説明

飲料注出装置

【課題】飲料注出装置であって、水タンクが設けられており、水タンクは、ポンプを介して、炭酸化装置と接続されており、炭酸化装置は、CO2のための供給路に接続されていて、かつハウジングを備えており、ハウジングに、CO2および炭酸水で充填されたチャンバが形成されており、炭酸水を包含するチャンバの一部は、排出路に接続されている、飲料注出装置を改良して、簡単に水にCO2を混合することができ、かつコンパクトに形成されたものを提供する。
【解決手段】水タンク2から搬送される水の導入が、ノズル23を介して行われ、ノズル23は、水を、CO2で充填されたチャンバの一部26を通って、炭酸化された水に噴射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料注出装置であって、水タンクが設けられており、水タンクは、ポンプを介して、炭酸化装置と接続されており、炭酸化装置は、CO2のための供給路に接続されていて、かつハウジングを備えており、該ハウジングに、CO2および炭酸水で充填されたチャンバが形成されており、炭酸水を有するチャンバの一部は、排出路に接続されているものに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第1629882号明細書には、飲料を炭酸化して冷却するための装置が開示さており、ここでは炭酸化ユニットが、管状の内側容器に取り付けられている。炭酸化装置は、多数の中空繊維を備えており、中空繊維は、半透膜として形成されており、中空繊維は、液密であるが、通気性に形成されている。これによって液体にCO2を添加することができる。そのような炭酸化ユニットの構成は、比較的複雑であり、個々の構成部材の交換は困難である。さらに連続的な運転のために、大きな表面積の膜を設ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1629882号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の課題は、飲料注出装置を改良して、簡単に水にCO2を混合することができ、かつコンパクトに形成されたものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために本発明の構成では、飲料注出装置であって、水タンクが設けられており、水タンクは、ポンプを介して、炭酸化装置と接続されており、炭酸化装置は、CO2のための供給路に接続されていて、かつハウジングを備えており、該ハウジングに、CO2および炭酸水で充填されたチャンバが形成されており、炭酸水を包含するチャンバの一部は、排出路に接続されている、飲料注出装置において、水タンクから搬送される水の導入が、ノズルを介して行われ、ノズルは、水を、CO2で充填されたチャンバの一部を通って、炭酸化された水に噴射する。
【0006】
有利には、チャンバの、炭酸水で充填された下位部分に、排出路から間隔を有して位置する衝突面が配置されている。
【0007】
有利には、ハウジングが、管を備えており、管は、上面から、CO2のための供給路と水タンクから搬送される水のための供給路とを備えたディスクによって閉鎖されている。
【0008】
有利には、ディスクに、ノズルが取り付けられている。
【0009】
有利には、ノズルは、0.5mm〜2.5mm、特に1mm〜1.5mmの直径を有する通路を備えている。
【0010】
有利には、管は、下面で、ディスクによって閉鎖されており、ディスクに、炭酸水のための排出路が形成されている。
【0011】
有利には、チャンバは、概ね円筒形の形状を有している。
【0012】
有利には、チャンバは、2bar〜4barの内圧を有している。
【0013】
有利には、ハウジングの表面または内側に、炭酸水の充填状態を検出するためのセンサが設けられている。
【0014】
有利には、センサは、制御装置と連結されており、該制御装置によって、ポンプが制御されるようになっている。
【0015】
有利には、炭酸化装置のハウジングは、水を包含する容器内に配置されている。
【0016】
有利には、容器は、冷却装置を介して冷却されている。
【0017】
有利には、ポンプによって、水が、水タンクから選択的に炭酸化装置または容器に搬送されるようになっている。
【0018】
有利には、飲料注出部が設けられており、飲料注出部に向かって、選択的に水が容器から搬送されるか、または炭酸水が炭酸化装置から搬送されるようになっている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、飲料注出装置において、水タンクから搬送される水の導入が、ノズルを介して行われ、ノズルは、水を、CO2で充填されたチャンバの一部を通って、炭酸水に噴射する。そのような炭酸化装置は、簡単でコンパクトに形成されていて、さらに連続的な運転方法で、所望量の炭酸水を製作することができる。ノズルによる噴射の利点によれば、水の噴射によって気体と液体との間の大きな接触面が形成されているので、CO2は、極めて迅速に溶解することができる。さらに炭酸化装置は、低い圧力で運転することができる。
【0020】
本発明の有利な形態によれば、チャンバの、炭酸水で充填された下位部分に、排出路から間隔を有して位置する衝突面が配置されている。これによってガス状のCO2が排出路を通って流出する、ということが防止され、ガス状のCO2は、衝突面で制動され、小さな密度に基づいて再び上昇し、これに対して衝突面の下方では、CO2の添加された水は、排出路を通って流出することができる。
【0021】
