説明

食品用容器

【課題】食品及び食品とは別に物品を収納する領域を備えた食品用容器であって、外観から景品形状を判別しにくくして購入者の期待感を高めると共に、良好な断熱性を備えた食品用容器を提供する。
【解決手段】互いに区画された第1の収納部10と第2の収納部20とを備えた食品用容器100であって、第1の収納部10は、第2の収納部20との間に配設される中底1と、中底1の周縁から上方に向かって延設される内側側壁2と、によって形成され、第2の収納部20は、中底1と、内側側壁2と、内側側壁2から外側に向かって延設された頂面部3と、頂面部3から下方に延設される外側側壁4と、によって形成され、外側側壁4は、中底1よりも下方に延設されてなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用容器に係り、特に、食品の他に付属する物品を収容可能な食品用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
カード付きスナック菓子、人形付きチョコレート菓子など、景品が付属した食品は、顧客の関心や興味を喚起し、販売を促進することができる。したがって、食品とは別に付属される景品の種類や、景品が付属される食品の種類も多様化してきている。
【0003】
そして景品によっては、購買意欲やコレクション性を高める目的で、複数種類の景品が作られ、容器に封入することが行われているが、その中でも景品の封入率が低いものを入れる場合がある。その結果、顧客は景品の重複を避けるため、また、封入率が低い景品を手に入れるため、景品が入った袋の手触りを確かめてから購入する行為が増加する傾向があった。
【0004】
これに対し、商品の破損防止や、商品開封時の期待感を高めるため、外観や手触りから景品を特定できないような景品の包装形態が望まれていた。例えば、アイスクリーム等の冷凍菓子を入れるカップ状の容器において、食品を入れる第1の容器の外側に、第1の容器よりも大きく形成された発泡スチロール製の第2の容器を嵌合し、第1の容器と第2の容器との間に形成される空所(隙間)にくじ等の景品を収納する技術が提案されている(特許文献1)。
【0005】
さらに、食品と区画された部分に収納された景品の取り出しを容易にするため、プラスチック製の中底部材の外側に、中底部材よりも大きく形成されたカップ状の紙容器を嵌合させ、物品が収納される部分に対応して、紙容器にミシン目等の切り込みを設ける技術が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭59−14396号公報
【特許文献2】特許第3876231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、冷凍菓子を入れるプラスチック製の第1の容器に、第1の容器よりも深く形成されたカップ状の容器を嵌合させた容器が開示されている。しかし、第1の容器と第2の容器の間に形成された空所(隙間)に収納された物品を取り出すには、第1の容器と第2の容器を引き剥がす必要があり、容易に物品を取り出すことができなかった。
【0008】
特許文献2では、アイスクリーム等の食品を入れる領域を形成する中底部材の外側に、カップ状の紙容器が嵌合されており、紙容器に付された切り込みの部分を破ることにより、内部に収納された物品を容易に取り出すことができる。
【0009】
しかしながら、特許文献2の技術では、紙容器とプラスチック製の中底部材を別途形成してから嵌合させる構成であるため、容器の構成が複雑になり、容器製造工程が煩雑になりやすい。したがって、景品等の物品を収納できる食品用容器において、より簡単な構成のものが望まれていた。
【0010】
本発明の目的は、アイスクリーム等の氷菓子、ヨーグルト等の半液状の食品、飲料、ゼリー等のデザート類等の食品と、これら食品とは別に付属する物品を入れるための領域を備えた食品用容器において、外観から景品形状を判別しにくくして購入者の期待感を高めると共に、良好な断熱性を備えた食品用容器を提供することにある。また、本発明の他の目的は、その構造が簡単で製造効率の高い食品用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題は、請求項1の食品用容器によれば、互いに区画された第1の収納部と第2の収納部とを備えた食品用容器であって、前記第1の収納部は、前記第2の収納部との間に配設される中底と、該中底の周縁から上方に向かって延設される内側側壁と、によって形成され、前記第2の収納部は、前記中底と、前記内側側壁と、該内側側壁から外側に向かって延設された頂面部と、該頂面部から下方に延設される外側側壁と、によって形成され、前記外側側壁は、前記中底よりも下方に延設されてなること、により解決される。
