回転方向、駆動タイミングなどの動作制御がなされている。
【0047】
なお、単列捻りベルトコンベア34のその他の構成は、周知の単列捻りベルトコンベアと同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
【0048】
前記中間搬送装置4について図1から図3および図6から図9によりさらに説明する。
【0049】
前記中間搬送装置4は、姿勢変更搬送装置3から起立姿勢で送り出されてくる各列の食品Fを列を保持した状態で前方から後方に中間搬送するとともに、搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せるためのものものであり、1つの中間ベルトコンベア44と、複数列、本実施形態においては横方向に並設された5列の中間搬送路45を形成するための6つの搬送ガイド46とを有している。
【0050】
前記中間ベルトコンベア44は、姿勢変更搬送装置3の各単列捻りベルトコンベア34から送り出されてくる各列の食品Fを一括して下方から支持して前方から後方に向かって中間搬送するためのものであり、姿勢変更搬送装置3の下方において前端が単列捻りベルトコンベア34の前端より前側に配置され、後端が単列捻りベルトコンベア34の後端より後側に配置されている。すなわち、図1から図3に示すように、中間ベルトコンベア44の前側上方に、姿勢変更搬送装置3が配置されている。
【0051】
前記中間ベルトコンベア44は、食品Fを表面上に載置して搬送する無端環状に形成された幅広の搬送ベルトとしての中間用搬送ベルト47を備えている。この中間用搬送ベルト47としては、整列用搬送ベルト14と同様の構成のものが用いられている。また、中間用搬送ベルト47は、搬送方向下流側に配置された中間用駆動ローラ48と、搬送方向上流側に配置された中間用従動ローラ49とのそれぞれの外周に掛け回されている。そして、中間用駆動ローラ48と中間用従動ローラ49とは、縦方向に所定の間隔をおいて相互に平行に配置されている。さらに、中間用駆動ローラ48の両端は、平面ほぼ縦長の矩形状に形成された枠状の中間用フレーム50の上部後端部近傍において回転自在に支持されており(図3)、中間用従動ローラ49は、整列用フレーム17の上部前端部近傍に回転自在に支持されている。また、中間用搬送ベルト47の裏面側、詳しくは中間用搬送ベルト47の内部空間における中間用駆動ローラ48と中間用従動ローラ49との間には、中間用搬送ベルト47の搬送面が水平面となるように案内するための中間用固定ガイド板51が中間用搬送ベルト47の長手方向に沿って中間用フレーム50に固定されている。
【0052】
前記中間用駆動ローラ48の左端部には、図2および図3に示すように、歯付きベルトプーリなどの中間用従動プーリ52が取り付けられており、この中間用従動プーリ52の外周と、中間用フレーム50に配設されたサーボモータあるいはインバータモータなどからなる速度制御可能な中間用駆動モータ53の出力軸53aに取り付けられた歯付きベルトプーリなどの中間用駆動プーリ54の外周とには、歯付きベルトなどからなる中間用駆動ベルト55が掛け回されている。そして、中間用駆動モータ53の駆動力によって中間用駆動プーリ54を図1の反時計方向に回転駆動させることにより、中間用搬送ベルト47を図1の反時計方向に回転駆動させることができるようになっている。そして、中間用搬送ベルト47を回転駆動させることにより、中間用搬送ベルト47の表面上に載置した起立姿勢の食品Fを前方から後方に向かって中間搬送することができるように形成されている。この、供給ベルトコンベア11による食品Fの移動方向を図3に矢印X3にて示す。
【0053】
前記中間用駆動モータ53は、制御部7と電気的に接続されており、制御部7から送出される制御指令に基づいて、回転速度、回転方向、駆動タイミングなどの動作制御がなされている。
【0054】
なお、中間ベルトコンベア44のその他の構成は、前記供給ベルトコンベア11と同様に、周知のベルトコンベアと同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
【0055】
前記5列の中間搬送路45は、中間ベルトコンベア44上を搬送される起立姿勢の食品Fをその長手方向を前後方向にして通過させるためのものであり、各中間搬送路45の横幅は、食品Fの厚さ方向のサイズより大きく形成されている。また、5列の中間搬送路45のそれぞれは、搬送方向上流側に配置される前中間路45Fと、これら前中間路45Fの後端に接続された搬送方向下流側に配置される後中間路45Rとを具備している。
【0056】
前記5列の前中間路45Fは、それぞれ相互に平行な1対の搬送ガイド46の前側を形成する前ガイド板46Fによって形成されている。これらの前ガイド板46Fは、その厚さ方向を横方向に向けて配置された縦方向に長い平板状に形成されている。また、各前中間路45Fの前端のそれぞれは、対応する単列捻りベルトコンベア34の後端側に接続あるいは対向するように配置されている。さらに、5列の前中間路45Fのうち横方向の中央に位置する前中間路45Fを形成する2つの前ガイド板46Fは、縦方向に沿って直線状に配置されており、この前中間路45Fの後端に、残りの4つの前中間路45Fの後端を横方向に揃えて寄せるように、残りの4つの前中間路45Fを構成する総計8つの前ガイド板46Fが上方から見て斜めに配置されている。さらに、前ガイド板46Fの前端部上端面は、単捻り用フレーム35の後部上横プレート35aの下面に接続されて上方から支持されている。また、5列の前中間路45Fのうちの両側を除く中央部における3つの前中間路45Fの後端部近傍の上端面は、第2接続プレート56の下面に接続されている。なお、5列の前中間路45Fのうち横方向の一端側の前中間路45Fを縦方向に沿って配置し、この前中間路45Fの後端に残りの4つの前中間路45Fを寄せる構成としてもよい。但し、5列の前中間路45Fを横方向の一側に寄せると、前中間路45Fの最短距離と最大距離の差が最も多くなる。
【0057】
前記5列の後中間路45Rは、相互に平行に延在するように横方向に隣接して並設された6つの搬送ガイド46の後側を構成する後ガイド板46Rによって形成されている。これらの後ガイド板46Rは、その厚さ方向を横方向に向けて配置された縦方向に長い平板状に形成されている。また、6つの後ガイド板46Rの長さは、前ガイド板46Fの長さより短く形成されている。そして、後ガイド板46Rの前端部上端面は、連結プレート57の下面の後側に接続されて上方から支持されている。なお、搬送ガイド46としては、棒状のものであってもよい。
【0058】
したがって、5列の中間搬送路45のそれぞれの後端部は、搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せて形成されており、5列の中間搬送路45は、中間ベルトコンベア44上を搬送される食品Fをその起立姿勢および区分された列を保持した状態で通過させるとともに、5列の中間搬送路45のそれぞれの搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せることができるように形成されている。
【0059】
前記グループ形成装置5について図1から図3および図10および図11によりさらに説明する。
【0060】
図10はグループ形成装置および上押さえ装置の要部を示す拡大斜視図、図11はグループ形成装置および上押さえ装置の要部を示す概略構成図である。なお、符号は一部にのみ付してある。
