説明

飲料供給装置

【課題】飲料の調製に使用するアルカリイオン水の供給量を確保するとともに、酸性水の流出量を抑制することが可能な飲料供給装置を提供する。
【解決手段】飲料調製用の原料を収容している原料キャニスタ11と、飲料調製用の湯水を貯留している温水タンク15、冷却コイル17と、温水タンク15、冷却コイル17に飲用水を供給する給水カセットタンク18、給水ポンプ19とを備え、原料キャニスタ11から供給される原料と温水タンク15、冷却コイル17から供給される湯水を用いて飲料を調製する飲料供給装置1において、給水カセットタンク18、給水ポンプ19から供給される飲用水からアルカリイオン水を生成するアルカリイオン整水器20を設けるとともに、該アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bに連通する管路にブースターポンプ21を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料原料と湯水とから飲料を調製する自動給茶機や清涼飲料ディスペンサ、コーヒーサーバー、カップ式飲料自動販売機などの飲料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の飲料供給装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものが知られている。特許文献1に記載される飲料供給装置は、供給された飲用水を電気ヒータで加熱した湯を貯留している温水タンクと、冷却水を貯留している冷却水槽と、冷却水槽に貯留されている冷却水に浸漬され、その管路内を通流する飲用水を冷却して冷水とする冷却コイルと、これらの温水タンクや冷却コイルに供給する飲用水を貯留している給水カセットタンクと、給水カセットタンクに貯留されている飲用水を温水タンクおよび冷却コイルに圧送する給水ポンプと、飲料原料としての粉末状の茶葉を貯蔵している原料キャニスタと、原料キャニスタから送出された粉末状の茶葉に温水タンクから供給される湯や冷却コイルを介して供給される冷水を混合して飲料とするミキシングボウルと、ミキシングボウルで混合した飲料を注入するカップを載置する給茶ステージと、給茶ステージから排出される廃水を溜め置く廃水タンクと、冷却水槽に貯留している冷却水を冷却するための冷却装置などから構成されている。
【0003】
そして、水道水が補給されて給水カセットタンクに貯留されている飲用水は、給水ポンプにより圧送されると、浄水器を介して温水タンクおよび冷却コイルに送られる。浄水器を通過した飲用水からはニゴリや鉄サビなどの異物や有機物、塩素、カルキ臭などが取り除かれる。
【0004】
このように構成される飲料供給装置において、利用者が飲料の供給を受ける場合について説明する。先ず、カップを給茶ステージの所定の位置に載置し、所望する飲料の飲料選択ボタンを操作すると、飲料供給装置に備えられている制御装置による制御により、その飲料選択ボタンにより選択された飲料に対応する粉末状の茶葉が原料キャニスタからミキシングボウルに送出される。さらに、温水タンクに貯留されている湯と、冷却コイルを通流して冷却された冷水とが所定の割合でミキシングボウルに注入される。このようにして供給された粉末状の茶葉と湯水とがミキシングボウル内で混合されて調製された飲料が給茶ステージ上に載置されたカップに注入されて利用者に引き渡される。
【0005】
ところで、飲料供給装置には浄水器を備え、飲用水を通過させることにより、ニゴリや鉄サビなどの異物や有機物、塩素、カルキ臭などを取り除くようにしているが、近年、特許文献2に記載されているような、浄水器と連通させた電解槽を一体に配設したアルカリイオン整水器を備え、このアルカリイオン整水器で生成されたアルカリイオン水を使用して飲料を調製することが検討されている。電解槽には、水中のイオンを通過させる隔膜と、隔壁により隔てられた一方に陰極、他方に陽極となる電極が水中に浸漬されるように設けられている。そして、陰極、陽極となる電極間に直流電圧を印加すると、浄水器を通過して濾過された飲用水が電気分解されることで、陰極側にアルカリイオン水、陽極側に酸性水が生成される。そして、アルカリイオン整水器には、給水ポンプに連通されて飲用水が供給されるための給水口、陰極側に連通されてアルカリイオン水を取り出すためのアルカリイオン水吐出口、陽極側に連通されて酸性水を排出するための酸性水排出口が設けられ、アルカリイオン水吐出口から供給されるアルカリイオン水を使用して飲料が調製される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−264486号公報
【特許文献2】特開平5−253572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、アルカリイオン整水器を従前の浄水器と同様に給水ポンプの下流側に設け、給水ポンプで飲用水を圧送すると、飲料供給装置に備えられている各種弁や配管の管路抵抗により、アルカリイオン水吐出口から取水できるアルカリイオン水の量よりも酸性水排出口から流出する酸性水の量が多くなる現象が発生することとなる。
【0008】
