説明

食器洗い機用注入システム

特に、食器洗い機の内部に配置するユーザのためのディスペンサシステム(1、2)であって、いずれの場合にも、洗浄剤又は清浄剤の異なる調合剤の空間的に独立した収容のための複数のチャンバ(3a、3b、3c)を有する、流動性の洗浄剤又は清浄剤のための少なくとも1つのカートリッジ(1)と、カートリッジ(1)と結合可能なディスペンサ(2)とを有し、更に、エネルギ源(15)と、制御ユニット(16)と、センサユニット(17)と、制御ユニット(16)からの制御信号がアクチュエータ(18)の動きをもたらすようにエネルギ源(15)及び制御ユニット(16)に接続された少なくとも1つのアクチュエータ(18)と、アクチュエータ(18)の動きが閉鎖要素(19)を閉鎖位置又は放出位置に変位させるように、アクチュエータ(18)に結合された閉鎖要素(19)と、カートリッジ(1)及びディスペンサ(2)が組立てられた時にカートリッジチャンバ(3a、3b、3c)の少なくとも1つと連通的に接続される少なくとも1つの分与チャンバ(20)とを備え、分与チャンバ(20)は、カートリッジチャンバ(3a、3b、3c)からの洗浄剤又は清浄剤の流入のためのインレット(21)と、分与チャンバ(20)から周囲環境への洗浄剤又は清浄剤の流出のためのアウトレット(22)とを具備し、分与チャンバ(20)の少なくともアウトレット(22)は、閉鎖要素(19)によって開閉可能である、ディスペンサシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、食器洗い機に用いられる、カートリッジ、カートリッジと結合するディスペンサ、及び複数の薬剤(調合剤、preparations)を放出するためのディスペンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗い機用の洗剤(薬剤、agents)は、多くのプレゼンテーションで、消費者が入手できる。従来の手で洗う場合の液体の食器洗い用洗剤に加えて、特に、自動食器洗い機用洗剤は、家庭用食器洗い機が普及するにつれて、ますます重要になってきている。これらの自動食器洗い機用洗剤は、典型的には、固形の形態で、例えば、粉末として、又は錠剤(タブレット)として、消費者への販売のために提供されるが、液状の形態での販売も増えてきている。かなり長い間、洗浄剤や清浄剤を都合よく分注することに、そして洗浄方又は清浄法を実行するのに必要な作業(操作)を単純化することに、関心が集まってきている。
【0003】
更に、自動清浄用(クリーニング用)薬剤(agents)の製造会社の主な目的の一つは、これらの薬剤の洗浄能力を向上させる点にあり、最近の低温洗浄サイクルでの、又は、節水洗浄サイクルでの、洗浄能力への注目を更に高めることである。この目的のために、新たな成分、例えば、高活性の界面活性剤、ポリマー、酵素又は漂白剤が洗剤に添加されてきている。しかし、新たな成分は、単に限られた程度で使用可能であり、また、洗浄サイクルごとに用いられるこれらの成分の量は、環境上の理由及び経済的理由のために自由に増やすことができないため、問題を解決するためのこのアプローチに対しては、当然、限界がある。
【0004】
これに関連して、近年、洗浄剤及び清浄剤を、複数、分注(分与)するための装置が、製品開発者の注目を集めている。それらの装置に関して、一方において、食器洗い機又は皿洗い機に一体化された分注チャンバと、他方において、その食器洗い機又は皿洗い機とは独立している個別の装置との間には、区別をつけることができる。洗浄法を実行するのに必要な複数の量の洗浄剤を含むこれらの装置は、複数の連続する洗浄プロセスにわたって、洗浄剤又は清浄剤の分注量(分与量)を洗浄機械の内部に自動的又は半自動的に分注する。消費者にとっては、夫々の清浄又は洗浄サイクルに対する手動による分注は、もはや必要ない。このような装置の例は、欧州特許出願第1759624(A2)号明細書(レキット・ベンキザー[Reckitt Benckiser])又は独国特許出願第535005062479(A1)号明細書(ベー・エス・ハー・ボッシュ・ウント・ジーメンス・ハウスゲレーテ・ゲー・エム・ベー・ハー[BSH Bosch und Siemens Hausgerate GmbH])に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願第1759624(A2)号明細書
【特許文献2】独国特許出願第535005062479(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明の目的は、改良されたディスペンサ、改良されたカートリッジ、及び/又は、改良されたディスペンサシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明に係るディスペンサシステムは、薬剤(調合剤、preparation)が充填されたカートリッジと、該カートリッジと結合可能なディスペンサであって、更なるアセンブリ、例えば、コンポーネントキャリア、アクチュエータ、閉鎖要素、センサ、エネルギ源、及び/又は、制御ユニット等、で形成されているディスペンサと、からなる基本的なコンポーネントで構成される。
【0008】
本願発明に係るディスペンサシステムは、移動可能であることが好適である。本出願の目的の場合、移動可能とは、そのディスペンサシステムが、送水装置、例えば、食器洗い機、皿洗い機、洗浄機/乾燥機等に着脱不能に接続されないが、これに代わりに、ユーザが、例えば、食器洗い機から取外すことができ、又は、食器洗い機内に配置することができ、すなわち、独立して取扱うことができることを意味する。
【0009】
本願発明の代替的な展開によれば、そのディスペンサが、ユーザのために、送水装置、例えば、食器洗い機、皿洗い機、洗浄機/乾燥機等に着脱不能に接続されること、及びそのカートリッジのみが移動可能であることも考えられる。
【0010】
例えば、食器洗い機の個々の洗浄サイクルで生じる可能性のある高い温度での動作を保証するために、そのディスペンサシステムは、120℃の温度まで寸法的に安定している材料で形成することができる。
【0011】
分注(分与)される薬剤(調合剤、preparations)は、用途により、2〜12のpH値を有する可能性があるため、その調合剤に接触するそのディスペンサシステムのどのコンポーネントも、適切な耐酸性及び/又は耐アルカリ性を呈していなければならない。加えて、適切な材料選択は、これらのコンポーネントが、例えば、非イオン界面活性剤、酵素及び/又は芳香に関して、可能な限り化学的に不活性であることを保証するであろう。
(カートリッジ)
【0012】
本願発明の目的のために、カートリッジは、少なくとも1つの流動可能、注入可能又は散布可能な調合剤(薬剤)を一緒に封入又は保持するのに適しており、及び少なくとも1つの薬剤の放出のために、ディスペンサに対して結合可能である、パッケージング手段であると理解される。
【0013】
最もシンプルな考えられる実施形態において、そのカートリッジは、調合剤を貯蔵する、単一の、好ましくは寸法的に安定しているチャンバを備える。特に、カートリッジは、異なる組成物を充填することのできる複数のチャンバを備えることが、また、可能である。
【0014】
そのカートリッジは、そのディスペンサの稼働位置において、そのカートリッジからの調合剤の重力による放出動作をもたらすことができるように構成されている少なくとも1つの放出オリフィス(吐出オリフィス、出口オリフィス)を備えることが有利である。このように、そのカートリッジからの調合剤の放出のために、追加的な搬送手段は必要がなくなり、これにより、そのディスペンサの構造をシンプルに保つことができ、かつ製造コストを低く維持することができる。また、搬送手段、例えばポンプ、を用いて分注(分与)することが可能であり、これにより、そのディスペンサのバッテリ又は蓄電池の耐用年数を延ばすことができる。
【0015】
本願発明の好適な展開において、少なくとも1つの第2の流動可能又は散布可能な調合剤を収容できる少なくとも1つの第2のチャンバが設けられる。この第2のチャンバは、そのディスペンサの稼働位置において、その第2のチャンバからの製品(プロダクト)の重力による放出をもたらすことができるように構成されている少なくとも1つの放出オリフィスを備える。この第2のチャンバの構成は、例えば、漂白剤と酵素のように、従来、安定的に一緒に貯蔵できない調合剤が、そのカートリッジの互いに独立したチャンバに貯蔵される場合に、特に有利である。
【0016】
また、2つ以上、特に3〜4つのチャンバがカートリッジ内又はカートリッジ上に設けられることも考えられる。特に、それらのチャンバの1つは、例えば、芳香等の揮発性の調合剤を周囲の環境に放出するように設計することができる。
【0017】
本願発明の更なる展開において、そのカートリッジは、単一部分構造から成る。このようにして、そのカートリッジは、特に、適切なブロー成形法により、単一の製造工程(製造ステップ)で安価に製造することができる。この場合、そのカートリッジのこれらのチャンバは、例えば、ブロー成形中に、又はブロー成形後に、形成されるウェブ又は材料ブリッジによって、互いに分離することができる。
【0018】
また、そのカートリッジは、射出成形によって製造された後に組立てられるコンポーネントで作られている複数部分構造で構成することもできる。
【0019】
また、そのカートリッジは、少なくとも1つのチャンバ、好ましくは全てのチャンバ、をそのディスペンサから個別に取外し、又はそのディスペンサに挿入することができるような複数部分構造から成すことが考えられる。これは、一方のチャンバの調合剤がかなりの頻度で使用され、調合剤がいまだに満杯状態である可能性のある他方のチャンバがそのディスペンサ内にある場合に、既に空のチャンバを取替えることを可能にする。このように、個々のチャンバ又はそれらの調合剤を、状況に適した目標とする方法で補充することができる。更に、特定の位置又は場所で、これらのチャンバを単に一緒に、又はそのディスペンサに結合して、ユーザがチャンバとディスペンサを、そのチャンバにとって意図されていない位置で接続することを防ぐことができるように、個々のチャンバを構成することが考えられる。この目的のために、特に、そのチャンバの壁部は、連結接続できるように形成することができる。特に、少なくとも3つのチャンバで形成されたカートリッジの場合には、それらのカートリッジを、チャンバが互いに対して所定の位置で単に一緒に連結接続できるように、そのカートリッジを形成することが有利である。
【0020】
カートリッジのチャンバは、コンテナユニットが形成されるように、適切な接続方法により、互いに固定することができる。そのチャンバは、適切な連結、摩擦又は接合(接着)接続によって、互いに着脱可能又は着脱不能に固定することができる。特に、スナップ接続、面ファスナー式接続(hook-and-loop connections)、プレス接続、溶着接続、接着接続、溶接接続、ろう付け接続、ねじ接続、鍵接続(キー接続)、締付け接続又はリバウンド接続からなる群(グループ)からの1つ以上の接続タイプによって、固定を実施することができる。また、特に、加熱状態で、そのカートリッジの全体又は一部にわたって引込まれて、冷却状態でそのチャンバ又はカートリッジを包み込む、熱収縮スリーブによって固定を実行することもできる。
【0021】
そのチャンバの底部は、有利な残留物排出特性を与えるために、放出オリフィスに向かってじょうご状に傾斜させることができる。また、チャンバの内壁は、調合剤が内部チャンバ壁にほんの少しだけ付着するように、適切な材料選択及び/又は表面仕上げによって構成することができる。チャンバのこの残留物排出特性は、この方策によって、更に最適化することもできる。
【0022】
特に、そのカートリッジは、非対称構造で構成することもできる。そのカートリッジが、所定位置でのみそのディスペンサと結合可能であり、これにより、さもなくば起こり得るユーザによる誤動作を防ぐように、カートリッジを非対称に作ることが特に好適である。
【0023】
分与(分注)チャンバは、調合剤の流れの重力作動方向において、チャンバの放出オリフィスの上流のチャンバ内又はチャンバ上に、構成することができる。その分与チャンバは、そのチャンバからの調合剤の放出時に、周囲環境に放出される調合剤の量を決定する。これは、チャンバから周囲環境への調合剤の放出を実行する、そのディスペンサの閉鎖要素が、放出量を測定又は監視することなく、放出状態又は閉鎖状態に置かれることができる場合に、特に有利である。その結果、その分与チャンバは、その時点で放出されている調合剤の流出量の直接的なフィードバックを伴うことなく、所定量の調合剤が放出されることを確実にする。
【0024】
その分与チャンバは、単一部分(単一パート)構造又は複数部分(複数パート)構造とすることができる。更に、その分与チャンバを上記カートリッジに堅固に接続すること、又は、そのチャンバをそのカートリッジから着脱可能にすることが可能である。そのカートリッジに着脱可能に接続された分与チャンバの場合、異なる分与容量(分注容量)を有する分与チャンバをカートリッジに接続すること、又は、後者を置換えることが明確に可能である。これにより、その分与容量を、チャンバ内に貯蔵(収容)されている特定の調合剤に適合させることが明確に可能であり、従って、異なる調合剤のためのカートリッジ、及びその調合剤を分与(分注)するカートリッジを作ることが明確に可能である。
【0025】
本願発明の他の有利な更なる展開によれば、各場合における1つ以上のチャンバは、好ましくは、底部に配置された放出オリフィスに加えて、液密に閉鎖可能で、好ましくは、上部に配置される第2のチャンバオリフィスを備える。このチャンバオリフィスは、例えば、そのチャンバに貯蔵されている調合剤を補充することを可能にする。
【0026】
そのカートリッジチャンバは、充填レベルが減少するにつれて、そのカートリッジチャンバの内部と、周囲環境との間での均圧化を確実にするために、換気手段を設けることにより、特に、上部ゾーンで換気することができる。これらの換気手段は、例えば、弁、特に、シリコーン弁、チャンバ又はカートリッジの壁内のマイクロオリフィス等の形態をとることができる。
【0027】
更なる展開によれば、そのカートリッジチャンバが直接的に換気されないが、その代わりに、そのディスペンサを介して換気される場合、或いは、換気手段が設けられていない場合、例えば、フレキシブルコンテナ、例えば、小袋等を使用している場合には、高温において、そのチャンバの内容物の加熱により、皿洗い機の洗浄サイクルにわたって圧力が生じ、これにより、圧力が、分与すべき調合剤をその放出オリフィスの方向へ押し出し、その結果、このようにして、そのカートリッジの良好な残留物排出特性を実現することができるという利点がある。更に、このようなエアフリーのパッケージングにおいては、調合剤の物質が酸化される危険性はなく、これは、小袋(パウチ)パッケージ、又はバッグインボトルパッケージを、特に、酸化の影響を受ける(酸化に敏感な)調合剤に対して使い勝手を良くする。
【0028】
上記ディスペンサの構造的体積と、上記カートリッジの容積(容量)の容積比は、好ましくは、1未満であり、特に好ましくは、0.1未満、特に好ましくは、005未満である。このようにして、ディスペンサ及びカートリッジの所定の全体の構造的容積の場合、その構造的容積のかなりの割合は、そのカートリッジと、そのカートリッジ内に収容された調合剤とによって占められる。
【0029】
そのカートリッジは、あらゆる所望の3次元形状とすることができる。そのカートリッジは、形状を、例えば、立方体、球体又は板状とすることができる。
【0030】
そのカートリッジ及びディスペンサは、特に、食器洗い機における有用な容量(体積)のロスの可能性が最小になるような3次元形状に関して、構成することができる。
【0031】
そのディスペンサを食器洗い機で用いる場合、食器洗い機内で洗浄すべき食器に基づいて、装置を形成することが、特に有利である。例えば、その装置は、平皿の寸法を略仮定して、板状とすることができる。このようにして、そのディスペンサは、スペースを節約して、例えば、その皿洗い機の下方のバスケット内に配置することができる。更に、分与(分注)ユニットの正確な位置決めは、板状の形状のおかげで、ユーザにすぐ分かる。
【0032】
結合状態において、そのディスペンサ及びカートリッジは、好ましくは、5:5:1〜50:50:1の高さ対幅対奥行の比(比率)を有する。そのディスペンサ及びカートリッジの“スレンダーな”構造により、装置を、食器洗い機の下方のバスケットにおいて、平皿用に設けられた容器内に配置することが、特に、可能である。これは、そのディスペンサから放出された調合剤が、洗浄水内に直接流入し、そして洗浄される他のアイテムに付着しない、という利点を有する。
【0033】
従来の市販の家庭用食器洗い機は、通常、洗浄される、より大きなアイテム、例えば、平鍋或いは大きな平皿が、その食器洗い機の下方のバスケット内に配置されるように、デザインされている。ユーザが、そのディスペンサと、そのディスペンサに結合されたカートリッジとからなるディスペンサシステムを、あまり理想的ではない上方のバスケット内に配置することを防ぐために、本願発明の有利な展開においては、そのディスペンサシステムは、下方のバスケット内の、この目的のために設けられた容器内に配置できるように寸法構成されている。この目的のため、そのディスペンサシステムの幅及び高さは、特に、150mm〜300mm、特に好ましくは、175mm〜250mmに選定することができる。
【0034】
しかし、実質的に円形又は正方形のベース領域を有するカップ形状又はポット形状で、その分与(分注)ユニットを構成することも考えられる。
【0035】
カートリッジの放出オリフィスは、好ましくは、一列に配列され、これにより、スレンダーな板状構造のディスペンサが可能になる。
【0036】
しかし、そのカートリッジのカップ又はポット形状の構成、又はそのカートリッジのカップ又はポット形状の配置(grouping)の場合には、そのカートリッジの放出オリフィスを、例えば、弧状に配列することも有利である。
【0037】
充填レベルの直接的な目視チェックを実行できるようにするためには、そのカートリッジを、少なくとも部分的に透明な材料で形成することが有利である。
【0038】
カートリッジ内にある調合剤の感熱性の成分を、熱にさらすことを避けるためには、そのカートリッジを、低熱伝導性の材料で製造することが有利である。
【0039】
カートリッジチャンバ内の調合剤に対する熱の影響を低減するための別の選択肢は、適当な方策により、例えば、断熱材、例えば、そのチャンバ又はカートリッジを全体的に、又は部分的に、適切に包み込むスタイロポール(Styropor)等を用いることにより、そのチャンバを断熱することである。
【0040】
また、そのカートリッジ又は個々のチャンバに、特に、熱放射を反射するのに適している熱放射反射膜(radiation-reflective coating)を全面的又は部分的に設けることが可能である。
【0041】
複数のチャンバがある場合、カートリッジ内の感熱性の物質を保護する別の方策は、それらのチャンバを互いに対して配置することである。
【0042】
例えば、感熱性の製品を含むそのチャンバは、製品(プロダクト)が充填された少なくとも1つの追加的なチャンバによって、部分的又は完全に、包囲されることが考えられ、この形態における後者の製品及び後者のチャンバは、包囲されたチャンバのための断熱材として作用する。これは、感熱性の製品を含む第1のチャンバが、製品が充填された少なくとも1つの追加的なチャンバによって部分的又は完全に包囲され、この結果、その第1のチャンバ内の感熱性の製品が、周囲環境が周りのチャンバ内の製品よりも暑くなる場合に、緩やかな温度上昇にさらされることを意味する。
【0043】
断熱の更なる改善をもたらすために、2つ以上のチャンバを用いる場合、それらのチャンバは、多層断熱層を形成するべくロシア人形のように、一方が他方が囲むように配置されることができる。
【0044】
特に、包囲するチャンバ内に貯蔵されている少なくとも1つの調合剤が、0.01〜5W/m×K、好ましくは、0.02〜2W/m×K、特に好ましくは、0.024〜1W/m×Kの熱伝導性を有することが有利である。
【0045】
上記カートリッジは、特に、寸法的に安定した構造からなる。しかし、そのカートリッジを、フレキシブルパッケージング手段として、例えば、チューブとして構成することも考えられる。更に、特に、小袋等のフレキシブルコンテナが、“バッグインボトル”方式による実質的に寸法的に安定した収容容器内で用いられる場合に、それらのフレキシブルコンテナを使用することも可能である。フレキシブルパッケージング手段を用いることにより、上述した寸法的に安定したカートリッジ構造の場合とは異なって、均圧化のための換気システムを設けることは、もはや必要ない。
【0046】
本願発明の好適な実施形態において、そのカートリッジは、そのカートリッジの内容物に関する情報を少なくとも含み、特に、そのディスペンサ又は食器洗い機内に設けることができるセンサユニットによって読取り可能であるRFIDラベルを備える。
【0047】
この情報は、例えば、そのディスペンサの制御ユニットに格納された分与(分注)プログラムを選択するために用いることができる。このようにして、理想的な分与プログラムが特定の調合剤に対して常に用いられることが、確実なものとされることができる。また、RFIDラベルがない場合、又は、間違った又は欠陥があるIDを有するRFIDラベルの場合には、そのディスペンサ装置は分与(分注)しないものの、これに代わり、ユーザにエラーを知らせる光信号又は音響信号が生成されるようにすることができる。
【0048】
そのカートリッジの誤用を防ぐために、そのカートリッジは、錠の鍵のようなそのディスペンサの対応する要素と相互に作用する構造的要素も備えることができる。この結果、例えば、特定の種類のカートリッジのみが、そのディスペンサに結合可能となる。この展開は、更に、そのディスペンサに結合されたカートリッジに関する情報を、そのディスペンサの制御ユニットへ送信することを可能にし、これにより、そのディスペンサ装置は、対応するコンテナの内容物に適応した方法で制御されることができる。
【0049】
そのカートリッジは、特に、流動性の洗浄剤又は清浄剤を収容するように構成される。このようなカートリッジは、特に、好ましくは、その都度、洗浄剤又は清浄剤の異なる調合剤を空間的に独立して収容する複数のチャンバを備える。限定的な実施例として、そのチャンバに異なる調合剤を充填するためのいくつかの可能な組合せを以下に挙げる。
【0050】
【表1】