【0061】
前記グループ形成装置5は、中間搬送装置4から起立姿勢で送り出されてくる各列の食品Fを各列について1個ずつのグループにグループ化して送り出すためのものであり、図1から図3に示すように、中間搬送装置4の後側に配置されている。
【0062】
本実施形態のグループ形成装置5は、図10および図11に示すように、各中間搬送路45から起立姿勢で送り出されてくる区分された各列の食品Fを区分された列を保持した状態で下方から受け取るために、上下方向に延在する区画ガイド板によって隔てられ横方向に隣接して並設された5列の中間搬送路45の数と同数、本実施形態においては5列の中間搬送路45と同数の5列の受取路61を形成するための厚さ方向を横方向にして上下方向に沿って延在する6つの区画ガイド板62を有している。これら6つの区画ガイド板62の上端前側は、6つの後ガイド板46Rの下端後側の下方に配置されている。すなわち、右端の後ガイド板46Rの下方に右端の区画ガイド板62が配置されており、左端の後ガイド板46Rの下方に左端の区画ガイド板62が配置されている。また、6つの区画ガイド板62の後端上部は、中間ベルトコンベア44の後端と対向するように配置されている。さらに、6つの区画ガイド板62は、隣位する2つの区画ガイド板62の間隔が上端で大きく、下端で小さくなるようにされている。勿論、隣位する2つの区画ガイド板62の下端における間隔は、食品Fの厚さより若干大きく形成されている。
【0063】
前記6つの区画ガイド板62のうち横方向両側に位置する2つの区画ガイド板62の下端は、中央に配置された4つの区画ガイド板62の下端より下方に延出されている。すなわち、2つの区画ガイド板62の下端縁には、下壁板部63が延出形成されており、この下壁板部63の下端縁には、横方向外側に向かって張り出した平板状の張出部64が延出形成されており、この張出部64は、後述する後フレームの固定ガイド板に取り付けられている。また、下壁板部63の上下方向のサイズは、起立姿勢の食品Fが1つだけ通過する寸法とされている。さらに、6つの区画ガイド板62の前端下部には、横方向に延在する連結板65が取り付けられており、隣位する2つの区画ガイド板62の前側の間隔が固定されている。さらにまた、6つの区画ガイド板62の後端には、厚さ方向を前後方向に向けて配置された平板状の後壁板66が取り付けられている。この後壁板66は、横方向両側に位置する2つの区画ガイド板62の下壁板部63の間が切り欠かれた下向きコ字状に形成されている。そして、6つの区画ガイド板62のうちの隣位する2つの区画ガイド板62と後壁板66とにより囲まれた空間がそれぞれ受取路61とされており、これら5列の受取路61は、横方向に隣接して並設されている。なお、下壁板部63の前端は、連結板65より前方に配置されている。
【0064】
前記6つの区画ガイド板62のうちの横方向外側に配置された2つの区画ガイド板62の下壁板部63に挟まれた横長直方体状の下部空間70には、5列の受取路61の下端を同時に開閉する前後方向に移動可能に形成された送出シャッタ67が配置されている。この送出シャッタ67は、横長の直方体の上面を斜めに切り取った形状とされている。そして、送出シャッタ67の前端面には、空気圧駆動の往復動シリンダからなる開閉用シリンダ68の出力軸68aの先端が接続されている。この開閉用シリンダ68は、縦方向に沿って水平に配置されており、常時は、出力軸68aが後方に移動した前進した状態を保持しており、5列の受取路61から各列の食品Fの移動を阻止するように下部空間70に送出シャッタ67が存在し、5列の受取路61の下端を閉状態に保持している。なお、開閉用シリンダ68としては、油圧駆動あるいは電気駆動のものであってもよい。
【0065】
前記開閉用シリンダ68の出力軸68aの進退動作は、制御部7の制御指令によって動作する開閉用電磁弁69によって制御されている(図12)。この5列の受取路61の下端が送出シャッタ67により閉じた閉状態においては、図2に示すように、受取路61を通過しようとする食品Fは、その下端が送出シャッタ67の傾斜面67aに接触した状態で保持されるようになっている。また、開閉用シリンダ68の出力軸68aを前側に後退させることにより、送出シャッタ67が前側に水平に移動して下部空間70から離間するようになっている。
【0066】
前記下部空間70により、本実施形態の送出シャッタ67の開状態において上部が5列の受取路61のすべてに連通され下部が排出搬送装置6の排出ベルトコンベア91上に連通され、5列の受取路61を通過した各列の食品Fを列を隔てることなく排出ベルトコンベア91に送り出す上下が開口の送出路71が構成されている。そして、送出路71の後側は、各列について1個の食品Fが通過可能な送出口71aとされている。また、送出路71の前側は、送出シャッタ67が通過可能なシャッタ口71bとされている。なお、列を隔てることなくとは、厚さ方向を横方向にして重なる状態である。
【0067】
前記5列の受取路61の上部後側には、それぞれ各受取路61の下端のそれぞれに食品Fが到達したことを検出する受渡し食品検出手段72が配設されている。この受渡し食品検出手段72としては、例えば検出距離が5−10mm程度で、発光器および受光器が一体とされた反射型光センサ(フォトリフレクタ)が用いられている。これら5つの受渡し食品検出手段72は、それぞれ制御部7に電気的に接続されており、各受取路61毎に、食品Fが受取路61の下端、すなわち、送出シャッタ67上に到達したことをあらわす検出信号、例えばON信号を個別に制御部7に送出することができるようになっている。なお、受渡し食品検出手段72としては、食品Fの種類や設計コンセプトなどの必要に応じて、発光器および受光器が別々とされた透過型光センサや、リミットスイッチなどの各種の接触式センサから選択使用することができる。
【0068】
前記送出路71には、排出ベルトコンベア91上に送り出す食品群FGの各列の食品Fを上方から個別に押さえる上押さえ装置81が設けられている。この上押さえ装置81は、グループ形成装置5の5列の受取路61と送出路71との間に横方向に並設され厚さ方向を前後方向に向けて上下方向に沿って延在するとともに、前面が各列の食品Fに個別に接触可能な5つの上押さえ板82を有している。これらの上押さえ板82の上端は、受取路61の後側下部に挿入されており、上押さえ板82の下端は、送出シャッタ67の後端上部より上方に配置されている。また、上押さえ板82の横方向に沿った幅寸法は、食品Fの厚さより小さく形成されている。そして、各上押さえ板82の後面の上下方向の中央部より上方には、その厚さ方向を横方向に向けて縦方向に沿って延在する水平板83の前端が固着されている。
【0069】
前記5つの上押さえ板82の後側には、5つの上押さえ板82を個別に回動自在に支持する5つの支持部材84aを具備する1つの移動体84が配置されている。この移動体84は、その長手方向が横方向に沿って配置された正面逆L字状に形成されており、この移動体84の前面に5つの支持部材84aの基端が横方向に隣接して並設されている。そして、支持部材84aの先端に水平板83の先端が横方向に重なるように配置した状態で連結ピン85によって連結することにより、各上押さえ板82が個別に回動自在に支持されている。また、移動体84の後面の横方向の中央部には、空気圧駆動の往復動シリンダからなる進退用シリンダ86の出力軸86aの先端が接続されている。この進退用シリンダ86は、縦方向に沿って水平に配置されており、常時は、出力軸86aが後方に移動した後退した状態を保持しており、各上押さえ板82のそれぞれが、自重によって上下方向を向いた状態で送出路71の後側、すなわち送出口71aの直近に位置するように各上押さえ板82の位置を保持している。なお、進退用シリンダ86としては、油圧駆動あるいは電気駆動のものであってもよい。また、進退用シリンダ86は、ブラケット74を介して下壁板部63の前端部に支持されている。