【0012】
このように、本発明の食品用容器は、食品を入れるための第1の収納部と、食品とは別に収納されるその他の物品を収納するための第2の収納部とを備えた食品用容器において、中底、内側側壁、頂面部、外側側壁が一体に形成されている。そして外側側壁が中底よりも下方に延設されている構成、すなわち内側側壁よりも外側側壁が高く形成された構成とすることにより、互いに区画された第1の収納部と第2の収納部を備えた食品用容器を提供することができる。
このような構成とすると、二つの収納部を備える容器を形成するために、大きさの異なる容器を重ねて嵌合させる必要はなく、単純な構成の食品容器とすることができる。したがって、構造が簡単で製造効率が高い食品用容器とすることができる。
また、第1の収納部に対して、第2の収納部が裏側に配設され、第2の収納部は外側側壁によって覆われているため、外側からは内部が見えない構成となる。したがって、景品等を第2の収納部に入れた際、購入者は外観から内部の景品を判別しにくくなるため、購入者の期待感をさらに高めることができる。
さらにまた、本発明の食品用容器は、内側側壁及び外側側壁との間に頂面部が設けられており、内側側壁と外側側壁は対向して離間する構成である。したがって、断熱空間を形成することができ、アイスクリーム等の冷凍菓子の保管に好適に用いられる。
【0013】
また請求項2のように、前記外側側壁の端部周縁に、外側に向かって略水平に延設されたフランジをさらに備え、前記中底と、前記内側側壁と、前記頂面部と、前記外側側壁と、前記フランジは、連続して一体に形成されてなると好適である。
このように、外側側壁において、頂面部とは反対側の端部にフランジが設けられた構成とすると、第2の収納部を下にして置く時、食品用容器を安定させることができる。
【0014】
また請求項3のように、前記頂面部に当接する第1の蓋と、前記フランジに当接する第2の蓋とをさらに備えてなると好ましい。このように、本発明の食品用容器は、第1の収納部及び第2の収納部を覆う蓋を嵌合又は接着することが可能である。特に第2の蓋を取り付ける際、フランジに対してフィルム状の蓋を接着し易い。
【0015】
さらに請求項4のように、前記外側側壁を横方向に一巡する段差部が形成されてなると好適である。外側側壁に段差部を設けることにより、食品用容器を持ち上げる際、段差部に対して手や指を引っかけやすくなるので、保持しやすく、持ち運びが容易になる。
【0016】
このとき請求項5のように、前記内側側壁は、前記頂面部に向かうに従って拡径し、前記外側側壁は、前記頂面部に向かうに従って縮径してなると好ましい。このように構成すると、複数の食品用容器を重ねる際、小さな体積でコンパクトに積み重ねることができる。すなわち、一方の食品用容器の頂面部を他方の食品用容器の内側側壁と外側側壁との間に嵌入させることができるので、一方の食品用容器の第1の収納部を、他方の食品用容器の第2の収納部に収納することができる。その結果、複数の食品用容器を重ねる際に嵩張ることがない。
【0017】
さらにまた請求項6のように、前記中底と、前記内側側壁と、前記頂面部と、前記外側側壁は、熱可塑性樹脂で一体成形されてなると好ましい。このように、本発明の食品用容器は、第1の収納部及び第2の収納部を備えた構成であるが、別体で形成された容器を組み合わせる必要がなく、一体で成形することができる。したがって、本発明の食品用容器は製造工程が煩雑になることなく、製造費用を抑えることができ、廉価な食品用容器を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の食品用容器によれば、主に食品等を入れるための第1の収納部と、景品等の物品を入れるための第2の収納部とを備えると共に、簡単な構成の食品用容器を提供することができる。また、本発明の食品用容器は、外観から景品形状を判別しにくくして購入者の期待感を高めると共に、良好な断熱性を備える。さらに、本発明の食品用容器は、一体で成形することができ、簡単な構成であるため、製造効率が高く、また廉価に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一実施形態に係る食品用容器の斜視図である。
