説明

食用微生物の休眠状態のヒト生理活性物質の利用

【課題】食用微生物の胞子を取得し、さらに胞子に含まれるペプチド性物質を分画して、その生理作用を利用する方法を提供すること。
【解決手段】バチルス・サブチルス(DB9011株を除く)、バチルス・ナットー、クモノスカビ、又は鹿角霊芝などの食用微生物を培養し、産出する内生胞子、外生胞子を得る。それらを単独又は混合して、あるいはアミラーゼ、ペプシン、リパーゼ等の酵素により処理して、ケモカイン様作用等の免疫学的作用のあるペプチド性分画を取得し、食品、薬剤、化粧剤及び養毛剤などとして利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、古来よりヒトが食用として利用してきた、例えば、枯草菌やキノコ類のカビ菌などの食用微生物の利用に関し、より詳細には、枯草菌の一種である、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)、バチルス・ナットー(Bacillus natto)菌種、クモノスカビ種、又は鹿角霊芝類から産出された内生胞子(芽胞)や外生胞子の粗分画を抽出精製する製造方法に関し、さらに抽出精製された粗分画をヒトに対する生理活性物質として使用する、食品、薬剤、化粧剤及び養毛剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医食同源の観点などから、効果的な食品の知識に基づいた選択が行われ、それを利用した食品、医薬品等の開発が成されてきた。一方、古くから、伝統的な食品として、例えば、日本では納豆、欧州ではヨーグルトなど、ヒトに無害の微生物を利用した食品を摂取することで、健康維持に役立ててきた。例えば、ヒトの腸内細菌叢は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3種から成り、善玉菌が優勢でなくなるとヒトは体調を崩し、悪玉菌が優勢となる環境で日和見菌が悪玉菌同等の働きをして健康を阻害すると考えられてきている。
【0003】
従来、食用微生物を健康や傷病の解決策としてヒトが利用する方法として以下の3つの方法が知られている。第一に、プロバイオティクスと称して微生物を生きたまま腸内まで到達させることにより、腸管粘膜で、マクロファージなどのヒト細胞と相互作用よる方法である。第二に、プレバイオティクスと称して、腸内細菌のエサとなる食品等と腸内細菌を同時に与える方法である。第三に、食用微生物による発酵などの処理によって食品等を人体に吸収しやすい方法で与える方法である。総合的な見地からすると、これらの方法は、食用微生物を様々な形態で人体と相互作用させるため、食用微生物の機能を余すことなく利用できるように考えられる。しかしながら、近年、微生物の多くは通常の増殖形態、つまり、栄養体と呼ばれる細胞分裂を繰り返す、いわゆる「生菌」の状態では、その微生物自体が持つ染色体遺伝子の全情報のごく一部、多くは概ね3割程度を使っているにすぎないことが明らかとなってきた。つまり、食用微生物が生命活動において必要とする情報の三分の一しか利用できていないことを意味している。したがって、食用微生物の遺伝子の全情報を有効に利用する方法があれば、さらに大きな効果をヒトが生理活性物質として利用できると考えられる。
【0004】
また一方で、ヒトの生理状態は健康から外れた場合、未病や傷病と呼ばれる健康障害状態となる。この状態は、古くは漢方などの伝統医療、最近になって、統合医療や代替医療、補完医療などといった領域の研究が進むにつれて、環境の変化や食生活を始めとした外界からの積極的な刺激の制御を行うことで、時として、医薬品などの助けを受けながら、正常な生理状態に戻す手段により、多くの解決が得られることが明らかになりつつある。これを考察すると、ヒトの生理状態の維持や改善に必要なシグナル伝達物質の需給バランスや補給が結果的に生理状態を正常化していると考えられる。つまり、可能な限りの生理活性物質を、効率よくヒトに摂取させることができれば、最近の統合医療や代替医療の手段として、また、日頃の健康管理などの手段として有用であると考えられる。
【0005】
さらに、より詳しくこれらの生理活性物質を考察してみると、最近の研究によって、ペプチド性生理活性物質にはホルモンとサイトカインと呼ばれる二つのペプチド性生理活性物質の二つのグループがあることが明らかになった。このうち、ホルモンは分泌が局在化または代表化しており、ホルモン異常による様々な健康障害状態については、ホルモンの投与のみならず、分泌器官の改善などの方法も用いられている。一方、サイトカインについては、機能の重複性(リダンダンシー)や機能の多様性(プレイオトロピー)のため、極めて複雑であり、全体像はまだまだ今後の研究を待つ必要がある領域である。また、特にサイトカインの中で、より低分子のケモカインといわれるグループについては、高分子のタンパク質などが種の特異的な機能を担うことなどから種特異的であるのに対して、低分子であることから、様々な生物でも共通的に利用されている可能性は高い。しかしながら、特に、ヒトという生物は、例えば、免疫系や神経系をとっても様々な種の中で、獲得免疫系が極めて発達していたり、大脳が発達して複雑な神経ネットワークを形成していたりするため、動物実験のような系で類推される系とは大きく作用機序が異なる可能性が高い。しかし、必要とするシグナル伝達物質を十分に与えることができれば健康障害状態を改善する可能性がある。
