説明

飲料抽出機

【課題】飲料があふれる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避した飲料抽出機を提供する。
【解決手段】抽出機本体2に水を受け入れる水タンク(図示せず)と、飲料抽出原料を収容するドリッパー3を備え、ドリッパー3下部に位置するように、抽出した飲料を受け入れる飲料容器4を着脱可能に設置し、水タンクには、ドリッパー3に湯を供給するための給湯路10が接続され、この給湯路10に加熱手段としてのヒータを配設すると共に、抽出機本体2に、飲料容器4に当接してドリッパー3の吐出口12に設けた開弁部材13を開弁させるレバー22が設けられている飲料抽出機1において、ドリッパー3の有無を検出する検出手段としての検出スイッチ31を備え、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を抽出する飲料抽出機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図15に示すように、コーヒーメーカーなどの飲料抽出機は、抽出機本体101に水を受け入れる水タンク102、飲料抽出原料を収容するドリッパー103を備え、該ドリッパー103下部に位置するように、抽出した飲料を受け入れる容器104を着脱可能に設置している。そして、水タンク102には、ドリッパー103の上方に配管される給湯パイプ105が接続され、この給湯パイプ105に加熱手段たるヒータ106を配設することにより、抽出機本体101の表面に配置した抽出用のスイッチ(図示せず)を操作することで加熱した水をドリッパー103に給水し、抽出原料から飲料を抽出するようにしている。
【0003】
そして、抽出機本体101側には、容器104の外面に当接してドリッパー103に設けた止水弁107を開弁させる操作手段たる開弁部材108が揺動可能に設けられている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−301291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の飲料抽出機では、飲料容器を取り出すとドリッパーからの飲料吐出を停止するが、ヒータへの通電は止まらないのでドリッパーの容量を上回る時間、飲料容器を外すとドリッパーの上から飲料や湯があふれ出してしまう問題点があった。
【0006】
また、ドリッパーを使用せずに抽出開始すると、滴下位置が定まらず、飲料容器が飲料を受ける事ができず、飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題点があった。
【0007】
そこで、本願発明は上記した問題点に鑑み、飲料があふれる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避した飲料抽出機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明の飲料抽出機では、抽出機本体に水を受け入れる水タンク、飲料抽出原料を収容するドリッパーを備え、該ドリッパー下部に位置するように、抽出した飲料を受け入れる容器を着脱可能に設置し、前記水タンクには、前記ドリッパーに湯を供給するための給湯路が接続され、この給湯路に加熱手段を配設すると共に、前記抽出機本体に、前記容器に当接して前記ドリッパーの吐出口に設けた止水弁を開弁させる操作手段が設けられている飲料抽出機において、前記ドリッパー又は/及び前記容器の有無を検出する検出手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明の飲料抽出機では、前記検出手段は、前記操作手段と一体的に設けられることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明の飲料抽出機では、前記検出手段は、前記飲料容器及び前記ドリッパーの少なくとも一方が前記抽出機本体から離脱した状態で前記加熱手段を切状態にして、前記抽出機本体が動作しないことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明の飲料抽出機では、前記飲料の抽出時に、前記飲料容器を前記抽出機本体から離脱させると前記検出手段により検知して前記加熱手段を切状態にして、前記飲料の抽出を停止するとともに、前記弁機構により前記吐出口を閉じて前記飲料の落下を停止するものとすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1記載の発明によれば、操作手段と検出手段によって、飲料容器とドリッパーが両方とも抽出機本体に正しくセットされたことを検出し、飲料容器とドリッパーのどちらかが抽出機本体に正しくセットされていない場合は飲料の抽出のための加熱手段を切状態にして、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0013】
本発明の請求項2記載の発明によれば、検出手段を操作手段と一体に構成することができるので、少ない部品点数で構成されかつ確実な動作を得ることができる。
【0014】
本発明の請求項3記載の発明によれば、飲料容器とドリッパーのどちらかが抽出機本体に正しくセットされていない場合は飲料の抽出のための加熱手段を切状態にして、抽出機本体が動作せず、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0015】
本発明の請求項4記載の発明によれば、飲料容器が抽出機本体に正しくセットされていない場合は飲料の抽出のための加熱手段を切状態にして、かつ、ドリッパーの吐出口を閉じて飲料の落下を停止して、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係る飲料抽出機に飲料容器を設置した状態を示す断面図である。
【図2】同上、飲料抽出機から飲料容器を離脱させた状態を示す断面図である。
