説明

飲用水製造装置及び飲用水製造方法

【課題】 逆浸透膜の長寿命化を達成しながら高収率で安定的に飲用水を製造することができる飲用水製造装置及び方法を提供する。
【解決手段】 本装置は、水道水を加圧するポンプと、加圧された水道水を不純物を含む廃棄水と透過水とに分離する逆浸透膜と、透過水を貯留するタンクとを備える。廃棄水は、並列の第1流路及び第2流路を通って排出される。本装置は、さらに、流量調整ユニットを備えており、流量調整ユニットは、第1流路に設けられ、該流路を流れる廃棄水の流量を制御する流量調整用バルブと、第2流路に設けられ、該流路を開閉する流路開放用バルブと、該流路開放用バルブの開閉を制御する制御装置とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道水から不純物が除去された飲用水を製造するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より安全な飲用水への要望が高まり、飲用水製造のための様々な機器や方法が開発されている。これらの機器や方法においては、処理される水に含まれる不純物を分離する目的で様々な分離膜が用いられている。これらの分離膜の中でも、逆浸透膜(RO膜)は、処理される水に含まれるほとんどすべての不純物を分離できることから、一般家庭や病院、飲食店などの装置への利用が増えつつある。
【0003】
しかし、逆浸透膜を利用して水道水から不純物を分離する飲用水製造装置及び方法においては、以下のような問題がある。
第一に、水道水が逆浸透膜に供給されると、時間の経過と共に、水道水に含まれるイオンや塩類などの不純物が逆浸透膜の膜面に堆積し、透水性が低下して、時間あたりの透過水量が減少する。水道水に含まれる不純物は、不織布、活性炭などの前処理では完全に除去されず、逆浸透膜の表面における不純物の堆積層の形成は避けられない。そのため、逆浸透膜を用いた装置では、逆浸透膜の定期的な短時間での交換が必須である。また、堆積を抑制して逆浸透膜を長寿命化する目的で逆浸透膜面での流速を高めることも考えられるが、このためには、膜に供給される水道水の流量を大きくする必要があり、この場合には水道水に比べて透過水の割合が小さくなる。
【0004】
第二に、逆浸透膜は、滅菌の目的で水道水に含まれる塩素の大半も除去するため、得られる透過水は、滅菌能力が低く、雑菌に汚染された場合にその繁殖を抑制することができない。
【0005】
第三に、逆浸透膜は、水道水に含まれるミネラルのほとんどを分離するため、逆浸透膜からの透過水は、そのままでは、いわゆる「おいしい水」と評価される飲用水とはならない。
【0006】
逆浸透膜を用いた造水技術として、例えば特許文献1(特開2000−189962号公報)がある。この特許文献1は、被処理液を昇圧する昇圧手段を用いずに被処理液を造水カートリッジに供給するとともに、造水カートリッジの逆浸透膜をフラッシングにより洗浄する手段を備える装置に関する技術を開示する。特許文献1の装置においては、造水カートリッジからの廃棄水が、圧力調整弁を通る通路とフラッシング弁を通る流路との2つの流路に分岐しており、フラッシングの際にはフラッシング弁を開くようになっている。
【0007】
特許文献1の技術では、被処理水を加圧せずにそのまま逆浸透膜に供給する。本技術においては、加圧しなくても透過水を高収率(50%以上)で得られるのは、低圧で効率的に作動する逆浸透膜を利用していることによる。しかし、水道水から飲用水を製造する家庭用の小型の飲用水製造装置及び方法にこうした高性能の逆浸透膜を用いるには、コストが問題になる。したがって、こうした飲用水製造装置及び方法においては、低圧逆浸透膜ではない一般的な性能の逆浸透膜を利用せざるを得ないが、種々の状況によって逆浸透膜に供給される被処理水の圧力が低い場合に、逆浸透膜の極めて微小な孔を多くの水分子が通過するのに十分な圧力が得られず、結果として透過水を高収率で得ることができないという問題がある。特に、家庭用の飲用水製造装置においては、水道水及び透過水が、造水カートリッジだけではなく、不純物を除去するための他のフィルタ、飲用水として必要な性質を付与するための種々の処理層、コンパクト化のために採用される屈曲した細い配管などを通過する際に、大きな圧力損失が発生する。したがって、安定的に飲用水を得るには水道水及び透過水を一定の圧力で流すことが求められ、飲用水の収率が供給される水道水自体の圧力の変動に左右されないように、一定の安定的な圧力を水道水に与えることが必要である。また、膜面の堆積層を除去するためには、一定以上の流速及び流量が必要であるため、被処理水が加圧されていない状態で膜の洗浄を行っても十分に堆積物を除去できない。