【0006】
これまで、生理活性物質の取得という目的で、生活常在菌で食用微生物として利用されているものを積極的に収集して与えるような方法は知られていなかった。また、最近の分子生物学などの発展により、例えば、食用微生物のシグナル伝達物質を効率よく与えるなどの目的において、生理活性物質の中のサイトカイン系に着眼したシグナル伝達物質の大量投与に基づく菌類の利用法は余り知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は上述に鑑みてなされたものであり、食用微生物のシグナル伝達物質を効率よく利用する方法を提供することを目的とする。より詳細には、従来、食用微生物として利用されてきた菌類を増殖させた後に、内生胞子及び/又は外生胞子を形成させて、選択的に胞子を抽出精製(収集)することを目的とする。また、本発明の目的は、上記胞子を酵素分解処理して得られる分子量3万以下のペプチド性分画を製造することを目的とし、胞子の種類の組み合わせ、並びに胞子から得られたペプチド性分画に含有される生理活性物質を利用して食品、薬剤、化粧剤及び育毛剤を製造することを目的とする。さらに、これら胞子をオリゴ糖類に代表されるプレバイオティクス材料と混合して与えることにより、腸内細菌叢を善玉菌・悪玉菌・日和見菌のいずれでもない生活常在菌でヒトに無害な菌を与えることにより刺激して、より迅速に腸内細菌叢を正常化する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、食用微生物として日常的に利用されているバチルス・サブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)、バチルス・ナットー菌種、クモノスカビ種、又は鹿角霊芝類から産出された内生胞子、外生胞子を単独又は混合して、あるいはそれら内生胞子又は外生胞子を酵素分解処理して生成したペプチド性分画によって上記課題が解決できることを見出して、本件発明を完成させたものである。
【0009】
即ち、バチルス・サブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)又はバチルス・ナットー菌種を固体又は液体培養し、
該バチルス・サブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)又はバチルス・ナットー菌種の培養液から、内生胞子を抽出精製することを特徴とする内生胞子の製造方法によって達成される。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、バチルス・サブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)又はバチルス・ナットー菌種を固体又は液体培養し、抽出精製することによって、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用などの生理活性を亢進できる内生胞子の製造方法を提供できる。
【0011】
請求項2にかかる発明は、クモノスカビ種を固体又は液体培養し、
該クモノスカビ種の培養液から、内生胞子又は外生胞子を抽出精製することを特徴とする内生胞子又は外生胞子の製造方法によって達成される。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、クモノスカビ種を固体又は液体培養し、抽出精製することによって、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用などの生理活性を亢進できる内生胞子又は外生胞子の製造方法を提供できる。
【0013】
請求項3にかかる発明は、鹿角霊芝を固体又は液体培養し、
該鹿角霊芝の培養液から、外生胞子を抽出精製することを特徴とする外生胞子の製造方法によって達成される。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、鹿角霊芝を固体又は液体培養し、抽出精製することによって、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用などの生理活性を亢進できる内生胞子又は外生胞子の製造方法を提供できる。
【0015】
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項記載の製造方法によって得られた内生胞子又は外生胞子によって達成される。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、バチルス・サブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)、バチルス・ナットー菌種、クモノスカビ種、又は鹿角霊芝類から、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用などの生理活性を亢進できる内生胞子又は外生胞子が提供できる。
【0017】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子をアミラーゼ、ペプシン、リパーゼによって酵素分解処理して分子量3万以下のペプチド性分画を得ることを特徴とするペプチド性分画の製造方法によって達成される。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、内生胞子又は外生胞子をアミラーゼ、ペプシン、リパーゼによって酵素分解処理することによって、生理活性物質を利用できる分子量3万以下のペプチド性分画の製造方法を提供できる。
