飲料注ぎ装置
【課題】持ち運びの容易な、あるいは取扱いの容易な飲料注ぎ装置を提供すること。
【解決手段】飲料注ぎ装置(1)は、飲料及びその劣化を防止するための気体を受け入れ可能である受入空間(29)を有するハウジング(5)と、受入空間(29)の開閉を行うための弁機構(7)と、劣化防止用気体を受入空間(29)に供給可能であるようにハウジングに取り付けられた劣化防止用気体の容器とを備える。ハウジングは、飲料が入れられた瓶の口(11)をその内部と受入空間(29)とが気密に連通するように取り付け可能である取付部(31)を有し、瓶はその口に取り付けられた、弁機構により開閉操作可能である開閉弁(13)を有する。
【解決手段】飲料注ぎ装置(1)は、飲料及びその劣化を防止するための気体を受け入れ可能である受入空間(29)を有するハウジング(5)と、受入空間(29)の開閉を行うための弁機構(7)と、劣化防止用気体を受入空間(29)に供給可能であるようにハウジングに取り付けられた劣化防止用気体の容器とを備える。ハウジングは、飲料が入れられた瓶の口(11)をその内部と受入空間(29)とが気密に連通するように取り付け可能である取付部(31)を有し、瓶はその口に取り付けられた、弁機構により開閉操作可能である開閉弁(13)を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワインのような飲料が詰められた瓶から該飲料をグラスのような容器に注ぎ入れるときに使用される装置、より詳細には、瓶内に空気が侵入しないようにして飲料を注ぐための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
瓶詰めのワインはその開栓と共に空気に触れ、これにより酸化によるワインの品質の劣化が進行し、その風味が損なわれる。従来、瓶からワインを注ぐとき、瓶内に窒素ガスのような劣化防止用気体を流入させ、これにより瓶内のワインの酸化による劣化を防止する飲料注ぎ装置が提案されている(後記特許文献1参照)。
【特許文献1】WO03/099704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この飲料注ぎ装置は、瓶内からワインを受け入れるハウジングと、該ハウジング内に供給される劣化防止用気体の供給設備とを備えるところ、前記ハウジングと前記供給設備とが分離されている。このような構造のものは、飲料店や飲食店のようにワインが比較的大量に消費される場所への設置に適するが、その持ち運びや取扱いが不便であり、例えばこれを家庭的な使用に供することには不向きであった。
【0004】
本発明の目的は、持ち運びの容易な、あるいは取扱いの容易な飲料注ぎ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(請求項1に記載の発明の特徴)
請求項1に記載の発明は、飲料注ぎ装置に係り、飲料及び該飲料の劣化を防止するための劣化防止用気体を受け入れ可能である受入空間を有するハウジングと、前記ハウジングの受入空間の開閉を行うための弁機構と、前記劣化防止用気体が充填された容器であって、前記劣化防止用気体を前記ハウジングの受入空間に供給可能であるように前記ハウジングに取り付けられた容器とを含み、前記ハウジングは、前記飲料が入れられた瓶の口を該瓶の内部と前記ハウジングの受入空間とが気密に連通するように取り付け可能である取付部を有し、前記瓶はその口に取り付けられた、前記弁機構により開閉操作可能である開閉弁を有することを特徴とする
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、開閉弁が取り付けられた飲料入りの瓶を本発明に係る飲料注ぎ装置のハウジングに取り付け、弁機構を操作することにより、前記ハウジングから前記飲料をグラスのような容器に注ぎ入れることができる。
【0007】
前記飲料入りの瓶はその口において前記ハウジングの取付部に取り付けられる。前記ハウジングに取り付けられた前記瓶内の飲料は、前記弁機構の操作によって前記瓶の開閉弁を開くことにより、前記瓶から前記ハウジングの受入空間内に導くことができる。前記ハウジング内への前記飲料の導入は、前記瓶を逆さまにして行うことができる。また、前記受入空間は前記飲料の劣化防止用気体を受け入れることができる。前記受入空間への前記劣化防止用気体の導入は、前記飲料を前記ハウジングの受入空間に導入する前に行う。すなわち、前記瓶の開閉弁を閉じた状態下で、前記劣化防止用気体を前記ハウジングの受入空間に供給し、また前記弁機構の操作により前記受入空間を開く。これにより、前記受入空間内の空気が前記劣化防止用気体により前記受入空間外に押しやられ、前記受入空間内は前記劣化防止用気体で満たされる。前記瓶の開閉弁は、前記ハウジングの受入空間が前記劣化防止用気体で満たされた状態下で開かれる。この間、前記受入空間内への前記劣化防止用気体の供給が継続される。前記瓶の開閉弁が開かれると、前記受入空間内の劣化防止用気体が前記瓶内に侵入し、前記瓶内の飲料が前記受入空間内に流下する。これにより、前記瓶内への空気の流入とこれに伴う前記瓶内の飲料の劣化が防止される。前記瓶内から前記ハウジングの受入空間内に受け入れられた飲料は、次いで、前記弁機構を介して前記受入空間から出る。
【0008】
本発明にあっては、前記劣化防止用気体を収容する容器が前記ハウジングに取り付けられ、これらが一体をなしていることから、これらが分離したものと異なり、その持ち運びが容易であり、またその取り扱いが容易である。
【0009】
(請求項2に記載の発明の特徴)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成を備えた上で、前記弁機構が前記ハウジングに前記瓶の開閉弁に対して往復動可能に支持された可動部材を備え、該可動部材が、その移動の間前記ハウジングに対して気密に当接する第1の当接部と、前記ハウジングに気密に当接する第2の当接部であって前記瓶の開閉弁に向けての移動により前記ハウジングとの当接が解除可能である第2の当接部と、前記ハウジングに対する前記第2の当接部の当接解除により前記ハウジングの受入空間と連通する前記飲料のための導管部と、前記瓶の開閉弁に対する作用部とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記弁機構の可動部材の移動の間、前記ハウジングの受入空間は前記可動部材の第1の当接部により常に閉じられた状態におかれる。他方、前記可動部材が前記瓶の開閉弁に向けて移動するとき、前記ハウジングの受入空間は前記可動部材の第2の当接部の作用により開かれた状態におかれ、前記受入空間は前記可動部材の導管部と連通する。この連通により、前記ハウジングの受入空間内に供給された劣化防止用気体により前記受入空間内の空気を前記ハウジング外に排出することができる。また、前記可動部材を前記瓶の開閉弁に向けてさらに移動させると、前記可動部材の作用部が前記瓶の開閉弁を開く作用をなす。これにより、前記瓶内の飲料が前記ハウジングの受入空間への導入が可能とされ、前記受入空間内に導入された飲料は、前記導管部を通して前記ハウジング外に導くことができる。
【0011】
(請求項3に記載の発明の特徴)
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の構成を備えた上で、さらに、前記ハウジングの外部に取り付けられた、前記可動部材を手動で操作するための操作部材を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、操作部材の手動操作により、前記ハウジングの外部において前記可動部材を動かし、前記ハウジングの受入空間の開閉動作及び前記瓶の開閉弁の開閉動作を行うことができる。