【0008】
特許文献2(特表2008−534278号公報)には、浄水器内の膜フィルタを自動的に洗浄する装置が開示されている。この装置は、膜フィルタに供給される水の水圧が適正水圧以上となったときに水を加圧するためのポンプと、その時点から所定の時間の間隔で周期的に膜フィルタの内部の水の洗い流し動作を実行可能とするための制御部と、洗い流し動作の間に膜フィルタの洗い流し管を開くための洗い流し調節バルブとを備える。特許文献2に記載の装置は、廃棄水の流路が1つであるため、膜の性能劣化が生じやすいとともに、膜の堆積物の除去が十分に行えないという問題がある。すなわち、特許文献2の装置においては、膜の洗浄を行わないときには洗い流し調節バルブが閉じられており、膜の洗浄の際に洗い流し調節バルブが開けられる方式が用いられている。したがって、この装置は、膜の洗浄を行わないとき、すなわち膜によるろ過が行われている間は、膜に供給された水の圧力が膜に対して直角に作用するため、膜の中に不純物や異物が入り込みやすい。その結果、膜の洗浄が十分に行えず、膜の性能劣化が生じやすいため、短時間で逆浸透膜を交換することが必要となるという問題がある。
【0009】
分離膜を洗浄するための技術として、逆洗技術が用いられる場合もある。逆洗は、分離膜の透過水側から加圧した洗浄水を供給することによって、膜を洗浄する技術である。この技術は、膜の堆積物を除去するには効果的ではあるものの、逆浸透膜を用いた装置の場合には透過水側から圧力をかけると逆浸透膜がその支持体から剥離するおそれがあるため、通常は、逆浸透膜を用いた家庭用の飲用水製造装置には採用できない。
【0010】
逆浸透膜によって不純物が除去された水に抗菌性を付与する技術として、例えば特許文献3(特許4661583号公報)がある。この技術は、膜ろ過カートリッジで処理された水に、電圧を印加した電極から銀イオンを溶出する抗菌ユニットを用いて金属イオンを添加する技術である。この技術においては、電圧を印加した電極が銀イオンの放出源であるため、銀イオンを添加するのに電源が必要である。さらに、銀イオンの濃度を制御するために水の流量を計測し、それに応じて電流を流すという精密な管理技術が必要であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−189962号公報
【特許文献2】特表2008−534278号公報
【特許文献3】特許第4661583号公報
【特許文献4】特許第4601361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、逆浸透膜の長寿命化を達成しながら高収率で安定的に飲用水を製造することができる飲用水製造装置及び方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、特別な制御及び電源を必要とすることなく飲用水に適切な持続的な抗菌性を付与することができ、自然水に近い量のミネラルを飲用水に添加することができる、飲用水製造装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様においては、本発明は、逆浸透膜を用いて水道水中の不純物が除去されたミネラル含有飲用水を製造するための飲用水製造装置において、通水開始時から3000時間経過後の時点における透過水量が通水開始時の透過水量の60%以上であり、製造される飲用水に持続的な抗菌性が付与される、飲用水製造装置を提供する。本装置は、水道水を加圧するポンプと、加圧された水道水を不純物を含む廃棄水と透過水とに分離する逆浸透膜と、透過水を貯留するタンクとを備える。廃棄水は、並列の第1流路及び第2流路を通って排出される。本装置は、さらに、流量調整ユニットを備えており、流量調整ユニットは、第1流路に設けられ、該流路を流れる廃棄水の流量を制御する流量調整用バルブと、第2流路に設けられ、該流路を開閉する流路開放用バルブと、該流路開放用バルブの開閉を制御する制御装置とを有する。本装置においては、飲用水製造時には、流路開放用バルブを閉じ、流量調整用バルブの流量を調整することによって、透過水の流量が維持される。逆浸透膜の洗浄時には、水道水の加圧を維持しながら制御装置により流路開放用バルブが開放されることによって、逆浸透膜の表面に堆積した不純物が剥離される。
