説明

飲料液異物検査装置および飲料液異物検査方法

【課題】飲料液中の異物の高精度な検出が可能で、かつ、多品種少量生産に好適なコンパクトな飲料液異物検査装置を提供する。
【解決手段】飲料液異物検査装置10は、被検査ボトル71を回転台座25に載置して回転させる被検査ボトル回転機構部20、回転台座25に載置された被検査ボトル71を傾斜させる被検査ボトル傾斜機構部30、被検査ボトル71に照明する照明41、被検査ボトル71の飲料液中を透過した照明光の陰影像を撮像する撮像装置40と、制御装置50などを備える。制御装置50は、被検査ボトル傾斜機構部30により被検査ボトル71を傾斜させたとき、飲料液中に浮遊する重い異物の陰影像を撮像装置40で取得し、被検査ボトル回転機構部20により被検査ボトル71を回転させ、停止させたとき、飲料液中に浮遊する軽い異物の陰影像を撮像装置40で取得し、これら異物の陰影像および軽い異物の陰影像に基づき飲料液中の異物を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査ボトルに充填された飲料液中の異物を検出する飲料液異物検査装置および飲料液異物検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボトルに充填された飲料液中の異物を検出する検査装置においては、被検査ボトルを回転させることにより、被検査ボトル内の異物を飲料液中に巻き上げ、飲料液中に浮遊する移動物体を撮像装置で撮像し、その移動物体を異物として検出することが行われている(特許文献1,特許文献2など参照)。しかしながら、被検査ボトルを回転させて、飲料液中の異物を巻き上げるだけでは、例えば、重い異物は、飲料液中に巻き上げられず、異物として検出されない。
【0003】
なお、被検査ボトルを700rmp以上で回転させれば、重い異物を飲料液中に巻き上げ浮遊させることは可能であるが、このような高速回転を行うと、例えば、飲料がワインであれば、風味やオリなどへの悪影響が懸念され、また、スパークリングワインなど炭酸入りの飲料では、ボトル内の圧力上昇の危険がある。従って、実質的には、被検査ボトルを高速回転させることができないので、被検査ボトルを回転させるだけでは、重い異物を検出することは困難である。
【0004】
また、例えば、特許文献1には、被検査ボトルをいったん上下反転させることで、重い異物を飲料液中に浮遊させることにより、重い異物を検出することが記載されている。しかしながら、被検査ボトルを上下反転しただけでは、重い異物も軽い異物も効率よく検出できるとは限らない。被検査ボトルを上下反転すると、重い異物は、素早く沈殿するので、例えば、被検査ボトルの下方部を監視しておけば、比較的効率よくその異物を検出することができる。一方、軽い異物は、沈殿する速度が遅いので、被検査ボトルの下方部で検出しようとすると、検査時間が長くなってしまう。従って、検査時間を短くするには、被検査ボトルの上方部も監視することが必要となるが、その場合、異物の検出効率が向上するとは限らない。
【0005】
なお、特許文献1に以上のような考察が記載されているわけではないが、特許文献1には、ともかくも同じ異物検査工程の中で被検査ボトルを回転させて異物を検出し、被検査ボトルを上下反転させて異物を検出することが記載されている。このような異物検査を行えば、確かに異物の検出精度の向上を図ることができる。
【0006】
また、特許文献2には、被検査ボトルを横置きして回転させることで、重い異物も軽いい物も飲料液中を浮遊しやすくし、異物の検出精度を向上させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−121592号公報
【特許文献2】特開平9−54047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1および特許文献2に開示されている飲料液異物検査装置は、いずれも、ボトル入り飲料の大量生産工程の検査工程で用いられることが前提とされており、ボトル入り飲料が多品種少量生産されることについては、十分な考慮が払われていない。ちなみに、特許文献1に記載の飲料液の異物検査ラインは、被検査ボトルを上下反転させて異物検査をするゾーンと、被検査ボトルを回転させて異物検査をするゾーンとによって構成されている。これでは、検査効率は向上するが、飲料液異物検査装置自体は、大掛かりな構造になってしまう。
【0009】
