説明

飲料調製装置

本発明は、飲料調製装置の改良、特に、飲料原料が予めパックされたカートリッジを使用する型式の飲料調製装置に関する。カートリッジは、所望の泡やクレマを作るために空気が取り込まれるように設計されている。空気入口は出口ノズルに設けられ、空気が飲料調製装置に入って取り込まれるようにしてある。空気入口は、ノズルの広くなった部分で、高い位置にあるノズル側部を介して伸びている。これにより、空気入口に入る又そこを通過する飲料の流れが減少して清潔になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料調製装置の改良、特に、飲料材料が予めパッケージ化された容器を用いるタイプの飲料調製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
17世紀以来、コーヒーハウスは「コーヒー文化」の一部であった。その間、コーヒーを入れる方法が改善されるとともに、熟練した人々は最高のコーヒー飲料を作るべく訓練を重ねてきた。最初のコーヒーマシンは、1800年代初頭に開発され、自動エスプレッソマシンは1930年台に発明された。特に、過去十年間、需要の高いエスプレッソやカプチーノのような特別な飲料に関して多くのコーヒーハウスやコーヒーショップでは、コーヒーを入れる方法の自動化が急速に進んだ。歴史的に、これらの飲料は、それを作るために必要な高圧を得ることができる高価で複雑な機械を必要とすることから、高級品とみなされていた。また、その装置は、高品質を得るために訓練を受けた専門職人によって、適正に操作し維持しなければならなかった。コーヒー愛好家は、たとえ高品質の機械や高品質のコーヒー豆を使っても、適正に訓練を受けていない者が入れるとエスプレッソの味が損なわれるとことを認めている。しかし、この傾向は、高級な最高品質の飲料に対してだけでなく、多数の特別な飲料に対する需要者の多大な要求を生み出すとともに、自宅に居ながらにしてそのような飲料を入れることができる能力をも要求するものであった。
【0003】
統一した技術的な定義はないが、ドリップコーヒーに比べて、専門職人が入れたエスプレッソは、飲料中に浮遊する溶存固形分と細かな油滴の量が多いことから、味にこくがある、と理解されている。それは、飲料の10〜30%を構成する、滑らかで、厚みがあり、赤みがかった暗褐色のクレマを含む。クレマは、空気とコーヒーから抽出された油性分・タンパク質・糖分との多相性乳液で、高圧(伝統的に9〜10バールの領域)で生成される。圧力が高くなれば、クレマの生成に影響を及ぼす、コーヒーの湿潤性が増して抽出性が良くなる。空気は、所望のクレマを作るために、コーヒーを入れる際に飲料に取り込まれる。
【0004】
エスプレッソをよく飲む舌がこえている人によれば、最適温度以下の冷たい水を使って入れたエスプレッソは酸っぱく、その温度よりも暖かい水で作られたエスプレッソは苦味がある、と言われている。最適温度は、摂氏92〜96度であると言われている。エスプレッソの品質に影響を及ぼす他の要因には、豆の炒り方や熟成度、挽く粗さ、コーヒーを入れる前の挽き度、コーヒーを入れる時間が含まれる。最高のエスプレッソは、それらコーヒーを入れるまでのプロセスにおける重要な要素のバランスによって得られる。
【0005】
国産コーヒーメーカは著しい発展を遂げており、最初のフィルタマシンが1960年代に発明され、コーヒーマシンは今や多くの家庭における台所製品として不可欠のものとなっている。そのようなマシンには、飲料容器に直接飲料を個別に供給し、飲料原料の大量供給部又は飲料原料のパッケージ(ポッド、パッド、またはカートリッジ)から飲料を取り出すものがある。
【0006】
以下の説明では、そのようなパッケージは一般的用語のカートリッジという。そのようなカートリッジを使用する装置は、清掃の必要ができるだけ少なく、需要者が飲料を選択できるものである。飲料は、水で飲料原料を、蒸らし、混合、溶解、または一時停止することによって作られる。例えば、コーヒー飲料の場合、熱した水が強制的にカートリッジに供給されて抽出液が得られる。カートリッジは、所望の泡又はクレマを得るべく、空気が取り込まれるように設計される。空気入口は、飲料調製装置に空気を入れるために設けられており、カートリッジ内に空気を取り込むために利用される。例えば、装置の出口ノズルは空気が装置に入ってカートリッジに送られように入口通路を備えている。入口通路では、供給される飲料の流れに空気が取り込まれ、所望の泡やクリーマの形成が促進される。カートリッジの利便性とそれによって作られる飲料の品質の良さから、国内のコーヒーメーカにカートリッジを使用することが益々一般的になりつつある。カートリッジを使用して飲料を調製する装置の一例が、特許文献1(欧州特許公開公報EP-A-1440903号)に記載されており、カートリッジの例が特許文献2(欧州特許公開公報EP-A-1440903号)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許公開公報EP-A-1440903号
【特許文献2】欧州特許公開公報EP-A-1440903号
【0008】