【0051】
その皿洗い機の洗浄液中での調合剤の急速溶解を確実にするために、全ての調合剤を流動性にすることが、特に、好適である。この結果、それらの調合剤は、特に、洗浄コンパートメントの壁部で、及び/又は、そのカートリッジ及び/又はディスペンサの導光部(光ガイド、ライトガイド)の壁で、急速洗浄又はすすぎ動作の急速性を有する。
【0052】
カートリッジは、従来的に、5000ml未満、特に、1000ml未満、好ましくは、500ml未満、特に好ましくは、250ml未満、非常に好ましくは、50ml未満の総容量を有する。
【0053】
カートリッジのチャンバは、同一の又は異なる容量とすることができる。2つのチャンバを有する構造においては、チャンバ容量の比(比率)は、好ましくは、5:1であり、3つのチャンバを有する構造においては、4:1:1であり、これらの構造は、特に、食器洗い機での用途に適している。
【0054】
上述したように、そのカートリッジは、好ましくは、3つのチャンバを有する。このようなカートリッジが食器洗い機に使用される場合、1つのチャンバがアルカリ性洗浄調合剤を含み、別のチャンバが酵素調合剤を含み、そして、第3のチャンバがすすぎ助剤を含み、これらのチャンバの容積比が、4:1:1程度になることが、特に、好適である。
【0055】
アルカリ性洗浄調合剤を含むチャンバは、好ましくは、存在するチャンバの最大容量を有する。酵素調合剤又はすすぎ助剤を貯蔵するチャンバは、好ましくは、略同一の容量を有する。
【0056】
そのカートリッジの2つ及び/又は3つのチャンバ構造においては、そのカートリッジ又はディスペンサに着脱可能に配置された更なるチャンバ内に、特に、芳香剤、殺菌剤及び/又は前処理調合剤を貯蔵することが可能である。
【0057】
そのカートリッジは、稼働位置において、重力の方向に下方へ向けられているカートリッジ底部を備え、この場合、好ましくは、各チャンバに対して、重力の方向でその底部に配置された少なくとも1つの放出オリフィスが設けられる。その底部に配置された放出オリフィスは、特に、少なくとも1つの放出オリフィス、好ましくは全ての吐出オリフィスを、そのディスペンサの注入オリフィス(入口オリフィス)と連通的に接続することができるように構成され、これにより、調合剤は、好ましくは、重力の作用の下で、そのカートリッジからその吐出オリフィスを介して、そのディスペンサに流入することができる。
【0058】
また、1つ以上のチャンバが、重力の方向で、その底部に配置されていない吐出オリフィスを備えることも考えられる。これは、特に、例えば、芳香が、そのカートリッジの周囲環境に放出される場合に有利である。
【0059】
そのカートリッジは、好ましくは、一緒に接合(固着、接着)される少なくとも2つの要素で構成され、そのカートリッジ底部における、これらの要素の接続端部は、その放出オリフィスと交差しないように、その放出オリフィスから離れて延在する。これは、このようにして、そのディスペンサとの結合時に、その放出オリフィスの領域内での漏出問題が回避されるため、特に、有利である。この問題は、特に、従来、皿洗い機内で生じる温度の大きな周期的変動にさらされたときに生じる。
【0060】
この接合(固着、接着)接続は、例えば、接着接続、溶接、ろう付け、プレス又は加硫によって生じさせることができる。
【0061】
これらのカートリッジ要素は、熱板溶接(hot plate welding)の手段によって、一緒に接続することが、特に、好適である。熱板溶接においては、接続される境界面の輪郭(アウトライン)を含む熱金属板(ホットメタルプレート)が、その境界面を加熱して一時的に塑性状態に変換するのに用いられ、一旦、熱板(ホットプレート)が除去されて、部材(パーツ)が組立てられると、溶融状態の上記塑性ゾーンは、再凝固して、堅固な接続ガ実現される。
【0062】
従来技術から知られている熱板溶接に加えて、個々の射出成形部材は、また、例えば、レーザ溶接によって、互いに結合されることもできる。レーザ溶接においては、境界面で溶解される2つの材料のうちの一方は、レーザビームのエネルギを吸収して、それを熱に変換し、これによってその材料の対応するゾーンを溶解させるために、吸収剤を有していなければならない。これは、典型的には、その材料内に導入されたレーザビームと熱的に相互に作用する着色顔料によって実現される。結合されるこれらの境界面は、レーザビームの入射方向で上に位置する材料が、レーザビームに対して透過的であり、吸収性を呈しない場合には、被覆することもできる。
【0063】
更に、個々のカートリッジ要素は、超音波溶接、又は電極を介したIR溶接の手段によって、接続されることが可能である。
【0064】
上記接続端部は、そのカートリッジの上部、底部及び側面に沿って延在することが有利である。このようにして、2つのカートリッジ要素を、特に、両要素がトラフ形状となるように、或いは、一方の要素がトラフ形状であり且つ第2の要素が蓋形状となるように、射出成形することによって製造することができる。
【0065】
2チャンバのカートリッジ、又は多チャンバのカートリッジ、を形成するために、2つのカートリッジ要素の少なくとも一方は、その要素の組立て済み状態において、いずれの場合にも、そのカートリッジの隣接する2つのチャンバを互いに分離する少なくとも1つの分離ウェブを備えることができる。
【0066】
2つのシェル形状のカートリッジ要素からカートリッジを形成する1代替例として、1つのカートリッジ要素を、少なくとも1つのチャンバと、上記接続端部に沿ってセルラコンテナと液密に接続されたカートリッジ底部又は上部となる第2の要素と、を有するそのセルラコンテナとすることも考えられる。
【0067】
上述したカートリッジ構造を、所望のいずれかの適切な方法で組合わせることも当然考えられる。例えば、2チャンバカートリッジは、トラフ状及び蓋状のカートリッジ要素から形成することができ、また、第3の単一部分チャンバ(single-part chamber)又は複数部分チャンバ(multi-part chamber)を、このような方法で形成されたカートリッジの上部又は周辺面に配置してもよい。
【0068】
特に、調合剤を収容するためのこのような更なるチャンバは、そのカートリッジ上に配置されることができ、そして、揮発性物質、例えば、芳香等が、その調合剤からそのチャンバの周囲環境に放出されるように、構成されることができる。
【0069】
好適な1つの展開によれば、そのカートリッジの放出オリフィスは、少なくともそのカートリッジが充填済みで未開封の状態の場合には、閉鎖手段によって閉鎖される。その閉鎖手段は、その閉鎖手段の破壊によるその放出オリフィスの一回限りの開封を可能にするように構成することができる。このような閉鎖手段は、例えば、密封フィルム/箔又は閉鎖キャップである。
【0070】
本願発明の1つの好適な実施形態によれば、その放出オリフィスには、いずれの場合にも、ディスペンサに結合されている状態で、各チャンバからの調合剤流出を可能にし、そのカートリッジの非結合状態で、調合剤の流出を実質的に防ぐ、クロージャが設けられている。このようなクロージャは、特に、シリコーンスリットバルブの形態をとる。
【0071】
そのカートリッジの通気オリフィスは、そのカートリッジがそのディスペンサと最初に結合される前に、閉鎖要素で閉鎖されることが更に好適である。その閉鎖要素は、特に、最初にそのディスペンサに結合されるときの結合プロセスによって開かれる、例えば、貫通される、ストッパ又はキャップとすることができる。
【0072】
そのカートリッジがそのディスペンサと最初に結合される前に、そのカートリッジの全ての放出オリフィスがシリコーンスリットバルブで、また、全ての通気オリフィスがキャップで、閉鎖されることが、特に、非常に好適である。
【0073】
そのカートリッジを形成するそのカートリッジ要素は、好ましくは、塑性材料で形成され、そして、一般的な射出成形プロセスで成形することができる。2つの要素の間のヒンジとして作用する接続ウェブを形成することは、場合によっては、有利であり、成形後、それら2つの要素は、一方の上に他方が載るように折り重ねられて、その接続端部に沿って接合(固着、固定、接着)される。
【0074】
本願発明の更なる展開において、エネルギ源、特に、バッテリ又は蓄電池が、そのカートリッジの上又は中に、好ましくは、そのカートリッジの底部上又は底部内に配置される。更に、そのエネルギ源をそのディスペンサに電気的に結合する手段を、そのカートリッジに設けることができる。
【0075】
本願発明の更なる好適な展開において、少なくとも1つの洗浄剤及び/又は清浄剤調合剤を放出するための家庭用電化製品の内部に配置可能なディスペンサと結合するカートリッジは、少なくとも1つの流動性の、又は注入可能な、洗浄剤及び/又は清浄剤の調合剤を貯蔵する少なくとも1つのチャンバを備える。そのカートリッジは、そのディスペンサと結合した状態で、そのチャンバへの洗浄水の浸入から保護される。また、そのカートリッジは、少なくとも1つのチャンバからの調合剤の、特に重力で作動する放出のための、その底部の重力方向にある少なくとも1つの放出オリフィスと、少なくとも1つのチャンバの換気のための、その底部の重力方向にある少なくとも1つの通気オリフィスとを備える。その通気オリフィスは、その放出オリフィスから分離しており、そして、その換気オリフィスは、少なくとも1つのカートリッジチャンバと連通的に接続されている。
【0076】
そのカートリッジは、少なくとも2つのチャンバを備えることが、特に、好適であり、少なくとも3つのチャンバを備えることが、特に、非常に好適である。ここで、いずれの場合にも、通気オリフィス及び放出オリフィスが各チャンバに設けられていることが、有利である。
【0077】
その底部の通気オリフィスは、通気路(通気チャネル)と連通的に接続されていることが、更に、好適であり、その通気オリフィスから離れて3チャンバカートリッジのいるその通気路の端部は、そのディスペンサと結合されているそのカートリッジの放出位置において、そのカートリッジの最大充填レベル以上に開く。
【0078】
これに関連して、その通気路は、全体的又は部分的に、そのカートリッジの壁部及び/又はウェブの中又は上に形成されることが有利である。特に、その通気路は、そのカートリッジの壁部及び/又はウェブの中又は上に一体的に形成することができる。
【0079】
この目的のために、その通気路は、有利には、そのカートリッジを形成する少なくとも2つの要素を一緒に結合することによって形成することができる。例えば、通気路は、シェル形状の要素内に形成されたそのカートリッジの1つの分離ウェブと、該分離ウェブに隣接しかつそのカートリッジ要素上に配置された2つのウェブと、を接合することによって形成することができる。
【0080】
ここで、その通気路は、そのシェル形状の要素内に形成されたそのカートリッジの分離ウェブと、該分離ウェブに隣接しかつそのカートリッジ要素上に配置された2つのウェブと、の、特に、溶接による接着接合(固着接合)によって形成することが有利である。
【0081】
或いは、その通気路は、例えば、浸漬管(dip tube)の形態をとることができる。
【0082】
例えば、そのディスペンサが平皿容器内に配置されている場合に、傾斜位置でもカートリッジの換気を確実にするために、未開封で充填状態のカートリッジ内のカートリッジ充填レベル(F)は、45°までの傾斜位置で通気路口(83)に達しないことが有利である。
【0083】
また、これに関連して、その通気路口を、そのカートリッジ上部のチャンバ壁の上又は中の略中央に配置することが有利である。
【0084】
例えば、そのカートリッジが水平位置になった後に機能性を保証するために、調合剤がその通気路口に達したときに、毛細管力によってその調合剤がその通気路内に引込まれないように、流動性の調合剤の粘性とその通気路とを構成することが有利である。
【0085】
そのカートリッジとディスペンサの結合(接続)は、ピンがそのディスペンサ上に配置され、そのピンがそのディスペンサの注入オリフィスと連通的に接続され、そしてカートリッジ又はカートリッジチャンバの換気オリフィスとそのディスペンサの結合時に、そのピンがその通気路内で容積Δvだけ変位し、それによって、その通気路内に位置する流動性調合剤を、その通気路に接続され、かつその調合剤を貯蔵するチャンバ内に運ぶのに適している通気路内に圧力Δpが生じるような方法で、結合可能なカートリッジ又はカートリッジチャンバと相互に作用するように、有利に構成すべきである。
【0086】
チャンバの換気オリフィスは、対応するチャンバの閉鎖された放出オリフィスが、例えば、そのディスペンサの注入オリフィスと連通接続することによって開かれる前に、そのディスペンサ上のそのピンと連通的に接続されることが好適である。
【0087】
本願発明の更に有利な実施形態によれば、その通気オリフィスとその通気路との間に、通気チャンバが配置される。
【0088】
そのカートリッジは、そのディスペンサ及び/又は食器洗い機又は皿洗い機及び/又は洗浄機/乾燥機の中又は上に、着脱可能に又は固定して配置されることができるように、構成されることができる。
【0089】
本願発明の更に有利な実施形態において、少なくとも1つの流動性の洗浄剤及び/又は清浄剤調合剤を、家庭用電化製品の内部に放出するそのディスペンサは、そのディスペンサと結合可能なカートリッジであって、少なくとも1つの流動性の洗浄剤及び/又は清浄剤調合剤を貯蔵するカートリッジを備え、また、そのカートリッジは、重力方向のその底部に、少なくとも1つの放出オリフィスを備え、その放出オリフィスは、そのディスペンサとの結合状態において、そのディスペンサの注入オリフィスと連通的に接続されており、そのディスペンサ及びカートリッジは、取外し可能なラッチングを、そのディスペンサとカートリッジとの間に確立することができ、そのディスペンサとカートリッジが、ラッチされた状態で、互いに旋回点(SP)周りに旋回可能であり、及びそのカートリッジの放出オリフィスと、そのディスペンサブラケットの注入オリフィスとが、そのカートリッジをそのディスペンサブラケットとカートリッジとの間の結合状態に旋回することにより、一旦、そのカートリッジとディスペンサとの間にラッチングが確立されると、連通的に接続されるように相互に作用する手段を備える。
【0090】
特に、そのチャンバの放出オリフィスと、そのディスペンサの注入オリフィスとは、ラッチ状態のそのディスペンサ及びカートリッジを結合状態に旋回させることにより、それらが互いに連続的に(順次)接続されるように配置及び構成されることが好適である。
【0091】
更に、有利な実施形態によれば、そのディスペンサとカートリッジの結合状態において、そのカートリッジとディスペンサとの着脱可能な固定をもたらす手段を、そのディスペンサ及び/又はカートリッジ上に設けることができる。
【0092】
また、そのカートリッジとディスペンサとのラッチ状態において、そのカートリッジ及びディスペンサの結合状態への旋回中にそのカートリッジを案内する手段を、そのディスペンサ及び/又はカートリッジ上に設けることが有利である。これは、例えば、そのカートリッジの底部の周りの延在するカラーによって実現することができ、このカラーは、そのディスペンサ上の対応するカラーに対してわずかに後退させられており、その結果、そのカートリッジ上のカラーは、そのディスペンサ上のカラー内に案内される。
【0093】
特に、そのチャンバの放出オリフィスは、旋回方向で、一方の背後に他方を配置することが有利である。そのチャンバの放出オリフィスは、旋回方向で一列(L)に配置することが、特に、非常に好適である。
【0094】
そのチャンバの放出オリフィスは、略等間隔で隔てられることが、更に、有利である。
【0095】
本願発明の更に有利な展開において、そのカートリッジの旋回点(SP)からのチャンバ放出オリフィスの最大距離は、カートリッジ幅(B)の約0.5倍である。
【0096】
具体的に、そのカートリッジチャンバのうちの少なくとも2つは、異なる容積を有することができる。
【0097】
最大容積を有するそのカートリッジチャンバがカートリッジ1の旋回点(SP)から最も離れていることが有利である。
【0098】
本願発明の更なる展開において、チャンバの通気オリフィスは、いずれの場合にも、そのカートリッジとディスペンサの結合中に、旋回方向でチャンバの放出オリフィスの上流側に配置される。
【0099】
カートリッジの奥行(T)とカートリッジの幅(B)との比(比率)は、好ましくは、約1:20である。カートリッジの高さ(H)とカートリッジの幅(B)との比(比率)は、好ましくは、凡そ1:1.2である。
【0100】
いずれの場合にも、チャンバの通気オリフィスは、そのカートリッジとディスペンサの結合中に、旋回方向でチャンバの放出オリフィスの上流側に配置されることが、同様に、好適である。このようにして、そのカートリッジとディスペンサの結合中に、そのカートリッジの放出オリフィスが開かれる前に、先ず、そのカートリッジの通気オリフィスが開かれることが確実にされる。
(導光部、カートリッジ)
【0101】
本願発明の好適な実施形態において、少なくとも1つの洗浄剤及び/又は清浄剤調合剤を、そのカートリッジから家庭用電化製品の内部へ放出するためのディスペンサと結合するカートリッジは、そのカートリッジの中又は上に配置された導光部を備え、そのカートリッジの外部からその導光部内へ、光信号をインカップルすることができる。そのディスペンサからそのカートリッジ内へ放射される光信号をインカップルすることは、特に、好適である。
【0102】
その導光部は、特に、そのカートリッジの壁部及び/又はウェブの中又は上に、全体的又は部分的に、形成することができる。
【0103】
その導光部をそのカートリッジの壁部及び/又はウェブの中又は上に一体的に設けることは、更に、有利である。
【0104】
その導光部は、好ましくは、透明な塑性材料から成る。しかし、そのカートリッジ全体を透明材料で形成することも可能である。
【0105】
その導光部は、可視領域(380〜780nm)の光を導くのに適していることが好適である。その導光部は、近赤外領域(780nm〜3,000nm)の光を導くのに適していることが、特に、好適である。特に、その導光部は、中赤外領域(3.0μm〜50μm)の光を導くのに適していることが、好適である。
【0106】
その導光部は、特に、高い屈折率を有する透明塑性材料から成る。
【0107】
その導光部は、低い光屈折率を有する材料によって、少なくとも一部が全体的又は部分的に包囲されていることが、有利である。特に、低い光屈折率の材料は、カートリッジチャンバに収容される調合剤とすることができる。
【0108】
1:1.10〜1:5、好ましくは、1:1.15〜1:1.35、特に好ましくは、1:1.15〜1:1.20の調合剤及び導光部の屈折率の比が、特に有利であることが分かっており、いずれの場合にも、屈折率は、波長589nmで決定される。その導光部の屈折率は、例えば、DIN EN ISO 489に合わせて決めることができる。調合剤の屈折率は、アッベ屈折計(Abbe refractometer)の手段を用い、DIN 53491に合わせて決めることができる。
【0109】
その導光部を全体的又は部分的に包囲する調合剤は、45%〜95%、特に好ましくは、60%〜90%、特に非常に好ましくは、75%〜85%の透過率を有することが、特に、有利である。その導光部は、好ましくは、75%以上、特に非常に好ましくは、85%以上の透過率を有する。透過率は、DIN 5036に合わせて決めることができる。
【0110】
その導光部を通って伝達される光の波長は、その導光部を少なくとも部分的に包囲する少なくとも1つの調合剤の波長であって、その調合剤による可視スペクトルから吸収されない波長に略一致させることが、更に好適である。ここで、その導光部を通って伝達される光の波長と、その調合剤によって吸収されない波長とは、600〜800nmにすることが、特に、好適である。
【0111】
その導光部にインカップル可能な光信号は、特に、例えば、上記ディスペンサの動作状態及び/又は上記カートリッジの充填レベルに関する情報を有する。
【0112】
好適であることができる本願発明の更なる展開において、その導光部は、その導光部にインカップル可能な光信号が、その導光部から再びアウトカップルすることが可能であるように、構成される。
【0113】
ここで、その導光部は、その光信号が、その光信号をそのカートリッジ内にインカップルすることができる箇所とは異なる、そのカートリッジ上の1つの箇所(ポイント)でアウトカップルが可能であるように、構成されることが有利である。
【0114】
その光信号のインカップリング及びアウトカップリングは、特に、そのカートリッジのプリズム的構造の端部で行われることができる。
【0115】
そのインカップリング又はアウトカップリングの箇所の反射率が低く、かつ所望の信号のインカップリングが可能であるように、高度に研磨された又は硬質クロムめっきされたツール面により、対応する射出成形金型で、その光信号のためのインカップリング又はアウトカップリングの箇所(ポイント)を形成することが、特に、好適である。
【0116】
そのカートリッジとディスペンサとの結合状態における、光源、特に、そのディスペンサ内に配置されたLEDから、そのカートリッジ内への光インカップリング箇所(ポイント)までの距離は、可能な限り小さくあるべきである。
【0117】
また、その光信号及び導光部は、ユーザに見える光信号を、そのカートリッジ上及び/又は内で生成できるように、構成されることが有利である。
【0118】
更なる展開によれば、その導光部は、調合剤が不連続部を充填することができるように、そのカートリッジ内の少なくとも1つの箇所(ポイント)において分断(分離)されることができる。このようにして、充填レベル及び/又は傾斜センサを設けることが直接的に可能であり、調合剤がない場合に、その不連続部を通過する光信号は、調合剤で全体的又は部分的に充填されているその不連続部を通過する光信号とは異なるようにされる。
(ディスペンサ)
【0119】
動作(作動)及び少なくとも1つのアクチュエータに必要な制御ユニットは、そのディスペンサに一体化される。センサユニット及び/又はエネルギ源は、好ましくは、同様に、そのディスペンサの上又は中に配置される。
【0120】
そのディスペンサは、好ましくは、水しぶきから保護されるハウジングから成り、これにより、例えば、食器洗い機の使用中に起きる可能性がある、そのディスペンサの内部への水しぶきの浸入を防ぐ。このディスペンサには、少なくとも、その制御ユニット、センサユニット、及び/又は、アクチュエータが配置される。
【0121】
そのディスペンサが実質的に防水であるように、すなわち、そのディスペンサが液体に完全に浸された場合でも機能するように、特に、そのエネルギ源、制御ユニット及びセンサユニットを密封(密閉、encapsulate)することが、特に、有利である。用いることのできる密封材料の例は、メタクリル酸エステル、ウレタン・メタクリル酸エステル及びシアノアクリレート、又は、ポリウレタン、シリコーン、エポキシ樹脂からなる2成分材料等の、多成分エポキシド及びアクリレート封止化合物である。
【0122】
密封に対する代替又は補完は、適切にデザインされた防湿ハウジングでコンポーネントを包囲することである。このような展開を、以下で更に詳細に説明する。
【0123】
そのコンポーネント又はアセンブリを、そのディスペンサ内のコンポーネントキャリアの上及び/又は内に配置することが、更に、有利であり、このことについては、他の箇所で更に説明する。
【0124】
そのディスペンサを形成する材料は、生体膜の成長を防止するか、又は少なくとも低減することが、更に、有利である。これは、例えば、公知の殺生物剤等の、材料又は添加剤からなる適当な表面性状を利用することによって、実現することができる。また、微生物増殖の危険性があるディスペンサの或る領域、特に、洗浄水が溜まる可能性がある領域、に、生体膜成長を防ぐか、又は少なくとも低減する仕上げ剤を提供することも考えられる。適切な作用を有する膜/箔を、例えば、この目的のために用いることができる。
【0125】
そのディスペンサは、電気エネルギ及び/又は電気信号が、家庭用電化製品からそのディスペンサに、及び/又は、そのディスペンサからその家庭用電化製品に、伝達されるように、その家庭用電化製品、特に、送水家庭用電化製品、好ましくは、食器洗い機又は皿洗い機の中又は上に設けられた対応するインタフェースと相互に作用する少なくとも1つの第1のインタフェースを備えることが、特に、好適である。
【0126】
本願発明の1つの展開において、そのインタフェースは、プラグインコネクタの形態をとる。更なる展開において、そのインタフェースは、電気エネルギ及び/又は電気的信号及び/又は光学的信号が無線で送信されるように、構成されることができる。
【0127】
ここで、電気エネルギを伝達するために設けられるインタフェースは、電磁波の誘導送信器及び受信器であることが、特に、好適である。従って、送水電化製品、例えば、食器洗い機等、のインタフェースは、特に、鉄芯を有するACで作動する送信コイルとして構成されることができ、また、そのディスペンサのインタフェースは、鉄芯を有する受信コイルとして構成されることができる。
【0128】
代替的な実施形態において、電気エネルギの伝達は、家庭用電化製品側に電気作動の光源を、ディスペンサ側に光センサ、例えば、フォトダイオード或いは太陽電池を、備えるインタフェースの手段を用いて実行することもできる。その光源によって放射された光は、その光センサ内で電気に変換され、その電気は、次いで、例えば、そのディスペンサ側の蓄電池によって蓄積される。
【0129】
本願発明の更に有利な展開において、特に、そのディスペンサ、及び/又は、食器洗い機等の送水機器、の動作状態、測定値及び/又は制御情報を表す電磁信号及び/又は光学信号を転送する(すなわち、送受信する)ためのインタフェースが、そのディスペンサ、及び送水電化製品、例えば、食器洗い機等に設けられる。
【0130】
勿論、信号を伝達するためのインタフェース、又は、電気エネルギを伝達するためのインタフェース、を設けること、又は、いずれの場合にも、信号を伝達するためのインタフェースと、電気エネルギを伝達するためのインタフェースとを設けること、或いは、電気エネルギ及び電気信号の両方を伝達するのに適している1つのインタフェースを設けること、は可能である。
【0131】
このようなインタフェースは、特に、電気エネルギ及び/又は電磁信号及び/又は光学的信号が、無線で伝送されるように、構成されることができる。
【0132】
そのインタフェースは、光学的信号を発し(放射し)、及び/又は、光学的信号を受信する、ために構成されることが、特に、好適である。そのインタフェースは、可視領域の光を発し、又は、受取るように、構成されることが、特に、非常に好適である。従来的に、食器洗い機が作動状態にあるとき、洗浄コンパートメントの内部は暗いため、信号は、そのディスペンサにより、可視光領域で、例えば、信号パルス又は写真用閃光の形態で、放射され、及び/又は、検出されることができる。可視スペクトルにおける600〜800nmの波長を用いることが特に有利であることが、分かっている。
【0133】
択一的に、或いは、付加的に、そのインタフェースは、赤外信号を放射又は受信するように構成されることが有利である。そのインタフェースは、近赤外領域(780nm〜3000nm)の赤外信号を放射又は受信するように構成されることが、特に、有利である。
【0134】
特に、そのインタフェースは、少なくとも1つのLEDを備える。特に、好ましくは、そのインタフェースは、少なくとも2つのLEDを備える。また、本願発明の更に好適な展開によれば、異なる波長で光を放射する少なくとも2つのLEDを設けることも可能である。これは、例えば、情報を、夫々、送信又は受信することができる異なる信号帯域(シグナルバンド)を規定(限定、確定)することを可能にする。
【0135】
加えて、本願発明の更なる展開において、少なくとも1つのLEDを、その波長が調節可能であるRGB LEDにすることが有利である。これにより、例えば、異なる波長で信号を発射(放射)する異なる信号帯域を、1つのLEDによって規定することができる。このように、例えば、洗浄段階時以外に、高い大気湿度(霧)が洗浄コンパートメント内に充満する乾燥プロセス中に、光を異なる波長で放射することも考えられる。
【0136】
そのディスペンサのインタフェースは、そのLEDが、特に、その食器洗い機のドアが閉じられているときに、その食器洗い機の内部に信号を放射するために、また、特に、その食器洗い機のドアが開いているときに、作動状態を光学的に表示するために、設けられるように、構成されることができる。
【0137】
光学信号は、1ms〜10秒、好ましくは、5ms〜100ms、のパルス持続期間を有する信号パルスとして構成されることが、特に、好適である。
【0138】
加えて、そのディスペンサのインタフェースは、その洗浄コンパートメントに隣接する壁部で測定される、0.01〜100ルクス、好ましくは、0.1〜50ルクスの平均照度Eをもたらす、その食器洗い機が閉じられかつ無負荷の状態で、光学信号を放射するように、構成されることが有利である。この照度は、他の洗浄コンパートメント壁部に対して又はその壁部において、複数の反射をもたらし、従って、特に、その食器洗い機が負荷状態のときに、その洗浄コンパートメント内での可能な信号シャドウを低減又は防止するのに十分である。
【0139】
そのインタフェースによって放射及び/又は受信される信号は、特に、制御信号、又は、そのディスペンサ及び/又は食器洗い機の作動状態を表す信号、である情報を有する。
【0140】
本願発明の更に有利な展開において、カートリッジから家庭用電化製品の内部に、少なくとも1つの洗浄剤及び/又は清浄剤の調合剤を放出(解放)するためのディスペンサは、光信号をカートリッジの導光部にインカップルすることができる光源を備える。この光源は、特に、LEDであることができる。これは、例えば、そのディスペンサの作動状態を表す光信号を、そのディスペンサからそのカートリッジ内にインカップルすることを可能にする。これにより、上記信号は、ユーザにより、そのカートリッジ上で視覚で認識できる。これは、食器洗い機の食器引出しのプレート容器の稼働位置において、そのディスペンサを、洗浄されるべき他のアイテムの間に視覚的に隠すことができるため、特に、有利である。そのディスペンサからカートリッジ内に光をインカップリングすることにより、対応する光信号を、例えば、そのカートリッジの上部ゾーンに案内することもできる。これにより、その食器引出しが正しく装着されている場合には、洗浄すべきアイテムの上部ゾーン、及びそのカートリッジの上部ゾーンは、従来的に覆いのない状態であるため、そのディスペンサが、洗浄すべき他のアイテム間のプレート容器内に配置されている場合でも、光信号は、ユーザによって視覚的に認識される。
【0141】
更に、そのカートリッジの導光部内にインカップルされ、又その導光部を通過する光信号は、ディスペンサの上に設けられたセンサによって検出できるようにすることが可能である。これは、以下のセクションで詳細に説明する。
【0142】
更に有利な展開において、少なくとも1つの洗浄剤及び/又は清浄剤の調合剤を、家庭用電化製品の内部に放出するためのディスペンサは、少なくとも1つの光送信ユニットを備える。その光送信ユニットは、その送信ユニットからの信号を、そのディスペンサと結合可能なカートリッジにインカップルすることができるように、又、その送信ユニットからの信号を、そのディスペンサの周囲環境に放射することができるように、構成される。このようにして、光送信ユニットの手段を用いて、そのディスペンサと、例えば、食器洗い機等の家庭用電化製品との間での信号伝達を達成するだけではなく、カートリッジへの信号入力を達成することが可能になる。
【0143】
特に、その光送信ユニットは、好ましくは、可視及び/又はIR領域の光を放射するLEDであることができる。また、他の適当な光送信ユニット、例えば、レーザダイオード等を用いることも考えられる。特に、600〜800nmの波長範囲の光を放射する光送信ユニットを用いることが好適でる。
【0144】
本願発明の更なる有利な展開において、ディスペンサは、少なくとも1つの光受信ユニットを備えることができる。これは、例えば、そのディスペンサが、家庭用電化製品内に配置された光送信ユニットから信号を受信することを可能にする。これは、あらゆる適当な光受信ユニット、例えば、光電池、光電子増倍管、半導体検出器、フォトダイオード、フォトレジスタ、太陽電池、フォトトランジスタ、CCD及び/又はCMOSイメージセンサ等によって実現することができる。その光受信ユニットは、600〜800nmの波長の光を受信するのに適していることが、特に、好適である。
【0145】
特に、そのディスペンサ上の光受信ユニットは、また、そのディスペンサに結合されたカートリッジにインカップルすることが可能なその送信ユニットからの信号が、そのカートリッジからアウトカップルすることが可能であるように、そして、そのディスペンサの光受信ユニットによって検出可能であるように、構成されることができる。
【0146】
その送信ユニットによってディスペンサの周囲環境に放射される信号は、好ましくは、作動状態又は制御コマンドに関する情報を表すことができる。
(分与チャンバ)
【0147】
少なくとも1つの流動性の洗浄剤及び/又は清浄剤の調合剤を家庭用電化製品の内部に放出するディスペンサは、特に、そのディスペンサに結合可能なカートリッジと共に、そのディスペンサ内に配置された分注チャンバインレットに連通的に接続された分注チャンバを備え、これにより、ディスペンサの稼働位置において、調合剤が、そのカートリッジから分注チャンバに、重力の作用で流入する。分注チャンバアウトレットが、その分注チャンバインレットから重力方向で下流側に配置されており、分注チャンバアウトレットは、弁(バルブ)によって閉鎖可能である。そして、フロートが、その分注チャンバ内に設けられており、そのフロートの密度は、その調合剤の密度よりも低い。当該フロートは、調合剤が、そのフロートの周り及び/又はフロートを通して流れることができるように、構成されており、また、そのフロート及び分注チャンバインレットは、その分注チャンバインレットが、そのフロートによって閉鎖可能であるように、構成されている。
【0148】
その調合剤の密度と、そのフロートの密度と、その結果として生じる浮力と、の設定に応じて、フロートは、その分注チャンバインレットを、密封的又は非密封的に、閉じることができる。非密封的閉鎖の場合、そのフロートが、実際に、その分注チャンバインレットにもたれ掛かっていない(支えられていない、押圧されていない、付勢されていない)間、そのフロートは、カートリッジからの調合剤の流入に対しては、そのインレットを塞いでおらず、従って、そのカートリッジと分注チャンバとの間の調合剤の行き来が可能である。本願発明のこの展開において、フロートは、その弁の開口時に、その分注チャンバインレットと分注チャンバアウトレットとの間のずれ(slippage)を最小限にして、分注の精度の決定に寄与する、意図的なスロットルとして、機能する。
【0149】
択一的に、そのフロート及び分注チャンバは、一方において、エネルギに関し、自立的なディスペンサにおける最小限のエネルギ消費を保証し、他方において、その分注チャンバの容量(キャパシティ)に略一致する所定量の調合剤が放出される、自動閉鎖弁として、構成することができる。
【0150】
そのフロートが、1.5mm/秒〜25mm/秒、好ましくは、2mm/秒〜20mm/秒、特に好ましくは、2.5mm/秒〜17.5mm/秒の洗浄剤及び/又は清浄剤の調合剤の上昇速度を呈するように、その洗浄剤及び/又は清浄剤の調合剤の密度、及びそのフロートの密度を選定することが、特に、有利である。これは、上昇するフロートによる分注チャンバインレットの十分に迅速な閉鎖、及び、分注調合剤の2つのインスタンス間の十分に短い間隔、を保証する。
【0151】
そのフロートの上昇速度は、そのディスペンサの弁動作制御ユニットに格納されることができるようにすることが有利である。このようにして、また、その分注チャンバの容積よりも大きい調合剤の量が放出されるように、弁を制御することが可能である。この場合、その弁は、次いで、そのフロートが、分注チャンバインレットに対して上方の閉鎖位置に達して、その分注チャンバインレットを閉鎖する前に、再び開かれる。
【0152】
その分注チャンバからそのディスペンサの周囲環境への正確な分注を保証するために、そのフロート及び分注チャンバは、分注チャンバアウトレットに割当てられた弁の放出位置(解放位置)において、洗浄剤及び/又は清浄剤の調合剤でのそのフロートの上昇速度が、その分注チャンバからのフロート周りの調合剤の流速よりも小さくなるように、構成されることが、有利であることが分かっている。
【0153】
そのフロートは、実質的に球状に形成することが好適である。択一的に、そのフロートは、実質的に円筒形であってもよい。
【0154】
その分注チャンバは、実質的に円筒形であることが好適である。その分注チャンバの直径は、調合剤に関するずれ(slippage)が、その分注チャンバとフロートとの間に生じるように、その円筒形又は球状のフロートの直径よりもわずかに大きいことが更に有利である。
【0155】
好適な展開によれば、そのフロートは、発泡高分子材料、特に、発泡PP、から形成される。
【0156】
更に好適な実施形態において、その分注チャンバは、L字状に作られる。
【0157】
更に、その分注チャンバ内において、その分注チャンバインレットと分注チャンバアウトレットとの間に、ダイヤフラムを設けてもよい。そのダイヤフラムオリフィスは、そのフロートによって、密封的又は非密封的に、閉鎖されることができるように、構成される。そして、そのフロートは、好ましくは、そのダイヤフラムと分注チャンバインレットとの間に配置される。
(コンポーネントキャリア)
【0158】
上記ディスペンサは、少なくともアクチュエータ及び閉鎖要素及びエネルギ源及び/又は制御ユニット及び/又はセンサユニット及び/又は分与チャンバ(分注チャンバ)に設けられるコンポーネントキャリアを備える。
【0159】
そのコンポーネントキャリアは、上述したコンポーネントのための容器を備え、及び/又は、そのコンポーネントは、そのコンポーネントキャリアに対する単一部材で形成される。
【0160】
そのコンポーネントキャリア内のコンポーネント用容器は、対応するコンポーネントと対応する容器との間の、摩擦インターロッキング及び/又は接合接続(接着接続、固着接続、bonded connection)に対して設けることができる。
【0161】
そのコンポーネントのコンポーネントキャリアからの簡単な取外しの目的のために、その分注チャンバ、アクチュエータ、閉鎖要素、エネルギ源、制御ユニット及び/又はセンサユニットは、いずれの場合にも、そのコンポーネントキャリア上に着脱可能に配置されることが、更に、考えられる。
【0162】
また、そのエネルギ源、制御ユニット及びセンサユニットは、そのコンポーネントキャリアの上又は内における結合アセンブリとして配置されることが有利である。
【0163】
本願発明の更なる有利な展開において、そのエネルギ源、制御ユニット及びセンサユニットは、1つのアセンブリとして、組み合わされる。これは、例えば、そのエネルギ源、制御ユニット及びセンサユニットを、共通のプリント配線板上に配置することによって、実現することができる。
【0164】
本願発明の更に好適な展開によれば、そのコンポーネントキャリアは、トラフ状のデザイン(構成)であり、そして、射出成形として製造される。その分注チャンバは、そのコンポーネントキャリアに対して、単一部材構成(single-part construction)からなることが、特に、好ましい。
【0165】
そのコンポーネントキャリアは、必要なコンポーネントを備えたディスペンサの最大限に直接的な自動装着(automatic population)を確実なものとする。そのコンポーネントキャリアは、このようにして、好ましくは、その全体が自動的に予め組み立てられて、ディスペンサを形成するように組立てられることができる。
【0166】
本願発明の一実施形態によれば、一旦、装着(populated)されると、そのトラフ状のコンポーネントキャリアは、例えば、蓋状の閉鎖要素によって、液密に、密閉されることができる。この閉鎖要素は、例えば、そのコンポーネントキャリアと液密に接合(固着、接着)されるフィルム/箔の形態をとることができ、そのトラフ状のコンポーネントキャリアと共に、1つ以上の液密なチャンバを形成する。
【0167】
その閉鎖要素は、また、ブラケットであることが可能であり、そのコンポーネントキャリアは、そのブラケット内に導入されることができる。この場合、組立て状態において、そのブラケットとコンポーネントキャリアとは、そのディスペンサを構成する。その組立て状態において、そのコンポーネントキャリアとブラケットとが、そのコンポーネントキャリアとブラケットとの間に液密な接続が形成されるように、相互に作用するとき、洗浄水は、ディスペンサ又はそのコンポーネントキャリアの内部に入ることができない。
【0168】
ディスペンサの稼働位置においては、そのコンポーネントキャリア上のアクチュエータのための容器は、重力の方向でその分注チャンバの上に配置されることが、更に、好適である。これにより、コンパクトな構造のディスペンサを実現することができる。このコンパクトなデザイン(構成)は、ディスペンサの稼働位置において、そのアクチュエータの容器の上のそのコンポーネントキャリア上に分注チャンバインレットを配置することによって、更に最適化されることができる。また、そのコンポーネントキャリア上のコンポーネントは、特に、そのコンポーネントキャリアの長手方向軸に沿って、互いに実質的に一列に配置することが好ましい。
【0169】
本願発明の更なる展開において、そのアクチュエータ用の容器は、その分注チャンバアウトレットと合致するオリフィスを備え、これにより、閉鎖要素を、そのアクチュエータによって、そのオリフィス及び分注チャンバアウトレットを通して往来することが可能になる。
【0170】
そのコンポーネントキャリアは、透明材料で形成されることが、特に、好ましい。
【0171】
そのコンポーネントキャリアは、有利には、そのディスペンサの周囲環境からの光が、ディスペンサ又はコンポーネントキャリアの内部へ、及び/又はそのディスペンサ又はコンポーネントキャリアの内部から、光送信ユニット及び/又は光受信ユニットへ、案内されることができる、少なくとも1つの導光部(ライトガイド,light guide)を備える。この場合、その導光部は、特に、透明なコンポーネントキャリアに対して、単一部材(single-part)で形成される。
【0172】
従って、そのディスペンサの周囲環境からの光が、その導光部内にインカップルされることができる、及び/又はその導光部からアウトカップルされることができる、少なくとも1つのオリフィスを、そのディスペンサ内に設けることが、更に、好ましい。
(アクチュエータ)
【0173】
本出願の目的のために、アクチュエータは、入力変数を、異なる種類の出力変数に変換する装置である。この装置によって、対象物が動かされ、又は、その対象物の動きがもたらされる。このアクチュエータは、少なくとも1つのカートリッジチャンバからの調合剤の放出(解放)が間接的又は直接的に実施されるように、少なくとも1つの閉鎖要素と結合(接続)される。
【0174】
そのアクチュエータは、重力駆動、イオン駆動、電気駆動、モータ駆動、油圧駆動、空気圧駆動、歯車駆動、ウォーム歯車駆動、ボールねじ駆動、線形駆動、ローラねじ駆動、歯付きウォーム駆動、圧電駆動、チェーン駆動、及び/又は反発駆動からなる群から選択される駆動手段によって、駆動されることができる。
【0175】
特に、そのアクチュエータは、電動機の回転動を、歯車列に結合されたキャリッジの直線運動に変換する歯車列に結合されたその電動機から構成することができる。これは、その分注ユニットのスレンダーで板状の構造において、特に、有利である。
【0176】
少なくとも1つの磁石要素をそのアクチュエータ上に設けてもよい。この磁石要素は、ディスペンサ上の同一極性の磁石要素と共に、同一極性のこれらの磁石要素により磁石の反発がもたらされるように、且つ、非接触放出メカニズムが生じるように、これら2つの磁石要素が互いに対して位置決めされるや否や、コンテナからの製品放出を実行する。
【0177】
本願発明の特に好適な実施形態において、そのアクチュエータは、双安定ソレノイドである。この双安定ソレノイドは、該ソレノイドに係合するプランジャコアの形態をとる閉鎖要素と共に、パルス制御の双安定弁を構成する。双安定ソレノイドは、直線方向の動きを有する電磁石であり、そのプランジャコアは、各端部位置において、非作動停止する。
【0178】
上記双安定ソレノイド又は弁は、既知である。弁の位置(開/閉)を変えるために、双安定弁は、パルスを必要とし、次いで、カウンタパルスが当該弁に伝送されるまで、この位置に留まる。従って、このような弁は、パルス制御弁として知られている。このようなパルス制御弁の1つの実質的な利点は、その弁が、弁の端部位置、閉鎖位置及び放出位置(解放位置)に留まるために、何らエネルギを消費しない点にあり、しかし、これに代わり、弁位置を変えるために、エネルギパルスを必要とするだけである点にある。従って、その弁端部位置は、安定していると、考えられることである。双安定弁は、直近に受取った制御信号に対して、どんな切替え位置にも留まる。
【0179】
その閉鎖要素(プランジャコア)は、各電気パルスに対して、一方の端部位置に駆動される。電力がオフに切替えられると、その閉鎖要素は、その位置に留まる。その閉鎖要素(プランジャコア)は、各電気パルスに対して、他方の端部位置に駆動される。電力がオフに切替えられると、その閉鎖要素は、その位置を保持する。
【0180】
ソレノイドの双安定特性は、様々な方法で実現することができる。一方において、コイルを分けることが知られている。そのコイルは、略中央で分割されて、ギャップを形成する。このギャップには、永久磁石が挿入される。そのプランジャコア自体は、各端部位置において、磁石フレームに対して平坦な面を有するように、前方及び後方の両方から旋盤によって取除かれた物質を有する。その永久磁石の磁界は、この面を通して流動する。そのプランジャコアは、ここでとどまる。択一的に、2つの独立したコイルを用いることも可能である。この原理は、分割されたコイルを備える双安定ソレノイドに類似する。違いは、実際には、2つの異なる電気コイルがある点である。それらは、そのプランジャコアが移動すべき方向により、別々に駆動される。
【0181】
従って、特に、その閉鎖要素は、該閉鎖要素が、そのアクチュエータによって、閉鎖位置と通過位置(放出位置、解放位置)とに変位せしめられることができように、そのアクチュエータに結合されることが好ましいであろう。ここで、その閉鎖要素は、開閉弁要素として構成される。そして、そのアクチュエータは、適切なパルスによって駆動されて、2つの端部のうちの所望の一方を選び、更なる駆動なし、それが到達した端部を安定的に維持する。そして、当該組合せは、パルス制御の双安定開閉弁を、このようにして、構成する。
【0182】
特に、そのアクチュエータは、この目的のために、電機子(接極子、armature)を収容するスペースと、上記第1のスペースを囲む外部収容スペースとを有する、双安定ソレノイドとして構成されることができる。その双安定ソレノイドの電機子は、その閉鎖要素を構成するように、又は、その閉鎖要素と結合されるように、構成されることができる。
【0183】
そのディスペンサ内の湿った空間と乾燥した空間との分離をもたらすために、その電機子を収容できるそのアクチュエータのスペースは、そのアクチュエータの外部収容スペースから、液密に、かつ好ましくは気密に、分離されることができる。
【0184】
その電機子の少なくとも外面は、分注されるべき洗浄剤又は清浄剤の影響を受けやすくない材料、特に、塑性材料、から成ることが、更に、有利である。
【0185】
その電機子は、好ましくは、磁化可能な、特に強磁性材料からなるコアと、外部収容スペースに配置される永久磁石とを備え、コイルが、上記永久磁石の2つの軸方向端部の夫々に配置されている。
【0186】
その電機子の軸方向端部における永久磁石は、軸方向に逆極性で配置されること、また、強磁性材料、特に鉄からなるヨークリングは、コイル巻線が該ヨークリングの間に配置された状態で、両軸方向端部の外部収容スペース内に配置されること、が更に好ましい。
【0187】
ここで、そのヨークリングの間の軸方向距離は、その永久磁石の間の軸方向距離よりも大きいことが、有利である。
【0188】
更に、ヨークリングは、その電機子の軸方向端部に配置することができる。この場合、その外部収容スペースにおいて、永久磁石は、軸方向に逆極性で配置され、そして、上記永久磁石の間には、コイル巻線が設けられる。その永久磁石の間の軸方向距離は、ここで、好ましくは、そのヨークリングの間の軸方向距離よりも大きい。
【0189】
特に、アクチュエータ/閉鎖要素の組合せは、各場合において、洗浄剤又は清浄剤の異なる調合剤の空間的に分離した収容のための複数のチャンバを有する、流動性の洗浄剤又は清浄剤のためのカートリッジと、そのカートリッジに結合可能なディスペンサと、を有するディスペンサシステムのディスペンサ内に設けられている。この場合、そのディスペンサは、エネルギ源と、制御ユニットと、センサユニットと、その制御ユニットからの制御信号が、アクチュエータの動作をもたらすように、そのエネルギ源及び制御ユニットに接続されているそのアクチュエータと、そのアクチュエータによって、閉鎖位置と通過位置(放出位置、解放位置)とに変位可能なように、そのアクチュエータに結合されている閉鎖要素と、カートリッジと共に組立てられるディスペンサの場合に、そのカートリッジのカートリッジチャンバの少なくとも1つと連通的に接続される少なくとも1つの分注チャンバとを備える。この分注チャンバは、カートリッジチャンバからの洗浄剤又は清浄剤の流入用のインレットと、その分注チャンバから周囲環境への洗浄剤又は清浄剤の流出用のアウトレットとを備え、その分注チャンバの少なくともアウトレットは、その閉鎖要素によって開閉可能である。
【0190】
特に、そのアクチュエータは、そのディスペンサの稼働位置において、そのアクチュエータ用の容器が、重力方向におけるその分注チャンバの上にあるコンポーネントキャリア上に配置されるように、そのコンポーネントキャリア内に配置される。そのディスペンサの稼働位置において、ここで、そのコンポーネントキャリア上の分注チャンバのインレットは、そのアクチュエータの容器の上に配置されることが、特に、非常に有利である。
【0191】
また、そのディスペンサは、コンポーネントキャリアを備えることも考えられる。この場合、そのディスペンサの稼働位置において、そのアクチュエータ用の容器は、その分注チャンバの横方向の傍のそのコンポーネントキャリア上に配置される。
【0192】
そのアクチュエータ用の容器は、好ましくは、その分注チャンバのアウトレットに一致するオリフィスを備える。この場合、その閉鎖要素は、そのアクチュエータによって、その放出オリフィスを通して往復動せしめられることができる。
(閉鎖要素)
【0193】
本出願の目的のための閉鎖要素は、アクチュエータが作用し、そして、該作用の結果、放出オリフィスの開閉をもたらすような、コンポーネント(構成要素)である。
【0194】
その閉鎖要素は、例えば、そのアクチュエータによって製品放出位置又は閉鎖位置に調節されることができる弁を備えることができる。
【0195】
その閉鎖要素及びアクチュエータは、ソレノイド弁の形態を取ることが、特に、好適である。この場合、そのディスペンサは、そのソレノイド弁(ソレノイドバルブ)の電磁的又は圧電的駆動による、当該弁及びアクチュエータによって具体化される。特に、複数のコンテナ、及び分与すべき複数の調合剤、が使用される場合、ソレノイド弁の使用は、分注の量及びタイミングの非常に正確な制御を可能にする。
【0196】
従って、そのソレノイド弁が、その製品放出オリフィスからの調合剤の放出を間接的又は直接的に決定するように、そのソレノイド弁によって、チャンバの各放出オリフィスからの調合剤の放出(解放)を制御することが、有利である。
(センサ)
【0197】
本出願の目的のために、センサは、特定の物理的又は化学的特性及び/又はその周囲環境の物質の性質(nature)を、測定変数として定性的又は定量的に検出することができる、測定変数ピックアップ又は検出要素である。
【0198】
上記分注ユニットは、好ましくは、温度を検出するのに適している、少なくとも1つのセンサを備える。その温度センサは、特に、水温を検出するように構成される。
【0199】
更に、その分注ユニットは、導電率を検出するためのセンサを備えることが好ましい。これにより、特に、食器洗い機において、水又は水の噴射の存在が検知(検出)される。
【0200】
本願発明の更なる展開において、その分注ユニットは、該分注ユニットの周囲環境からの物理的、化学的及び/又は機械的なパラメータを測定(決定)することができるセンサを備える。そのセンサユニットは、制御信号としてその制御ユニットへ送られる、機械的、電気的、物理的及び/又は化学的な変数の、定性的及び/又は定量的な検出のための、1つ以上の能動センサ及び/又は受動センサを備えることができる。
【0201】
特に、そのセンサユニットのセンサは、タイマ、温度センサ、赤外線センサ、輝度センサ、温度センサ、運動センサ、歪みセンサ、回転速度センサ、近接センサ、流量センサ、色センサ、ガスセンサ、振動センサ、圧力センサ、導電率センサ、濁度センサ、瞬間音圧センサ、“ラボオンチップ”センサ("lab-on-a-chip" sensors)、力センサ、加速度センサ、傾斜センサ、pHセンサ、湿度センサ、磁場センサ、RFIDセンサ、磁界センサ、ホールセンサ(Hall sensors)、バイオチップ、匂いセンサ、硫化水素センサ及び/又はMEMSセンサからなる群から選択することができる。
【0202】
特に、その粘性が激しい温度依存性変動にさらされる調合剤の場合には、分注される調合剤の体積又は質量をモニター(監視)するために、そのディスペンサ装置内に流量センサを設けることが有利である。適切な流量センサは、ダイヤフラム流量センサ、磁気誘導流量センサ、コリオリ法を用いる質量流測定、渦流測定、超音波流量測定、ロータメータ測定、環状ピストン流量測定、熱質量流測定、又は差圧流量測定からなる群から選択することができる。
【0203】
少なくとも2つのセンサユニットは、異なるパラメータを測定するために設けられることが、特に、好ましく、一方のセンサユニットは、特に非常に好ましくは、伝導度センサであり、そして、更なるセンサユニットは、特に非常に好ましくは、温度センサである。加えて、少なくとも1つのセンサユニットは、輝度センサであることが好ましい。
【0204】
これらのセンサは、特に、洗浄プログラムのスタート、進み具合、及び終了、を検知(検出)するために調節される。限定的な例として、以下の表に記載されたセンサの組合せは、この目的のために用いられることができる。
【0205】
【表2】