【図3】同上、図1における要部拡大断面図である。
【図4】同上、図2における要部拡大断面図である。
【図5】同上、電気回路図である。
【図6】本発明の実施例2に係る飲料抽出機に飲料容器を設置した状態を示す断面図である。
【図7】同上、飲料抽出機から飲料容器を離脱させた状態を示す断面図である。
【図8】同上、図6における要部拡大断面図である。
【図9】同上、図7における要部拡大断面図である。
【図10】本発明の実施例3に係る飲料抽出機に飲料容器を設置した状態を示す断面図である。
【図11】同上、飲料抽出機から飲料容器を離脱させた状態を示す断面図である。
【図12】同上、図10における要部拡大断面図である。
【図13】同上、図11における要部拡大断面図である。
【図14】同上、図5と異なる電気回路図である。
【図15】従来の飲料抽出機の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0018】
図1〜図5は本発明の第1実施例を示しており、同図に示すように本実施例の飲料抽出機1は、抽出機本体2の上部に着脱可能に備えたドリッパー3と、抽出機本体2の下部に着脱可能に備えた飲料容器4とを有する構造としている。
【0019】
抽出機本体2は、上部を前方に突出させたノーズ部5と、下部を前方に突出させたベース部6と、ノーズ部5及びベース部6のそれぞれの後部を上下方向に連結する中間部7とを備えた断面視略コ字形状を有する構成としており、ノーズ部5はベース部6を上方から覆うように形成されているとともに、ノーズ部5と中間部7はともに中空形状を有している。
【0020】
ノーズ部5の上部には、ノーズ部5の上部を開放した開口部8を開閉可能な蓋体9を備えるとともに、蓋体9にはドリッパー3にお湯を供給する給湯路としての給液部10を備えている。ここで、給液部10は、抽出機本体2内部に備えた水タンク(図示せず)からの水を後述の加熱手段(図示せず)によって加熱されたお湯をドリッパー3に供給するものとしたことにより、抽出機本体2の表面に配置した後述の抽出スイッチ(図示せず)を操作することで加熱した水をドリッパー3に給水し、抽出原料から飲料を抽出するようにしている。
【0021】
ドリッパー3は、断面略逆三角形状を有して、飲料の抽出原料を収容可能とするものであり、ドリッパー3の下部を断面略三角形状に突出させた突設部11の下面部には吐出口12が形成されている。
【0022】
ドリッパー3の突設部11には、吐出口12を開閉する開弁部材13を上下及び前後方向へ揺動可能に配設している。この開弁部材13は、断面略C型又はL型形状を有する部材であり、開弁部材13の前面である凹面14の一端に吐出口12が開閉可能な突起状の弁部15を備えるとともに、凹面14の他端に凸部16を備えている。また、開弁部材13は、弁部15と凸部16の中間部分を第1の回動軸17によって突設部11に軸支されており、第1の回動軸17回りに弁部15と凸部16が相対的に回動可能に設けられている。
【0023】
また、凸部16と突設部11の後面部との間に配設されたコイルスプリング等の第1の弾性部材18によって、凸部16を突設部11の後面部から離脱する方向へ付勢する付勢力が付与されているため、弁部15も常時吐出口12を閉塞する付勢力を受けている。
【0024】
ノーズ部5には、ドリッパー3を着脱可能に収容するホルダー19を備えており、ホルダー19は上部を開放してドリッパー3の収容口20を備えた断面略逆円錐形状を有するとともに、後方下部に切欠き部21が形成されドリッパー3の突設部11を露出可能に備えている。
【0025】
中間部7には、断面略コ型形状を有する操作手段としてのレバー22を上下及び前後方向へ揺動可能に備えている。
【0026】
レバー22は、棒状体からなるレバー本体23と、レバー本体23の上部を前方へ突出させたドリッパー検知部24と、レバー本体23の下部を前方へ突出させた容器検知部25とを有する構造とし、レバー本体23を第2の回動軸26によって軸支されており、第2の回動軸26回りにドリッパー検知部24と容器検知部25が相対的に回動可能に設けられている。ここで、ドリッパー検知部24の先端部分をドリッパー検知点27とするとともに、容器検知部25の先端部分を容器検知点28とする。
【0027】
本実施例のドリッパー検知部24は、前方にスイッチ側開口部29を有し内部を中空に形成されたスイッチ収容部30の下部に検出スイッチ31がボタン32を上向きにして収容されており、スイッチ収容部30内の上部の検出スイッチ31との隙間に可動部材33が出入可能に配設されている。
【0028】
可動部材33は、前方に突出してスイッチ収容部30から露出可能なドリッパー検知点27を備えて形成されており、ドリッパー検知部24の上部に形成された段差部34をスイッチ収容部30の開口縁上側を下方に延設した係止部35に係合可能に備えている。
【0029】
また、可動部材33を後方に突出させた当接部36を、スイッチ収容部30の内部後方に突設されたストッパー部37に当接可能に備えている。
【0030】
可動部材33の当接部36側の下部には、前方から後方にかけて上向きに傾斜して形成された傾斜部39が形成されており、可動部材33がスイッチ収容部30内を後方に移動すると、傾斜部39によってスイッチ31のボタン32が押し下げられて、スイッチ31が押動操作される構造となっている。
【0031】
容器検知部25は、中間部7の前面部の下部に形成された貫通部40を介して、ノーズ部5と中間部7とベース部6によって囲まれた飲料容器4の収納スペース41と中間部7内部を出入可能に備えている。
【0032】
飲料容器4は、ステンレス鋼等の金属製の内容器及び外容器からなる二重構造の容器本体42と、容器本体42の上部に配設された肩部43と、肩部43の一方に形成された注ぎ口44と、肩部43の他方に形成されたハンドル45とを有する構造としている。
【0033】