【0014】
流路開放用バルブは、制御装置による制御によって、所定の間隔及び時間で開放されることが好ましい。流路開放用バルブが開放される間隔は5分〜60分に一度であり、流路開放用バルブが開放される時間は10秒間〜40秒間である。
【0015】
本装置は、さらに、透過水と接触させることによって透過水に銀イオンを添加するための銀含有多孔質セラミックスからなる材料を、逆浸透膜とタンクとの間に、及び/又は、タンク内に、備える。この材料と接触することによって、透過水に5〜90ppbの濃度の銀イオンを添加することができる。

【0016】
本発明の一実施形態においては、本装置は、さらに、透過水を通過させることによって透過水の硬度及び蒸発残留物が自然水と同等となるように透過水にミネラルを添加する1つ又は複数の種類の天然石からなる天然石充填層を備える。
【0017】
本発明の一実施形態においては、本装置は、さらに、逆浸透膜によって除去できなかったイオンを透過水から除去するためのイオン交換樹脂層と、逆浸透膜によって除去できなかった放射性元素を透過水から除去するための銀添着活性炭層とを備える。
【0018】
本発明の第2の態様においては、本発明は、逆浸透膜を用いて水道水中の不純物が除去されたミネラル含有飲用水を製造するための飲用水製造方法において、通水開始時から3000時間経過後の時点における透過水量が通水開始時の透過水量の60%以上であり、製造される飲用水に持続的な抗菌性が付与される、飲用水製造方法を提供する。本方法は、水道水を加圧する工程と、逆浸透膜によって、加圧された水道水を不純物を含む廃棄水と透過水とに分離する工程と、並列の第1流路及び第2流路を介して廃棄水を廃棄する工程と、透過水をタンクに貯留する工程とを含む。本方法においては、飲用水製造時には、第2流路を閉じ、第1流路を流れる廃棄水の流量を調整することによって、透過水の流量が維持される。逆浸透膜の洗浄時には、水道水への加圧を維持しながら第2流路を開放することによって、逆浸透膜の表面に堆積した不純物が剥離される。第2の流路は、制御装置による制御によって、所定の間隔及び時間で開放される。第2の流路が開放される間隔は5分〜60分に一度であり、第2の流路が開放される時間は10秒間〜40秒間である。
【0019】
本方法は、さらに、透過水と銀含有多孔質セラミックスからなる材料とを、逆浸透膜とタンクとの間において、及び/又は、タンク内において、接触させることによって、透過水に銀イオンを添加する工程を含む。
【発明の効果】
【0020】
上記の構成によれば、逆浸透膜に供給される水道水を加圧するとともに、飲用水製造時における廃棄水の流量を維持することによって、水道水自体の圧力変動に左右されることなく、逆浸透膜に供給される水道水量に対する透過水量の割合が大きい状態すなわち高収率の状態が維持される。さらに、逆浸透膜の洗浄は、1回ごとの洗浄の効果が低下しないように一定の間隔で一定の時間の間、実施されるため、長期間にわたって逆浸透膜を交換することなく飲用水を製造することができる。さらに、逆浸透膜に供給される水道水にパルス電流を与えることによって、逆浸透膜の表面における堆積物の形成量が少なくなり、形成されたとしても堆積物の組織が脆弱になるため逆浸透膜の洗浄によって容易に剥離される。これらの効果の結果として、本発明に係る装置及び方法によれば、逆浸透膜の長寿命化を達成しながら高収率で安定的に飲用水を製造することができる。
【0021】
また、上記構成によれば、電気的な回路を用いた電流量の特別な制御及び管理を必要とすることなく、飲用水に銀イオンを添加することができるとともに、飲用水の硬度および蒸発残留物を適切な範囲に設定することができる。これらの効果の結果として、本発明に係る装置及び方法によれば、水道水から、持続的な抗菌性を有する、自然水に近い性質の飲用水を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る飲用水製造装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る飲用水製造装置に用いられる廃棄水の流路と流量調整ユニットとを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る飲用水製造装置及び方法を詳細に説明する。
【0024】
1.装置の構成の概要