ハウジングの簡単な構成に関して、ハウジングは、管を備えており、管は、上面から、CO2のための供給路と水タンクから搬送される水のための供給路とを備えたディスクによって閉鎖されている。追加的に管は、下面で、別のディスクによって閉鎖することができ、別のディスクに、炭酸水のための排出路が形成されている。そのような構成によって、ハウジングの簡単なシールが実現され、ハウジングは、管の内周面に設けられたシールリングを介して周囲に対してシールすることができる。
【0022】
ノズルは、有利にはハウジングのディスクに取り付けられていて、0.5mm〜2.5mm、特に1mm〜1.5mmの直径を有する通路を備えている。これによって水は、ノズルで強く加速され、この場合ノズルを通って僅かな体積流量しか高速で流出しない。これによって炭酸化装置の作用効率が改善される。
【0023】
炭酸化装置のチャンバは、有利には、2bar〜4bar、特に3barの内圧で運転されるので、僅かな圧力しか存在しない。これによって比較的小さな構成サイズを有するポンプを使用することができる。
【0024】
別の形態によれば、ハウジングに、炭酸水の充填状態を検出するためのセンサが設けられている。センサは、制御装置と連結することができ、制御装置によって、ポンプは制御可能であるので、水面が所望の高さになるよう保証され、これによってCO2との効果的な添加が保証される。
【0025】
有利な形態では、炭酸化装置のハウジングは、水を有する容器内に配置されている。この場合容器は、冷却装置を介して温度調整される場合、冷却に用いることができる。有利には、ポンプによって、水が、水タンクから選択的に炭酸化装置または容器に搬送されるので、炭酸化装置も容器も飲料提供に利用することができる。特に飲料注出部は、選択的に炭酸化装置または非炭酸水を有する容器を介して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による、飲料注出装置の概略図である。
【図2】図1の炭酸化装置の側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面に基づいて、本発明を詳説する。
【0028】
飲料注出装置1は、水タンク2を備えており、水タンク2は、注水するために取外可能に形成することができ、特に飲料注出装置1が家庭用の分野で使用される場合に取外可能に形成することができる。水タンク2は、管路3を介して、ポンプ4と連結されており、ポンプ4は、水を水タンク2から管路5を介して容器10に搬送する。管路5に、分岐6が形成されており、分岐6は、逆止弁7と管路8とを介して炭酸化装置9と接続されている。炭酸化装置は、搬送された水にCO2を添加するのに用いられる。このために炭酸化装置は、圧力下にあるCO2の貯蔵装置17に接続されており、CO2貯蔵装置17は、減圧装置18と管路19とを介して炭酸化装置9と接続されている。さらに炭酸化装置9に略示した充填状態検出装置11が設けられており、充填状態検出装置11によって、炭酸化装置9における液状の媒体の充填状態が検出可能である。
【0029】
炭酸化装置9は、管路12を介して切換可能な弁13と接続されており、弁13は、飲料注出部14に接続されている。これに並行して、非炭酸水を包含する容器10は、管路15を介して、切換可能な弁16と接続されており、弁16も同様に飲料注出部14に接続されている。弁13,16の切換を介して、利用者は、炭酸化装置9からの炭酸水または容器10からの炭酸を含まない水を受け取るか決定することができる。
【0030】
図2には、飲料注出装置1の炭酸化装置9を詳しく示した。
【0031】
炭酸化装置9は、管20を備えたハウジングを有しており、管20は、上側で、ディスク21によって閉じられており、ディスク21は、管片部分で、管20に入り込んでいる。管片部分に、シールするためのシールリング36が配置されている。ディスク21は、中央で、タンク2から搬送される水のための供給路22を備えている。供給路22に隣接して、CO2のための供給路30に接続部29が配置されている。CO2のための供給路30に、管路19を介して、圧力下のCO2が供給される。
【0032】
管20内に、上部26と下部27とを備えたチャンバが形成されている。チャンバの上部26は、CO2で充填されており、CO2は、約2bar〜4bar、特に3barの圧力を有している。チャンバの下部27に、炭酸化された水が配置されており、水は、充填状態40を有しており、充填状態40は、充填状態検出器11を介して検出される。
【0033】
水にCO2を混合するために、ノズル23を介して、チャンバの上部26を通ってCO2に水が噴射される。ノズル23は、0.5mm〜2mm、特に1mm〜1.5mmの直径を有する管状の通路24を備えているので、水は高速で噴射され、噴霧としてのクラウド28が形成され、クラウド28は、多数の気泡に基づいて気体と液体との間の大きな接触面を有している。これによってチャンバ27の下部において、水にCO2が添加される。水およびCO2の供給によって、充填状態40は、充填状態検出器11および制御装置を介してほぼ一定に維持される。
【0034】
管20の下部27において、水平に方向付けされた衝突面31が設けられており、衝突面31は、管20の下面に設けられた排出路33から間隔を有している。衝突面31によって、ガス状のCO2が排出路33を通ってガイドされる、ということが防止される。むしろ気泡は、衝突面31に保持され、小さな密度に基づいて上方へ流れる。衝突面31は、成形体32に取り付けられており、成形体32は、下位のディスク34に取り付けられている。下位のディスク34は、管20に導入された管片部分35を有しており、管片部分35の外周に、シールリング36が配置されている。排出路33は、飲料注出装置14に通じる管路12に接続されている。