【0070】
前記進退用シリンダ86の出力軸86aの進退動作は、制御部7の制御指令によって動作する進退用電磁弁87によって制御されている(図12)。また、進退用シリンダ86の出力軸86aを前側に前進させることにより、各上押さえ板82は、それぞれ送出路71の前側に移動するようになっている。なお、進退用シリンダ86は、取付ブラケット88に取り付けられており、この取付ブラケット88は、後壁板66の後面上部に取り付けられている。また、進退用シリンダ86の圧力は、前方に移動する上押さえ板82によって食品Fが潰れないように、すなわち、上押さえ板82と送出シャッタ67との間に食品Fが挟まれた場合、上押さえ板82が逃げるように調整されている。この進退用シリンダ86の圧力調整は、進退用シリンダ86を駆動する空気圧の圧力調整を行う図示しない減圧弁によって実行されている。なお、グループ形成装置5による食品Fの移動方向を図1に矢印X4にて示す。
【0071】
前記排出搬送装置6について図1から図3によりさらに説明する。
【0072】
前記排出搬送装置6は、送出路71からグループ形成されて送り出されてくる起立姿勢の食品群FGを受け取って下方から支持して前方から後方に排出搬送するためのものであり、1つの排出ベルトコンベア91、およびこの排出ベルトコンベア91上を搬送される食品群FGの搬送方向Aに対して直交する横方向の両端の位置を規制する1対の排出ガイド92を具備している。この1対の排出ガイド92の前端部は、搬送方向下流側に向かって相互間の間隔が徐々に狭くなる導入部92aとされており、導入部92aの開口端の横方向の間隔は、送出口71aの横方向のサイズとほぼ同等に形成されている(図3)。なお、本実施形態における排出ガイド92の横方向のサイズは、食品群FGの横方向のサイズより若干大きくされている。
【0073】
前記排出ベルトコンベア91は、グループ形成装置5の送出路71から送り出されてくる食品群FGを一括して下方から支持して前方から後方に向かって排出搬送するためのものであり、グループ形成装置5の下方において前端が中間ベルトコンベア44の後端より前側に配置されている(図1)。
【0074】
前記排出ベルトコンベア91は、食品Fを表面上に載置して搬送する無端環状に形成された幅広の排出用搬送ベルト93を備えている。この排出用搬送ベルト93としては、整列用搬送ベルト14と同様の構成のものが用いられている。また、排出用搬送ベルト93は、搬送方向下流側に配置された排出用駆動ローラ94と、搬送方向上流側に配置された排出用従動ローラ95とのそれぞれの外周に掛け回されている。そして、排出用駆動ローラ94と排出用従動ローラ95とは、縦方向に所定の間隔をおいて相互に平行に配置されている。さらに、排出用駆動ローラ94の両端は、平面ほぼ縦長の矩形状に形成された枠状の排出用フレーム96の上部後端部近傍において回転自在に支持されており、排出用従動ローラ95は、排出用フレーム96の上部前端部近傍に回転自在に支持されている。また、排出用搬送ベルト93の裏面側、詳しくは排出用搬送ベルト93の内部空間における排出用駆動ローラ94と排出用従動ローラ95との間には、排出用搬送ベルト93の搬送面が水平面となるように案内するための排出用固定ガイド板97が排出用搬送ベルト93の長手方向に沿って排出用フレーム96に固定されている。
【0075】
前記排出用駆動ローラ94の左端部には、図2および図3に示すように、歯付きベルトプーリなどの排出用従動プーリ98が取り付けられており、この排出用従動プーリ98の外周と、排出用フレーム96に配設されたサーボモータあるいはインバータモータなどからなる速度制御可能な排出用駆動モータ99の出力軸99aに取り付けられた歯付きベルトプーリなどの排出用駆動プーリ100の外周とには、歯付きベルトなどからなる排出用駆動ベルト101が掛け回されている。そして、排出用駆動モータ99の駆動力によって排出用駆動プーリ100を図1の反時計方向に回転駆動させることにより、排出用搬送ベルト93を図1の反時計方向に回転駆動させることができるようになっている。そして、排出用搬送ベルト93を回転駆動させることにより、排出用搬送ベルト93の表面上に送り込まれた食品群FGを前方から後方に向かって搬送することができるように形成されている。このとき、食品群FGはその横方向の両側の位置が排出ガイド92によって規制されることで整列状態を保持することができるようになっている。また、排出ベルトコンベア91による食品群FGの移動方向を図3に矢印X5にて示す。
【0076】
なお、排出ベルトコンベア91のその他の構成は、前記供給ベルトコンベア11と同様に、周知のベルトコンベアと同様とされているので、その詳しい説明については省略する。
【0077】
前記制御部7について図12によりさらに説明する。
【0078】
図12は要部の構成を示すブロック図である。
【0079】
前記制御部7は、各駆動部の動作の制御を司るためのものであり、図12に示すように、マイクロコンピュータと同様に、少なくとも演算部として機能するCPU111(MPUであってもよい)と、プログラムやデータを記憶する記憶部として機能するメモリ112とを有している。
【0080】
前記制御部7には、少なくとも整列用駆動モータ21、供給食品検出手段26、押さえ用シリンダ30を駆動制御する押さえ用電磁弁32、捻り用駆動モータ40、中間用駆動モータ53、開閉用シリンダ68を駆動制御する開閉用電磁弁69、受渡し食品検出手段72、進退用シリンダ86を駆動制御する進退用電磁弁87、排出用駆動モータ99、および図示しない電源スイッチ、始動スイッチ、停止スイッチ、非常停止スイッチなどのスイッチ類や、各種の設定値などを入力する入力装置や、動作状態などを表示する表示装置などが電気的に接続されている。
【0081】
前記メモリ112には、少なくとも供給ベルトコンベア11、5列の単列捻りベルトコンベア34および中間ベルトコンベア44を駆動し、5つの受渡し食品検出手段72のすべてが食品Fを検出した場合、開閉用シリンダ68を駆動して5列の受取路61の下端が開くように送出シャッタ67を前方に移動させて、5列の受取路61の下端のそれぞれ(送出シャッタ67上)に保持した区分された各列の食品Fを一斉に送出路71を介して排出ベルトコンベア91上に横方向に並んだ食品群FGとして移動した後、開閉用シリンダ68を駆動して5列の受取路61の下端のそれぞれが閉じるように送出シャッタ67を後方に移動させるとともに、送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を閉じる動作に同期させて排出ベルトコンベア91を駆動するように、整列用駆動モータ21、捻り用駆動モータ40、中間用駆動モータ53、開閉用電磁弁69および排出用駆動モータ99の駆動制御を行うことのできるプログラムおよびデータが記憶されている。
【0082】
