説明

飲料の製造方法

【課題】カルバミン酸エチルを低減する飲料の製造方法、及びかかる製法により得られた飲料を提供すること。
【解決手段】シアン配糖体を含む植物(梅、杏、桃、ビワ、プラム、チェリー、豆、イモ、サトウキビ等)を原料とする飲料の製造方法であって、シアン化水素を捕捉する物質によりシアン化水素を捕捉してシアン化水素を除去する工程を有する飲料の製造方法、及びかかる製法により得られた飲料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルバミン酸エチル含有量が低減された飲料の製造方法、及びかかる方法により得られた飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
カルバミン酸エチルは、発がん性を有する可能性がある物質として知られており、一般に酒類に多く含まれている。酒類の中でもカルバミン酸エチルは、清酒、紹興酒、梅酒、フルーツブランデー及びバーボンウイスキーに多く含まれている(非特許文献1及び2参照)。
【0003】
清酒のカルバミン酸エチル低減法としては、その前駆物質である尿素を低減するウレアーゼを用いる方法(特許文献1参照)や尿素非生産性酵母を用いる方法(特許文献2参照)が広く使用されている。しかし、フルーツブランデーや梅酒中のカルバミン酸エチルは、尿素ではなく、シアン配糖体を起源とするシアン化合物から生成されることが知られており、上記のような方法ではカルバミン酸エチルを低減することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭56−20830号公報
【特許文献2】特公平6−97993号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】食品衛生研究、第45巻、69〜75頁
【非特許文献2】Proceedings of Euro Food Tox II、Zurich, 1986, 243〜248頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、梅飲料や梅酒をはじめとするシアン配糖体を含む植物を原料とする飲料においては、カルバミン酸エチルが含まれている可能性があることが知られているので、これを低減する方法が求められている。
本発明の課題は、カルバミン酸エチルを低減する飲料の製造方法、及びかかる製法により得られた飲料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、従来の製造方法とは全く別の発想で、梅酒をはじめとする飲料中のカルバミン酸エチル(エチルカーバメート、ウレタン)を低減すべく鋭意研究した結果、飲料製造中にシアン化水素の除去を行うことにより、飲料中から、有害なシアン化水素を除去できるのと同時に、有害なカルバミン酸エチルを簡便に低減できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(1)シアン配糖体を含む植物を原料とする飲料の製造方法であって、シアン化水素を除去する工程を有することを特徴とする飲料の製造方法や、(2)シアン化水素を除去する工程が、シアン化水素を捕捉する物質によりシアン化水素を捕捉する工程であることを特徴とする上記(1)記載の飲料の製造方法や、(3)シアン化水素を捕捉する物質を用いたシアン化水素の捕捉が、シアン化水素を捕捉する物質を製造器のヘッドスペースに配置することにより行われることを特徴とする上記(2)記載の飲料の製造方法や、(4)シアン化水素を捕捉する物質を用いたシアン化水素の捕捉が、製造器のヘッドスペースの気体を製造器外に導出し、該導出した気体を、シアン化水素を捕捉する物質に接触させた後、再び製造器内に導入することにより行われることを特徴とする上記(2)記載の飲料の製造方法や、(5)シアン化水素を捕捉する物質が、アルカリ性物質又は多孔性物質であることを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれか記載の飲料の製造方法や、(6)アルカリ性物質が、アルカリ性溶液であることを特徴とする上記(5)記載の飲料の製造方法や、(7)多孔性物質が、活性炭、粘土鉱物、シリカゲル又はゼオライトであることを特徴とする上記(5)記載の飲料の製造方法や、(8)シアン化水素を除去する工程が、植物を液体に浸漬させた状態で行う工程であり、該植物浸漬液の高さが、横断面の直径又は対角線の長さに比して低くなるよう調整されることを特徴とする上記(2)〜(7)のいずれか記載の飲料の製造方法や、(9)横断面の直径又は対角線の長さに比して高さが低い製造器が用いられることを特徴とする上記(8)記載の飲料の製造方法や、(10)植物浸漬中の浸漬液の高さが7cm以下であることを特徴とする上記(8)又は(9)記載の飲料の製造方法に関する。