しかし、消費者のトレンドが変わるにつれ、トレーニングをしなくても、専門職人が作る飲料の品質と同程度の品質のエスプレッソ及びその他の飲料を作ることができる、しかも手頃な価格で清掃がほとんど又はまったく不要な、家庭用装置が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、出口ノズルを介して飲料が供給されるように構成された飲料調製装置を提供するものである。出口ノズルは、入口と出口の間に導管を形成する、一つ又は複数の側部を備えている。導管は、入口の下流を広げて、広い部分を形成している。飲料は、出口ノズル、さらに飲料調製装置から出る前に、前記導管を流れる。出口ノズルはまた、一つ又は複数のノズル側部を貫通して導管と大気との間を流体接続する一つ又は複数の空気通路を有する。これにより、飲料の調製される間、空気が飲料調製装置に吸い込まれる。また、空気が飲料装置に流れ込み、飲料装置内に存在する空気を飲料と置換する。例えば、泡を含まない茶を含むすべての飲料に対し、出口ノズルを通る飲料の流れと共に下流に引かれる。泡を含む飲料の場合、飲料内に取り込まれた空気において、飲料装置から空気が失われる。いずれの場合でも、空気出口は、飲料装置に入る空気の流れを提供するとともに、失われた空気を置換する。必要に応じて、飲料装置に空気が流れ込み、例えばカートリッジに吸い込まれ、そこで空気が飲料に取り込まれる。飲料に泡が無い場合、空気は何ら悪影響を及ぼすことがない。つまり、空気は飲料の流れによって引き出されて置換される。
【0010】
設けられた空気通路の少なくとも幾つか、好ましくはすべての空気通路は、出口ノズルの出口上の広い部分の高い位置に設けられている。以下の説明では、各空気通路とは、出口ノズルに設けた一つ一つの空気通路を必ずしも意味するものでなく、広義には一部の空気通路のそれぞれを意味することもある。
【0011】
したがって、出口ノズルは、高い位置にある一つ又は複数の空気通路と出口ノズルの出口にある一つ又は複数の空気通路を含む。
【0012】
好ましくは、その一つ又は複数の空気通路は対をなし、各対の空気通路は導管を介して互いに対向している。随意に、その一つ又は複数の空気通路は、出口ノズルの周りに等間隔に配置されている。
【0013】
一つ又は複数の空気通路を高い位置に設けることの利点は、その一つ又は複数の空気通路に飲料が入る機会が減少する、ことである。空気通路に飲料が入らないため、それら空気通路は長期にわたって清潔に維持される。したがって、空気通路をクリーニングする必要がないか、又は、少なくとも大幅に減少する。上記一つ又は複数の空気通路が出口ノズルの側部に設けられ、該側部を介してまっすぐに伸びているので、それらは短く、そのためにクリーニングが容易である。
【0014】
飲料が空気通路に流れ込むのを禁止するのは、多くの手法によって最適化できる。例えば、空気通路の位置を上げることによって更なる効果が得られる。例えば、上記一つ又は複数の空気通路はそれぞれ、出口ノズルの入口の近くに配置してもよい。効果を最適化する別の方法は、飲料が空気通路の近くを流れないことを保証することである。これは、導管を広げ、一つ又は複数の空気通路をそれぞれ導管の広い部分に配置することである。導管を広げることにより、好適に、飲料の流れの周りにヘッドスペースが形成される。したがって、空気通路により、飲料の周囲のヘッドスペースに空気が吸引される。導管内に設けられた空気通路は、導管内の飲料の流れに空気が取り込まれるようにするものではない。上述のように、すべての飲料に対し、空気は導管を通る飲料の流れによって空気が吸引される。しかし、この流れは空気の取り込みを招くことが殆どない。むしろ、空気の流れは、飲料の周囲のヘッドスペースに流れ込む。空気の取り込みが必要な場合、空気通路を流れる空気は、飲料調製装置(例えば、カートリッジ)に流れ込み、以下に説明するように、そこで空気は飲料の流れに取り込まれる。したがって、空気入口が出口ノズル内で空気の取り込みを招くことはない。代わりに、出口ノズルは、単に、泡がある場合にはその泡を保存すべく機能するとともに、泡が存在しない場合には泡が無い状態を保持する。
【0015】
導管を広げるのは、導管に肩部を設けて狭い部分と広い部分を形成することによって行われる。一つ又は複数の空気通路は、肩部の広い部分に配置され、それらを飲料の流れから保護する。肩部は、段部であってもよいし、次第に曲がる曲線部であってもよい。
【0016】
出口ノズルは、単一の部品であってもよいし、そうでなくてもよい。例えば、出口ノズルは、2つ又はそれ以上の部品の組み合わせであってもよい。随意に、出口ノズルは、第1の部分と第2の部分を備えている。これらの部分は、互いに連結されて導管を形成し、前記一つ又は複数の空気通路が第1の部分と第2の部分の間の連結部に形成される。前記2つの部分は、任意の通常の方法で連結される。実施形態では、第1の部分には、下方に伸びるリムが設けられ、第2の部分には上方に伸びるリムが設けられる。それら2つのリムは、一方のリムが他方のリムにしっかりと収容される大きさを有する。また、2つのリムには途切れ部が設けられ、それらは連結時に整列して空気通路を形成する。リムは、例えば、相互に協働するねじ溝を用いて、第1と第2の部分を互いに固定するために利用される。
【0017】
上述のように、本発明は、一つ又は複数の飲料原料を含むカートリッジから飲料を調製するために構成された飲料調製装置に好適に適用できる。典型的には、そのようなカートリッジは、カートリッジホルダに収容される。カートリッジホルダは、水のような液体がカートリッジを通過して飲料が調製されるように、装置内で閉鎖されてカートリッジをシールする。調製された飲料はカートリッジから出て、装置の出口ノズルから供給される。装置はさらに、カートリッジホルダ内に置かれたカートリッジの下部に穴を開けるように配置された穴開けを有する。典型的には、穴開けは、カートリッジの下側に設けられたアルミ箔のようなラミネートに穴を開ける。穴開けは、カートリッジから飲料が出るための出口を形成するために、中空の中央部を有する。穴開けの中空中央部への入口は、出口ノズルへの入口を形成する。すなわち、穴開けは、出口ノズルの一部を形成する。
【0018】