【0019】
請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の製造方法によって得られたペプチド性分画によって達成される。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、例えば、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用などの生理活性を亢進できる分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0021】
請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の発明において、前記ペプチド性分画は、分子量1万以下のケモカイン様物質を含有することを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、G蛋白結合能を有するか、又はインターロイキンファミリーのサブユニットとして、若しくはインターロイキンファミリーへの結合能を有するペプチド性分画を提供できる。
【0023】
請求項8にかかる発明は、請求項6に記載の発明において、前記ペプチド性分画は、インターロイキン17ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を有することを特徴とする。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用などの生理活性を亢進できる分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0025】
請求項9にかかる発明は、請求項6に記載の発明において、前記ペプチド性分画は、インターロイキン2ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を有することを特徴とする。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、歯周病などの炎症反応の抑制などの生理活性を亢進できる分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0027】
請求項10にかかる発明は、請求項6に記載の発明において、前記ペプチド性分画は、インターロイキン4産生を亢進する粗分画又は精製分画を有することを特徴とする。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、免疫系の調節などの生理活性を亢進できる分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0029】
請求項11にかかる発明は、請求項7に記載の発明において、前記分子量1万以下のケモカイン様物質は、神経伝達物質として、ドーパミンレセプターへの結合能を有するか又はドーパミン分泌を亢進する粗分画又は精製分画を有することを特徴とする。
【0030】
請求項11に記載の発明によれば、パーキンソン病の症状の改善に効果のある分子量1万以下のケモカイン様物質を含有する分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0031】
請求項12にかかる発明は、請求項8に記載の発明において、インターロイキン27若しくはインターロイキン29に拮抗するか又は結合能を有して、Th1活性を亢進するか又はTh2活性を抑制することを特徴とする。
【0032】
請求項12に記載の発明によれば、花粉症の諸症状の改善に効果のあるインターロイキン17ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を含有する分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0033】
請求項13にかかる発明は、請求項9に記載の発明において、インターロイキン2レセプターに拮抗するか、インターロイキン2ファミリーに結合能を有することを特徴とする。
【0034】
請求項13に記載の発明によれば、インターロイキン2レセプターへの結合を抑制するインターロイキン2ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を含有する分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0035】
請求項14にかかる発明は、請求項6に記載の発明において、ヒスタミンレセプターに拮抗するか、又は該ヒスタミンに結合して、ヒスタミン結合体を形成して、該ヒスタミンの該ヒスタミンレセプターへの結合を阻害することを特徴とする。
【0036】
請求項14に記載の発明によれば、抗ヒスタミン剤を使用しなくても花粉症などのアレルギー反応による諸症状が抑制できる分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0037】