【0009】
また、本発明は、(11)シアン化水素を除去する工程が、気体を、液中及び/又は製造器のヘッドスペースに導入し、シアン化水素と共に気体を製造器外に排出する工程であることを特徴とする上記(1)記載の飲料の製造方法や、(12)気体の導入期間が、1週間以上であることを特徴とする上記(11)記載の飲料の製造方法や、(13)シアン化水素を除去する工程が、植物を水に浸漬させた状態で行う工程であり、該工程の後に、アルコールを添加することを特徴とする上記(11)又は(12)記載の飲料の製造方法や、(14)気体が、不活性ガスであることを特徴とする上記(11)〜(13)のいずれか記載の飲料の製造方法や、(15)不活性ガスが、窒素又は二酸化炭素であることを特徴とする上記(14)記載の飲料の製造方法や、(16)上記(1)〜(15)のいずれか記載の方法により製造されたことを特徴とする飲料に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の飲料の製造方法によれば、従来の製造方法による製品と比べてカルバミン酸エチル含有量の少ない飲料を、複雑な操作を必要とせず、簡便に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る飲料の製造方法を説明するための図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る飲料の製造方法を説明するための図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る飲料の製造方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の飲料の製造方法としては、シアン配糖体を含む植物を原料とする方法であって、シアン化水素を除去する工程を有する方法であれば特に制限されるものではなく、本発明におけるシアン配糖体を含む植物としては、梅、杏、桃、ビワ、プラム、チェリー、豆、イモ、サトウキビ等を例示することができる。これらのシアン配糖体を含む植物は、1種用いてもよいし、2種以上用いてもよい。本発明の飲料は、アルコール飲料、ノンアルコール飲料(清涼飲料水)のいずれであってもよい。また、アルコール飲料及びノンアルコール飲料のいずれの製造においても、シアン化水素を除去する工程以外は、従来公知の方法を適用することができる。
【0013】
本発明の飲料の製造方法におけるシアン化水素を除去する工程としては、シアン化水素を捕捉する物質によりシアン化水素を捕捉する工程を例示することができ、具体的には、アルカリ性物質や多孔性物質を用いてシアン化水素を捕捉する工程を例示することができる。アルカリ性物質、多孔性物質は、単独で用いてもよいし、両者を用いてもよい。なお、シアン化水素を除去する工程は、通常は、植物をアルコール、水等の液体中に浸漬して保持する浸漬工程と同時に行われるが、浸漬工程後に行うことも可能である。
【0014】
シアン化水素を捕捉する物質を用いたシアン化水素の捕捉は、例えば、シアン化水素を捕捉する物質を製造器のヘッドスペースに配置することにより行うことができ、また、製造器のヘッドスペースの気体を製造器外に導出し、該導出した気体を、シアン化水素を捕捉する物質に接触させた後、再び製造器内に導入することにより行うことができる。前者の場合、必要に応じて、液体をシャワー等によりヘッドスペースに導入し、液体を循環させることができ、これにより、より効率的にシアン化水素を除去することができる。また、後者においては、再び製造器内に気体を導入する際、ヘッドスペースに導入してもよいし、液体内に導入してもよく、ヘッドスペース及び液体中に分岐して導入してもよいが、一部又は全部を液体中に導入することが、より効率的に液中からシアン化水素を除去することができることから好ましい。
