説明

食品用の開封容易な包装体

本発明は、食品(10)のためのフローラップ式の包装体(1)であって、柔軟な材料から成り、略長方形の形状を有するとともに、食品(10)の周りで折り畳まれて、包装体(1)の少なくとも3つの側部(L1、B1、B2)でシールされ、包装体(1)のシールされた縦側部(L1)が、シール部(2b)から自由に延びる2つの自由な隣り合うフラップ部(5a、5b)を延ばす、包装体(1)を提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、特にパフォーマンスバー(performance bar)のための包装体、および、そのような包装体内に封入されるパフォーマンスバーに関する。エネルギバーまたはプロテインバーは、そのようなパフォーマンスバーの例示的な代表と見なされる。
【背景技術】
【0002】
食品用の包装体は、従来技術から良く知られており、主に、包装された製品の鮮度および風味を保つという目的を果たす。したがって、包装体は、しばしばシールされ、そのため、湿気やガスを透過しない。
【0003】
包装体の更なる目的は、製品名および製品の含有原料などの情報を消費者に提供することである。
【0004】
そのような食品は、国際公開第2006/100084号に記載されるようなフローラッピングによって包装することができ、それにより、食品の側部に1つの縦シールシームと2つの横シールシームとを設けて、包装体を効果的にシールすることができる。この場合、異なる幅を有する2つの外周ストリップが包装体の外側で互いの上に折り重ねられる。折り重ねられたストリップは、その後、冷間結合剤によって包装体の外面に接着される。
【0005】
欧州公開特許第1 288 139号は、略ブロック形状の食品のための包装体に関するものであり、この場合、包装体の側部のうちの1つは、接着剤がない食品の背面に形成される2つのフラップ部を備える。この形態によれば、食品へのアクセスのし易さが高められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、特に、パフォーマンスバーの分野を取り扱う。パフォーマンスバー(例えば、エネルギバー、プロテインバーなど)は、例えばチョコレートバーとは完全に異なる状態で消費されるようになっている。パフォーマンスバーは、しばしば、トレーニング中または競技中に消費される。したがって、その包装体は、ランニング中またはサイクリング中などにおいて湿ったまたは汗まみれの手によって開封されなければならない。そのため、包装体は、時として、片手でおよび/または口(唇、歯、…)を用いて開封されなければならない。
【0007】
一方、急速フローラッピングプロセスは、容易な開封機構とはやや正反対の立場をとる。
【0008】
したがって、食品へのアクセスのし易さを更に高めて、包装体の直感的な開封を可能にする、そのような食品の包装体のための開封手段が求められている。
【0009】
また、本発明は、包装体の前側または後側に消費者情報のための更に大きな表面を設けることを目的とする。
【0010】
包装体の開封は、包装体の小さな断片の飛散を回避するために包装体を1つのまとまりのある断片として維持しなければならない。
【0011】
本発明は、前述した問題に対処しようとする。また、本発明は、この説明の残りの部分で見られるように、他の目的、特に他の問題の解決策にも狙いを定める。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1の態様において、本発明は、例えばパフォーマンスバーなどの食品のためのフローラップ式(flow wrapped)の包装体を提案する。包装体は柔軟な材料から形成される。包装体は、一方の側で食品周りに折り畳まれて、包装体の残りの側部がシールされる。それにより、2つの隣り合うフラップ部が包装体の側部のうちの少なくとも1つで延びる。フラップ部同士は、関連するシールされた側部に隣接するそれらの端部にて接続される。フラップ部は、食品のほぼ主面内で自由にかつ直線的に延びる。したがって、フラップ部は本質的に折り畳まれない。また、包装体の横側部は、フラップ部(5a、5b)が該横側部(B1、B2)で互いに接合されないようにそれらの全長にわたってシールされない。更に、2つの隣り合うフラップ部(5a、5b)は、フラップ部(5a、5b)の内面または外面(7a、7b)に設けられるグリップ要素(6a、6b)を備える。
【0013】
したがって、フラップ部が包装体の主面から直線的に離れて延びるため、包装体の前後面に設けられる連通領域が広げられる。