【0013】
(請求項4に記載の発明の特徴)
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明の構成を備えた上で、さらに、前記瓶に取り付けられたホルダと、前記操作部材を機械的に操作するための操作機構とを含み、前記操作機構は、前記ホルダに相対移動可能に支持されたレバーと、前記操作部材と前記レバーとに連結されたワイヤとを備え、前記レバーの相対移動により前記ワイヤを緊張状態におくことが可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、ホルダを介して、前記飲料が入った瓶、前記ハウジング及び前記劣化防止用気体の容器からなる組立体を容易に手に持つことができ。また、レバーの手元操作により、前記弁機構における可動部材を操作するための操作部材をワイヤを介して遠隔操作することができ、これにより、前記弁機構の開閉動作と、前記瓶の開閉弁の開閉動作と、飲料の注ぎ出しとを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、持ち運びの容易な、あるいは取扱いの容易な飲料注ぎ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る飲料注ぎ装置が全体に符号1で示されている。飲料注ぎ装置1は、瓶3に入れられたワイン、ウイスキー、ブランデー、炭酸入り飲料、栄養剤、乳製品、果肉入り果汁のような飲料、特にワインをグラスのような容器に注ぎ入れるために用いられる。飲料注ぎ装置1は、瓶3に取り付けられるハウジング5と、ハウジング5内に設けられ該ハウジングの後記受入空間29の開閉に供される弁機構7(図2)と、前記飲料の例えば酸化による劣化を防止するための窒素を主成分とする気体のような劣化防止用気体が充填された容器9とを含む。容器9は、前記劣化防止用気体をハウジング5の後記受入空間29に供給可能であるようにハウジング5に取り付けられている。
【0017】
瓶3は、その口11に取り付けられた開閉弁13(図2)を備える。開閉弁13は、筒状の本体15を有する。本体15はその一部(図2において下部)が瓶3の口11の内部に挿入され、残りの他の一部(図2において上部)が口11の外部に突出している。本体15は瓶の口11に挿入された前記一部(下部)にその外周を取り巻く複数段の環状のフランジ部17を有する。これらのフランジ部17は弾性を有し、また瓶3の口11の口径より大きい直径を有する。図示の例では、本体15とフランジ部17とはプラスチック材料により一体に形成されている。フランジ部17は瓶の口11の内部でその周面に弾性変形した状態で密接している。この密接により、瓶の口11と本体15との間に気密性が保たれる。この気密性により、瓶3外への飲料の漏れ並びに瓶3内への空気の流入及び後述する瓶3内の前記劣化防止用気体の流出が阻止される。フランジ部17の直径が瓶の口の内径より大きいものに設定されているのは、前記気密性の保持の他、開閉弁13を種々の口径の瓶の口に適用可能とするためである。
【0018】
他方、開閉弁13の本体15の前記他の一部の開放端面(図2において上端面)上には環状の弁座19が載置されている。弁座19は、本体15の前記他の一部(上部)にこれに螺合する環状のキャップ21により、本体15に固定されている。
【0019】
開閉弁13の本体15の内部を規定する筒状の空間には、弁体23と、コイルばね25とが配置されている。コイルばね25は圧縮された状態におかれ、その一端(図2において上端)が弁体23に接し、その他端(図2において下端)が本体15の内周面に設けられたばね受け27に掛けられている。他方、弁体23はコイルばね25のばね力を受けて弁座19に押し付けられている。これにより、開閉弁13は閉じられた状態にある。この状態下において、弁体23と弁座19との間が気密に保たれ、これにより、瓶3外への飲料の漏れ並びに瓶3内への空気の流入及び瓶3内の前記劣化防止用気体の流出が阻止される。瓶3内の飲料は、開閉弁13を開くこと、すなわち弁体23をコイルばね25のばね力に抗して押圧し、弁体23を弁座19から離すことにより、これらの間を通して取り出すことができる。瓶3の口11への開閉弁13の取り付けは前記劣化防止用気体の雰囲気中で行うことができ、これにより、瓶3内に前記劣化防止用気体を封入することができる。
【0020】
飲料注ぎ装置1のハウジング5は図示の例では全体に筒状を呈し、その両端部が開放している。ハウジング5の一方の端部(図2において下端部)は大きい開口26を有し、これに相対する他方の端部(図2において上端部)は小さい開口28を有する。ハウジング5は、その両端部間に、両開口26,28に連通する空間29を有する。空間29は、瓶3内の飲料と容器9内の劣化防止用気体を受け入れるための受入空間をなす。
【0021】
ハウジング5の前記大きい開口26を有する一方の端部(下端部)は、瓶3のための取付部31をなす。取付部31はその内部に瓶3の口11を受け入れることができる内径を有する。また、図示の例では、取付部31はその口径が漸減する開放端部分33を有する。取付部31には、その周囲を取り巻くナット35が螺合される。ナット35は、これを取付部31の開放端部分33に螺合させ、取付部31の開放端部分33に連なる基部分37に向けて進めると、取付部31の開放端部分33をその周囲から締め付け、開放端部分33をその放射方向内方に弾性変形させ得るように形成されている。
【0022】
ハウジング5の取付部31内に受け入れられた瓶3の口11と、取付部31との間には筒状のパッキン39が配置される。パッキン39はナット35の前記締め付け作用により開放端部分33によりその周囲から圧迫され、これにより瓶3の口11とハウジング5の取付部31との間から受入空間29に空気が流入しないように、また受入空間29内に導入された前記劣化防止用気体が受入空間29外に流出しないように気密に保持され、またハウジング5が瓶3の口11に確実に固定される。
【0023】
瓶3内の飲料及び容器9内の劣化防止用気体を受け入れ可能であるハウジング5の受入空間29は弁機構7を操作することにより開閉することができる。また、弁機構7を操作することにより、瓶3の開閉弁13を開閉することができる。図示の弁機構7は、ハウジング5に該ハウジングの軸線上を伸びるように支持され、ハウジング5の軸線上を往復移動可能である可動部材41を備える。
【0024】
弁機構7の可動部材41は細長い全体形状を有し、ハウジング5の内部(受入空間29)から、ハウジング5の一端部の小さい開口28を経て、ハウジング5の外部に伸びている。可動部材41は、ハウジング5の開口28を規定するハウジング5の壁43の周面にそれぞれ気密に当接する第1の当接部45及び第2の当接部47と、開口28からハウジング5の外部に突出する導管部49と、ハウジング5の受入空間29内にあって瓶3の開閉弁13の弁体23に作用し、その開閉操作を行う棒状の作用部51と、第2の当接部47と作用部51との間にあってこれらに連なり、壁43に当接可能である肩部53とを有する。
【0025】