【図2】(a)本発明の第一実施形態に係る食品用容器の平面図である。(b)本発明の第一実施形態に係る食品用容器の正面図である。(c)本発明の第一実施形態に係る食品用容器の底面図である。
【図3】図1のA−A線における断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る食品用容器の説明図である。
【図5】図4のB−B線における断面図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る食品用容器の説明図である。
【図7】本発明の第一実施形態の改変例に係る食品用容器の断面図である。
【図8】本発明の第一実施形態の改変例に係る食品用容器の断面図である。
【図9】本発明の第一実施形態の改変例に係る食品用容器の断面図である。
【図10】本発明の第二実施形態に係る食品用容器の説明図である。
【図11】本発明の第三実施形態に係る食品用容器の説明図である。
【図12】本発明の第四実施形態に係る食品用容器の説明図である。
【図13】本発明の第五実施形態に係る食品用容器の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の食品用容器について説明する。なお、以下に説明する部材やその構成等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0021】
図1乃至図6は本発明の第一実施形態に係るものであり、図1は食品用容器の斜視図、図2(a)は食品用容器の平面図、図2(b)は食品用容器の正面図、図2(c)は食品用容器の底面図、図3は図1のA−A線における断面図、図4は食品用容器の説明図、図5は図4のB−B線における断面図、図6は食品用容器の説明図である。
【0022】
図1に示すように、本発明の第一実施形態の食品用容器100は、上方に食品を入れるための第1の収納部10と、下方に景品等の物品を入れるための第2の収納部20を備えている。第1の収納部10は、下方に向かうに従って縮径したカップ形状に形成されており、その内部にアイスクリーム等の氷菓子、ヨーグルト等の半液状の食品、飲料、ゼリー等のデザート類、飲料等を入れることができる。
【0023】
第2の収納部20は第1の収納部10の下方に設けられており、外側からは第2の収納部20内に収納された物品の形状が判別できない構成である。そして第2の収納部20に収納される物品としては人形、玩具、カード等の景品の他、くじ、食品を飲食するためのスプーンやフォーク等が挙げられる。
【0024】
食品用容器100は、熱可塑性樹脂によって形成されており、具体的な材料としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル樹脂等のプラスチックが挙げられる。食品容器100は、これら材料を用いて、真空成形により製造される。
【0025】
このように、食品用容器100は、真空成形用の金型を作成すれば、同形同大の食品用容器を均一な品質で作成することができる。したがって、複数の容器を組み合わせる構造の容器と比較して製造工程が簡素化されるため、容器同士の接合失敗等による製造時のロスを削減することができる。
【0026】
なお、真空成形により形成された食品用容器100は、外観の意匠性を向上させるため、印刷等により、模様、図柄等が描かれていても良い。また、容器本体の強度を向上させるため、外側に保護フィルム等をかぶせる構成としても良い。
【0027】
食品用容器100は、図2(a)のように、第1の収納部10側から見て略円形のカップ形状に形成されている。第1の収納部10は、上方に開口して形成されている。また、図2(b)に示すように、食品用容器100は、側方から見て略台形状、すなわち上方に向かうに従って縮径するテーパー形状に形成されている。なお、食品用容器100の右側側面図、左側側面図、背面図は正面図と同様であるため、省略する。
【0028】
そして、図2(c)に示すように、第2の収納部20は食品用容器100の底面側に開口した形状で形成されており、第1の収納部10の裏側に第2の収納部20が配設された構成である。
【0029】
図3に示すように、食品用容器100において、第1の収納部10は、第2の収納部20との間に配設される中底1と、中底1の周縁から上方に向かって延設される内側側壁2と、によって区画されている。また、第2の収納部20は、中底1と、内側側壁2と、内側側壁2から外側に向かって延設された頂面部3と、頂面部3から下方に延設される外側側壁4と、によって区画されている。
【0030】