【0206】
その伝導度センサを用いると、例えば、その伝導度センサが水に濡れたか否かを検出することが可能となり、これにより、そのセンサは、例えば、これにより、その食器洗い機内に水が存在するか否かを確証することができる。
【0207】
1つのルールとしての洗浄プログラムは、とりわけ、洗浄水の加熱と洗浄されるアイテムの乾燥とによって決められる特有の温度プロファイルであって、温度センサを用いて検知されることができる特有の温度プロファイルを、表す(呈する、exhibit)。
【0208】
輝度センサは、例えば、食器洗い機のドアが開かれたときに、その内部への光の入射を検知するのに用いられることができ、これによって、その食器洗い機は、例えば、洗浄プログラムが終了したことを判断することができる。
【0209】
また、濁度センサは、その皿洗い機で洗浄すべきアイテムの汚れの度合いを判断するために、備えられることができる。これは、また、例えば、確認された汚れの状況に適しているディスペンサ分注プログラムの選択を可能にする。
【0210】
また、少なくとも1つの音響センサを用いて、洗浄プログラムの進み具合を検知することが実行可能であり、これにより、例えば、水が注入又は排出されるときに、特定の音及び/又は振動の発生が検知される。
【0211】
当業者が、洗浄プログラムの監視を実現するための所望の数のセンサの適切な組合せを用いることが可能であることは、言うまでもない。
【0212】
本願発明の更なる展開によれば、少なくとも1つの調合剤の温度依存性の粘性曲線は、その調合剤の温度及び粘性に従って制御ユニットによって分注が調節される状態で、その制御ユニットに保存(格納)されることが考えられる。
【0213】
本願発明の更なる展開において、その調合剤の粘性を直接的に決定(測定)するための装置が設けられる。
【0214】
調合剤の分注量又は粘性を測定するための上記代替例(変形例)は、調合剤の実質的に一定の分注をもたらすディスペンサを制御するように、その制御ユニットによって処理される制御信号を発生(生成)するように機能する。
【0215】
センサユニットと制御ユニットとの間のデータラインは、導電性ケーブルの形態をとることができ、或いは、ケーブルレスの形態をとることができる。原理的には、また、少なくとも1つのセンサは、食器洗い機の内部において、ディスペンサの外部に配置されるか、配置可能にすること、また、データライン、特に、ケーブルレスのデータラインは、そのセンサからディスペンサへ測定されたデータを送信するために設けられること、が考えられる。
【0216】
ケーブルレスのデータラインは、特に、電磁波又は光の伝送によって実現される。ケーブルレスのデータラインは、例えば、Bluetooth、IrDA、IEEE 802、GSM、UMTS等の規格に構成されることが好ましい。
【0217】
そのディスペンサの効率的な製造及び組立てを可能にするために、しかし、少なくとも1つのセンサユニットは、その制御ユニットの上又は中に配置されることも可能である。 例えば、そのディスペンサ内に、又は、その制御ユニットを支えるボード上に直接、温度センサを設けることが可能であり、これにより、その温度センサは、周囲環境と直接接触することはない。
【0218】
本願発明の特に好適な展開において、そのセンサユニットは、そのディスペンサの底部に配置され、そのディスペンサの底部は、稼働位置において、重力方向で下方に向けられる。ここで、そのセンサユニットは、温度センサ及び/又は伝導度センサを備えることが、特に、好ましい。このような構成は、その皿洗い機の噴射アーム(スプレーアーム)を通して、水がディスペンサの下面(下側)に到達し、そしてそのセンサに接触することを確実にする。その底部上のセンサの配置は、その噴射アームとセンサとの間の距離が、可能な限り小さくなることを確実にするため、その噴射アームにおける放出と、そのセンサとの接触との間で、水がわずかに冷却され、その結果、温度が可能な限り正確に測定されることができる。
【0219】
そのディスペンサのエネルギ消費量、つまりそのエネルギ源の寿命、を延ばすために、そのディスペンサのエネルギ消費部、特に、その制御ユニットは、オンオフスイッチを含めてそのエネルギ源に接続することができる。そして、そのエネルギ源は、一度でもそのオンオフスイッチがオン状態になると、負荷にさらされる。センサユニットは、そのオンオフスイッチを形成し、又は、そのオンオフスイッチに接続されて、後者をスイッチングする(切り替える)。
【0220】
そのディスペンサの底部上の下に位置するセンサユニットは、周囲環境に接触する2つの接触部を備えることが、特に、好ましい。これらの接触部は、特に、その底部から下方に突出する接触ピン(コンタクトピン)の形態をとり、一方の接触部は、そのエネルギ源に対して陽極接触部として接続されること、また、他方の接触部は、陰極接触部として接続されること、また、オフ状態にあるそのオンオフスイッチは、これらの接触部の間に導電接続がない場合には、オフ状態に留まること、また、オフ状態にあるそのオンオフスイッチは、これらの接触部の間に導電接続が生じた場合には、オン状態に切替えられることが、特に、好ましい。
【0221】
そのオンオフスイッチは、シールイン回路と共に設けられるか又は組み合わされることが、更に、好適であり、これにより、一旦、そのオンオフスイッチがオン状態になると、その制御ユニットがオフ信号を出力するまで、そのエネルギ消費部のエネルギ供給が確実にされ、又は、そのエネルギ供給のシールインがもたらされる。
【0222】
そのオンオフスイッチは、具体的には、トランジスタ回路の形態をとることができる。この場合、そのオンオフスイッチのトランジスタは、PNPトランジスタの形態をとること、及びエミッタは、必要に応じて、駆動回路を介して供給電圧に、コレクタは、必要に応じて、駆動回路を介してアース及び陰極接触部に、及びベースは、一方において、必要に応じて、駆動回路を介して供給電圧に、及び他方においては、必要に応じて、駆動回路を介して陽極接触部に接続されることが好ましい。
【0223】
その駆動回路は、好ましくは、特に、抵抗分圧器の形態をとる少なくとも1つの駆動抵抗を備える。
【0224】
伝導度センサの形態のセンサユニットは、上記オンオフセンサユニットに加えて設けられることが、特に、非常に有利であり、その伝導度センサの形態のセンサユニットは、周囲環境に接触するそのディスペンサの底部の下部に、2つの接触部を備え、そのオンオフセンサユニットの陽極接触部は、同時に、その導電率センサを構成するセンサユニットの陽極接触部になることが、特に、非常に有利である。これは、オンオフスイッチと伝導度センサとを、単一のコンポーネント、すなわち、1つのトランジスタとして、具体化することを可能にする。
【0225】
また、その温度センサを構成するセンサユニットは、接触部、特に、その伝導度センサを構成するセンサユニットの陰極接触部、に一体化されることが可能である。
【0226】
その温度センサを収容する接触部であって、その伝導度センサを構成するセンサユニットの接触部は、ここで、好ましくは、中空の接触ピン(コンタクトピン)の形態をとることができる。この場合、その中に、その温度センサを構成するセンサユニットの温度センサが配置される。
【0227】
コンパクトな構造サイズを実現するために、上記エネルギ源、制御ユニット及びセンサユニットは、そのコンポーネントキャリアの上又は内で、アセンブリに結合されることが、更に、有利である。
【0228】
底部に配置された伝導度センサの接触部は、導電性シリコーンで包囲されることが、特に、好ましい。その伝導度センサは、ここで、特に、そのディスペンサの周囲環境と接する2つの互いに離間した接触部の間の抵抗測定の形態をとることができる。この場合、そのシリコーンは、そのディスペンサの底部と同一平面に配置されることが、特に、非常に好ましい。そのシリコーンは、略円形のベース領域を備えることが有利である。そのシリコーンは、水に対して良好な濡れ性を示し、従って、その皿洗い機内の水の検出に関して、良好な測定結果を提供する。
【0229】
直流源を使用する場合、センサの正確さを損なう、その伝導度センサの接触部における分極化を避けるために、いずれの場合にも、異なる極性を有する、すなわち、陽極及び陰極の反転を伴う、その伝導度センサにおいて、2つの連続する抵抗測定を実行することが有利である。これにより、その接触部に電荷の過剰が生じる可能性はなくなる。
(制御ユニット)
【0230】
本出願の目的のための制御ユニットは、材料(material)、エネルギ及び/又は情報の搬送に影響を与えるのに適している装置である。この目的のために、その制御ユニットは、情報、特に、制御対象の目的のために処理を行うセンサユニット測定信号、の補助をもって、アクチュエータに作用する。
【0231】
その制御ユニットは、特に、プログラム可能なマイクロプロセッサ(programmable microprocessor)を備えることができる。本願発明の特に好適な実施形態において、特に好適な構造において、そのディスペンサに結合されたコンテナに応じて選択され、そして実行される、ことができる複数の分注プログラムが、そのマイクロプロセッサに格納される。
【0232】
好適な実施形態において、その制御ユニットは、家庭用電化製品に存在する可能性がある、あらゆるコントローラに接続されない。従って、情報、特に、電気信号、光信号又は電磁信号は、その制御ユニットと、その家庭用電化製品のコントローラとの間で、直接、やりとりされない。
【0233】
本願発明の代替的な展開において、その制御ユニットは、家庭用電化製品の既存のコントローラに結合される。この結合は、好ましくは、ケーブルレスである。例えば、食器洗い機の上又は内に、好ましくは、その食器洗い機のドア内に配置される分注チャンバの上又はそのチャンバに、送信機(発信機、トランスミッター)を配置することが可能であり、その送信器は、その家庭用電化製品のコントローラが、例えば、その分注チャンバからの清浄剤の分注、又はすすぎ助剤(rinse aid)の分注を行う場合、その分注ユニットに無線で信号を送信する。
【0234】
異なる調合剤の放出ための、又は、異なる使用事例における製品の放出のための、複数のプログラムを、その制御ユニットに格納することができる。
【0235】
本願発明の好適な展開において、適切なプログラムは、そのコンテナ上に形成された、対応するRFIDラベル又は幾何学的情報媒体によって、呼び出される。従って、例えば、複数の用途、例えば、食器洗い機内に清浄剤を分注するために、室内芳香のための香料の放出のために、便器に洗剤を注ぐために、同じ制御ユニットを用いることが可能である。
【0236】
特に、ゲル化する傾向を有する調合剤を分注するために、その制御ユニットは、一方において、良好な洗浄結果を保証するために、十分に短い時間で分注を行い、他方において、調合剤の噴射がゲル化するほど急速には調合剤が分注されないように、構成されることができる。これは、例えば、間隔を置いた放出によって実施することができ、個々の分注の間隔は、対応する分注量が、洗浄サイクル中に完全に溶解するように、調節される。
【0237】
調合剤を放出する分注の時間的間隔は、30〜90秒、特に好ましくは、45〜75秒であることが、特に、好ましい。
【0238】
そのディスペンサからの複数の調合剤の放出は、順に、又は同時に、行われることができる。
【0239】
洗浄プログラムにおいて、複数の調合剤を順に分注することが、特に、好ましい。以下の分注シーケンスが、特に、好ましい。
【0240】
【表3】