なお、排出ベルトコンベア91の駆動を送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を閉じる動作に同期させるとは、排出ベルトコンベア91の駆動開始タイミングと送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を閉じる動作の開始タイミングとを同時にすることである。この場合、制御部7から送出される5列の受取路61の下端を送出シャッタ67が閉じるように開閉用シリンダ68を動作させる開閉用電磁弁69に対する制御指令である制御信号を、排出用駆動モータ99の駆動を開始する制御信号として兼用することにより、容易に同期させることができる。なお、排出用搬送ベルト93の走行速度と送出シャッタ67の移動速度は、ほぼ同一とされている。また、排出ベルトコンベア91が食品群FGを連続的に搬送することができるように、送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を閉じる移動端に到達するに先だって排出ベルトコンベア91の駆動を停止することができるようになっている。さらに、供給ベルトコンベア11、5つの単列捻りベルトコンベア34および中間ベルトコンベア44のそれぞれの搬送速度、すなわち、整列用搬送ベルト14、捻り用搬送ベルト36、中間用搬送ベルト47のそれぞれの走行速度も同一にされている。
【0083】
前記メモリ112には、5列の供給列形成搬送路12毎に、供給食品検出手段26が食品Fを検出した場合、食品Fを検出した供給食品検出手段26に対応する供給列形成搬送路12に設けられた押さえ用シリンダ30を駆動して押さえパッド29を下降させて供給食品検出手段26が検出した食品Fを上方から押さえることにより、食品Fを供給ベルトコンベア11上でスリップさせて食品Fの移動を阻止し、すべての押さえパッド29が食品Fを押さえた後に、すべての押さえ用シリンダ30を一斉に駆動してすべての押さえパッド29を上昇させることにより、5列の食品Fを一斉に5列の単列捻りベルトコンベア34のそれぞれに送り込むように、押さえ用電磁弁32の駆動制御を行うことのできるプログラムおよびデータが記憶されている。本実施形態においては、すべての押さえ用シリンダ30を一斉に上昇させるタイミングは、5列の受取路61の下端を送出シャッタ67が閉じるときの開閉用シリンダ68の動作開始に同期されている。ここで、すべての押さえ用シリンダ30の上昇の開始は、制御部7から送出される5列の受取路61の下端を送出シャッタ67で閉じるように開閉用シリンダ68を動作させる開閉用電磁弁69に対する制御指令である制御信号を、各押さえパッド29が上昇するように押さえ用シリンダ30を動作させる押さえ用電磁弁32に対する制御信号として兼用することにより、容易に同期させることができる。
【0084】
前記メモリ112には、送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を開く開閉用シリンダ68の動作に同期させて、移動体84が前方に移動するように進退用シリンダ86を駆動させることにより、5つ上押さえ板82のそれぞれが食品群FGの各列の食品Fを上方から個別に押さえるように、開閉用電磁弁69および進退用電磁弁87の動作制御を行うことのできるプログラムおよびデータが記憶されている。
【0085】
なお、進退用シリンダ86を開閉用シリンダ68の動作に同期させる場合、制御部7から送出される5列の受取路61の下端を送出シャッタ67が開くように開閉用シリンダ68を動作させる開閉用電磁弁69に対する制御指令である制御信号を、移動体84、ひいては各上押さえ板82が前方に移動するように進退用シリンダ86を動作させる進退用電磁弁87に対する制御信号として兼用することにより、容易に同期させることができる。
【0086】
また、排出ベルトコンベア91を5列の受取路61の下端を送出シャッタ67が閉じる動作に同期して間欠駆動させる場合、制御部7から送出される5列の受取路61の下端を送出シャッタ67が閉じるように開閉用シリンダ68を動作させる開閉用電磁弁69に対する制御指令である制御信号を、移動体84、ひいては各上押さえ板82が後方に移動するように進退用シリンダ86を動作させる進退用電磁弁87に対する制御信号として兼用することにより、容易に同期させることができる。
【0087】
またさらに、メモリ112には、グループ形成装置5から送り出されてくる横方向に並んだ食品群FGを連続、あるいは食品群FGの1列当たりの個数を予め設定された個数とするブロックに区分して搬送するように排出ベルトコンベア91を間欠駆動するように、排出用駆動モータ99の動作制御を行うことのできるプログラムおよびデータが記憶されている。なお、5列の受取路61の下端を送出シャッタ67が閉じた状態で、排出ベルトコンベア91を1回だけ間欠駆動(空送り)させることにより、食品群FGと食品群FGとの間に1回の駆動分だけの間隔を設けることができるから、空送りの回数とタイミングを予め設定することにより、食品群FGの縦方向1列当たりの個数を予め設定された個数とするブロックに区分して排出搬送することができる。また、食品群FGを連続的に排出搬送するか、ブロック化するか、またブロック化するときの縦方向の1列当たりの個数などは、図示しないタッチパネルやキーボードなどの入力装置によって設定されることになる。
【0088】
なお、メモリ112には、電源を投入したときの各駆動部の初期設定動作を行うためのプログラムおよびデータなども記憶されている。
【0089】
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
【0090】
図13は、食品群が排出ベルトコンベア上に送り出された状態を説明する説明図である。
【0091】
本実施形態の食品整列供給システム1によれば、図示しない電源スイッチを操作して電源を投入すると各駆動部の初期設定動作が行わる。この初期設定動作により、移動規制手段28は、5つの押さえパッド29のそれぞれが上方位置を保持し、グループ形成装置5は、5列の受取路61の下端が送出シャッタ67で閉じられた状態を保持し、上押さえ装置81は、5つの上押さえ板82が送出口71aの直近に位置する状態を保持する。
【0092】
ついで、本実施形態の食品整列供給システム1によれば、図示しない始動スイッチを操作すると、食品整列供給システム1が駆動する。このとき、整列用駆動モータ21、捻り用駆動モータ40および中間用駆動モータ53が駆動して、整列用搬送ベルト14、5つの捻り用搬送ベルト36、中間用搬送ベルト47が同一速度で搬送方向Aに走行する。
【0093】
ついで、整列搬送装置2の供給位置に、食品Fを厚さ方向を上下方向にした伏姿勢で供給すると、供給ベルトコンベア11の整列用搬送ベルト14に搭載された食品Fは、不整列領域を不整列状態で搬送される。そして、整列用搬送ベルト14に搭載された食品Fは、不整列領域を通過すると、整列領域において5列の供給列形成搬送路12のいずれかに、図2に示すように食品Fの横幅を供給列形成搬送路12の横幅に合わせて入り込む。なお、5列の供給列形成搬送路12に自然に入り込み難い場合には、人手により1つずつ5列の供給列形成搬送路12のいずれかに入れるようにするとよい。
【0094】