ハウジング5の受入空間29内にはその軸線方向へ伸びる圧縮されたコイルばね55が配置されている。コイルばね55は、その一端部(図2において上端部)において可動部材41の肩部53に接し、その他端部(図2において下端部)においてばね受け57に接している。ばね受け57はハウジング5と一体をなし、ハウジング5の内周面からその受入空間29を横断する板体からなる。ばね受け57は、図3に示すように、可動部材41の作用部51の貫通を許す孔59と、孔59の周囲の複数の開口61とを有する。これらの孔59及び開口61を通して、受入空間29はばね受け57の両側においてハウジング5の軸線方向に連続している。可動部材41は、コイルばね55のばね力を受けて、その肩部53において、ハウジング5の壁43の軸線方向に関する端面に押し付けられ、これに接している。
【0026】
可動部材41の肩部53が壁43の端面に接しているとき、可動部材41の第1の当接部45及び第2の当接部47はいずれも壁43の内周面に気密に接する。これにより、ハウジング5の開口28が閉じられ、ハウジング5の受入空間29は閉じられた状態に維持される。なお、ハウジングの開口28及びばね受け57の孔59は、可動部材41に対し、ハウジング5の軸線方向への移動の際の案内作用をなす。
【0027】
可動部材41の第1の当接部45及び第2の当接部47は、ハウジング5の軸線方向に間隔をおいて配置されており、第1の当接部45はハウジング5の開口28の開放端の近傍に位置し、第2の当接部47は開口28の開放端から離れた箇所に位置する。第1の当接部45における気密性は、実質的に、第1の当接部45の周囲を取り巻くOリング62により確保されている。他方、第2の当接部47における気密性は、ハウジング5の壁43の内周面に取り付けられ、第2の当接部47の周面に接するOリング63により確保されている。
【0028】
可動部材41は、さらに、第1の当接部45と第2の当接部47との間に窪み部65を有する。窪み部65と第1の当接部45とは中空であり、これらは導管部49に連通している。窪み部65にはその周方向に間隔をおいて1又は複数の開口67が設けられている。
【0029】
可動部材41をコイルばね55のばね力に抗して瓶3の開閉弁13に向けて移動させると、第2の当接部47がハウジングの開口28を脱し、Oリング63との接触が解除される(図5参照)。ただし、第1の当接部45のハウジングの壁43に対する当接は、可動部材41の停止及び移動の間、常に維持される。第2の当接部47がハウジング5の開口28を脱すると、可動部材41の窪み部65の開口67がハウジングの受入空間29と連通し、これにより受入空間29は可動部材41の導管部49と連通する。その結果、受入空間29は開状態におかれる。
【0030】
また、可動部材41の作用部51は、第2の当接部47がハウジング5の開口28を脱した直後の状態(図5に示す状態)において、ハウジング5に取り付けられた瓶3の開閉弁13の弁体23に接しないか、又は接しても弁体23に押圧力を及ぼさないような長さに設定されている。したがって、この状態では、瓶3は開栓されず、このため瓶3の内部とハウジング5の受入空間29とは連通することなく、受入空間29内の空気が瓶3内に流入することはない。
【0031】
ハウジング5に取り付けられた瓶3からの飲料の取り出しに際しては、第2の当接部47がハウジング5の開口28を脱した直後の前記状態(図5に示す状態)下で、第2の当接部47がハウジングの開口28を脱する直前から、ハウジング5に取り付けられた容器9から前記劣化防止用気体(N)をハウジング5内の受入空間29に供給する。劣化防止用気体Nは大気圧を超える圧力をもって容器9に充填されており、このため、劣化防止用気体Nが受入空間29に導入されると、受入空間29内を占めていた空気が窪み部65の開口67及び導管部49を通して受入空間29外に押し出され、受入空間29は劣化防止用気体Nで満たされる。このとき、劣化防止用気体Nは第1の当接部45における気密性により、開口28を経て受入空間29外に流出することはない。
【0032】
次に、図6に示すように、可動部材41をさらに瓶3の開閉弁13に向けて移動させる。これにより、可動部材41の作用部51が瓶3の開閉弁13の弁体23に突き当たり、これを押圧する。その結果、開閉弁13が開き、瓶3の内部とハウジングの受入空間29とが連通する。これを、瓶3を傾けた状態で行う。その結果、受入空間29内の劣化防止用気体Nが開閉弁13を経て瓶3内に流入し、また、瓶3内の飲料が開閉弁13を経てハウジングの受入空間29内に流下する。受入空間29内に受け入れられた飲料は、窪み部65の開口67及び導管部49を経て、該導管部からグラスのような容器Gに前記飲料を注ぎ入れられる。この間、ハウジング5の受入空間29内への劣化防止用気体Nの供給を継続する。
【0033】
再び図1及び図2を参照すると、劣化防止用気体Nを収容する容器9は例えばボンベからなり、例えば直角に折れ曲がる剛性の導管69を介して、ハウジング5に取り付けられている。ハウジング5には、導管69の開放先端部71を受け入れ可能であるポート73が設けられている。ポート73は受入空間29に連通している。ポート73に受け入れられた導管69の開放先端部71は、ポート73に螺合されたキャップ75により、ハウジング5に固定されている。図示の例では、導管69の開放先端部71と、ハウジング5のポート73とが球面対偶をなしている。したがって、ハウジング5に対して劣化防止用気体の容器9を回転させることができ、これによりハウジング5に対する容器9の姿勢を容易に変更することができる。容器9の姿勢変更により、飲料注ぎ装置1の把持をより容易にすることができる。なお、符号77は、容器9内の劣化防止用気体Nの流量を調整するための弁を示す。
【0034】
ハウジング5に劣化防止用気体の容器9を取り付けることにより、これらを一体のものとして扱うことができる。このため、飲料注ぎ装置1は、持ち運びが容易であり、また操作性に優れ、片手での操作が可能である(図6)。容器9及びハウジング5は、これらのサイズを任意の大きさに設定することができる。
【0035】
ところで、ハウジング5の受入空間29の開閉を行うための弁機構7を構成する可動部材41の操作は、その導管部49を指でつかみ、これをハウジング5の軸線方向に移動させることにより行うことが可能であるが、図示の例では、飲料注ぎ装置1の片手による操作をより容易にするため、可動部材41を一本の指で手動操作することができるようにするための操作部材79が設けられている。
【0036】
図2及び図4に示すように、操作部材79は、可動部材41の導管部49の周囲に互いに間隔をおいて配置されかつ導管部49に固定され、導管部49からその放射方向外方へ伸びる複数の頭付ピン81と、ハウジング5の壁43の外周面に固定されたキャップ状の案内部材83とからなる。案内部材83は、後述するように、各頭付ピン81をハウジング5の軸線方向に案内する作用をなす。
【0037】
キャップ状を呈する案内部材83は、その開放端部(図2において下端部)においてハウジング5の壁43の周囲を取り巻き、案内部材83の前記開放端部に相対する閉鎖端部(図2において上部)がハウジング5の壁43からその軸線方向に間隔をおいた位置に位置する。案内部材83の前記閉鎖端部には、可動部材41の導管部49の貫通を許す孔85が設けられている。また、案内部材83の側部、すなわち前記開放端部と前記閉鎖端部との間の部分にはハウジング5の軸線方向に伸びる複数のスリット87が設けられている。各スリット87は、各頭付ピン81に対応して設けられている。なお、頭付ピン81の数量及びスリット87の数量はそれぞれ少なくとも1つとすることができる。
【0038】