【0241】
本願発明の特に好適な実施形態によれば、その食器洗い機とディスペンサは、洗浄コンパートメント壁部面積の1平方メートル当たり、1mg〜1gの界面活性剤が、その食器洗い機のすすぎプログラムにおいて放出されるように、相互に作用する。このようにして、多数の洗浄サイクルの後でも、その洗浄コンパートメントの壁部は、光沢度を確実に保ち、そして、そのディスペンサシステムは、その光透過能力を確実に保つ。
【0242】
その食器洗い機とディスペンサは、その食器洗い機の前洗い及び/又は本洗いプログラムにおいて、少なくとも1つの酵素含有調合剤及び/又はアルカリ性調合剤が放出され、その酵素含有調合剤が、好ましくは、そのアルカリ性調合剤の前に放出されるように、相互に作用することが、更に、有利である。
【0243】
本願発明の更に有利な展開において、その食器洗い機とディスペンサは、その食器洗い機の前洗い及び/又は本洗いプログラムにおいて、洗浄コンパートメント壁部面積の1平方メートル当たり、0.1mg〜250mgの酵素たんぱく質が放出されるように、相互に作用し、これにより、その洗浄コンパートメント壁部の光沢度が更に改善され、又は、複数の洗浄サイクルの後でも維持される。
【0244】
本願発明の有利な更なる展開において、例えば、その制御ユニットの制御プログラム及び/又は分注プログラム、又は、その制御ユニットによって記憶(格納)される動作パラメータ又はプロトコル等のデータは、その制御ユニットから読み出され、又は、その制御ユニット内にロードされる(読込まれる)ことができる。これは、例えば、光インタフェースの手段を用いて実行されることができる。この場合、その光インタフェースは、その制御ユニットに適切に接続される。送信されるべきデータは、次いで、特に可視領域の光信号として符号化される。その波長の範囲は、600〜800nmが好適であり、その光信号は、放射又は受信される。しかし、また、そのディスペンサ内に存在するセンサであって、その制御ユニットから及び/又はその制御ユニットにデータを送信するためのセンサを用いることは、可能である。例えば、その制御ユニットに接続され、その伝導度センサの接触部における抵抗測定の手段による伝導度測定を実行する、その伝導度センサの接触部は、データ送信のために用いられる。
(制御ユニットにおける方法)
【0245】
その制御ユニットの手段により、少なくとも1つの洗浄剤及び/又は清浄剤の調合剤の家庭用電化製品の内部への放出のために、その家庭用電化製品に堅固に接続されていないディスペンサを作動させる方法を、特に、開発することができる。この場合、少なくとも1つの分注プログラムが、その制御ユニットに格納され、及びその制御ユニットは、洗浄剤及び/又は清浄剤の調合剤を、そのディスペンサによって、その家庭用電化製品の内部に放出できるように、そのディスペンサ内に設けられた少なくとも1つのアクチュエータと協働する。そのディスペンサは、その家庭用電化製品内に設けられた少なくとも1つの送信ユニットによって放射される信号のための、少なくとも1つの受信ユニットを備え、その信号の少なくとも幾つかは、そのディスペンサ側の制御ユニットにおいて、そのディスペンサのアクチュエータのための制御コマンドに変換される。そのディスペンサ側での信号の受信は、その制御ユニットの手段によって監視(モニター)され、そのディスペンサの制御ユニットからの分注プログラムは、その信号がそのディスペンサによって受信されない場合に、起動される。
【0246】
これは、その家庭用電化製品の送信ユニットとディスペンサとの間の信号に対する障害時に、調合剤の分注が確実に行われることを可能にし、そのディスペンサは、その家庭用電化製品から、ディスペンサ内部のコントローラへ、制御全体を引き渡す。
【0247】
特に、家庭用電化製品側の信号は、その家庭用電化製品の送信ユニットにより、所定の周期的間隔で、その家庭用電化製品の内部に送られる(放射される)ことが有利である。これは、その家庭用電化製品の送信ユニットによって信号が出力される所定の周期的間隔が、そのディスペンサの制御ユニット、ならびにその家庭用電化製品、に保存されることを可能にする。そのディスペンサでの信号の受信後に、その家庭用電化製品の送信ユニット間の接触が妨げられた場合、この障害は、そのディスペンサにおいて、最後に受信した信号から経過した時間と、所定の周期的間隔に従って、後に続く信号の受信が予想される時間と、を比較することによって、特定されることができる。
【0248】
その周期的な信号間隔は、1秒〜10分、好ましくは、5秒〜7分、特に好ましくは、10秒〜5分に選定(選択)することが好ましい。その周期的な信号間隔は、3分〜5分に選定することが、特に、非常に好ましい。
【0249】
従って、その家庭用電化製品によって出力された信号の受信は、時間情報tと共に、そのディスペンサの制御ユニットに記録されることが、特に、有利である。
【0250】
そのディスペンサの制御ユニットは、更なる家庭用電化製品側の信号がそのディスペンサによって受信されていないtで始まる所定の時間間隔t1−2の経過後に、そのディスペンサの制御ユニットからの分注プログラムを起動することが、特に、非常に好ましい。
【0251】
本願発明の有利な更なる展開によれば、その制御ユニットは、評価結果に従って、その分注プログラムがその制御ユニット内で起動されるように、ディスペンサによって受信された信号の数及び/又は順序(シーケンス)を評価する。これは、例えば、最初の信号が受信された時間と、その信号の中断が確認された時間と、を比較することによって、洗浄プログラムの始動からの、食器洗い機内でのその洗浄プログラムの持続期間を決定し、これにより、その洗浄プログラムの進み具合に従って、その洗浄プログラムの進み具合に対応する適切な分注プログラムが、そのディスペンサの制御ユニット内で起動されることが可能となる。
【0252】
また、そのディスペンサの制御ユニットに格納された分注プログラムは、そのディスペンサによって受信された信号の数及び/又は順序の上述した評価に基づいて、その制御ユニット内で起動されて、その洗浄プログラムの進み具合に対応する所定のプログラムステップから始められることも考えられる。従って、例えば、洗浄プログラムの本洗いサイクル中の信号中断の場合に、本洗い洗浄サイクル及びそれに続く洗浄プログラムセクションのために設けられたディスペンサ内の分注プログラムを起動することが、可能である。
【0253】
特に、家庭用電化製品上の送信ユニットによって放射される信号は、少なくとも1つの制御信号を有する。
【0254】
本願発明の有利な更なる展開において、その家庭用電化製品上の送信ユニットによって放射される信号は、少なくとも1つの監視信号(モニターシグナル)を有する。
【0255】
更に、その制御ユニットに格納された少なくとも1つの分注プログラムは、家庭用電化製品分注プログラムを有することが有利である。これは、その家庭用電化製品とディスペンサとの間での信号中断の場合に、そのディスペンサが、その家庭用電化製品によって開始された分注プログラムを続行することを可能にする。
【0256】
そのため、そのディスペンサの制御ユニットに格納されたその分注プログラムは、その家庭用電化製品の分注プログラムを有することが、特に、好ましい。
【0257】
信号がそのディスペンサに現れない場合に、信号中断を示すところの、ユーザに認識できる音響信号及び/又は光信号を生成することができるようにすることが、有利である。
【0258】
家庭用電化製品における監視信号及び/又は制御信号の放射は、ユーザによって手動で実施されることを可能にすることが、更に、有利になる可能性がある。このようにして、ユーザは、例えば、そのディスペンサが、その家庭用電化製品内部の、上記ユーザによって選択された位置にある場合に、その家庭用電化製品の送信ユニットと、そのディスペンサとの間に、信号の受信があったか否かを確かめることができる。これは、例えば、その家庭用電化製品に設けられた要素、例えば、作動時に、監視信号及び/又は制御信号を出す(放射する)プッシュボタン又はスイッチ等、を作動(操作)することによって、実施されることができる。
(エネルギ源)
【0259】
本出願の目的のために、エネルギ源は、そのディスペンサシステム又はディスペンサの動作に適しているエネルギを供給することが可能なディスペンサ装置のコンポーネントを意味するように、解釈される。このエネルギ源は、好ましくは、そのディスペンサシステムが自律的であるように、構成される。
【0260】
そのエネルギ源は、好ましくは、電気エネルギを供給する。そのエネルギ源は、例えば、バッテリ、蓄電池、コンセント電源(a mains energy supply)、太陽電池等を備えることができる。
【0261】
そのエネルギ源は、例えば、交換可能なバッテリの形態で置換可能にすることが、特に、有利である。
【0262】
バッテリは、例えば、アルカリマンガン電池、亜鉛電池、オキシ水酸化ニッケル電池、リチウム電池、リチウムイオン硫化物電池、亜鉛空気電池、塩化亜鉛電池、亜鉛酸化水銀電池及び/又は銀酸化亜鉛電池からなる群から選択することができる。
【0263】
適当な蓄電池の例は、鉛蓄電池(二酸化鉛/鉛)、ニッケルカドミウム蓄電池、ニッケル水素蓄電池、リチウムイオン蓄電池、リチウムポリマー蓄電池、アルカリマンガン蓄電池、銀亜鉛蓄電池、ニッケル水素蓄電池、亜鉛臭素蓄電池、ナトリウム塩化ニッケル蓄電池及び/又はニッケルイオン蓄電池である。
【0264】
蓄電池は、特に、誘導により再充電可能であるように、構成(設計)されることができる。
【0265】
しかし、1つ以上のらせんバネ、ねじりバネ又はトーションバー、曲げバネ、空気/ガスバネ及び/又はエラストマーバネからなる機械的エネルギ源を設けることも考えられる。
【0266】
そのエネルギ源は、そのディスペンサが、そのエネルギ源が使い果たされる前に、約300の分注サイクルを通して稼働できるように、(寸法)構成される。そのエネルギ源は、使い果たされる前に、1〜300の分注サイクル、特に非常に好ましくは、10〜300の分注サイクル、より好ましくは、100〜300の分注サイクルを通して稼働することが、特に、好ましい。
【0267】
また、エネルギ変換のために、蓄電池がそれによって充電される電圧を生成する手段を、その分注ユニットに設けることができる。それらの手段は、例えば、食器洗い機における洗浄サイクル中に、水流によって駆動され、このようにして生成された電圧をその蓄電池に出力する、発電機の形態をとることができる。
(導光部、ディスペンサ)
【0268】
光送信ユニット及び/又は光受信ユニットは、その送信ユニット及び/又は受信ユニットの電気的及び/又は光学的コンポーネントが、水しぶきや洗浄水によって影響を受けることから守るために、好ましくは、そのディスペンサの内部、特に、そのコンポーネントキャリアの内又は上に配置される。
【0269】
そのディスペンサの周囲環境からの光を、その光送信ユニット及び/又は光受信ユニットに導くために、少なくとも75%の光透過率を呈する導光部(ライトガイド、light guide)が、その光送信ユニット及び/又は光受信ユニットと、そのディスペンサの周囲環境との間に配置される。その導光部は、好ましくは、少なくとも75%の透過率を有する透明な塑性材料から成る。その導光部の透過率は、そのディスペンサの周囲環境からその導光部へ光がインカップルされる、その導光部の表面と、その導光部からその光送信ユニット及び/又は光受信ユニットに光がアウトカップルされる表面と、の間の透過率として定義される。透過率は、DIN 5036に合わせて決めることができる。
【0270】
その導光部は、光送信ユニット及び/又は光受信ユニットからの光、及び/又はそのディスペンサの周囲環境からの光が、夫々、インカップル及びアウトカップルされるところの、少なくとも1つのインカップリング及び/又はアウトカップリングポイントを備える。
【0271】
その導光部は、そのコンポーネントキャリアを有する単一部材構造(単一パート構造、single-part construction)からなることが、特に、好ましい。そのため、そのコンポーネントキャリアは、透明材料から形成されることが、有利である。
【0272】
その導光部のインカップリング及び/又はアウトカップリングポイントを収容し、導光部と周囲環境との間の光学的接続を生じさせるために、オリフィスが、そのディスペンサ内に設けられる。そのインカップリング及び/又はアウトカップリングポイントは、そのディスペンサの底部又は上部の外周面に配置されることができる。光信号に対する良好な送信及び/又は受信特性を与えるために、その導光部のインカップリング及び/又はアウトカップリングポイントは、レンズ状及び/又はプリズム状の構造とすることが、有利であるかもしれない。
【0273】
また、その導光部は、同一材料又は異なる材料からなる、多層構造及び/又は多部構造であることができる。また、多層及び/又は多部構成の導光部間に空隙を設けることが可能である。その導光部の透過は、多層及び/又は多部構造の場合には、そのディスペンサの周囲環境からその導光部に光がインカップルされる、その導光部の表面と、その導光部からその光送信ユニット及び/又は光受信ユニットに光がアウトカップルされる、その表面と、の間にあるものとして、理解される。
【0274】
また、その導光部の少なくとも2つの、インカップリング又はアウトカップリングポイントは、その周囲環境に対して、設けられることが好ましい。そのディスペンサ上のインカップリング又はアウトカップリングポイントは、実質的に互いに反対側にあることが、特に、有利である。
(振動噴霧器)
【0275】
本願発明の更に好適な実施形態において、そのディスペンサシステムは、それを用いて、調合剤を気相(ガスフェーズ)に変換すること、又は、その調合剤を気相に維持すること、が可能である、少なくとも1つの振動噴霧器を備える。このように、例えば、その振動噴霧器を用いて、調合剤を気化し(蒸発させ)、霧状にし、及び/又は霧化することが考えられる。これにより、その調合剤は、気相に変換され、又は、気相でエアロゾル(エーロゾル、エアゾール)を形成する。その気相は、通常(従来的に)、空気(エアー)である。
【0276】
この実施形態は、気相中(ガスフェーズ)への調合剤の対応する放出が閉鎖可能な洗浄コンパートメント内で行われる、皿洗い機又は食器洗い機を使用する場合に、特に、有利である。気相中に導入された調合剤は、その洗浄コンパートメントの周辺に一様に分散せしめられることができ、その食器洗い機内に置かれた洗浄されるべきアイテムに付着させることができる。
【0277】
その振動噴霧器によって放出される調合剤は、界面活性剤含有調合剤、酵素含有調合剤、臭気中和調合剤、殺菌性調合剤及び抗菌性調合剤からなる群から選択することができる。
【0278】
気相で洗浄されるアイテムに清浄調合剤を吹き付ける(適用する)ことにより、対応する清浄調合剤からなる均一な層が、洗浄されるアイテムの表面に施される。洗浄されるそのアイテムの表面全体は、その清浄調合剤によって濡らすことが、特に、好ましい。
【0279】
このようにして、その食器洗い機の水放出清浄プログラムのスタートの前に、複数の有利な効果を達成することができる。一方、適切な清浄調合剤は、洗浄されるそのアイテムに付着している食物の残渣中で行われる生物学的分解プロセスの結果として生じる悪臭を防止することができる。他方、適切な清浄調合剤は、洗浄されるそのアイテムに付着する可能性のある、あらゆる食物残渣を軟らかくすることができる。その結果、その食物残渣は、特に、低温プログラムの場合に、その皿洗い機の清浄プログラム中に、容易かつ完全に取除かれることができる。
【0280】
食器洗い機の清浄プログラムの完了後、その振動噴霧器の手段により、洗浄されるそのアイテムに調合剤を吹き付ける(適用する)ことが、付加的に、可能である。この場合、その調合剤は、例えば、抗菌性を有する調合剤、又は、表面を改質するための調合剤、であることができる。
(調合剤)
【0281】
本願発明に係る上記ディスペンサシステムは、特に、5.5未満、好ましくは、4未満、特に好ましくは、3.5未満(10%溶液、20℃)のpH値を有する、少なくとも1つの第1の水性界面活性剤含有調合剤を有する。その界面活性剤の相(フェーズ)の酸性度を調節することにより、特に、その洗浄コンパートメントの壁部の光沢度及び反射性を低減する可能性がある、その壁部上への石灰の付着(堆積、沈積、蓄積、deposits)を防ぐことが可能である。また、驚いたことに、このような界面活性剤の調合剤の手段により、そのディスペンサの光送信ユニット及び/又は光受信ユニットと、そのディスペンサの周囲環境との間における、その導光部の透過率を、多数の洗浄サイクルにわたって、一定に保つことができることが明らかになっている。
【0282】
上述したように、その洗浄コンパートメント内に配置されたそのディスペンサシステムを制御するための無線信号伝送は、すすぎサイクル中に放出される特定の界面活性剤含有調合剤の手段により、本願発明に従って、確保され、かつ改善される。その界面活性剤の内容物に加えて、この調合剤は、5.5以下のpH値(10%溶液、20℃)によって、付加的に、特徴付けられる。
【0283】
本願発明に係るその調合剤は、pH値を調節するための酸性化剤を含む。本願発明に係るその調合剤の全重量における酸の重量比は、その調合剤の全重量に対して、好ましくは、0.05〜10重量%、好ましくは、0.1〜8重量%、そして、特に、0.2〜5重量%である。
【0284】
その酸性化剤は、無機酸及び有機酸の両方の形態をとることができ、有機酸は、消費者保護及び取扱いの安全性の理由で、本出願の目的にとって、特に、好適である。特に好適な有機酸は、モノカルボン酸、オリゴカルボン酸及びポリカルボン酸、特に、クエン酸、酢酸、酒石酸、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、及びポリカルボン酸単独重合体又はポリカルボン酸共重合体である。アミド硫酸等の有機スルホン酸も同様に用いることができる。
【0285】
本願発明に係る特に好適な調合剤は、その調合剤の全重量に対して、0.05〜10重量%、好ましくは、0.1〜8重量%、そして、特に、0.2〜5重量%の酢酸及び/又はクエン酸を含む。
【0286】
本願発明に係る調合剤が、緩衝物質として、上述した酸の塩を含むことができることは、言うまでもない。ここで、アルカリ金属塩、とりわけナトリウム塩又はカリウム塩、が好適である。
【0287】
上記の酸性化剤に加えて、本願発明に係る調合剤の第2の必須の成分は、界面活性剤である。陰イオン界面活性剤及び両性界面活性剤に加えて、界面活性剤の群(グループ)は、また、特に、選択的に使用される非イオン界面活性剤をも含む。
【0288】
公知のどのような非イオン界面活性剤も、原理的には、非イオン界面活性剤として使用することができる。適切な非イオン界面活性剤の例は、一般式RO(G)のアルキルグリコシドであり、ここで、Rは、主直鎖又はメチル分岐脂肪族化合物残基、特に、8〜22個、好ましくは、12〜18個のC原子を有する2位分岐メチルに対応し、Gは、5又は6個のC原子を有するグリコース単位、好ましくは、グルコースを意味する記号である。モノグリコシド及びオリゴグリコシドの分布を示すオリゴマー化度xは、1〜10のいずれか所望の数であり、xは、好ましくは、1.2〜1.4である。
【0289】
アミンオキシド型、例えば、N−ココナツアルキル−N,N−ジメチルアミン酸化物及びN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミン酸化物からなる非イオン界面活性剤、及び脂肪酸アルカノールアミド型の非イオン界面活性剤も適切であることができる。これらの非イオン界面活性剤の量は、好ましくは、エトキシ化脂肪アルコールの量以下、特に、そのエトキシ化脂肪アルコールの半分以下である。
【0290】
非イオン界面活性剤単独で、又は他の非イオン界面活性剤と組合わせて使用することのできる、好適に使用される非イオン界面活性剤の更なる種類(クラス)は、好ましくは、アルキル鎖内に1〜4個の炭素原子を有する、アルコキシ化、好ましくは、エトキシ化、又は、エトキシ化及びプロポキシ化脂肪酸アルキルエステルである。
【0291】
低発泡性非イオン界面活性剤は、好適な界面活性剤として使用される。洗浄剤又は清浄剤、特に、機械による食器洗いのための清浄剤は、アルコキシ化アルコールからなる群の非イオン界面活性剤を選択的に含む。アルコキシ化、有利には、エトキシ化の、特に、好ましくは、8〜18個のC原子と、アルコール1モル当たり、平均1〜12モルのエチレンオキシド(EO)とを有する第一級アルコールが、好ましくは、非イオン界面活性剤として使用される。この場合、そのアルコール残基は、線状、又は好ましくは、2位分岐メチルでありことができ、或いは、通常、オキソアルコール残基中に存在しているような、直線状及びメチル分岐残基を混合物中に含むことができる。しかし、特に、例えば、ココナツ、ヤシ、獣脂脂肪又はオレイルアルコールからの12〜18個のC原子を有する天然由来のアルコールから作られた線状残基と、アルコール1モル当たり、平均で2〜8モルのEOとを有するアルコールエトキシレートが好ましい。好適なエトキシ化アルコールは、例えば、3EO又は4EOを有するC12−14アルコール、7EOを有するC9−11アルコール、3EO、5EO、7EO又は8EOを有するC13−15アルコール、3EO、5EO又は7EOを有するC12−18アルコール、及びこれらの混合物、例えば、3EOを有するC12−14アルコールと、5EOを有するC12−18アルコールとからなる混合物、を含む。上述したエトキシル化度は、特定の積(プロダクト、product)に対して、整数又は分数となる可能性がある統計的平均値である。好適なアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布(狭い範囲のエトキシレート、すなわち、NRE)を有する。これらの非イオン界面活性剤に加えて、12EO以上を有する脂肪アルコールも使用することができる。それらの例は、14EO、25EO、30EO又は40EOを有する獣脂脂肪アルコールである。
【0292】
従って、C6−20モノヒドロキシアルカノール又はC6−20アルキルフェノール又はC16−20脂肪アルコール及びアルコール1モル当たり、12モル以上、好ましくは、15モル以上、そして、特に、20モル以上のエチレンオキシドから得られたエトキシ化非イオン界面活性剤が、特に、選択的に使用される。1つの特に好適な非イオン界面活性剤は、16〜20個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール(C16−20アルコール)、好ましくは、C18アルコール、及び少なくとも12モル、好ましくは、少なくとも15モル、及び特に、少なくとも20モルのエチレンオキシドから得られる。これらの中では、「狭い範囲のエトキシレート」が、特に、好適である。
【0293】
特に、室温以上の融点を有する非イオン界面活性剤が、好適である。20℃以上、好ましくは、25℃以上、特に好ましくは、25℃〜60℃、そして、特に、26.6℃〜43.3℃の融点を有する非イオン界面活性剤が、特に、好適である。
【0294】
同様に、アルコキシル化アルコールからなる群から、特に好ましくは、混合アルコキシル化アルコールからなる群から、特に、EO−AO−EO非イオン界面活性剤からなる群から、の非イオン界面活性剤が、特に、選択的に使用される。
【0295】
室温で固体である非イオン界面活性剤は、好ましくは、その分子中に、酸化プロピレン単位を含む。このようなPO単位は、その非イオン界面活性剤の全モル質量の好ましくは、25wt%まで、特に好ましくは、20wt%まで、そして、特に、15wt%までを構成する。特に好適な非イオン界面活性剤は、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロック共重合体単位を更に含む、エトキシ化モノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノールである。このような非イオン界面活性剤分子のアルコール又はアルキルフェノール部分は、ここで、好ましくは、このような非イオン界面活性剤の全モル質量の30wt%以上、特に好ましくは、50wt%以上、そして、特に、70wt%以上を構成する。好ましい薬剤(agent)は、エトキシ化及びプロポキシ化非イオン界面活性剤を含むことを特徴とし、この場合、その酸化プロピレン単位は、各分子において、その非イオン界面活性剤の全モル質量の25wt%、好ましくは、20wt%、そして、特に、15wt%までを構成する。
【0296】
好適に使用される界面活性剤は、アルコキシル化非イオン界面活性剤、特に、エトキシ化第一級アルコール、及びポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン((PO/EO/PO)界面活性剤)等の構造的に複雑な界面活性剤を有するこれらの界面活性剤の混合物、からなる群から生じる(originate)。このような(PO/EO/PO)非イオン界面活性剤は、更に、良好な泡制御によって、特徴付けられる(区別される)。
【0297】
特に好適に使用されることができる、室温以上の融点を有する更なる非イオン界面活性剤は、17モルのエチレンオキシドと、44モルのプロピレンオキシドとを有するポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンからなる75wt%の逆ブロック共重合体と、トリメチロールプロパンで開始され、かつトリメチロールプロパン1モル当たり、24モルのエチレンオキシドと、99モルのプロピレンオキシドとを含むポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンからなる25wt%のブロック共重合体とを含む、40〜70%のポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマーブレンドを含む。
【0298】
本願発明の目的にとって特に好適であることが分かっている非イオン界面活性剤は、エチレンオキシド単位及びアルキレンオキシド単位を交互に含む低発泡性非イオン界面活性剤である。これらの中では、EO−AO−EO−AOブロックを有する界面活性剤も好適であり、各場合において、1〜10のEO又はAO群は、夫々の他の群のブロックが追従する前に、互いに付着している(アタッチされている)。好ましい非イオン界面活性剤は、一般式