【0014】
本発明に係るシール包装体を用いると、湿気やガスなどの環境の影響から食品を効果的に保護することができ、それにより、食品を長い間にわたって安定して保管できる。また、包装体の開封特性は、包装体のシールされた縦側部から突出する自由端となっている2つのフラップ部に起因して向上する。そのため、消費者は、自由端となっている2つの隣り合うフラップ部を引き裂くことにより包装体を容易に開封できる。
【0015】
包装体材料は、プラスチック、紙、または、金属箔、もしくは、食品の包装分野において知られるその複合箔から形成されるのが好ましい。
【0016】
言うまでもなく、自由端である隣り合うフラップ部は、包装体の縦側部のうちの1つに設けられるのが好ましい。しかしながら、自由端であるフラップ部は、その可触性を高めるために食品の任意の縁部に設けられてもよい。
【0017】
好ましい実施形態では、フラップ部が包装体の側部から異なる大きさで突出していることが好ましい。このようにすると、2つの重なり合うフラップ部が包装体の開封機構を消費者に効果的に示唆するため、包装体の直感的な開放が可能となる。
【0018】
好ましい実施形態では、包装体の側部から大きい大きさで突出するフラップ部が包装体の後面に配置される。このようにすると、両方の重なり合うフラップ部が見えるため、食品の前面を見ている消費者に対して開封機構が示される。
【0019】
好ましい実施形態において、自由端となる2つの隣り合うフラップ部を延ばす側部に隣接する側部に形成されるシール部は、それらがフラップ部上に延びないように形成される。そのため、フラップ部は、それらの幅全体に沿って互いに対して自由に移動できる。したがって、消費者は、フラップ部が配置される包装体の側部に沿う任意の位置でフラップ部を引き裂くことができる。
【0020】
2つの隣り合うフラップ部は、フラップ部の内面および/外面に設けられるグリップ促進要素を備えることが好ましい。したがって、フラップ部の取り扱いは、包装体を開封するためにフラップ部を掴み取って引き裂くことができるように改善される。この場合、グリップ要素は、包装体のフラップ部の一体部分として形成されてもよい。また、グリップ要素は、包装体のフラップ部に接続される付加的な手段であってもよい。
【0021】
好ましい実施形態では、グリップ要素が例えばエンボスのパターンなどの表面加工部を備える。また、グリップ要素が穴または開口のパターンを備えてもよい。更に、グリップ要素は、フラップ部の一体部分として加えられ、または存在する任意の他の物理的または化学的な手段であってもよく、それにより、2つのフラップ部間の摩擦が高められ、フラップ部が互いに張り付くことが防止される。この場合、グリップ要素は、2つの隣り合うフラップ部のそれぞれにおいて等しく、または異なって形成されてもよい。グリップ要素が一方または両方のフラップ部に存在してもよい。
【0022】
これによれば、2つのフラップ部間の引力、例えば静電気引力、または、フラップ部間に存在する水分に起因する引力を効果的に防止できる。したがって、包装体が湿気や静電帯電などの環境の影響に晒される場合であっても、包装体の容易な開封が維持される。
【0023】
グリップ要素がフラップ部に付着される材料を備えていてもよい。そのような材料は、例えば、フラップ部の取り扱いを更に促進させるためにフラップ部に塗布される特定のコーティングであってもよい。コーティングは、フラップ部の一方または両方に塗布されてもよい。
【0024】
好ましい実施形態において、包装体のシールは、それ自体で使用されまたは包装材料の他の層に加えられるシールフィルムによって得られる。この場合、シールフィルムは、ポリオレフィンなどの熱可塑性材料を備えるヒートシール可能で剥離できるフィルムであることが好ましい。その場合には、包装体の少なくとも3つの側部のシールを可能にするため、少なくとも包装体の一部に対して熱可塑性材料が加えられる。
【0025】
好ましい実施形態では、ヒートシール可能なフィルムが共押し出しフィルムである。共押し出しフィルムは、比較的安価な樹脂材料のバルク層と、更に薄い剥離可能なシーラント層とを備える。バルク層は、シール時に緩衝効果を与え、フィルムに腰を与える。これは、剥離可能なフィルムの厚さを調整して特定の包装ニーズを満たすことができるという利点を有する。また、このとき、共押し出しフィルムを包装材料の他の層に積層することができる。これにより、バリアおよび/または印刷特性を高めることができる。
【0026】