このように、アルカリイオン水吐出口から取水できるアルカリイオン水よりも酸性水排出口から流出する酸性水の量が多くなると、飲料の調製に使用するアルカリイオン水が不足するとともに、酸性水が排出される廃水タンクがすぐに満水となり、飲料供給装置の利用者が飲料の供給を受けることができなくなるという不都合が生じることとなる。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、アルカリイオン整水器を備えた飲料供給装置において、飲料の調製に使用するアルカリイオン水の供給量を確保するとともに、酸性水の流出量を抑制することが可能な飲料供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る飲料供給装置は、飲料調製用の原料を収容している原料供給手段と、飲料調製用の湯水を貯留している湯水供給手段と、該湯水供給手段に飲用水を供給する飲用水供給手段とを備え、前記原料供給手段から供給される原料と前記湯水供給手段から供給される湯水を用いて飲料を調製する飲料供給装置において、
前記飲用水供給手段には、飲用水からアルカリイオン水を生成するアルカリイオン整水器を設けるとともに、該アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口に連通する管路にアルカリイオン水吸入ポンプを設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2に係る飲料供給装置は、上述した請求項1において、前記飲料供給装置に備えられている各機器を制御するための制御装置が設けられ、該制御装置は、前記アルカリイオン水吐出口の圧力と前記アルカリイオン整水器の酸性水排出口の圧力とが所定の圧力バランスとなるように前記アルカリイオン水吸入ポンプを制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る飲料供給装置は、上述した請求項1において、飲用水カセットタンクに貯留されている飲用水を前記アルカリイオン整水器に圧送する給水ポンプと前記アルカリイオン整水器の給水口を連通する管路、前記アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口と前記湯水供給手段を連通する管路、ならびに、前記アルカリイオン整水器の酸性水排出口に連通する管路にオリフィスを設けたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に係る飲料供給装置は、上述した請求項1または2において、前記アルカリイオン整水器には、水道から飲用水を供給してアルカリイオン水を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、飲料調製用の原料を収容している原料供給手段と、飲料調製用の湯水を貯留している湯水供給手段と、該湯水供給手段に飲用水を供給する飲用水供給手段とを備え、前記原料供給手段から供給される原料と前記湯水供給手段から供給される湯水を用いて飲料を調製する飲料供給装置において、前記飲用水供給手段には、飲用水からアルカリイオン水を生成するアルカリイオン整水器を設けるとともに、該アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口に連通する管路にアルカリイオン水吸入ポンプを設けたことにより、給水ポンプを運転すると同時にアルカリイオン水吸入ポンプを運転し、さらに、アルカリイオン水吐出口の圧力と酸性水排出口の圧力とが所定の圧力バランスとなるように制御装置が給水ポンプとアルカリイオン水吸入ポンプを制御して運転すると、アルカリイオン水吐出口の圧力は給水ポンプの吐出圧力より大きく下がり、酸性水排出口の圧力と略同等とすることができ、アルカリイオン水吐出口から供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口から排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口から供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口から排出される酸性水との流量を最適に管理することで、飲料の調製に使用するアルカリイオン水の供給量を確保するとともに、酸性水の流出量を抑制することが可能な飲料供給装置を提供することが可能となる。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、前記飲料供給装置に備えられている各機器を制御するための制御装置が設けられ、該制御装置は、前記アルカリイオン水吐出口の圧力と前記アルカリイオン整水器の酸性水排出口の圧力とが所定の圧力バランスとなるように前記アルカリイオン水吸入ポンプを制御することにより、アルカリイオン水吐出口の圧力と酸性水排出口の圧力とを略同等に管理することができ、アルカリイオン水吐出口から供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口から排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口から供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口から排出される酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
