説明

食品用日持ち向上剤および日持ち向上方法

【課題】食品の風味を損なうことなく、食品の調味と保存性向上を同時に満足する食品用日持ち向上剤および食品の日持ち向上方法を提供すること。
【解決手段】エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液、ビタミンB1塩および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を含有する、食品用日持ち向上剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品用日持ち向上剤および食品の日持ち向上方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビタミンB1ラウリル硫酸塩等のビタミンB1塩は、種々の微生物に対する抗菌力に優れることが知られており、従来から日持ち向上剤として利用されている。しかしながら、ビタミンB1塩にはビタミン臭と呼ばれる特有の臭気があり、食品に対する添加量を制限せざるを得ず、十分な保存効果が得られないという問題があった。
【0003】
そのため、十分な保存効果が得られるよう、ビタミンB1塩にさらにエタノール等の他の抗菌成分を含有させた日持ち向上剤が市販されている。また、ビタミンB1塩を含有する日持ち向上剤としては、粉末剤と溶液剤が知られているが、粉末剤の場合、食品中に均一に分散させることが困難であることから、最近では溶液剤の需要が拡大している。
【0004】
ビタミンB1塩を含有する溶液剤としては、特許文献1に、キトサン、チアミンラウリル硫酸塩、乳酸、酢酸ナトリウム及びエチルアルコールを含む食品保存用水溶液組成物が提案されている。しかしながら、ビタミンB1塩が有するビタミン臭は、エチルアルコールの揮発に伴って、さらに強く発現するため、特許文献1のような製剤を用いた場合、食品の風味が損なわれ易い傾向があった。
【0005】
また、特許文献2には、エチルアルコール又は酢酸を含む水溶液に、チアミンセチル硫酸塩及びチアミンラウリル硫酸塩が溶解した食品用殺菌剤組成物が提案されている。しかしながら、特許文献2の製剤においてエチルアルコールを含む水溶液を溶媒として採用した場合には、上記特許文献1と同様の理由から食品の風味が損なわれ易く、酢酸を含む水溶液を溶媒として採用した場合には、ビタミン臭に加え、酸臭によっても食品の風味が損なわれる傾向があった。
【0006】
従って、ビタミンB1塩を含有する溶液剤において、ビタミン臭、酸臭が抑制され、食品の風味に与える影響が少ない日持ち向上剤が望まれている。
【特許文献1】特開平11−206356号公報
【特許文献2】特許第3514752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、食品の風味を損なうことなく、食品の調味と保存性向上を同時に満足する食品用日持ち向上剤および食品の日持ち向上方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討の結果、発酵調味液、ビタミンB1塩および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を併用することにより、ビタミン臭を抑制しつつ、食品の調味と保存性向上が同時に達成されることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち本発明は、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液、ビタミンB1塩および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を含有する、食品用日持ち向上剤を提供する。
【0010】
好ましくは、本発明の日持ち向上剤は、発酵調味液100重量部に対し、ビタミンB1塩を0.05〜30重量部、酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を0.05〜20重量部含有する。また好ましくは、発酵調味液は、清酒粕を酵素分解した酒粕分解液に、エタノール、糖類および食塩を添加して得られたものである。
【0011】
好ましくは、本発明の日持ち向上剤において、酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸はコハク酸、乳酸およびグルコン酸から選択される一種以上である。さらに、本発明の日持ち向上剤は好ましくは、pHが5未満である。
【0012】
また、本発明は、本発明の日持ち向上剤を食品に添加することを含む、食品の日持ち向上方法を提供する。
【0013】
さらに本発明は、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液、ビタミンB1塩および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を食品に含有させることを含む、食品の日持ち向上方法も提供する。この方法において、好ましくは、食品100重量部に対して、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液を0.26〜28重量部、発酵調味液中のエタノール100重量部に対しビタミンB1塩を0.05〜30重量部、および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を0.05〜20重量部含有させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書および特許請求の範囲において、「発酵調味液」とは、微生物による発酵によるエタノールと塩類を必須に含み、発酵由来以外のエタノールを含んでいてもよい液であって、発酵によるエタノールと発酵由来以外のエタノールの合計量が全重量に対して20〜59重量%である液をいう。