ついで、各供給列形成搬送路12に入った食品Fは、1列に整列した状態で順次搬送される。このとき、食品Fが姿勢変更搬送装置3に送り出す直前、すなわち供給列形成搬送路12の後端部近傍に到達すると、供給食品検出手段26が食品Fを検出する。そして、食品Fを検出した供給食品検出手段26は、食品Fを検出したことを示す検出信号、例えばON信号を制御部7に送出する。また、供給食品検出手段26から送出された検出信号を受け取った制御部7は、食品Fを検出した供給列形成搬送路12に設けられた押さえ用シリンダ30を動作させる押さえ用電磁弁32を作動して、押さえ用シリンダ30の出力軸30aを下降させる。この押さえ用シリンダ30の出力軸30aの下降により、押さえパッド29が下降して、供給食品検出手段26が検出した食品Fを押さえパッド29で上方から押さえる。これにより、食品Fを供給ベルトコンベア11上でスリップさせて食品Fの移動を阻止する。すなわち、各供給列形成搬送路12のそれぞれにおいて個別に食品Fの移動を阻止する。なお、従来のように各供給列形成搬送路12を通過する食品Fの移動を上下動するシャッタにより阻止する場合、連続して整列搬送される食品Fと食品Fとの間にシャッタが上から移動してくるので、つぎの食品Fの移動方向先頭部分をシャッタで破損したり、食品Fの移動方向先頭部分の衣を破損させて脱落させるという不都合が発生する可能性が大きいが、このような不都合は、押さえパッド29により食品Fの上面を押さえるようにした構成の本実施形態の移動規制手段28では発生しない。
【0095】
ついで、制御部7は、5列の供給列形成搬送路12のすべてにおいて、押さえパッド29が食品Fを押さえたことを判別すると、制御部7はすべての押さえ用電磁弁32を同時に作動して、すべての押さえ用シリンダ30の出力軸30aを一斉に上昇してすべての押さえパッド29を上昇させることにより、各列の食品Fを一斉に5列の単列捻りベルトコンベア34のそれぞれに送り込む。そして、すべての押さえパッド29を上昇させると、押さえパッド29は、つぎに送られてくる食品Fを押さえて保持する。
【0096】
ここで、制御部7は、すべての供給食品検出手段26から送出された検出信号を受け取ることと、すべての押さえ用電磁弁32に押さえ用シリンダ30の出力軸30aを下降させる制御指令である制御信号を送出したこととにより、5列の供給列形成搬送路12のすべてにおいて押さえパッド29が食品Fを押さえたことを判別することができる。また、すべての押さえ用シリンダ30を一斉に上昇させるタイミングは、食品整列供給システム1が駆動した直後、すなわち、各供給列形成搬送路12を通過する最初の食品Fについては、すべての押さえパッド29が食品Fを押さえたことを判別した時点、あるいはこの時点から予め設定された時間を経過した後に実行し、2番目の食品Fからは、5列の受取路61の下端を送出シャッタ67が閉じるときの動作に同期させて行う。
【0097】
ついで、姿勢変更搬送装置3に送り込まれた各列の食品Fは、5列の単列捻りベルトコンベア34により単列ずつに区分されるとともに、5列の単列捻りベルトコンベア34のそれぞれの捻り用搬送ベルト36により搬送される。このとき、5列の単列捻りベルトコンベア34のそれぞれの捻り用搬送ベルト36により搬送される各列の食品Fは、搬送されながら搬送方向後端で食品Fの厚さ方向を搬送方向Aに対して直交する横方向に90度回転させた起立姿勢にして中間搬送装置4に送り出される。なお、一番右の供給列形成搬送路12から送り出された食品Fは、一番右の単列捻りベルトコンベア34に送り込まれる。
【0098】
ついで、中間搬送装置4に送り込まれた各列の食品Fは、中間ベルトコンベア44の中間用搬送ベルト47によって下方から支持されて前方から後方に中間搬送されてグループ形成装置5に送り込まれる。このとき、搬送ガイド46によって隔てられ搬送方向Aと直交する横方向に隣接して並設された5列の中間搬送路45により、各列の食品Fは起立姿勢を保持し、かつ列を保持した状態で前方から後方に中間搬送されるとともに、搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように横方向中央に寄せられる。なお、一番右の単列捻りベルトコンベア34から送り出された食品Fは、一番右の中間搬送路45に送り込まれる。また、5列の中間搬送路45は、搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように横方向中央に寄せられているので、中央の中間搬送路45の長さが最も短く、横方向両側の中間搬送路45の長さが最も長くなる。したがって、中央の中間搬送路45を通過する食品Fが最も速くグループ形成装置5に送り込まれ、横方向両側の中間搬送路45を通過する食品Fが最も遅くグループ形成装置5に送り込まれる。また、中間ベルトコンベア44は、前端が単列捻りベルトコンベア34の前端より前側に配置され、後端が単列捻りベルトコンベア34の後端より後側に配置されているから、食品Fが単列捻りベルトコンベア34による搬送の途中で捻り用搬送ベルト36から滑落したとしも、その食品Fを下方から支持して中間搬送路45に円滑に送り込むことができる。
【0099】
ついで、グループ形成装置5に送り込まれた各列の食品Fは、区画ガイド板62によって隔てられ横方向に隣接して並設された5列の受取路61に送り込まれる。勿論、一番右の中間搬送路45から送り出された食品Fは、一番右の受取路61に送り込まれる。そして、5列の受取路61に送り込まれた食品Fは、その自重により自然落下して受取路61の下端に到達すると5列の受取路61の下端を閉じている送出シャッタ67により移動が阻止される。また、各受取路61の下端に食品Fが到達すると、図11に示すように、食品Fの移動方向先頭部が上押さえ装置81の上押さえ板82の上部前面に接触する。このとき、各受取路61の下端に食品Fが到達すると、受渡し食品検出手段72が食品Fを検出する。そして、食品Fを検出した受渡し食品検出手段72は、食品Fを検出したことを示す検出信号、例えばON信号を制御部7に送出する。また、受渡し食品検出手段72から送出された検出信号を受け取った制御部7は、すべての受渡し食品検出手段72から検出信号を受け取ったことを判別すると、送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を開くように開閉用シリンダ68を動作させる開閉用電磁弁69に対する制御指令である制御信号を送出して、送出シャッタ67を前方に移動する。また、送出シャッタ67を前方へ移動するのと同期して、移動体84が前方に移動するように進退用シリンダ86を動作させる進退用電磁弁87に対する制御指令である制御信号を送出する。これらの制御信号により、送出シャッタ67および移動体84がともに前方へ移動する。
【0100】