【0035】
図示の形態では、炭酸化装置9の冷却は、容器10における水を介して行われ、容器10は、冷却装置を介して冷却されている。炭酸化装置9を直に冷却することもできる。
【符号の説明】
【0036】
1 飲料注出装置、 2 水タンク、 3 管路、 4 ポンプ、 5 管路、 6 分岐点、 7 逆止弁、 8 管路、 9 炭酸化装置、 10 容器、 11 充填状態検出装置、 12 管路、 13 弁、 14 飲料注出装置、 15 管路、 16 弁、 17 CO2貯蔵装置、 18 減圧装置、 19 管路、 20 管、 21 ディスク、 22 供給路、 23 ノズル、 24 通路、 26 上部、 27 下部、 28 クラウド、 29 接続部、 30 供給路、 31 衝突面、 32 成形体、 33 排出路、 34 ディスク、 35 管片部分、 36 シールリング、 40 充填状態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料注出装置(1)であって、
水タンク(2)が設けられており、該水タンク(2)は、ポンプ(4)を介して、炭酸化装置(9)と接続されており、該炭酸化装置(9)は、CO2のための供給路(19)に接続されていて、かつハウジングを備えており、該ハウジング内に、CO2および炭酸水で充填されたチャンバ(26,27)が形成されており、炭酸水を包含するチャンバの一部(27)は、排出路(33)に接続されている、飲料注出装置において、
水タンク(2)から搬送される水の導入が、ノズル(23)を介して行われ、ノズル(23)は、水を、CO2で充填されたチャンバの一部(26)を通って、炭酸化された水に噴射することを特徴とする、飲料注出装置。
【請求項2】
チャンバの、炭酸水で充填された下位部分(27)に、排出路(33)から間隔を有して位置する衝突面(31)が配置されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
ハウジングが、管(20)を備えており、該管(20)は、上面から、CO2のための供給路(30)と水タンク(2)から搬送される水のための供給路(22)とを備えたディスク(21)によって閉鎖されている、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
ディスク(21)に、ノズル(23)が取り付けられている、請求項3記載の装置。
【請求項5】
ノズル(23)は、0.5mm〜2.5mm、特に1mm〜1.5mmの直径を有する通路(24)を備えている、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
管(20)は、下面で、ディスク(34)によって閉鎖されており、該ディスク(34)に、炭酸水のための排出路(33)が形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
チャンバは、概ね円筒形の形状を有している、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
チャンバは、2bar〜4barの内圧を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
ハウジングの表面または内側に、炭酸水の充填状態を検出するためのセンサが設けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
【請求項10】
センサは、制御装置と連結されており、該制御装置によって、ポンプ(4)が制御されるようになっている、請求項9記載の装置。
【請求項11】
炭酸化装置(9)のハウジングは、水を包含する容器(10)内に配置されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
容器(10)は、冷却装置を介して冷却されている、請求項11記載の装置。
【請求項13】
ポンプ(4)によって、水が、水タンク(2)から選択的に炭酸化装置(9)または容器(10)に搬送されるようになっている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
飲料注出部(14)が設けられており、該飲料注出部(14)に向かって、選択的に水が容器(10)から搬送されるか、または炭酸水が炭酸化装置(9)から搬送されるようになっている、請求項1から13までのいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−240648(P2010−240648A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−86282(P2010−86282)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(390014155)メリタ ハウスハルツプロドウクテ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシヤフト (12)
【氏名又は名称原語表記】Melitta Haushaltsprodukte GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Ringstrasse99,D−32427 Minden,Germany
【Fターム(参考)】