説明

食品用冷却搬送装置

【課題】冷却効果を極大化するとともに、食品がコンベヤーの周辺施設と摩擦されて挟み込まれるような現象を効果的に防止し、未汚染の製品を円滑に搬送することが可能な、新規かつ改良された食品用冷却搬送装置を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、高温で揚げられた食品を搬送するコンベヤー区間ごとに冷却空気をそれぞれ別々に供給して搬送中に食品そのものに冷却空気が直接的に接触されるようにすることで、冷却効果を極大化することが可能な冷却専用コンベヤーが構成されており、上記冷却専用コンベヤーの両側面に冷却専用コンベヤーと同時に駆動可能な補助コンベヤーが設けられている。これにより、食品がコンベヤーの周辺施設と摩擦されて挟み込まれるような現象を効果的に防止するとともに、円滑な搬送を実施することが可能な食品用冷却搬送装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用冷却搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、高温で揚げられたかまぼこ等の食品の場合、冷蔵保管が容易になるように、搬送中に、揚げられた後に発生する食品の熱を冷やす冷却処理を同時に行うための冷却搬送装置が用いられている。
【0003】
従来の食品冷却搬送装置の場合、冷却装置付きチャンバー室が設けられ、前記チャンバー室の内側にメッシュベルトと駆動チェーンとからなるメッシュ型コンベヤーが多段に形成される。食品が前記メッシュ型コンベヤーによって所定の距離だけ水平に搬送された後、上部側のコンベヤーから下部側のコンベヤーへと自由落下して反対方向に搬送できるようにコンベヤーが装置側面から見て千鳥配置され、ジグザグに食品が搬送されるように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国実用新案出願番号第20−2004−0017413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の冷却搬送装置は、チャンバー室内部全体を冷却する冷却方式を採用しているため、冷却装置において冷却された冷却空気が製品に直接的に当たることがなく、むしろ高温で揚げられた食品から発生する熱気とチャンバー室内の冷却エアとが混合された結果、高温になった空気を用いて製品を冷却することとなる。そのため、効率が落ちることはもとより、全体のチャンバー内の流速(つまり、相対的な冷却空気の流速)が遅くなって冷却時間が長引いてしまうという短所がある。
【0006】
また、食品を搬送するメッシュ型コンベヤーの場合、メッシュベルトの両側面に食品の落下を防止するためのガイドが配設される。しかし、太くて短い形状のかまぼこ等の食品の形状によっては、食品の搬送中、若しくは、上部コンベヤーから下部コンベヤーへと自由落下の際に、食品と固設されたガイドとが擦り合わせられて、食品がガイドと駆動チェーンとの間に転がり込んで挟み込まれたり、ガイドの上部側に食品が留まったりするような現象が発生してしまう。そのため、これを放置した状態で連続的な作業が行われる場合、放置された食品が徐々に腐敗して他の製品を汚染させ、品質に悪影響を及ぼしてしまうという不都合が発生していた。また、メッシュベルトを駆動する駆動チェーンの円滑な動作のために潤滑油が使われるが、これに伴い、潤滑油がメッシュベルトを汚染させて製品まで汚染させてしまうという問題も頻発していた。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、冷却効果を極大化するとともに、食品がコンベヤーの周辺施設と摩擦されて挟み込まれるような現象を効果的に防止し、未汚染の製品を円滑に搬送することが可能な、新規かつ改良された食品用冷却搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、冷却装置付きチャンバー室が設けられ、前記チャンバー室内に、当該チャンバー室内の上部から下部まで段階的に食品を搬送する多段構造の搬送コンベヤー部が設けられた食品用冷却搬送装置において、冷却専用コンベヤー及び補助コンベヤーを有する冷却搬送コンベヤーと、前記冷却搬送コンベヤーの区間ごとに、それぞれ冷却空気を供給する冷気供給手段と、を備え、前記冷却専用コンベヤーは、本体フレームと、当該本体フレームの上部側及び下部側に配設され