このとき、送出シャッタ67は、その後端面67bが送出路71のシャッタ口71bに向かって前方に移動し、移動体84に支持された5つの上押さえ板82は、受取路61および送出路71の内部において前方に移動する。そして、5つの上押さえ板82の前方への移動により、5列の受取路61の下端に位置するそれぞれの食品Fは、上押さえ板82によって個別に押されることにより、例えば、図11に破線にて示す食品Fの長手方向が送出シャッタ67の傾斜面67aと角度を持つ姿勢で受取路61の下端に位置する場合であっても、その長手方向を送出シャッタ67の傾斜面67aに沿うように姿勢を制御されつつ送出路71の内部をシャッタ口71bの直近に向かって移動するとともに、縦方向前側の位置が送出シャッタ67の後端面67bに接触して揃えられる。また、上押さえ板82と送出シャッタ67の傾斜面67aとの間に食品Fを挟むことになるが、上押さえ板82が連結ピン85を中心として図13の時計方向に回転することにより、食品Fが潰れるのを防止することができるようになっている。さらに、送出シャッタ67は、5個の食品Fの下部から徐々に抜けて、前進端に到達すると、送出口71aの直下に位置する。このとき、図13に示すように、各上押さえ板82は、連結ピン85を中心として時計方向にほぼ90度回転してほぼ水平になることにより、各列の食品Fを個別に上方から押さえる。したがって、5個の食品Fは、その厚さ方向を横方向にして重なるように整列されて1つの食品群FGとなる。なお、食品群FGの横方向の両側は、6つの区画ガイド板62のうちの横方向外側に配置された2つの区画ガイド板62の下壁板部63により形成される送出路71の側壁によって側方から支持されており、整列状態は崩れない。
【0101】
ついで、排出ベルトコンベア91に送り込まれた食品群FGは、1対の排出ガイド92によって厚さ方向横方向に向けた整列状態を保持した状態で間欠駆動する排出ベルトコンベア91により前方から後方に搬送され、その後、排出位置から排出されてピロー包装装置Pに送り込まれる。
【0102】
前記排出ベルトコンベア91の駆動は、送出シャッタ67が各受取路61の下端を閉じる動作に同期させて実行する。また、送出シャッタ67が各受取路61の下端を閉じる動作に同期させて、移動体84が後方に移動するように進退用シリンダ86を駆動する。
【0103】
ここで、送出シャッタ67が各受取路61の下端を閉じる動作の開始は、例えば開閉用シリンダ68に付設された図示しないセンサが開閉用シリンダ68の出力軸68aが前方への移動端に到達したことを検出した信号を制御部7に送出することにより行うことができる。また、受渡し食品検出手段72が制御部7に送出している検出信号が、食品Fを検出したことを示すON信号から、食品Fを検出していないことを示すOFF信号に切り替わったとき、あるいは切り替わってから予め設定した時間を経過した後に行うことができる。
【0104】
前記排出ベルトコンベア91により食品群FGは前方から後方に搬送されるが、このとき、食品群FGは、送出シャッタ67の後端面67bに接触した状態で排出搬送される。また、送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を閉じる移動端に到達するに先だって排出ベルトコンベア91の駆動が停止されるので、排出ベルトコンベア91が停止した後、食品群FGは送出シャッタ67の後端面67bによって、同一平面により一括して前方から後方に押し出されるため、縦方向前側の位置の整列が崩れないし、順次排出ベルトコンベア91に送られてくる食品群FGを縦方向に繋がった状態で連続的に搬送することができる。なお、送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を閉じる移動端に到達するに先だって排出ベルトコンベア91の駆動が停止されるので、排出ベルトコンベア91の駆動を停止するタイミングを調整するという簡単な方法で、縦横のサイズの異なる食品Fを食品群FGとして供給するのに用いることができる。
【0105】
なお、本実施形態においては1つの排出ベルトコンベア91を用いたが、2つの排出ベルトコンベア91を前後方向に連設し、グループ形成装置5から送られてくる食品Fを受け取る前の排出ベルトコンベア91により食品群FGを連続的に搬送し、後ろのコンベアで食品群FGをブロック化して搬送する構成としてもよい。
【0106】
このように、本実施形態の食品整列供給システム1の整列搬送装置2によれば、姿勢変更搬送装置3と、中間搬送装置4と、グループ形成装置5と、排出搬送装置6と、制御部7とを有しているので、簡単な構造で、例えば、油で調理する前の衣を付けた小判形の冷凍コロッケ、油で調理する前の衣を付けた小判形あるいは円盤形の冷凍メンチなどの食品Fをその厚さ方向を横に向けて縦横に複数列をなすように整列した食品群FGとしてピロー包装装置に供給することができる。勿論、小判形の冷凍ハンバーグも同様にしてピロー包装装置に供給することができる。
【0107】
なお、本実施形態の食品整列供給システム1によれば、食品Fを人手によって並べる必要がなく、包装作業を短時間で効率よく行うことができるので、低コスト化に寄与する。
【0108】
また、本実施形態の食品整列供給システム1の整列搬送装置2によれば、1つの供給ベルトコンベア11と5列の供給列形成搬送路12とを有しているので、簡単な構造で、厚さ方向を上下方向にした伏姿勢で載置される多数の平たい形状の食品Fを横方向に並んだ5列に整列して前方から後方に供給搬送することができる。
【0109】
また、本実施形態の食品整列供給システム1の姿勢変更搬送装置3によれば、横方向5列の単列捻りベルトコンベア34を具備しているから、簡単な構造で、整列搬送装置2から伏姿勢で送り出されてくる5列の食品Fを単列ずつに区分するとともに、伏姿勢で移載された食品Fを搬送しつつ搬送方向後端で食品Fの厚さ方向を搬送方向Aに対して直交する横方向に90度回転させた起立姿勢にして送り出すことが確実かつ容易にできる。
【0110】
また、本実施形態の食品整列供給システム1の単列捻りベルトコンベア34によれば、伏姿勢で移載された食品Fを搬送しつつ搬送方向後端で食品Fの厚さ方向を搬送方向Aに対して直交する横方向に90度回転させた起立姿勢にすることができるから、例えば、油で調理する前の衣を付けた小判形の冷凍コロッケ、油で調理する前の衣を付けた小判形あるいは円盤形の冷凍メンチなどの食品Fの衣(パン粉)が部分剥離するのを確実に防止することができる。
【0111】
また、本実施形態の食品整列供給システム1の中間搬送装置4によれば、1つの中間ベルトコンベア44と、横方向5列の中間搬送路45を具備しているとともに、5列の中間搬送路45のそれぞれの後部が搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せて形成されているから、簡単な構造で、姿勢変更搬送装置3から起立姿勢で送り出されてくる各列の食品Fを列を保持した状態で前方から後方に中間搬送するとともに、搬送方向後端で各列の間隔が狭くなるように寄せることが確実かつ容易にできる。
【0112】
また、本実施形態の食品整列供給システム1のグループ形成装置5によれば、中間搬送路45の数と同数の5列の受取路61、5列の受取路61から各列の食品Fの移動を許容しまたは阻止するように5列の受取路61の下端を同時に開閉する1つの送出シャッタ67、送出シャッタ67を前後方向に駆動させる開閉用シリンダ68、5列の受取路61の下端のそれぞれに食品Fが到達したことを検出する受取路61の数と同数の5つの受渡し食品検出手段72、および送出シャッタ67の開状態において上部が5列の受取路61のすべてに連通され下部が排出搬送装置6の排出ベルトコンベア91上に連通され5列の受取路61を通過した各列の食品Fを列を隔てることなく排出ベルトコンベア91に送り出す上下が開口の送出路71を具備しているとともに、常時は5列の受取路61の下端のそれぞれが送出シャッタ67により閉じられており、送出路71の後側には各列について1個の食品Fが通過可能な送出口71aが形成され、かつ送出路71の前側にはシャッタが通過可能なシャッタ口71bが形成されているので、簡単な構造で、中間搬送装置4から起立姿勢で送り出されてくる各列の食品Fを各列について1個ずつのグループにグループ化して送り出すことが確実かつ容易にできる。
