説明

食養生製品、食品添加物または医薬用アルカリ性スフィンゴミエリナーゼ含有組成物

【課題】栄養学的、食養生的または厳密に治療的使用を意図したアルカリ性スフィンゴミエリナーゼを含む組成物の提供。
【解決手段】使用者に応じて栄養学的、食養生的または厳密に治療的な調整物として摂取され得る、癌の進行、腸炎の進行、高コレステロール血症およびHelicobacter pylori感染を含む様々な病的状態を予防または処置する能力のあるアルカリ性スフィンゴミエリナーゼを活性物質として含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栄養学的、食養生的または厳密に治療的使用を意図した組成物の製造のためのアルカリ性スフィンゴミエリナーゼの使用、およびそのようにして製造される組成物に関する。
【0002】
関連して、これらの組成物は、それらがベースまたは予防的処置用として、または治療的製品用として作用させようとしているかどうかに応じて、該組成物が目的の対象とする特定個人ごとに変わる食品添加物、食品のベース、または医薬製品用の各形態であり得、かつそれらの作用を発揮させ得る。
【背景技術】
【0003】
3種類の異なるタイプのスフィンゴミエリナーゼ(SMase)がこれまでに同定されている。
【0004】
酸性のスフィンゴミエリナーゼはリソソームの酵素(最適pH4.5−5)であり、この酵素の欠如はニーマン‐ピック病の原因である。また、中性スフィンゴミエリナーゼは、最適pHが7.5であり、2種類のイソフォームがわかっている。これらのイソフォームの1種は細胞質の膜に存在し、マグネシウム依存性であるが、他方は細胞質に含有され陽イオン非依存性である。酸性および中性の両スフィンゴミエリナーゼは、多くの組織および細胞にみられ、普遍的な酵素であり、非常に多くの細胞機能を調節している。
【0005】
第三のタイプは、主にpH9で活性であるために、アルカリ性スフィンゴミエリナーゼと呼ばれる。これはマグネシウム非依存性であり、腸刷子縁および胆汁中で発見されている。アルカリ性スフィンゴミエリナーゼは胃、十二指腸および膵臓では生じないが、腸、特に空腸の末端部でみられる。顕著なアルカリ性スフィンゴミエリナーゼの活性は、結腸および直腸でも観察されてきた。高レベルのアルカリ性スフィンゴミエリナーゼは胆汁中にもみられるが、このことは人類特有に思われる。この2倍のスフィンゴミエリナーゼ源のために、人類は、食養生を介して導入されるスフィンゴミエリン(SM)の加水分解に関して、他の生物に比べて非常に効率的である。従来、通常の動物と無菌の動物との間に差異が見られないことから、アルカリ性スフィンゴミエリナーゼは腸細菌によって生産不能と、考えられてきた(R. D. Duan, Scand. J. Gastroenterology, 33 (1998) pp. 673-683参照)。
【0006】
腸内に存在するおよび胆汁内に存在するアルカリ性スフィンゴミエリナーゼを除けば、栄養学的、食養生的または厳密に治療的目的に供する組成物を製造するために使用され得る他のアルカリ性スフィンゴミエリナーゼは知られていない。さらに、酸性および中性スフィンゴミエリナーゼは、特性が異なるために採用され得ない(次表参照)。
【表1】

【0007】
美容的および皮膚科的な目的でのスフィンゴミエリナーゼの使用は、既知である。
日本特許第63 216,813号には、スフィンゴミエリナーゼを含有し、加齢に伴い皮膚に起こるこの酵素の生理学的減少に対抗する目的の、および、逆に表皮上で有益な保湿効果のあるセラミドへの変化を促進する目的の、美容組成物が記載されている。
【0008】
国際特許出願PCT WO 98/22,082には、皮膚炎、乾癬、魚鱗癬、および類似の症状のような皮膚異常の処置に適した皮膚科的組成物を製造するための、スフィンゴミエリナーゼの使用が記述されている。さらに、このPCT出願には、原材料として高等動物の脳や肝臓のような器官を用いる以前から知られた方法よりも明らかに有利な、各種グラム陽性菌、グラム陰性菌、および乳酸菌からのスフィンゴミエリナーゼの製造が記載されている。
【発明の概要】
【0009】
驚くべきことに、此度、いくつかの細菌が高レベルのアルカリ性スフィンゴミエリナーゼを有していること、およびそれらの摂取が宿主にとって有益であることが判明した。これらの細菌は、生きたまま、またはもし酵素活性があれば抽出物の形態で、あるいは乳酸菌のような他の細菌と組み合わせて、SMおよび/またはSMを含む食品とともに、摂取され得る。
【0010】
それゆえに、本発明の目的の一つは、その必要のある個体中で食養生的、栄養学的または治療的効果を発揮するに足る量のアルカリ性スフィンゴミエリナーゼを含む、食養生用、栄養用または医薬用組成物を提供することである。
【0011】
特に、この組成物は、腸の成長に関連する諸異常、癌の進行、免疫反応の諸異常、腸およびそれに関連する構造の炎症およびアポートーシスの進行、コレステロール合成に関連する諸異常、胃腸管表面の疎水性の性質に起因する諸異常、胃腸管のアレルギー性諸異常、消化過程に関連する諸異常、腸炎疾病、ポリープ病、特に家族性ポリープ病、高コレストロール血症、Helicobacter pylori感染、新生児成長の諸異常、腸のホメオスタシスに関連する諸異常、並びに中枢および末梢神経系の疾病、などの予防用および/または処置用に適している。
【0012】