請求項15にかかる発明は、請求項6又は7に記載の発明において、前記Th1活性を亢進するか、インターロイキン12レセプターβ1産生を亢進することを特徴とする。
【0038】
請求項15に記載の発明によれば、生理活性物質を利用できる分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0039】
請求項16にかかる発明は、請求項15に記載の発明において、DLST陽性又はNK/NKT細胞活性の増大が得られることを特徴とする。
【0040】
請求項16に記載の発明によれば、免疫機能の調節などの生理活性物質を利用できる分子量3万以下のペプチド性分画を提供できる。
【0041】
請求項17にかかる発明は、請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは請求項6乃至16のいずれか一項に記載のペプチド性分画を含有する食品によって達成される。
【0042】
請求項17に記載の発明によれば、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用などの生理活性を亢進できる内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは分子量3万以下のペプチド性分画を含有する食品を提供できる。
【0043】
請求項18にかかる発明は、請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは請求項6乃至16のいずれか一項に記載のペプチド性分画を含有する薬剤によって達成される。
【0044】
請求項18に記載の発明によれば、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用などの生理活性を亢進できる内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは分子量3万以下のペプチド性分画を含有する薬剤を提供できる。
【0045】
請求項19にかかる発明は、請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは請求項6乃至16のいずれか一項に記載のペプチド性分画を含有する化粧剤によって達成される。
【0046】
請求項19に記載の発明によれば、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用などの生理活性を亢進できる内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは分子量3万以下のペプチド性分画を含有する化粧剤を提供できる。
【0047】
請求項20にかかる発明は、請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは請求項6乃至16のいずれか一項に記載のペプチド性分画を含有する養毛剤によって達成される。
【0048】
請求項20に記載の発明によれば、ホルモンの働きによって乱されたサイトカイン系に対して、食用微生物が有するサイトカイン系の十分なサブユニットの供給を行うように生理活性物質を利用できる内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは分子量3万以下のペプチド性分画を含有する養毛剤を提供できる。
【発明の効果】
【0049】
本発明によると、従来、伝統食品などを経由しては得られない、胞子のみを収集したことにより実現されるシグナル伝達物質の大量投与により、サイトカイン系の機能の重複性や機能の多様性に基づいて、健康障害状態の改善または健康維持を目的とした、ヒトの生理状態を著しく改善する方法が実現される。例えば、胞子を抽出精製されたペプチド性分画をヒトに対する生理活性物質として効果的に摂取するように、食品、薬剤、化粧剤や養毛剤が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明の最良の実施形態について詳細に説明する。
【0051】
通常今まで、食用微生物は、栄養体の増殖活動を利用した発酵作用などの結果得られる、栄養体と代謝物の混合物、または、食用微生物を増殖させて収集してフリーズドライ法やスプレードライ法などにより、粉末にして、適当な調整法によって与えられてきた。本発明では、食用微生物の培養後に、適当な環境で胞子形成を行わせ、胞子のみを取り出して収集して与えることが従来法とは大きく異なる。一般に栄養体や菌糸などの形態ではその食用微生物の持つ遺伝子情報のごく一部しか利用されていないのに対して、胞子形成時には遺伝子情報の大半が用いられるため、胞子内には生命活動に必要なシグナル伝達物質が大量に含まれていると類推される。結果的に、この胞子類のみを選択的に収集してヒトに与えることにより、従来、同種の食品などによって得られていた、サイトカイン系の調整、増進、抑制などの機能はより効果的に得られることになる。
【0052】