【0113】
また、本実施形態の食品整列供給システム1の排出搬送装置6によれば、1つの排出ベルトコンベア91、および排出ベルトコンベア91上を搬送される食品群FGの搬送方向Aに対して直交する横方向の両端の位置を規制する排出ガイド92を有しているので、簡単な構造で、グループ形成装置5から送り出されてくる食品群FGを前方から後方に排出搬送することが確実かつ容易にできる。
【0114】
また、本実施形態の食品整列供給システム1の制御部7によれば、供給ベルトコンベア11、5列の単列捻りベルトコンベア34および中間ベルトコンベア44を駆動し、5つの受渡し食品検出手段72のすべてが食品Fを検出した場合、開閉用シリンダ68を駆動して前記の受取路61の下端が開くように送出シャッタ67を前方に移動させて、5列の受取路61の下端のそれぞれに保持した区分された各列の食品Fを一斉に送出路71を介して排出ベルトコンベア91上に食品群FGとして移動した後、開閉用シリンダ68を駆動して5列の受取路61の下端のそれぞれが閉じるように送出シャッタ67を後方に移動させるとともに、送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を閉じる動作に同期させて排出ベルトコンベア91を間欠駆動するので、食品Fをその厚さ方向を横方向に向けて縦横に複数列をなすように整列した食品群FGとして供給するように各可動部の動作制御を行うことができる。
【0115】
また、本実施形態の食品整列供給システム1によれば、5列の供給列形成搬送路12のそれぞれに、供給ベルトコンベア11により搬送される食品Fを単列捻りベルトコンベア34に送り出す直前の位置で検出する供給食品検出手段26と、供給ベルトコンベア11により搬送される食品Fを単列捻りベルトコンベア34に送り出す直前の位置で移動を許容しまたは阻止する移動規制手段28とが設けられており、移動規制手段28は、食品Fを上方から押さえる上下動可能な押さえパッド29と、この押さえパッド29を上下動させる押さえ用シリンダ30とを具備しており、制御部7は、供給食品検出手段26が食品Fを検出した場合、押さえ用シリンダ30を駆動して押さえパッド29を下降させて供給食品検出手段26が検出した食品Fを上方から押さえることにより食品Fを供給ベルトコンベア11上でスリップさせて食品Fの移動を阻止し、すべての押さえパッド29が食品Fを押さえた後に、すべての押さえ用シリンダ30を一斉に駆動してすべての押さえパッド29を上昇させることにより、各列の食品Fを一斉に5つの単列捻りベルトコンベア34のそれぞれに送り込むように構成されているので、各列について1つの食品Fをグループ形成装置5に搬送することができるから、食品群FGを確実かつ容易に得ることができる。また、5列の受取路61のそれぞれに1つの食品Fを存在させることができるから、食品群FGを確実かつ容易に得ることができる。
【0116】
また、本実施形態の食品整列供給システム1によれば、送出路71に、排出ベルトコンベア91上に送り出す食品群FGの各列の食品Fを上方から個別に押さえる上押さえ装置81が設けられており、上押さえ装置81は、グループ形成装置5の5列の受取路61と送出路71との間に横方向に並設され厚さ方向を前後方向に向けて上下方向に沿って延在するとともに前面が各列の食品Fに個別に接触可能な5列の受取路61の数と同数の上押さえ板82と、5つの上押さえ板82の後側に配設され5つの上押さえ板82を個別に回動自在に支持する5つの支持部材84aを具備する1つの移動体84と、移動体84を前後方向に移動可能に支持する進退用シリンダ86とを有しており、制御部7は、送出シャッタ67が5列の受取路61の下端を同時に開く開閉用シリンダ68の動作に同期させて、移動体84が前方に移動するように進退用シリンダ86を駆動させることにより、5つの上押さえ板82のそれぞれが食品群FGの各列の食品Fを上方から個別に押さえるように構成されているから、食品群FGを確実に得ることができるとともに、食品群FGの整列状態が崩れるのを確実かつ容易に防止することができる。
【0117】
また、本実施形態の食品整列供給システム1によれば、制御部7は、グループ形成装置5から送り出されてくる食品群FGを連続、あるいは食品群FGの1列当たりの個数を予め設定された個数とするブロックに区分して搬送するように排出ベルトコンベア91を間欠駆動するように構成されているから、1つの包装単位に収納するために供給する食品Fの総数を必要に応じて変更することができる。
【0118】
また、本実施形態の食品整列供給システム1によれば、食品Fが小判形の冷凍コロッケであるから、冷凍コロッケをその厚さ方向を横に向けて縦横に複数列をなすように整列した食品群FGとして供給することができる。但し、横方向の列は5列である。
【0119】
したがって、本実施形態の食品整列供給システム1によれば、冷凍コロッケを人手によって並べる必要がなく、包装作業を短時間で効率よく行うことができるので、低コスト化に寄与する。
【0120】
なお、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 食品整列供給システム
2 整列搬送装置
3 姿勢変更搬送装置
4 中間搬送装置
5 グループ形成装置
6 排出搬送装置
7 制御部
11 供給ベルトコンベア
12 供給列形成搬送路
13 整列ガイド
14 整列用搬送ベルト
19 整列用固定ガイド板
21 整列用駆動モータ
26 供給食品検出手段
28 移動規制手段
29 押さえパッド
30 押さえ用シリンダ
32 押さえ用電磁弁
34 単列捻りベルトコンベア
36 捻り用搬送ベルト
40 捻り用駆動モータ
42 捻り用区画板
44 中間ベルトコンベア
45 中間搬送路
45F 前中間路
45R 後中間路
46 搬送ガイド
46F 前ガイド板
46R 後ガイド板
47 中間用搬送ベルト
53 中間用駆動モータ
61 受取路
62 区画ガイド板
67 送出シャッタ
68 開閉用シリンダ
69 開閉用電磁弁
71 送出路
71a 送出口
71b シャッタ口
72 受渡し食品検出手段
81 上押さえ装置
82 上押さえ板
84 移動体
84a 支持部材
85 連結ピン
86 進退用シリンダ
87 進退用電磁弁
91 排出ベルトコンベア
92 排出ガイド
93 排出用搬送ベルト
99 排出用駆動モータ
112 メモリ
112 前記メモリ
A 搬送方向
F 食品
FG 食品群
OP 排出位置
SP 供給位置
P ピロー包装装置
X1、X2、X3、X4、X5 移動方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の食品を整列させて包装装置に供給する食品整列供給システムであって、
厚さ方向を上下方向にした伏姿勢で載置される多数の平たい形状の食品を複数の列に整列して前方から後方に供給搬送する整列搬送装置と、
前記整列搬送装置から伏姿勢で送り出されてくる各列の食品を単列ずつに区分するとともに、伏姿勢で移載された食品を搬送しつつ搬送方向後端で食品の厚さ方向を搬送方向に対して直交する横方向に90度回転させた起立姿勢にして送り出す姿勢変更搬送装置と、
前記姿勢変更搬送装置から起立姿勢で送り出されてくる各列の食品を列を保持した状態で前方から後方に中間搬送するとともに、搬送方向後部で各列の間隔が狭くなるように寄せる中間搬送装置と、
