説明

食品洗浄用脱水カゴの水洗方法及び水洗装置

【課題】 脱水カゴの回転駆動装置が不要になり、構造をコンパクトにさせると共に取り扱いを簡単にさせながら脱水カゴを万遍なく均一にきれいに水洗でき、かつ水洗に伴う水の飛散を防止して良好な作業環境下で水洗作業を行うことができるようにした脱水カゴの水洗技術の提供。
【解決手段】 上面が開口し、周壁10及び底壁11に多数の水切小孔12が形成された円形の脱水カゴ1を水洗対象とし、洗浄空間Sに回転自在に設けた水平テーブル5上に伏せ状態にセットした脱水カゴの外周面に対して水を噴射して水洗させる周面向き噴射ノズル60と、底外面に対して水を噴射させて水洗させる底面向き噴射ノズル61を備え、周面向き噴射ノズル及び/又は底面向き噴射ノズルからの噴射水の勢いにより脱水カゴを回転させながら水洗させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品洗浄用脱水カゴ(以下、「脱水カゴ」という)の水洗方法及び水洗装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キャベツ、ニンジン、玉ネギ、ネギ等を洗浄する場合、これらの野菜をフードカッターで千切り、みじん切り等をして脱水カゴに収容して洗浄し殺菌し、その後、水切りのため遠心分離により食品を脱水処理させることになる。
前記脱水カゴとしては、上面が開口し、周壁及び底壁に多数の水切小孔が形成された円形カゴが用いられるが、脱水処理後の脱水カゴには、水切小孔にクズ等が刺さったり、目詰まりしたりしているため、それを一つ一つ手作業で水道ホースからの水の勢いによって除去し水洗している。
そして、この脱水カゴの水洗作業を食品の洗浄作業中に行うのではなく、洗浄作業が終了した後に行うようにしているため、脱水カゴの使用個数も多大になり、その水洗作業に多くの労力を必要とし寒い時期には大変な苦痛を伴うものであった。
また、脱水カゴの使用個数が多くなる分だけ使用前と使用後の保管スペースを確保し管理しなければならず、しかも使用水量が非常に多くなるという問題があった。
【0003】
従来、このような脱水カゴに対しての水洗装置は見受けられない。
尚、従来、スーパーマーケット等で購入する際に商品を収容する買い物用レジカゴを洗浄する水洗装置が知られている(特許文献1参照)。
この従来の水洗装置は、レジカゴの周壁内面と底壁内面を擦るブラシと、洗浄水を噴出させる噴出部を備えた洗浄体を有し、レジカゴを上向きにした固定状態で、洗浄体を開口部から内部に挿入させて噴出部から洗浄水を噴出させながら上下動させることによりレジカゴの水洗を行なうようになっていた。
【0004】
即ち、従来の水洗装置は上向きの固定状態にセットしたレジカゴに洗浄水を噴射させながらブラシで擦って洗浄させるものであり、本発明とは、その洗浄対象が異なるし、水洗手段の構成も全く異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−315670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、洗浄空間内で脱水カゴを伏せた状態で回転自在にセットさせ、洗浄水の噴出の勢いによって脱水カゴを回転させながら水洗させるものである。
これにより脱水カゴの回転駆動装置が不要になり、構造をコンパクトにさせると共に取り扱いを簡単にさせながら脱水カゴを万遍なく均一にきれいに水洗でき、かつ水洗に伴う水の飛散を防止して良好な作業環境下で水洗作業を行うことができるようにした脱水カゴの水洗方法及び水洗装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る脱水カゴの水洗方法は、
上面が開口し、周壁(10)及び底壁(11)に多数の水切小孔(12)が形成された円形の食品洗浄用脱水カゴ(1)を水洗対象とし、
洗浄空間(S)に回転自在に設けた水平テーブル(5)上に上面開口部を下向きにして伏せ状態にセットした前記脱水カゴ(1)の外周面に対して水を噴射して水洗させる周面向き噴射ノズル(60)と、底外面に対して水を噴射させて水洗させる底面向き噴射ノズル(61)を備え、前記周面向き噴射ノズル(60)及び/又は底面向き噴射ノズル(61)からの噴射水の勢いにより前記脱水カゴ(1)を回転させながら水洗させるようにした。
【0008】
又、本発明の請求項2に係る脱水カゴの水洗装置は、
上面が開口し、周壁(10)及び底壁(11)に多数の水切小孔(12)が形成された円形の食品洗浄用脱水カゴ(1)を水洗対象とし、