【0015】
発酵調味液は、エタノール、塩類以外に、糖分、アミノ酸、脂肪酸、脂肪酸エステル、塩基性蛋白、ペプチド、カンゾウ油性抽出物等を含んでいてもよい。発酵調味液中の塩類の濃度は好ましくは1.0〜3.0重量%である。
【0016】
発酵調味液としては、市販されているものを使用してもよいし、市販の発酵調味液に発酵由来以外のエタノールを添加してアルコール度数を調整したものを使用してもよい。これら発酵調味液の中でも、清酒粕を酵素分解した酒粕分解液にエタノール、砂糖、液糖、ブドウ糖等の糖類および食塩を添加して得られたものが好ましい。ここで、清酒粕の分解に用いられる酵素としては、アミラーゼ、プロテアーゼが挙げられる。
【0017】
発酵調味液に含まれる、発酵由来および所望により発酵由来以外のエタノールの合計量の割合は20〜59重量%であるが、22〜45重量%であるものがより好ましく、25〜35重量%であるものがさらに好ましい。エタノールの割合が20重量%未満の場合、本発明の日持ち向上剤を調製した際にビタミンB1塩が析出する傾向があり、59重量%を超える場合には添加する食品の味質に与える影響が強くなる傾向がある。
【0018】
本発明の日持ち向上剤に含有させるビタミンB1塩としてはラウリル硫酸塩、セチル硫酸塩等が挙げられる。その中でも溶解性の点および微生物の増殖抑制効果の点でラウリル硫酸塩が好ましい。ビタミンB1塩は2種以上を併用してもよい。
【0019】
本発明の日持ち向上剤におけるビタミンB1塩の割合は、発酵調味液100重量部に対し、0.05〜30重量部であるのが好ましく、0.07〜20重量部であるのがより好ましく、1〜10重量部であるのがさらに好ましい。発酵調味液100重量部に対するビタミンB1塩の割合が0.05重量部未満の場合、保存効果が不十分となり、30重量部を超える場合は、ビタミン臭の抑制が不十分となる傾向がある。
【0020】
本発明の日持ち向上剤に含有させる有機酸は、酸解離定数(pKa)3.5〜4.5、好ましくは3.6〜4.2の有機酸であり、このような有機酸としては、コハク酸、乳酸、グルコン酸、アジピン酸等が挙げられる。その中でもコハク酸、乳酸、グルコン酸がより好ましく、抗菌力の点でコハク酸と乳酸の併用がさらに好ましく、味質の点でコハク酸とグルコン酸の併用がさらに好ましい。また、乳酸は合成乳酸、発酵乳酸のいずれも使用可能であるが、味質の良さや発酵調味液との混合安定性の点で発酵乳酸が好ましい。有機酸のpKaが3.5−4.5であるため、酸臭が比較的少なく、発酵調味液自体の風味が損なわれにくい。
【0021】
なお、本発明における酸解離定数(pKa)は、25℃における第一酸解離定数を示すものであり、「化学便覧基礎編 改訂4版 日本化学会編」(丸善株式会社発行)およびUNEP(国際連合環境計画)発行のスクリーニング情報データセット(SIDS)に記載される数値によるものとする。
【0022】
本発明の日持ち向上剤における酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸の割合は、日持ち向上剤のpHが5未満となるように添加するのが好ましく、pH4.5未満となるように添加するのがより好ましく、pH3〜4となるように添加するのがさらに好ましい。日持ち向上剤のpHが5以上の場合、ビタミン臭の抑制効果が不十分となる傾向がある。
【0023】
具体的には、本発明の日持ち向上剤における酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸の割合は、発酵調味液100重量部に対し、0.05〜20重量部であるのが好ましく、0.1〜15重量部であるのがより好ましく、0.5〜10重量部であるのがさらに好ましい。発酵調味液100重量部に対する酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸の割合が0.05重量部未満の場合、日持ち向上効果が不十分となる傾向があり、20重量部を超える場合は、混合安定性が不安定となる傾向がある。
【0024】
本発明の日持ち向上剤の調製には特別な操作は必要なく、各成分を混合すればよい。さらに、食品の味質や風味に影響を与えない範囲で、アミノ酸、脂肪酸、脂肪酸エステル、塩基性蛋白・ペプチド、カンゾウ油性抽出物等の成分を含有させてもよい。
【0025】
アミノ酸としてはグリシン、アラニン等が挙げられる。脂肪酸としてはカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸等の炭素原子数6〜18の脂肪酸が挙げられる。脂肪酸エステルとしてはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。塩基性蛋白・ペプチドとしてはプロタミン、リゾチーム、ε−ポリリジン、キトサン、ペクチン分解物、ナイシン等が挙げられる。これらの成分は2種以上を使用してもよい。
【0026】
また、本発明の日持ち向上剤は、溶媒中に希釈して用いてもよく、この場合、溶媒としては、水、食酢、醤油、たれ、つゆ等が挙げられる。
【0027】
本発明の日持ち向上剤は、食品に添加することにより、ビタミン臭を抑制しつつ、食品の調味および保存性改善が同時に達成される。
【0028】