本組成物は、小児科の食養生、および/または腸管栄養摂取での使用にも有用である。小児科の食養生では、本組成物は、例えば人口乳、濃縮乳、豆乳、粉乳、部分的に母乳化した牛乳、および一般的な乳児食と組み合わせて、投与し得る。
【0013】
本組成物は、好ましくは細菌由来のアルカリ性スフィンゴミエリナーゼを含有し、かつアルカリ性スフィンゴミエリナーゼを含有する細菌は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および乳酸菌、またはそれらの混合物から選択する。
【0014】
より詳しくは、本組成物のアルカリ性スフィンゴミエリナーゼは、乳酸菌から得られ、かつそれらは、Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus brevis, Lactobacillus buchneri, Lactobacillus casei, Lactobacillus catenaforme, Lactobacillus cellobiosus, Lactobacillus crispatus, Lactobacillus curvatus, Lactobacillus delbrueckii, Lactobacillus fermentum, Lactobacillus jensenii, Lactobacillus leichmannii, Lactobacillus minutus, Lactobacillus plantarum, Lactobacillus rogosae, Lactobacillus salivarius, Bifidobacterium adolescentis, Bifidobacterium angulatum, Bifidobacterium bifidum, Bifidobacterium breve, Bifidobacterium catenulatum, Bifidobacterium dentium, Bifidobacterium eriksonii, Bifidobacterium infantis, Bifidobacterium longum, Bifidobacterium plantarum, Bifidobacterium pseudocatenulatum, Bifidobacterium pseudolongum, Streptococcus lactis, Streptococcus raffinolactis and Streptococcus thermophilusからなる群から選ばれる。
【0015】
これらの乳酸菌の中で特に好ましい菌株は、ドイツのBraunschweigにあるGerman Collection of Micro-organisms and Cell Cultures (DSM)("Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH")に、1998年2月6日付で、ブタペスト条約のもと受託番号DSM11988で登録されたLactobacillus brevis CD2株、またはその変異株または誘導体である。
【0016】
本発明の好ましい実施態様によれば、乳酸菌は生きたままの、または凍結乾燥された、または超音波破砕された細菌として組成物中で使用する。
【0017】
好ましくは、本組成物は、組成物のグラム当り1x10から1x1013CFUの乳酸菌を含有する。
【0018】
特に好ましい組成物は、組成物のグラム当り200x10のStreptococcus thermophilus, 150x10のBifidobacteriaおよび4x10のLactobacillus acidophilusを含有する。
【0019】
本発明による組成物は、胆汁酸、特にウルソデオキシコール酸、ペクチン、スフィンゴミエリンまたはその化合物、スフィンゴミエリンを含有する医薬品または食品、アルギニンデイミナーゼ、脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、非発酵糖、特にラクツロース、コレステロール阻害剤、セラミダーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、免疫調節剤、抗発癌剤、ビタミン類、成長因子、界面活性剤、穀物、繊維質、乳化剤、安定剤、脂質、酸化防止剤、保存料、フリーラジカル中和剤および/または脈管保護剤も、含有することができる。
【0020】
本発明の組成物は、食品添加物として経口的に、または医薬品として経口的もしくは非経口的に投与し得る。
【0021】
本発明はまた、腸の成長に関する諸異常、癌の進行、免疫反応の諸異常、腸およびそれに関連する構造の炎症およびアポートーシスの進行、コレステロール合成に関連する諸異常、胃腸管表面の疎水性の性質に起因する諸異常、胃腸管のアレルギー性諸異常、消化過程に関連する諸異常、腸炎疾病、ポリープ病、特に家族性ポリープ病、高コレストロール血症、Helicobacter pylori感染、新生児成長の諸異常、腸のホメオスタシスに関連する諸異常、並びに中枢および末梢神経系の疾病に関連した諸異常の予防用および/または処置用に適した、食養生的、栄養学的または治療的な組成物の製造のための、アルカリ性スフィンゴミエリナーゼの使用に関する。
【0022】
本組成物は、小児科の食養生、および/または腸管栄養摂取での使用にも有用である。小児科の食養生では、本組成物は、例えば人口乳、濃縮乳、豆乳、粉乳、部分的に母乳化した牛乳、および一般的な乳児食と組み合わせて、投与し得る。