上面が開口し底端に排水口(31)が形成された水受け容器(3)と、この水受け容器(3)の上面開口部に開閉可能に装着される飛散防止カバー(4)とで囲まれた洗浄空間(S)に水平テーブル(5)が回転自在に設けられ、
この水平テーブル(5)上に上面開口部を下向きにして伏せ状態にセットした前記脱水カゴ(1)の外周面に対し水を噴射させて水洗する周面向き噴射ノズル(60)と、底外面に対し水を噴射させて水洗させる底面向き噴射ノズル(61)を備え、
前記周面向き噴射ノズル(60)及び/又は底面向き噴射ノズル(61)からの噴射水の勢いにより前記脱水カゴ(1)を回転させながら両噴射ノズル(60)、(61)からの噴射水により水洗させるように形成されている。
【0009】
又、本発明の請求項3に係る脱水カゴの水洗装置は、
請求項2記載の脱水カゴの洗浄装置において、前記水受け容器(3)の排水口(31)に取り付けられた濾過袋(70)が濾過タンク(7)に収容され、この濾過タンク(7)内の水を前記噴射ノズル(60)、(61)に圧送させるポンプ(71)を備えている。
【0010】
又、本発明の請求項4に係る脱水カゴの水洗装置は、
請求項2又は3記載の脱水カゴの洗浄装置において、前記脱水カゴ(1)は周壁(10)と底壁(11)との隅部分に水切小孔(12)が形成されていない板面部(17)が形成され、この板面部(17)の内面に対して水を噴射させる隅面向き噴射ノズル(64)を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本発明(請求項1、2)は、水受け容器と飛散防止カバーとで囲まれた洗浄空間において、回転自在な水平テーブル上に脱水カゴを伏せた状態にセットさせ、洗浄水の噴出の勢いによって脱水カゴを回転させながら水洗させるものである。
これにより水平テーブルの回転駆動装置が不要で安価に製造できるし、構造をコンパクトにさせると共に取り扱いを簡単にさせながら脱水カゴを万遍なく均一にきれいに水洗でき、かつ水洗に伴う水の飛散を防止して良好な作業環境下で作業を行うことができる。
【0012】
本発明(請求項3)では、洗浄空間内で噴出した洗浄水を水受け容器の排水口から濾過タンクに排水させ、ポンプによって再び噴射ノズルに圧送させるといった洗浄水の循環を行うことができる。
これにより、節水を可能にさせてランニングコストを低減できるし、又、洗浄空間からの排水が水受け容器の排水口に設けた濾過袋を通過するため、小さな物やクズ等を除去して洗浄水をきれいに濾過させることができる。
【0013】
本発明(請求項4)では、脱水カゴの周壁と底壁との隅部分に水切小孔が形成されていない板面部が形成されている場合に対応したもので、このような脱水カゴでは板面部の内面にクズ等が付着したまま残ることがある。
これに対処するため、板面部の内面に対して水を噴射させる隅面向き噴射ノズルを設けたもので、これにより板面部に付着したクズ等を内面から除去し水洗することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の脱水カゴの水洗装置の実施例を示す要部断面図。
【図2】水洗装置の全体斜視図。
【図3】飛散防止カバーを省略した水洗装置の要部平面図。
【図4】飛散防止カバーを省略した水洗装置の全体斜視図。
【図5】脱水カゴの他例を示す斜視図。
【図6】水平テーブルの他例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
水洗対象となる脱水カゴ1は、図4に示すように、上面が開口し、周壁10及び底壁11に多数の水切小孔12が形成されたプラスチック製の逆円錐台形カゴに形成されている。
実施例の脱水カゴ1は、開口部周縁に外向きフランジ13が形成され、その4外方に突出して取っ手14が形成されると共に外向きフランジ13に複数個の通孔15が形成され、又、外向きフランジ13と外周面との隅部にリブ板16が設けられている。
【0016】
実施例の水洗装置には架台2に支持板20を介して水受け容器3が取り付けられている。
この水受け容器3は、上面が開口し、外周から中央に向けて下り傾斜したシュート面30を有する擂鉢状容器に形成され、その中央底端に排水口31が形成され、その排水口31の外周に袋取り付けリング32が設けられている。
【0017】
前記水受け容器3の上方には、飛散防止カバー4が設けられている。
この飛散防止カバー4は、底面が開口した椀形状に形成され、その開口部外周に形成した下端フランジ40を前記水受け容器3の開口部外周に形成した上端フランジ33に面合させた閉鎖位置(図2の実線位置)と、その閉鎖位置から上方に移動した開放位置(図2の仮想線位置)との間で開閉する。