一般に、共押し出しのヒートシール可能なフィルムは、その接着または結合を剥がすことができるように形成されてもよい。これにより、使用される樹脂材料の選択に応じて、シールの耐久性およびバリア特性が高められる。
【0027】
言うまでもなく、ヒートシール可能な共押し出しの剥離できるフィルムの代わりに、ヒートシール可能なコーティングまたは例えばアクリル系のコールドシール接着剤が塗布され、それにより、包装体の効果的なシールを可能にしてもよい。
【0028】
ユーザが2つの自由な隣り合うフラップ部を掴み取ってそれらのフラップ部を引き裂くと、包装体をシールするために使用される剥離可能なフィルムが、フィルムによってシールされる包装体の一方の側から剥がされ、それにより、包装材料を破壊することなく包装体が開封される。
【0029】
また、包装体の再閉塞を可能にするために更なる再閉塞手段が設けられてもよい。そのようにすると、ユーザは、包装体を開封した後再び閉じることができる。この場合、想定し得る開封動作および再閉塞動作の数は、該再閉塞手段の強度および耐久性に依存する。
【0030】
接着面を有する製品においては、再閉塞手段を伴うことなく再閉塞可能な効果を有利に得ることができることが分かってきた。製品と包装材料との間の接着に起因して包装体を簡単に再閉塞することができる。
【0031】
包装体は、フローラッピングによって食品に適用されるのが好ましい。そのため、食品の高速で便利な包装が得られる。
【0032】
第2の態様において、本発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装体を用いて食品を包装するための方法であって、包装体の内面上に食品を配置するステップと、食品の縦縁の周りで包装体を折り畳んで、食品の反対側の縦縁に2つの重なり合うフラップ部が形成されるように食品を取り囲み、重なり合うフラップ部を該反対側の縦縁から異なる大きさで突出させる、ステップと、包装体の縦側部に形成されるフラップ部が食品の縦縁と平行な軸線で互いにシールされて互いに対して自由に移動できるように包装体の側部をシールするステップとを備える方法を提案する。
【0033】
したがって、高機能な開封機構が包装体の縦側部に形成されるように食品を効果的に包んでシールすることができる。
【0034】
また、本方法は、食品の縦縁に形成されるフラップ部が互いに接合されないように食品の横縁と平行な軸線で包装体の2つの対向する横側部をシールするステップを備えることが好ましい。このようにすると、包装体の縦側部に形成される2つの隣り合うフラップ部が互いに対して自由に移動できる。したがって、消費者は、2つの自由端であるフラップ部を掴み取って、フラップ部、したがって包装材料を引き裂くことにより包装体を開封できる。
【0035】
フラップ部は、好ましくは5〜35mm、より好ましくは10〜30mm自由に延びる。自由端となっているフラップ部が異なる長さを有する場合、延在される自由長の差異は少なくとも2〜5mmであることが好ましい。
【0036】
言うまでもなく、本発明に係る包装体および包装方法は、ブロック形状の食品に適用されることに限定されず、エネルギバー、チョコレートバー、シリアル、粉末などの様々な形状の任意の1または複数の食品に適用できる。また、複数の食品が本発明に係る包装体内に包装されてもよい。
【0037】
本発明の更なる特徴、利点、および、目的は、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を添付図面の図と併せて解釈して読むと、当業者にとって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】折り畳まれてシールされる前の本発明に係る包装体の好ましい実施形態の概略平面図を示している。
【図2】折り畳まれてシールされた後の本発明に係る包装体の好ましい実施形態の概略平面図を示している。
【図3】フラップ部が消費者の指によって分離される本発明に係る包装体の好ましい実施形態の斜視側面図を示している。
【図4】本発明に係る包装製品の断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0039】
折り畳まれてシールされる前の本発明に係る包装体1の好ましい実施形態の概略平面図に関連する図1により示されるように、包装体1は、好ましくは長方形の形状を成しており、2つの対向する横縁2aと2つの対向する縦縁2bとを備える。この場合、包装体1は、平らで折り畳み可能な柔軟材料であることが好ましい。包装体1は別個の側壁を有していないことが好ましい(欧州公開特許第1 288 139号から知られる包装体とは大きく異なる)。