、食品の搬送のための冷却専用チェーンが組み付けられる搬送フレーム及びリターンフレームと、前記搬送フレームの下部側を密閉して密閉空間を形成する開閉手段と、を有しており、前記補助コンベヤーは、前記本体フレームの両側面に配設される支持フレームと、前記冷却専用コンベヤーの両側面に壁面構造となるように、前記支持フレーム上に垂直方向に立設されるコンベヤーチェーン付きコンベヤーと、を有し、食品の離脱および挟み込み現象を防止し、且つ、円滑な搬送を誘導するものであり、前記コンベヤーチェーンは、両先端部に配設される駆動ギアにより駆動され、前記冷却専用コンベヤーのチェーンギアと同軸上に連結された第1のべベルギアと、前記駆動ギアと同軸上に形成された第2のべベルギアと、前記第1のべベルギア及び第2のべベルギアと噛合するように配設された第3のべベルギアと、により、前記冷却専用コンベヤーと同一の方向に同時に駆動し、搬送される食品の挟み込み現象を防止しつつ、当該食品を円滑に搬送可能であり、冷却専用チェーンの下部から冷却空気を食品に直接接触させて、食品を冷却する食品用冷却搬送装置が提供される。
【0009】
これにより、食品を搬送するコンベヤー区間ごとに冷却空気をそれぞれ別々に供給して搬送中に食品そのものに冷却空気が直接的に接触されるようにすることにより、冷却効果を極大化させられる冷却専用コンベヤーと、前記冷却専用コンベヤーの両側面に冷却専用コンベヤーと同時に駆動可能な補助コンベヤーと、を設けることにより、食品がコンベヤーの周辺施設と摩擦されて挟み込まれるような現象を効果的に防止するとともに、未汚染の製品を円滑に搬送することが可能になる。
【0010】
前記冷却専用コンベヤーの下部側に設けられる前記開閉手段は、前記搬送フレームの一方の側部の下方に設けられた開閉蓋体を含んでいてもよく、前記開閉蓋体は、前記搬送フレームの下部側を開閉する際に前記開閉蓋体の一方の側部が開閉可能なように、前記開閉蓋体の他方の側部が前記搬送フレームの一方の側部の下方に蝶着されるとともに、昇降部材と連結された開閉棒が設けられており、前記昇降部材の昇降に伴い前記開閉蓋体がヒンジ駆動により開閉するようになっていてもよい。
【0011】
前記冷却専用コンベヤーの前記リターンフレームの底面には、所定の間隔で互いに離隔するよう設けられた複数の噴射ノズルが一体に形成された洗浄水配管が、固定ブラケットによって固設されており、前記洗浄水配管に取設された第1の回動リンクと、昇降駆動モジュールに取設された第2の回動リンクと、前記第1の回動リンク及び前記第2の回動リンクを係合する水平連結杆と、前記昇降駆動モジュールの昇降動作によって前記洗浄水配管が回動しつつ前記噴射ノズルによって前記冷却搬送コンベヤーに洗浄水を噴射する洗浄装置部と、を更に備えていてもよい。
【0012】
前記冷却専用チェーンは、天板付き上体と、それぞれの前記冷却専用チェーンを連結する下体と、を備え、前記天板には、所定の間隔で設けられた凹凸状の谷部が形成されており、前記天板と接触する食品部位に冷却空気を接触させ、食品が冷却されてもよい。
【0013】
前記冷気供給手段は、多段構造に多数配設される前記冷却搬送コンベヤーごとに、それぞれの当該冷却搬送コンベヤーの一方の側部に複数の冷却ダクトが配設されており、それぞれの前記冷却専用コンベヤーの前記本体フレームの側面には、冷気供給管が配設されており、前記冷却ダクトから前記本体フレームの内側に位置する前記搬送フレームの下部へと冷却空気を供給して、前記搬送フレームの上部に組み付けられた前記冷却専用チェーンの上方に、当該冷却空気を吹き付けてもよい。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、冷却専用コンベヤーの両側面に同時に駆動する補助コンベヤーを設けることにより、食品の搬送中における挟み込み現象による副作用を未然に防止するとともに、冷気供給手段によって冷却空気を冷却専用コンベヤーの内側に供給してチェーンベルトの上部に向かって冷気を吹き付けるように構成することにより、食品そのものに直接的に冷却空気を接触させて効率よい冷却処理を実現することができる。これにより、迅速で且つ安定的な製品の搬送性能および高度の冷却効率性が発揮され、顕著な生産性向上を図ることが可能になるという極めて有用な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る食品用冷却搬送装置を示す側面図である。