各頭付ピン81は、案内部材83の内部からその外部へ各スリット87を経て伸びている。各頭付ピン81の頭部は案内部材83の外部に位置する。頭付ピン81はその頭部を指で操作することにより、スリット87に沿って、すなわちスリット87の案内作用下で移動させることができる(図6参照)。いずれかの頭付ピン81の移動により、頭付ピン81が固定された導管部49を介して、可動部材41がハウジング5の軸線方向に移動する。これにより、飲料注ぎ装置1を片手に持っての可動部材41の操作を容易に行うことができる。なお、スリット87は、予め設定された可動部材41の移動距離に等しい長さ寸法を有する。したがって、頭付ピン81のスリット87に沿っての移動により可動部材41の移動量を正確に制御することができる。
【0039】
次に図7及び図8を参照すると、飲料注ぎ装置1の他の例が示されている。この例の飲料注ぎ装置1は、瓶3に取り付け可能であるホルダ89を含む。
【0040】
ホルダ89はプラスチックのような弾性材料からなり、両端(図上において上端及び下端)を有する取手部91と、取手部91の両端に連なり、図上において水平に伸びる互いに平行な2つの把持部93,95とを有する。両把持部93,95はそれぞれC形の平面形状を有し(図8参照)、瓶3の本体97及び首99の周囲を部分的に取り巻きかつこれらを把持することができる。両把持部93,95が瓶3の本体97及び首99を把持した状態において、取手部91と瓶3との間には間隔が存する。これによれば、取手部91を片手でつかみ、飲料入りの瓶3及びこれに取り付けられたハウジング5、容器9等を容易にまた安定的に保持することができ、これにより、飲料の注ぎ動作を円滑に行うことができる。
【0041】
また、ホルダ89はさらに容器9のための把持部101を有するものとすることができる。把持部101は、ホルダ89の取手部91と、瓶3の首99のための把持部95との間に設けられている。把持部101もまた同様にC形の平面形状を有し、容器9の周囲を部分的に取り巻き、これを把持することができる。ホルダ89の把持部93,95,101による瓶3及び容器9の把持及びその解除は、それぞれ、これらの把持部93,95,101が拡径されるようにこれらを弾性変形させる間に各把持部93,95,101のC形の空間に瓶3及び容器9を入れ、及び該空間から引き出す(図8参照)ことにより行うことができる。
【0042】
図7に示す飲料注ぎ装置1は、さらに、その弁機構7の可動部材41の操作部材79を機械的に操作するための操作機構103を備える。操作機構103は、ホルダ89の取手部91に相対移動可能に取り付けられたL形のレバー105と、ワイヤ107とを有する。レバー105は、一端部109と他端部111とを有し、両端部間において、ピン113を介して該ピンの周りに揺動可能であるように取手部91に取り付けられている。他方、ワイヤ107は、その一端部において操作部材79のいずれかの頭付ピン81に連結され、また、その他端部において、レバー105の一端部109に連結されている。
【0043】
これによれば、ホルダ89の取手部91を持ち、レバー105の他端部111を握ってレバー105をピン113の周りに揺動させると、ワイヤ107が緊張する。ワイヤ107の緊張により、操作部材79の頭付ピン81をスリット87に沿って移動させることができる。頭付ピン81の移動量は、レバー105の揺動量を調整することにより調整することができる。なお、レバー105は、図示のL形のものに代えて、他の任意の形状のものを選択することができ、また例えばホルダ89の取手部91に沿って直線移動可能のものとすることができる。
【0044】
図7に示すように、瓶3とこれに取り付けられた飲料注ぎ装置1は、例えばテーブル115の上に直立に立てて、あるいは、図9及び図10に示すように、温度調節機能を有する容器117や、氷や水を入れることができる容器119に入れて保管することができる。図9及び図10に示すような方法は、図7に示すような方法に比べて、飲料注ぎ装置1をより安定的に保管することができる。
【0045】
図11に示すように、飲料の劣化を防止するための気体を収容する容器9は、比較的長い導管121を介して、ハウジング5に連通するように取り付けることができる。導管121は、プラスチックのような軟らかい材料又は金属のような剛性材料で形成することができる。また、好ましくは、容器9はホルダ89で保持する。この例では、容器9を保持するためのC形の把持部101が、瓶3の本体97のための把持部93と、取手部91との間に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】瓶に取り付けられた、本発明に係る飲料注ぎ装置の正面図である。
【図2】飲料注ぎ装置の縦断面図である。
【図3】図2の線X−Xに沿って得た横断面図である。
【図4】図2の線Y−Yに沿って得た横断面図である。
【図5】弁機構の操作によりハウジングの受入空間を開きかつ該受入空間に劣化防止用気体を導入する状態にある飲料注ぎ装置の縦断面図である。
【図6】瓶内の飲料をグラスに注いでいる状態にある飲料注ぎ装置の縦断面図である。
【図7】瓶が取り付けられた飲料注ぎ装置の他の例であって、テーブル上におかれた飲料注ぎ装置の正面図である。
【図8】図7の線Z−Zに沿って得た横断面図である。
【図9】温度調整機能を有する容器内におかれた、図7に示すと同様の飲料注ぎ装置の正面図である。
【図10】氷や水を収容可能である容器内におかれた、図7に示すと同様の飲料注ぎ装置の正面図である。
【図11】さらに、他の例に係る飲料注ぎ装置を瓶と共に示す正面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 飲料注ぎ装置
3 瓶
5 ハウジング
7 弁機構
9 劣化防止用気体の収容容器
11 瓶の口
13 瓶の口に付けられた開閉弁
29 ハウジングに設けられた、飲料及び劣化防止用気体のための受入空間
41 可動部材(弁機構)
45 可動部材の第1の当接部
47 可動部材の第2の当接部
49 可動部材の導管部
51 可動部材の作用部
65 可動部材の窪み部
79 可動部材の操作部材
89 ホルダ
103 操作機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワインのような飲料が詰められた瓶から該飲料をグラスのような容器に注ぎ入れるときに使用される装置、より詳細には、瓶内に空気が侵入しないようにして飲料を注ぐための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
瓶詰めのワインはその開栓と共に空気に触れ、これにより酸化によるワインの品質の劣化が進行し、その風味が損なわれる。従来、瓶からワインを注ぐとき、瓶内に窒素ガスのような劣化防止用気体を流入させ、これにより瓶内のワインの酸化による劣化を防止する飲料注ぎ装置が提案されている(後記特許文献1参照)。
【特許文献1】WO03/099704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この飲料注ぎ装置は、瓶内からワインを受け入れるハウジングと、該ハウジング内に供給される劣化防止用気体の供給設備とを備えるところ、前記ハウジングと前記供給設備とが分離されている。このような構造のものは、飲料店や飲食店のようにワインが比較的大量に消費される場所への設置に適するが、その持ち運びや取扱いが不便であり、例えばこれを家庭的な使用に供することには不向きであった。
【0004】
本発明の目的は、持ち運びの容易な、あるいは取扱いの容易な飲料注ぎ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(請求項1に記載の発明の特徴)