【0015】
本発明の飲料の製造方法において用いられるアルカリ性物質としては、シアン化水素との酸塩基反応によりシアン化水素を塩として捕捉できるものであれば特に制限されるものではなく、固体状であっても液体状であってもよいが、反応性の点から、アルカリ性溶液であることが好ましい。アルカリ性物質としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、ソーダ石灰、重曹、又はこれらの水溶液を例示することができ、これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0016】
また、本発明の飲料の製造方法において用いられる多孔性物質としては、シアン化水素を孔内に捕捉することができる物質であれば特に制限されるものではなく、例えば、活性炭、粘土鉱物、シリカゲル、ゼオライト、セライト、ハイドロキシアパタイト、珪藻土、活性白土を例示することができ、これらの中でも、活性炭、粘土鉱物、シリカゲル、ゼオライトが好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0017】
また、シアン化水素を除去する工程においては、浸漬液の高さが、横断面の直径(製造器が円柱形状の場合)又は対角線の長さ(製造器が四角柱等の角柱形状の場合)に比して低くなるよう調整することが好ましい。すなわち、植物を液体に浸漬させた浸漬工程と同時に行う場合、植物浸漬液の高さが、横断面の直径又は対角線の長さに比して低くなるよう調整することが好ましく、浸漬工程後に行う場合は、植物を除去した浸漬液の高さが、横断面の直径又は対角線の長さに比して低くなるよう調整することが好ましい。これにより、浸漬液の容量あたりの表面積(気液界面の面積)が大きくなり、シアン化水素をより効率的に除去することができる。このような浸漬液の高さの調整は、植物量、液量、容器形状等を考慮して調整することができ、例えば、梅等の植物が重ならないよう製造器底面一面に敷き詰めて、植物浸漬中の浸漬液の高さを5〜7cm以下として製造することができる。また、このような浸漬液の高さの調整を行う場合、従来の縦長の製造器を用いて行ってもよいが、横断面の直径又は対角線の長さに対して高さが低い製造器(横長の製造器)を用いて行うことが、容器容量あたりの製造効率の点から好ましい。
【0018】
また、本発明の飲料の製造方法におけるシアン化水素を除去する工程としては、気体を、液体中及び/又は製造器のヘッドスペースに導入し、シアン化水素と共に気体を製造器外に排出する工程を例示することができる。この気体を用いた操作は、単独で行うこともでき、上記シアン化水素を捕捉する物質によりシアン化水素を捕捉する工程の操作と共に行うこともできる。気体は、空気や不活性ガスを使用することができ、不活性ガスとしては、例えば、炭酸ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等を例示することができ、コスト等の実用性の面を考慮すると、窒素、二酸化炭素が好ましい。なお、上記シアン化水素を捕捉する物質によりシアン化水素を捕捉する場合と同様に、シアン化水素の除去は、浸漬工程又は浸漬工程後に行うことができ、気体の導入期間としては、気体の導入流量にもよるが、例えば1週間以上である。
【0019】
気体を外部に排出する本方法(開放系)においては、アルコール水溶液に浸漬する通常のアルコール飲料の製法とは異なり、まず、植物を水に浸漬し、この水への浸漬中にシアン化水素を除去し、その後、アルコールを添加する(アルコール添加工程)ことが好ましい。これにより、アルコールの低減を防止して、アルコールを含む飲料(アルコール飲料やアルコール1%未満の清涼飲料水)を製造することができる。また、浸漬工程の初期に不活性ガスを吹き込むことにより、水中の酸素濃度を低減してカビ等の微生物の発生を抑えることができることから、少なくとも浸漬工程の初期にガス吹き込みを行うことが好ましく、その後継続して吹き込みを行ってもよい。また、初期吹き込みを一旦休止した後浸漬工程の後期に吹き込みを行ってもよい。
【0020】