さらに、出口ノズルは、互いに連結して導管を形成する第1と第2の部分を有する。第1の部分は、その上側に穴開けを有し、その下側に下方に伸びるリムを有する。穴開けの中空中央部は穴開けから伸びてリムの内側で終了しており、リムは第1の部分を介して穴を取り囲んでいる。第2の部分は、上方に伸びるリムを有する。好ましくは、2つのリムは、一方のリムが他方のリムにしっかりと収容される大きさを有し、連結部を通る空気通路を形成するように整列する途切れ部を備えている。穴は、第1の部分を貫通し、下方に伸びるリム内の中央で終わっている。このリムは、穴から後退して、出口ノズルを介して導管内に肩部を形成してもよい。第2の部分の上方に伸びるリムが下方に突出したリム内に収容される場合、上方に突出するリムの内径は肩部を形成するように穴から後退するようにしてもよい。第1の部分の穴は、例えば、その側壁を曲げることによって、上側から下側に向かって広くなる。その曲率は、側壁が第1の部分の下側に滑らかにつながるように設定される。下方に突出するリムは、側壁から下側に伸びる領域から又はその近傍に伸びている。
【0019】
本発明はまた、上述した飲料調製装置を用いて飲料を調製する方法を提供する。その方法は、その装置により、実質的に一つ又は複数の空気通路に飲料が流れないように、出口ノズルを介して飲料を供給する。飲料調製装置が一つ又は複数の飲料原料を含むカートリッジから飲料を調製するように構成されている場合、その方法はさらに、そのようなカートリッジを飲料調製装置のカートリッジホルダに配置すること、飲料が一つ又は複数の空気通路を介して流れないように、装置によってカートリッジから飲料を調製して該調製された飲料を出口ノズルから供給することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、カートリッジヘッドが閉鎖状態にある、従来の飲料調製装置の前方斜視図。
【図2】図2は、カートリッジヘッドが開放位置にある、図1の装置の前方斜視図。
【図3】図3は、理解し易いように複数の部分を削除した、図1の装置の背面図。
【図4】図4は、理解し易いように複数の部分を削除した、図1の装置のカートリッジヘッドの前方斜視図。
【図5】図5は、理解し易いように複数の部分を削除した、図4のカートリッジヘッドの別の前方斜視図。
【図6】図6は、飲料カートリッジを収容した閉鎖位置にある、図4のカートリッジヘッドの断面図。
【図7】図7は、飲料カートリッジを収容した開放位置にある、図4のカートリッジヘッドの断面図。
【図8】図8は、上下反転した本発明の実施例に係る穴開けプレートの斜視図。
【図9】図9は、正しい方向から示された、図8の穴開けプレートの断面図。
【図10】図10は、本発明の実施例に係るノズル部材の斜視図。
【図11】図10のノズル部材の断面図。
【図12】図12は、図8の穴開けプレートと図10のノズル部材を組み合わせた断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面を参照いて、実施例を通じて、本発明の好適な実施形態を以下に説明する。
【0022】
様々な異なる特性を有する高品質の飲料を仕出しするために、本発明は、公知の飲料調製装置に対する、一つまたはそれ以上の改良を含む。飲料装置は、ソーダ噴水盤、ビールポンプなどを含む。本発明は、コーヒー、紅茶、ホットチョコレート、ホットミルクなどの温かい飲料を調製する飲料調製装置とともに使用されることで、特有の利点を発揮する。特に、本発明にかかる改良により、高品質のクリーマを有する高品質のエスプレッソを得ることができる。また、本発明は、清潔で衛生的に保つことができ、高品質の飲料を提供できる設計を提供する。
【0023】
その改良を、添付図面の図1から図7に示した公知の飲料調製装置を参照して説明する。しかし、その改良は、上述のポッド、パッド、硬質または半硬質のカートリッジを含む種々のカートリッジを使用する又はそれらを使用しない種々の飲料調製装置に適用可能である。
【0024】
図1ないし図3の飲料調製装置10は、概略、ハウジング11、タンク12、水を加熱するヒータ13、ポンプ14、制御プロセッサ(図示せず)、ユーザインターフェイス16およびカートリッジヘッド17を備えている。カートリッジヘッド17は、概略、使用時に飲料カートリッジ19とカートリッジ認識手段20を保持するためのカートリッジホルダ18を備えている。カートリッジヘッド17はまた、使用時、飲料カートリッジ19に液体が入るための入口と調製された飲料が飲料カートリッジ19から出るための出口を形成するための、入口用孔開け21と出口用孔開け22を備えている。出口を通じてカートリッジ19から出て行く飲料は、ノズル要素70から機械10を出て行く。
【0025】
コーヒーのような飲料を調製する際に使用される最も一般的な液体は水であるが、飲料材料と混合するために、機械10は他の液体(例えば、ミルク又はミルク製剤)を使用することができる。飲料を調製するための用いられるあらゆる形式の液体を含むものと理解されるべきである。
【0026】
好ましくは、ハウジング11は、全体的に又は部分的に、適当なプラスチック材料又は金属から作られる。好ましくは、ハウジング11は、前半部25と後半部26を有するクラムシェル構造を備えており、それらの半部で構成されていることによって、組立中、機械10の構成要素にアクセスできる。
【0027】
ハウジング10の前半部25は、分配ステーション(分配部)27を形成しており、そこではノズル部材70から飲料が分配される。分配ステーション27は、カップスタンド(カップ置き場)23を含み、該カップスタンドの下にドリップトレイが配置されている。機械使用者用インターフェイス16はまた、ハウジング11の前部に配置されており、複数の制御スイッチ(例えば、開始/停止ボタン28、複数の状態表示器29〜32)を備えている。状態表示器29〜32は、好ましくはLEDで、例えば、機械10の準備ができていること、機械10に操作上のエラーが発生したか否か、機械10の動作モードを表示する。開始/停止ボタン28は、調製サイクルの開始を制御するもので、手動の押しボタン、スイッチ、またはそれらに類似するものが好ましい。