本発明の食品の日持ち向上方法は、上記の本発明の日持ち向上剤を食品に添加することを含む。しかし本発明は、あらかじめ調製した本発明の日持ち向上剤を食品へ添加する態様の他、発酵調味液、ビタミンB1塩および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸の割合が特定の範囲となるように個別に食品へ添加する態様も含むものとする。
【0029】
即ち、本発明は、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液、ビタミンB1塩および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を食品に含有させることを含む、食品の日持ち向上方法も提供する。
【0030】
この場合、食品100重量部に対して、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液の割合が、0.26〜28重量部、発酵調味液100重量部に対しビタミンB1塩の割合が0.05〜30重量部、酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸の割合が0.05〜20重量部となるように添加するのが好ましい。
【0031】
さらに、食品100重量部に対して、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液の割合が0.5〜15重量部、発酵調味液100重量部に対しビタミンB1塩の割合が0.07〜20重量部、酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸の割合が0.1〜15重量部となるように添加するのがより好ましい。また、食品100重量部に対して、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液の割合が1〜10重量部、発酵調味液100重量部に対しビタミンB1塩の割合が1〜10重量部、酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸の割合が0.5〜10重量部となるように添加するのがさらに好ましい。
【0032】
食品100重量部に対して、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液の割合が0.26重量部未満の場合、ビタミン臭抑制効果が低下する傾向にあり、発酵調味液100重量部に対しビタミンB1塩の割合が0.05重量部未満あるいは酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸の割合が0.05重量部未満の場合、十分な日持ち向上効果が得られない傾向がある。また、食品100重量部に対して、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液の割合が28重量部を超える場合、発酵調味液100重量部に対しビタミンB1塩の割合が30重量部を超える、あるいは酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸の割合が20重量部を超える場合には、添加する食品の種類によっては風味に悪影響を及ぼす傾向がある。
【0033】
本発明の日持ち向上剤が使用可能な食品は、特に限定されるものではなく、非加熱の食品、加熱工程を含む食品のいずれにも適用可能であり、タラコ、数の子等の魚卵加工品、浅漬け、梅干などの漬物、干物、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、魚肉ソーセージ、塩辛などの水産製品、コロッケ、トンカツ、フライドチキン、魚フライ、唐揚げなどのフライ製品、ハンバーグ、肉団子、餃子、シュウマイ、ソーセージなどの食肉惣菜、野菜、肉、魚等の煮物や煮付け、タレ、ツユ等に幅広く使用可能である他、カットした生野菜の除菌等にも適用可能である。
【0034】
本発明の日持ち向上剤の食品への添加方法としては、原材料と共に混合する方法以外にも、食品に噴霧あるいは浸漬する方法などが挙げられる。例えば、塩タラコ、辛子明太子などの魚卵加工品のように調味液に浸漬することによって製造される食品の場合には、本発明の日持ち向上剤を調味液としてそのまま使用することができる。食品への添加方法は、食品の種類や目的に応じて使用者が適宜選択できる。
【0035】
本発明の食品の日持ち向上方法において、発酵調味液、ビタミンB1塩および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を別々に添加する場合、液体または固体の各成分を別々に添加すればよい。成分を液体として添加する場合は、原材料と共に混合する方法以外にも、食品に噴霧あるいは浸漬する方法などが挙げられる。成分を固体として添加する場合は、原材料と共に混合する方法以外にも、食品にふりかける等の方法が挙げられる。
【0036】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0037】
実施例1〜2および比較例1〜2
抗菌力試験
方法:日本化学療法学会標準法(微量液体希釈法)により、最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。表1に示す各液体培地をオートクレーブにて滅菌した後、1N−HCl水溶液および1N−NaOH水溶液にてpH6.0に調製した。これをマイクロタイタープレートを用いて、SCDブイヨン培地にて10段階に2倍希釈したものに下記供試菌の菌液を培地100μl/ウェルに対して5μlづつ接種した。これを30℃にて24時間培養し、菌の増殖の有無にてMICを測定した。
【0038】
供試菌:Saccharomyces cerevisiae
【0039】
表1
【表1】