そして、外側側壁4が、中底1よりも下方まで延設された構成、すなわち、内側側壁2よりも外側側壁4が高い構成とすることにより、中底1と内側側壁2によって取り囲まれた第1の収納部10の裏面側に、中底1と、内側側壁2と、頂面部3と、外側側壁4とに取り囲まれた第2の収納部20が形成される。
【0031】
したがって、第1の収納部10と第2の収納部20は中底1の表面側と裏面側にそれぞれ形成されている。略水平となるように配設された中底1の上側(表面側)に配設される第1の収納部10に食品を入れ、中底1の下側(裏面側)に配設される第2の収納部20に景品等の物品を収納することができる。
【0032】
本発明の食品用容器100において、内側側壁2と外側側壁4との間に設けられた頂面部3により、内側側壁2と外側側壁4とは互いに離間し、対向して配設される。このような構成とすることにより、食品が入れられた第1の収納部10を形成する内側側壁2と、外側側壁4との間には断熱空間が形成されるため、保温効果が向上する。したがって、アイスクリーム等の氷菓子を第1の収納部10に入れた際、保温性が良いので好適である。
【0033】
外側側壁4において、頂面部3とは反対側の端部の周縁には、フランジ5が配設されている。フランジ5は、外側側壁4を外側に向かって略水平に延設した構成である。フランジ5は外側側壁4から外側にむけて折曲した形状であり、中底1と、内側側壁2と、頂面部3と、外側側壁4と、フランジ5とは一体に成形されている。
このフランジ5を設けることにより、本発明の食品用容器100は、第1の収納部10を上方、第2の収納部20を下方に向けて置いた時、安定させることができる。
【0034】
外側側壁4は、横方向に一巡する段差部4a,4bを備えている。段差部4a,4bはそれぞれ、下方に向かうに従って拡径するテーパー形状に形成されており、段差部4a,4bを形成することにより、第2の収納部20の内部体積をより大きくすることができる。
【0035】
また、段差部4a,4bによって上下方向の荷重を受け止めることができるため、強度を確保することができる。例えば、食品用容器100を運搬する場合に多少の衝撃が加わった場合であっても、段差部4a,4bによって荷重を受け止めることができるため、商品の破損を防止することができる。
さらに、製造者や購入者が食品用容器100を持ち運ぶ際、外側側壁4に設けられた段差部4a,4bに指等を引っかけることができ、持ち運びしやすくなる。
【0036】
本発明の食品用容器100は、第1の収納部10及び第2の収納部20に食品や物品が入れられていない場合、図4のように、重ねて置くことができる。より詳細には、一方の食品用容器100の第1の収納部10を、他方の食品用容器100の第2の収納部20に挿入して重ねることが可能である。
なお、図4では二つの食品用容器100を重ねた構成としているが、さらに多くの数の食品用容器100を重ねることができるのは勿論である。
【0037】
食品用容器100は、図5のように、内側側壁2は、頂面部3に向かうに従って拡径し、外側側壁4は、頂面部3に向かうに従って縮径して形成されている。すなわち、一方の食品用容器100の頂面部3の幅が、他方の食品用容器100の内側側壁2と外側側壁4との空間の幅よりも小さく形成されるため、一方の食品用容器100の内側側壁2と外側側壁4との間に形成される空間内に、他方の食品用容器100の頂面部3を嵌合させることができる。
【0038】
このように、一方の食品用容器100の内側側壁2及び外側側壁4が、他方の食品用容器100の内側側壁2及び外側側壁4とそれぞれ当接して重ねられるので、食品用容器100を重ねて載置する際、安定して重ねることができる。したがって、本発明の食品用容器100は、多数を保管する場合であっても、保管場所を小さくすることができる。
【0039】
本発明の食品用容器100は、図6のように、頂面部3に対して当接する第1の蓋30と、フランジ5に対して当接する第2の蓋40とを備えている。第1の蓋30及び第2の蓋40は、第1の収納部10及び第2の収納部20に食品や物品を入れた後、取り付けられる。
【0040】
第1の蓋30は、頂面部3の形状に沿った凹部が形成されており、頂面部3に対して嵌合する構成となっている。より詳細には、内側側壁2と、頂面部3と、外側側壁4とに跨る断面コ字状の凹部を備えた第1の蓋30によって、第1の収納部10の上方が覆われる。
【0041】
また、第2の蓋40は、フランジ5に対して嵌合する構成となっている。より詳細には、外側側壁4の内側と、フランジ5と、外側側壁4の外側とに跨る断面コ字状の凹部を備えた第2の蓋40によって、第2の収納部20の下方が覆われる。