【0023】
使用するアルカリ性スフィンゴミエリナーゼは、好ましくは細菌由来であり、また、それを含有する細菌は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および乳酸菌、またはそれらの混合物から選択する。
【0024】
よりことさらには、使用する乳酸菌は、Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus brevis, Lactobacillus buchneri, Lactobacillus casei, Lactobacillus catenaforme, Lactobacillus cellobiosus, Lactobacillus crispatus, Lactobacillus curvatus, Lactobacillus delbrueckii, Lactobacillus fermentum, Lactobacillus jensenii, Lactobacillus leichmannii, Lactobacillus minutus, Lactobacillus plantarum, Lactobacillus rogosae, Lactobacillus salivarius, Bifidobacterium adolescentis, Bifidobacterium angulatum, Bifidobacterium bifidum, Bifidobacterium breve, Bifidobacterium catenulatum, Bifidobacterium dentium, Bifidobacterium eriksonii, Bifidobacterium infantis, Bifidobacterium longum, Bifidobacterium plantarum, Bifidobacterium pseudocatenulatum, Bifidobacterium pseudolongum, Streptococcus lactis, Streptococcus raffinolactis and Streptococcus thermophilusからなる群から選ばれる。
【0025】
これらの乳酸菌の中で特に好ましい菌株は、ドイツのBraunschweigにあるGerman Collection of Micro-organisms and Cell Cultures (DSM)("Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH")に、1998年2月6日付で、ブタペスト条約のもと受託番号DSM11988で登録されたLactobacillus brevis CD2株、またはその変異株または誘導体である。
【0026】
本発明の好ましい実施態様によれば、乳酸菌は生きたままの、または凍結乾燥された、または超音波破砕された細菌として、組成物中で使用する。
【0027】
好ましくは、使用される組成物は、組成物のグラム当り1x10から1x1013CFUの乳酸菌を含有する。
【0028】
特に好ましい組成物は、組成物のグラム当り200x10のStreptococcus thermophilus、 150x10のBifidobacteriaおよび4x10のLactobacillus acidophilusを含有する。
【実施例】
【0029】
以下の実験は、本発明による細菌中のアルカリ性スフィンゴミエリナーゼの存在と効力を確認するために行った。これらの実験には、アルカリ性スフィンゴミエリナーゼ、すなわちヒトの皮膚内でセラミドを生成することを司る酵素の検出が含まれた。
【0030】
(方法)
乳酸菌中および腸生検材料中の、酸性、中性およびアルカリ性スフィンゴミエリナーゼの分析
10mgの凍結乾燥した細菌Streptococcus thermophilusを、50 mMのTris-HCl(pH 7.4)、10 mMのMgCl2、2 mMのEDTA、5 mMのDTT、0.1 mMのNa3VO4、0.1 mMのNa2MoO4、30 mMのp-リン酸ニトロフェニル、10 mMのp-グリセロリン酸、750 mMのATP、1μMのPMSF、10μMのロイペプチン、10μMのペプスタチン(Sigma Chemical Co.より)、および0.2%のTriton X-100 (中性SMaseの活性分析用)または 500μlの0.2%のTriton X-100 (酸性SMaseの活性分析用)を含有する500μlの緩衝液に懸濁した。アルカリ性SMaseの分析のために、細菌および(ホモジェナイズした)腸生検材料を、5 mMのMgCl2、0.15 MのKC1、50 mMのKH2PO4、1 mMのPMSFおよび1 mMのベンズアミジン(pH 7.4)を含有する0.25 Mのショ糖緩衝液に懸濁した。このようにして調整したサンプルを、その後Vibracellソニケーター(Sonic and Materials Inc., Danbury, CT)を用いて、超音波破砕により溶解した(30分間の超音波破砕中に、10秒間の「入」の期間と10秒間の「切」の期間を交互に設けた)。超音波破砕したサンプルを、その後30分間、14,000 rpmで、4℃で遠心分離し、上清を採り、Bio-Rad Laboratories (Richmond, CA)作成のキットでタンパク質濃度を測定した。