【0028】
タンク12は、ハウジングの後部に配置されており、ハウジング11の後半部26に組み込まれるか又は連結されるのが好ましい。タンク12は、タンク12に水又はその他の液体を充填するための入口を有する。入口は、タンク12が機械10の所定位置に配置された状態で、閉鎖される。タンク12の下端に向けて、ポンプ14に接続した出口が設けられる。タンク12は、タンク12内に残っている水の量を需要者が観察できるように、透明又は半透明の材料で作ることができる。代わりに、タンク12は、不透明材料で作ってもよいが、その場合はタンクに観察窓を設ける。それに加えて、またはそれに代えて、タンク12には、タンク内の液レベルが予め選択されたレベルまで下がったとき、ポンプ14の駆動を停止し、LEDなどの警告表示器を選択的に起動するための低レベルセンサを設けてもよい。ポンプ14は、タンク12と水を加熱するヒータ13の間に接続されており、制御プロセッサによって制御される。機械10を流れる水の流速(流量)は制御プロセッサで制御できる。好ましくは、ポンプ14の上流又は下流のいずれかで流路中に体積流量センサ(図示せず)が設けられる。
【0029】
ヒータ13は、ハウジング11の内部に配置されている。調製サイクル用の水は、所定温度でカートリッジヘッド17に送られる。ヒータ13は、供給される水の温度を所望温度(一般には、摂氏80度と摂氏98度の間、または、入ってくる水の温度よりも高い温度)に素早く調整できる。ヒータ13は、温度が摂氏98度を超えたときに、ヒータ13を遮断する過剰温度遮断器を備えている。必要であれば、機械10は、蒸気排出部を組み込むことができる。蒸気排出部を構成する好ましい手段は、瞬時に加熱するヒータ又はフローヒータとして知られているフラッシュヒータの形態の水ヒータ13を利用することである。
【0030】
典型的には、そのようなフラッシュヒータは水の通過する管(チューブ)を備えており、その管が一つ又はそれ以上の抵抗部材によって加熱される。フラッシュヒータは、飲料を作るための水を加熱するだけでなく、高電力設定状態で、飲料を作った後にフラッシュヒータの管に残存する水を沸騰して蒸気の形で排出するためにも利用できる。フラッシュヒータの利点は、ボイラ中の水の温度が高くなるまでにそれほど多くの時間がかからないということである。フラッシュヒータは要求に応じて水を加熱し、コーヒーを入れるサイクル時間が経過すると即座に停止するため、非常にエネルギ効率が良い。
【0031】
ヒータ13から出た水は、バルブによって、適当な配送システムを経由して、カートリッジヘッド17とカートリッジ19に送られる。水流圧力が許容範囲内であれば、水はカートリッジ19に進む。圧力が予め決められた限界以上又は限界以下の場合、水はバルブによって水回収容器に向けられる。
【0032】
図8に示すように、配送システムは、タンク12からカートリッジ19に水を輸送するために、タンク12、水ポンプ14、水ヒータ13及びカートリッジヘッド17を備えている。
【0033】
カートリッジホルダ18は、カートリッジ19の内側の圧力によって生じる開ける力(エスプレッソの場合は約250kgである。)を操作することができるように設計されている。機械10の動作中、カートリッジ19は膨張しようとするが、カートリッジ19は一体に維持される必要がある。また、装置に圧力がかかっている状態で利用者がホルダ18を開けることができないようにしなければならず、これを達成するために適当な機構が設けてある。
【0034】
WO−A−2006/014936に記載されているように、カートリッジヘッド17の適当な設計が、図4〜図7に示されている。カートリッジヘッド17のカートリッジホルダ18は、固定された下部43、回転可能な上部44、固定された下部43と回転可能な上部44の間に配置された旋回可能なカートリッジマウント45を備えている。上部44、下部43及びカートリッジマウント45は、共通のヒンジ軸46を中心に回転される。図4〜図7はホルダ18を示しているが、そこでは、明瞭化のために、機械10を構成する幾つかの構成要素が省略されている。
【0035】
カートリッジマウント45には、使用時に飲料カートリッジ19を受ける、ほぼ円形の凹み55が設けられている。窪み55は、飲料カートリッジ19のハンドル部分を収容するためのでこぼこを含む。このでこぼこは、ホルダ18内で飲料カートリッジ19が回転するのを防止する。カートリッジマウント45は、固定された下部43に対して付勢されている。したがって、開放位置で、図7に示すように、カートリッジマウント45は、固定された下部43と非接触状態に付勢されている。そして、カートリッジマウント45は、出口と入口の孔開け部21、22と非接触になる。カートリッジマウント45には、入口と出口の孔開け部21、22と、カートリッジマウント45が閉位置に移動したときにカートリッジ認識手段20のヘッドを受けるための開口57が設けられている。
【0036】
上部43は、円形の観察窓59を収容するほぼ円形の本体58を備えている。需要者は、窓59を介して、調製サイクル中、飲料カートリッジ19を観察できるとともに、カートリッジ19が機械10に装填されているか否かを視覚的に確認できる。観察窓59は、下方に向かって形成されたリムを有する、カップ形状をしている。また、観察窓59には、図7に示されるように、内側に向けられた環状のエクステンション61の形をしたクランプが設けられる。エクステンション61は、下部44に向けられており、図6に示す閉位置で、カートリッジヘッド17の体積内に位置している。カートリッジホルダ18が閉位置にあるとき、観察窓59の管状エクステンション61の末端62が飲料カートリッジ19のクランプ面19aに載り、これを図6に示すように下部44に対して付勢する(図中、大きな深さを有するカートリッジ19を含む構成が示されている。)管状エクステンション61によって加えられる圧力により、カートリッジ19とホルダ18との間が確実に密封される。