バチルス属のサブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)、ナットー菌種の場合、伝統的に納豆という形態などで、ヒトは利用可能な機能であるが、胞子を集めて与えることにより、一度に納豆を数キログラム以上摂取しなければならない程度の効果が得られる。つまり、10万個以上の胞子を一度に摂取することにより、サイトカイン系が大きな役割を果たしている炎症性疾患及び炎症を伴う疾患、加えて、インターロイキン2が関与する出血性疾患について改善が見られる。さらに、神経系についても十分に大量のシグナル伝達物質の投与により、ドーパミン分泌異常などの疾患に改善が見られる。さらに、胞子の量を1千万個以上の大量投与に増やすことにより、従来、困難であった末期ガンや難治性炎症性大腸疾患、パーキンソン病など、難病に対しても著効であることが確認された。クモノスカビ種の場合、従来、日本酒の醸造工程やインドネシアでテンぺと呼ばれる納豆様食材などで利用されてきた菌糸類の一種であるが、この内生胞子、外生胞子について概ね10万個以上の大量投与をした場合、やはり、バチルス属の食用微生物と同様の効果が得られる。従来、この量の胞子を摂取するためには数十キログラムの日本酒やテンぺを摂食しなければならない。また、鹿角霊芝類の胞子を同様に10万個以上投与することにより、従来、鹿角霊芝粉末で得られていた一般に免疫賦活といわれる効果が、3乃至5倍に高められることが確認された。これは従来の鹿角霊芝粉末に比して100分の1程度の量の胞子だけで得られることも明らかとなった。
【0053】
以上のように、従来では従来知られた食品等をキログラム単位以上摂取しなければならず、現実的には不可能であったが、本発明により一度に、効果的にシグナル伝達物質を摂取させることが可能となった。加えて、これら胞子類は難消化性であり、腸内細菌にとって異物でありながら、伝統的な食材の一部のため、直接的にはヒトに無害であることから、これら胞子類と共に、善玉菌のエサとなるプレバイオティクス材料、例えば、オリゴ糖類などを一緒に与えることにより腸内細菌叢に刺激を与えて比較的迅速に腸内細菌叢を善玉菌が優勢となるように腸内環境の改善に役立つことが効果として期待されている。また、局所的に投与してもインターロイキン4の増進が認められて、炎症性疾患に対して、例えば、塗布法などにより局所的にそのまま用いることも可能である。これは、胞子に含まれる低分子のサイトカインが疾患部位に対して直接的に浸透して利用される方法である。
【0054】
食用微生物を十分に栄養豊富な環境で増殖後に、温度を急激に変えたり、増殖培地から菌体を遠心分離や濾過などによって収集して貧栄養培地に懸濁することにより、食用微生物は次の2つの手段で生命維持の危機的状況を回避する。第一は、内生胞子と呼ばれる状態を形成する。第二は、子実体形成による外生胞子の生成である。特に内生胞子については染色体遺伝子の殆ど全て、概ね9割以上を利用して形成される。また、外生胞子については種によっては染色体遺伝子の半分以上を利用して形成される。つまり、一般に食用微生物を利用している形態である栄養体に比べて、より多くのシグナル伝達物質を含んでいることが期待される。そこで、積極的に内生胞子や外生胞子を形成させて収集して、ヒトに摂食させることにより、シグナル伝達物質を消化管等を通じてヒトに生理活性(例えば、免疫系の調節、炎症反応の抑制、抗腫瘍作用など)物質として利用させることができる。
【0055】
特に、バチルス・サブチルス種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)、バチルス・ナットー種、クモノスカビ種の内生胞子やクモノスカビ種、鹿角霊芝類の外生胞子は食用微生物のシグナル伝達物質を多く含むものと考えられるため、これらの内生胞子、外生胞子を調製して、単独または混合して経口摂取させるか、単独物または混合物を予め、アミラーゼ等の多糖類の分解酵素、ペプシン等の蛋白分解酵素やリパーゼなどの脂質分解酵素によって処理して、消化管からの吸収性を高めたり、直接的に患部に吸収させる手段で、取らせることで、ヒトの健康障害状態の改善や健康維持のために、十分に大量のシグナル伝達物質を与えることができる。
【0056】
このシグナル伝達物質として、より詳細には、内生胞子や外生胞子を上記処理によって調製して得られた分子量3万以下のペプチド性分画の中に、生理活性物質としてシグナル伝達物質である分子量1万以下のケモカイン様物質が存在し、Gタンパク質結合能を有するか、又はインターロイキンファミリーのサブユニットとして、又はインターロイキンファミリーへの結合能を有する。
【0057】
また、分子量3万以下のペプチド性分画は、インターロイキン17ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を有し、インターロイキン2ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を有し、さらにインターロイキン4産生を亢進する粗分画又は精製分画を含有する。
【0058】
また、分子量1万以下のケモカイン様物質は、神経伝達物質として、ドーパミンレセプターへの結合能を有するか、ドーパミン分泌を亢進する粗分画又は精製分画を含有する。これにより、パーキンソン病に有効である。
【0059】
また特に、インターロイキン17ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を有するペプチド性分画は、インターロイキン27若しくはインターロイキン29に拮抗するか又は結合能を有して、Th1活性を亢進するか又はTh2活性を抑制する。これにより、花粉症の諸症状が抑えられる。
【0060】