前記中間搬送装置から起立姿勢で送り出されてくる各列の起立姿勢の食品を各列について1個ずつの横方向に並んだ食品群として送り出すグループ形成装置と、
前記グループ形成装置から送り出されてくる食品群を前方から後方に排出搬送する排出搬送装置と、
各駆動部の動作の制御を司る制御部と、
を有していることを特徴とする食品整列供給システム。
【請求項2】
前記整列搬送装置は、伏姿勢で載置された食品を下方から支持して前方から後方に供給搬送する1つの供給ベルトコンベア、および前記供給ベルトコンベア上を搬送される食品を複数の列に整列するために、搬送方向に沿って延在する整列ガイドによって隔てられ、横方向に隣接して並設された相互に平行な複数の供給列形成搬送路を具備しており、
前記姿勢変更搬送装置は、前記供給列形成搬送路の数と同数の単列捻りベルトコンベアを具備しており、
前記排出搬送装置は、前記グループ形成装置から送り出されてくる起立姿勢の横方向に並んだ食品群を受け取って下方から支持して前方から後方に排出搬送する1つの排出ベルトコンベア、および前記排出ベルトコンベア上を搬送される食品群の横方向の両側の位置を規制する排出ガイドを具備していることを特徴とする請求項1に記載の食品整列供給システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記グループ形成装置から送り出されてくる横方向に並んだ食品群を連続、あるいは食品群の縦方向の個数を予め設定された個数とするブロックに区分して搬送するように前記排出ベルトコンベアを間欠駆動するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の食品整列供給システム。
【請求項4】
前記複数の供給列形成搬送路のそれぞれに、前記供給ベルトコンベアにより搬送される食品を前記単列捻りベルトコンベアに送り出す直前の位置で検出する供給食品検出手段と、前記供給ベルトコンベアにより搬送される食品を前記単列捻りベルトコンベアに送り出す直前の位置で移動を許容しまたは阻止する移動規制手段とが設けられており、
前記移動規制手段は、食品を上方から押さえる上下動可能な押さえパッドと、この押さえパッドを上下動させる押さえ用シリンダとを具備しており、
前記制御部は、前記供給食品検出手段が食品を検出した場合、前記押さえ用シリンダを駆動して前記押さえパッドを下降させて前記供給食品検出手段が検出した食品を上方から押さえることにより前記供給ベルトコンベア上でスリップさせて移動を阻止し、すべての押さえパッドが食品を押さえた後に、すべての押さえ用シリンダを一斉に駆動してすべての押さえパッドを上昇させることにより、各列の食品を一斉に前記複数の単列捻りベルトコンベアのそれぞれに送り込むように構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の食品整列供給システム。
【請求項5】
前記中間搬送装置は、前記複数の単列捻りベルトコンベアのそれぞれから起立姿勢で送り出されてくる区分された各列の食品を受け取って下方から支持して前方から後方に中間搬送する1つの中間ベルトコンベア、および前記中間ベルトコンベア上を搬送される食品の起立姿勢および区分された列を保持するために、搬送方向に沿って延在する搬送ガイドによって隔てられ、横方向に並設された前記単列捻りベルトコンベアの数と同数の中間搬送路を具備しているとともに、前記複数の中間搬送路のそれぞれの後部は、全体の横幅が狭くなるように寄せられて隣接されていることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の食品整列供給システム。
【請求項6】
前記グループ形成装置は、前記各中間搬送路から起立姿勢で送り出されてくる区分された各列の食品を区分された列を保持した状態で下方から受け取るために上下方向に延在する区画ガイド板によって隔てられ横方向に隣接して並設された前記複数の中間搬送路の数と同数の受取路、前記複数の受取路から各列の食品の移動を許容しまたは阻止するように前記複数の受取路の下端を同時に開閉する前後方向に移動可能に形成された1つの送出シャッタ、前記送出シャッタを前後方向に駆動させる開閉用シリンダ、前記複数の受取路の下端のそれぞれに設けられ前記複数の受取路の下端のそれぞれに食品が到達したことを検出する受渡し食品検出手段、および前記送出シャッタの開状態において上部が前記複数の受取路のすべてに連通され下部が前記排出ベルトコンベア上に連通され前記複数の受取路を通過した各列の食品を列を隔てることなく前記排出ベルトコンベアに送り出す上下が開口の送出路を具備しているとともに、常時は前記複数の受取路の下端のそれぞれが前記送出シャッタにより閉じられており、前記送出路の後側には各列について1個の食品が通過可能な送出口が形成され、かつ前記送出路の前側には前記シャッタが通過可能なシャッタ口が形成されており、
前記制御部は、前記供給ベルトコンベア、前記複数の単列捻りベルトコンベアおよび前記中間ベルトコンベアを駆動し、前記複数の受渡し食品検出手段のすべてが食品を検出した場合、前記開閉用シリンダを駆動して前記複数の受取路の下端が開くように前記送出シャッタを前方に移動させて、前記複数の受取路の下端のそれぞれに保持した区分された各列の食品を一斉に前記送出路を介して前記排出ベルトコンベア上に横方向に並んだ食品群として移動した後、前記開閉用シリンダを駆動して前記複数の受取路の下端のそれぞれが閉じるように前記送出シャッタを後方に移動させるとともに、前記送出シャッタが前記複数の受取路の下端を閉じる動作に同期させて前記排出ベルトコンベアを駆動することを特徴とする請求項5に記載の食品整列供給システム。
【請求項7】
前記送出路に、前記排出ベルトコンベア上に送り出す食品群の各列の食品を上方から個別に押さえる上押さえ装置が設けられており、
前記上押さえ装置は、前記グループ形成装置の複数の受取路と前記送出路との間に横方向に並設され厚さ方向を前後方向に向けて上下方向に沿って延在するとともに前面が各列の食品に個別に接触可能な前記受取路の数と同数の上押さえ板と、前記複数の上押さえ板の後側に配設され前記複数の上押さえ板を個別に回動自在に支持する支持部材を具備する前後方向に移動可能に形成された1つの移動体と、前記移動体を前後方向に駆動する進退用シリンダとを有しており、
前記制御部は、前記送出シャッタが前記複数の受取路の下端を開く前記開閉シリンダの動作に同期させて、前記移動体が前方に移動するように前記進退用シリンダを駆動させることにより、前記複数の上押さえ板のそれぞれが横方向に並んだ食品群の各列の食品を上方から個別に押さえるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の食品整列供給システム。
【請求項8】
前記食品は、油で調理する前の衣を付けた小判形の冷凍コロッケであることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の食品整列供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−41140(P2012−41140A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183895(P2010−183895)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(395014563)
【Fターム(参考)】