【0037】
下部43は、入口と出口の孔開け21、22と、カートリッジ認識手段30の頭部を備えている。入口の孔開け21は、使用時に飲料カートリッジ19のラミネートに穴をあけるために、尖った端部を有する中空の針状チューブを備えている。図7に示すように、入口穴開け水導管65に連通している。水道管は、下部43を通過し、水を加熱するヒータ13の出口導管66に接続されている。形式上、出口の穴開け22は、EP−A−0389141、EP−A−0334572に記載されている、出口の穴開けに類似している。出口の孔開け22の上端のアーチ部67には、飲料カートリッジ19のラミネートに穴を開けるとともに最終的にはこれを切断するために、鋸歯が付けられている。上端の残りの部分は、符号68で示すように、円筒体の長手方向に向けて少なくとも鋸歯の基部まで切り込まれて、飲料が調製される前に、出口開口から切断したラミネートを畳んで又は引いて離すようにしてある。
【0038】
都合の良いことに、出口穴開け22は、例えば、これを食洗機で洗うことができるように、下部43から取り外すことができる。取り外しできる出口用穴開け22は、下部43の窪みに収容される。入口用穴開け21、出口用穴開け22の両方又はいずれか一方は、例えばステンレススチールのような金属で作ることができるし、プラスチック材料で作ることもできる。入口用穴開け21と出口用穴開け22は、下部43から取り外すことができる、単一の一体ユニットとして形成することが好ましい。
【0039】
使用時、ホルダ18の上部44は、図2に示すように垂直方向に向けられた開位置からほぼ水平方向に向けられて固定下部43とカートリッジマウント45に係合する閉位置に移動可能である。上部44を閉じる場合、需要者はそれを持って下方に引く。これにより、上部44が回転し、その結果、観察窓59の管状エクステンション61がまず飲料カートリッジ19のクランプ面19aに接触する。更に上部44を回転すると、上部44とカートリッジマウント45が回転して下部43に接触する。
【0040】
上部44を閉じると、穴開け22がカートリッジ19に設けられたラミネートを貫通する出口を形成する。出口用穴開け22は中空の中心部22aを有する。中空中心部は、固定下部43を下方に貫通し、ノズル部70の内側穴71に連通する。図6と図7に示されるように、導管が出口用穴開け22からノズル部70に伸びている。ノズル部70には、中央の調製通路72と周囲の空気入口通路73が設けられている。中央の調製通路72への入口は、出口用穴開け22の中央部の下に直に配置されており、カートリッジ19から流れる飲料が中央の調製通路72を通じてノズル部70から落下するようにしてある。
【0041】
空気入口通路73は、ノズル部70の基部からノズル部70の上部に伸びており、そこで出口用穴開け22の基部に合流している。カートリッジ19は、カートリッジ19を空気が出るときに、該空気が飲料の流れに取り込まれるように設計されている。例えば、カートリッジ19は、空気が飲料の流れに取り込まれるようになるベンチェリ通路又はその他の特徴を含むことができる。この場合、空気入口用通路73により、空気がカートリッジ19に吸引されて取り込まれる。泡の発生を避けなければならない場合、カートリッジ19は、空気が取り込まれないように設計される。例えば、カートリッジ19は、空気入口通路73によって提供される空気流を導入するために必要な入口を欠いてもよい。また、そのようなカートリッジの設計の詳細は、EP-A-144903に記載されている。
【0042】
空気流は、エスプレッソコーヒーなどの飲み物に必要なクレマ層や、ホットチョコレートやホットミルクなどの他の飲み物に泡を形成するうえで重要である。実際、飲み物を空気入口通路73に入りノズル部70から流してもよいと考えられていた。しかし、この飲み物の流れ幾つかの欠点がある。飲料の流れが空気入口通路73を上昇する空気の流れを妨げて、出来上がったクレマ層の品質を損なわれる。また、飲料が空気入口通路73飲料が流れるために、通路73を定期的に清掃しなければならない。しかし、空気入口通路73が中央の分配通路72よりも一般には遙かに小さいために、その作業は容易に行い得ない。
【0043】
コーヒーを入れるサイクルの制御は、飲料調製機械10の制御プロセッサによって達成される。中央プロセッサは、プロセスモジュールとメモリを備えている。制御プロセッサは、ヒータ13、ポンプ14、ユーザインターフェイス16、および以下に説明するその他の構成要素に動作可能なように接続されている。
【0044】
機械の運転挙動は、例えば欧州特許公開公報EP-A-144064号に記載された、制御プロセッサに組み込まれたソフトウェアによって決定される。制御プロセッサのメモリは、飲料調製機械19のための一つ又はそれ以上の動作パラメータ用の一つ又はそれ以上の変数を含む。従来の機械では、これらは、一般に、動作中に飲料カートリッジ19を通過する液体の温度、飲料カートリッジ19の充填速度、浸け置き工程の有無、飲料の全分配量、排出段階の液体の流量、およびパージ工程の時間である。
【0045】
カートリッジ認識手段20の目的は、とりわけ、機械10が、挿入された飲料カートリッジ19の型式を認識できるようにすること、その結果、一つ又はそれ以上の動作パラメータを調整できるようにすること、である。カートリッジ19は、カートリッジ19の外側又は内側に設けられたコードを備えている。コードは、当該カートリッジ19に飲料を適正に分配するために必要な動作パラメータを表している。コードの一例が、欧州特許公開公報EP-A-144064号に記載されている。