また、特許文献2に記載の飲料液異物検査装置では、被検査ボトルを回転ローラの上に横置きして、その回転ローラで駆動して回転させるため、被検査ボトルにラベルが貼付されていたとすれば、そのラベルは傷んでしまう。従って、その飲料液異物検査装置は、例えば、ワインの小規模生産業者などでは、使用することができない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、飲料液中の異物を高精度に検出することが可能で、かつ、多品種少量生産に好適なコンパクトな飲料液異物検査装置および飲料液異物検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る飲料液異物検査装置は、飲料液が充填された被検査ボトルを、その正立中心軸を略中心として回転させる被検査ボトル回転機構部と、前記被検査ボトルを傾斜させる被検査ボトル傾斜機構部と、前記被検査ボトルに照明光を照射する照明と、前記被検査ボトルの正立中心軸を略中心として、前記照明と対向する位置に配置され、前記照明光が前記被検査ボトルを透過して得られる透過像を撮像する撮像装置と、制御装置と、を同じ筐体内に収容して構成される。
そして、前記制御装置が、前記被検査ボトル傾斜機構部を介して前記被検査ボトルを傾斜させたとき、前記撮像装置を介して、前記飲料液中に浮遊する重い異物の陰影像を含んだ前記被検査ボトルの透過像を取得し、前記被検査ボトル回転機構部を介して前記被検査ボトルを回転させ、その後その回転を停止させたとき、前記撮像装置を介して、前記飲料液中に浮遊する軽い異物の陰影像を含んだ前記被検査ボトルの透過像を取得し、前記撮像装置を介して取得した前記重い異物の陰影像および前記軽い異物の陰影像をそれぞれ含んだ前記被検査ボトルの透過像を処理して、前記被検査ボトルに充填された飲料液中の異物を検出することを特徴とする。
【0012】
以上のように、本発明では、被検査ボトルを回転させる機構と被検査ボトルを傾斜させる機構とを同じ筐体に収め、被検査ボトルを傾斜させて重い異物を飲料液中に浮遊させることにより、重い異物の検出を行い、さらに、被検査ボトルを回転させて軽い異物を飲料液中に浮遊させることにより、軽い異物の検出を行っている。そのため、飲料液異物検査装置の大きさは、コンパクトなものとなっており、また、重い異物も軽い異物も精度よく検出できるものとなっている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、飲料液中の異物を高精度に検出することが可能で、かつ、多品種少量生産に好適なコンパクトな飲料液異物検査装置および飲料液異物検査方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る飲料液異物検査装置の概略構造の例を模式的に示した図。
【図2】本発明の実施形態に係る飲料液異物検査装置の要部の側面図の例を模式的に示した図。
【図3】本発明の実施形態に係る飲料液異物検査装置の外観の正面図の例を模式的に示した図。
【図4】本発明の実施形態に係る飲料液異物検査の手順の例を示した図。
【図5】本発明の実施形態に係る飲料液異物検査装置における異物検出のための画像処理手順の例を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る飲料液異物検査装置の概略構造の例を模式的に示した図である。図1に示すように、飲料液異物検査装置10は、被検査ボトル回転機構部20、被検査ボトル傾斜機構部30、撮像装置としてのカメラ40、制御装置50、コンプレッサ60などが、図示しない筐体内に収納されて構成される。また、筐体の外側には、制御装置50に接続された表示装置51、テンキーボード52、マウス53などが設けられている。なお、図1は、おおむね、図示しない筐体の前面パネルを外したときの飲料液異物検査装置10の正面図に対応している。
【0017】
ここで、被検査ボトル回転機構部20は、構造部材として、床部材21、左右の側壁部材22a,22b、天井部材23、後壁部材24などを有する。これらの構造部材は、例えば、鋼板など平板状の金属板材によって構成されるものとするが、金属の平板棒材などを溶接やネジ止めなどで強固につなぎ合わせて構成した平板状の構造物であってもよい。
【0018】
図1に示すように、平板状の床部材21は、飲料液異物検査装置10の図示しない筐体内において、その平板面が略水平になるように配設され、その平板状の床部材21の周縁部の上部には、側壁部材22a,22bおよび後壁部材24が床部材21の平板面に略垂直になるように強固に取り付けられている。さらに、床部材21には、被検査ボトル71を正立した状態で載置する回転台座25が配設されており、その回転台座25は、モータ26によって回転駆動される。このとき、回転台座25の回転軸は、床部材21の平板面に略垂直であり、かつ、回転台座25に載置された正立状態の被検査ボトル71の中心軸に略一致するものとする。
【0019】
そして、右側の側壁部材22aの複数(例えば、2つ)の高さの位置に配設された複数の棚のそれぞれには、カメラ40が配設され、また、カメラ40に対向する左側の側壁部材22bには、照明41が配設されている。このとき、カメラ40の撮像光軸は、正立状態の被検査ボトル71の中心軸と略垂直に交差するものとし、照明41は、その撮像光軸上の被検査ボトル71の反対側に配設されているものとする。従って、被検査ボトル71の飲料液中に照明41からの照明光を遮蔽する異物が存在した場合には、カメラ40は、その異物の陰影像を撮像することができる。
【0020】