からなる界面活性剤であり、この場合、Rは、直鎖又は分岐、飽和又はモノ−或いはポリ不飽和C6−24アルキル又はアルケニル残基を示し、各群R又はRは、−CH、−CHCH、−CHCH−CH、CH(CHから互いに無関係に選択され、そして、指数w、x、y、zは、1〜6からの整数を互いに無関係に示している。
【0299】
上記一般式の好ましい非イオン界面活性剤は、既知の方法により、対応するアルコールR−OH及びエチレン又はアルキレンオキシドから製造することができる。上記一般式中の残基Rは、アルコールの元により変化してもよい。天然源を用いる場合、残基Rは、偶数の炭素原子を含み、及び一般的に分岐しておらず、選択は、例えば、ココナツ、ヤシ、獣脂脂肪又はオレイルアルコールからの、12〜18個のC原子を有する天然由来のアルコールからの線状残基に対して与えられる。合成源から得ることが可能なアルコールは、例えば、ゲルベアルコール又は2位分岐メチル残基、或いは、従来、オキソアルコール残基中に存在しているような混合物中の線状及びメチル分岐残基である。上記調合剤に含まれる非イオン界面活性剤を製造するために用いられるアルコールの性質に関係なく、好適な非イオン界面活性剤は、上記一般式中のRが、6〜24、好ましくは、8〜20、特に好ましくは、9〜15及び特に9〜11個の炭素原子を有するアルキル残基を意味する界面活性剤である。
【0300】
酸化プロピレンは別として、ブチレン酸化物は、特に、好適な非イオン界面活性剤中のエチレンオキシド単位と交互になっているアルキレンオキシドと考えることができる。しかし、R又はRが、−CHCH−CH又はCH(CHから互いに無関係に選択される更なるアルキレンオキシドも適切である。好ましく使用される上記一般式からなる非イオン界面活性剤は、R又はRが残基−CHを意味し、w及びxが、3又は4の値を互いに無関係に意味し、y及びzが、1又は2の値を互いに無関係に意味する界面活性剤である。
【0301】
要約すれば、好適な非イオン界面活性剤は、特に、1〜4プロピレンオキシド単位が追従し、1〜4エチレンオキシド単位が追従し、1〜4プロピレンオキシド単位が追従する、1〜4エチレンオキシド単位を有するC9−15アルキル残基を含む界面活性剤である。水溶液中で、これらの界面活性剤は、必要な低粘性を示し、本願発明に従って、特に選択的に使用することができる。
【0302】
一般式R−CH(OH)CHO−(AO)−(A’O)−(A”O)−(A”’O)−Rからなる界面活性剤は、本願発明に従って好適であり、ここで、R及びRは、直鎖又は分岐、飽和又はモノ−或いはポリ不飽和C2−40アルキル又はアルケニル残基を互いに無関係に意味し、A、A’、A”及びA”’は、基−CHCH、−CHCH−CH、−CH−CH(CH)、−CH−CH−CH−CH、−CH−CH(CH)−CH−、−CH−CH(CH−CH)からの残基を互いに無関係に意味し、w、x、y及びzは、x、y及び/又はzが、場合によっては0である状態で、0.5〜90の値を意味する。
【0303】
特に、好適な末端基終端ポリ(オキシアルキル化)非イオン界面活性剤は、一般式RO[CHCHO]CHCH(OH)Rに従って、2〜30個の炭素原子、好ましくは、4〜22個の炭素原子を有する、線状又は分岐、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族炭化水素残基を意味する残基Rに加えて、1〜30個の炭素原子を有する線状又は分岐、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族炭化水素残基Rを更に含む界面活性剤であり、ただし、xは、1〜90、好ましくは、30〜80、及び特に30〜60の値を意味する。
【0304】
特に好適な界面活性剤は、一般式RO[CHCH(CH)O][CHCHO]CHCH(OH)Rからなる界面活性剤であり、ただし、Rは、4〜18個の炭素原子又はそれらの混合物を有する、線状又は分岐脂肪族炭化水素残基を意味し、R2は、2〜26個の炭素原子又はそれらの混合物を有する線状又は分岐炭化水素残基を意味し、xは、0.5〜1.5の値を意味し、yは、少なくとも15という値を意味する。
【0305】
更に、特に好適な末端基終端ポリ(オキシアルキル化)非イオン界面活性剤は、一般式RO[CHCHO][CHCH(R)O]CHCH(OH)Rからなる界面活性剤であり、ただし、R及びRは、2〜26個の炭素原子を有する線状又は分岐、飽和又はモノ−或いはポリ不飽和炭化水素残基を互いに無関係に意味し、Rは、−CH、−CHCH、−CHCH−CH、−CH(CHを互いに無関係に意味するが、好ましくは、−CHを意味し、x及びyは、非イオン界面活性剤がR=−CHを有する状態で、1〜32の値を互いに無関係に意味し、15〜32のxの値、及び0.5〜1.5のyの値が、特に非常に好適である。
【0306】
2つの末端アルキル残基の一方上の遊離ヒドロキシル基を有する上述した非イオン界面活性剤の使用によって、遊離ヒドロキシル基のない従来のポリアルコキシル化脂肪アルコールと比較して、機械による皿洗い時の堆積膜の形成における明らかな改善を実現することが可能である。
【0307】
更に好適で有効な非イオン界面活性剤は、一般式RO[CHCH(R)O][CHCH(OH)[CHORからなる末端基終端ポリ(オキシアルキル化)非イオン界面活性剤であり、ただし、R及びRは、1〜30個の炭素原子を有する線状又は分岐、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族炭化水素残基を意味し、Rは、H又はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル又は2−メチル−2−ブチル残基を意味し、xは、1〜30の値を意味し、k及びjは、1〜12、好ましくは、1〜5の値を意味する。xの値が2以上である場合、上記一般式RO[CHCH(R)O][CHCH(OH)[CHORの各Rは、異なっていてもよい。R及びRは、好ましくは、6〜22個の炭素原子を有する線状又は分岐、飽和又は不飽和、脂肪族又は芳香族炭化水素残基であり、8〜18個のC原子を有する残基が特に好適である。H、−CH又はCHCHは、残基Rにとって特に好適である。xに対する特に好適な値は、1〜20、特に6〜15である。
【0308】
上記一般式の各Rは、xが2以上の場合には、異なっていてもよい。このようにして、大括弧内のアルキレンオキシドを変えることが可能である。例えば、xが3を示す場合、エチレンオキシド(R=H)又はプロピレンオキシド(R=CH)単位を形成するために、残基Rを選択することができ、これらのエチレンオキシド及びプロピレンオキシドは、任意の順序で、例えば、(EO)(PO)(EO)、(EO)(EO)(PO)、(EO)(EO)(EO)、(PO)(EO)(PO)、(PO)(PO)(EO)及び(PO)(PO)(PO)で互いに付加することができる。ここでは、例として、xに対して値3が選択されており、この値は、より大きくてもよく、変動の範囲は、xの値が大きくなるにつれて増加し、及び例えば、少数の(PO)基と結合した多数の(EO)基、又はその逆も含む。
【0309】
上述した化学式の特に好適な末端基終端ポリ(オキシアルキル化)アルコールは、k=1及びj=1という値を有するため、上記化学式は、RO[CHCH(R)O]CHCH(OH)CHORに単純化される。後者の化学式において、R、R及びRは、上述したように定義され、xは、1〜30、好ましくは、1〜20、及び特に6〜18の数を意味する。特に好適な界面活性剤は、R及びRが、9〜14個のC原子を含み、RがHを意味し、xが6〜15の値と仮定する界面活性剤である。
【0310】
上述したC鎖長及び上述した非イオン界面活性剤のエトキシル化度又はアルコキシル化度は、特定の積に対して、整数又は分数となる可能性のある統計的平均値である。上述した化学式の市販製品は、製造方法により、大部分は、個々の典型から成ってはおらず、その代わりに混合物から成っており、それによって、C鎖長だけではなく、エトキシル化度又はアルコキシル化度も、平均値、及びその結果として分数とすることができる。
【0311】
上述した非イオン界面活性剤は、当然、個々の物質としてだけではなく、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の界面活性剤からなる界面活性剤混合物としても使用することができる。界面活性剤混合物は、ここでは、全てが、上述した一般式のうちの1つの範囲内にある非イオン界面活性剤からなる混合物を含まないが、その代わりに、上述した様々な一般式によって表すことのできる2つ、3つ、4つ又はそれ以上の非イオン界面活性剤を含有するこのような混合物を含む。
【0312】
本願発明に係る上記調合剤の全重量における非イオン界面活性剤の重量比は、好適な実施形態においては、1.0〜25wt%、好ましくは、2.0〜20wt%、好ましくは、3.0〜17wt%、及び特に、5.0〜15wt%になる。
【0313】
すすぎサイクルにおける放出のための、本願発明に係る調合剤は、水を含み、その組成の全重量における水の重量比は、好ましくは、1.0〜90wt%、好ましくは、2.0〜80wt%、及び特に、5.0〜70wt%になる。特に非常に好適な調合剤は、30〜90wt%、好ましくは、40〜80wt%、及び特に、50〜70wt%の含水量を有する。
【0314】
本願発明に係る調合剤は、上述した含有物に加えて、非水溶媒を含むことができる。有機溶媒を添加することにより、その洗浄コンパートメントの壁部の表面特性に、所望の信号伝送に有利な方法で、影響を与えることができることが実証されてきている。本願発明に係る調合剤の全重量における有機溶媒の重量比は、好ましくは、1.0〜30wt%、好ましくは、2.0〜25wt%、及び特に、4.0〜20wt%になる。
【0315】
本願発明に係る調合剤に用いることのできる非水溶媒は、例えば、一価アルコール又は多価アルコール、アルカノールアミン又はグリコールエーテルからなる群に由来する。その溶媒は、好ましくは、エタノール、n−又はi−プロパノール、ブタノール、グリコール、プロパンジオール又はブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、ジエチレングリコールモノプロピル又はモノブチルエーテル、へキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチル又はプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチル又はエチルエーテル、メトキシ−、エトキシ−又はブトキシトリグリコール、1−ブトキシエトキシ−2−プロパノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、1,2−プロピレングリコール、及びこれらの溶媒の混合物から選択される。
【0316】
有機アミン及び/又はアルカノールアミンからなる群からの有機溶媒は、上記洗浄コンパートメント内での有利に影響を及ぼす信号伝送に関して、特に有効であることが分かっている。
【0317】
第一級及び第二級アルキルアミン、アルキレンアミン及びこれらの有機アミンの混合物は、有機アミンとして特に好適である。好適な第一級アルキルアミンの群は、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン及びシクロヘキシルアミンを含む。好適な第二級アルキルアミンの群は、特に、ジメチルアミンを含む。
【0318】
好適なアルカノールアミンは、特に、第一級、第二級及び第三級アルカノールアミン及びこれらの混合物である。特に好適な第一級アルカノールアミンは、モノエタノールアミン(2−アミノエタノール、MEA)、モノイソプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン(2−(ジエチルアミノ)−エタノール)である。特に好適な第二級アルカノールアミンは、ジエタノールアミン(2,2’−イミノジエタノール、DEA、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン)、N−メチル−ジエタノールアミン、N−エチルジエタノール−アミン、ジイソプロパノールアミン及びモルホリンである。特に好適な第三級アルカノールアミンは、トリエタノールアミン及びトリイソプロパノールアミンである。
【0319】
本願発明に係る調合剤は、ヒドロトロープを更に含むことができる。好適なヒドロトロープは、キシレン−及びクメンスルホン酸ならびに尿素及びN−メチルアセトアミドである。
【0320】
本願発明の目的のために好適な調合剤は、いずれの場合にもその調合剤の全重量に対して、0.5〜15wt%、好ましくは、1.0〜12wt%、特に好ましくは、2.0〜10wt%、及び特に2.5〜8wt%の量のトルエン−、クメン−又はキシレンスルホナートを含む。
【0321】
皿洗い機が洗浄したガラス面での曇り、筋及び擦り傷の形成を防ぐために、本願発明に係る調合剤は、ガラス腐食防止剤を含んでもよい。好適なガラス腐食防止剤は、亜鉛塩及び亜鉛錯体からなる群に由来する。
【0322】
本願発明に従って好適な亜鉛塩のスペクトル、好ましくは、有機酸の亜鉛塩、特に好ましくは、有機カルボン酸の亜鉛塩は、水に難溶性又は不溶性の、すなわち、100mg/l以下、好ましくは、10mg/l以下、特に、0.01mg/l以下の溶解度を呈する塩から、100mg/l以上、好ましくは、500mg/l以上、特に好ましくは、1g/l以上、特に、5g/l以上の水への溶解度(全て、水温20℃における溶解度)を呈する塩まで及ぶ。亜鉛塩の第1の群は、例えば、クエン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛及びステアリン酸亜鉛を含み、一方、可溶性の亜鉛塩は、例えば、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛及びグルコン酸亜鉛を含む。
【0323】
有機カルボン酸のうちの少なくとも1つの亜鉛塩、特に好ましくは、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛及びクエン酸亜鉛からなる群からの亜鉛塩は、ガラス腐食防止剤として、特に選択的に用いられる。また、リシノール酸亜鉛、アビエチン酸亜鉛及びシュウ酸亜鉛も好適である。
【0324】
本願発明に係る好適な調合剤のための幾つかの例示的な製剤(formulations)は、以下の表で見出すことができる。
【0325】
【表4−1】