なお、前記水受け容器3の上端内周にはパッキン34が取り付けられ、飛散防止カバー4を閉鎖したときの水密性を確保させている。
【0018】
飛散防止カバー4の開閉駆動手段は、基端を軸41により架台2に軸着させると共に先端を飛散防止カバー4の底外面に設けたカバー軸42に軸着させた揺動腕43と、この揺動腕43と架台2との間に渡したエアーシリンダ44(電動シリンダでもよい)と、前記カバー軸42に固定した腕45と架台2との間に渡したリンク46とを備え、前記エアーシリンダ44の伸縮によって飛散防止カバー4を開閉させる構造になっている。
【0019】
前記水受け容器3に飛散防止カバー4を被せた閉鎖状態で、その内部に形成される洗浄空間Sに水平テーブル5が回転自在に設けられている。
この水平テーブル5の取り付け構造は、前記水受け容器3のシュート面30にブラケット50を介して垂直固定軸51が取り付けられ、この垂直固定軸51の上部に回転軸受管52を介して水平テーブル5の中央部が取り付けられ、これにより水平テーブル5は垂直固定軸51を中心として自在に回転できるようになっている。
【0020】
水平テーブル5は円形板に形成され、その板部には重量軽減を兼ねて複数個(図3では5個)水抜き孔53が形成されている。
脱水カゴ1の水洗に際し、脱水カゴ1を伏せて、その中心が水平テーブル5の回転中心に一致するようにセットすることになるが、そのセットを容易にさせ、かつセット状態を安定させるための手段として、脱水カゴ1の外向きフランジ13に形成された通孔15に差し込んで脱水カゴ1を固定させる固定ピン54が水平テーブル5の外周部上面に立設され、かつ脱水カゴ1の外向きフランジ13と水平テーブル5の上面との間に流水間隙55を確保するためのスペーサ部材56が設けられている。
【0021】
脱水カゴ1としては、図5に示すように取っ手14aが周壁10の上縁から上向きに突出して形成されたものがあり、このような場合、取っ手14aが邪魔して脱水カゴ1を水平テーブル5上に伏せ状態にセットできない。
そこで、図6に示すように、水平テーブル5の外周部に取っ手14aとの干渉を防止するための切欠部57を形成することにより、取っ手14aが上方に突出した脱水カゴ1と、図4に示すように取っ手14が外方に突出した脱水カゴ1に対して水平テーブル5を共通化できる。
【0022】
又、脱水カゴ1をセット状態に固定させるための固定ピン54の数は、固定を安定させるために少なくとも複数本(2本以上)必要であり、又、脱水カゴ1の通孔15についても4個のものや8個のものがあるため、このような通孔15の本数や配置ピッチの異なる脱水カゴ1に対しても水平テーブル5を共通化できるように固定ピン54の数や配設ピッチを設定させるのが好ましい。
又、固定ピン54の上端は通孔15に差し込み易くするために半球形や先鋭状に面取り形成されている。
【0023】
前記のようにして水平テーブル5上にセットした脱水カゴ1の外周面に対して水を噴射させる周面向き噴射ノズル60と、底外面に対して水を噴射させる底面向き噴射ノズル61が設けられている。
その取り付け構造は、前記飛散防止カバー4の外面に沿ってL字状のノズル取り付け管6が配管され、このノズル取り付け管6の立ち上がり部に複数個(実施例では4個)の周面向き噴射ノズル60が飛散防止カバー4を貫通して脱水カゴ1の外周面に向けて取り付けられている。
【0024】
前記周面向き噴射ノズル60は、図3に示すように、平面視で脱水カゴ1の半径線Rから回転方向(矢印A方向)に角度Θを持った向きに取り付けられている。
前記角度Θは小さすぎると水の噴射による回転が得にくくなるし、逆に角度が大きすぎると水の噴射による回転が速すぎることになり、これを考慮して角度Θを5〜15度程度に設定して、脱水カゴ1の回転を概ね毎分60回転程度にさせている。
ただ、この角度設定や回転数は限定されるものではない。
【0025】
又、前記周面向き噴射ノズル60は、実施例では図1に示すように、側面視で脱水カゴ1の外周面に向けた直角線N上に取り付けられているが、脱水カゴ1の周壁に形成された水切小孔12の向きが外周面に対して図1のB部(周壁10の部分拡大図示部)のように角度を持って形成されることもあり、これを考慮して直角線Nから一定の角度を持った傾斜線Mの範囲で取り付けるようにしてもよい。
【0026】
前記ノズル取り付け管6の先端横向き部には複数本(実施例は2本)の底面向き噴射ノズル61が飛散防止カバー4を貫通して脱水カゴ1の底外面に対して直角に向う下向きで取り付けられている。