さらに、左側の側壁部材22bには、エアシリンダ27が取り付けられており、エアシリンダ27は、天井支持部材28を上下に移動駆動させることにより、その天井支持部材28の上端に片持ち支持された天井部材23を上下に移動駆動させる。なお、このとき、天井部材23は、床部材21の平板面に略平行になるように天井支持部材28の上端に取り付けられるものとする。
【0021】
また、床部材21の回転台座25が配設された位置の略直上の天井部材23の位置には、柱状押圧部材29が天井部材23から下垂するよう配設される。柱状押圧部材29は、天井支持部材28および天井部材23を介して、エアシリンダ27によって上下に移動駆動され、下方に移動したとき、回転台座25に載置された被検査ボトル71の頭頂部、すなわち、キャップ71aの上面部を押圧する。
【0022】
なお、柱状押圧部材29は、天井部材23に対して、回転自在に取り付けられている。従って、回転台座25がモータ26で駆動されて回転すると、回転台座25に載置された被検査ボトル71も回転し、また、その被検査ボトル71の頭頂部を押圧している柱状押圧部材29も回転することになる。
【0023】
さらに、図1に示すように、被検査ボトル傾斜機構部30は、エアシリンダ31およびそのシリンダシャフト32を含んで構成される。ただし、図1では、被検査ボトル傾斜機構部30の他の構造物が被検査ボトル回転機構部20の後部に隠れて見えないので、その構造の詳細については、別途、図2を参照して説明する。
【0024】
なお、図1において、制御装置50の詳細な構成については、とくに図示していないが、ここでは、制御装置50は、モータ26、エアシリンダ27,31、コンプレッサ60、カメラ40などの動作を制御する信号を生成し出力する制御シーケンサと、カメラ40から取得した撮像画像を処理する画像処理装置と、異物検査の統括的な処理を制御するとともに、作業者の操作を支援するためのパソコンと、を含んで構成されている。
【0025】
また、図1において、コンプレッサ60は、エア配管61,62を介して、エアシリンダ27,31に圧縮エアを送り、エアシリンダ27,31を動作させる。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に係る飲料液異物検査装置10の要部の側面図の例を模式的に示した図である。この図2に示した側面図は、主として、被検査ボトル傾斜機構部30の構造を説明するためのものである。そのため、図2では、飲料液異物検査装置10の筐体の側面パネルおよび被検査ボトル回転機構部20の側壁部材22aを外した場合の側面図となっており、さらに、照明41、カメラ40、制御装置50、コンプレッサ60などの記載も省略されている。
【0027】
図2に示すように、飲料液異物検査装置10は、筐体前面パネル11、筐体天板12、筐体底板13、筐体背面パネル14および図示しない筐体側面パネルによって囲まれた空間に、被検査ボトル回転機構部20、被検査ボトル傾斜機構部30、制御装置50、コンプレッサ60(図1も参照)などが収納されて構成される。このとき、筐体前面パネル11には、被検査ボトル71を出し入れするための開口部である被検査ボトル出入口15が設けられている。
【0028】
また、被検査ボトル傾斜機構部30は、図1に示したエアシリンダ31、シリンダシャフト32の他に、回転軸部材33、回転駆動部材34などを含んで構成される。
【0029】
ここで、回転軸部材33は、その一端が筐体背面パネル14または筐体背面パネル14の近傍に設けられた構造部材(図示せず)に回転自在に片持ち支持される。また、回転軸部材33の他端には、被検査ボトル回転機構部20の後壁部材24が回転軸部材33の回転軸に略垂直になるように強固に取り付けられる。従って、被検査ボトル回転機構部20は、回転軸部材33に固定されて支持された状態となっている。よって、回転軸部材33が回転すると、被検査ボトル回転機構部20も、それに伴って回転、つまり傾斜することになる。
【0030】
回転駆動部材34は、エアシリンダ31により上下に移動するシリンダシャフト32の上下運動を、回転軸部材33の回転運動に変換する機構部材であり、例えば、ラック・アンド・ピニオン機構によって実現される。この場合、エアシリンダ31は、シリンダシャフト32が回転軸部材33に接するように配設されており、シリンダシャフト32が上下に移動するとき、そのシリンダシャフト32の回転軸部材33が接する部分には、歯型つまりラックが形成されている。また、回転軸部材33のシリンダシャフト32が接する部分には、前記ラックの歯型に適合する歯車(ピニオン歯車)が取り付けられている。このように、シリンダシャフト32をラックとし、回転軸部材33をピニオンとした場合には、エアシリンダ31によってシリンダシャフト32が上下に移動すると、その移動量に応じて回転軸部材33が回転、すなわち、被検査ボトル回転機構部20が回転し、傾斜することになる。
【0031】
なお、回転駆動部材34は、ラック・アンド・ピニオン機構に限定されず、いわゆるクランク機構などで実現してもよい。