【表4−2】


【表4−3】


【表4−4】


【表4−5】


【表4−6】


【表4−7】


【表4−8】


【表4−9】


【表4−10】


【表4−11】


【表4−12】


【表4−13】

【0326】
1つ以上の調合剤から洗浄水中に放出される、少なくとも1つの界面活性剤、少なくとも1つのポリマー及び少なくとも1つのホスホン酸塩に対する、上記洗浄コンパートメント壁部の光沢度を得ること及び/又は改善することが更に有利であり、これらの成分は、上記導光部の表面に付着する少なくとも界面活性剤及びポリマーが、その洗浄コンパートメント内に向かうように選択される。これは、その壁部からの洗浄液の流出及びその壁部の乾燥を改善し、従って、例えば、水の染みのかたちでのその壁部での付着を低減する。加えて、その壁部に付着する界面活性剤及び/又はポリマーは、壁面に対して、一種のシーリング仕上げをもたらし、その結果、異物の新たな付着を防ぐことができる。
(食器洗い機)
【0327】
本願発明に係るディスペンサシステムに適している食器洗い機は、特に、閉鎖可能な洗浄コンパートメントを備える。従来、食器洗い機の洗浄コンパートメントは、ドア又は引出しによって、開かれ、そして閉じられる。従来は、このようにして、その洗浄コンパートメントは、周辺光の進入から守られている。
【0328】
その洗浄コンパートメントの壁部は、特に、60°の配置(geometry)でDIN67530に合わせて測定された、少なくとも10光沢単位(gloss unit)、好ましくは、少なくとも20光沢単位、特に好ましくは、少なくとも45光沢単位を有する。これは、その洗浄コンパートメントの壁部からの放射光信号の多重反射を可能にし、従って、特に、その食器洗い機の洗浄コンパートメントの内部における可視及び/又は赤外領域の光信号に対する潜在的な信号遮蔽のリスクを低減する。
【0329】
平均光沢度は、壁部の全面にわたって平均化した光沢度を意味する。本願発明の特に好適な展開において、洗浄コンパートメントの平均光沢度は、60°の配置でDIN67530に合わせて測定された、少なくとも10光沢単位、好ましくは、少なくとも20光沢単位、特に好ましくは、少なくとも45光沢単位になる。
【0330】
洗浄コンパートメントの平均光沢度は、全ての洗浄コンパートメント壁部の全面にわたって平均化した光沢度を意味する。本願発明の特に好適な展開において、その洗浄コンパートメント壁部の平均光沢度は、60°の配置でDIN67530に合わせて測定された、少なくとも10光沢単位、好ましくは、少なくとも20光沢単位、特に好ましくは、少なくとも45光沢単位になる。
【0331】
特に、可視又は赤外領域の光信号に対する、その洗浄コンパートメント内での信号遮蔽のリスクを更に低減するためには、その洗浄コンパートメントの壁部が、少なくとも50%の反射率を呈することが、特に、有利である。
【0332】
平均反射率は、壁部の全面にわたって平均化した反射率を意味する。本願発明の特に好適な展開において、その洗浄コンパートメント壁部の平均反射率は、少なくとも50%になる。
【0333】
平均洗浄コンパートメント反射率は、全ての洗浄コンパートメント壁部の全面にわたって平均化した反射率を意味する。本願発明の更に好適な展開において、その平均洗浄コンパートメント反射率は、少なくとも50%になる。
【0334】
本願発明の好適な展開において、その洗浄コンパートメントの壁部は、光反射要素を備える。その反射要素は、特に、可視及び/又は赤外領域の光信号をその洗浄コンパートメント内で、可能な限り一様に分散させる際に役に立ち、その結果、その洗浄コンパートメント内の光信号遮蔽のゾーンを、対応する反射によって低減又は完全に回避することができる。その反射要素は、その洗浄コンパートメント壁部と一体的に形成されることが、特に、好ましい。有利な展開によれば、その光反射要素は、その洗浄コンパートメント壁部面から、その洗浄コンパートメント内へ突出している。しかし、その光反射要素は、その洗浄コンパートメント壁部における凹部の形態をとることも考えられる。その光反射要素は、あらゆる適切な3次元形状を想定することができ、特に、その光反射要素は、例えば、丸い又は鋭い縁部を有する、ドーム状、お椀状、切頭円錐状、立方体又は正六面体状であり、及び/又は上記の組合せから成る。
【0335】
その反射要素は、特に、洗浄コンパートメント壁部の略中央に配置することができる。しかし、特に、(その食器洗い機のドアから見たときに)その洗浄コンパートメントの後方、下方及び上方の角部における信号遮蔽のリスクを低減するために、その洗浄コンパートメントの縁部又は角部に反射要素を設けることも、追加的に、又は代替的に、考えられる。
(皿洗い機用放出装置)
【0336】
本願発明の好適な実施形態において、そのディスペンサは、食器洗い機内に固定された放出装置(解放装置)から信号を受信することができる。
【0337】
少なくとも1つの調合剤を、皿洗い機の内部に放出するための放出装置は、特に、清浄剤ディスペンサ、すすぎ助剤又は塩用放出装置、又は組合せディスペンサ(combi dispenser)とすることができる。
【0338】
その放出装置は、有利には、その皿洗い機の内部への信号の無線送信、又はその皿洗い機の内部からの信号の無線受信のための少なくとも1つの送信ユニット及び/又は少なくとも1つの受信ユニットを備える。
【0339】
その送信ユニット及び/又は受信ユニットは、光信号を放射又は受信するように構成されることが、特に、好適である。その送信ユニット及び/又は受信ユニットは、可視領域の光を放射又は受信するように構成されることが、特に、非常に好適である。従来、食器洗い機が動作中の場合には、その洗浄コンパートメント内部は暗いため、信号は、例えば、信号パルス又は写真撮影用フラッシュのかたちで、可視光領域で放射及び検出することができる。
【0340】
択一的に、又は追加的に、その送信ユニット及び/又は受信ユニットは、赤外線信号を放射又は受信するように構成されることが有利である。その送信ユニット及び/又は受信ユニットは、近赤外領域(780nm〜3000nm)の赤外線信号を放射又は受信するように構成されることが、特に、有利である。
【0341】
特に、その送信ユニットは、少なくとも1つのLEDを備える。特に好ましくは、その送信ユニットは、少なくとも2つのLEDを備える。この場合、少なくとも2つのLEDは、互いに対して90°の伝送角度オフセットで配置されることが、特に、非常に有利である。このようにして、自由に位置決め可能な受信器、特にディスペンサ、がそこに位置することもあり得た、信号遮蔽のリスクを、その皿洗い機内部で生じた多重反射によって低減することができる。
【0342】
好適であることができる本願発明の更なる展開に従って、異なる波長で光を放射する少なくとも2つのLEDを設けることも可能である。これは、例えば、情報をそれによって夫々送信又は受信することのできる異なる信号帯域を規定することが可能である。
【0343】
加えて、本願発明の更なる展開において、少なくとも1つのLEDは、その波長が調節可能であるRGB LEDとすることが有利である。このようにして、例えば、異なる波長で信号を放射する異なる信号帯域を、1つのLEDで規定することができる。従って、例えば、乾燥プロセス中に、異なる波長で光が放射されることも考えられ、その間に、例えば、洗浄段階中よりも高い大気湿度(霧)が、その洗浄コンパートメント内に広がる。
【0344】
その放出装置の送信ユニットは、そのLEDが、特に、その食器洗い機のドアが閉じられている場合に、その皿洗い機内部で信号を放射するために、また、特に、その食器洗い機のドアが開けられている場合に、動作状態、例えば、食器洗い機の塩又はすすぎ助剤貯蔵コンテナの充填レベルに関する光学的示度のために、設けられるように、構成されることができる。
【0345】
光信号は、1ミリ秒〜10秒、好ましくは、5ミリ秒〜100ミリ秒のパルス持続期間を有する信号パルス又は信号パルスのシーケンスとして構成されることが、特に、好適である。
【0346】
加えて、その送信ユニットは、その食器洗い機が閉じられた状態で、その洗浄コンパートメントに隣接する壁部で測定された、0.01〜100ルクス、好ましくは、0.1〜50ルクスの平均照度Eをもたらす光信号を放射するように構成されることが有利である。この照度は、その後、他の洗浄コンパートメント壁部に対して、又はその壁部から、多重反射をもたらすのに十分であり、従って、特に、その食器洗い機に食器類が装填されている場合に、その洗浄コンパートメント内の潜在的な信号遮蔽を低減し又は防ぐのに十分である。
【0347】
その放出装置の受信ユニットは、特に、フォトダイオードを備えることができる。
【0348】
本願発明の更なる展開において、その放出装置は、追加的又は代替的に、無線信号を放射又は受信するように構成することもできる。
【0349】
その送信ユニットによって放射された、及び/又は、その受信ユニットによって受信された、信号は、情報、特に制御信号を有している。
【0350】
その放出装置は、食器洗い機のドア内に配置されることが、特に、好適である。
【0351】
加えて、ディスペンサをその放出装置に着脱可能に固定するための容器を、その放出装置上に設けることができる。このようにして、例えば、そのディスペンサを、皿洗い機の食器類用引出し内だけではなく、その皿洗い機用の放出装置、特に、組合せディスペンサ上に直接、配置することも可能である。このようにして、一方においては、その食器類用引出し内の装填スペースが、そのディスペンサによって占有されることはなく、他方においては、その放出装置に対するそのディスペンサの所定の位置決めが実現される。
【0352】
組合せディスペンサ等の放出装置は、多くの場合、その組合せディスペンサの分与チャンバ内にある清浄調合剤を、その食器洗い機の内部へ放出するために、洗浄プログラム中に開けられている旋回可能なフラップを備える。従って、そのディスペンサのための容器は、そのディスペンサがその容器内に固定されたときに、そのフラップの開きが阻止されるように、その放出装置上に構成することができる。これは、そのディスペンサ及び放出装置からの二重分与のリスクを防ぐ。
【0353】
更に、少なくともその送信ユニットが、固定配置されたディスペンサの受信器に直接、信号を当てるように、その放出装置と、その送信及び/又は受信ユニットとの固定を構成することが有利である。
【0354】
有利には、その放出装置を備えるディスペンサシステムにおける用途のための、その皿洗い機に堅固に接続されていないディスペンサは、その皿洗い機の内部からその放出装置へ信号を無線送信するための、又は、その放出装置からの信号を無線受信するための少なくとも1つの受信ユニット及び/又は少なくとも1つの送信ユニットを備える。
(アダプタ)
【0355】
アダプタは、送水家庭用電化製品へのそのディスペンサシステムの簡単な結合を可能にする。そのアダプタは、そのディスペンサシステムを、その送水家庭用電化製品に機械的及び/又は電気的に接続するのに役に立つ。
【0356】
そのアダプタは、その家庭用電化製品の送水ラインに、好ましくは、堅固に接続される。しかし、その家庭用電化製品の内の、又は上の、定位置に位置決めするためのアダプタを設けることも考えられ、この場合、そのアダプタは、その家庭用電化製品の水流及び/又は噴出流の経路の範囲内にある。
【0357】
本願発明の好適な実施形態によれば、そのアダプタは、そのアダプタに結合された場合に、そのディスペンサからの調合剤の放出が洗浄水中に直接進まず、むしろ、その送水ラインによって、そのアダプタ内に運ばれた水内に進み、この場合、その結果として、調合剤を有するその水は、その後、そのアダプタから、その食器洗い機の内部へ運ばれるように、構成されている。
【0358】
好ましくは、そのアダプタは、そのディスペンサに結合されていない場合、そのアダプタからの水の排出が防止されるように、構成される。これは、例えば、そのアダプタがそれと流体接続されているその送水ラインが、そのアダプタ内に又はそのアダプタへ水を少しも運ばず、或いは、実際には、その送水ラインからの水が、そのアダプタ内を通過するが、そのアダプタは、そのアダプタからの水の排出を防ぐ密封手段、例えば、そのディスペンサが、そのアダプタから取外されたときに、そのアダプタを実質的に液密に閉鎖するスリットシリコーン要素を備えているということで防ぐことができる。
【0359】
そのアダプタは、自律及び“組込み”バージョンのためのディスペンサシステムを構成することを可能にし、本質的に自律的なディスペンサは、そのアダプタに結合される。また、そのアダプタを、そのディスペンサシステムのための一種の充電ステーションとして構成することも可能であり、例えば、そのディスペンサのエネルギ源は、そのステーション内で充電され、又は、そのディスペンサとそのアダプタ又は皿洗い機との間で、データがやりとりされる。
【0360】
そのアダプタは、その洗浄チャンバの内壁のうちの1つに、特に、食器洗い機のドアの内側で、その食器洗い機内に配置することができる。しかし、そのアダプタ自体は、ユーザがアクセスできない送水家庭用電化製品内に配置することも考えられ、そのため、そのディスペンサは、例えば、その家庭用電化製品の組立て中にそのアダプタに挿入され、この場合、そのアダプタ、ディスペンサ及び家庭用電化製品は、ユーザがカートリッジをそのディスペンサに結合することができるように、構成される。
(適用例)
【0361】
原理的には、上述したタイプのディスペンサシステムは、何らかの種類の送水装置内での使用に、又はその装置と共に使用するのに適している。
【0362】
本願発明に係るディスペンサシステムは、特に、このような用途に限定するものではないが、食器洗い機及び/又は皿洗い機等の送水家庭用電化製品での用途に適している。
【0363】
一般的に、分注プログラムを起動又は制御する外部物理又は化学パラメータに従って、少なくとも1つの、好ましくは、複数の、調合剤を液体媒質中に分注する箇所ならどこにでも、本願発明に係るディスペンサシステムを用いることが可能である。
【0364】
従って、洗剤を便器又はトイレタンクに分注(分与)するべく、例えば、床洗浄ロボット等の家庭用ロボットに、例えば、高圧掃除機等の送水清掃装置に、車両用スクリーン洗浄システムに、植物散水システムや、スチームアイロン装置や、バルブ等に、上記ディスペンサシステムを用いることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0365】
【図1】分離した状態及び組立てた状態における、2チャンバカートリッジを有する自律ディスペンサの図である。
【図2】食器洗い機の引出し内に配置された、2チャンバカートリッジを有する自律ディスペンサの図である。
【図3】分離した状態の2チャンバカートリッジであって、自律ディスペンサ用、及び、食器洗い機に一体化された内部ディスペンサ用、の2チャンバカートリッジの図である。
【図4】内部ディスペンサが食器洗い機に一体化されている、組立て状態の2チャンバカートリッジの図である。
【図5】分離した状態の2チャンバカートリッジであって、自律ディスペンサ用、及び、食器洗い機に一体化された外部ディスペンサ用、の2チャンバカートリッジの図である。
【図6】外部ディスペンサが食器洗い機に一体化されている、組立て状態の2チャンバカートリッジの図である。
【図7】分離した状態及び組立て状態の、食器洗い機に一体化可能な自律ディスペンサ用の2−チャンバカートリッジの図である。
【図8】組立て状態の、食器洗い機に一体化された自律ディスペンサ用の2チャンバカートリッジの図である。
【図9】詰め替え可能(再充填可能、補充可能)な2チャンバカートリッジと、詰め替え(再充填、補充)ユニットと、を有する自律ディスペンサの図である。
【図10】槽状(トラフ状)及び蓋状のカートリッジ要素から形成されたカートリッジの図である。
【図11】2つの槽状カートリッジ要素から形成されたカートリッジの図である。
【図12】セル状の底なしのコンテナ及びカートリッジ底部からなるカートリッジの図である。
【図13】カートリッジ蓋を有する、上部が開くセル状コンテナから形成されたカートリッジの図。
【図14】2つのチャンバ要素から形成されたカートリッジの図である。
【図15】詰め替え(再充填、補充)ポーチを有するカートリッジの図である。
【図16】揮発性物質を放出(解放)するためのチャンバを有するカートリッジの図である。
【図17】平面で見た場合の、インターロック接続されたチャンバを有するカートリッジの図である。
【図18】正面から見た場合の、3つのチャンバを有するカートリッジの図である。
【図19】平面で見た場合の、3つのチャンバを有するカートリッジの図である。
【図20】分解図として見た場合の、槽状(トラフ状)のカートリッジ要素及びプレート状のカートリッジ要素を有する、2部材カートリッジ(ツーパートカートリッジ)の図である。
【図21】分解図として見た場合の、セル状コンテナ及びカートリッジ底部を有する、2部材カートリッジの図である。
【図22】斜視図として見た場合の、ディスペンサが分離した状態における、3チャンバカートリッジの図である。
【図23】斜視図として見た場合の、通気オリフィスを有する3チャンバカートリッジの図である。
【図24】内部を斜視図として見た場合の、前面壁が取外された状態の3チャンバカートリッジの図である。
【図25】3チャンバカートリッジの長手方向断面図である。
【図26】ディスペンサに結合された3チャンバカートリッジの長手方向断面図である。
【図27】カートリッジの分離ウェブ内に設けられた通気路(通気チャネル)の概略図である。
【図28】断面で見た場合の、非結合状態にある、カートリッジ及びディスペンサの図である。
【図29】断面的で見た場合の、旋回可能に係合した状態にある、カートリッジ及びディスペンサの図である。
【図30】送受信ユニットを有する組合せディスペンサ(combi dispenser)の図である。
【図31】分注チャンバ蓋が開いている状態の、送受信ユニットを有する、組合せディスペンサの図である。
【図32】外部ディスペンサ用の容器を有する、組合せディスペンサの図である。
【図33】家庭用電化製品内に配置されたディスペンサ及び送信器の図である。
【図34】食器類が装填されている状態の家庭用電化製品に配置された、ディスペンサ及び送信器の図である。
【図35】家庭用電化製品内に配置された、ディスペンサと、2つの信号タイプを放射する送信器と、の図である。
【図36】家庭用電化製品内の、2つの信号タイプを放射する送信器と、受信器と、を有する、ディスペンサの図である。
【図37】光送信器を有するディスペンサ、結合可能なカートリッジ、及び家庭用電化製品上の送信器及び/又は受信器の図である。
【図38】ソレノイド弁の図である。
【図39】ソレノイド弁の図である。
【図40】フロートを有する分与チャンバ(分注チャンバ)の図である。
【図41】フロートを有する分与チャンバの図である。
【図42】フロートを有する分与チャンバの図である。
【図43】フロートを有する分与チャンバの図である。
【図44】食器(瀬戸物、陶磁器)類用の引出しのプレート容器におけるディスペンサ装置の図である。
【図45】底部に固定手段を有するディスペンサ装置の図である。
【図46】ディスペンサの外周面に固定手段を有するディスペンサ装置の図である。
【図47】底部から突出するプレートを有するディスペンサ装置の図である。
【図48】底部から突出する放出オリフィスを有するディスペンサ装置の図である。
【図49】V字状のディスペンサ底部輪郭を有するディスペンサ装置の図である。
【図50】鋸歯状の固定手段を有するディスペンサ装置の図である。
【図51】波形の固定手段を有するディスペンサ装置の図である。
【図52】分解図として見た場合の、ディスペンサ及びカートリッジの図である。
【図53】正面から見た場合のコンポーネントキャリアの図である。
【図54】分解図として見た場合の、コンポーネントキャリアの図である。
【図55】分解図として見た場合の、コンポーネントキャリアの図である。
【発明を実施するための形態】
【0366】
図1は、分離した状態及び組立てた状態の2チャンバカートリッジ1を有する自律ディスペンサ2を示す。
【0367】
ディスペンサ2は、カートリッジ1のチャンバ3a、3bの対応する吐出(放出)オリフィス5a、5bの繰り返し着脱可能な収容のための2つの分与(分注)チャンバインレット21a、21bを備える。ディスペンサ2の動作状態を示し、或いは、該ディスペンサに影響を与える、インジケータ及び作動要素37が、前面に位置している。
【0368】
分与チャンバインレット(分注チャンバインレット)21a、21bは、カートリッジ1がディスペンサ2上に取付けられた場合に、チャンバ3a、3bの吐出オリフィス5a、5bの開きをもたらす手段を更に備え、その結果、ディスペンサ2及びカートリッジ1が結合状態にある場合、チャンバ3a、3bの内部が、分与チャンバインレット21a、21bに連通的に接続される。
【0369】
カートリッジ1は、1つ以上のチャンバ3a、3bから成ることができる。カートリッジ1は、複数のチャンバ3a、3bを備える単一部材構造(シングルパート構造)、又は、個々のチャンバ3a、3bが、その後、特に、接着、インターロッキング又は摩擦接続法によって組立てられてカートリッジ1を形成する多部材構造(マルチパート構造)、から成ることができる。
【0370】
特に、固定は、スナップ接続、プレス接続、溶着接続、接着接続、溶接接続、ろう付け接続、ねじ接続、鍵接続、締付け接続又はリバウンド接続からなる群からの1つ以上の接続タイプ(様式、種類)によって実施することができる。また、特に、加熱状態で、そのカートリッジの少なくとも一部にわたって引込まれて、冷却状態でそのカートリッジを堅固に包み込む、熱収縮スリーブによって、固定を実行することもできる。
【0371】
カートリッジ1の底部は、カートリッジ1に有利な残留物排出特性を与えるために、放出オリフィス5a、5bに向かってじょうご状に傾斜させることができる。また、カートリッジ1の内壁は、生成物がそのカートリッジの内壁にほんの少しだけ付着するような適切な材料選択及び/又は表面仕上げによって構成することができる。また、カートリッジ1の残留物排出特性は、この方策(方法、処置)によって、更に、最適化することができる。
【0372】
カートリッジ1のチャンバ3a、3bは、同一又は異なる容量のものであることができる。2つのチャンバ3a、3bを有する構造において、チャンバ容量の比は、好ましくは、5:1であり、3つのチャンバを有する構造においては、4:1:1であり、これらの構造は、特に、食器洗い機での用途に適している。
【0373】
1つの可能な接続方法は、チャンバ3a、3bを、ディスペンサ2の対応する分与チャンバインレット21a、21bの一方に差し込み、それによって、それらを互いに対して固定するものであってもよい。
【0374】
チャンバ3a、3b間の接続は、特に、チャンバの個々の交換を可能にするように、着脱可能にすることができる。
【0375】
チャンバ3a、3bは、夫々、調合剤40a、40bを収容する。調合剤40a、40bは、同じか又は異なる組成のものであることができる。
【0376】
チャンバ3a、3bは、透明材料から作られることが有利であり、これにより、調合剤40a、40bの充填レベルは、外部から、ユーザに視認される。しかし、特に、このチャンバ内にある調合剤が感光性の成分を含有する場合には、少なくとも一方のチャンバを不透明な材料から作ることも有利である得る。
【0377】
吐出オリフィス5a、5bは、対応する分与チャンバインレット21a、21bと、インターロッキング及び/又は摩擦、特に液密な接続を形成するようにデザイン(構成)される。
【0378】
吐出オリフィス5a、5bの各々は、分与チャンバインレット21a、21bの一方のみに嵌る(フィットする)ように構成され、これにより、チャンバが、間違った分与チャンバインレットに差し込まれることを防ぐようにすることが、特に、有利である。これは、例えば、サイズ又は基本的な形状が異なる吐出オリフィス5a、5b及び/又は分与チャンバインレット21a、21bによって実現することができる。
【0379】
上記カートリッジは、従来的に、5000ml以下、特に、1000ml以下、好ましくは、500ml以下、特に好ましくは、250ml以下、特に非常に好ましくは、50ml以下の容量を有する。
【0380】
分与(分注)ユニット2と、カートリッジ1とは、有効な容積の目減りを最小限にできるように、組立てられた状態で、特に、その上又はその中で使用される装置の形状に適応することができる。分与ユニット2及びカートリッジ1を食器洗い機内で使用するためには、食器洗い機内で洗浄される皿にならって、分与ユニット2及びカートリッジ1を成形することが、特に、有利である。分与ユニット2及びカートリッジ1は、例えば、平皿(プレート)のサイズをお凡そに仮定すれば、プレート形状とすることができる。このようにして、その分与ユニットは、スペースを節約して、下方バスケット内に位置決めされることができる。
【0381】
カートリッジ1の吐出オリフィス5a、5bは、好ましくは、整列して又は一列に配置され、これにより、そのディスペンサのスレンダーでプレート形状の構成が可能になる。
【0382】
図2は、食器洗い機38のドア39が開いているときの自律ディスペンサであって、食器類用引出し11内に2チャンバカートリッジ1を有する自律ディスペンサ、を示している。原理的に、ディスペンサ2をカートリッジ1と共に、食器類用引出し11内の所望のどの箇所にも位置決めすることができることに留意すべきである。ここで、プレート又はカップ形状のディスペンサシステム1、2は、食器類用引出し11内の対応する平皿又はカップ容器内に設けられることが有利である。食器洗い機のドア39内には、分与(分注)チャンバ53が設けられており、その中には、例えば、錠剤形態の食器洗い機用清浄調合剤を導入することができる。これは、以下で詳細に説明するが、清浄剤の放出は、ディスペンサシステム1、2を介して、複数の洗浄サイクルに対して実行されるため、ディスペンサシステム1、2が、皿洗い機38の内側で動作状態(稼働状態)にある場合、分与チャンバ(分注チャンバ)53を介した各洗浄サイクルのための清浄調合剤の追加は、必要ない。本願発明のこの実施形態の利点は、自律ディスペンサシステム1、2が、下方の食器類用引出し11内に配置されている場合、調合剤40a、40bは、カートリッジ1から直接、そのディスペンサ上に配置された吐出オリフィスを通って洗浄液中に放出され、その結果、その洗浄プログラムにおいて、その洗浄調合剤の素早い溶解及び均一な分散が保証されるという点にある。
【0383】
図3は、自律ディスペンサ2用の、そして食器洗い機に一体化された内部ディスペンサ用の、分離された状態の2チャンバカートリッジ1を示す。ここでは、カートリッジ1は、自律ディスペンサ2と、図3において矢印によって指し示されている食器洗い機に一体化されているディスペンサ(図示されていないが、例えば、食器洗い機のドア39内に設けることができる)との両方に結合可能であるようにデザイン(構成)されている。
【0384】
食器洗い機38の内部の方に向けられている食器洗い機のドア39の面には、凹部43が形成されており、その中にカートリッジ1を挿入することができるようになっている。ここで、カートリッジ1の吐出オリフィス5a、5bは、このような挿入により、アダプタ要素42a、42bに連通的に接続される。アダプタ要素42a、42bは、その食器洗い機に一体化されているディスペンサにも結合される。
【0385】
カートリッジ1を凹部43に固定するために、固定要素44a、44bを凹部43に設けることができ、これにより、そのカートリッジの凹部43への摩擦及び/又はインターロッキング固定を確実なものとする。また、対応する固定要素をカートリッジ1に設けることも考えられるのは言うまでもない。固定要素44a、44bは、好ましくは、スナップ式接続、ラッチ接続、スナップ/ラッチ接続、クランプ接続又はプラグ接続からなる群(グループ)から選択することができる。