【図2】同実施形態に係る食品用冷却搬送装置を示す平面図である。
【図3】同実施形態に係る食品用冷却搬送装置の一部を示す部分斜視図である。
【図4】図1におけるB−B線断面図である。
【図5】同実施形態に係る食品用冷却搬送装置を構成する冷却搬送コンベヤーの駆動部を拡大して示す図である。
【図6】同実施形態に係る冷却専用チェーンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
本発明に係る食品用冷却搬送装置は、食品を搬送するコンベヤー区間ごとに冷却空気をそれぞれ別々に供給して搬送中に食品そのものに冷却空気が直接的に接触されるようにすることにより、冷却効果を極大化させられる冷却専用コンベヤーを構成し、前記冷却専用コンベヤーの両側面に冷却専用コンベヤーと同時に駆動可能な補助コンベヤーを設けて、食品がコンベヤーの周辺施設と摩擦されて挟み込まれるような現象を効果的に防止するとともに、未汚染の製品を円滑に搬送することができる。
【0018】
なお、本発明に係る食品用冷却搬送装置は、食品が接触されるチェーンの下部から清浄に冷却された風を直接的に吹き付けて冷却するように設計・構成することにより、食品の搬送中における冷却効率をより一層向上させることができる。また、本発明に係る食品冷却搬送装置は、主として食品を搬送する装置であるという特性から、清潔な衛生のための自動洗浄装置を更に有していてもよい。
【0019】
本発明に係る一実施形態について、以下で詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る食品用冷却搬送装置を示す側面図である。図2は、本実施形態に係る食品用冷却搬送装置を示す平面図である。図3は、本実施形態に係る食品用冷却搬送装置の一部を示す部分斜視図である。図4は、図1におけるB−B線断面図である。図5は、本実施形態に係る食品用冷却搬送装置を構成する冷却搬送コンベヤーの駆動部を拡大して示す図である。図6は、本実施形態に係る冷却専用チェーンを示す図である。
【0020】
本実施形態に係る食品用冷却搬送装置は、図1から図4に示すように、冷却装置付きチャンバー室が設けられる。前記チャンバー室内には、上部から下部まで段階的に食品を搬送する多段構造の搬送コンベヤー部が設けられており、冷却専用コンベヤー10及び補助コンベヤー20を有する冷却搬送コンベヤー30と、冷気供給手段40と、洗浄装置50とを備える。冷却搬送コンベヤー30が備える冷却専用コンベヤー10には、食品搬送のための冷却専用チェーン11が組み付けられ、本体フレーム14の上部側および下部側に配設された、搬送フレーム12およびリターンフレーム13と、前記搬送フレーム12の下部側を密閉して密閉空間12aを形成するように配設された開閉手段16と、が含まれる。冷却搬送コンベヤー30が備える補助コンベヤー20は、前記冷却専用コンベヤー10の両側面に配設され、冷却専用コンベヤー10と同時に駆動しつつ食品が離脱するか、あるいは、挟み込まれることを防止して円滑な搬送を誘導する。冷気供給手段40は、前記冷却搬送コンベヤー30の区間ごとにそれぞれ別々に冷却空気を供給する。洗浄装置部50は、前記リターンフレーム13の下部側に配設され、冷却搬送コンベヤー30を洗浄する。
【0021】
前記冷却専用コンベヤー10には、本体フレーム14に対して、本体フレーム14の高さ方向上部側に搬送フレーム12が配設され、下部側にリターンフレーム13が配設される。前記搬送フレーム12およびリターンフレーム13の上には、冷却専用チェーン11が組み付けられる。また、本体フレーム14の食品搬送方向の両先端部には、冷却専用チェーン11を駆動するチェーンギア15が配設される。
【0022】
開閉手段16は、前記搬送フレーム12の下部側に形成されている。冷気供給手段40によって供給される冷却空気が搬送フレーム12の上部側において駆動する冷却専用チェーン11の間に吹き込まれるように、搬送フレーム12の下部側を閉鎖し、密閉空間12aが形成される。これにより、冷却空気の搬送フレームの下部側への排出が遮断される。
【0023】
このような開閉手段16として、搬送フレーム12の一方の側部の下方に開閉蓋体16aが延設される。開閉蓋体16aは、搬送フレーム12の下部側(より詳細には、搬送フレーム12の下部側に設けられた密閉空間)を開閉する際に、一方の側部のみが開閉できるように、開閉蓋体16aの他方の側が搬送フレーム12の一方の側部の下方に蝶着されている。また、前記開閉蓋体16aの他方の側には昇降部材17と連結された開閉棒16bが延設されており、昇降部材17が昇降することにより開閉蓋体16aがヒンジ駆動により開閉されることとなる。