ベース部6は、飲料容器4を着脱可能に配置するとともに、ベース部6に配置された飲料容器4がノーズ部5のホルダー19に収容されたドリッパー3の下方に位置するように形成されている。特に、ホルダー19に収容されたドリッパー3の吐出口12は、注ぎ口44を中間部7に向けてベース部6に配置されたベース部6の注ぎ口44の略真上に配置されている。
【0034】
次に、図5に示すように、加熱手段を制御する通電制御手段としての電気回路46には、検出スイッチ31、抽出スイッチ47、安全装置である温度ヒューズ46A、電源48、もう一つの安全装置としてヒータ49の通電を制御してヒータ49の温度を一定に保つサーモスタット46B、加熱手段としてのヒータ49が直列に接続されている。尚、抽出スイッチ47は、抽出機本体2の表面に配置されている。そして、電気回路46は、温度ヒューズ46A及びサーモスタット46Bが電気回路46の異常加熱を検知すると、直ちにヒータ49への通電を強制的に停止するように構成されている。
【0035】
以上の構成の飲料抽出機1の使用方法について説明する。まず、ドリッパー3がホルダー19にセットされていない状態での飲料抽出機1の動作について説明すると、飲料容器4を収納スペース41に挿入して、レバー22を第2の回動軸26回りに回動動作させても、第2の回動軸26回りを前方へ回動動作するドリッパー検知部24の可動部材33に当接するものが存在しないため、可動部材33はスイッチ31収納部内の前方に段差部34と係止部35が係合した待機位置(図4参照)のままで、スイッチ31はOFF(切状態)のままである。またドリッパー3の吐出口12も弁部15によって閉塞されている。そして、検出スイッチ31がOFF(切状態)のままなので、抽出スイッチ47を操作しても電源48からヒータ49へ通電されず抽出が行われない。
【0036】
続いて、ドリッパー3がホルダー19に正しくセットされた状態での飲料抽出機1の動作について説明すると、収納スペース41に挿入された飲料容器4の容器本体42に、レバー22の容器検知点28が当接し、飲料容器4によって後方へ押圧されたレバー22の容器検知部25は第2の回動軸26回りを後方へ回動動作する。
【0037】
前述のレバー22の容器検知部25の第2の回動軸26回りを後方へ回動する動作にともない、ドリッパー検知部24が相対的に第2の回動軸26回りを前方へ回動動作して、ドリッパー検知部24のドリッパー検知点27が開弁部材13の凸部16側の後面に当接した状態から、レバー22のドリッパー検知部24がさらに第2の回動軸26回りを前方へ回動動作すると、可動部材33が段差部34と係止部35が係合した待機位置(図4参照)からスイッチ収納部30内を当接部36がストッパー部37に当接するまで後方へ移動して、可動部材33の傾斜部39によって検出スイッチ31のボタン32が押し下げられて、検出スイッチ31がON(入状態)となる。
【0038】
そして、飲料容器4をさらに収納スペース41へ押し込み、レバー22のドリッパー検知部24をさらに第2の回動軸26回りに前方へ回動動作させると、ドリッパー検知部24により第1の弾性部材18からの後向きの付勢力に抗して開弁部材13の凸部16は第2の回動軸26回りを前方へ押圧される。
【0039】
開弁部材13の凸部16が第1の回動軸17回りに前方へ回動動作すると、開弁部材13の弁部15は相対的に第1の回動軸17回りに後方へ回動動作し、ドリッパー3の吐出口12が開放される。そして、検出スイッチ31がON(入状態)となり、抽出スイッチ47をON(入状態)に操作すると、電源48からヒータ49への通電が行われる。
【0040】
そのため、検出スイッチ31がON(入状態)となり抽出スイッチ47をON(入状態)に操作して電源48からヒータ49への通電が行われると、水タンクからの水が加熱され、その沸騰による内圧の上昇にともない、給液部10からお湯がドリッパー3へ供給されて飲料の抽出が行われ、ドリッパー3の吐出口12の下部に配置された飲料容器4の注ぎ口44へ飲料が落下する。その後、抽出スイッチ47をOFF(切状態)に操作すると、電源48からヒータ49への通電が停止され、飲料の抽出が行われない。
【0041】
また、抽出機本体2のホルダー19とベース部6にそれぞれドリッパー3と飲料容器4が正しくセットされて、検出スイッチ31と抽出スイッチ47がともにON(入状態)となり、電源48からヒータ49へ通電が行われ、ドリッパー3へ飲料の抽出が行われている状態から、ドリッパー3をホルダー19から離脱させると、レバー22のドリッパー検知点27に作用している開弁部材13からの付勢力が解消する。そして、容器検知点28に作用している飲料容器4からの操作力によって、レバー22が第2の回転軸26回りに回動すると、レバー22のドリッパー検知点27及び容器検知点28にそれぞれ作用していた開弁部材13及び飲料容器4の双方からの負荷が解消され、可動部材33が待機位置(図4参照)まで復帰すると、検出スイッチ31がOFF(切状態)となる。また、ドリッパー3をホルダー19から離脱させる際に、レバー22のドリッパー検知部24により開弁部材13の凸部16を第1の弾性部材18からの付勢力に抗して第2の回動軸26回りに押圧する操作力が解消されるので、吐出口12は第1の弾性部材18からの付勢力により開弁部材13の弁部15によって閉塞される。このように、検出スイッチ31がOFF(切状態)となると、電源48からヒータ49への通電が停止され、抽出スイッチ47(図示せず)を操作しても飲料の抽出が行われない。
【0042】
さらに、抽出機本体2のホルダー19とベース部6にそれぞれドリッパー3と飲料容器4が正しくセットされて、検出スイッチ31と抽出スイッチ47がともにON(入状態)となり、電源48からヒータ49へ通電が行われ、ドリッパー3へ飲料の抽出が行われている状態から、飲料容器4をベース部6から離脱させると、レバー22の容器検知点28に作用している飲料容器4からの操作力が解消する。そして、ドリッパー検知点27に開弁部材13を介して作用している第1の弾性部材18からの付勢力によって、レバー22が第2の回転軸26回りに回動すると、レバー22のドリッパー検知点27及び容器検知点28にそれぞれ作用していた開弁部材13及び飲料容器4の双方からの負荷が解消され、可動部材33が待機位置(図4参照)まで復帰すると、検出スイッチ31がOFF(切状態)となる。また、レバー22が、前述の第1の弾性部材18からの付勢力によって、第2の回転軸26回りに回動する際に、吐出口12は開弁部材13の弁部15によって閉塞される。このように、検出スイッチ31がOFF(切状態)となると、電源48からヒータ49への通電が停止され、抽出スイッチ47(図示せず)を操作しても飲料の抽出が行われない。