【0040】
また、包装体1は、食品10が配置される内面1aと外面1bとを備える。外面1bは、包装体1が折り畳まれてシールされるときに包装体1の前面3aと後面3b(図2参照)を構成する。内面1a上には食品10が配置される。食品10は比較的平坦な長方形(ブロック形状を成していない)の食品であることが好ましい。特に、食品の縁部が平坦であってもよい(チョコレートバーの垂直な側壁とは異なる)。しかしながら、任意の他の形状または形態の食品が包装体1内に配置されてもよい。
【0041】
食品10は2つの縦縁10bと2つの横縁10aとを備える。食品10は、その縦縁10bのうちの一方が包装体1の所定の折り畳み線7と平行に配置されるのが好ましい。この場合、折り畳み線7は、包装体1の縦縁2bと平行に配置されるのが好ましい。
【0042】
言うまでもなく、異なる形状、例えば円形または三角形の形状の他の食品が包装体1内に配置されてもよい。その場合、食品が包装体1によって包まれるように十分小さい限り、必ずしも縦縁10bを折り畳み線7と平行に配置する必要はない。
【0043】
折り畳み線7は、包装体1の2つの縦縁2bに対して非対称に配置されるのが好ましい。そのため、包装体1を折り畳み線7の周りで折り畳むときに、縦縁2bのうちの一方が他方の縦縁2bよりも大きく折り畳み線7から突出する(図2参照)。
【0044】
図1に示されるように、シール材料4が包装体1の内面1aに塗布される。しかしながら、ヒートシール可能なコーティングまたはコールドシール接着剤のフレームが包装体1に対して同様に塗布されてもよい。
【0045】
シールフレーム4は、2つの平行な横側部4aと2つの平行な縦側部4bとを備えるのが好ましい。横側部4aは、包装体1の横縁2aに対して平行に配置されるのが好ましい。図1に示されるように、フレーム4の横側部4aは、包装体1が折り畳み線7の周りで折り畳まれる場合に横縁2a同士が互いに効果的にシールされるように横縁2aに直接に配置される。
【0046】
フレーム4の縦側部4bは、包装体1の縦縁2bから特定の距離l、lでそれぞれ配置されるのが好ましい。したがって、フレームの側部4aは包装体1の縁2bに至るまで延びていない。
【0047】
また、フレーム4の縦側部4bは、折り畳み線7と平行に折り畳み線までの距離が等しく配置されるのが好ましい。そのため、包装体1が折り畳み線7の周りで折り畳まれると、フレーム4の縦側部4bが重ね合わされる。したがって、包装体1の縦側部2bの効果的なシールが可能となる。
【0048】
この場合、折り畳み線7によって他方の半分に対して分離される図1に示されるシールフレーム4の一方の半分だけが包装体1に塗布されるのが好ましい。そのようにすると、包装体1を折り畳み線7の周りで折り畳むことにより、シールフレーム4が図示のフレーム4の対応する他方の半分と相互作用させられる。したがって、包装体1の効果的なシールが可能となる。
【0049】
シールフレーム4は等しい幅lを有することが好ましい。しかしながら、縦側部4bおよび横側部4aが異なる幅を有してもよい。そのようにすると、包装体1の横側部および縦側部2a、2bにおける所定のニーズに合わせてシールの強度を調整することができる。
【0050】
また、シール強度を高めるために、シール4にエンボス(図示せず)が形成されてもよい。エンボスは、シールプロセス中に包装体の一部に対して圧力を加えることにより形成されるのが好ましい。
【0051】
図2は、折り畳まれてシールされた後の本発明に係る包装体1の好ましい実施形態の概略平面図に関するものである。図2において分かるように、包装体1は、その折り畳み状態で、前面3aおよび後面3bを備える。包装体は4つの側部L1、L2、B1、B2を更に備える。横側部B1、B2は包装体1の横側部2aに対応する。縦側部L1は縦側部2bによって形成され、また、反対側の縦側部L2は折り畳み線7に対応する。包装体1は、その折り畳み状態において、3つの側部L1、B1、B2でシールされる。それにより、折り畳み線7と対向する縦側部L1は、自由端となっている2つの隣り合うフラップ部5a、5bを延設することになる。フラップ部5a、5bは、縦シールフレーム部4bによって互いに接合される。
【0052】
図2において分かるように、フラップ部5a、5bは包装体1の縦側部2b全体に沿って延びている。そのため、包装体1を開封しようとする消費者に対して大きな握り領域が与えられる。