【0031】
中性SMaseを測定するために、100μgのサンプルを、37℃で2時間、50 mMのTris-HCl、1 mMのMgCl2、pH 7.4、および2.25μlの[N-メチル-14C]-スフィンゴミエリン(SM) (0.2μCi/ml、比活性: 56.6 mCi/mmol, Amersham)を含む緩衝液中でインキュベートした(最終容積: 50μl)。
【0032】
酸性SMaseを測定するために、100μgの細菌溶解液を、37℃で2時間、250 mMの酢酸ナトリウム、1 mMのEDTA、pH 5.0、および2.25μlの[N-メチル-14C]-SMを含む緩衝液中でインキュベートした(最終容積: 50μl)。
【0033】
アルカリ性SMaseを測定するために、サンプルを、50 mMのTris、0.15 MのNaCl、2 mMのEDTA、およびTC : TDC : GC : GCDCのモル比が3 : 2 : 1.8 : 1である胆汁酸塩混合物3 mM、を含むTris-EDTA緩衝液(pH 9)375μlに加え、最終容積0.4 mlとした。この胆汁塩混合物は、アルカリ性SMaseに対する最高の刺激効果を有した。緩衝液へのEDTAの付加は、Mg++依存性で最適pHが7.5である中性SMaseの活性を阻害するのに役立った。この14C-SMをエタノールに溶解し、窒素下で乾燥し、3%のTriton X-100および3 mMの胆汁塩の混合物を含有する分析緩衝液に溶解した。
【0034】
クロロホルムおよびエタノール2:1の混合物2mlを加え、反応を停止した。リン脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィー板上で分析した。一方、SMの加水分解を、オートラジオグラフィーおよび液体シンチレーション計測で定量した。超音波破砕した中のSMaseおよび腸生検材料中のSMaseを、タンパク質1ミリグラム当り、1時間当りのSM加水分解pmolで表わした。
【0035】
Streptococcus thermophilus由来のSMase活性
図1は、超音波破砕した乳酸菌中のスフィンゴミエリナーゼ活性レベルを示す。酸性SMaseに起因する活性は見られなかったが、用いた実験条件下(様々なpH値、並びにMgCl2存在下および非存在下)で調べた細菌サンプル中に、かなりのレベルの中性およびアルカリ性の両SMaseが観察された。
【0036】
腸の生検材料中に見られたアルカリ性SMase
図2は、腸の生検材料中のSMase活性分析が、胆汁塩依存性の種類で胆汁塩非存在下では検出されないアルカリ性SMaseの高い活性を示したことを表わしている。クローン病に苦しむ患者の組織中の酵素活性レベルは、対照のサンプルより低レベルのSMase活性を示した。
【0037】
腸のアルカリ性SMaseに対するStreptococcus thermophilusの効果
図3に示すように、Streptococcus thermophilusサンプル中のSMase活性の検査は、腸のSMaseの測定に用いた実験条件下で、細菌の酵素は胆汁塩の有無に影響されないことを示した。さらに、細菌のSMase活性および腸のSMase活性を同時に調べたとき、SMの加水分解は加算的に増加した。ドイツのBraunschweigにあるGerman Collection of Micro-organisms and Cell Cultures (DSM)("Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH")に、1998年2月6日付で、ブタペスト条約のもと受託番号DSM11988で登録されたLactobacillus brevis CD2株、またはその変異株および誘導体について、同様の結果を得た(示さない)。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】超音波破砕した乳酸菌中のスフィンゴミエリナーゼ活性レベルを示す。
【図2】腸生検材料中に見られたアルカリ性SMaseの活性レベルを示す。
【図3】腸のアルカリ性SMaseに対するStreptococcus thermophilusの効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要としている個体の中で食養生的、栄養学的または治療的効果を発揮するに足る量のアルカリ性スフィンゴミエリナーゼを含むことを特徴とする、食養生用、栄養用または医薬用組成物。
【請求項2】
腸の成長に関連する諸異常、癌の進行、免疫反応の諸異常、腸およびそれに関連する構造の炎症およびアポートーシスの進行、コレステロール合成に関連する諸異常、胃腸管表面の疎水性の性質に起因する諸異常、胃腸管のアレルギー性諸異常、消化過程に関連する諸異常、腸炎疾病、ポリープ病、特に家族性ポリープ病、高コレストロール血症、Helicobacter pylori感染、新生児成長の諸異常、腸のホメオスタシスに関連する諸異常、並びに中枢および末梢神経系の疾病の予防および/または処置に適する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
小児科の食養生での使用に適する、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
腸管栄養摂取での使用に適する、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