【0386】
食器洗い機38が作動中の場合、カートリッジ1からの調合剤40a、40bは、その食器洗い機に一体化されているディスペンサにより、アダプタ要素42a、42bを介して、対応する洗浄サイクルに対して導入される。
【0387】
図4は、図3から理解される、食器洗い機38のドア39内に設置されたカートリッジ1を示す。分与ユニット2及びカートリッジ1を、その食器洗い機のドア39内に一体化することにより、食器類用引出し11内における、洗浄すべきアイテムのためのスペースは目減りせず、これは、この実施形態の重要な利点をなす。
【0388】
本願発明の別の実施形態を図5に示す。図5は、カートリッジ1の上部にチャンバ45が配置されている、図3から理解されるカートリッジ1を示しており、そのチャンバは、複数のオリフィス46を、その外周面に備える。好ましくは、チャンバ45には、空気清浄調合剤が充填されており、その調合剤は、オリフィス46を介して周囲環境へ放出される。その空気清浄調合剤は、特に、少なくとも1つの芳香及び/又は1つの悪臭防止物質を含むことができる。
【0389】
図3及び図4から理解される食器洗い機38の内部のカートリッジ1の構成とは異なり、食器洗い機38の外面にカートリッジ1を結合するためのアダプタ要素42a、42bを有する凹部43を設けることも可能である。これは、例として、図5及び図6に図示されている。この展開は、温度に非常に敏感な調合剤40a、40bにとって、特に、有利であることができ、これは、これらの調合剤が、通常、その洗浄プログラム中に生じる温度変動に直接さらされないからである。
【0390】
図5及び図6に図示されているカートリッジ1は、空気清浄物質を含むチャンバ45と共に、食器洗い機38の内部の、対応して構成された容器内に配置することもできることは言うまでもない。
【0391】
本願発明の更なる展開を図7及び図8に示す。ディスペンサ2は、ここでは、カートリッジ1に結合されることができ、これは、第1の左側の矢印によって、図面中に、示されている。次いで、カートリッジ1及びディスペンサ2は、アセンブリとしてインタフェース47、48を介して、右側の矢印で示すように、その皿洗い機に結合される。ディスペンサ2は、それを介して、データ及び/又はエネルギが、ディスペンサ2へ伝達される、及び/又はそのディスペンサから伝達される、インタフェース47を備える。皿洗い機38のドア39内には、ディスペンサ2を収容するために凹部43が設けられている。凹部43内には、データ及び/又はエネルギをディスペンサ2へ伝達する、及び/又はディスペンサ2から伝達する、第2のインタフェース48が設けられている。
【0392】
好ましくは、データ及び/又はエネルギは、ディスペンサ2上の第1のインタフェース47と、皿洗い機38上の第2のインタフェース48と、の間で、無線でやりとりされる。エネルギは、無線で、皿洗い機38のインタフェース48からインタフェース47を介してディスペンサ2に伝達されることが、特に、好ましい。これは、例えば、誘導的及び/又は容量的に行われるようにしてもよい。
【0393】
また、データ伝送用のインタフェースは、また、無線構成とすることが、更に、有利である。これは、公知の無線データ伝送のための方法を用いて、例えば、無線伝送又は赤外線伝送によって、実現することができる。データ及び信号伝送は、可視領域を利用する光伝送技術を用いて無線で行うことが、特に、好ましい。
【0394】
択一的に、インタフェース47、48は、一体差込み型接続の形態をとってもよい。その差込み型接続は、水又は湿気の浸入から保護されるように構成されことが有利である。
【0395】
図8は、食器洗い機ドア39の凹部43で食器洗い機38に結合されたディスペンサシステム1,2を示す。
【0396】
図9は、カートリッジ1を示し、そのチャンバ3a、3bは、例えば、詰替え(再充填、補充)カートリッジ51によって、上部のオリフィス49a、49bを介して充填されることができる。カートリッジ1のオリフィス49a、49bは、例えば、アダプタ50a、50bによって貫通されたときに開き、そしてアダプタ50a、50bの取外し時に、再び閉じるシリコーン弁の形態をとることができる。これにより、調合剤が意図せずにそのカートリッジから流出することが防止される。
【0397】
アダプタ50a、50bは、カートリッジ1のオリフィス49a、49bを貫通できるようにデザインされる。カートリッジ1のオリフィス49a、49b及びアダプタ50a、50bは、そのアダプタが、オリフィス49a、49bに所定位置でのみ係合することができるように、位置及びサイズに関して構成されることが、有利である。このようにして、特に、カートリッジチャンバ3a、3bの間違った充填を防ぐことができ、そして、いずれの場合にも、同じか又は混合可能な調合剤が、詰替えカートリッジ51のチャンバ52a、52bから、カートリッジ1の対応するチャンバ3a、3bに確実に流入することができる。
【0398】
上記した図から理解されるカートリッジの更なる例示的な実施形態は、図10〜図16に示される。
【0399】
図10に示されている第1の実施形態において、カートリッジ1は、第1の槽状要素(トラフ状要素)6と、第2のプレート状又は蓋状要素7とから成り、該2つの要素6,7は、組立てられていない状態で図10に示されている。第2のプレート又は蓋状要素7は、カートリッジ1が組立てられた状態にある場合に、接続縁部8に沿って、第1の槽状要素6を完全に覆うような寸法になっている。
【0400】
第1の槽状要素6は、カートリッジ上部10、カートリッジ側面11、12及びカートリッジ底部4によって形成されている。カートリッジ1の2つのチャンバ3a、3bは、隔離ウェブ9によって画成されている。吐出オリフィス5a、5bは、夫々の場合において、チャンバ3a、3bの各々に対して、カートリッジ底部4に設けられている。カートリッジ1は、第1の槽状要素6と、第2のプレート状又は蓋状要素7とを接合することによって形成され、接続縁部8は、組立てられた状態で、カートリッジ1の吐出オリフィス5a、5bに交差しない。
【0401】
そのカートリッジの更なる可能な実施形態は、図11に示される。この実施形態において、2つのカートリッジ要素6、7は、同様に、まだ組立てられていない状態で示されている。2つのカートリッジ要素6、7は、鏡面対称的な構造のこの場合において、組立てられた状態で、2つの要素6、7の接続縁部8が完全に互いにの上に載置されるようになっている。吐出オリフィス5a,5bは、ここで、単に第1のカートリッジ要素6の底部4に形成され、要素6,7の接続縁部8は、吐出オリフィス5a、5bから所定距離をもってカートリッジ底部4に延在する。そして、接続縁部8は、吐出オリフィス5a、5bに交差しない。このようにして、熱応力から生じる吐出オリフィス5a、5bの領域における材料の変形がより均一になり、そして、特に、カートリッジの挿入時及び/又は洗浄プログラムにおける温度変動の間、好ましくない密封に関する問題につながる可能性がある、一様ではない変形(不均一な変形)が、当接又は接続縁部8の結果として生じることがないため、吐出オリフィス5a、5bのより信頼性の高い密封が、確実なものとされる。
【0402】
図12は、図10及び図11から理解されるカートリッジの変更例を示している。この実施形態において、第1のカートリッジ要素6は、単一部材(シングルパート)、セル状で、底部がないプラスチックコンテナの形態をとっている。カートリッジ1は、底部4を接続縁部8に沿ってコンテナ6に合わせて形成されている。これは、図中、矢印で示されている。底部4は、第1のオリフィス5aと、第2のオリフィス5bとを含み、それらは、カートリッジ1が組立てられた状態にある場合に、調合剤が夫々のチャンバ3a、3bから流出することを可能にする。ここでも、接続縁部8は、カートリッジ1が組立てられた状態にある場合に、吐出オリフィス5a、5bから、所定距離、延在する。
【0403】
択一的に、カートリッジ要素6は、チャンバ3a、3bと第2の要素とがカートリッジ蓋10を形成する状態で、上部が開いているセル状コンテナの形態をとることも考えられる。ここで、そのカートリッジ蓋は、接続縁部8に沿って、その上部が開いているセル状コンテナに液密に接続される。この場合において、また、図13から明らかなように、接続縁部8は、カートリッジ1が組立てられた状態で、吐出オリフィス5a、5bから、所定距離、延在する。
【0404】
図14は、カートリッジ1を、2つの別個に形成されたチャンバ3a、3bから形成ができる点を示している。特に、チャンバ3a、3bは、ここでは、ブロー成形によって形成することができる。この変形例において、2つのチャンバ3a、3bは、着脱可能に又は着脱不能に、一緒にかみ合わされ、及び/又は摩擦的に及び/又は材料接合により、一緒にかみ合わされ、カートリッジ1を形成する。
【0405】
図15は、調合剤40が充填されているポーチ64のための収容コンテナの形態をとる、図13から理解されるカートリッジ1を示している。ここで、図中、矢印で示されている、そのポーチのそのカートリッジチャンバ内への挿入は、「バッグインボトル(bag−in−bottle)」コンテナを形成する。ポーチ64a、64bのオリフィス65a、65bは、カートリッジ1のオリフィス5a、5bに挿入できるようにデザインされている。好ましくは、オリフィス65a、65bは、寸法的に安定しているプラスチックシリンダの形態をとる。一方において、夫々の場合において、1つのポーチ64a、64bは、カートリッジ1の対応するチャンバ内に位置決めされることが考えられるが、ウェブ66によって接続された多チャンバポーチ(マルチチャンバポーチ)を構成することも可能である。この多チャンバポーチは、全体として、そのカートリッジ内に挿入される。ポーチ64のカートリッジ1内への挿入後、そのカートリッジは、カートリッジ上部10によって着脱可能に閉じられる。このカートリッジ上部10の好ましくない紛失を防ぐために、そのカートリッジ上部を、例えば、材料ブリッジの手段によって、カートリッジ1に旋回可能に固定することが、特に、有利である。
【0406】
図16は、図10〜図14から理解されるカートリッジの更なる展開を示している。ここで、調合剤を収容するための更なるチャンバ45は、そのカートリッジ上に配置されると共に、その調合剤からの揮発性物質の、チャンバ45の周囲環境中への放出を有効にするように構成される。例えば、揮発性芳香剤又は空気清浄物質は、チャンバ45内に位置することができ、そして、チャンバ45のオリフィス46を通って周囲環境中に放出(解放)されることができる。
【0407】
また、オリフィス5a、5bは、X字状のスリットを備えるシリコーン弁によって閉じられることに留意されたい。これは、カートリッジ1がディスペンサ2から取外されたときに、結合されていないカートリッジ1から調合剤40が漏れることを防止する。
【0408】
図17は、個別に交換可能なチャンバ3a、3b、3cを有するカートリッジ1を平面図で示す。チャンバ3a、3b、3cは、ここでは、それらの外周面の輪郭を適合させることにより、組立てて、所定の配列でのみカートリッジ1を形成することができるように構成されている。これは、特に、チャンバ及びそれに対応する調合剤の好ましくない配置のリスクを伴うことなく、個別に交換可能なチャンバを提供することを可能にする。
【0409】
図18は、3つのチャンバ3a、3b、3cを有するカートリッジ1の更なる可能な実施形態を示す。第1のチャンバ3aと第2のチャンバ3bとは、略等しい容量を有する。第3のチャンバ3cは、例えば、チャンバ3a又は3bの容量の5倍の容量を有する。カートリッジ底部4は、第3のチャンバ3cの領域に、斜面状のステップを備える。カートリッジ1のこの非対称な構造は、カートリッジ1が、意図された位置でディスペンサ2に結合可能であるようにすると共に、ディスペンサ2又はブラケット54の対応する構造により、間違った位置への挿入が確実に防止されるようにすることを可能にする。
【0410】
図19に示すカートリッジの平面図は、カートリッジ1のチャンバを互いに分離する分離ウェブ9a、9bを示している。図18及び図19から理解されるそのカートリッジは、様々な方法で形成することができる。
【0411】
図20から推測されることができる第1の変形例において、カートリッジ1は、第1の槽状(トラフ状)カートリッジ要素7と、第2の蓋状又はプレート状のカートリッジ要素6とから形成されている。分離ウェブ9a、9bは、槽状カートリッジ要素7内に設けられており、そしてカートリッジ1の3つのチャンバを形成する。槽状カートリッジ要素7の底部4には、吐出オリフィス5a、5b、5cが、いずれの場合にも、カートリッジ1のチャンバの下に配置されている。
【0412】
図20から、更に、明かであるように、第3のチャンバ3cの領域におけるカートリッジの底部4は、第3の吐出オリフィス5cの方向に、そのチャンバ底部に傾斜をなす斜面状のステップを備える。このようにして、このチャンバ3c内にある調合剤は、常に吐出オリフィス5cの方向に運ばれ、それによって、チャンバ3cの良好な残留物排出特性が実現されることが保証される。
【0413】
カートリッジ1が組立てられると、槽状カートリッジ要素7と、蓋状カートリッジ要素とは、共通の接続縁8に沿って接合される。これは、例えば、溶接又は接着接合によって実現することができる。カートリッジ1が組立てられる際に、ウェブ9a、9bが、また、カートリッジ要素6に接合されることは言うまでもない。
【0414】
ここで、接続縁部8は、吐出オリフィス5a〜5cを通っていないため、特に、そのディスペンサに結合されている状態での、オリフィス5a〜5cの領域における漏れの問題は、回避される。
【0415】
そのカートリッジを具体化するための更なる変形例は、図21に示されている。第1のカートリッジ要素6は、ここでは、セル状構造から成っており、開いた底部を備える。独立して形成された底部4は、セル状カートリッジ要素6の底部で、そのオリフィス内に、第2のカートリッジ要素7として挿入され、そして、共通の接続縁部8に沿って、そこに接合されることができる。この変形例の利点は、セル状要素6を、プラスチックブロー成形法によって安価に製造できるという点にある。
【0416】
図22は、カートリッジ1、及び非結合状態におけるディスペンサ2、の更なる実施形態を示す。図21のカートリッジ1を、図22を参照して、より詳細に説明する。
【0417】
図22は、図21から理解されるカートリッジ1を斜視図で示している。吐出オリフィス5と、通気オリフィス81とは、カートリッジ底部4に交互に配列されている。吐出オリフィス5及び通気オリフィス81は、いずれの場合にも、カートリッジ1内のチャンバの各々のために設けられている。幅(B)は、カートリッジ1の奥行(T)よりも実質的に大きい。カートリッジ1の奥行(T)と幅(B)の比は、約1:20である。
【0418】
その吐出オリフィス及び通気オリフィスが配列されているカートリッジ底部4の領域は、周囲カラー99(図23を参照)によって包囲されている。このカラー99は、一方においては、その底部領域におけるカートリッジ1の構造的補強をもたらし、これにより、カートリッジ1をディスペンサ2に結合するべく、対応する圧力が底部領域4に作用したときに、特にカートリッジ1の挿入時に、底部領域4における変形を防止し、従って、カートリッジ1のディスペンサ2内への制御された確実な挿入を可能にする。
【0419】
また、上記カラー99は、その吐出オリフィス及び通気オリフィスの閉鎖に対する好ましくない機械的動作からの保護を提供する。図22及び図23から明らかなように、吐出オリフィス5及び通気オリフィス81は、カラー99に対して奥まっており、その結果、オリフィス5,81は、例えば、これらのオリフィスよりも大きい物体に直接さらされることから保護される。
【0420】
図23から更に明らかなように、吐出オリフィス5及び通気オリフィス81は、いずれの場合にも、カラー100を備える。吐出オリフィス5と通気オリフィス81とに境を接するこのカラー100は、カートリッジ1の底部領域4において、吐出オリフィス5と通気オリフィス81との構造的補強に役立ち得る。更に、カラー100は、吐出オリフィス5及び通気オリフィス81のための、例えば、ストッパ又は閉鎖蓋を閉じるための、閉鎖手段の取付けに役立ち得る。
【0421】
吐出オリフィス5と通気オリフィス81の一方のカラー100は、カラー99に対して奥まっており、その結果、カラー100は、カラー99の縁部を越えて突出しない。
【0422】
カートリッジ1が、そのZ−Z軸に関して、非対称構造になっていることは、図23から明らかである。この非対称性は、所定の方法でのみ、カートリッジ1が、ディスペンサ2と、特に、ディスペンサ2のインレットオリフィス21と、結合されることを保証する。このようにして、カートリッジ1とディスペンサ2との間で、機械的鍵の原理が実現され、これにより、カートリッジ1のディスペンサ2への結合時の間違った動作が防止される。
【0423】
カートリッジ1の非対称性は、とりわけ、底部4が2つの平面を具備し、第1の平面は、吐出オリフィス5及び通気オリフィス81を包囲するカラー99によって形成されており、また、第2の平面は、例えば、図22及び図23に明確に示されているように、斜面104によってカートリッジ上部10に向かって段状になっている底部部分であるという点でも実現されている。
【0424】
斜面104を起点として、オリフィス106を含む更なるカラー105は、その第2の平面の底部部分から延在している。オリフィス106は、ディスペンサ2上の対応する係合要素と共に、結合状態のカートリッジ1をディスペンサ2に固定するための取外し可能なラッチ接続をなす。
【0425】
図23は、更に、カートリッジ1の下方の底部の周囲縁部101を示している。カートリッジ1の周辺壁部102は、この縁部101から、その底部の方向に延在しており、この壁部は、カートリッジ1の内部の方向に奥まっており、その結果、縁部101と壁部102との間には、そのカートリッジの内部に向かって延在する肩部が形成されている。
【0426】
そのディスペンサ2は、周辺壁部102をディスペンサ2のカラー103内に案内できるように、構成されている。ここで、そのカートリッジ1とディスペンサ2とが結合されるとき、そのカートリッジの縁部101は、そのディスペンサのカラー103上に載り、その結果、ディスペンサ2のカラー103によって囲まれているスペースは、少なくとも水しぶきの浸入から守られる。ディスペンサ2のカラー103と、そのカートリッジの縁部101とは、また、特に、カートリッジ1とディスペンサ2とが結合されたときに、カラー103によって囲まれているそのディスペンサのスペース内への水の浸入が、カラー103に実質的にしっかりと載っている縁部101によって防止されるように、構成されることができる。
【0427】
更に、そのカートリッジの内側にオフセットされている壁部102は、そのディスペンサのカラー103と共に作用して、ディスペンサ2内への挿入時に、そのカートリッジのためのガイドをなす。
【0428】
カートリッジ1は、周囲接続縁部8で一緒にかみ合わせて溶接される、2つの要素から形成される。図24は、接続縁部8に沿って、蓋状要素が取外されている状態の図23から理解されるカートリッジ1を示しており、図24は、カートリッジ1の内部を示している。
【0429】
カートリッジ1は、2つの分離ウェブ9a、9bによって、3つのチャンバに細分化されていることが明かである。ここで、これらのチャンバの各々は、重力方向において、底部に吐出オリフィス5を備えている。
【0430】
分離ウェブ9の底部の端部には、そのカートリッジ内部で通気オリフィス81と境を接する通気チャンバ86が配置されている。当該通気チャンバ86は、一方においては、通気オリフィス81の領域内において、カートリッジ底部4の構造的補強に役立ち、その結果、カートリッジ1のディスペンサ2との結合時の変形が防止され、また、他方においては、通気オリフィス81と通気路82との接続に役立つ。特に、図24〜図26から明らかなように、通気チャンバ86は立方形である。この通気チャンバ86は、通気路82に連通的に接続されている(図24〜図26には図示されず)。
【0431】
図26は、結合状態のカートリッジ1とディスペンサとを、断面で示す。ディスペンサ2とカートリッジ1とが結合状態にある場合、ピン状インレット21が、カートリッジチャンバ3の内部に突出していることは明らかである。ここで、特に、ディスペンサ2のピン状インレット21は、そのカートリッジの吐出オリフィス5と液密な接続をなし、その結果、チャンバ3からの調合剤は、ピン状インレット21の内部を通って、ディスペンサ2にのみ入ることができるようになっている。また、図26から明らかなように、吐出オリフィス5a〜5cと、通気オリフィス81a〜81cとは、一列に位置しており、対応する通気オリフィス81a〜81cは、各吐出オリフィス5a〜5cに割当てられている。
【0432】
図27は、どのように、通気路が、2つのカートリッジ要素6,7を接続することによって形成されるかを概略的に示している。図27の上の部分において、2つのカートリッジ要素6,7は、互いに分離された状態で図示されている。カートリッジ要素7は、プレート状構造からなる。ここで、相対的に離間した2つのウェブ84、85が、カートリッジ要素7から垂直方向に延在している。ウェブ84、85は、図27の下の部分から明らかなように、カートリッジ要素6上に形成されているウェブ9を包囲するように、構成されている。この場合、その嵌め合い(フィット)は、ウェブ84、85の内側が、ウェブ9に対してそっと載るように、選択される。2つのウェブ84、85及びウェブ9は、カートリッジ要素6、7が組立て状態になったときに、通気路81を形成する。ウェブ84、85の端部は、特に、溶接により、ウェブ9に接合されることが、特に、有利である。ホットプレート及び/又はレーザ溶接は、この目的のために特に有利であることが分かっている。
【0433】
図28において、ディスペンサ2とカートリッジ1とは、非結合状態で図示されている。この図は、外部チャンバ3aの下のカートリッジ1内の凹み(indentation)97を示している。凹み97は、略半円構造からなり、底部近傍のその端部に、肩部94を備える。凹み97と肩部94とは、カートリッジ1とディスペンサ2との結合時に、カートリッジ1の旋回動によって、肩部94をディスペンサ2の凹部98に案内することがきるように構成されている。これは、例として、図29に示されている。そのディスペンサの凹部98と、そのカートリッジ上の肩部94と、の着脱可能な接続の結果として、カートリッジ1は、表示されている旋回動(矢印)により、カートリッジ1のディスペンサ2への結合時に、旋回可能に固定される。凹部98と肩部94との接続部周辺での旋回動による結合中に、吐出オリフィス5a、5b、5c及び通気オリフィス81の連続的な(順次的な、シーケンシャルな)開口又は結合が行われることは明らかである。先ず初めに、旋回によるカートリッジ1とディスペンサ2との初期の結合時に、関連する吐出オリフィス5a〜5cが貫通される前に、通気オリフィス81a〜81cが開口せしめられる。その旋回動の完了後、カートリッジ1及びディスペンサ2のスナップ式要素95及び96が、カートリッジ1を結合位置に固定する。そのスナップ式要素95、96は、そのラッチ接続がユーザにより外されることができるように、例えば、クリップ状のスナップ式要素96を一緒に押すことにより、そして凹部98と肩部94との間の接続部周りでの旋回運動を実施することにより、カートリッジ1とディスペンサ2とが、再度、互いに分離されることができるように、構成される。
【0434】
図30は、送信ユニット87と受信ユニット91とが一体化されている、分与チャンバ53を示している。このような分与チャンバ53は、組合せディスペンサ(combi dispenser)としても知られている。分与チャンバ53は、食器洗い機用洗剤のための、閉鎖時に結合される蓋による閉鎖可能な容器を含む。また、この分与チャンバ53は、図30及び図31の閉鎖蓋の右側に、円形クロージャによって示されている、すすぎ助剤のための容器を備えることも可能である。
【0435】
送信ユニット87は、発光手段がその食器洗い機の内部に放射するように、送信ユニット87内に配置される発光手段を備える。その発光手段は、特に、LED又はレーザダイオードであることができる。そのLEDは、送信ユニット87の面から突出するように配置され、その結果、そのLEDは、可能な限りの角度の放射を生じる。
【0436】
送信ユニット87は、そのLEDが、特に、食器洗い機ドア39が閉じられたときに、皿洗い機38の内部に信号を放射するために、また、動作状態、例えば、特に、食器洗い機のドア39が開いたときに、食器洗い機の塩又はすすぎ助剤の貯蔵コンテナの充填レベルを光学的に表示するために、設けられるように、構成されることができる。
【0437】
受信ユニット91は、好ましくは、その食器洗い機の内部からの光信号を検出するのに適しているフォトダイオードから成る。送信ユニット87と同様に、受信ユニット91のフォトダイオードは、そのフォトダイオードへの照射特性を可能な限り最適化するために、その受信ユニットの面から突出していてもよい。
【0438】
分与チャンバ53は、また、レセプタクル107を備えることが可能であり、この手段により、ディスペンサ2とカートリッジ1とから成る可動ディスペンサシステムは、分与チャンバ53に着脱可能に結合又は固定状態に結合されることができる。これは、図32に概略的に示されている。
【0439】
この変形実施形態において、分与チャンバ53は、食器洗い機ドア39に固定状態で一体化されている。ディスペンサ2は、分与チャンバ53の送信ユニット87からの信号を受信するのに適している受信ユニット91を備える。図32(B)から明らかなように、ディスペンサシステムと分与チャンバ53とが結合状態にある場合、そのディスペンサ上の受信ユニット91と、その分与チャンバ上の送信ユニット87とは、互いに、直接対向して位置しており、そのため、送信ユニット87と受信ユニット91との間の最小可能距離が実現する。
【0440】
レセプタクル107は、そのディスペンサシステムと、例えば、インターロッキング及び/又は摩擦的に着脱可能又は固定された接続、例えば、スナップ式/ラッチ接続をなすことができる。
【0441】
特に、食器類引出し内で、送信ユニット87が、食器洗い機38の内部に配置されたディスペンサ2とどのように相互に作用するかを、図33〜図36を参照して、以下に説明する。
【0442】
先ず初めに、図33について検討する。食器洗い機38は、概略断面図で示されている。食器洗い機38の内側には、洗浄されるべきアイテム、例えば、平皿、カップ等、を収容するための2つの食器類引出し41a、41bが、上下に配置されている。食器洗い機38は、図33において、閉じた状態で示されている旋回可能ドア39を有する。食器洗い機38の制御部に結合されている送信ユニット87は、食器洗い機ドア39に一体化されている。好ましくは、送信ユニット87は、図30、図31に従って、組合せディスペンサ53に一体化されている。
【0443】
送信ユニット87は、制御情報を有する光信号88を食器洗い機38の内部に放射するLEDを備える。この信号及びその方向は、図33に矢印で示されている。その矢印の破線は、送信ユニット87によって放射された光信号88が、フォトフラッシュ又は光パルスであることを示している。
【0444】
カートリッジ1を有するディスペンサ2は、下方の食器類引出し41b内に位置決めされている。カートリッジ1を有するディスペンサ2は、下方又は上方の食器類引出し41内のどの所望の適切な位置にも配置することが可能であることは言うまでもない。ここで、食器類引出し41の中又は上に設けられる平皿容器は、ディスペンサ2の配置にとって好ましい。
【0445】