【0053】
また、横側部B1、B2は、フラップ部5a、5bが側部B1、B2で互いに接合されないように、それらの全長にわたってシールされない。したがって、フラップ部5a、5bは、縦側部L1全体に沿って互いに対して自由な状態で動く。この場合、縦シール部4bが2つのフラップ部5a、5bの接合部を構成する。
【0054】
包装体1の縦側部2bはフラップ部5a、5bの縁を構成する。フラップ部5a、5bは、包装体1の前面および後面3a、3bと平行に突出していることが好ましい。この場合、フラップ部5a、5bは、シールされた縦側部4bから長さl、lにしたがって異なる大きさで突出している。この場合、長さl、lを所定のニーズに合わせて変更して調整することができる。長さl、lは、消費者の指を用いてフラップ部5a、5bを容易に分離できるように選択されることが好ましい。
【0055】
好ましい実施形態において、折り畳まれた包装体1の後側3bに配置されるフラップ部5bは、折り畳まれた包装体1の前側3aに配置される他方のフラップ部5aよりも大きく縦側部L1から突出している。そのため、消費者は、図3に示されるように指を用いてフラップ部5a、5bを容易に分離できる。
【0056】
2つのフラップ部5a、5bはグリップ要素6a、6bを備えることが好ましい。該グリップ要素6a、6bは、フラップ部5a、5bに形成されるエンボスであることが好ましい。この場合、エンボス6a、6bは、図3に示されるように、フラップ部5a、5bの内面および/または外面7a、7bに設けられるのが好ましい。フラップ部5a、5bは個別にエンボス加工されるのが好ましい。
【0057】
また、開口または穴などの他のグリップ要素をフラップ部5a、5bに適用することができる。そのようにすると、フラップ部5a、5b間の摩擦が高められ、消費者はフラップ部5a、5bを容易に掴み取ることができる。それにより、包装体1の開封中のフラップ部5a、5bの握力が高められるため、包装体1の開封が容易になる。
【0058】
図3に示されるように、グリップ要素6a、6bは、好ましくは、フラップ部5a、5bにだけ形成され、したがって、シール4、特に包装体1の縦シール部4bと重なり合っている。
【0059】
記載された実施形態によれば、消費者は、指を用いてフラップ部5a、5bを容易に掴み取ることができ、したがって、フラップ部5a、5bを引き裂いて包装体1を開封することができる。フラップ部5a、5bを互いに離れるように引き裂くことにより、剥離可能なフィルム4の縦部4b、結果的に横部4aが包装体1の少なくとも一方の側から剥がされる。したがって、包装体1の容易で便利な開封が可能となる。
【0060】
本発明をその好ましい実施形態に関連して説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって規定されるこの発明の範囲から逸脱することなく多くの改良および変更が当業者によってなされてもよい。
【0061】
例えば、包装体1の開封を更に促進するために両方の縦側部L1、L2に前述した本発明のフラップ部5a、5bを適用できてもよい。また、フラップ部5a、5bは、僅かに丸みを帯びている、または所定の曲率半径を有するなど、異なる形状を成してもよい。
【0062】
図4には食品10の断面図が示されている。包装体は、側部L2で食品10周りに折り畳まれている。平坦な食品は、長さおよび幅方向で(したがって、食品の相対的に小さい高さに対して垂直な)主面Pを規定する。自由端であるフラップ部5a、5bは、本質的に、この面内で折り畳むことなく、すなわち、この主面に対して好ましくは45°未満の角度を成して配置される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パフォーマンスバーなどの食品(10)のためのフローラップ式の包装体(1)であって、
当該包装体(1)が、柔軟な材料から成り、好ましくは略長方形の形状を有し、
当該包装体(1)が、一方の側(L2)にて前記食品(10)周りに折り畳まれ、当該包装体(1)の残りの側部(L1、B1、B2)がシールされ、
2つの隣り合うフラップ部(5a、5b)が当該包装体(1)の前記側部のうちの少なくとも1つ(L1)にて延び、
前記フラップ部(5a、5b)同士が、前記関連するシールされた側部(L1)に隣接する該フラップ部の端部にて接続され、
前記フラップ部(5a、5b)が、前記食品のほぼ主面内で自由にかつ直線的に延び、