【0016】
また、請求項3の発明によれば、飲用水カセットタンクに貯留されている飲用水を前記アルカリイオン整水器に圧送する給水ポンプと前記アルカリイオン整水器の給水口を連通する管路、前記アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口と前記湯水供給手段を連通する管路、ならびに、前記アルカリイオン整水器の酸性水排出口に連通する管路にオリフィスを設け、各管路を通流する流体の圧力を最適に管理することにより、アルカリイオン水吐出口の圧力と酸性水排出口の圧力とを略同等に管理することができ、アルカリイオン水吐出口から供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口から排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口から供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口から排出される酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
【0017】
また、請求項4の発明によれば、前記アルカリイオン整水器には、水道から飲用水を供給してアルカリイオン水を生成することにより、アルカリイオン整水器から湯水供給手段にアルカリイオン水を供給するときは、アルカリイオン水吐出口の圧力と酸性水排出口の圧力とが所定の圧力バランスとなるように制御装置がアルカリイオン水吸入ポンプの運転を制御するようにしても、アルカリイオン水吐出口の圧力と酸性水排出口の圧力とを略同等に管理することができ、アルカリイオン水吐出口から供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口から排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口から供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口から排出される酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る飲料供給装置の外観を示す外観斜視図である。
【図2】図1の飲料供給装置の機体内の構成を示す内部構造斜視図である。
【図3】図1の飲料供給装置の飲料の供給や廃水の経路を示す配管系統図である。
【図4】図1の飲料供給装置の給水ポンプの吐出圧力とアルカリイオン水吸入ポンプの吸入圧力の圧力チャートを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る飲料供給装置の配管系統図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る飲料供給装置の配管系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る飲料供給装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る飲料供給装置の外観を示す外観斜視図、図2は、図1の飲料供給装置の機体内の構成を示す内部構造斜視図であり、紅茶や緑茶などの飲料を供給する自動給茶機を示している。
【0020】
図に示すように、この飲料供給装置1は、上段の機体本体2と、下段の機体載置台3とから構成されている。機体本体2は、前面が開口した箱体であり、この機体本体2の一側縁にヒンジ4を介して本体扉5が回動自在に軸支され、この本体扉5により、機体本体2の前面開口が開閉される。
【0021】
本体扉5の前面には、カップC(図3参照)に供給する飲料の種類およびその冷温の区別を選択する複数の飲料選択ボタン6a、6bが設けられ、飲料選択ボタン6aは冷飲料を、飲料選択ボタン6bは温飲料をそれぞれ選択するときに操作される。また、本体扉5の裏面には、飲料供給装置1に備えられている各機器を制御するための制御装置90が設けられている。
【0022】
機体本体2の中央下部には、飲料が注入されるカップCを載置する給茶ステージ7が設けられ、本体扉5の閉扉状態において給茶ステージ7に対向する位置には、給茶ステージ7にカップCを載置する、また、飲料が注がれたカップCを取り出す開口であるカップ開口8が設けられている。さらに、機体本体2の前面上方には、飲料調製用の原料を収容している原料キャニスタ(原料供給手段)11が、原料の種類別に横方向に複数並べて設けられている。この各原料キャニスタ11内には紅茶、緑茶などの各種飲料の粉末原料がそれぞれ収容されている。
【0023】
各原料キャニスタ11の下方には、各原料キャニスタ11から原料シュート12を介して供給される各種飲料の粉末原料と、後述する温水タンク(湯水供給手段)15および冷却コイル(湯水供給手段)17から供給される湯水を攪拌混合して飲料を調製するミキシングボウル13が各原料キャニスタ11、原料シュート12と対応して同様に複数、横方向に並べて設けられている。
【0024】