【0046】
制御プロセッサメモリはまた、調製される飲料の型式に関する情報を格納している。したがって、機械10の動作サイクルは、次のカートリッジ19に対して調整される。これは、2つ又はそれ以上の飲料カートリッジ19を連続的に用いて飲料を調製する場合に特に有利である。例えば、カプチーノを調製する場合、コーヒーカートリッジを使用した後にミルクカートリッジが用いられる。代わりに、クリーミィなホットチョコレート飲料を作る場合、チョコレートカートリッジの後にミルクカートリッジが使われる。調製される最初の飲料に関する情報を格納したメモリを用いることによって、次のカートリッジ(例えば、ミルクカートリッジ)を調製する方法が変更されて最適な飲料が得られる。上述の実施例では、ホットチョコレート用に調製されるミルクは、一般には、コーヒーに添加されるミルクよりも低濃度である。また、チョコレート用に調製されるミルクは、飲料の泡立ちを抑えるために、ゆっくりした流速で供給される。カートリッジの多くの組み合わせが可能で、その動作パラメータが当業者に知られている。さらに、ユーザが次に調製する飲料形式を機械10が予測できるようにメモリを用いてもよい。例えば、もしもユーザが圧倒的に一つの飲料を飲む場合、その飲料に最適な温度に水の温度を維持するように、機械は水ヒータに指令を発する。
【0047】
公知の従来の機械10の動作は、飲料カートリッジ19をカートリッジヘッド17に挿入して飲料の調製サイクルを実行すること、また、機械からカートリッジ19を取り除く異を含む。
【0048】
カートリッジ19を挿入するために、カートリッジホルダ18が上述のように開放されて、カートリッジマウント45を露出させる。その後、カートリッジ19が、窪み46内に収容されてカートリッジマウント45上に置かれる。次に、カートリッジホルダ18が上述のように閉じられる。この閉じる間、入口孔開け21と出口孔開け22がカートリッジ19に孔を開けてカートリッジの入口と出口を形成する。
【0049】
調製サイクルを開始するために、ユーザはスタート/ストップボタン28を操作する。動作サイクルは、カートリッジの認識と飲料調製サイクルの工程を含む。
【0050】
カートリッジ認識は、上述の光学式カートリッジ認識手段20で行われる。バーコードが解読されると、機械10の動作パラメータが制御プロセッサで調整される。次に、調製サイクルが自動的に開始される。調製サイクルは、主に、4つの主要な段階を有する。なお、これらのすべての段階がすべての飲料型式に対して使用されるわけではない。
【0051】
1.プレウェット
2.休止
3.調製段階
4.パージ
【0052】
プレウェット段階では、ポンプ14によって、貯蔵タンク12から液体がカートリッジ19に充填される。水が充填されることにより、カートリッジ中の飲料原料が湿らされる。この充填作業は、600ミリリットル/分の高速で、又は、325ミリリットル/分の低速で行われる。粘性流体の飲料原料(より高い体積流量率でポンプ輸送すべく、飲料原料を薄める必要があるもの。)を含むカートリッジの場合、低速充填速度が特に有効である。カートリッジに注入される液体の量は、その液体又は飲料がこの段階でカートリッジの出口から漏れ出ないように選択される。
【0053】
休止段階は、プレウェット段階中に注入された液体に飲料原料を所定時間浸けるものである。プレウェット段階と浸ける段階は、飲料原料から抽出可能な物の抽出量を増やし、飲料の最終的な香りを良くするためのものであると認識されている。プレウェット段階と浸ける段階は、飲料原料が焙煎して挽いたコーヒーの場合に特に利用される。
【0054】
調製段階において、液体がカートリッジ19を通過して飲料原料から飲料を製造する。液体の温度は制御プロセッサにより決定される。制御プロセッサは、ヒータ13に指令を送り、タンク12からカートリッジヘッド17に移動する液体を加熱する。液体は、入口バルブと入口孔開けを介してカートリッジホルダ18に入り、飲料カートリッジ19に入る。飲料カートリッジ19における飲料を煎じること及び・又は混合は、欧州特許公開公報EP-A-144064号に記載されているように、調製された飲料が、カートリッジ出口を出て、随意に空気入口通路73によって形成される空気流から飲料の流れに空気を巻き込み、ノズル部70の中央調製通路72を通って流れ、さらに、調製部(調整ステーション)27に置かれた適当な容器に送られる前に、行われる。
【0055】
パージサイクル中、水ヒータ13の温度を十分に高く上げてシステム中に残っている水を蒸気に変換し、その高圧蒸気を飲料調製機械10と飲料カートリッジ19に吹き込む。これにより、すべての飲料が調製されるとともに、いつでも飲料を調製できるように流路が清掃される。パージサイクルは、液体の大部分が流路をきれいにするために、飲料を煎じたり混合したりする作業が終了するとすぐに開始しなくてもよい。
【0056】
動作サイクルが終了すると、機械は自動的に停止する。利用者は、カートリッジホルダ18を開けて手動でカートリッジ19を取り除いて処分することによって、カートリッジ19を取り除く。代わりに、カートリッジホルダ18を開けるとカートリッジが自動的に取り除く自動取り出し機構を機械10に設けてもよい。
【0057】
本発明の実施例が、図8〜図12に示されている。出口ノズルアセンブリ100が示されている。この出口ノズルアセンブリは、穴あけプレート110とノズル部120を有し、これらは図5、6に示したものに概ね対応している。しかし、出口ノズルアセンブリ100は、改良された空気入口を提供するために、好適に改変されている。
【0058】