【0024】
前記搬送フレーム12およびリターンフレーム13の上に設けられる冷却専用チェーン11は、天板付き上体11aと、各チェーンをリンク連結する下体11bと、を含む。天板11aには、所定の間隔にて凹凸状の谷部11cが形成されてもよく、これにより天板11aと接触する食品部位にも冷却空気を効率よく接触させることができる。これにより、食品の冷却を容易に行うことが可能になる(図6参照)。
【0025】
補助コンベヤー20において、本体フレーム14の両側面には支持フレーム21が配設され、冷却専用コンベヤー10の両側面に壁面構造になるようにコンベヤーチェーン22付きコンベヤーが前記支持フレーム21の上に垂直方向に立設される。コンベヤーチェーン22は、両先端部に配設される駆動ギア23によって駆動されることとなる。
【0026】
これらの冷却専用コンベヤー10および補助コンベヤー20から構成された冷却搬送コンベヤー30は、チャンバー室の内側に設けられる垂直・水平フレーム101の上に所定の間隔で互いに離隔する多層構造となるように、各層ごとに多数配設される。なお、上部層に配設されている冷却搬送コンベヤー30の先端部から、下部側の冷却搬送コンベヤー30へと、食品が自由落下しつつ搬送が容易になるように、奇数層目および偶数層目に配設される冷却搬送コンベヤー30のラインの長さが互いに千鳥状になるように配設することが好ましい。
【0027】
また、前記冷却専用コンベヤー10および補助コンベヤー20には、冷却専用コンベヤー10のチェーンギア15と同軸上に配設された第1のベベルギア18と、補助コンベヤー20付き駆動ギア23と同軸上に配設された第2のベベルギア24と、第1のベベルギア18および第2のベベルギア24とそれぞれ噛合するように配設された、両方向にべベルギアの形成された第3のベベルギア25と、が含まれる。第1のベベルギア18と、第2のベベルギア24と、第3のベベルギア25とにより、冷却専用コンベヤー10および補助コンベヤー20を同方向に同時に駆動することが可能になる。そして、各冷却搬送コンベヤー30には、層別モーター102が駆動手段として配設されており、冷却専用コンベヤー10のチェーンギア15および第1のベベルギア18と同軸上に配設されたプーリー19と、層別モーター102と、がベルトにより連結されている。これにより、チェーンギア15及びベベルギア18が、駆動することとなる(図5参照)。これにより、食品の離脱および挟み込みを防止し、かつ、円滑な輸送を誘導することが可能になる。
【0028】
冷気供給手段40には、チャンバー室の内側に多段構造に多数配設される冷却搬送コンベヤー30ごとに、当該冷却搬送コンベヤー30の一方の側部に複数配設された冷却ダクト41と、冷却ダクト41から各冷却専用コンベヤー10の本体フレーム14の側面まで配設された冷気供給管42と、が含まれる。なお、冷却ダクト41および本体フレーム14には、冷気供給管42を連結する貫通口がそれぞれ形成されることが好ましい。
【0029】
このような冷気供給手段40は、冷却搬送コンベヤー30ごとに冷却空気をそれぞれ別々に供給することができ、冷却ダクト41および冷却供給管42から供給される冷却空気を本体フレーム14の内部に供給するとともに、本体フレーム14の内側の搬送フレーム12の下部側に冷却空気を供給し、該冷却空気を搬送フレーム12の上部側の冷却専用チェーン11の上部側に吹き付ける。これにより、搬送される食品そのものに冷気が直接的に接触されて食品を効率よく短時間内に冷却し、かつ、清潔な衛生状態で食品を搬送することが可能になる。
【0030】
一方、冷却ダクト41に供給される冷却空気は、冷却装置によって生成されるものであり、複数の冷却ダクト41の一方の側部は、冷却装置と連結される。冷却装置の構成はこの分野における当業者であれば十分に理解可能であるため、その詳細な説明は省略する。
【0031】
前記洗浄装置部50では、複数の噴射ノズル51が互いに所定の間隔だけ離隔するように一体に形成された洗浄水配管52が、固定ブラケット53によって、リターンフレーム13の底面部に固設される。また、前記洗浄水配管52に取設された前記第1の回動リンク54と、垂直・水平フレーム101の一方の側部に位置する昇降駆動モジュール55に取設された第2の回動リンク56と、が水平連結杆57により係合されている。これにより、昇降駆動モジュール55の昇降によって洗浄水配管52が回動し、噴射ノズル51によって冷却搬送コンベヤー30に満遍なく洗浄水が自動的に噴射されることとなる。