【0032】
図3は、本発明の実施形態に係る飲料液異物検査装置10の外観の正面図の例を模式的に示した図である。図3に示すように、飲料液異物検査装置10の筐体前面パネル11の中央部付近には、被検査ボトル71を出し入れするための開口部である被検査ボトル出入口15が設けられている。なお、図3では、筐体前面パネル11の後に隠れて見えない部材(図1参照)についても、その一部を簡単に破線で示している
【0033】
また、筐体前面パネル11の外側には、その右手上段に表示装置51が取り付けられ、右手中段に作業者用の操作台16が取り付けられている。表示装置51は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)で構成され、作業者に対する様々な操作指示情報が表示されるとともに、カメラ40で撮像された飲料液中の異物の撮像画像や検査結果などが表示される。
【0034】
操作台16には、テンキーボード52、マウス53など、制御装置50への入力装置が配備されおり、作業者は、これらの入力装置を用いることにより、表示装置51に表示された指示情報に対する応答情報や選択情報を入力することができる。なお、表示装置51の表示画面にタッチパネルの入力装置が併設されている場合には、操作台16、テンキーボード52、マウス53などの装備を省略してもよい。
【0035】
また、図示を省略したが、筐体前面パネル11には、電源投入ボタン、飲料液異物検査を開始させるスタートボタン、飲料液異物検査の検査結果をそのつど表示する検査パス/フェールランプ、装置の異常発生を報知する警報ブザーや警報ランプなどが設けられていてもよい。
【0036】
図4は、本発明の実施形態に係る飲料液異物検査の手順の例を示した図である。なお、図4では、飲料液異物検査の手順は、被検査ボトル回転機構部20の動きで示されており、(S1)〜(S6)の順に行われる。
【0037】
まず、初期状態(ステップS1)では、被検査ボトル回転機構部20は、図2に示した筐体背面パネル14および回転軸部材33によって略水平に保持されている。このとき、被検査ボトル71は、回転台座25に載置されていない状態であり、また、柱状押圧部材29は、エアシリンダ27によって上部に引き上げられた状態にある。
【0038】
続いて、被検査ボトル71がセットされる(ステップS2)。すなわち、回転台座25に被検査ボトル71が正立状態で載置されと、制御装置50は、エアシリンダ27を駆動して、天井支持部材28を下方に移動させることにより、柱状押圧部材29を下降させて、柱状押圧部材29の下面で被検査ボトル71の頭頂部を押圧する。
【0039】
なお、本実施形態では、回転台座25の上面には、図示しない凹部が設けられ、その表面部が、軟質のゴム材など、被検査ボトル71が滑りにくい素材で覆われているものとする。そして、被検査ボトル71が、その回転台座25の凹部に載置されれば、正立状態の被検査ボトル71の中心線が回転台座25の回転の中心線に略一致させられるようになっている。また、回転台座25の上面には、被検査ボトル71が載置されたことを検知するセンサが設けられていてもよい。
【0040】
また、多様な被検査ボトル71の大きさや形状に対応するために、回転台座25は、着脱可能なものとする。そして、その上面に設けられた凹部の大きさが異なる複数の回転台座25をあらかじめ用意しておくものとする。
【0041】
一方、柱状押圧部材29の下面は、平たい面であり、その表面は、軟質のゴム材など、弾力性があり、かつ、滑りにくい素材で覆われているものとする。これは、被検査ボトル71の頭頂部(キャップ71aの上面)を押圧し、回転台座25と柱状押圧部材29とで被検査ボトル71を保持するとき、その保持力を増強させるとともに、被検査ボトル71のキャップ71aを傷めないようにすることに配慮したものである。
【0042】
後記するように、被検査ボトル71は、柱状押圧部材29の押圧力によって回転台座25と柱状押圧部材29とに保持された状態で、その被検査ボトル71が倒立した状態に近くなるまで傾斜される。そのとき、被検査ボトル71を落下させないためには、柱状押圧部材29は、単に被検査ボトル71を押圧するだけでなく、その被検査ボトル71のキャップ71a部分を側面からしっかりと把持したほうがよい。しかしながら、その場合には、キャップ71aを傷める恐れがある。ちなみに、ある種のワイボトルには、栓止め用のワイヤが付属することがある。そこで、本実施形態では、被検査ボトル71は、柱状押圧部材29には、キャップ71aを側面から把持する把持部が設けられておらず、被検査ボトル71を柱状押圧部材29の押圧力のみで保持するようにしたものである。
【0043】
なお、このとき、柱状押圧部材29にその押圧力を検出する圧力センサを設けておいてもよい。この場合には、制御装置50は、エアシリンダ27を介して柱状押圧部材29に適切な押圧力を付与することができる。
【0044】