また、インターロイキン2ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を有するペプチド性分画は、インターロイキン2レセプターに拮抗するか、インターロイキン2ファミリーに結合能を有して、インターロイキン2レセプターへの結合を抑制する。
【0061】
また、分子量3万以下のペプチド性分画は、ヒスタミンレセプターに拮抗するか、ヒスタミンに結合してヒスタミン結合体を形成し、ヒスタミンのヒスタミンレセプターへの結合を阻害する。これによって、抗ヒスタミン剤を使用しなくとも、花粉症などのアレルギー反応の諸症状が改善する。
【0062】
さらにまた、分子量3万以下のペプチド性分画又は分子量1万以下のケモカイン様物質は、Th1活性を亢進するか、インターロイキン12レセプターβ1産生を亢進する。これによって、DLST陽性又はNK/NKT細胞活性の増大が得られる。
【0063】
本発明は、本発明の内生胞子、外生胞子を単独若しくは混合して、又はそれら胞子を酵素分解処理したペプチド性分画を食品や薬剤などの形態で経口摂取して利用することができるが、直接的に塗布するようにして利用してもよい。例えば、ホルモンの働きによって乱されたサイトカイン系に、食用微生物が有するサイトカイン系の十分なサブユニットの供給を行うことから、発毛や育毛に対して、数年間未発毛の状態から、胞子に含まれる低分子のサイトカインが疾患患部に対して直接的に浸透して利用することができる。
【0064】
また、本発明の内生胞子及び/又は外生胞子を直接摂取してもよく、この場合、口腔部で、アミラーゼ処理、胃部でペプシン処理、及び腸部以降の消化管でリパーゼ処理されるため、そのままで食品として利用しても同様の効果が得られる。
【0065】
特に、予め内生胞子及び/又は外生胞子を精製して、アミラーゼ、ペプシン、リパーゼ等で処理されて得られる分子量3万以下のペプチド性分画は、腸管粘膜を介して体細胞やマクロファージ及びリンパ管を介して、体内の要所に届くことにより、サイトカイン様の生理活性を示すか、あるいはサイトカイン活性を亢進若しくは抑制を変化させて、ヒトに生理活性を与える。
【実施例】
【0066】
以下、実施例により本発明の製法にしたがって実施した具体例を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0067】
本実施例では、従来の菌体でなく、特別に、内生胞子または外生胞子(以下、「胞子」と呼ぶ。)を形成させた後に、胞子を含むか、または胞子を分別して乾燥下で保存された試料を用いて、粉末状の健康食品、化粧品、及び、医薬部外品または医薬品原末を製造した。
【0068】
本発明によると、胞子以外の成分由来の、例えば、ムコ多糖類などの過剰摂取を防止し、副作用などを低減して、有効なシグナル伝達物質を効率よく、摂取させることが可能となる。従来の方法に比べて、胞子の密度、すなわち、シグナル伝達物質の密度を飛躍的に上昇させることが可能となるため、例えば、従来、発酵食品などから間接的に摂取される量の数十倍から数万倍以上の量が摂取可能であり、発酵食品など既知の物質を介して摂取することは現実的に不可能な大量のシグナル伝達物質を摂取されることが可能である。
【0069】
下記に詳細な本発明による胞子の生成方法を記載する。
【0070】
まず、発酵食品などに用いられている微生物(バクテリア、菌糸類、酵母類、カビ類など)を単離する(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)。一般に、これら微生物は液体タンク培養や平地振盪培養などにより十分に分裂増殖をさせることができる。増殖後にシングルコロニーを平板寒天培地などで形成させた後に、サザンブロット法などによる特異的遺伝子タグや、生理的形態による性状試験によるなどの確認作業により、当該微生物を生物学的に適正であることを確認した後に、さらに、単離培養を行った後に、1mL乃至5mL容程度のスタブや10乃至200μL容程度のマイクロチューブなどを用いて生物種毎に適正な保存(不安定な種の場合、DMSOなどの安定化剤を適宜添加して零下80度、安定的なカビなどについてはスタブの常温保存など)を行い、種母微生物とする。
【0071】
種母微生物を適宜、常温環境下に戻し、滅菌済みの培地を用いて、3乃至5本程度の各3乃至5mLの試験管培養(37℃)を行い、8乃至48時間程度の培養後、冷蔵保存する。それぞれの一白金耳を用いて平板寒天培地培養により、コロニーを形成させてコロニー等の性状試験等により、適正な微生物であることを確認する。(前培養)次に、適正であることを確認された冷蔵保存の前培養試料の1乃至3mLを、微生物毎の本培養に移す。通常、5乃至20L程度の滅菌済み培地を用いた液体タンク培養(37℃、適宜エアレーションを実施)やカビ類など平面増殖する微生物においては、平面培地を支持するS字または振り子型振盪培養を利用し、分裂増殖をさせる。(本培養)通常、2乃至5日程度で十分に培養後、容器ごと冷蔵したり、水冷装置や空冷装置を用いて培地を積極的に冷却することにより、4乃至5時間から16時間程度で胞子の形成が行われる(胞子形成)。胞子形成後、液体培地の場合、培地を8,000rpm以上の連続遠心によって胞子を沈殿収集する。平面培地の場合、1ミクロン程度以上の濾紙を用いて、濾過収集し、濾液を8,000rpm以上の連続遠心によって胞子を沈殿収集する。沈殿物をスプレードライ法によって乾燥することにより、100億cfu/g程度以上の胞子原末を得る(胞子収集)。
【0072】