当該包装体の横側部(B1、B2)同士が、前記フラップ部(5a、5b)が前記横側部(B1、B2)で互いに接合されないようにそれらの全長にわたってシールされず、
前記2つの隣り合うフラップ部(5a、5b)が、該フラップ部(5a、5b)の内面または外面(7a、7b)に設けられるグリップ要素(6a、6b)を備える、包装体。
【請求項2】
前記2つの隣り合うフラップ部(5a、5b)が異なる大きさで延びる、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
当該包装体(1)の前記縦側部(L1、L2)に対して垂直な側部(B1、B2)に形成されるシール(4a)は、該シールが前記フラップ部(5a、5b)上に延びないように形成される、請求項1または2に記載の包装体。
【請求項4】
前記グリップ要素(6a、6b)が、当該包装体(1)の前記フラップ部(5a、5b)の一体部分として形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項5】
前記グリップ要素(6a、6b)が、当該包装体(1)の前記フラップ部(5a、5b)に接続される付加的な手段として形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項6】
前記グリップ要素(6a、6b)が、例えばエンボスなどの表面加工部を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項7】
前記グリップ要素(6a、6b)が穴または開口のパターンを備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項8】
前記グリップ要素(6a、6b)が前記フラップ部(5a、5b)に付着する材料を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項9】
前記グリップ要素(6a、6b)が前記フラップ部(5a、5b)ごとに異なる態様で設計されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項10】
前記包装体のシール(4)が、ヒートシール可能で剥離できるフィルム、ヒートシール可能なコーティング、または、コールドシール接着剤からなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装体を用いて食品を包装するための方法であって、
前記包装体(1)の内面(1a)上に前記食品(10)を配置するステップと、
前記食品(10)の縦縁(10b)の周りを囲むようにして前記包装体(1)を折り畳んで、前記食品の反対側の縦縁(10b)に2つの重なり合うフラップ部(5a、5b)が形成されるように前記食品を取り囲み、前記重なり合うフラップ部(5a、5b)を前記反対側の縦縁から、好ましくは異なる大きさで直線的に延ばす、ステップと、
前記包装体(1)の前記縦側部(L1)に形成される前記フラップ部(5a、5b)同士が、前記食品(10)の前記縦縁(10b)と平行な軸線にて互いにシールされるように、かつ、当該シール箇所から前記フラップ部が自由状態で延びるように、前記包装体(1)の側部(L1、B1、B2)同士をシールするステップと、
を備え、
前記包装体(1)がフローラッピングによって前記食品(10)に適用される、方法。
【請求項12】
前記食品(10)の縦縁(L1)に形成されるフラップ部(5a、5b)が互いに接合されないように前記食品(10)の横縁(10a)と平行な軸線で前記包装体(10)の2つの対向する横側部(B1、B2)同士をシールするステップを備える、請求項11に記載の食品を包装するための方法。
【請求項13】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の包装体内に収容される食品であって、エネルギバー、栄養バー、または、パフォーマンスバーなどのバーである、食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−526565(P2011−526565A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515411(P2011−515411)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/058117
【国際公開番号】WO2010/000699
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】