また、柱状押圧部材29についても、多様な被検査ボトル71の大きさや形状に対応するために、天井部材23に対して着脱可能なものとする。そして、その長さが異なる複数の柱状押圧部材29をあらかじめ用意しておくものとする。
【0045】
続いて、被検査ボトル71が傾斜させられ、照明41の照明光による被検査ボトル71の透過像が撮像される(ステップS3)。すなわち、被検査ボトル71は、回転台座25と柱状押圧部材29とに挟まれ、保持された状態で、あらかじめ定められた回転角(傾斜角)θだけ回転、傾斜させられる。このときの回転角(傾斜角)θは、130〜180度程度であり、被検査ボトル71は、ほとんど倒立状態に近くなるまで傾斜させられる。
【0046】
このように、被検査ボトル71が倒立状態に近くなるまで傾斜させられると、被検査ボトル71の底に沈んでいた重い異物は、強制的に上に持上げられたことになるので、被検査ボトル71の飲料液中を下方に沈降する。その結果、重い異物が飲料液中を浮遊している状態が得られる。なお、ここでいう重い異物とは、被検査ボトル71に充填されている飲料液の比重と比べ、十分に大きな比重を有する異物である。
【0047】
なお、コルク片など、その比重が飲料液の比重と比べ、十分に小さな比重を有する異物は、被検査ボトル71が倒立状態に近くなるまで傾斜させられときには、飲料液中を上方に浮上する。従って、この種の異物の飲料液中での振舞いは、重い異物に似ている(方向が異なる)といえる。以下では、この種の異物は、重い異物の一種として取り扱う。
【0048】
さらに、ステップS3では、制御装置50は、エアシリンダ31を駆動して、被検査ボトル回転機構部20全体を、すなわち、被検査ボトル71を傾斜角θだけ傾斜させると、照明41を点灯させ(ステップS2で点灯しておいてもよい)、その照明光による傾斜した状態の被検査ボトル71の透過像を、例えば、0.25秒おきにカメラ40で連写し、連写した複数の撮像画像を取得する。
【0049】
ここで、飲料液中に重い異物が存在した場合には、この連写された複数の撮像画像の中に、重い異物が飲料液中を沈降していく様子が撮像されることになる。そこで、制御装置50は、取得した複数の撮像画像について所定の画像処理を行うことにより、異物検出を行う。なお、その異物検出処理については、別途、図5を参照して詳しく説明する。
【0050】
ところで、飲料液中の異物は、照明41の照明光を遮ることになるので、被検査ボトル71の透過像の撮像画像では、その異物は、暗点または暗領域の陰影像として撮像されるが、照明41が可視光で、飲料液が、例えば、赤ワインなど有色の飲料液の場合、異物の暗点または暗領域が見分けられにくくなる。そこで、本実施形態では、照明41として赤外照明を用い、カメラ40として赤外線カメラを用いている。赤外線は、赤ワインなど有色の飲料液に対しても透過性が高いので、精度よく異物による暗点または暗領域を撮像することができる。
【0051】
続いて、被検査ボトル71は、正立状態に戻される(ステップS4)。すなわち、制御装置50は、エアシリンダ31を駆動して、回転軸部材33を回転角θだけ前とは逆方向に回転させ、被検査ボトル回転機構部20全体をもとの水平に保持された状態に戻す。
【0052】
続いて、被検査ボトル71は、回転させられる(ステップS5)。すなわち、制御装置50は、モータ26を駆動し、回転台座25を、所定の時間(例えば、5秒間)、所定の回転速度(例えば、400〜500rpm)で回転させ、その回転台座25に正立状態で載置されている被検査ボトル71を回転させる。この被検査ボトル71の回転によって、その中の飲料液も回転し、その回転によって、底に沈んでいる軽い異物が巻き上げられ、飲料液中を浮遊する。なお、ここでいう軽い異物とは、被検査ボトル71に充填されている飲料液の比重と同程度の比重か、または、やや大きい比重を有する異物である。
【0053】
続いて、被検査ボトル71は、回転が停止させられ、撮像される(ステップS6)。すなわち、制御装置50は、モータ26を駆動して、回転台座25つまり被検査ボトル71を回転させ、前記した所定の時間(例えば、5秒)が経過すると、その回転を停止させるとともに、停止した直後の被検査ボトル71の照明41の照明光による透過像を、例えば、0.25秒おきにカメラ40で連写し、連写した複数の撮像画像を取得する。
【0054】
このとき、被検査ボトル71の中の飲料液は、まだ、回転しており、従って、飲料液中を浮遊している軽い異物も、同様に回転している。従って、その浮遊している軽い異物は、連写された複数の撮像画像の中では、移動する暗点または暗領域として撮像される。なお、連写された撮像画像中で異物を検出する処理は、前記の重い異物を検出する処理と同じであり、詳細については、別途、図5を参照して詳しく説明する。
【0055】
なお、ステップS6では、制御装置50は、被検査ボトル71つまり回転台座25の回転を停止させるとき、その停止する回転位置を、回転が開始されたときと同じ位置になるように制御している。ここでは、その停止する回転位置の制御について、以下、簡単に補足して説明しておく。
【0056】