図1は、本発明の一実施形態に係る飲用水製造装置の概略的な構成図である。図1における飲用水製造装置1は、効果的な逆浸透膜の洗浄機能を有しており、3000時間以上の長期間にわたって逆浸透膜の交換を必要とすることなく、高収率で安定的に飲用水を製造することができる。また、装置1は、水道水に含まれる不純物を除去した上で銀イオン及びミネラルを添加することによって、水道水から、持続的な抗菌性が付与された、自然水と概ね同程度の量のミネラルを含む飲用水を製造することができる。
【0025】
本発明においては、処理される水は水道水である。水道水は、一般に、約0.3MPa〜約0.4MPaの供給圧力で、必要に応じて設けられる給水弁10を経て供給される。
【0026】
装置1は、逆浸透膜52を含む不純物除去ユニット50と、不純物除去ユニット50からの廃棄水の流量を調整するための流量調整ユニット60とを備えている。不純物除去ユニット50は、水道水を、逆浸透膜52によって不純物が除去された透過水と、不純物を含む廃棄水とに分離するためのものである。装置1は、流量調整ユニット60により、飲用水製造時及び逆浸透膜洗浄時における廃棄水の流量を制御することによって、透過水の収率が安定的に向上するとともに、逆浸透膜52を長寿命化することができる。
【0027】
装置1は、さらに、不純物除去ユニット50からの透過水に銀イオンを添加するための銀イオン添加ユニット70と、透過水にミネラルを添加するためのミネラル添加ユニット80とを備えている。水道水に含まれる塩素は逆浸透膜52によって除去されるため、透過水が細菌で汚染された場合には細菌の繁殖を防止できない。銀イオン添加ユニット70は銀含有多孔質セラミックス72を備えており、透過水が銀含有多孔質セラミックス72と接触することにより透過水に銀イオンが添加され、透過水に抗菌性が付与される。
【0028】
また、水道水に含まれるほとんどのミネラルは逆浸透膜52によって除去される。しかし、こうした透過水は、不純物が極めて少ないため溶解速度が速く、人体にとって健康にいいとは言えない状態となる。また、こうした透過水は、飲用水としてはいわゆる「おいしい水」とは言えない。装置1のミネラル添加ユニット80は、天然石充填層82を備えており、透過水が天然石充填層82を通ることにより、透過水に適切な量のミネラルが添加され、透過水をいわゆる「おいしい水」にすることができる。
【0029】
装置1は、さらに、水道水を加圧するためのポンプ30を備えている。水道水はすでに加圧されているが、この水道水をそのまま逆浸透膜52に供給しても、逆浸透膜52を透過するための圧力が低く、圧力変動も生じるため、透過水を高収率で安定的に得ることができない。そこで、ポンプ30によって水道水に圧力を加え、流量調整ユニット60による廃棄水の流量を適切に調整することによって、逆浸透膜52からの透過水の量を安定的に多くすることができる。
【0030】
装置1は、さらに、不純物除去ユニット50の前に、例えば不織布フィルタ20及び活性炭フィルタ40といった各種の前処理フィルタを備えてもよい。これらのフィルタは、水道水に含まれる大きめの異物や残留塩素を一定のレベルまで除去することができるため、逆浸透膜52の長寿命化に寄与する。
【0031】
装置1は、さらに、不純物除去ユニット50の後に、例えば、イオン交換樹脂層90、銀添着活性炭層92といった各種の後処理装置を備えてもよい。逆浸透膜52は、水道水に含まれるほとんどすべての不純物を除去することができるが、何らかの理由により逆浸透膜52の劣化が生じた場合に、ごく微量の不純物が透過水に混入することがある。こうした不純物を透過水から除去するために、透過水を、イオン交換樹脂層90、銀添着活性炭層92といった各種の後処理装置を通過させることが好ましい。
【0032】
放射性物質のヨウ素は、銀と安定的な化合物を生成することから、イオン交換樹脂層90の後に、銀を添着した活性炭層92を通すことで除去可能である。さらに、透過水を殺菌するための紫外線殺菌器94を設けてもよい。
【0033】
製造された飲用水は、タンク96に貯留される。タンク96に貯留された飲用水は、銀イオンが含まれているため、長時間貯留されたまま維持されていても雑菌が繁殖しない持続的な抗菌性が付与されている。装置1は、さらに、銀イオン添加ユニット70に加えて、銀含有多孔質セラミックス72をタンク96内部にも保持するように構成することもできる。この場合には、銀イオン添加ユニット70だけでなくタンク96の内部においても、透過水と銀含有多孔質セラミックス72とを接触させることができる。装置1は、さらに、銀イオン添加ユニット70を設けずに、タンク96内部においてのみ銀含有多孔質セラミックス72を保持するように構成することもできる。この場合には、透過水には、タンク96内部において銀イオンが添加されることになる。透過水がタンク96内部において銀含有多孔質セラミックス72と接触することによって、タンク内の透過水に対してさらに効果的に抗菌性を付与が可能になる。