機体本体2の上部奥側には、供給された飲用水を電気ヒータ(図示せず)で所定の温度(例えば、90℃)に加熱した湯を貯留している温水タンク15と、冷却装置(図示せず)で略0℃に冷却されている冷却水を貯留している冷却水槽16が設けられている。
【0025】
機体載置台3は、機体本体2と同様に前面が開口した箱体であり、その一側縁にヒンジ9を介して載置台扉10が回動自在に軸支されている。そして、この載置台扉10により、その前面開口が開閉される。また、機体載置台3内には、飲用水を貯留している給水カセットタンク(飲用水供給手段、飲用水カセットタンク)18や、給茶ステージ7から排出される廃水やアルカリイオン整水器20から排出される酸性水を溜め置く廃水タンク25が設けられている。
【0026】
図3は、本発明の実施の形態1に係る飲料供給装置の飲料の供給や廃水の経路を示す配管系統図である。給水カセットタンク18に貯留されている飲用水は、給水ポンプ(飲用水供給手段)19により、アルカリイオン整水器20、ブースターポンプ(アルカリイオン水吸入ポンプ)21、第1給水弁22、流量センサ23を介して冷却コイル17に供給され、第1給水弁22、流量センサ23、第2給水弁24を介して温水タンク15に供給される。
【0027】
アルカリイオン整水器20は、特許文献2に記載されているように、浄水器と連通させた電解槽が一体に配設され、電解槽には、水中のイオンを通過させる隔膜と、隔壁により隔てられた一方に陰極、他方に陽極となる電極が水中に浸漬されるように設けられている。そして、陰極、陽極となる電極間に直流電圧を印加すると、浄水器を通過して濾過された飲用水が電気分解されることで、陰極側にアルカリイオン水、陽極側に酸性水が生成される。
【0028】
そして、アルカリイオン整水器20には、給水ポンプ19に連通されて飲用水が供給される給水口20a、陰極側に連通されてアルカリイオン水を取り出すためのアルカリイオン水吐出口20b、陽極側に連通されて酸性水を排出するための酸性水排出口20cが設けられている。アルカリイオン生成器20で生成されてアルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水は温水タンク15、および、冷却コイル17に供給されて飲料の調製に使用され、酸性水排出口20cから排出された酸性水は廃水タンク25に溜め置かれる。
【0029】
冷却コイル17は、冷却水槽16に貯留されている冷却水に浸漬され、その管路内を通流するアルカリイオン水を冷却して冷水とする。冷却水槽16に貯留されている冷却水には図示しない冷却装置の蒸発パイプが浸漬され、冷却装置が運転されると、蒸発パイプを通流する冷媒の蒸発熱でその周囲にアイスバンク(氷魂)を生成して冷却水を略0℃に保ち、冷却コイル17の管路内を通流するアルカリイオン水を冷却する。また、冷却水槽16にはアジテータモータで回転する攪拌装置16aが設けられ、冷却水の温度を均一に保つようにしている。
【0030】
また、温水タンク15に連通する複数の湯配管15aには湯弁15bが設けられ、冷却コイル17の下流側には、複数の冷水弁17aが設けられている。そして、湯弁15bが設けられている湯配管15aの下流側にはミキシングボウル13、または、冷水弁17aが設けられている冷却コイル17の下流側配管と連通するように構成されている。さらに、冷水弁17aが設けられている冷却コイル17の下流側配管もミキシングボウル13、または、湯弁15bが設けられている湯配管15aの下流側配管と連通するように構成されている。
【0031】
このように構成される実施の形態1の飲料供給装置1において、利用者が飲料の供給を受ける場合について説明する。先ず、カップCを給茶ステージ7の所定の位置に載置し、紅茶、緑茶などの飲料の種類別に設けられた所望する飲料の飲料選択ボタン6aまたは飲料選択ボタン6bを操作すると、飲料供給装置1に備えられている制御装置90による制御により、その飲料選択ボタン6aまたは飲料選択ボタン6bにより選択された飲料に対応する粉末状の茶葉が原料キャニスタ11から原料シュータ12を介してミキシングボウル13に送出される。また、湯弁15bが解放されて温水タンク15に貯留されている湯が湯配管15aからミキシングボウル13に供給される。さらに、給水ポンプ19、ブースターポンプ21が運転され、第1給水弁22、冷水弁17aが解放されると、給水カセットタンク18に貯留されている飲用水は、給水ポンプ19により圧送され、アルカリイオン整水器20を通過することで生成されたアルカリイオン水が冷却コイル17で冷却され、ミキシングボウル13に供給される。このようにして供給された粉末状の茶葉と湯水とがミキシングボウル13内で混合され、利用者が所望する飲料が調製されて給茶ステージ7に載置されたカップCに注入されて引き渡される。
【0032】
ここで、アルカリイオン水吐出口20b下流側にはブースターポンプ21を設け、給水ポンプ19を運転して給水カセットタンク18に貯留されている飲用水をアルカリイオン整水器20に圧送して温水タンク15、または、冷却コイル17にアルカリイオン水を供給するときは、給水ポンプ19を運転すると同時にブースターポンプ21を運転し、さらに、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とが所定の圧力バランスとなるように制御装置90が給水ポンプ19とブースターポンプ21の運転を制御しているので、アルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水を多くし、酸性水排出口20cから排出される酸性水を少なくすることができ、アルカリイオン水と酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
