説明

食品組成物及び経口用皮膚改善剤

【課題】食品組成物又は経口用皮膚改善剤の提供。
【解決手段】ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する、食品組成物及び経口用皮膚改善剤。本発明の食品組成物又は経口用皮膚改善剤においては、各成分の一日摂取量が、ヒアルロン酸60〜200mg/日、クランベリー抽出物200〜1200mg/日、コラーゲン30〜120mg/日となるように配合されていることが好ましい。
【効果】皮膚改善、具体的には、「肌の潤い」、「肌の乾燥」、「肌のしっとり感」、「肌のはりや弾力」、「肌のやわらかさ」及び「肌のつや」を改善するという効果を有しており、飲食品あるいは医薬品として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する食品組成物、並びに該成分を含有する経口用皮膚改善剤に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の保湿、乾燥防止、老化防止等を目的とする皮膚改善用食品の有効成分として、動物又は植物の抽出物が広く利用されている。例えば、クランベリー抽出物を有効成分とする経口用皮膚改善剤(特許文献1参照)、ヒアルロン酸、コラーゲン若しくはコラーゲン分解物等の成分から選択される1種以上を含有する乾燥肌改善用キット(特許文献2参照)などが公知である。食品以外でも、プロアントシアニジン、ヒアルロン酸及び/又はコラーゲンを含有する皮膚外用剤が公知である(特許文献3参照)。
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/079825号パンフレット
【特許文献2】特開2004−107242号公報
【特許文献3】特開平6−336423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する食品組成物、並びに該3成分を含有する経口用皮膚改善剤に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する食品組成物が、経口用皮膚改善剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、以下に係るものである。
1.ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する食品組成物。
2.各成分の一日摂取量が、ヒアルロン酸60〜200mg/日、クランベリー抽出物200〜1200mg/日、コラーゲン30〜120mg/日となるように配合されていることを特徴とする、上記1.記載の食品組成物。
3.ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する、経口用皮膚改善剤。
4.各成分の一日摂取量が、ヒアルロン酸60〜200mg/日、クランベリー抽出物200〜1200mg/日、コラーゲン30〜120mg/日となるように配合されていることを特徴とする、上記3.記載の経口用皮膚改善剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、経口用皮膚改善剤として有用な食品組成物が提供された。本発明の食品組成物は、皮膚改善のために使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
1.食品組成物
本発明は、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する食品組成物である。
【0008】
本発明の食品組成物を摂食することにより、皮膚改善、具体的には、「肌の潤い」、「肌の乾燥」、「肌のしっとり感」、「肌のはりや弾力」、「肌のやわらかさ」及び「肌のつや」を改善するという効果が得られる。
【0009】
ヒアルロン酸としては、特に限定されないが、例えば、哺乳類、鳥類、魚類、菌類から抽出されたものや、微生物の培養物から抽出したものが使用できる。また、ヒアルロン酸を酵素処理又は加熱加圧処理して得られた、低分子ヒアルロン酸又はヒアルロン酸分解物も、本発明におけるヒアルロン酸として使用可能である。
【0010】
クランベリー抽出物としては、ツツジ科スノキ属ツルコケモモ節の植物であるクランベリー(Vaccinium macrocarpon Ait.)の植物体、例えば果実や果皮・種子より抽出された成分であれば特に限定されない。クランベリー抽出物とは、例えば、常法によりクランベリー果実から搾汁して得られた果汁もしくはその果汁を濃縮したもの、クランベリー果汁もしくは濃縮果汁にデキストリンなどの賦形剤を添加混合し噴霧乾燥あるいは凍結乾燥するなどの手段で得られたクランベリー果汁中の固形分を含有するもの、またはクランベリーの果実や果皮・種子より適当な溶剤を用いて抽出された抽出物、クランベリー果汁からカラムクロマトグラフィー等の手法により抽出された抽出物などをいう。また、クランベリー果実の破砕物や、クランベリー果実をジャム状に煮詰めたものも、本発明のクランベリー抽出物として使用できる。
果実や果皮・種子より溶剤を用いてクランベリー抽出物を得る場合、用いる溶剤は特に限定されず、通常の極性溶媒、両極性溶媒等が使用できる。溶剤としては、例えば、水、有機溶媒またはそれを含む溶剤、水と有機溶媒との混合液等が使用できる。有機溶媒とは例えば、低級アルコール、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、ニトリル類、エステル類、ケトン類である。作業性の面から、溶剤としてはエタノール、メタノール又は酢酸エチルが好ましい。有機溶媒は2種以上を混合して使用しても良い。
【0011】
コラーゲンとしては、特に限定されないが、例えば、哺乳類、鳥類、魚類等の動物の真皮、皮、骨等から抽出されたものが使用できる。また、コラーゲンを酵素、酸、アルカリ等で処理して得られたコラーゲン分解物も、本発明におけるコラーゲンとして使用可能である。
また本発明は、各成分の一日摂取量が、ヒアルロン酸60〜200mg/日、クランベリー抽出物200〜1200mg/日、コラーゲン30〜120mg/日となるように配合されていることを特徴とする、上記の食品組成物である。各成分の一日摂取量を上記の範囲とすることにより、特に高い皮膚改善効果が得られる。
【0012】
本発明の食品組成物を製造する場合、その形状は特に限定されず、固形、半固形又は液状とすることができる。また、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲン以外の成分としては任意のもの、例えば、賦形剤、調味料、着色料、pH調整剤が使用できる。
本発明の食品組成物を簡便に摂食するためには、公知の賦形剤を用いて、錠剤、顆粒上、カプセル状又は液状の食品とすればよい。また、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを従来の飲食品に添加し、本発明の食品組成物としてもよい。
【0013】
2.経口用皮膚改善剤
また本発明は、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する経口用皮膚改善剤である。特に高い皮膚改善効果が得られることから、経口用皮膚改善剤に含有される各成分の一日摂取量は、ヒアルロン酸60〜200mg/日、クランベリー抽出物200〜1200mg/日、コラーゲン30〜120mg/日となるように配合されていることが好ましい。本発明の経口用皮膚改善剤を製造する場合の詳細については、上記1.に記載した食品組成物の製造法と同様である。
【0014】
実施例に示す通り、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する食品組成物は、経口用皮膚改善剤として有用であり、医薬品としても使用可能である。
【実施例1】
【0015】
〔食品組成物の調製〕
実施例2記載の皮膚改善試験(試験1〜3)に使用するため、以下の方法にて楕円形ハードカプセル型の食品組成物を調製した。
【0016】
1カプセルの内容物(280mg/カプセル、1日6カプセル、1680mg/日)当たりの配合量を、表1記載の通りとなるように、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物、フィッシュコラーゲンおよび賦形剤を混合した。次いでハードカプセル充填機を用いて、該混合物をゼラチンハードカプセル内に充填した。なお、賦形剤としては還元麦芽糖水飴、でんぷんおよびセルロースを用いた。
【0017】
3種類の有効成分のうち、試験1用はヒアルロン酸の配合量、試験2用はクランベリー抽出物の配合量、試験3用はフィッシュコラーゲンの配合量を変化させている。
【0018】
【表1】