【0034】
2.装置の詳細、及び、飲用水製造の方法
以下に、本発明の一実施形態に係る飲用水製造装置の詳細を説明しながら、飲用水の製造方法を説明する。
<前処理フィルタ>
本発明の一実施形態においては、供給された水道水は、不純物除去ユニット50の前に設けられた、例えば不織布フィルタ20及び活性炭フィルタ40といった各種の前処理フィルタを通過させることが好ましい。これらのフィルタによって、水道水に含まれる大きめの異物や残留塩素を一定のレベルまで除去することができる。不織布フィルタ20及び活性炭フィルタ40は、当業者に周知のものを用いることができる。
【0035】
<ポンプ>
本発明においては、水道水は、不純物除去ユニット50に供給される前にポンプ30によって加圧される。水道水は、通常、約0.3MPa〜約0.4MPaの供給圧力で供給されていることが多いが、状況によって供給圧力が変動する場合がある。水道水の供給圧力は、建物や地域によっても異なることがある。水道水の供給圧力が低い場合には、水道水を逆浸透膜52に供給しても、透過水を高収率で安定的に得ることができない場合がある。したがって、水道水の供給圧力による透過水の収率の変動を防止して、安定的に透過水を得るために、逆浸透膜に供給される水道水の圧力を一定の圧力に維持するポンプ30を設ける。ポンプ30によって付与される圧力は、約0.5MPa〜約1.2MPaである。ポンプ30の設置位置は、限定されるものではないが、不純物除去ユニット50の直前ではないことが好ましく、不織布フィルタ20と活性炭フィルタ40との間であることがより好ましい。ポンプ30が不純物除去ユニット50の直前に設置されると、ポンプ30の加圧による水道水の脈動が直接、逆浸透膜52に伝わるため、逆浸透膜52の寿命が短くなるおそれがある。
【0036】
<不純物除去ユニット>
ポンプ30によって加圧され、不織布フィルタ20及び活性炭フィルタ40を通過した水道水は、不純物除去ユニット50に供給されて、不純物を含まない透過水と、不純物を含む廃棄水とに分離される。本発明においては、不純物を除去するための膜として逆浸透膜52を用いる。逆浸透膜52は、約0.0001μmの大きさの微細な孔を有し、水分子は透過するが水分子以外のイオン、塩類、有機物、重金属、細菌などの不純物は透過しない性質を有するろ過膜である。逆浸透膜52を透過した透過水は、不純物がほとんど残留しない純水となる。本発明の一実施形態において用いられる逆浸透膜52として、例えばダウケミカル社のメンブレンフィルタ75GPDを用いることができる。不純物除去ユニット50として、圧力容器内に逆浸透膜52を組み込んだスパイラル型エレメントが用いられることが好ましいが、これに限定されるものではなく、必要に応じて中空糸型、チューブラー型などといった各種のエレメントを用いることができる。不純物除去ユニット50は、加圧される水道水の流入口と、逆浸透膜52を透過した透過水の流出口と、逆浸透膜52を透過しない不純物を含む廃棄水の流出口とを有する。
【0037】
<流量調整ユニット>
逆浸透膜52を透過しなかった水は、廃棄水として不純物除去ユニット50から排出される。廃棄水には、逆浸透膜52によって分離された不純物の一部が含まれる。本発明においては、廃棄水の流量は、流量調整ユニット60によって調整される。図2は、本発明の一実施形態に係る装置の廃棄水の第1流路61及び第2流路63並びに流量調整ユニット60の概略的な構成図である。不純物除去ユニット50の廃棄水の流出口の下流に、廃棄水の流路として、第1流路61及び第2流路63が並列に設けられる。流量調整ユニット60は、第1流路61の途中に設けられた流量調整用バルブ62と、第2流路63の途中に設けられた流路開放用バルブ64とを有する。第1流路61及び流量調整用バルブ62は、飲用水製造時に、逆浸透膜52を透過しなかった不純物を含む廃棄水が通過する。飲用水製造時には、流路開放用バルブ64は閉じられており、廃棄水は第2流路63を通過しないようになっている。
【0038】