【0033】
図4は、給水ポンプ19の吐出圧力(給水口20aの圧力)とブースターポンプ21の吸入圧力(アルカリイオン水吐出口20bの圧力)の圧力チャートを示す図で、図4(a)は飲料供給装置1に給水ポンプ19とブースターポンプ21を設け、給水ポンプ19を運転すると同時にブースターポンプ21を制御装置90が制御して運転したときの圧力を示し、図4(b)はブースターポンプ21を設けず、給水ポンプ19のみを設けて運転したときの圧力を示している。
【0034】
給水ポンプ19を運転して給水カセットタンク18に貯留されている飲用水をアルカリイオン整水器20に圧送して温水タンク15、または、冷却コイル17にアルカリイオン水を供給するとき、ブースターポンプ21は設けず、給水ポンプ19のみを設けて運転すると、図4(b)に示しているように、アルカリイオン水吐出口20bの圧力は、飲料供給装置1に備えられている各種弁や配管の管路抵抗により、給水ポンプ19の吐出圧力より若干低い値(例えば、−0.01MPa)となり、酸性水排出口20cの圧力(略0MPa)よりも高い値となるので、アルカリイオン水吐出口20bから供給できるアルカリイオン水の量は酸性水排出口20cから排出される酸性水の量よりも少なくなる現象が発生する。
【0035】
一方、アルカリイオン水吐出口20b下流側にブースターポンプ21を設け、給水ポンプ19を運転すると同時にブースターポンプ21を運転し、さらに、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とが所定の圧力バランスとなるように制御装置90が給水ポンプ19とブースターポンプ21を制御して運転すると、図4(a)に示しているように、ブースターポンプ21の吸入圧力(アルカリイオン水吐出口20bの圧力)は給水ポンプ19の吐出圧力(給水口20aの圧力)より大きく下がり、酸性水排出口20cの圧力と略同等とすることができ、アルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口20cから排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口20cから排出される酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2に係る飲料供給装置の飲料の供給や廃水の経路を示す配管系統図である。なお、実施の形態1と同一構成に関しては同一符号を用いる。
【0036】
実施の形態1の飲料供給装置では、給水カセットタンク18に貯留されている飲用水をアルカリイオン整水器20に圧送する給水ポンプ19と、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20b下流側にブースターポンプ(アルカリイオン水吸入ポンプ)21を設け、給水ポンプ19を運転して給水カセットタンク18に貯留されている飲用水をアルカリイオン整水器20に圧送して温水タンク15、または、冷却コイル17にアルカリイオン水を供給するときは、給水ポンプ19を運転すると同時にブースターポンプ21を運転し、さらに、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とが所定の圧力バランスとなるように制御装置90が給水ポンプ19とブースターポンプ21の運転を制御するようにしているが、実施の形態2の飲料供給装置では、給水カセットタンク18に貯留されている飲用水をアルカリイオン整水器20に圧送する給水ポンプ19と、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20b下流側に吸入ポンプ21aを設けるとともに、給水ポンプ19とアルカリイオン整水器20の給水口20aとを連通する管路26aにはオリフィス26、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bと吸入ポンプ21aを介して温水タンク15、冷却コイル17とを連通する管路27aにはオリフィス27、ならびに、アルカリイオン整水器20の酸性水排出口20cに連通する管路28aにはオリフィス28を設け、管路26a、27a、28aを通流する流体の圧力を最適に管理するようにしている。
【0037】
このように、実施の形態2の構成によっても、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とを略同等に管理することができ、アルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口20cから排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口20cから排出される酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係る飲料供給装置の飲料の供給や廃水の経路を示す配管系統図である。なお、実施の形態1と同一構成に関しては同一符号を用いる。