【実施例2】
【0019】
〔皮膚改善試験〕
1.試験法
試験は、年齢30〜50歳までの成人女子ボランティアを被験者とした。試験1〜3において、それぞれ被験者60名を6群に分け、実施例1で調製したハードカプセルを1回6カプセル1日1回、水と共に服用させた。試験期間は28日間とし、試験前後に、肌の状態、具体的には「肌の潤い」、「肌の乾燥」、「肌のしっとり感」、「肌のはりや弾力」、「肌のやわらかさ」及び「肌のつや」に関するアンケート調査を行った。なお、期間中の食生活、化粧等については特に制限を設けなかった。摂取前後で実施したアンケート調査(表各項目を、変化なし、少し改善、改善、非常に改善の4段階で評価)をもとに、Willcoxon1標本検定を実施した。
【0020】
2.試験結果
皮膚改善試験のアンケート調査結果を表2に示す。表中の数値は、Willcoxon1標本検定を実施した際のp値を示し、p値<0.005の場合に、有意差ありと判定した。
【0021】
試験1〜3の全てにおいて、群1〜6の食品組成物は、プラセボ区に比べ、試験開始前と比べて肌に潤い感や張りを感じるようになったなど、全体的として肌の状態が良くなったと評価された。また、本試験では、群3〜6の総合評価が高く、群3の総合評価が最も高かった。
【0022】
皮膚改善試験により、ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する食品組成物は、皮膚改善効果を有し、経口用皮膚改善剤としても有用であることが示された。ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンの一日摂取量が、ヒアルロン酸60〜200mg/日、クランベリー抽出物200〜1200mg/日、コラーゲン30〜120mg/日となるように配合された場合、特にヒアルロン酸60mg、クランベリー抽出物400mg、コラーゲンが30mg配合した場合に、強い皮膚改善効果が認められた。
【0023】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の食品組成物及び経口用皮膚改善剤は、皮膚改善、具体的には、「肌の潤い」、「肌の乾燥」、「肌のしっとり感」、「肌のはりや弾力」、「肌のやわらかさ」及び「肌のつや」を改善するという効果を有しており、飲食品あるいは医薬品として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する食品組成物。
【請求項2】
各成分の一日摂取量が、ヒアルロン酸60〜200mg/日、クランベリー抽出物200〜1200mg/日、コラーゲン30〜120mg/日となるように配合されていることを特徴とする、請求項1記載の食品組成物。
【請求項3】
ヒアルロン酸、クランベリー抽出物及びコラーゲンを含有する、経口用皮膚改善剤。
【請求項4】
各成分の一日摂取量が、ヒアルロン酸60〜200mg/日、クランベリー抽出物200〜1200mg/日、コラーゲン30〜120mg/日となるように配合されていることを特徴とする、請求項3記載の経口用皮膚改善剤。

【公開番号】特開2007−91630(P2007−91630A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−282658(P2005−282658)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(000004477)キッコーマン株式会社 (212)
【Fターム(参考)】