一方、菌糸類などにおいては外生胞子形成のために、本培養後の培地を固体培地に0.1乃至2mLまたはグラムを摂取して、数週間の通常培養を行い、子実体や胞子体を形成させた後に子実体や胞子体を1μm程度の濾紙を介して吸引しながら振盪させて外生胞子を濾紙に吸着させて収穫する。(外生胞子形成)外生胞子収穫に用いられた濾紙を逆方向に蒸留水を用いて洗浄することにより、洗浄液中に外生胞子を収集し、遠心分離法(10,000rpm、10分程度)により、沈殿分離後、上澄みを捨てて、沈殿物を収集し、スプレードライ法により、およそ100億cfu/g程度以上の胞子原末を得る(外生胞子収集)。一般的に、枯草菌(納豆菌)(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)、鹿角霊芝、クモノスカビにおいては、液体振盪培養の場合、10Lの液体培地に対し、10乃至50gの胞子原末が得られる。この量は、S字振盪または振子振盪培養法による平板培地でも同等である。
【0073】
また、上記操作によって得られた胞子を単独または混合して摂取することが可能であるが、単独物または混合物を予め、アミラーゼ等の多糖類の分解酵素、ペプシン等の蛋白分解酵素やリパーゼなどの脂質分解酵素によって処理して得られる分子量3万以下のペプチド性分画とすることで、消化管からの吸収性を高めたり、直接的に患部に吸収させる手段で取らせることで、十分に大量のシグナル伝達物質を効果的に与えることができる。
【0074】
下記に上記の酵素処理によって得られる分子量3万以下のペプチド性分画の調製方法を説明する。
【0075】
胞子原末を生物利用状態に合致するよう予め処理することにより、さらに高密度のシグナル伝達物質、または、腸管粘膜を介した免疫刺激を行う低分子物質を調製する。具体的には、上記方法によって得た胞子原末を1乃至10億cfu/g程度になるよう生理食塩水(pH5.4乃至7.5)中に希釈し、最初にアミラーゼを胞子原末1グラム当たり1ユニットとなるよう添加し、37℃で10分間攪拌処理する。次に、ペプシンを胞子原末1グラム当たり1ユニットとなるよう添加して、4乃至6時間37℃(pH2乃至4に5N塩酸溶液で調整することにより、反応が開始する。)で攪拌処理を行う。次に、5NのNaOH水溶液を用いて、pHを7.5乃至9に調整して、ペプシン処理を停止させた後に、リパーゼを胞子原末1グラム当たり1ユニットとなるよう添加して、30分乃至1時間の間、37℃で攪拌処理を行う。(疑似消化処理)前記疑似消化処理後の反応溶液を0.22乃至0.45ミクロンの濾過により残渣を取り除き、ミリポア社製分子量5万(分子量1万以下は99%通過する。)の限外濾過膜を用い、加圧型限外濾過装置によって攪拌しながら分子量1万以下を分画する。濾液10mLに対し、3乃至6gのスクロースを添加し、凍結乾燥して良吸収性原末を得る。良吸収性原末をヒト末梢血より分離された血漿に添加し、IFN−γ、IL−2等産生能を測定して、活性を測定し、製品性能とする。
【0076】
上記方法によって、生成された胞子原末やペプチド性分画を適宜、賦形剤によって希釈することにより、食品や医薬品、化粧品、医薬部外品の成分として利用可能である。例えば、食品はサプリメントなどの機能性健康補助食品として、医薬品は経口摂取が可能な薬剤や、炎症部に対して直接的に塗布することで経皮吸収が可能な塗り薬などの薬剤として、化粧品は皮膚から局所的に経皮摂取できる化粧剤として、医薬部外品は頭皮に直接的に塗布する養毛剤として効果的に利用可能である。
【0077】
上記方法によって得た胞子原末をB型肝炎患者、歯周病患者及びスギ花粉症患者に対して行った結果をそれぞれ表1、2及び3に示す。
【0078】
【表1】

表1中、白抜き部分が異常値を示す。
【0079】
服用開始後、1週間以内にLDHレベルが正常値範囲に回復し、総ピリルビン酸量は11ヶ月の連続服用で正常値に回復した。
【0080】
服用量は、1日当たり1.6億個の芽胞に相当する。
【0081】
【表2】

表2中、白抜き部分が患者と健常者で同様の変化を示し、グレー部分は健常者のみ変化を示した。
【0082】
インターロイキン1、4、5、10及びIFN−γの上昇により、炎症を抑制し、Th−1が亢進していることが分かる。また、インターロイキン2が大きく上昇して歯周病による出血が強く抑制されていることが分かる。
【0083】
服用量は1日当たり220億個を3日間連続服用後に検体を採取して比較測定を実施した。
【0084】
【表3】

表3中、白抜き部分が2名の被験者で同様の変化を示した。
【0085】
服用量は1日当たり2.3億個で1週間の連続投与を行った前後で測定した。臨床症状はともに著しく改善して、目鼻の痒みや鼻汁の明らかな軽減が認められた。
【0086】
特に、インターロイキン10の上昇による炎症抑制の効果とIFN−γの上昇によるTh2の亢進によるアレルギー症状の改善がなされたものと考えられる。
【0087】
よって、上記の実施例から明らかなように、バチルス・サブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)、バチルス・ナットー菌種、クモノスカビ種、又は鹿角霊芝類から産出された内生胞子、外生胞子を単独又は混合して、あるいはそれら内生胞子又は外生胞子を酵素分解処理して生成したペプチド性分画を摂取することで、ヒトの健康障害状態を改善したり、健康維持のために、十分に大量のシグナル伝達物質を効果的に与えることができる。