以下、図面を参照しつつ、上記本発明の飲料の製造方法を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る飲料の製造方法を説明するための図であり、図2は、本発明の第2の実施形態に係る飲料の製造方法を説明するための図であり、図3は、本発明の第3の実施形態に係る飲料の製造方法を説明するための図である。
【0021】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態においては、タンク上部のヘッドスペースに、シアン化水素を捕捉する物質を配置した状態で、例えばシアン配糖体を含む植物の一例である梅を水又はアルコール水溶液に浸漬し、梅成分を水又はアルコール水溶液に浸出させることにより、梅飲料を製造する。このとき、必要に応じて、タンク内の水又はアルコール水溶液をヘッドスペースに噴霧し、シアン化水素の除去効率をより高めることも可能である。
【0022】
また、図2に示すように、本発明の第2の実施形態においては、例えばシアン配糖体を含む植物の一例である梅を水又はアルコール水溶液に浸漬して梅成分を水又はアルコール水溶液に浸出させる間、タンク上部のヘッドスペースからの気体を配管から抜き取り、該配管の途中に設けられたシアン化水素を捕捉する物質を設置したシアン化水素捕捉部を通過させて、再び配管を介してヘッドスペース内及び/又は液体中に吹き込み、梅飲料を製造する。
【0023】
図3に示すように、本発明の第3の実施形態においては、例えばシアン配糖体を含む植物の一例である梅を水に浸漬し、液中に窒素ガス等の不活性ガスを導入し、製造器外(外部)にガスを排出しつつ、梅成分を水に浸出させることにより、梅飲料を製造する。この後、必要に応じてアルコールを添加することにより、アルコール飲料を製造することができる。
【0024】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
アルカリ性物質を用いてシアン化水素を除去しつつ、梅酒を製造した。仕込配合は、下記表1に示すとおりである。
【0026】
【表1】

【0027】
具体的には、ビーカーに、解凍した冷凍梅、氷砂糖及びアルコールを加え、ビーカーの注ぎ口の部分以外をラップで覆った後、ラップ上に1M水酸化ナトリウム水溶液10mLを入れたシャーレを置いた。シャーレを置いたビーカーごとパウチ袋に入れて密封し、30℃で3ヶ月浸漬した。比較例として、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに水10mLを用いた。
【0028】
梅酒中のシアン化水素量の測定は、衛生試験法のピリジン・ピラゾロン法で行い、カルバミン酸エチルの測定は、発明者らが考案した方法(日本醸造協会誌、第101巻、519〜525頁)で行った。3ヶ月浸漬後のシアン化水素及びカルバミン酸エチルの分析値を表2に示す。
【0029】
【表2】

【0030】
表2から明らかなように、実施例においては、アルカリ性物質により、有害なシアン化水素が低減されると同時に、カルバミン酸エチルが低減された。
【実施例2】
【0031】
気体を製造器の液中に導入し、シアン化水素と共に気体を製造器外に排出しつつ、梅酒を製造した。
【0032】
具体的には、セパラブルフラスコに、解凍した冷凍梅300g、氷砂糖150g、水350mL及び保存料として安息香酸ナトリウム378mgを加え、ガラス管から、液中に窒素ガスを約50mL/分の流量で導入した(図3参照)。室温で1又は2週間窒素ガスを導入した後、減少した水分を元の重量になるように加え、さらに99.5%のエタノール189mLを加え、密栓して室温で保存した。対照は、セパラブルフラスコに、解凍した冷凍梅300g、氷砂糖150g、安息香酸ナトリウム378mg及び35%アルコール540mLを加え、密栓し室温で保存した。
【0033】
仕込開始時点から2ヶ月浸漬後の分析値を表3に示す。
【0034】
【表3】

【0035】
表3から明らかなように、実施例においては、気体を製造器の液中に導入し、シアン化水素と共に気体を製造器外に排出することにより、一般的な分析値には大差がなく、有害なシアン化水素が低減されると同時に、カルバミン酸エチルが低減された。
【実施例3】
【0036】