【0042】
第1の蓋30と、第2の蓋40は、公知のものを用いることができ、具体的な材料としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル樹脂等のプラスチックが用いられる。なお、第1の蓋30と、第2の蓋40の取付け、取外しを容易に行うことができるように、可撓性の蓋とすると好ましい。
【0043】
また、上述した第1の蓋30及び第2の蓋40以外にも、公知のフィルム状の蓋を用いることができる。このようなフィルム状の蓋は、頂面部3及びフランジ5にそれぞれ圧着又は熱溶着等の手段で接着される。フィルム状の蓋は、蓋の開封を容易にするため、それぞれ頂面部3及びフランジ5から垂下する略三角形状のスカート部を備えていても良い。
【0044】
そして、頂面部3には、フィルム状の蓋を接着した後、その上部に嵌着される第1の蓋30をさらに設けた構成としても良い。さらに、フランジ5にフィルム状の蓋を接着した後、その上部に第2の蓋40を嵌着した構成としても良い。
【0045】
本発明の食品用容器100において、特にアイスクリーム等の溶けやすい食品を第1の収納部10に収納し、第2の収納部20に景品等の物品を収納する場合、第2の収納部20に物品を入れた後、第2の蓋40をフランジ5に嵌着又は接着させ、その後第1の収納部10にアイスクリーム等の食品を入れ、頂面部3に対して第1の蓋30を嵌着又は接着させると好ましい。
ただし、収納順は上記内容に限定される必要はなく、食品用容器100に収納される食品及び物品の種類、形状に応じて順序は適宜異なっていても良い。
【0046】
以下、図7乃至図9を参照して本発明の第一実施形態の改変例に関して説明する。
図7は、本発明の第一実施形態の改変例に係る食品用容器200の断面図である。食品用容器200は、外側側壁4上に、段差部が設けられていないことを特徴とする。その他の構成及び効果は、上記実施形態の食品用容器100と同様であるため、説明を省略する。
【0047】
食品用容器200の外側側壁4は、食品用容器100のように、段差部4a,4bが設けられておらず、外側側壁4は平滑な面で構成されている。このような構成とすると、外側側壁4上に保護フィルム等を貼りやすくなると共に、図柄等が印刷しやすい。
【0048】
図8は、本発明の第一実施形態の改変例に係る食品用容器300の断面図である。本発明の食品用容器300は、外側側壁4上に、複数の段差部4a,4bを備えた食品用容器100とは異なり、段差部4aのみを備えた構成である。食品用容器300において、段差部4aは、中底1と略同じ高さで形成されている。その他の構成及び効果は、上記実施形態の食品用容器100と同様であるため、説明を省略する。
【0049】
図9は、本発明の第一実施形態の改変例に係る食品用容器400の断面図である。食品用容器400は、外側側壁4上に、段差部4cが形成されており、段差部4cはテーパー状に形成された段差部4a,4bとは異なり、略水平に延設された構成となっている。また、内側側壁2に対して外側側壁4の高さはわずかに高いのみであり、第2の収納部20の内容積は比較的小さく形成されている。
【0050】
このような形状とすると、食品用容器400を持ち運ぶ際、第2の収納部20に収納される物品が、第2の収納部20の内部で大きく移動することがなく、その物品が比較的小さい場合であっても、好適に保持される。このように、内側側壁2に対する外側側壁4の高さを、第2の収納部20に収納される物品の大きさに依存して適宜設計することにより、物品の破損を防止することができる。
【0051】
なお、段差部4a,4b,4cは外観のデザイン等に応じて適宜設計される。また、内部側壁2に対する外部側壁4の高さの比は、第1の収納部10に入れられる食品の量や、第2の収納部20に収納される物品の種類、形状等に応じて適宜設計される。
【0052】
このように、本発明の食品用容器100,200,300,400は、第1の収納部10と第2の収納部20を備えており、且つこれらの各収納部10,20は簡単な構成により区画されている。食品用容器100,200,300,400は複数の部材で形成されておらず、一体に形成されているため、製造効率がよい。また、食品を入れるための第1の収納部10の周囲が内側側壁2、外側側壁4で二重構造となっているため、保温性も向上させることができるものである。
【0053】