【0043】
このように、飲料容器4の動きを検知し、ドリッパー3の吐出口12を開く力を開弁部材13へ伝えるレバー22において、容器検知点28からドリッパー検知点27までの間にスイッチ31を押す可動部材33を設けることで、必ず可動部材33が動いてから開弁部材13へ力が伝わる事になる。
【0044】
そして、その可動部材33の動きを検出スイッチ31が検知することで、ドリッパー3と飲料容器4が両方正しくセットされたことを検知できる。そのため、どちらかが正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないし、抽出中の場合は飲料抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0045】
また、可動部材33及びスイッチ31と、飲料容器4からの力を伝えるレバー22とを一体に構成することが出来るので、少ない部品点数で構成されかつ確実な動作を得る事ができる。
【0046】
以上のように本実施例は請求項1に対応しており、抽出機本体2に水を受け入れる水タンク(図示せず)と、飲料抽出原料を収容するドリッパー3を備え、ドリッパー3下部に位置するように、抽出した飲料を受け入れる容器としての飲料容器4を着脱可能に設置し、水タンクには、ドリッパー3に湯を供給するための給湯路10が接続され、この給湯路10に加熱手段としてのヒータ49を配設すると共に、抽出機本体2に、飲料容器4に当接してドリッパー3の吐出口12に設けた止水弁としての開弁部材13を開弁させる操作手段としてのレバー22が設けられている飲料抽出機1において、ドリッパー3の有無を検出する検出手段としての検出スイッチ31を備えると共に、ヒータ49に検出スイッチ31が接続されている。
【0047】
この場合、レバー22と検出スイッチ31によって、飲料容器4とドリッパー3が両方とも抽出機本体2に正しくセットされたことを検出し、飲料容器4とドリッパー3のどちらかが抽出機本体2に正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないようにし、抽出中の場合は飲料の抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0048】
また、本実施例は請求項2に対応しており、検出スイッチ31がレバー22と一体的に設けられることにより、検出スイッチ31をレバー22と一体に構成することができるので、少ない部品点数で構成されかつ確実な動作を得ることができる。
【0049】
さらに、本実施例は請求項3に対応しており、検出スイッチ31は、飲料容器4及びドリッパー3の少なくとも一方が抽出機本体2から離脱した状態でヒータ49をOFF(切状態)にして、抽出機本体2が動作しないものとし、飲料容器4とドリッパー3のどちらかが抽出機本体2に正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないようにし、抽出中の場合は飲料の抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、抽出機本体2が動作せず、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0050】
また、本実施例は請求項4に対応しており、飲料の抽出時に、飲料容器4を抽出機本体2から離脱させると検出スイッチ31により検知してヒータ49をOFF(切状態)にして、飲料の抽出を停止するとともに、開弁部材13により吐出口12を閉じて飲料の落下を停止するものとし、飲料容器4が抽出機本体2に正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないようにし、抽出中の場合は飲料の抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、かつ、ドリッパー3の吐出口12を閉じて飲料の落下を停止して、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【実施例2】
【0051】
図6〜図9は、本発明の第2実施例を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例2では、容器検知部25に可動部材50及び検出スイッチ51を備えた構成とし、図5に示す検出スイッチ31を検出スイッチ51に変更したものである。
【0052】
本実施例の容器検知部25は、前方にスイッチ側開口部52を有し内部を中空に形成されたスイッチ収容部53の上部に検出スイッチ51がボタン54を下向きにして収容されており、スイッチ収容部53の下部の検出スイッチ51との隙間に可動部材50が出入可能に配設されている。
【0053】
可動部材50は、前方に突出してスイッチ収容部53から露出可能な容器検知点28を備えて形成されている。
【0054】
可動部材50の後方下部には、前方から後方にかけて下向きに傾斜して形成された傾斜部55が形成されており、可動部材50がスイッチ収容部53内を後方に移動すると、傾斜部55によって検出スイッチ51のボタン54が押し上げられて、検出スイッチ51が押動操作される構造となっている。
【0055】