【0032】
以下、本実施形態に係る食品用冷却搬送装置の作用について説明する。
【0033】
まず、食品用冷却搬送装置を駆動させると、多段構造に各層ごとに配設された各冷却搬送コンベヤー30が駆動され、前記冷却搬送コンベヤー30を構成している冷却専用コンベヤー10と補助コンベヤー20の冷却専用チェーン11およびコンベヤーチェーン22が同方向に同時に駆動されることとなる。これにより、各冷却搬送コンベヤー30の一方の側部に配設される動力手段である層別モーター102と各チェーンギア15および駆動ギア23の同軸上に連結された第1及び第2のベベルギア18、24のそれぞれが第3のベベルギア25と噛合するように配設されて同方向に同時に駆動されることとなる。
【0034】
このため、前記冷却搬送コンベヤー30を介して食品が搬送されれば、冷却専用コンベヤー10の両側面において補助コンベヤー20がガイドおよび壁面構造を形成して両側面に食品が搬送中に離脱することを防止することとなり、冷却専用コンベヤー10と補助コンベヤー20が同時に駆動されることにより、食品の挟み込み現象を効率よく防止するとともに、円滑な搬送処理が行える。
【0035】
また、前記冷却搬送コンベヤー30の駆動中には、冷却専用コンベヤー10の冷却専用チェーン11の下部側から冷却空気を吹き付けることとなる。このため、搬送される食品そのものに冷却空気を直接的に接触させることができて、高温で揚げられた状態で搬送される食品を一層効率よく冷却することが可能になる。このために、複数の冷却ダクト41が冷却搬送コンベヤー30の一方の側部に取設され、冷却ダクト41から各冷却専用コンベヤー10の本体フレーム14の側面に冷気供給管42が連結されて、冷却装置において生成される冷却空気を冷却ダクト41および冷気供給管42を介して冷却専用コンベヤー10の内側の搬送フレーム12の下部側に供給することとなる。このとき、搬送フレーム12の下部側は開閉手段16によって密閉することにより、冷却空気が搬送フレーム12の下部側に排出されることを防止しつつ、容易に上部側にのみ供給することが可能になる。ここで、前記開閉手段16は、搬送フレーム12の下部の一方の側部に蝶着された開閉蓋体16aを他方の側部に設けられた昇降部材17が昇降することにより、開閉蓋体16aと昇降部材17を連結する開閉棒16bによって開閉蓋体16aを開閉することとなる。
【0036】
一方、本実施形態に係る食品用冷却搬送装置は、食品搬送コンベヤーであり、装置の清潔および衛生管理のために各層ごとに多段に配設される冷却搬送コンベヤー30には、冷却搬送コンベヤー30の上部側に配設される冷却専用チェーン11と、コンベヤーチェーン22を容易に洗浄可能な洗浄装置部50と、が含まれる。前記洗浄装置部50は各リターンフレーム13の底面部に配設され、第1および第2の回動リンク54、56および昇降駆動モジュール55によって洗浄水配管52が回動できるように構成されている。これにより、洗浄水配管52に一体に形成される噴射ノズル51が、洗浄水配管52の回動によって冷却搬送コンベヤー30の上部側から満遍なく洗浄水を噴射しつつ装置を洗浄することが可能になる。
【0037】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0038】
10 冷却専用コンベヤー
11 冷却専用チェーン
12 搬送フレーム
13 リターンフレーム
14 本体フレーム
15 チェーンギア
16 開閉手段
17 昇降部材
18 第1のベベルギア
19 プーリー
20 補助コンベヤー
21 支持フレーム
22 コンベヤーチェーン
23 駆動ギア
24 第2のベベルギア
25 第3のベベルギア
30 冷却搬送コンベヤー
40 冷気供給手段
41 冷却ダクト
42 冷気供給管
50 洗浄装置部
51 噴射ノズル
52 洗浄水配管
53 固定ブラケット
54 第1の回動リンク
55 昇降駆動モジュール
56 第2の回動リンク
101 垂直・水平フレーム
102 層別モーター


【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却装置付きチャンバー室が設けられ、前記チャンバー室内に、当該チャンバー室内の上部から下部まで段階的に食品を搬送する多段構造の搬送コンベヤー部が設けられた食品用冷却搬送装置において、