なお、本発明の食品用容器100,200,300,400において、第1の収納部10には食品を収納し、第2の収納部20には景品等の物品を収納する構成を例示したが、各収納部10,20の両方に食品を収納しても良いのは勿論である。例えば、第1の収納部10には飲料を収納し、第2の収納部20には菓子を収納する構成としても良い。
【0054】
そして、食品用容器100,200,300,400において、容器形状が、平面視略円形のものを例示して説明したが、本発明における容器形状は、その他の形状としたものであっても良い。図10乃至図13を参照して、本発明に係るさらに他の実施形態に関して説明する。図10は、本発明の第二実施形態に係る食品用容器500の説明図、図11は、本発明の第三実施形態に係る食品用容器600、図12は、本発明の第四実施形態に係る食品用容器700、図13は、本発明の第五実施形態に係る食品用容器800の説明図である。
【0055】
例えば、図10に示すように平面視略ハート形の食品用容器500としても良いし、図11及び図12のように、平面視略五角形の食品用容器600,700としても良い。さらに、図13のように、平面視略四角形の食品用容器800としてもよい。
そして、図10乃至図13のように、第1の蓋30及び第2の蓋40は、各食品用容器500,600,700,800の形状に対応して適宜設計される。
【0056】
このように、本発明の食品用容器100〜800は、種々の外観形状を取ることができる。そして、本発明の食品用容器100〜800において、食品が収納される第1の収納部10を形成する中底1の形状もまた、種々の形状を採用することができるため、自由度の高い設計が可能である。
【0057】
なお、本発明の食品用容器100〜800は、容器本体の平面視形状は略円形、略四角形、略ハート形、略五角形に限定されるものではなく、星形、六角形等の種々の形状を採用できるのは勿論である。
【符号の説明】
【0058】
1 中底
2 内側側壁
3 頂面部
4 外側側壁
5 フランジ
4a,4b,4c 段差部
10 第1の収納部
20 第2の収納部
30 第1の蓋
40 第2の蓋
100,200,300,400,500,600,700,800 食品用容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに区画された第1の収納部と第2の収納部とを備えた食品用容器であって、
前記第1の収納部は、前記第2の収納部との間に配設される中底と、該中底の周縁から上方に向かって延設される内側側壁と、によって形成され、
前記第2の収納部は、前記中底と、前記内側側壁と、該内側側壁から外側に向かって延設された頂面部と、該頂面部から下方に延設される外側側壁と、によって形成され、
前記外側側壁は、前記中底よりも下方に延設されてなることを特徴とする食品用容器。
【請求項2】
前記外側側壁の端部周縁に、外側に向かって略水平に延設されたフランジをさらに備え、前記中底と、前記内側側壁と、前記頂面部と、前記外側側壁と、前記フランジは、連続して一体に形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の食品用容器。
【請求項3】
前記頂面部に当接する第1の蓋と、前記フランジに当接する第2の蓋とをさらに備えてなることを特徴とする請求項2に記載の食品用容器。
【請求項4】
前記外側側壁を横方向に一巡する段差部が形成されてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の食品用容器。
【請求項5】
前記内側側壁は、前記頂面部に向かうに従って拡径し、前記外側側壁は、前記頂面部に向かうに従って縮径してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の食品用容器。
【請求項6】
前記中底と、前記内側側壁と、前記頂面部と、前記外側側壁は、熱可塑性樹脂で一体成形されてなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の食品用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−189958(P2011−189958A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57338(P2010−57338)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(503133058)株式会社エムディファクトリー (5)
【Fターム(参考)】