請求項1に記載の発明は、飲料注ぎ装置に係り、飲料及び該飲料の劣化を防止するための劣化防止用気体を受け入れ可能である受入空間を有するハウジングと、前記ハウジングの受入空間の開閉を行うための弁機構と、前記劣化防止用気体が充填された容器であって、前記劣化防止用気体を前記ハウジングの受入空間に供給可能であるように前記ハウジングに取り付けられた容器とを含み、前記ハウジングは、前記飲料が入れられた瓶の口を該瓶の内部と前記ハウジングの受入空間とが気密に連通するように取り付け可能である取付部を有し、前記瓶はその口に取り付けられた、前記弁機構により開閉操作可能である開閉弁を有することを特徴とする
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、開閉弁が取り付けられた飲料入りの瓶を本発明に係る飲料注ぎ装置のハウジングに取り付け、弁機構を操作することにより、前記ハウジングから前記飲料をグラスのような容器に注ぎ入れることができる。
【0007】
前記飲料入りの瓶はその口において前記ハウジングの取付部に取り付けられる。前記ハウジングに取り付けられた前記瓶内の飲料は、前記弁機構の操作によって前記瓶の開閉弁を開くことにより、前記瓶から前記ハウジングの受入空間内に導くことができる。前記ハウジング内への前記飲料の導入は、前記瓶を逆さまにして行うことができる。また、前記受入空間は前記飲料の劣化防止用気体を受け入れることができる。前記受入空間への前記劣化防止用気体の導入は、前記飲料を前記ハウジングの受入空間に導入する前に行う。すなわち、前記瓶の開閉弁を閉じた状態下で、前記劣化防止用気体を前記ハウジングの受入空間に供給し、また前記弁機構の操作により前記受入空間を開く。これにより、前記受入空間内の空気が前記劣化防止用気体により前記受入空間外に押しやられ、前記受入空間内は前記劣化防止用気体で満たされる。前記瓶の開閉弁は、前記ハウジングの受入空間が前記劣化防止用気体で満たされた状態下で開かれる。この間、前記受入空間内への前記劣化防止用気体の供給が継続される。前記瓶の開閉弁が開かれると、前記受入空間内の劣化防止用気体が前記瓶内に侵入し、前記瓶内の飲料が前記受入空間内に流下する。これにより、前記瓶内への空気の流入とこれに伴う前記瓶内の飲料の劣化が防止される。前記瓶内から前記ハウジングの受入空間内に受け入れられた飲料は、次いで、前記弁機構を介して前記受入空間から出る。
【0008】
本発明にあっては、前記劣化防止用気体を収容する容器が前記ハウジングに取り付けられ、これらが一体をなしていることから、これらが分離したものと異なり、その持ち運びが容易であり、またその取り扱いが容易である。
【0009】
(請求項2に記載の発明の特徴)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成を備えた上で、前記弁機構が前記ハウジングに前記瓶の開閉弁に対して往復動可能に支持された可動部材を備え、該可動部材が、その移動の間前記ハウジングに対して気密に当接する第1の当接部と、前記ハウジングに気密に当接する第2の当接部であって前記瓶の開閉弁に向けての移動により前記ハウジングとの当接が解除可能である第2の当接部と、前記ハウジングに対する前記第2の当接部の当接解除により前記ハウジングの受入空間と連通する前記飲料のための導管部と、前記瓶の開閉弁に対する作用部とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記弁機構の可動部材の移動の間、前記ハウジングの受入空間は前記可動部材の第1の当接部により常に閉じられた状態におかれる。他方、前記可動部材が前記瓶の開閉弁に向けて移動するとき、前記ハウジングの受入空間は前記可動部材の第2の当接部の作用により開かれた状態におかれ、前記受入空間は前記可動部材の導管部と連通する。この連通により、前記ハウジングの受入空間内に供給された劣化防止用気体により前記受入空間内の空気を前記ハウジング外に排出することができる。また、前記可動部材を前記瓶の開閉弁に向けてさらに移動させると、前記可動部材の作用部が前記瓶の開閉弁を開く作用をなす。これにより、前記瓶内の飲料が前記ハウジングの受入空間への導入が可能とされ、前記受入空間内に導入された飲料は、前記導管部を通して前記ハウジング外に導くことができる。
【0011】
(請求項3に記載の発明の特徴)
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明の構成を備えた上で、さらに、前記ハウジングの外部に取り付けられた、前記可動部材を手動で操作するための操作部材を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、操作部材の手動操作により、前記ハウジングの外部において前記可動部材を動かし、前記ハウジングの受入空間の開閉動作及び前記瓶の開閉弁の開閉動作を行うことができる。
【0013】
(請求項4に記載の発明の特徴)
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明の構成を備えた上で、さらに、前記瓶に取り付けられたホルダと、前記操作部材を機械的に操作するための操作機構とを含み、前記操作機構は、前記ホルダに相対移動可能に支持されたレバーと、前記操作部材と前記レバーとに連結されたワイヤとを備え、前記レバーの相対移動により前記ワイヤを緊張状態におくことが可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、ホルダを介して、前記飲料が入った瓶、前記ハウジング及び前記劣化防止用気体の容器からなる組立体を容易に手に持つことができ。また、レバーの手元操作により、前記弁機構における可動部材を操作するための操作部材をワイヤを介して遠隔操作することができ、これにより、前記弁機構の開閉動作と、前記瓶の開閉弁の開閉動作と、飲料の注ぎ出しとを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、持ち運びの容易な、あるいは取扱いの容易な飲料注ぎ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1及び図2を参照すると、本発明に係る飲料注ぎ装置が全体に符号1で示されている。飲料注ぎ装置1は、瓶3に入れられたワイン、ウイスキー、ブランデー、炭酸入り飲料、栄養剤、乳製品、果肉入り果汁のような飲料、特にワインをグラスのような容器に注ぎ入れるために用いられる。飲料注ぎ装置1は、瓶3に取り付けられるハウジング5と、ハウジング5内に設けられ該ハウジングの後記受入空間29の開閉に供される弁機構7(図2)と、前記飲料の例えば酸化による劣化を防止するための窒素を主成分とする気体のような劣化防止用気体が充填された容器9とを含む。容器9は、前記劣化防止用気体をハウジング5の後記受入空間29に供給可能であるようにハウジング5に取り付けられている。
【0017】
瓶3は、その口11に取り付けられた開閉弁13(図2)を備える。開閉弁13は、筒状の本体15を有する。本体15はその一部(図2において下部)が瓶3の口11の内部に挿入され、残りの他の一部(図2において上部)が口11の外部に突出している。本体15は瓶の口11に挿入された前記一部(下部)にその外周を取り巻く複数段の環状のフランジ部17を有する。これらのフランジ部17は弾性を有し、また瓶3の口11の口径より大きい直径を有する。図示の例では、本体15とフランジ部17とはプラスチック材料により一体に形成されている。フランジ部17は瓶の口11の内部でその周面に弾性変形した状態で密接している。この密接により、瓶の口11と本体15との間に気密性が保たれる。この気密性により、瓶3外への飲料の漏れ並びに瓶3内への空気の流入及び後述する瓶3内の前記劣化防止用気体の流出が阻止される。フランジ部17の直径が瓶の口の内径より大きいものに設定されているのは、前記気密性の保持の他、開閉弁13を種々の口径の瓶の口に適用可能とするためである。