以上の構成の飲料抽出機1の使用方法について説明する。まず、ドリッパー3がホルダー19にセットされていない状態での飲料抽出機1の動作について説明すると、飲料容器4を収納スペース41に挿入して、レバー22を第2の回動軸26回りに回動動作させても、第2の回動軸26回りを前方へ回動動作するドリッパー検知部24のドリッパー検知点27に当接するものが存在しないため、可動部材50はスイッチ収容部53内の前方の待機位置(図9参照)のままで、検出スイッチ51はOFF(切状態)のままである。またドリッパー3の吐出口12も弁部15によって閉塞されている。そして、検出スイッチ51がOFF(切状態)のままなので、抽出スイッチ47を操作しても電源48からヒータ49へ通電されず抽出が行われない。
【0056】
続いて、ドリッパー3がホルダー19に正しくセットされた状態での飲料抽出機1の動作について説明すると、収納スペース41に挿入された飲料容器4の容器本体42に、レバー22の容器検知点28が当接し、飲料容器4によって後方へ押圧されたレバー22の容器検知部25は第2の回動軸26回りを後方へ回動動作する。
【0057】
前述のレバー22の容器検知部25の第2の回動軸26回りを後方へ回動する動作にともない、ドリッパー検知部24が相対的に第2の回動軸26回りを前方へ回動動作して、ドリッパー検知部24のドリッパー検知点27が開弁部材13の凸部16側の後面に当接した状態から、飲料容器4によってレバー22がさらに後方へ押圧されると、可動部材50が待機位置(図9参照)からスイッチ収納部53内を後方へ移動して、可動部材50の傾斜部55によって検出スイッチ51のボタン54が押し上げられて、検出スイッチ51がON(入状態)となる。
【0058】
そして、飲料容器4をさらに収納スペース41へ押し込み、レバー22のドリッパー検知部24をさらに第2の回動軸26回りに前方へ回動動作させると、ドリッパー検知部24により第1の弾性部材18からの後向きの付勢力に抗して開弁部材13の凸部16は第2の回動軸26回りを前方へ押圧される。
【0059】
開弁部材13の凸部16が第1の回動軸17回りに前方へ回動動作すると、開弁部材13の弁部15は相対的に第1の回動軸17回りに後方へ回動動作し、ドリッパー3の吐出口12が開放される。そして、検出スイッチ51がON(入状態)となり、抽出スイッチ47をON(入状態)に操作すると、電源48からヒータ49への通電が行われる。
【0060】
そのため、検出スイッチ51がON(入状態)となり抽出スイッチ47をON(入状態)に操作して電源48からヒータ49への通電が行われると、水タンクからの水が加熱され、その沸騰による内圧の上昇にともない、給液部10からお湯がドリッパー3へ供給されて飲料の抽出が行われ、ドリッパー3の吐出口12の下部に配置された飲料容器4の注ぎ口44へ飲料が落下する。その後、抽出スイッチ47をOFF(切状態)に操作すると、電源48からヒータ49への通電が停止され、飲料の抽出が行われない。
【0061】
また、抽出機本体2のホルダー19とベース部6にそれぞれドリッパー3と飲料容器4が正しくセットされて、検出スイッチ51と抽出スイッチ47がともにON(入状態)となり、電源48からヒータ49へ通電が行われ、ドリッパー3へ飲料の抽出が行われている状態から、ドリッパー3をホルダー19から離脱させると、レバー22のドリッパー検知点27に作用している開弁部材13からの付勢力が解消する。そして、容器検知点28に作用している飲料容器4からの操作力によって、レバー22が第2の回転軸26回りに回動すると、レバー22のドリッパー検知点27及び容器検知点28にそれぞれ作用していた開弁部材13及び飲料容器4の双方からの負荷が解消され、可動部材50が待機位置(図9参照)まで復帰すると、検出スイッチ51がOFF(切状態)となる。また、ドリッパー3をホルダー19から離脱させる際に、レバー22のドリッパー検知部24により開弁部材13の凸部16を第1の弾性部材18からの付勢力に抗して第2の回動軸26回りに押圧する操作力が解消されるので、吐出口12は第1の弾性部材18からの付勢力により開弁部材13の弁部15によって閉塞される。このように、検出スイッチ51がOFF(切状態)となると、電源48からヒータ49への通電が停止され、抽出スイッチ47を操作しても飲料の抽出が行われない。
【0062】
さらに、抽出機本体2のホルダー19とベース部6にそれぞれドリッパー3と飲料容器4が正しくセットされて、検出スイッチ51と抽出スイッチ47がともにON(入状態)となり、電源48からヒータ49へ通電が行われ、ドリッパー3へ飲料の抽出が行われている状態から、飲料容器4をベース部6から離脱させると、レバー22の容器検知点28に作用している飲料容器4からの操作力が解消する。そして、ドリッパー検知点27に開弁部材13を介して作用している第1の弾性部材18からの付勢力によって、レバー22が第2の回転軸26回りに回動すると、レバー22のドリッパー検知点27及び容器検知点28にそれぞれ作用していた開弁部材13及び飲料容器4の双方からの負荷が解消され、可動部材50が待機位置(図9参照)まで復帰すると、検出スイッチ51がOFF(切状態)となる。また、レバー22が、前述の第1の弾性部材18からの付勢力によって、第2の回転軸26回りに回動する際に、吐出口12は開弁部材13の弁部15によって閉塞される。このように、検出スイッチ51がOFF(切状態)となると、電源48からヒータ49への通電が停止され、抽出スイッチ47を操作しても飲料の抽出が行われない。
【0063】
このように、飲料容器4の動きを検知し、ドリッパー3の吐出口12を開く力を開弁部材13へ伝えるレバー22において、容器検知点28からドリッパー検知点27までの間に検出スイッチ51を押す可動部材50を設けることで、必ず可動部材50が動いてから開弁部材13へ力が伝わる事になる。
【0064】
そして、その可動部材50の動きを検出スイッチ51が検知することで、ドリッパー3と飲料容器4が両方正しくセットされたことを検知できる。そのため、どちらかが正しくセットされていない場合は飲料抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0065】