また、この底面向き噴射ノズル61についても前記周面向き噴射ノズル60と同様に水の噴射の勢いによって脱水カゴ1を周面向き噴射ノズル60による回転方向と同一方向に回転させるように角度を持たせて取り付けてもよい。
このようにすれば、前記周面向き噴射ノズル60及び/又は底面向き噴射ノズル61からの水の噴射の勢いによって脱水カゴ1を回転させることができる。
【0027】
前記脱水カゴ1は、その回転速度が遅い方が水の噴射を多く受けるため水洗効果を向上させることができる。
この場合、回転速度を遅くさせるために周面向き噴射ノズル60の角度Θを小さくすると回転が得にくくなる。
そこで、初期回転力を得るために、図4に示すように、脱水カゴ1に形成した前記リブ板16に向けて水を噴射させる補助ノズル62が設けられている。
この補助ノズル62は、電動ボールバルブ63の開閉によって噴射時間が制御されるもので、実施例では電動ボールバルブ63が開放して3.5秒程度の噴射を行うことで脱水カゴ1を回転させ始め、その後に閉鎖して噴射が停止する。
尚、脱水カゴ1が回転し始めたのちは、前記周面向き噴射ノズル60及び/又は底面向き噴射ノズル61からの水の勢いによって回転を続けることができる。
【0028】
実施例の脱水カゴ1は周壁10と底壁11との隅部分に水切小孔が形成されていない板面部17が形成され、前記した周面向き噴射ノズル60と、底面向き噴射ノズル61からの水の噴射だけではこの板面部17の内面にクズ等が付着して残ることがある。
そこで、図1に示すように、板面部17の内面に対して水を噴射させる隅面向き噴射ノズル64を設けている。
この隅面向き噴射ノズル64は、前記固定軸51の上端に前記板面部17の内面に向けて取り付けられ、前記固定軸51の内部に形成した通水路58に連通している。
【0029】
尚、前記隅面向き噴射ノズル64を水受け容器3のシュート面30に前記板面部17の内面に向けて取り付けることもできる。
【0030】
前記水受け容器3の下方には前記排水口31が内部に臨むように濾過タンク7が設けられ、この濾過タンク7内に収容される濾過袋70が前記排水口31に設けた袋取り付けリング32に着脱可能に取り付けられている。
この濾過袋70は、綿、麻、合成樹脂材によるメッシュ袋に形成されている。
【0031】
前記濾過タンク7には内部の水を前記各噴射ノズル60、61、64及び補助ノズル62に圧送させるポンプ71が取水管72を介して接続されている。
この場合、図4に示すように、ポンプ71の吐出管73と前記ノズル取り付け管6とがフレキシブルホース74を介して接続され、かつポンプ71の吐出管73に接続した第1分岐管75が前記補助ノズル62に接続されると共に、この第1分岐管75に前記電動ボールバルブ63が取り付けられている。
この電動ボールバルブ63の代わりに電磁弁とタイマーによって開閉を制御する空圧バルブを使用することもできる。
又、ポンプ71の吐出管73に接続した第2分岐管76が前記固定軸51の内部に形成した通水路58に接続されている。
尚、前記濾過タンク7内に電解次亜水等の殺菌剤を入れることで、脱水カゴ1を殺菌水洗することができる。
【0032】
尚、図において、77は濾過タンクへの給水管、78は濾過タンクのドレン排水バルブ、79は濾過タンクのオーバーフロー排水管である。
【0033】
本実施例の水洗装置は以上のように構成され、また水洗方法の基本構成は、洗浄空間Sに回転自在に設けた水平テーブル5上に伏せ状態にセットした脱水カゴ1の外周面に対して水を噴射して水洗させる周面向き噴射ノズル60と、底外面に対して水を噴射させて水洗させる底面向き噴射ノズル61を備え、前記周面向き噴射ノズル60からの噴射水の勢いにより前記脱水カゴ1を回転させながら水洗させるものである。
【0034】
水洗手順としては、飛散防止カバー4を開放させた状態で、水平テーブル5上に脱水カゴ1を伏せ状態にセットさせる。このとき脱水カゴ1の通孔15に固定ピン54を入れ込むことで、脱水カゴ1を簡単かつ安定して着脱可能に固定させることができる。
【0035】
次に、前記飛散防止カバー4を閉鎖させたのち、ポンプ71を作動させ、濾過タンク7内の洗浄水を各噴射ノズル60、61、64及び補助ノズル62から噴射させる。
【0036】
そして、この補助ノズル62からの噴射によって脱水カゴ1を初期回転させ始めたのち、電動ボールバルブ63を閉鎖して補助ノズル62からの噴射を停止させ、以後は周面向き噴射ノズル60及び/又は底面向き噴射ノズル61からの噴射で脱水カゴ1を回転させながら、各噴射ノズル60、61、64によって脱水カゴ1を水洗し、水切小孔12に詰まったクズ等を洗い流すものである。
【0037】
