説明

飲料抽出機構

【課題】発生したクレマを消滅させることがなく保持時間の長い飲料抽出ができる飲料抽出機構を提供する。
【解決手段】底部に多数の小さい穴21bを有し、中央部に凹部21aを形成すると共にコーヒー粉を入れる飲料フィルター21と、前記飲料フィルター21の上部を封止するシール材C18と、前記飲料フィルター21内に湯を供給する加熱容器6と、前記加熱容器6に水を供給し前記飲料フィルター21内の圧力を上昇させるポンプ2より構成されたもので、抽出液を中央部に集めることができるため、抽出液が周囲に飛び散って飲料ホルダー22を伝ってカップ(図示せず)に注がれることによるクレマの消滅を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料抽出機構に関するもので、特に、コーヒー粉やコーヒーポッドの抽出において、発生したクレマを消滅させることがなく保持時間の長い飲料抽出ができる飲料抽出機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の飲料抽出機構は、抽出液を衝突させて泡を発生させクレマと称しているものが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4は、上記特許文献1に記載された従来の飲料抽出機構の飲料フィルター部の断面図である。図4に示すように、従来の飲料抽出機構においては、コーヒーポッドに湯を通し抽出された液を1か所に集め、可動ピン30を下面で液を衝突させて泡を発生させる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】西独国実用新案第202004016195号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の飲料抽出機構の構成では、可動ピン30を保持するために複雑な構造となり、可動ピン30の周囲を清掃することは困難である。また、抽出液を泡立てているだけであり、本来のコーヒー粉内のガスからできるクレマではないため、泡が荒く保持時間が短いという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、発生したクレマを消滅させることがなく保持時間の長い飲料抽出ができる飲料抽出機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の飲料抽出機構は、底部に多数の小さい穴を有し、中央部に凹部を形成すると共にコーヒー粉を入れる飲料フィルターと、前記飲料フィルターの上部を封止するシール材Cと、前記飲料フィルター内に湯を供給する加熱容器と、前記加熱容器に水を供給し前記飲料フィルター内の圧力を上昇させるポンプより構成されたもので、抽出液を中央部に集めることができるため、抽出液が周囲に飛び散って飲料ホルダーを伝ってカップに注がれることによるクレマの消滅を防止することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の飲料抽出機構は、発生したクレマを消滅させることがなく保持時間の長い飲料抽出ができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における飲料抽出機構の全体断面図
【図2】同飲料抽出機構の主要部の拡大断面図
【図3】同飲料抽出機構のピストン下降時の主要部断面図
【図4】従来の飲料抽出機構の飲料フィルター部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
第1の発明は、底部に多数の小さい穴を有し、中央部に凹部を形成すると共にコーヒー粉を入れる飲料フィルターと、前記飲料フィルターの上部を封止するシール材Cと、前記飲料フィルター内に湯を供給する加熱容器と、前記加熱容器に水を供給し前記飲料フィルター内の圧力を上昇させるポンプより構成されたもので、抽出液を中央部に集めることができるため、抽出液が周囲に飛び散って飲料ホルダーを伝ってカップに注がれることによるクレマの消滅を防止することができる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における飲料抽出機構の全体断面図、図2は、同飲料抽出機構の主要部の拡大断面図、図3は、同飲料抽出機構のピストン下降時の主要部断面図断面図である。
【0013】
図1〜3において、本実施の形態における飲料抽出機構は、飲料用の液体である飲用水27を収容するタンク1と、タンク1内の収容液体を送り出すポンプ2と、発熱体3と、ポンプ2からの流入口4と蒸気口5を有し発熱体3で液体を加熱する加熱容器6と、加熱容器6内の液体の温度を検知する温度検知装置7と、温度検知装置7からの電気信号により発熱体3を制御する制御装置8と、加熱容器6内の液体を外部に導くピストンガイド9と、ピストンユニット19を備えている。
【0014】
ピストンユニット19は、ピストン10と、ピストン10とピストンガイド9間をシールするシール材A11と、ピストン10の下方に取り付けられたピストン容器12と、ピストン10とピストン容器12間をシールするシール材B13と、ピストン容器12の脱落を防止するピストンカバー14と、ばね15と、ばね15により付勢されピストン容器12に取り付けられた圧力弁16と、ピストン10の下面に取り付けられ多数の小さな穴を有する流出フィルター17と、ピストン容器12の外周にセットされたシール材C18から構成されている。
【0015】
また、本実施の形態における飲料抽出機構は、ピストンユニット19を保持するピストンホルダー20と、ピストンユニット19の下方の対向位置に取り付けられ、液体を通す多数の細かい穴21bを有し、中央部に凹部21aを設けた飲料フィルター21と、飲料フィルター21を保持する飲料ホルダー22と、飲料ホルダー22を装着する装着部23を有する抽出本体24と、飲料フィルター21にセットされたコーヒーの粉などが入った飲料コーヒーポッド25とを備えている。
【0016】
飲料ホルダー22は、抽出本体24に着脱可能な構成としている。ピストンユニット19は、外部操作によりピストンホルダー20を介してピストンガイド9内を上下に摺動可能となっている。
【0017】
以上のように構成された本実施の形態における飲料抽出機構の動作と作用を、以下に説明する。
【0018】
カップ26等を用いて、飲用水27をタンク1に入れ、ポンプ2により加熱容器6に飲用水27を送り、発熱体3により加熱容器6で加熱する。次に、図3のように、外部操作によりピストン10が下がり、飲料コーヒーポッド25に接触し抽出を行う。飲料コーヒーポッド25を通過した抽出液は、流路抵抗のすくない飲料フィルター21の凹部21aに集まり、底部の穴から1つの流れを形成する。周囲の穴21bより流れ出た抽出液はこの流れに引っ張られて全て1つの流れとなって落下する。
【0019】
それにより、抽出液は、飲料ホルダー22に飛び散ることによりクレマを消滅することなく、抽出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
以上のように、本発明にかかる飲料抽出機構は、水の流れをシャワー状と1つの流れに切り替える必要がある産業機器などへの利用も可能である。
【符号の説明】
【0021】
2 ポンプ
6 加熱容器
18 シール材C
21 飲料フィルター
21a 凹部
21b 穴
22 飲料ホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部に多数の小さい穴を有し、中央部に凹部を形成すると共にコーヒー粉を入れる飲料フィルターと、前記飲料フィルターの上部を封止するシール材Cと、前記飲料フィルター内に湯を供給する加熱容器と、前記加熱容器に水を供給し前記飲料フィルター内の圧力を上昇させるポンプより構成された飲料抽出機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−70737(P2013−70737A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210361(P2011−210361)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】