該組成物が、人口乳、濃縮乳、豆乳、粉乳、部分的に母乳化した牛乳、および一般的な乳児食と組み合わせて投与されることを特徴とする、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
該アルカリ性スフィンゴミエリナーゼが細菌由来のものであり、かつ該アルカリ性スフィンゴミエリナーゼを含有する細菌が、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および乳酸菌、またはそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
該乳酸菌が、Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus brevis, Lactobacillus buchneri, Lactobacillus casei, Lactobacillus catenaforme, Lactobacillus cellobiosus, Lactobacillus crispatus, Lactobacillus curvatus, Lactobacillus delbrueckii, Lactobacillus fermentum, Lactobacillus jensenii, Lactobacillus leichmannii, Lactobacillus minutus, Lactobacillus plantarum, Lactobacillus rogosae, Lactobacillus salivarius, Bifidobacterium adolescentis, Bifidobacterium angulatum, Bifidobacterium bifidum, Bifidobacterium breve, Bifidobacterium catenulatum, Bifidobacterium dentium, Bifidobacterium eriksonii, Bifidobacterium infantis, Bifidobacterium longum, Bifidobacterium plantarum, Bifidobacterium pseudocatenulatum, Bifidobacterium pseudolongum, Streptococcus lactis, Streptococcus raffinolactis および Streptococcus thermophilusを含む群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
ドイツのBraunschweigにあるGerman Collection of Micro-organisms and Cell Cultures (DSM)("Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH")に、1998年2月6日付で、ブタペスト条約に基づき、受託番号DSM11988で寄託された、Lactobacillus brevis CD2株、またはその変異株または誘導体を使用することを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
該乳酸菌を、生きたままで、凍結乾燥させて、または超音波破砕した細菌として組成物中で使用することを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
組成物のグラム当り1x10ないし1x1013CFUの乳酸菌を含有することを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
組成物のグラム当り200x10のStreptococcus thermophilus, 150x10のBifidobacteriaおよび4x10のLactobacillus acidophilusを含有することを特徴とする、請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、さらに胆汁酸、特にウルソデオキシコール酸、ペクチン、スフィンゴミエリンまたはその化合物、スフィンゴミエリンを含有する医薬品または食品、アルギニンデイミナーゼ、脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、非発酵糖、特にラクツロース、コレステロール阻害剤、セラミダーゼ阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、免疫調節剤、抗発癌剤、ビタミン類、成長因子、界面活性剤、穀物、繊維質、乳化剤、安定剤、脂質、酸化防止剤、保存料、フリーラジカル中和剤および/または脈管保護剤も含有することを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
食品添加物として経口的に投与し得る、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
医薬品として経口的もしくは非経口的に投与し得る、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