VB1:ビタミンB1
SCD培地:ソイビーンカゼインダイジェストブイヨン培地
【0040】
結果:実施例1および2の最小発育阻止濃度(MIC)は比較例よりも低く、抗菌力が高いことが確認された。結果を表2に示す。
【0041】
表2
【表2】

【0042】
実施例3〜4および比較例3〜4
官能検査(ビタミン臭および酸臭抑制効果の確認)
方法:片手鍋にカレイの切り身150g、砂糖4.5g、醤油36gおよび水200ccを入れて加熱し、沸騰した時点で表3に示す組成物をビタミンB1ラウリル硫酸塩の割合が0.05%になるよう添加し、10分間煮込んでカレイの煮付けを製造した。製造直後および30分間放冷後のビタミン臭をパネラー7名によって評価した。
【0043】
結果:本発明の日持ち向上剤を使用したカレイの煮付けは製造直後であってもビタミン臭および酸臭が抑制されていた。結果を表4および表5に示す。
【0044】
表3
【表3】

【0045】
表4
【表4】

◎:ビタミン臭を感じない。
○:ビタミン臭を感じるが非常に弱い。
×:ビタミン臭を強く感じる。
【0046】
表5
【表5】

◎:酸臭を感じない。
○:酸臭を感じるが非常に弱い。
×:酸臭を強く感じる。
【0047】
実施例5
塩タラコの保存試験
方法:冷凍タラコ500gを室温で24時間解凍し、表6に示す製剤、11.28gを調味液317gに溶かしたものに20℃で24時間浸漬した後、5℃で5時間液切りして塩タラコを製造した。
【0048】
得られた塩タラコを約30gに切り分け、滅菌処理済みの細菌検査用ポリ袋に入れて密封した後、マイナス20℃で48時間冷凍して冷凍塩タラコを製造した。製造した冷凍塩タラコを5℃で24時間解凍した後、10℃の恒温器内で保存し、経時的にサンプリングを行い、一般細菌の菌数を計測した。
【0049】
結果:本発明の日持ち向上剤が添加された塩タラコは、無添加の塩タラコに比べ、2週間以上長く一般細菌の増殖が抑制された。結果を表7に示す。
【0050】
表6
【表6】

【0051】
表7 一般細菌(使用培地:標準寒天培地)
【表7】

【0052】
実施例6〜7および比較例5
低温安定性試験
方法:表8に示す組成物を調製し、試験管に5mlずつ分注した。次に結晶の析出を促進させるために種結晶としてビタミンB1ラウリル硫酸塩粉末を約0.01gずつ添加した。これを0℃の冷蔵庫内で保管し、経時的に結晶析出の有無を確認した。
表8
【表8】

【0053】
結果:実施例6および7の組成物は120時間後でも結晶の析出は確認されず安定していたが、比較例5の組成物は24時間後に多量のビタミンB1塩の結晶が析出していた。結果を表9に示す。
【0054】
表9
【表9】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液、ビタミンB1塩および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を含有する、食品用日持ち向上剤。
【請求項2】
発酵調味液100重量部に対し、ビタミンB1塩を0.05〜30重量部、酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を0.05〜20重量部含有する請求項1記載の日持ち向上剤。
【請求項3】
発酵調味液が、清酒粕を酵素分解した酒粕分解液に、エタノール、糖類および食塩を添加して得られたものである、請求項1または2記載の日持ち向上剤。
【請求項4】
酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸がコハク酸、乳酸およびグルコン酸から選択される一種以上である請求項1〜3いずれかに記載の日持ち向上剤。
【請求項5】
pHが5未満である請求項1〜4いずれかに記載の日持ち向上剤。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載の日持ち向上剤を食品に添加することを含む、食品の日持ち向上方法。
【請求項7】
エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液、ビタミンB1塩および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を食品に含有させることを含む、食品の日持ち向上方法。
【請求項8】
食品100重量部に対して、エタノールを20〜59重量%含む発酵調味液を0.26〜28重量部、発酵調味液100重量部に対しビタミンB1塩を0.05〜30重量部、および酸解離定数(pKa)3.5〜4.5の有機酸を0.05〜20重量部含有させることを含む、請求項7に記載の食品の日持ち向上方法。

【公開番号】特開2009−171963(P2009−171963A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332350(P2008−332350)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000189659)上野製薬株式会社 (76)
【Fターム(参考)】