一般に、出荷または販売直前のボトル入り飲料のボトルには、しばしば、商品名などが表示されたラベルが貼付されている。被検査ボトル71にラベルが貼付されている場合には、そのラベルがカメラ40の撮像光軸の正面に位置すると、そのラベルによって被検査ボトル71の中の飲料液が隠されてしまう。そこで、カメラ40により被検査ボトル71の透過像を撮像するときには、被検査ボトル71を、その被検査ボトル71に貼付されたラベルがカメラ40の撮像光軸に対して略平行になるように配置する必要がある。
【0057】
そこで、実施形態では、被検査ボトル71にラベルが貼付されている場合には、ステップS2で被検査ボトル71を回転台座25に載置するとき、そのラベルが筐体前面パネル11に平行になるように載置する。すなわち、例えば、作業員が被検査ボトル71を回転台座25に載置するときには、被検査ボトル出入口15側から見て、そのラベルが正面に見えるように被検査ボトル71を回転台座25に載置する。この場合には、カメラ40は、右側の側壁部材22aに取り付けられているので、カメラ40の撮像光軸は、ラベルの貼付面と略平行になる。
【0058】
その後、ステップS4までは、カメラ40の撮像光軸は、ラベルの貼付面と略平行のままであるが、ステップSで回転台座25および被検査ボトル71が回転させられるので、停止位置の制御なしでは、回転が停止されたときのラベルの位置がどこになるか、分からなくなってしまう。
【0059】
そこで、本実施形態では、回転台座25には、その回転角を検知して出力するロータリエンコーダなどの回転角センサを設けられており、また、モータ26として制御装置50によって制御可能なサーボモータが用いられる。
【0060】
この場合、制御装置50は、ステップS2で、被検査ボトル71が回転台座25に載置されたとき、または、ステップS5で、回転台座25つまり被検査ボトル71を回転させる直前に、ロータリエンコーダから出力される回転角の情報を取得する。そして、制御装置50は、ステップS6で回転台座25の回転を停止させるとき、回転台座25の停止位置がその前に取得した回転角と同じ回転角になるように、モータ26の回転の停止を制御する。
【0061】
以上のように回転台座25の停止位置を制御すれば、ステップS6で、回転台座25つまり被検査ボトル71の回転を停止させたとき、その被検査ボトル71のラベルの貼付面を、ステップS2で被検査ボトル71が回転台座25に載置されたときと同じ位置に合わせることができる。すなわち、そのラベルの貼付面は、カメラ40の撮像光軸と略平行になる。
【0062】
図5は、本発明の実施形態に係る飲料液異物検査装置10における異物検出のための画像処理手順の例を示した図である。これらの異物検出のための画像処理は、図4に示したステップS3およびステップS6で被検査ボトル71の照明41の照明光による透過像が撮像されたとき、それぞれ独立して行われるが、その処理内容は同じである。
【0063】
本実施形態では、被検査ボトル71の照明41の照明光による透過像を撮像するときには、カメラ40は、その透過像を、例えば、0.25秒間隔で5秒間連写する。そうすると、20枚の撮像画像が得られるので、制御装置50は、その20枚の撮像画像を処理して、その中から飲料液中の異物を検出する。図5(a)では、そのうちの最初の3枚の撮像画像だけが示されている。なお、図5において、Δは、連写撮像の時間間隔(例えば、0.25秒)を表す。
【0064】
図5(a)に示すように、カメラ40によって撮像された撮像画像には、飲料液中の異物の他にも、飲料液の泡、ボトルの輪郭、ボトルに貼付されたラベルなどが撮像される。撮像画像の中では、異物は、ある大きさを有する暗い領域として撮像され、また、泡は、その輪郭部に一重または2重の細い輪郭線として撮像される。
【0065】
そこで、制御装置50は、まず、一種のぼかし処理である泡輪郭消去処理によって泡の細い輪郭線を消去する。その結果、図5(b)に示すように、撮像画像の中から泡が消去される。次に、制御装置50は、泡輪郭消去処理後の画像を用いて、2値化処理を行う。2値化処理は、図5(c)に示すように、白黒を明確化させる処理なので、この処理により、例えば、ボトルに付いた薄い汚れ(図示せず)などは消去されるが、異物は、明確な黒色の領域として表示される。
【0066】
次に、制御装置50は、2つの2値化処理後の画像について差分処理を行う。差分処理では、最初の時刻t=t0のときに得られた2値化画像と、その後の時刻t=t0+iΔのときに得られた2値化画像との差分画像を求める。このとき、差分画像では、両者で一致する画像部分は消去され、相違する画像部分だけが残される。従って、ボトルの輪郭やラベルなどは消去され、また、2値化処理で消去されずに残ったボトルの濃い汚れなども消去される。
【0067】
一方、ステップS3で被検査ボトル71が倒立する程度まで傾斜されたときに取得された撮像画像では、飲料液中の重い異物は、飲料液中を徐々に沈降する物体として撮像される。そして、このとき撮像された撮像画像のそれぞれは、撮像時刻が時間間隔Δずつ相違しているので、その異物の位置も相違することになる。従って、差分処理後の画像では、異物は、図5(d)に示すように、ある大きさを有する黒色の領域として表示される。