【0038】
実施の形態1の飲料供給装置では、給水カセットタンク18に貯留されている飲用水をアルカリイオン整水器20に圧送する給水ポンプ19と、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20b下流側にブースターポンプ(アルカリイオン水吸入ポンプ)21を設け、給水ポンプ19を運転して給水カセットタンク18に貯留されている飲用水をアルカリイオン整水器20に圧送して温水タンク15、または、冷却コイル17にアルカリイオン水を供給するときは、給水ポンプ19を運転すると同時にブースターポンプ21を運転し、さらに、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とが所定の圧力バランスとなるように制御装置90が給水ポンプ19とブースターポンプ21の運転を制御するようにしているが、実施の形態3の飲料供給装置では、水道から圧送される水道水をアルカリイオン整水器20に供給し、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20b下流側にはブースターポンプ(アルカリイオン水吸入ポンプ)21を設け、アルカリイオン整水器20から温水タンク15、または、冷却コイル17にアルカリイオン水を供給するときは、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とが所定の圧力バランスとなるように制御装置90がブースターポンプ21の運転を制御するようにしている。
【0039】
このように、実施の形態3の構成によっても、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とを略同等に管理することができ、アルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口20cから排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口20cから排出される酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、飲料調製用の原料を収容している原料キャニスタ11と、飲料調製用の湯水を貯留している温水タンク15、冷却コイル17と、温水タンク15、冷却コイル17に飲用水を供給する給水カセットタンク18、給水ポンプ19とを備え、原料キャニスタ11から供給される原料と温水タンク15、冷却コイル17から供給される湯水を用いて飲料を調製する飲料供給装置1において、給水カセットタンク18、給水ポンプ19から供給される飲用水からアルカリイオン水を生成するアルカリイオン整水器20を設けるとともに、該アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bに連通する管路にブースターポンプ21を設けたことにより、給水ポンプ19を運転すると同時にブースターポンプ21を運転し、さらに、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とが所定の圧力バランスとなるように制御装置90が給水ポンプ19とブースターポンプ21を制御して運転すると、ブースターポンプ21の吸入圧力(アルカリイオン水吐出口20bの圧力)は給水ポンプ19の吐出圧力(給水口20aの圧力)より大きく下がり、酸性水排出口20cの圧力と略同等とすることができ、アルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口20cから排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口20cから排出される酸性水との流量を最適に管理することで、飲料の調製に使用するアルカリイオン水の供給量を確保するとともに、酸性水の流出量を抑制することが可能な飲料供給装置1を提供することが可能となる。
【0041】
また、飲料供給装置1に備えられている各機器を制御するための制御装置90が設けられ、該制御装置90は、アルカリイオン水吐出口20bの圧力とアルカリイオン整水器20の酸性水排出口20cの圧力とが所定の圧力バランスとなるようにブースターポンプ21を制御することにより、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とを略同等に管理することができ、アルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口20cから排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口20cから排出される酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
【0042】