腸の成長に関連する諸異常、癌の進行、免疫反応の諸異常、腸およびそれに関連する構造の炎症およびアポートーシスの進行、コレステロール合成に関連する諸異常、胃腸管表面の疎水性の性質に起因する諸異常、胃腸管のアレルギー性諸異常、消化過程に関連する諸異常、腸炎疾病、ポリープ病、特に家族性ポリープ病、高コレストロール血症、Helicobacter pylori感染、新生児成長の諸異常、腸のホメオスタシスに関連する諸異常、並びに中枢および末梢神経系の疾病の予防および/または処置に適した、食養生用、栄養用または医薬用組成物の製造のための、アルカリ性スフィンゴミエリナーゼの使用。
【請求項16】
小児科の食養生での、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
腸管栄養摂取での、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
該組成物を、人口乳、濃縮乳、豆乳、粉乳、部分的に母乳化した牛乳、および一般的な乳児食と組み合わせて投与することを特徴とする、請求項16に記載の使用。
【請求項19】
該アルカリ性スフィンゴミエリナーゼが細菌由来のものであり、かつ、それを含有する細菌が、グラム陽性菌、グラム陰性菌、および乳酸菌、またはそれらの混合物から選択される、請求項15ないし請求項18のいずれかに記載の使用。
【請求項20】
該乳酸菌が、Lactobacillus acidophilus, Lactobacillus brevis, Lactobacillus buchneri, Lactobacillus casei, Lactobacillus catenaforme, Lactobacillus cellobiosus, Lactobacillus crispatus, Lactobacillus curvatus, Lactobacillus delbrueckii, Lactobacillus fermentum, Lactobacillus jensenii, Lactobacillus leichmannii, Lactobacillus minutus, Lactobacillus plantarum, Lactobacillus rogosae, Lactobacillus salivarius, Bifidobacterium adolescentis, Bifidobacterium angulatum, Bifidobacterium bifidum, Bifidobacterium breve, Bifidobacterium catenulatum, Bifidobacterium dentium, Bifidobacterium eriksonii, Bifidobacterium infantis, Bifidobacterium longum, Bifidobacterium plantarum, Bifidobacterium pseudocatenulatum, Bifidobacterium pseudolongum, Streptococcus lactis, Streptococcus raffinolactis and Streptococcus thermophilusからなる群から選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
ドイツのBraunschweigにあるGerman Collection of Micro-organisms and Cell Cultures (DSM)("Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH")に、1998年2月6日付で、受託番号DSM11988でブタペスト条約に基づき、寄託された、Lactobacillus brevis CD2株、またはその変異株または誘導体を使用することを特徴とする、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
該乳酸菌を、生きたままで、凍結乾燥させて、または超音波破砕した細菌として組成物中で使用することを特徴とする、請求項15ないし請求項21のいずれかに記載の使用。
【請求項23】
組成物のグラム当り1x10ないし1x1013CFUの乳酸菌が使用されることを特徴とする、請求項15ないし請求項21のいずれかに記載の使用。
【請求項24】
組成物のグラム当り200x10のStreptococcus thermophilus, 150x10のBifidobacteriaおよび4x10のLactobacillus acidophilusが使用されることを特徴とする、請求項15ないし請求項21のいずれかに記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−40015(P2012−40015A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−226106(P2011−226106)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【分割の表示】特願2001−501246(P2001−501246)の分割
【原出願日】平成12年6月7日(2000.6.7)
【出願人】(503220679)アクティアル・ファルマセウティカ・ソシエダデ・ポル・クオタス・デ・レスポンサビリダデ・リミターダ (10)
【Fターム(参考)】