ディスペンサ2は、図33には図示されていない受信ユニット91を有する。送信ユニット87によって放射された光信号88は、ディスペンサ2の受信ユニット91によって受信されて、ディスペンサ2の制御部によって評価され、又は変換される。
【0446】
特に、洗浄プログラムのスタート時に、光信号88を送信ユニット87によって放射することができる。この信号は、ディスペンサ2による受信後に、ディスペンサ2の制御、特に、分与回数(分注回数)及び分与量(分注量)の制御が、食器洗い機38の制御部に転送される、という効果を有する。これは、ディスペンサ2の制御部が、食器洗い機38の自律的な動作のためのそれ自体の分与プログラム(分注プログラム)を有しており、しかし、これらのプログラムが、存在している送信ユニット87からの対応する信号88の検出時に実行されない場合に、特に有利である。
【0447】
図34は、例えば、食器類引出し41b内のディスペンサ2が、送信ユニット87との信号88のやりとりが妨げられるように、洗浄されるべきアイテム(対象物)89a、89bによって囲まれているため、送信ユニット87からのどのような信号も受信することができない状況を示す。これは、例えば、洗浄されるべきアイテムが、皿洗いプログラムの進行中に、倒れかかるケースであり得る。
【0448】
信号88が、ディスペンサ2において受信されないか、又は遮断される、この場合において、ディスペンサ2の制御ユニットからの分与プログラムが起動され、その結果、ディスペンサ2は、食器洗い機38の制御部の自律的洗浄プログラムの間に、少なくとも1つの調合剤40を分与する。これは、信号の遮断が、洗浄プログラム中、食器洗い機38の内部への調合剤の未放出をもたらして、芳しくない洗浄パフォーマンスを生じる、という状況を防止する。これは、洗浄プログラムのスタート時、及び洗浄プログラムの間、の両方の状況に適用される。
【0449】
ディスペンサ2と送信ユニット87との間の信号遮断を識別するために、制御信号88が、固定された時間間隔で、又は、単に制御信号の直接送信時に、放射される間に、所定の固定された時間間隔で、送信ユニット87によって放射される付加的な監視信号(モニタリングシグナル)90が供給されてもよい。これは、例として、図35に示されている。送信ユニット87は、従来的に、食器洗い機38の電源接続によって作動するため、定期的な監視信号90の放射は、ディスペンサ2のエネルギ源に許容できない負荷をかけることはない。これは、監視信号90が、洗浄プログラムの間、単に、受信され、評価されるだけであるからである。
【0450】
図36に示すように、ディスペンサ2のエネルギ源が適切な寸法になっている場合に、監視信号90及び制御信号88の両方が、ディスペンサ2によって、食器洗い機38内の対応する受信ユニット91に送信されることも考えられることは言うまでもない。
【0451】
図35及び図36に従って、制御信号88及び監視信号90の送信モード及び受信モードは、互いに、又は並行して、重畳されることは、また、原理的に可能である。これは、監視信号90が、送信ユニット87によって放射され、分与ユニット2によって受信され、そして制御信号88が、その分与ユニットによって受信ユニット91に送信されることを意味する。
【0452】
本願発明の別の実施形態を図37に示す。図37は、光送受信ユニット111を有するディスペンサ2を示す。光送受信ユニット111の手段を用いて、制御信号88bを、その食器洗い機の受信ユニット91へ送信することができ、そして、制御信号88cを、その食器洗い機の送信ユニット87から受信することができる。その食器洗い機の受信ユニット91及びその食器洗い機の送信ユニット87は、好ましくは、図30、図31に示すように、組合せディスペンサに配置される。また、光送受信ユニット111からの光信号は、カートリッジ1内に、特に、導光部(ライトガイド)の形態をとるウェブ9内に、インカップルされることができ、及び/又はカートリッジ1からアウトカップルされることができ、そして、光送受信ユニット111によって受信されることができる。
【0453】
図38及び図39は、流動性の洗浄剤又は清浄剤のための上記ディスペンサシステムのディスペンサ2のためのアクチュエータ/閉鎖要素の組合せを示している。
【0454】
アクチュエータ18と閉鎖要素19とが、図示されている。閉鎖要素19が、開閉弁要素の形態をとり、そして、アクチュエータ18が、適当なパルスによって駆動され、2つの端部位置のうちの一方を所望の位置として採用し、更なる駆動を要することなく、到達したその端部位置を安定的に維持するように、構成され、そして、その組み合わせが、パルス制御の双安定開閉弁を形成する、ように構成される。
【0455】
対応する好適な実施形態によれば、アクチュエータ18が、電機子(接極子、armature)19’を収容するスペース19”と、上記スペース19”を取り囲む外側収容スペース18’と、を有する双安定ソレノイドの形態をとることは、両図面から明らかである。
【0456】
特に、図39は、その双安定ソレノイドの電機子19’が、閉鎖要素19を構成するか、若しくは、その閉鎖要素に結合される、特に好都合な実施形態を示している。この閉鎖要素19’は、ここでは、電機子19’の下端部における弁錐体(バルブコーン)として図示されている。この閉鎖要素19の弁錐体は、アクチュエータ18の底部における円錐弁座18”と関連している。図39は、右側に、アクチュエータ18に隣接して横方向に位置している、ここでは図示されていない分与チャンバ20のアウトレット22を示している。
【0457】
本願発明の特に好適な教示によれば、アクチュエータ18の外側収容スペース18’から、液密に、かつ好ましくは、気密に、隔離されるべき電機子19’を収容するアクチュエータ18内のスペース19”が設けられる。これは、アクチュエータ18の本質的で敏感な構成要素(コンポーネント)が、乾燥した領域内に配置されること、すなわち、それらの構成要素が、これらのスペースのこの密封のために、流動性の洗浄剤や清浄剤に接触できないようにすること、を保証する。
【0458】
電機子19’それ自体に対して、同様に、それ、つまり、どのような場合でも、その金属製の構成要素が、流動性の洗浄剤又は清浄剤と接触することを防止するための手段が、講じられるべきである。本願発明によれば、この目的ために、特に、少なくとも電機子19’の外面を、分与される洗浄剤又は清浄剤による化学作用の影響を受けにくい材料、特に、塑性材料、で構成する対策が、講じられている。
【0459】
図38は、双安定ソレノイドとして構成されたアクチュエータ18の断面図の概略図である。この図は、永久磁石57が、第1のコイル58と第2のコイル59との間に配置されている状態の、当該第1のコイル58及び第2のコイル59を示している。閉鎖要素19は、プランジャコアとして、円形コイル58、59及び円形永久磁石57内に収容されている。保持力は、永久磁石57の磁界と、磁化可能な閉鎖要素19と、の間の磁気リターンによって生成され、これにより、閉鎖要素19は、いずれの場合にも、保持点60、61によって定義(画定)される位置に固定されることができる。
【0460】
閉鎖要素19は、永久磁石57の磁界に、いずれの場合にも、適切な極性を有するコイル58、59の一方の電気的に生成された磁界を重ね合わせることにより、コイル58、59のパルス励磁によって、保持点60及び61に移動せしめられることができる。コイル58に電圧が与えられると、例えば、永久磁石57と閉鎖要素19との間の磁気リターンの遮断が生じ、その結果、閉鎖要素19は、順次、保持点60から保持点61に向かって、コイル58の磁界内に移動せしめられる。これは、図38の下の部分から明らかである。コイル59の対応するパルス通電がもたらされると、閉鎖要素19は、保持点61から、始動位置である保持点60に戻る。
【0461】
図39に示される、更に好適で例示的な実施形態は、多少異なるデザインを有している。その中で、永久磁石57’、57”が、電機子19’内の軸方向端部に、軸方向に互いに逆極性を有して配置され、強磁性材料、特に鉄から成るヨークリング57’’’が、コイル巻線58が上記ヨークリング間に設けられた状態で、外側収容スペース18’の両軸方向端部に配置されている。永久磁石57’、57”は、軸方向において、互いに逆極性を有して配置されている。図示されている例示的な実施形態においては、いずれの場合にも、N極は、軸方向外側に配置されており、S極は、軸方向内側に配置されている。その配置は、正確に、逆であってもよい。電機子19’が、その端部位置の一方、例えば、図31aに示す通過位置、に達すると、アクチュエータ18のこの位置は、コイル巻線58が励磁されることなく、それ自体安定になる。バッテリを保護するために、コイル巻線58は、切替プロセスが行われるときにのみ、印加される(電圧が加えられる)。これにより、エネルギ源15の耐用年数が、かなり長くなる。
【0462】
永久磁石57’、57”が組込まれている、全体がプラスチックで形成された電機子19’は、従来的な洗浄剤及び清浄剤に対して、永久的な耐性を有する。
【0463】
コイル巻線58及びヨークリング57’’’は、外側収容スペース18’内に位置しており、従って、乾燥した領域内に配置されている。
【0464】
コイル巻線58が正しい電流方向で印加されると、アクチュエータ18の切替え、すなわち、電機子19’のその他方の端部位置(図39の保持点60の上部、保持点61の底部)へのパルス変位、が行われる。
【0465】
図39に図示されているのとは異なり、コイル巻線58と共に、永久磁石57を外部に設け、塑性材料中に埋込まれた電機子19’上にヨークリング57’’’又は他のヨーク部材を配置することも可能である。いずれの場合にも、その磁気回路が閉じられることが重要である。
【0466】
以下に、分与チャンバ20の動作のモードを、図40〜図43を参照して、詳細に説明する。図40は、カートリッジ1に結合されたディスペンサ2を示す。調合剤40は、カートリッジ1から分与チャンバインレット21を通って、分与チャンバ20に流入することができる。分与チャンバ20は、L字状断面からなり、双安定ソレノイド弁の形態をとるアクチュエータ18が、L字状の分与チャンバ20の短い脚部の上に位置決めされている。閉鎖要素19は、ディスペンサ2が閉塞位置にあるときに、分与チャンバアウトレット22を閉じる。L字状分与チャンバ20は、ダイヤフラム93によって2つの部分に細分化されており、図40〜図43から明らかなように、下方の部分は、実質的に水平になっており、上方の部分は、実質的に垂直になっている。分与チャンバ20の上方の垂直部分の内部において、すなわち、重力方向のダイヤフラム93の上には、フロート92が設けられており、その密度は、分与チャンバ20がそれで充填される調合剤40の密度よりも低く、これにより、フロート92は、重力の方向とは反対の浮力を呈するようになっている。これは、図40において、矢印で示されている。
【0467】
フロート92は、閉鎖部材の形態をとっていないものの、閉鎖要素19の開動作時に、分与チャンバインレット21と分与チャンバアウトレット22との間のずれ(slippage)を最小化して、分与精度を決定する、緩慢な絞り弁(スロットル)として機能する。そのフロートは、端部位置にある分与チャンバインレット21及びダイヤフラム93を封鎖しないが、その端部位置において、フロート92の周りを、及び/又はそのフロートを通り抜けて、流れることを可能にするように、構成されている。
【0468】
フロート92及び分与チャンバ20は、調合剤40が、フロート92の周り及び/又はそのフロートを通り抜けて分与チャンバ20に流入できるように、構成されている。
【0469】
そして、閉鎖要素19がアクチュエータ18によって、放出位置(図41)に移動せしめられ、これにより、分与チャンバアウトレット22が開かれ、矢印で示されているように調合剤40が周囲環境に放出されると、フロート92は、図42に図示されているように最終的にダイヤフラム93に載るまで、分与チャンバ93から流出する調合剤40と共に、ダイヤフラム93へ向かう調合剤40のフロー方向へ移動する。
【0470】
図43に示すように、閉鎖要素19が、アクチュエータ18によって閉鎖位置に戻され、そして分与チャンバアウトレット22へ向かう調合剤の流れが止まると、フロート92は、再び、図40に示す始動位置に達するまで、調合剤40内でのその浮力により、重力方向とは逆に分与チャンバ20内を分与チャンバインレット21に向かって移動する。
【0471】
図44〜図51において、皿洗い機38の食器類引出し41内に本願発明に係るディスペンサシステムを取付け又は固定するための様々な可能性につき、詳細に説明する。
【0472】
図44は、食器類引出し41の平皿レセプタクル内でカートリッジ1と結合されているディスペンサ2を示している。従来的に格子状構造から成る食器類引出し41は、ディスペンサ2の固定手段108が係合する支柱109を備える。これは、例えば、食器類引出し41が、皿洗い機38から引出される際、又はその皿洗い機内に押込まれる際に、ディスペンサ2の横方向の滑りを防ぐ。図45は、ディスペンサ2の可能な実施形態を示しており、ここで、固定手段108は、ディスペンサ2の底部において、弓状の凹部の形態をとっている。固定手段108は、横方向の滑りを防ぐために、平皿レセプタクルの支柱に係合するか、又は、それらの支柱を少なくとも部分的に包み込むことも考えられる。これは図46に図示されており、固定手段108は、ディスペンサ2の前方及び/又は後方の壁部において、溝状の凹部の形態をとる。
【0473】
更に、固定手段108は、図47に示すように、ディスペンサ2の底部面から突出するウェブの形をとることが可能である。また、そのディスペンサの分与チャンバアウトレット22は、固定手段108を構成するように、ディスペンサ2の底部面から突出できるようにすることも考えられる。
【0474】
ディスペンサ2の底部の輪郭は、図49に示すように、V字状にすることも可能であり、これにより、V字状ディスペンサ2の先端部は、隣接する2つの食器類引出し支柱109の間に係合することができる。これにより、横方向の滑りに抗する固定手段108が形成される。
【0475】
固定手段の更なる実施形態を図50に示す。ディスペンサ2の底部の輪郭は、鋸歯状の凹部を含み、この場合、食器類引出し41の支柱109は、固定手段108に係合して、食器類引出し41内でディスペンサ2の横方向の滑りに抗するその固定手段を形成することができる。
【0476】
図51に示すように、ディスペンサ2の底部の輪郭を波状に形成して、固定手段108を形成することも考えられる。
【0477】
図52は、カートリッジ1とディスペンサ2とから成るディスペンサシステムの必須の構成要素の分解組立図である。
【0478】
図52から推測できるように、カートリッジ1は、既に図20から理解される2つのカートリッジ要素6、7で構成されている。ディスペンサ2は、実質的に、コンポーネントキャリア23とブラケット54とから成り、コンポーネントキャリア23は、ブラケット54に挿入されることができる。組立てられた状態で、ブラケット54は、好ましくは、水がコンポーネントキャリア23内に浸入するのを防止するように、コンポーネントキャリア23を包囲する。
【0479】
図53は、ディスペンサ2のコンポーネントキャリア23の実施形態の側面図を示しており、以下、これについて、詳細に説明する。
【0480】
分与チャンバ20、アクチュエータ18及び閉鎖要素19は、エネルギ源15、制御ユニット16及びセンサユニット17と共にコンポーネントキャリア23上に配置されている。分与チャンバ20、事前分与チャンバ(前もって分注するチャンバ、predispensing chamber)26、分与チャンバインレット21及びレセプタクル29は、コンポーネントキャリア23と共に、単一部材(シングルパート)で形成されている。
【0481】
図53からも推測できるように、エネルギ源15、制御ユニット16及びセンサユニット17は、これらを対応する基板上に配置することにより、アセンブリ(集合状態)で、結合されている。
【0482】
図54に示すように、上記事前分与チャンバ26及びアクチュエータ18は、コンポーネントキャリア23上に、実質的に互いに隣接して配置されている。この事前分与チャンバ26は、下方領域に肩部を備えるL字状の底部形状を有し、その中に、アクチュエータ18用のレセプタクル29が取付けられる。吐出チャンバ27は、事前分与チャンバ26及びアクチュエータ18の下に配置されている。事前分与チャンバ26及び吐出チャンバ27は、共に、分与チャンバ20を構成する。
【0483】
上記事前分与チャンバ26及び吐出チャンバ27は、オリフィス34によって、互いに接続される。レセプタクル29、オリフィス34及び分与チャンバアウトレット22は、コンポーネントキャリア23の長手方向軸に直角に、一列に、位置しており、これにより、ロッド状閉鎖要素19が、オリフィス22,29,34を通して、案内されることができるようになっている。
【0484】
特に、図55から明らかなように、事前分与チャンバ26及び吐出チャンバ27の後方壁部は、コンポーネントキャリア23と一体化して形成されている。そのため、前方の壁部は、例えば、カバー要素又は膜/箔(図示せず)により、分与チャンバ20に接合されることができる。
【0485】
図54の詳細図を参照して、分与チャンバ20の構造を、より詳しく説明する。この図は、底部62を有する吐出チャンバ27を示している。底部62は、吐出チャンバ27の中央に配置された分与チャンバアウトレット22に向かってじょうご状に傾斜している。分与チャンバアウトレット22は、溝63内に位置しており、その溝は、吐出チャンバ27内で、コンポーネントキャリア23の長手方向軸に対して直角に延在している。じょうご状の底部62、溝(チャネル)63及びその溝内に設けられた吐出オリフィス22は、そのディスペンサが水平以外の位置にある場合に、分与チャンバ20からの調合剤の分与及び実質的に完全な残留物排出を確実なものとする。更に、対応するじょうご状の底部の結果として、その調合剤は、特に、比較的高い粘性の調合剤の場合に、その分与チャンバから迅速に流出し、その結果、調合剤が放出される分与期間(分注期間)を短く保つことができる。
【0486】
図54においては、中間分与チャンバ20のみに、上述したタイプのじょうご状底部が設けられている。この描写とは対照的に、更なる又は全ての分与チャンバを、そのように形成してもよいことは、言うまでもない。これは、事前分与チャンバ26及び吐出チャンバ27が設けられている場合には、それらにも当てはまる。
【0487】
コンポーネントキャリア23上のアクチュエータ18、閉鎖要素19及びシール36の構成を、図55の分解組立図を参照して、詳細に説明する。この図は、互いに隣接して配置された3つの分与チャンバ20を有するコンポーネントキャリア23を示している。一番右のアクチュエータ18c上の分与チャンバにおいては、閉鎖要素19c及びシール36cは、コンポーネントキャリア23上に組立てられた状態で図示されている。その中間分与チャンバについて、シール36b及び閉鎖要素19bは、その分与チャンバ内に組立てられた状態で図示されており、一方、アクチュエータ18bは、閉鎖要素19bから取外されている。左側の分与チャンバ20aの上には、シール36a、閉鎖要素19a及びアクチュエータ18aが、分解組立図として、示されている。
【0488】
分与チャンバ20、事前分与チャンバ26、分与チャンバインレット21及びアクチュエータ18用のレセプタクル29は、コンポーネントキャリア23と一体構造になっている。事前分与チャンバ26は、分与チャンバ20の上に、L字状に配置されている。ここで、アクチュエータ18用のレセプタクルは、コンポーネントキャリア23の底部と平行に延在する上記事前分与チャンバの脚部に配置されている。分与チャンバ20及び事前分与チャンバ26は、オリフィス34によって、一緒に接続されている。レセプタクル29、オリフィス34及び分与チャンバアウトレット22は、コンポーネントキャリア23の長手方向軸に対して直角に延在する軸上に位置している。
【0489】
シール36は、上部が、板状末端ピースによって閉じられている、実質的に中空の円筒形構造を有している。弾性シール36は、その板状末端ピースが、内側で分与チャンバアウトレット22に付勢し、シール36の側面がオリフィス34に当接する板状末端部から離れた状態で、付勢するように、分与チャンバ20内に配置されることができる。円筒形閉鎖要素19の第1の端部は、中空の円筒形シール36に嵌合するように、そしてインターロッキング摩擦及び/又は接合によってそこに固定されることができるように、構成されている。閉鎖要素19は、それが、オリフィス34と、レセプタクル29のオリフィスとを通過することができるように寸法構成されると共に、それが、閉鎖要素19がコンポーネントキャリア23から下方に滑り落ちる(スリップする)ことができないように分与チャンバアウトレット22に当接するように寸法構成される。
【0490】
上記閉鎖要素19は、レセプタクル29からの一方の端部をもって、突出する。この端部は、双安定電磁石として構成されているアクチュエータ18に挿入されて、電機子(armature)として機能する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、ユーザが、食器洗い機の内部に配置するディスペンサシステム(1,2)であって、
いずれの場合にも、洗浄剤又は清浄剤の異なる調合剤の空間的に独立した収容のための複数のチャンバ(3a,3b,3c)を有する、流動性の洗浄剤又は清浄剤のための少なくとも1つのカートリッジ(1)と、
該カートリッジ(1)に結合可能なディスペンサ(2)であって、
少なくとも1つのエネルギ源(15)と、
制御ユニット(16)と、
センサユニット(17)と、
制御ユニット(16)からの制御信号が、アクチュエータ(18)の動きをもたらすように、エネルギ源(15)と制御ユニット(16)とに接続されている少なくとも1つのアクチュエータ(18)と、
アクチュエータ(18)に結合されている閉鎖要素(19)であって、アクチュエータ(18)の動きが閉鎖要素(19)を閉鎖位置又は放出位置に変位させるように、アクチュエータ(18)に結合されている閉鎖要素(19)と、
カートリッジ(1)とディスペンサ(2)とが組立てられたときに、カートリッジチャンバ(3a,3b,3c)の少なくとも1つと連通的に接続される少なくとも1つの分注チャンバ(20)と、を有する、ディスペンサ(2)と、を備え、
上記分注チャンバ(20)は、カートリッジチャンバ(3a,3b,3c)からの洗浄剤又は清浄剤の流入のためのインレット(21)と、分注チャンバ(20)から周囲環境への洗浄剤又は清浄剤の流出のためのアウトレット(22)とを備え、
上記分注チャンバ(20)の少なくとも上記アウトレット(22)は、閉鎖要素(19)によって、開閉可能である、ディスペンサシステム。
【請求項2】
上記ディスペンサ(2)は、信号及び/又は電気エネルギが上記食器洗い機からディスペンサに伝送されるように、上記食器洗い機の中又は上にある対応するインタフェースと相互に作用する、少なくとも1つの第1のインタフェースを備える、請求項1又は2記載のディスペンサシステム。
【請求項3】
特に、上記ディスペンサ及び/又は食器洗い機の動作状態、測定値及び/又は制御情報を表す電磁信号、特に、可視領域の光、を送信するための少なくとも1つのインタフェースが、いずれの場合にも、上記ディスペンサ及び上記食器洗い機に備えられている、請求項2記載のディスペンサシステム。
【請求項4】
上記インタフェースは、特に、可視領域の、好ましくは、600〜800nmの波長領域にある、光信号を放射及び/又は受信するために構成されている、請求項3記載のディスペンサシステム。
【請求項5】
光信号は、1ミリ秒〜10秒、好ましくは、5ミリ秒〜100ミリ秒、のパルス持続時間を有する、一つの信号パルス若しくは一連の信号パルスとして構成される、請求項3又は4記載のディスペンサシステム。
【請求項6】
上記アクチュエータ/クロージャの組合せは、上記閉鎖要素(19)が開閉弁要素の形態をとるように構成され、上記アクチュエータ(18)は、適切なパルスによって駆動されて、2つの端部位置のうちの所望の一方を選び、更なる駆動なしに該アクチュエータが到達した上記端部位置を安定的に維持するように構成され、これにより、上記組合せは、パルス制御される双安定開閉弁をなす、請求項1〜5のいずれか1項に記載のディスペンサシステム。
【請求項7】
上記ディスペンサ(2)の底部には、少なくとも1つのセンサユニット(17)が配置されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のディスペンサシステム。
【請求項8】
特に請求項1記載のディスペンサシステムに使用される、流動性の洗浄剤又は清浄剤用のカートリッジ(1)であって、
いずれの場合にも、流動性の洗浄剤又は清浄剤からなる異なる調合剤の空間的に独立した収容のための、複数の、特に3つの、チャンバ(3a,3b,3c)と、
稼働位置において、重力の方向で下方に向いているカートリッジ底部(4)と、
いずれの場合にも、上記カートリッジ底部(4)に配置された少なくとも1つの放出オリフィス(5a,5b,5c)を有する少なくとも2つのチャンバ(3a,3b,3c)と、を備える、カートリッジ。
【請求項9】
上記カートリッジ(1)の中又は上に、少なくとも1つの導光部が配置され、該光部内に、光信号が、カートリッジ(1)の外部からインカップルされることができるようになっている、請求項8記載のカートリッジ。
【請求項10】
上記カートリッジは、重力の方向における上記底部に、少なくとも1つのチャンバの通気のための、少なくとも1つの通気オリフィスを備え、
該通気オリフィスは、上記放出オリフィスからは独立しており、
上記通気オリフィスは、該通気オリフィスから離れている通気チャネルの端部がカートリッジの最大充填レベルより上で上記ディスペンサに結合されたカートリッジの放出位置で開くように、通気チャネルを介して少なくとも1つのカートリッジチャンバと連通的に接続されている、請求項8又9記載のカートリッジ。
【請求項11】
特に請求項1記載のディスペンサシステムと共に使用される、組合せディスペンサ(53)であって、
上記食器洗い機に対して取外し不可能に接続されており、
上記食器洗い機の内部に信号を無線送信するための、又は、上記食器洗い機の内部からの信号を無線受信するための、少なくとも1つの送信ユニット(87)及び/又は少なくとも1つの受信ユニット(91)を備え、
上記送信ユニット(87)及び/又は上記受信ユニット(91)は、特に、可視領域の、好ましくは、600〜800nmの波長領域の、光信号を放射又は受信するために、構成されている、組合せディスペンサ。
【請求項12】
請求項11記載の組合せディスペンサ(53)及び/又は請求項1〜7のいずれか1項に記載のディスペンサシステムを備える、食器洗い機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32(A)】
image rotate

【図32(B)】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

【図53】
image rotate

【図54】
image rotate

【図55】
image rotate


【公表番号】特表2011−527918(P2011−527918A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517801(P2011−517801)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005107
【国際公開番号】WO2010/006761
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】