さらに、給水カセットタンク18に貯留されている飲用水をアルカリイオン整水器20に圧送する給水ポンプ19とアルカリイオン整水器20の給水口20aを連通する管路26aにはオリフィス26、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bと吸入ポンプ21aを介して温水タンク15、冷却コイル17を連通する管路27aにはオリフィス27、ならびに、アルカリイオン整水器20の酸性水排出口20cに連通する管路28aにオリフィス28を設け、管路26a、27a、28aを通流する流体の圧力を最適に管理することにより、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とを略同等に管理することができ、アルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口20cから排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口20cから排出される酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
【0043】
さらにまた、アルカリイオン整水器20には、水道から飲用水を供給してアルカリイオン水を生成することにより、アルカリイオン整水器20から温水タンク15、または、冷却コイル17にアルカリイオン水を供給するときは、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とが所定の圧力バランスとなるように制御装置90がブースターポンプ21の運転を制御するようにしても、アルカリイオン水吐出口20bの圧力と酸性水排出口20cの圧力とを略同等に管理することができ、アルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量を多くし、酸性水排出口20cから排出される酸性水の量を少なくすることができるので、アルカリイオン整水器20のアルカリイオン水吐出口20bから供給されるアルカリイオン水の量と酸性水排出口20cから排出される酸性水との流量を最適に管理することが可能となる。
【0044】
なお、本発明の飲料供給装置は、本実施の形態に示す装置にのみ限定されず、その趣旨の包含する範囲で応用適用が可能である。例えば、清涼飲料ディスペンサ、コーヒーサーバー、カップ式飲料自動販売機などに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 飲料供給装置
2 機体本体
3 機体載置台
7 給茶ステージ
8 カップ開口
11 原料キャニスタ(原料供給手段)
12 原料シュート
13 ミキシングボウル
15 温水タンク(湯水供給手段)
16 冷却水槽
17 冷却コイル(湯水供給手段)
18 給水カセットタンク(飲用水供給手段、飲用水カセットタンク)
19 給水ポンプ(飲用水供給手段)
20 アルカリイオン整水器
20a 給水口
20b アルカリイオン水吐出口
20c 酸性水排出口
21 ブースターポンプ(アルカリイオン水吸入ポンプ)
21a 吸入ポンプ
25 廃水タンク
26 オリフィス
26a 管路
27 オリフィス
27a 管路
28 オリフィス
28a 管路
90 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製用の原料を収容している原料供給手段と、飲料調製用の湯水を貯留している湯水供給手段と、該湯水供給手段に飲用水を供給する飲用水供給手段とを備え、前記原料供給手段から供給される原料と前記湯水供給手段から供給される湯水を用いて飲料を調製する飲料供給装置において、
前記飲用水供給手段には、飲用水からアルカリイオン水を生成するアルカリイオン整水器を設けるとともに、該アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口に連通する管路にアルカリイオン水吸入ポンプを設けたことを特徴とする飲料供給装置。
【請求項2】
前記飲料供給装置に備えられている各機器を制御するための制御装置が設けられ、該制御装置は、前記アルカリイオン水吐出口の圧力と前記アルカリイオン整水器の酸性水排出口の圧力とが所定の圧力バランスとなるように前記アルカリイオン水吸入ポンプを制御することを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項3】
飲用水カセットタンクに貯留されている飲用水を前記アルカリイオン整水器に圧送する給水ポンプと前記アルカリイオン整水器の給水口を連通する管路、前記アルカリイオン整水器のアルカリイオン水吐出口と前記湯水供給手段を連通する管路、ならびに、前記アルカリイオン整水器の酸性水排出口に連通する管路にオリフィスを設けたことを特徴とする請求項1に記載の飲料供給装置。
【請求項4】
前記アルカリイオン整水器には、水道から飲用水を供給してアルカリイオン水を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の飲料供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−85645(P2013−85645A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227890(P2011−227890)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】