穴あけプレート100は、その上側に、入口穴あけ111と出口穴開け112を形成している。穴開け111、112は、上述した穴開け21、22に類似している。したがって、出口穴開け112は、カートリッジ19のラミネートを貫通して出口を形成する。出口穴開け112は中空中央部113を有する。中空中央部は、穴開けプレート110を、穴開けプレート110をその上側115から下側116に貫通している。出口穴開け112は、上側115で中空中央部113を囲み、下側116でスカート114によって囲まれている。中空中央部を形成する穴113の大きさは、上側115から下側116に向けて増加し、スカート114を除いて、穴113の内壁117が穴開けプレート110の下側116に滑らかに調和するように、実際には滑らかに曲がっている。スカート114には、該スカート114の周りに、90度ごとに等間隔に、4つの途切れ部118が設けてある。
【0059】
ノズル部120は、中空中央部121を有するほぼ円筒形である。ノズル部120の上部には縁部122が設けられ、そこからカラー123が伸びている。カラー123は、穴開けプレート110のスカート114を受ける大きさとしてある。穴開けプレート110とノズル部120は、通常の方法(例えば、スナップフィット、バヨネットフィッティング(かみ合わせ、差し込み)、ねじ等)で互いに固定される。連結されると、穴開けプレート110の中空中央部113とノズル部120の中空中央部121が、飲料が流れ出る通路を形成している。この通路は広く、飲料機械10を出る飲料の流の周りにヘッドスペースを形成する。
【0060】
ノズル部120のカラー123には、穴開けプレート110のスカート114に設けた途切れ部118に対応する大きさの4つの隙間124が設けてある。隙間124はまた、90度の間隔をあけて、カラー123の周りに等間隔に設けてある。組み合わされると、スカート118の途切れ部118は、カラー123の隙間124に整列する。穴開けプレート110及び/又はノズル部120は、出口ノズルアセンブリ100が組み合わされたとき、途切れ部118と隙間124が整列するように、印手段(インデックス手段)を設けてもよい。このようにして整列すると、途切れ部118と隙間124が、出口ノズルアセンブリ100と大気との間に空気通路102を形成する。この空気通路102は、通路の広くなった部分に形成されており、これにより、飲料の流れの周囲でヘッドスペースに空気が入る。
【0061】
空気通路102は、カートリッジヘッド18の固定下部44のすぐ下で大気から伸びており、ノズル部120に空気が吸引されるようにしている。調製中の飲料に空気が巻き込まれると、空気通路102を通じて入る空気は飲料機械10に吸い込まれてカートリッジ19に入り、そこで、出口ノズルアセンブリ100を通じてカートリッジから分配されている飲料に巻き込まれる。上述のように、この空気の流れがクレマ又はその他の泡の形成を促進する。
【0062】
空気の流れを提供してカートリッジ19から出る飲料に取り込まれる空気を入れ替えることに加えて、空気通路102は、ノズル部120に空気を流し、飲料の流れによってノズル部120を介して吸引される空気を入れ替える。この空気の流れは、ティー(茶)などの飲料を調製する際にも存在し、飲料に空気が取り込まれるのを防止する。したがって、飲料の流れの周囲のヘッドスペースに空気通路102を配置することは、それ自体が、ノズル部120内の飲料の流れに空気を巻き込むものではない。しかし、空気を巻き込むことが必要な場合、飲料機械10に入る空気の流れが形成され、それはカートリッジ19に続き、そこで空気が飲料の流れに取り込まれる。
【0063】
また、途切れ部118と隙間124によって形成された通路102は、空気通路102に入る飲料の流れが最小となるように、ノズル部120の頂上部に形成されている。これは、出口穴開け112からノズル部120に至る、穴開けプレート110を貫通する穴130を広げることによってさらに促進される。飲料が空気通路102を通じて流れることはないので、それら通路は長期間にわたって清潔である。また、空気通路102の清掃は簡単である。穴開けプレート110は固定下部44から取り除くだけでよく、随意に、ノズル部120を穴開けプレート110から取り除いてもよく、途切れ部118と隙間124は簡単に清掃できる。この点は、図6、7の、細長い空気入口通路73と対照的である。
【0064】
さらに、ノズル部70の内側から空気入口通路73を取り除くことによって図6、7の構成を採用すれば、ノズル部70を通る通路が大きくなる。
【0065】
添付の特許請求の範囲に定義するように、本発明の範囲から逸脱することなく上述の実施形態に変形を加えてもよいことは、当業者にとって明らかなことである。
【0066】
例えば、出口ノズルアセンブリ100を通って形成される空気通路102の数は、図8〜図12に示されている4個でなくてもよい。例えば、それ以上又はそれ以下の数のものを使用できる。空気通路102の大きさと位置も変えてもよいし、途切れ部18と隙間の大きさは同じである必要はない。好ましくは、スカート114とカラー123を横断して配置された偶数の空気通路102を対として形成してもよい。
【0067】
スカート114とカラー123の大きさを変えてもよい。また、スカート114とカラー123の大きさを変えてもよいし、穴開けプレート110の下側に設けられたスカート114内にノズル部120のカラー13を収容してもよい。
【0068】
出口穴開け112は設けなくてもよい。例えば、本発明は、フィルタ漏斗を介して出口ノズルアセンブリ100にコーヒーを入れるコーヒー濾し器と共に使用してもよい。確かに、本発明は、種々の飲料調製機械(例えば、ソーダサイフォン、ビールタップのように、飲料を保持し調製するだけの機械を含む。)を共に使用できる。もちろん、その他の型式の飲料調製機械(コーヒーやお茶を入れたり、ミルクなどの飲料を加熱するもの)も考えられる。
【0069】