冷却専用コンベヤー及び補助コンベヤーを有する冷却搬送コンベヤーと、
前記冷却搬送コンベヤーの区間ごとに、それぞれ冷却空気を供給する冷気供給手段と、
を備え、
前記冷却専用コンベヤーは、
本体フレームと、
当該本体フレームの上部側及び下部側に配設され、食品の搬送のための冷却専用チェーンが組み付けられる搬送フレーム及びリターンフレームと、
前記搬送フレームの下部側を密閉して密閉空間を形成する開閉手段と、
を有しており、
前記補助コンベヤーは、
前記本体フレームの両側面に配設される支持フレームと、
前記冷却専用コンベヤーの両側面に壁面構造となるように、前記支持フレーム上に垂直方向に立設されるコンベヤーチェーン付きコンベヤーと、
を有し、食品の離脱および挟み込み現象を防止し、且つ、円滑な搬送を誘導するものであり、
前記コンベヤーチェーンは、
両先端部に配設される駆動ギアにより駆動され、前記冷却専用コンベヤーのチェーンギアと同軸上に連結された第1のべベルギアと、前記駆動ギアと同軸上に形成された第2のべベルギアと、前記第1のべベルギア及び第2のべベルギアと噛合するように配設された第3のべベルギアと、により、前記冷却専用コンベヤーと同一の方向に同時に駆動し、
搬送される食品の挟み込み現象を防止しつつ、当該食品を円滑に搬送可能であり、冷却専用チェーンの下部から冷却空気を食品に直接接触させて、食品を冷却する
ことを特徴とする、食品用冷却搬送装置。
【請求項2】
前記冷却専用コンベヤーの下部側に設けられる前記開閉手段は、前記搬送フレームの一方の側部の下方に設けられた開閉蓋体を含み、
前記開閉蓋体は、
前記搬送フレームの下部側を開閉する際に前記開閉蓋体の一方の側部が開閉可能なように、前記開閉蓋体の他方の側部が前記搬送フレームの一方の側部の下方に蝶着されるとともに、昇降部材と連結された開閉棒が設けられており、
前記昇降部材の昇降に伴い前記開閉蓋体がヒンジ駆動により開閉する
ことを特徴とする、請求項1に記載の食品用冷却搬送装置。
【請求項3】
前記冷却専用コンベヤーの前記リターンフレームの底面には、所定の間隔で互いに離隔するよう設けられた複数の噴射ノズルが一体に形成された洗浄水配管が、固定ブラケットによって固設されており、
前記洗浄水配管に取設された第1の回動リンクと、
昇降駆動モジュールに取設された第2の回動リンクと、
前記第1の回動リンク及び前記第2の回動リンクを係合する水平連結杆と、
前記昇降駆動モジュールの昇降動作によって前記洗浄水配管が回動しつつ前記噴射ノズルによって前記冷却搬送コンベヤーに洗浄水を噴射する洗浄装置部と、
を更に備える
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の食品用冷却搬送装置。
【請求項4】
前記冷却専用チェーンは、
天板付き上体と、
それぞれの前記冷却専用チェーンを連結する下体と、
を備え、
前記天板には、所定の間隔で設けられた凹凸状の谷部が形成されており、
前記天板と接触する食品部位に冷却空気を接触させ、食品を冷却する
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の食品用冷却搬送装置。
【請求項5】
前記冷気供給手段は、多段構造に多数配設される前記冷却搬送コンベヤーごとに、それぞれの当該冷却搬送コンベヤーの一方の側部に複数の冷却ダクトが配設されており、
それぞれの前記冷却専用コンベヤーの前記本体フレームの側面には、冷気供給管が配設されており、
前記冷却ダクトから前記本体フレームの内側に位置する前記搬送フレームの下部へと冷却空気を供給して、前記搬送フレームの上部に組み付けられた前記冷却専用チェーンの上方に、当該冷却空気を吹き付ける
ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の食品用冷却搬送装置。


【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−122712(P2012−122712A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217648(P2011−217648)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(511237841)
【Fターム(参考)】