【0018】
他方、開閉弁13の本体15の前記他の一部の開放端面(図2において上端面)上には環状の弁座19が載置されている。弁座19は、本体15の前記他の一部(上部)にこれに螺合する環状のキャップ21により、本体15に固定されている。
【0019】
開閉弁13の本体15の内部を規定する筒状の空間には、弁体23と、コイルばね25とが配置されている。コイルばね25は圧縮された状態におかれ、その一端(図2において上端)が弁体23に接し、その他端(図2において下端)が本体15の内周面に設けられたばね受け27に掛けられている。他方、弁体23はコイルばね25のばね力を受けて弁座19に押し付けられている。これにより、開閉弁13は閉じられた状態にある。この状態下において、弁体23と弁座19との間が気密に保たれ、これにより、瓶3外への飲料の漏れ並びに瓶3内への空気の流入及び瓶3内の前記劣化防止用気体の流出が阻止される。瓶3内の飲料は、開閉弁13を開くこと、すなわち弁体23をコイルばね25のばね力に抗して押圧し、弁体23を弁座19から離すことにより、これらの間を通して取り出すことができる。瓶3の口11への開閉弁13の取り付けは前記劣化防止用気体の雰囲気中で行うことができ、これにより、瓶3内に前記劣化防止用気体を封入することができる。
【0020】
飲料注ぎ装置1のハウジング5は図示の例では全体に筒状を呈し、その両端部が開放している。ハウジング5の一方の端部(図2において下端部)は大きい開口26を有し、これに相対する他方の端部(図2において上端部)は小さい開口28を有する。ハウジング5は、その両端部間に、両開口26,28に連通する空間29を有する。空間29は、瓶3内の飲料と容器9内の劣化防止用気体を受け入れるための受入空間をなす。
【0021】
ハウジング5の前記大きい開口26を有する一方の端部(下端部)は、瓶3のための取付部31をなす。取付部31はその内部に瓶3の口11を受け入れることができる内径を有する。また、図示の例では、取付部31はその口径が漸減する開放端部分33を有する。取付部31には、その周囲を取り巻くナット35が螺合される。ナット35は、これを取付部31の開放端部分33に螺合させ、取付部31の開放端部分33に連なる基部分37に向けて進めると、取付部31の開放端部分33をその周囲から締め付け、開放端部分33をその放射方向内方に弾性変形させ得るように形成されている。
【0022】
ハウジング5の取付部31内に受け入れられた瓶3の口11と、取付部31との間には筒状のパッキン39が配置される。パッキン39はナット35の前記締め付け作用により開放端部分33によりその周囲から圧迫され、これにより瓶3の口11とハウジング5の取付部31との間から受入空間29に空気が流入しないように、また受入空間29内に導入された前記劣化防止用気体が受入空間29外に流出しないように気密に保持され、またハウジング5が瓶3の口11に確実に固定される。
【0023】
瓶3内の飲料及び容器9内の劣化防止用気体を受け入れ可能であるハウジング5の受入空間29は弁機構7を操作することにより開閉することができる。また、弁機構7を操作することにより、瓶3の開閉弁13を開閉することができる。図示の弁機構7は、ハウジング5に該ハウジングの軸線上を伸びるように支持され、ハウジング5の軸線上を往復移動可能である可動部材41を備える。
【0024】
弁機構7の可動部材41は細長い全体形状を有し、ハウジング5の内部(受入空間29)から、ハウジング5の一端部の小さい開口28を経て、ハウジング5の外部に伸びている。可動部材41は、ハウジング5の開口28を規定するハウジング5の壁43の周面にそれぞれ気密に当接する第1の当接部45及び第2の当接部47と、開口28からハウジング5の外部に突出する導管部49と、ハウジング5の受入空間29内にあって瓶3の開閉弁13の弁体23に作用し、その開閉操作を行う棒状の作用部51と、第2の当接部47と作用部51との間にあってこれらに連なり、壁43に当接可能である肩部53とを有する。
【0025】
ハウジング5の受入空間29内にはその軸線方向へ伸びる圧縮されたコイルばね55が配置されている。コイルばね55は、その一端部(図2において上端部)において可動部材41の肩部53に接し、その他端部(図2において下端部)においてばね受け57に接している。ばね受け57はハウジング5と一体をなし、ハウジング5の内周面からその受入空間29を横断する板体からなる。ばね受け57は、図3に示すように、可動部材41の作用部51の貫通を許す孔59と、孔59の周囲の複数の開口61とを有する。これらの孔59及び開口61を通して、受入空間29はばね受け57の両側においてハウジング5の軸線方向に連続している。可動部材41は、コイルばね55のばね力を受けて、その肩部53において、ハウジング5の壁43の軸線方向に関する端面に押し付けられ、これに接している。
【0026】
可動部材41の肩部53が壁43の端面に接しているとき、可動部材41の第1の当接部45及び第2の当接部47はいずれも壁43の内周面に気密に接する。これにより、ハウジング5の開口28が閉じられ、ハウジング5の受入空間29は閉じられた状態に維持される。なお、ハウジングの開口28及びばね受け57の孔59は、可動部材41に対し、ハウジング5の軸線方向への移動の際の案内作用をなす。
【0027】
可動部材41の第1の当接部45及び第2の当接部47は、ハウジング5の軸線方向に間隔をおいて配置されており、第1の当接部45はハウジング5の開口28の開放端の近傍に位置し、第2の当接部47は開口28の開放端から離れた箇所に位置する。第1の当接部45における気密性は、実質的に、第1の当接部45の周囲を取り巻くOリング62により確保されている。他方、第2の当接部47における気密性は、ハウジング5の壁43の内周面に取り付けられ、第2の当接部47の周面に接するOリング63により確保されている。
【0028】
可動部材41は、さらに、第1の当接部45と第2の当接部47との間に窪み部65を有する。窪み部65と第1の当接部45とは中空であり、これらは導管部49に連通している。窪み部65にはその周方向に間隔をおいて1又は複数の開口67が設けられている。
【0029】
可動部材41をコイルばね55のばね力に抗して瓶3の開閉弁13に向けて移動させると、第2の当接部47がハウジングの開口28を脱し、Oリング63との接触が解除される(図5参照)。ただし、第1の当接部45のハウジングの壁43に対する当接は、可動部材41の停止及び移動の間、常に維持される。第2の当接部47がハウジング5の開口28を脱すると、可動部材41の窪み部65の開口67がハウジングの受入空間29と連通し、これにより受入空間29は可動部材41の導管部49と連通する。その結果、受入空間29は開状態におかれる。
【0030】
また、可動部材41の作用部51は、第2の当接部47がハウジング5の開口28を脱した直後の状態(図5に示す状態)において、ハウジング5に取り付けられた瓶3の開閉弁13の弁体23に接しないか、又は接しても弁体23に押圧力を及ぼさないような長さに設定されている。したがって、この状態では、瓶3は開栓されず、このため瓶3の内部とハウジング5の受入空間29とは連通することなく、受入空間29内の空気が瓶3内に流入することはない。
【0031】