【0068】
同様に、ステップS6で被検査ボトル71が回転された直後に取得された撮像画像では、軽い異物は、飲料液中を浮遊し、回転移動している物体として撮像される。従って、この場合も、異物は静止していないので、差分処理後の画像では、異物は、図5(d)に示すように、ある大きさを有する黒色の領域として表示される。
【0069】
以上のように、飲料液異物検査装置10では、重い異物についても、また、軽い異物についても、その異物を表す黒色の領域が、連写された複数の撮像画像から得られる差分処理後の画像に残されるので、飲料液異物検査装置10の制御装置50は、飲料液中の異物を精度よく検知することができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態に係る飲料液異物検査装置10では、被検査ボトル71を回転台座25に載置して回転させる被検査ボトル回転機構部20と、回転台座25に載置された被検査ボトル71を傾斜させる被検査ボトル傾斜機構部30と、を同じ1つの筐体内に収容して構成しているので、従来に比べ、コンパクト化され、小型化されたものとなっている。そして、その1つの飲料液異物検査装置10で、被検査ボトル71を傾斜させたときの透過画像も取得することができ、また、被検査ボトル71を回転させ、停止したときの透過画像も取得することができるので、重い異物も軽い異物も検出できるようになり、飲料液中の異物の検出精度が向上したものとなっている。
【0071】
さらに、本実施形態では、被検査ボトル71を傾斜させて重い異物を検出し、被検査ボトル71を回転させて軽い異物を検出する検査を連続して行っている。この場合、被検査ボトル71の傾斜によって異物がいったん飲料液中に浮遊させられたすぐ後に、被検査ボトル71の回転が行われるので、飲料液中における異物の巻上げは、より効果的に行われることになる。その結果、飲料液中の異物の検出精度は向上する。
【0072】
また、このときには、被検査ボトル71を傾斜させて重い異物を検出する検査を、被検査ボトル71を回転させて軽い異物を検出する検査の前に行っている。ここで、もし、被検査ボトル71を回転させる検査を先に行うと、その回転により被検査ボトル71の飲料液中には多数の泡が生じ、次に被検査ボトル71を傾斜させて重い異物を検出するとき、その泡が重い異物検出の障害、つまり異物検出漏れの原因となり得る。従って、本実施形態で、被検査ボトル71を傾斜させて重い異物を検出してから、被検査ボトル71を回転させて軽い異物を検出するようにしたことにより、飲料液中の異物の検出精度がさらに向上することになる。
【0073】
また、本実施形態では、被検査ボトル71の透過光の陰影像を撮像するときには、その陰影像を所定の時間間隔で3回以上連写している。そして、その連写された第1の撮像画像(図5:t=t0の画像)を、複数の画像(t=t0+Δの画像、t=t0+2Δの画像、・・・)と比較することによって異物の検出を行っている。そのため、例えば、異物の形状や向きなどによって、ある時刻の撮像画像ではその異物の陰影がうまく捉えられなくても、他の時刻の撮像画像ではその異物の陰影が捉えられる可能性がある。従って、異物の検出漏れを防止することができ、その結果、飲料液中の異物の検出精度が向上する。
【0074】
さらに、本実施形態に係る飲料液異物検査装置10では、回転台座25の停止位置の回転角を、回転台座25の回転開始前の回転角と同じになるように制御しているので、飲料液異物検査装置10は、ラベルが貼付された被検査ボトルにも適用可能である。
【0075】
さらに、本実施形態に係る飲料液異物検査装置10では、回転台座25や柱状押圧部材29は、被検査ボトル回転機構部20の構造部材に対して着脱可能であるので、多様な形状や大きさの被検査ボトル71に対応することができる。また、柱状押圧部材29は、被検査ボトル71の頭頂部を押圧して保持するだけなので、キャップ71aやラベルを傷めることはない。
【0076】
よって、本発明の実施形態によれば、飲料液中の異物を高精度に検出することが可能となり、さらには、多品種少量生産に好適なコンパクトな飲料液異物検査装置を実現することができる。
【符号の説明】
【0077】
10 飲料液異物検査装置
11 筐体前面パネル
12 筐体天板
13 筐体底板
14 筐体背面パネル
15 被検査ボトル出入口
16 操作台
20 被検査ボトル回転機構部
21 床部材
22a,22b 側壁部材
23 天井部材
24 後壁部材
25 回転台座
26 モータ
27 エアシリンダ
28 天井支持部材
29 柱状押圧部材(押圧部材)
30 被検査ボトル傾斜機構部
31 エアシリンダ
32 シリンダシャフト
33 回転軸部材
34 回転駆動部材
40 カメラ
41 照明
50 制御装置
51 表示装置
52 テンキーボード
53 マウス