また、可動部材50及びスイッチ51と、飲料容器4からの力を伝えるレバー22とを一体に構成することが出来るので、少ない部品点数で構成されかつ確実な動作を得る事ができる。
【0066】
以上のように本実施例は請求項1に対応しており、抽出機本体2に水を受け入れる水タンク(図示せず)と、飲料抽出原料を収容するドリッパー3を備え、ドリッパー3下部に位置するように、抽出した飲料を受け入れる容器としての飲料容器4を着脱可能に設置し、水タンクには、ドリッパー3に湯を供給するための給湯路10が接続され、この給湯路10に加熱手段としてのヒータ49を配設すると共に、抽出機本体2に、飲料容器4に当接してドリッパー3の吐出口12に設けた止水弁としての開弁部材13を開弁させる操作手段としてのレバー22が設けられている飲料抽出機1において、ドリッパー3の有無を検出する検出手段としての検出スイッチ51を備えると共に、ヒータ49に検出スイッチ51が接続されている。
【0067】
この場合、レバー22と検出スイッチ51によって、飲料容器4とドリッパー3が両方とも抽出機本体2に正しくセットされたことを検出し、飲料容器4とドリッパー3のどちらかが抽出機本体2に正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないようにし、抽出中の場合は飲料の抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0068】
また、本実施例は請求項2に対応しており、検出スイッチ51がレバー22と一体的に設けられることにより、検出スイッチ51をレバー22と一体に構成することができるので、少ない部品点数で構成されかつ確実な動作を得ることができる。
【0069】
さらに、本実施例は請求項3に対応しており、検出スイッチ51は、飲料容器4及びドリッパー3の少なくとも一方が抽出機本体2から離脱した状態でヒータ49をOFF(切状態)にして、抽出機本体2が動作しないものとし、飲料容器4とドリッパー3のどちらかが抽出機本体2に正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないようにし、抽出中の場合は飲料の抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、抽出機本体2が動作せず、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0070】
また、本実施例は請求項4に対応しており、飲料の抽出時に、飲料容器4を抽出機本体2から離脱させると検出スイッチ51により検知してヒータ49をOFF(切状態)にして、飲料の抽出を停止するとともに、開弁部材13により吐出口12を閉じて飲料の落下を停止するものとし、飲料容器4が抽出機本体2に正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないようにし、抽出中の場合は飲料の抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、かつ、ドリッパー3の吐出口12を閉じて飲料の落下を停止して、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【実施例3】
【0071】
図10〜図13は、本発明の第3実施例を示しており、前記実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施例3では、ドリッパー検知部24にレバー22の第2の回動軸26と同軸上に取り付けられた可動部材60と検出スイッチ61を備え、レバー22を2分割して屈曲可能にした構成とし、図5に示す検出スイッチ31を検出スイッチ61に変更したものである。
【0072】
本実施例のドリッパー検知部24は、上方及び前方を開放して内部を中空に形成されたスイッチ収容部62に検出スイッチ61がボタン63を上向きにして収容されており、スイッチ収容部62の前方に第2の回動軸26よって前後に回動可能に軸支された可動部材60が配設されている。
【0073】
可動部材60は、前方に突出してスイッチ収容部62から露出可能なドリッパー検知点64を備えて形成されているとともに、可動部材60を後方に突出させた当接部65の下部によって検出スイッチ61のボタン63が押し下げられて、検出スイッチ61が押動操作される構造となっている。
【0074】
以上の構成の飲料抽出機1の使用方法について説明する。まず、ドリッパー3がホルダー19にセットされていない状態での飲料抽出機1の動作について説明すると、飲料容器4を収納スペース41に挿入して、レバー22を第2の回動軸26回りに回動動作させても、第2の回動軸26回りを前方へ回動動作するドリッパー検知部24のドリッパー検知点64に当接するものが存在しないため、可動部材60はスイッチ収納部62内の前方の待機位置(図13参照)のままで、検出スイッチ61はOFF(切状態)のままである。またドリッパー3の吐出口12も弁部15によって閉塞されている。そして、検出スイッチ61がOFF(切状態)のままなので、抽出スイッチ47を操作しても電源48からヒータ49へ通電されず抽出が行われない。
【0075】
続いて、ドリッパー3がホルダー19に正しくセットされた状態での飲料抽出機1の動作について説明すると、収納スペース41に挿入された飲料容器4の容器本体42に、レバー22の容器検知点28が当接し、飲料容器4によって後方へ押圧されたレバー22の容器検知部25は第2の回動軸26回りを後方へ回動動作する。
【0076】
前述のレバー22の容器検知部25の第2の回動軸26回りを後方へ回動する動作にともない、ドリッパー検知部24が相対的に第2の回動軸26回りを前方へ回動動作して、ドリッパー検知部24のドリッパー検知点64が開弁部材13の凸部16側の後面に当接した状態から、レバー22のドリッパー検知部24がさらに第2の回動軸26回りを前方へ回動動作すると、可動部材60が第2の回動軸26回りを後方へ回動して、可動部材60の当接部65の下部によって検出スイッチ61のボタン63が押し下げられて、検出スイッチ61がON(入状態)となる。