【0088】
また、経口摂取だけでなく、塗布のような経皮摂取によっても、優れた効果を発揮することができる。
【0089】
さらにまた、バチルス・サブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)、バチルス・ナットー菌種、クモノスカビ種、又は鹿角霊芝類の特性から、食しても安全で副作用がない、生理活性物質として提供することができる。
【0090】
したがって、本発明は、上記方法で得られた胞子原末やペプチド性分画を含む食品、薬剤、化粧剤、養毛剤として製造することが可能である。
【0091】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バチルス・サブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)又はバチルス・ナットー菌種を固体又は液体培養し、
該バチルス・サブチルス菌種(但し、バチルス・サブチルスDB9011菌株を除く)又はバチルス・ナットー菌種の培養液から、内生胞子を抽出精製することを特徴とする内生胞子の製造方法。
【請求項2】
クモノスカビ種を固体又は液体培養し、
該クモノスカビ種の培養液から、内生胞子又は外生胞子を抽出精製することを特徴とする内生胞子又は外生胞子の製造方法。
【請求項3】
鹿角霊芝を固体又は液体培養し、
該鹿角霊芝の培養液から、外生胞子を抽出精製することを特徴とする外生胞子の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項記載の製造方法によって得られた内生胞子又は外生胞子。
【請求項5】
請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子をアミラーゼ、ペプシン、リパーゼによって酵素分解処理して分子量3万以下のペプチド性分画を得ることを特徴とするペプチド性分画の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の製造方法によって得られたペプチド性分画。
【請求項7】
前記ペプチド性分画は、分子量1万以下のケモカイン様物質を含有することを特徴とする請求項6に記載のペプチド性分画。
【請求項8】
前記ペプチド性分画は、インターロイキン17ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を有することを特徴とする請求項6に記載のペプチド性分画。
【請求項9】
前記ペプチド性分画は、インターロイキン2ファミリーのサブユニット又は該サブユニットへの結合能を有することを特徴とする請求項6に記載のペプチド性分画。
【請求項10】
前記ペプチド性分画は、インターロイキン4産生を亢進する粗分画又は精製分画を有することを特徴とする請求項6に記載のペプチド性分画。
【請求項11】
前記分子量1万以下のケモカイン様物質は、神経伝達物質として、ドーパミンレセプターへの結合能を有するか又はドーパミン分泌を亢進する粗分画又は精製分画を有することを特徴とする請求項7に記載のペプチド性分画。
【請求項12】
インターロイキン27若しくはインターロイキン29に拮抗するか又は結合能を有して、Th1活性を亢進するか又はTh2活性を抑制することを特徴とする請求項8に記載のペプチド性分画。
【請求項13】
インターロイキン2レセプターに拮抗するか、インターロイキン2ファミリーに結合能を有することを特徴とする請求項9に記載のペプチド性分画。
【請求項14】
ヒスタミンレセプターに拮抗するか、又は該ヒスタミンに結合して、ヒスタミン結合体を形成して、該ヒスタミンの該ヒスタミンレセプターへの結合を阻害することを特徴とする請求項6に記載のペプチド性分画。
【請求項15】
前記Th1活性を亢進するか、インターロイキン12レセプターβ1産生を亢進することを特徴とする請求項6又は7に記載のペプチド性分画。
【請求項16】
DLST陽性又はNK/NKT細胞活性の増大が得られることを特徴とする請求項15に記載のペプチド性分画。
【請求項17】
請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは請求項6乃至16のいずれか一項に記載のペプチド性分画を含有する食品。
【請求項18】
請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは請求項6乃至16のいずれか一項に記載のペプチド性分画を含有する薬剤。
【請求項19】
請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは請求項6乃至16のいずれか一項に記載のペプチド性分画を含有する化粧剤。
【請求項20】
請求項4に記載の内生胞子及び/又は外生胞子、あるいは請求項6乃至16のいずれか一項に記載のペプチド性分画を含有する養毛剤。

【公開番号】特開2006−335746(P2006−335746A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−165741(P2005−165741)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(500349557)株式会社バイオ医療情報 (5)
【出願人】(505245058)
【Fターム(参考)】