ハウジング5に取り付けられた瓶3からの飲料の取り出しに際しては、第2の当接部47がハウジング5の開口28を脱した直後の前記状態(図5に示す状態)下で、第2の当接部47がハウジングの開口28を脱する直前から、ハウジング5に取り付けられた容器9から前記劣化防止用気体(N)をハウジング5内の受入空間29に供給する。劣化防止用気体Nは大気圧を超える圧力をもって容器9に充填されており、このため、劣化防止用気体Nが受入空間29に導入されると、受入空間29内を占めていた空気が窪み部65の開口67及び導管部49を通して受入空間29外に押し出され、受入空間29は劣化防止用気体Nで満たされる。このとき、劣化防止用気体Nは第1の当接部45における気密性により、開口28を経て受入空間29外に流出することはない。
【0032】
次に、図6に示すように、可動部材41をさらに瓶3の開閉弁13に向けて移動させる。これにより、可動部材41の作用部51が瓶3の開閉弁13の弁体23に突き当たり、これを押圧する。その結果、開閉弁13が開き、瓶3の内部とハウジングの受入空間29とが連通する。これを、瓶3を傾けた状態で行う。その結果、受入空間29内の劣化防止用気体Nが開閉弁13を経て瓶3内に流入し、また、瓶3内の飲料が開閉弁13を経てハウジングの受入空間29内に流下する。受入空間29内に受け入れられた飲料は、窪み部65の開口67及び導管部49を経て、該導管部からグラスのような容器Gに前記飲料を注ぎ入れられる。この間、ハウジング5の受入空間29内への劣化防止用気体Nの供給を継続する。
【0033】
再び図1及び図2を参照すると、劣化防止用気体Nを収容する容器9は例えばボンベからなり、例えば直角に折れ曲がる剛性の導管69を介して、ハウジング5に取り付けられている。ハウジング5には、導管69の開放先端部71を受け入れ可能であるポート73が設けられている。ポート73は受入空間29に連通している。ポート73に受け入れられた導管69の開放先端部71は、ポート73に螺合されたキャップ75により、ハウジング5に固定されている。図示の例では、導管69の開放先端部71と、ハウジング5のポート73とが球面対偶をなしている。したがって、ハウジング5に対して劣化防止用気体の容器9を回転させることができ、これによりハウジング5に対する容器9の姿勢を容易に変更することができる。容器9の姿勢変更により、飲料注ぎ装置1の把持をより容易にすることができる。なお、符号77は、容器9内の劣化防止用気体Nの流量を調整するための弁を示す。
【0034】
ハウジング5に劣化防止用気体の容器9を取り付けることにより、これらを一体のものとして扱うことができる。このため、飲料注ぎ装置1は、持ち運びが容易であり、また操作性に優れ、片手での操作が可能である(図6)。容器9及びハウジング5は、これらのサイズを任意の大きさに設定することができる。
【0035】
ところで、ハウジング5の受入空間29の開閉を行うための弁機構7を構成する可動部材41の操作は、その導管部49を指でつかみ、これをハウジング5の軸線方向に移動させることにより行うことが可能であるが、図示の例では、飲料注ぎ装置1の片手による操作をより容易にするため、可動部材41を一本の指で手動操作することができるようにするための操作部材79が設けられている。
【0036】
図2及び図4に示すように、操作部材79は、可動部材41の導管部49の周囲に互いに間隔をおいて配置されかつ導管部49に固定され、導管部49からその放射方向外方へ伸びる複数の頭付ピン81と、ハウジング5の壁43の外周面に固定されたキャップ状の案内部材83とからなる。案内部材83は、後述するように、各頭付ピン81をハウジング5の軸線方向に案内する作用をなす。
【0037】
キャップ状を呈する案内部材83は、その開放端部(図2において下端部)においてハウジング5の壁43の周囲を取り巻き、案内部材83の前記開放端部に相対する閉鎖端部(図2において上部)がハウジング5の壁43からその軸線方向に間隔をおいた位置に位置する。案内部材83の前記閉鎖端部には、可動部材41の導管部49の貫通を許す孔85が設けられている。また、案内部材83の側部、すなわち前記開放端部と前記閉鎖端部との間の部分にはハウジング5の軸線方向に伸びる複数のスリット87が設けられている。各スリット87は、各頭付ピン81に対応して設けられている。なお、頭付ピン81の数量及びスリット87の数量はそれぞれ少なくとも1つとすることができる。
【0038】
各頭付ピン81は、案内部材83の内部からその外部へ各スリット87を経て伸びている。各頭付ピン81の頭部は案内部材83の外部に位置する。頭付ピン81はその頭部を指で操作することにより、スリット87に沿って、すなわちスリット87の案内作用下で移動させることができる(図6参照)。いずれかの頭付ピン81の移動により、頭付ピン81が固定された導管部49を介して、可動部材41がハウジング5の軸線方向に移動する。これにより、飲料注ぎ装置1を片手に持っての可動部材41の操作を容易に行うことができる。なお、スリット87は、予め設定された可動部材41の移動距離に等しい長さ寸法を有する。したがって、頭付ピン81のスリット87に沿っての移動により可動部材41の移動量を正確に制御することができる。
【0039】
次に図7及び図8を参照すると、飲料注ぎ装置1の他の例が示されている。この例の飲料注ぎ装置1は、瓶3に取り付け可能であるホルダ89を含む。
【0040】
ホルダ89はプラスチックのような弾性材料からなり、両端(図上において上端及び下端)を有する取手部91と、取手部91の両端に連なり、図上において水平に伸びる互いに平行な2つの把持部93,95とを有する。両把持部93,95はそれぞれC形の平面形状を有し(図8参照)、瓶3の本体97及び首99の周囲を部分的に取り巻きかつこれらを把持することができる。両把持部93,95が瓶3の本体97及び首99を把持した状態において、取手部91と瓶3との間には間隔が存する。これによれば、取手部91を片手でつかみ、飲料入りの瓶3及びこれに取り付けられたハウジング5、容器9等を容易にまた安定的に保持することができ、これにより、飲料の注ぎ動作を円滑に行うことができる。
【0041】
また、ホルダ89はさらに容器9のための把持部101を有するものとすることができる。把持部101は、ホルダ89の取手部91と、瓶3の首99のための把持部95との間に設けられている。把持部101もまた同様にC形の平面形状を有し、容器9の周囲を部分的に取り巻き、これを把持することができる。ホルダ89の把持部93,95,101による瓶3及び容器9の把持及びその解除は、それぞれ、これらの把持部93,95,101が拡径されるようにこれらを弾性変形させる間に各把持部93,95,101のC形の空間に瓶3及び容器9を入れ、及び該空間から引き出す(図8参照)ことにより行うことができる。
【0042】
図7に示す飲料注ぎ装置1は、さらに、その弁機構7の可動部材41の操作部材79を機械的に操作するための操作機構103を備える。操作機構103は、ホルダ89の取手部91に相対移動可能に取り付けられたL形のレバー105と、ワイヤ107とを有する。レバー105は、一端部109と他端部111とを有し、両端部間において、ピン113を介して該ピンの周りに揺動可能であるように取手部91に取り付けられている。他方、ワイヤ107は、その一端部において操作部材79のいずれかの頭付ピン81に連結され、また、その他端部において、レバー105の一端部109に連結されている。
【0043】