この水洗作業により噴射された水及び除去されたクズ等は濾過袋70に流入し、ここでクズ等を除去した水が濾過タンク7内に流入したのち、再びポンプ71により各噴射ノズル60、61、64に圧送されるという循環を行う。
【0038】
このようにして水洗作業を所定時間行ったのちは、タイマー(図示省略)によりポンプ71を停止させて脱水カゴ1への噴射を止めるもので、これにより脱水カゴ1の回転が停止し水洗が完了する。
【0039】
次に、前記飛散防止カバー4を開放させ、水洗済みの脱水カゴ1を水平テーブル上5から取り外したのち、新たな脱水カゴ1を水平テーブル5にセットして前記同様の工程を繰り返すことにより、脱水カゴ1を順次に水洗していくことができる。
【0040】
尚、本発明の水洗装置を工場内に設置させる場合、その設置場所についての制限はないが、本水洗装置はコンパクトで取り扱いが容易であるため、当該脱水カゴ1を使用する食品洗浄機と脱水機の近傍に配設させるなど、食品洗浄機及び脱水機と組み合わせて使用するのが便利で食品の洗浄から脱水カゴ1の水洗までを能率的に行うことができる。
【符号の説明】
【0041】
1 食品洗浄用脱水カゴ
10 周壁
11 底壁
12 水切小孔
17 板面部
3 水受け容器
31 排水口
4 飛散防止カバー
5 水平テーブル
60 周面向き噴射ノズル
61 底面向き噴射ノズル
64 隅面向き噴射ノズル
7 濾過タンク
70 濾過袋
71 ポンプ
S 洗浄空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口し、周壁(10)及び底壁(11)に多数の水切小孔(12)が形成された円形の食品洗浄用脱水カゴ(1)を水洗対象とし、
洗浄空間(S)に回転自在に設けた水平テーブル(5)上に上面開口部を下向きにして伏せ状態にセットした前記脱水カゴ(1)の外周面に対して水を噴射して水洗させる周面向き噴射ノズル(60)と、底外面に対して水を噴射させて水洗させる底面向き噴射ノズル(61)を備え、前記周面向き噴射ノズル(60)及び/又は底面向き噴射ノズル(61)からの噴射水の勢いにより前記脱水カゴ(1)を回転させながら水洗させるようにしたことを特徴とする食品洗浄用脱水カゴの水洗方法。
【請求項2】
上面が開口し、周壁(10)及び底壁(11)に多数の水切小孔(12)が形成された円形の食品洗浄用脱水カゴ(1)を水洗対象とし、
上面が開口し底端に排水口(31)が形成された水受け容器(3)と、この水受け容器(3)の上面開口部に開閉可能に装着される飛散防止カバー(4)とで囲まれた洗浄空間(S)に水平テーブル(5)が回転自在に設けられ、
この水平テーブル(5)上に上面開口部を下向きにして伏せ状態にセットした前記脱水カゴ(1)の外周面に対し水を噴射させて水洗する周面向き噴射ノズル(60)と、底外面に対し水を噴射させて水洗させる底面向き噴射ノズル(61)を備え、
前記外周面向き噴射ノズル(60)及び/又は底面向き噴射ノズル(61)からの噴射水の勢いにより前記脱水カゴ(1)を回転させながら両噴射ノズル(60)、(61)からの噴射水により水洗させるように形成されていることを特徴とする食品洗浄用脱水カゴの水洗装置。
【請求項3】
請求項2記載の食品洗浄用脱水カゴの洗浄装置において、前記水受け容器(3)の排水口(31)に取り付けられた濾過袋(70)が濾過タンク(7)に収容され、この濾過タンク(7)内の水を前記噴射ノズル(60)、(61)に圧送させるポンプ(71)を備えている食品洗浄用脱水カゴの水洗装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の食品洗浄用脱水カゴの洗浄装置において、前記脱水カゴ(1)は周壁(10)と底壁(11)との隅部分に水切小孔(12)が形成されていない板面部(17)が形成され、この板面部(17)の内面に対して水を噴射させる隅面向き噴射ノズル(64)を備えている食品洗浄用脱水カゴの水洗装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−107037(P2013−107037A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253573(P2011−253573)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【特許番号】特許第5046417号(P5046417)
【特許公報発行日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【出願人】(391021606)小嶺機械株式会社 (17)
【Fターム(参考)】