【0077】
そして、飲料容器4をさらに収納スペース41へ押し込み、レバー22のドリッパー検知部24をさらに第2の回動軸26回りに前方へ回動動作させると、ドリッパー検知部24により第1の弾性部材18からの後向きの付勢力に抗して開弁部材13の凸部16は第2の回動軸26回りを前方へ押圧される。
【0078】
開弁部材13の凸部16が第1の回動軸17回りに前方へ回動動作すると、開弁部材13の弁部15は相対的に第1の回動軸17回りに後方へ回動動作し、ドリッパー3の吐出口12が開放される。そして、検出スイッチ61がON(入状態)となり、抽出スイッチ47をON(入状態)に操作すると、電源48からヒータ49への通電が行われる。
【0079】
そのため、検出スイッチ61がON(入状態)となり抽出スイッチ47をON(入状態)に操作して電源48からヒータ49への通電が行われると、水タンクからの水が加熱され、その沸騰による内圧の上昇にともない、給液部10からお湯がドリッパー3へ供給されて飲料の抽出が行われ、ドリッパー3の吐出口12の下部に配置された飲料容器4の注ぎ口44へ飲料が落下する。その後、抽出スイッチ47をOFF(切状態)に操作すると、電源48からヒータ49への通電が停止され、飲料の抽出が行われない。
【0080】
また、抽出機本体2のホルダー19とベース部6にそれぞれドリッパー3と飲料容器4が正しくセットされて、検出スイッチ61と抽出スイッチ47がともにON(入状態)となり、電源48からヒータ49へ通電が行われ、ドリッパー3へ飲料の抽出が行われている状態から、ドリッパー3をホルダー19から離脱させると、レバー22のドリッパー検知点64に作用している開弁部材13からの付勢力が解消する。そして、容器検知点28に作用している飲料容器4からの操作力によって、レバー22が第2の回転軸26回りに回動すると、レバー22のドリッパー検知点64及び容器検知点28にそれぞれ作用していた開弁部材13及び飲料容器4の双方からの負荷が解消され、可動部材60が待機位置(図13参照)まで復帰すると、検出スイッチ61がOFF(切状態)となる。また、ドリッパー3をホルダー19から離脱させる際に、レバー22のドリッパー検知部24により開弁部材13の凸部16を第1の弾性部材18からの付勢力に抗して第2の回動軸26回りに押圧する操作力が解消されるので、吐出口12は第1の弾性部材18からの付勢力により開弁部材13の弁部15によって閉塞される。このように、検出スイッチ61がOFF(切状態)となると、電源48からヒータ49への通電が停止され、抽出スイッチ47を操作しても飲料の抽出が行われない。
【0081】
さらに、抽出機本体2のホルダー19とベース部6にそれぞれドリッパー3と飲料容器4が正しくセットされて、検出スイッチ61と抽出スイッチ47がともにON(入状態)となり、電源48からヒータ49へ通電が行われ、ドリッパー3へ飲料の抽出が行われている状態から、飲料容器4をベース部6から離脱させると、レバー22の容器検知点28に作用している飲料容器4からの操作力が解消する。そして、ドリッパー検知点27に開弁部材13を介して作用している第1の弾性部材18からの付勢力によって、レバー22が第2の回転軸26回りに回動すると、レバー22のドリッパー検知点64及び容器検知点28にそれぞれ作用していた開弁部材13及び飲料容器4の双方からの負荷が解消され、可動部材60が待機位置(図13参照)まで復帰すると、検出スイッチ61がOFF(切状態)となる。また、レバー22が、前述の第1の弾性部材18からの付勢力によって、第2の回転軸26回りに回動する際に、吐出口12は開弁部材13の弁部15によって閉塞される。このように、検出スイッチ61がOFF(切状態)となると、電源48からヒータ49への通電が停止され、抽出スイッチ47を操作しても飲料の抽出が行われない。
【0082】
このように、飲料容器4の動きを検知し、ドリッパー3の吐出口12を開く力を開弁部材13へ伝えるレバー22において、容器検知点55からドリッパー検知点64までの間に検出スイッチ61を押す可動部材60を設けることで、必ず可動部材60が動いてから開弁部材22へ力が伝わる事になる。
【0083】
そして、その可動部材60の動きを検出スイッチ61が検知することで、ドリッパー3と飲料容器4が両方正しくセットされたことを検知できる。そのため、どちらかが正しくセットされていない場合は飲料抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、飲料が溢れる問題を回避することができる。
【0084】
また、可動部材60及びスイッチ61と、飲料容器4からの力を伝えるレバー22とを一体に構成することが出来るので、少ない部品点数で構成されかつ確実な動作を得る事ができる。
【0085】
以上のように本実施例は請求項1に対応しており、抽出機本体2に水を受け入れる水タンク(図示せず)と、飲料抽出原料を収容するドリッパー3を備え、ドリッパー3下部に位置するように、抽出した飲料を受け入れる容器としての飲料容器4を着脱可能に設置し、水タンクには、ドリッパー3に湯を供給するための給湯路10が接続され、この給湯路10に加熱手段としてのヒータ49を配設すると共に、抽出機本体2に、飲料容器4に当接してドリッパー3の吐出口12に設けた止水弁としての開弁部材13を開弁させる操作手段としてのレバー22が設けられている飲料抽出機1において、ドリッパー3の有無を検出する検出手段としての検出スイッチ61を備えると共に、ヒータ49に検出スイッチ61が接続されている。
【0086】
この場合、レバー22と検出スイッチ61によって、飲料容器4とドリッパー3が両方とも抽出機本体2に正しくセットされたことを検出し、飲料容器4とドリッパー3のどちらかが抽出機本体2に正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないようにし、抽出中の場合は飲料の抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0087】