浸漬液の容量あたりの表面積(気液界面の面積)を大きくすべく浸漬液の深さを浅くし、アルカリ性物質を用いてシアン化水素を除去しつつ、梅酒を製造した。浸漬液を浅くするために、結晶皿(直径18cm、深さ9cm)を用いた。また、その効果を比較するために、1Lのビーカー(直径11cm、深さ15cm)を用いた。仕込配合は、下記表4に示すとおりである。
【0037】
【表4】

【0038】
具体的には、容器に、解凍した冷凍梅、氷砂糖及びアルコールを加え、容器の上にプラスチックの網を載せ、その網にソーダ石灰20gを入れたシャーレを置いた。比較例の場合は、空のシャーレを置いた。仕込み直後の浸漬液の深さは、実施例1で4.5cm、実施例2で11cm、比較例で11cmとなった。全体をパウチ袋に入れて密封し、30℃で2ヶ月浸漬した。梅酒の分析値は表5に示すとおりである。

【0039】
【表5】

【0040】
表5から明らかなように、実施例においては、浸漬液の深さを浅くし、アルカリ性物質を用いてシアン化水素を除去することにより、一般的な分析値には大差がなく、有害なシアン化水素が低減されると同時に、カルバミン酸エチルが低減された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアン配糖体を含む植物を原料とする飲料の製造方法であって、
シアン化水素を除去する工程を有することを特徴とする飲料の製造方法。
【請求項2】
シアン化水素を除去する工程が、シアン化水素を捕捉する物質によりシアン化水素を捕捉する工程であることを特徴とする請求項1記載の飲料の製造方法。
【請求項3】
シアン化水素を捕捉する物質を用いたシアン化水素の捕捉が、シアン化水素を捕捉する物質を製造器のヘッドスペースに配置することにより行われることを特徴とする請求項2記載の飲料の製造方法。
【請求項4】
シアン化水素を捕捉する物質を用いたシアン化水素の捕捉が、製造器のヘッドスペースの気体を製造器外に導出し、該導出した気体を、シアン化水素を捕捉する物質に接触させた後、再び製造器内に導入することにより行われることを特徴とする請求項2記載の飲料の製造方法。
【請求項5】
シアン化水素を捕捉する物質が、アルカリ性物質又は多孔性物質であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載の飲料の製造方法。
【請求項6】
アルカリ性物質が、アルカリ性溶液であることを特徴とする請求項5記載の飲料の製造方法。
【請求項7】
多孔性物質が、活性炭、粘土鉱物、シリカゲル又はゼオライトであることを特徴とする請求項5記載の飲料の製造方法。
【請求項8】
シアン化水素を除去する工程が、植物を液体に浸漬させた状態で行う工程であり、該植物浸漬液の高さが、横断面の直径又は対角線の長さに比して低くなるよう調整されることを特徴とする請求項2〜7のいずれか記載の飲料の製造方法。
【請求項9】
横断面の直径又は対角線の長さに比して高さが低い製造器が用いられることを特徴とする請求項8記載の飲料の製造方法。
【請求項10】
植物浸漬中の浸漬液の高さが7cm以下であることを特徴とする請求項8又は9記載の飲料の製造方法。
【請求項11】
シアン化水素を除去する工程が、気体を、液中及び/又は製造器のヘッドスペースに導入し、シアン化水素と共に気体を製造器外に排出する工程であることを特徴とする請求項1記載の飲料の製造方法。
【請求項12】
気体の導入期間が、1週間以上であることを特徴とする請求項11記載の飲料の製造方法。
【請求項13】
シアン化水素を除去する工程が、植物を水に浸漬させた状態で行う工程であり、該工程の後に、アルコールを添加することを特徴とする請求項11又は12記載の飲料の製造方法。
【請求項14】
気体が、不活性ガスであることを特徴とする請求項11〜13のいずれか記載の飲料の製造方法。
【請求項15】
不活性ガスが、窒素又は二酸化炭素であることを特徴とする請求項14記載の飲料の製造方法。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか記載の方法により製造されたことを特徴とする飲料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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