また、出口ノズルアセンブリ100には、例えば、飲料と共に作られる泡の品質を保証するための装置を含めてもよい。これらの装置は、中央の空隙104(例えば、流れを遮る表面)に設けてもよい。また、出口ノズルアセンブリ100には、一つ又はそれ以上の空気通路102の下流を連結する別の部分を含めてもよい。例えば、この部分には、生成される泡を制御するための表面を含む。したがって、空気通路102は泡の生成を促進し、出口ノズルアセンブリ100内の装置は泡の保存を促進する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口ノズルを介して飲料を分配するように構成された飲料調製装置であって、前記出口ノズルは入口と飲料が流出する出口との間の導管を形成する一つ又は複数の側部を備えており、前記出口ノズルはまた一つ又は複数の空気通路を備えており、前記一つ又は複数の空気通路はそれぞれ前記ノズルの一つ又は複数の側壁を貫通して前記導管と大気との間を流体が流れるように連通しており、前記導管は入口の下流を広げてより広い部分を形成し、前記一つ又は複数の空気通路はそれぞれ前記出口ノズルの出口上で前記広い部分の高い位置に設けられている、飲料調製装置。
【請求項2】
前記導管は、より狭い部分と前記より広い部分を形成する肩部を有し、前記一つ又は複数の空気津路はそれぞれ前記肩部の前記広い部分に設けられている、請求項1の飲料調製装置。
【請求項3】
前記一つ又は複数の空気通路は対をなしており、前記空気通路の各対は前記導管を横切って互いに対向している、請求項1又は2の飲料調製装置。
【請求項4】
前記一つ又は複数の空気通路は、前記出口ノズルの周りに等間隔に設けられている、請求項3の飲料調製装置。
【請求項5】
前記一つ又は複数の空気通路はそれぞれ前記出口ノズルの前記入口に隣接して設けられている、請求項1〜4のいずれかの飲料調製装置。
【請求項6】
前記出口ノズルは、互いに連結して前記導管を形成する第1の部分と第2の部分を有し、前記一つ又は複数の空気通路は前記第1の部分と前記第2の部分の間の連結部に形成されている、請求項1〜5のいずれかの飲料調製装置。
【請求項7】
前記第1の部分には下方に伸びるリムが設けられ、
前記第2の部分には上方に伸びるリムが設けられ、
前記2つのリムは一方が他方にぴったりと収容される大きさであり、
前記2つのリムには途切れ部が設けられ、
前記途切れ部は前記連結部を介して空気通路を形成するように整列されている、請求項6の飲料調製装置。
【請求項8】
前記装置は、一つ又は複数の飲料原料を含むカートリッジから飲料を調製するために配置されている、請求項1〜7のいずれかの飲料調製装置。
【請求項9】
前記飲料調製装置はカートリッジホルダを有し、
前記カートリッジホルダは前記カートリッジを保持するように配置されており、
前記カートリッジホルダには、前記カートリッジから出る飲料が流れる穴が設けられており、
前記カートリッジホルダは、前記カートリッジホルダの前記穴を通じて流れ出る飲料が前記出口ノズルに注ぎ込むように、前記出口ノズルに対して配置されている、請求項8の飲料調製装置。
【請求項10】
前記飲料調製装置は穴開けを有し、
前記穴開けは、前記カートリッジホルダに設置されたカートリッジの下側に穴を開けるように配置されており、
前記穴開けは、前記飲料が前記カートリッジを出るための出口を形成するための中空中央部を有し、
前記穴開けの前記中空中央部への前記入口は前記出口ノズルへの前記入口を形成している、請求項9の飲料調製装置。
【請求項11】
前記出口ノズルは、相互に連結して前記導管を形成する第1の部分と第2の部分を有し、
前記第1の部分は、前記第1の部分の上側に前記穴開けを有し、前記第1の部分の下側に下方に伸びるリムを有し、
前記穴開けの前記中空中央部は前記上側から前記リムの内側に伸びており、
前記第2の部分は上側に伸びるリムを有し、
前記2つのリムは、一方がしっかりを他方に収容される大きさを有し、前記連結部を通る空気通路を形成するように整列された途切れ部が設けられている、請求項10の飲料調製装置。
【請求項12】
前記穴開けの前記中空中央部は前記第1の部分を貫通しており、前記第1の部分は外側に曲がって前記第1の部分の前記下側に集まる側部を有する、請求項11の飲料調製装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかの飲料調製装置を用いて飲料を準備する方法であって、
前記一つ又は複数の空気通路を介して実質的に如何なる飲料も流れないように、前記出口ノズルを介して前記飲料を供給する方法。
【請求項14】
一つ又は複数の飲料原料を含むカートリッジを飲料調製装置のカートリッジホルダに設置し、前記飲料調製装置により
前記カートリッジから飲料を準備するとともに、該準備された飲料を前記一つ又は複数の空気通路に前記飲料を流すことなく、前記出口ノズルから供給する、請求項13の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−510616(P2013−510616A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538400(P2012−538400)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/GB2010/002094
【国際公開番号】WO2011/058329
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(510218179)クラフト・フーズ・アール・アンド・ディ・インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS R&D, INC.
【Fターム(参考)】