60 コンプレッサ
61,62 エア配管
71 被検査ボトル
71a キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料液が充填された被検査ボトルを、その正立中心軸を略中心として回転させる被検査ボトル回転機構部と、前記被検査ボトルを傾斜させる被検査ボトル傾斜機構部と、前記被検査ボトルに照明光を照射する照明と、前記被検査ボトルの正立中心軸を略中心として、前記照明と対向する位置に配置され、前記照明光が前記被検査ボトルを透過して得られる透過像を撮像する撮像装置と、制御装置と、を同じ筐体内に収容して構成され、
前記制御装置は、
前記被検査ボトル傾斜機構部を介して前記被検査ボトルを傾斜させたとき、前記撮像装置を介して、前記飲料液中に浮遊する重い異物の陰影像を含んだ前記被検査ボトルの透過像を取得し、
前記被検査ボトル回転機構部を介して前記被検査ボトルを回転させ、その後その回転を停止させたとき、前記撮像装置を介して、前記飲料液中に浮遊する軽い異物の陰影像を含んだ前記被検査ボトルの透過像を取得し、
前記撮像装置を介して取得した前記重い異物の陰影像および前記軽い異物の陰影像をそれぞれ含んだ前記被検査ボトルの透過像を処理して、前記被検査ボトルに充填された飲料液中の異物を検出すること
を特徴とする飲料液異物検査装置。
【請求項2】
前記被検査ボトル回転機構部は、
前記被検査ボトルを正立状態に載置して回転させる回転台座と、前記被検査ボトルを上部から前記回転台座側に押圧して、前記被検査ボトルを回転自在に保持する押圧部材と、を含んで構成され、
前記回転台座は、自身の回転軸の回転角を検出する回転角センサを備えており、
前記制御装置は、
前記被検査ボトルが前記回転台座に載置されたとき、前記回転角センサから出力される回転角を取得しておき、その後、前記回転台座を停止させるときには、前記取得した回転角と同じ回転角の位置で前記回転台座を停止させること
を特徴とする請求項1に記載の飲料液異物検査装置。
【請求項3】
前記押圧部材および前記回転台座の少なくとも一方は、前記被検査ボトル回転機構部の構造部材に対して着脱可能に構成されていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の飲料液異物検査装置。
【請求項4】
前記被検査ボトルの頭頂部に接触し、前記被検査ボトルを押圧する前記押圧部材の表面部は、弾力のある軟質素材で形成されていること
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の飲料液異物検査装置。
【請求項5】
飲料液が充填された被検査ボトルを、その正立中心軸を略中心として回転させる被検査ボトル回転機構部と、前記被検査ボトルを傾斜させる被検査ボトル傾斜機構部と、前記被検査ボトルに照明光を照射する照明と、前記被検査ボトルの正立中心軸を略中心として、前記照明と対向する位置に配置され、前記照明光が前記被検査ボトルを透過して得られる透過像を撮像する撮像装置と、制御装置と、を同じ筐体内に収容して構成された飲料液異物検査装置における飲料液異物検査方法であって、
前記制御装置は、
前記被検査ボトル傾斜機構部を介して前記被検査ボトルを傾斜させたとき、前記撮像装置を介して、前記飲料液中に浮遊する重い異物の陰影像を含んだ前記被検査ボトルの透過像を取得し、
前記被検査ボトル回転機構部を介して前記被検査ボトルを回転させ、その後その回転を停止させたとき、前記撮像装置を介して、前記飲料液中に浮遊する軽い異物の陰影像を含んだ前記被検査ボトルの透過像を取得し、
前記撮像装置を介して取得した前記重い異物の陰影像および前記軽い異物の陰影像をそれぞれ含んだ前記被検査ボトルの透過像を処理して、前記被検査ボトルに充填された飲料液中の異物を検出すること
を特徴とする飲料液異物検査方法。
【請求項6】
前記被検査ボトル回転機構部は、
前記被検査ボトルを正立状態に載置して回転させる回転台座と、前記被検査ボトルを上部から前記回転台座側に押圧して、前記被検査ボトルを回転自在に保持する押圧部材と、を含んで構成され、
前記回転台座は、自身の回転軸の回転角を検出する回転角センサを備えており、
前記制御装置は、
前記被検査ボトルが前記回転台座に載置されたとき、前記回転角センサから出力される回転角を取得しておき、その後、前記回転台座を停止させるときには、前記取得した回転角と同じ回転角の位置で前記回転台座を停止させること
を特徴とする請求項5に記載の飲料液異物検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−96921(P2013−96921A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241679(P2011−241679)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000233044)株式会社日立エンジニアリング・アンド・サービス (276)
【Fターム(参考)】