これによれば、ホルダ89の取手部91を持ち、レバー105の他端部111を握ってレバー105をピン113の周りに揺動させると、ワイヤ107が緊張する。ワイヤ107の緊張により、操作部材79の頭付ピン81をスリット87に沿って移動させることができる。頭付ピン81の移動量は、レバー105の揺動量を調整することにより調整することができる。なお、レバー105は、図示のL形のものに代えて、他の任意の形状のものを選択することができ、また例えばホルダ89の取手部91に沿って直線移動可能のものとすることができる。
【0044】
図7に示すように、瓶3とこれに取り付けられた飲料注ぎ装置1は、例えばテーブル115の上に直立に立てて、あるいは、図9及び図10に示すように、温度調節機能を有する容器117や、氷や水を入れることができる容器119に入れて保管することができる。図9及び図10に示すような方法は、図7に示すような方法に比べて、飲料注ぎ装置1をより安定的に保管することができる。
【0045】
図11に示すように、飲料の劣化を防止するための気体を収容する容器9は、比較的長い導管121を介して、ハウジング5に連通するように取り付けることができる。導管121は、プラスチックのような軟らかい材料又は金属のような剛性材料で形成することができる。また、好ましくは、容器9はホルダ89で保持する。この例では、容器9を保持するためのC形の把持部101が、瓶3の本体97のための把持部93と、取手部91との間に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】瓶に取り付けられた、本発明に係る飲料注ぎ装置の正面図である。
【図2】飲料注ぎ装置の縦断面図である。
【図3】図2の線X−Xに沿って得た横断面図である。
【図4】図2の線Y−Yに沿って得た横断面図である。
【図5】弁機構の操作によりハウジングの受入空間を開きかつ該受入空間に劣化防止用気体を導入する状態にある飲料注ぎ装置の縦断面図である。
【図6】瓶内の飲料をグラスに注いでいる状態にある飲料注ぎ装置の縦断面図である。
【図7】瓶が取り付けられた飲料注ぎ装置の他の例であって、テーブル上におかれた飲料注ぎ装置の正面図である。
【図8】図7の線Z−Zに沿って得た横断面図である。
【図9】温度調整機能を有する容器内におかれた、図7に示すと同様の飲料注ぎ装置の正面図である。
【図10】氷や水を収容可能である容器内におかれた、図7に示すと同様の飲料注ぎ装置の正面図である。
【図11】さらに、他の例に係る飲料注ぎ装置を瓶と共に示す正面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 飲料注ぎ装置
3 瓶
5 ハウジング
7 弁機構
9 劣化防止用気体の収容容器
11 瓶の口
13 瓶の口に付けられた開閉弁
29 ハウジングに設けられた、飲料及び劣化防止用気体のための受入空間
41 可動部材(弁機構)
45 可動部材の第1の当接部
47 可動部材の第2の当接部
49 可動部材の導管部
51 可動部材の作用部
65 可動部材の窪み部
79 可動部材の操作部材
89 ホルダ
103 操作機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料及び該飲料の劣化を防止するための劣化防止用気体を受け入れ可能である受入空間を有するハウジングと、
前記ハウジングの受入空間の開閉を行うための弁機構と、
前記劣化防止用気体が充填された容器であって、前記劣化防止用気体を前記ハウジングの受入空間に供給可能であるように前記ハウジングに取り付けられた容器とを含み、
前記ハウジングは、前記飲料が入れられた瓶の口を該瓶の内部と前記ハウジングの受入空間とが気密に連通するように取り付け可能である取付部を有し、
前記瓶はその口に取り付けられた、前記弁機構により開閉操作可能である開閉弁を有する、
ことを特徴とする、飲料注ぎ装置。
【請求項2】
前記弁機構は前記ハウジングに前記瓶の開閉弁に対して往復動可能に支持された可動部材を備え、該可動部材は、その移動の間前記ハウジングに対して気密に当接する第1の当接部と、前記ハウジングに気密に当接する第2の当接部であって前記瓶の開閉弁に向けての移動により前記ハウジングとの当接が解除可能である第2の当接部と、前記ハウジングに対する前記第2の当接部の当接解除により前記ハウジングの受入空間と連通する前記飲料のための導管部と、前記瓶の開閉弁に対する作用部とを備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の飲料注ぎ装置。
【請求項3】
さらに、前記ハウジングの外部に取り付けられた、前記可動部材を手動で操作するための操作部材を備える、
ことを特徴とする、請求項2に記載の飲料注ぎ装置。
【請求項4】
さらに、前記瓶に取り付けられたホルダと、前記操作部材を機械的に操作するための操作機構とを含み、
前記操作機構は、前記ホルダに相対移動可能に支持されたレバーと、前記操作部材と前記レバーとに連結されたワイヤとを備え、前記レバーの相対移動により前記ワイヤを緊張状態におくことが可能である、
ことを特徴とする、請求項3に記載の飲料注ぎ装置。
【請求項1】
飲料及び該飲料の劣化を防止するための劣化防止用気体を受け入れ可能である受入空間を有するハウジングと、
前記ハウジングの受入空間の開閉を行うための弁機構と、
前記劣化防止用気体が充填された容器であって、前記劣化防止用気体を前記ハウジングの受入空間に供給可能であるように前記ハウジングに取り付けられた容器とを含み、
前記ハウジングは、前記飲料が入れられた瓶の口を該瓶の内部と前記ハウジングの受入空間とが気密に連通するように取り付け可能である取付部を有し、
前記瓶はその口に取り付けられた、前記弁機構により開閉操作可能である開閉弁を有する、
ことを特徴とする、飲料注ぎ装置。
【請求項2】
前記弁機構は前記ハウジングに前記瓶の開閉弁に対して往復動可能に支持された可動部材を備え、該可動部材は、その移動の間前記ハウジングに対して気密に当接する第1の当接部と、前記ハウジングに気密に当接する第2の当接部であって前記瓶の開閉弁に向けての移動により前記ハウジングとの当接が解除可能である第2の当接部と、前記ハウジングに対する前記第2の当接部の当接解除により前記ハウジングの受入空間と連通する前記飲料のための導管部と、前記瓶の開閉弁に対する作用部とを備える、
ことを特徴とする、請求項1に記載の飲料注ぎ装置。
【請求項3】
さらに、前記ハウジングの外部に取り付けられた、前記可動部材を手動で操作するための操作部材を備える、
ことを特徴とする、請求項2に記載の飲料注ぎ装置。
【請求項4】
さらに、前記瓶に取り付けられたホルダと、前記操作部材を機械的に操作するための操作機構とを含み、
前記操作機構は、前記ホルダに相対移動可能に支持されたレバーと、前記操作部材と前記レバーとに連結されたワイヤとを備え、前記レバーの相対移動により前記ワイヤを緊張状態におくことが可能である、
ことを特徴とする、請求項3に記載の飲料注ぎ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−308188(P2008−308188A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156947(P2007−156947)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(599068463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(599068463)
【Fターム(参考)】
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