また、本実施例は請求項2に対応しており、検出スイッチ61がレバー22と一体的に設けられることにより、検出スイッチ61をレバー22と一体に構成することができるので、少ない部品点数で構成されかつ確実な動作を得ることができる。
【0088】
さらに、本実施例は請求項3に対応しており、検出スイッチ61は、飲料容器4及びドリッパー3の少なくとも一方が抽出機本体2から離脱した状態でヒータ49をOFF(切状態)にして、抽出機本体2が動作しないものとし、飲料容器4とドリッパー3のどちらかが抽出機本体2に正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないようにし、抽出中の場合は飲料の抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、抽出機本体2が動作せず、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0089】
また、本実施例は請求項4に対応しており、飲料の抽出時に、飲料容器4を抽出機本体2から離脱させると検出スイッチ61により検知してヒータ49をOFF(切状態)にして、飲料の抽出を停止するとともに、開弁部材13により吐出口12を閉じて飲料の落下を停止するものとし、飲料容器4が抽出機本体2に正しくセットされていない場合は抽出スイッチ47を押しても抽出を開始しないようにし、抽出中の場合は飲料の抽出のためのヒータ49をOFF(切状態)にして、かつ、ドリッパー3の吐出口12を閉じて飲料の落下を停止して、飲料が溢れる問題や飲料がこぼれて床やテーブルを汚す問題を回避することができる。
【0090】
本発明は、各実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、図14に加熱手段を制御する通電制御手段として図5と異なる構成の電気回路70を示すが、図14の電気回路70は、検出スイッチ31及び抽出スイッチ47を備えたマイコン制御回路71、安全装置である温度ヒューズ70A、電源48が直列に接続されている。また、電源48とマイコン制御回路71との間の第1の接続点P1からもマイコン制御回路71へ直接接続されており、マイコン制御回路71と第1の接続点P1との間の第2の接続点P2と、マイコン制御回路71と温度ヒューズ70Aとの間の第3の接続点P3との間には、ヒータ49とリレー接点72が直列に接続されており、このリレー接点72とマイコン制御回路71に備えたリレーコイル73とでリレー74を構成している。ここで、リレー74では、リレーコイル73に通電されるとリレー接点72が閉じ、リレーコイル73への通電が遮断されるとリレー接点72が開くように構成されている。さらに、電気回路70の第1の接続点P1と第2の接続点P2との間には、もう一つの安全装置としてヒータ49の通電を制御してヒータ49の温度を一定に保つサーモスタット70Bが接続されている。そして、図5と同様に電気回路70は、温度ヒューズ70A及びサーモスタット70Bが電気回路70の異常加熱を検知すると、直ちにヒータ49への通電を強制的に停止するように構成されている。このように、検出スイッチ31の入/切状態をマイコン制御回路71で判断し、マイコン制御回路71によるリレーコイル73の通断電制御により、リレー接点72の開閉制御を行うことで、ヒータ49のON/OFF制御を行うという、抽出スイッチ47の操作及び検出スイッチ31の入/切状態によりヒータ49をON/OFFする回路としてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 飲料抽出機
2 抽出機本体
3 ドリッパー
4 飲料容器
10 給湯部
12 吐出口
13 開弁部材(止水弁)
22 レバー(操作手段)
31 スイッチ(検出手段)
49 ヒータ(加熱手段)
51 スイッチ(検出手段)
61 スイッチ(検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出機本体に水を受け入れる水タンク、飲料抽出原料を収容するドリッパーを備え、該ドリッパー下部に位置するように、抽出した飲料を受け入れる容器を着脱可能に設置し、前記水タンクには、前記ドリッパーに湯を供給するための給湯路が接続され、この給湯路に加熱手段を配設すると共に、前記抽出機本体に、前記容器に当接して前記ドリッパーの吐出口に設けた止水弁を開弁させる操作手段が設けられている飲料抽出機において、
前記ドリッパー又は/及び前記容器の有無を検出する検出手段を備えたことを特徴とする飲料抽出機。
【請求項2】
前記検出手段は、前記操作手段と一体的に設けられることを特徴とする請求項1記載の飲料抽出機。
【請求項3】
前記検出手段は、前記飲料容器及び前記ドリッパーの少なくとも一方が前記抽出機本体から離脱した状態で前記加熱手段を切状態にして、前記抽出機本体が動作しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料抽出機。
【請求項4】
前記飲料の抽出時に、前記飲料容器を前記抽出機本体から離脱させると前記検出手段により検知して前記加熱手段を切状態にして、前記飲料の抽出を停止するとともに、前記弁機構により前記吐出口を閉じて前記飲料の落下を停止するものとすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の飲料抽出機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−111189(P2013−111189A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259244(P2011−259244)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(591261602)サーモス株式会社 (76)
【Fターム(参考)】