装置1は、飲用水製造の開始時に、一定以上の収率で透過水が得られるように、流量調整用バルブ62の開度、すなわち廃棄水の流量が調整される。本発明の一実施形態においては、透過水と廃棄水との割合は、1:1〜2:1であることが好ましい。流量調整用バルブ62は、廃棄水の流量の微妙な調整が可能となるニードルバルブを用いることが好ましい。微妙な流量の調整が可能なニードルバルブを用いることによって、逆浸透膜52に供給される水道水の圧力を最適化して透過水の流量を維持し、透過水の収率をより安定的に向上させることができる。
【0039】
本発明に係る飲用水製造装置においては、逆浸透膜52を長寿命化させるための機能を有する。水道水に含まれる不純物は、不織布フィルタ20及び活性炭フィルタ40などを用いて前処理を行っても完全には除去することができない。そのため、逆浸透膜52の膜面には、使用し続けることにより次第に不純物の堆積層が形成される。膜面に不純物が堆積すると、透水速度が低下し、時間当たりに得られる透過水の量が次第に低下する。したがって、高収率で安定的に飲用水を製造するためには、適切に堆積物を除去することが必要である。
【0040】
そこで、本発明に係る飲用水製造装置においては、図2に示されるように、廃棄水が通過する流路を第1流路61及び第2流路63に分岐し、第2流路63に流路開放用バルブ64を設けている。流路開放用バルブ64は、第2流路63を開閉するバルブである。流路開放用バルブ64によって第2流路63が開放され閉鎖された後、次に流路63が開放されるまでの時間と、1回の開放から閉鎖までの時間とは、制御装置66によって制御される。所定の間隔で所定の時間の間、流路開放用バルブ64を開放することによって、逆浸透膜52の膜面に堆積した不純物が効果的に剥離され、剥離した不純物が廃棄水とともに排出される。流路開放用バルブ64が開放されている間、ポンプ30による水道水への加圧は維持される。ポンプ30による水道水の加圧状体を維持しながら流路開放用バルブ64を開放することによって、逆浸透膜52の膜面における流速が大きくなるため、膜面の不純物に及ぼされるせん断力が大きくなり、洗浄能力が向上する。流路開放用バルブ63は、制御装置66による制御を容易にするため、電磁バルブであることが好ましい。
【0041】
逆浸透膜52の長寿命化のためには、廃棄水の流路開放用バルブ64の開放は、適切な間隔で適切な時間の間、実施される必要がある。本発明においては、廃棄水の流路開放用バルブ64は、約5分〜約60分ごとに一度、開放されることが好ましく、約15分〜約45分ごとに一度、開放されることがより好ましい。また、廃棄水の流路開放用バルブ64は、一度の開放において、約10秒間〜約40秒間、開放されることが望ましく、約20秒間〜約30秒間、開放されることがより好ましい。流路開放用バルブ64の開放の間隔は、短ければ不純物を頻繁に除去することができるため逆浸透膜52の寿命が長くなるが、短すぎるとその効果は小さいだけでなく、開放の間は供給した水の大半が廃棄されるため逆浸透膜を透過する水が相対的に少なくなり経済的ではない。一方、開放の間隔が長すぎると、洗浄から洗浄までの間における膜面への堆積物が増加して1回の洗浄の際における不純物の除去が不十分になるため、早期に透過水量の低下を招き、結果として、逆浸透膜52を短いサイクルで交換しなければならなくなる。また、流路開放用バルブ64を開放する時間が短すぎる場合には、膜面に堆積した不純物が十分に剥離されず、長すぎる場合には、廃棄水の量が増加して経済的に望ましくない。
【0042】
<特許文献1の技術に対する、本願の装置の有利な効果>
本明細書における従来技術の部分で説明したように、特許文献1の技術では、飲用水製造時及び逆浸透膜洗浄時のいずれにおいても供給水が加圧されていない。これは特許文献1の技術においては、被処理水が低圧でも効率的に作動する低圧逆浸透膜が用いられているからである。これに対して、より汎用的な逆浸透膜を用いている本発明では、飲用水製造時及び逆浸透膜洗浄時のいずれにおいてもポンプ30によって常に水道水に圧力が加えられている。したがって、本発明に係る装置は、汎用的な逆浸透膜を用いても、飲用水製造時における透過水の収率が高く、かつ、逆浸透膜洗浄時において膜面の不純物に及ぼされるせん断力を大きくして洗浄能力を向上させることができる。
【0043】
また、本発明においては、ポンプ30を用いることによって、水道水自体の供給圧力の変動にかかわらず、逆浸透膜52に常に一定の圧力の水道水が供給されるため、安定して透過水を得ることができる。
【0044】
<特許文献2の技術に対する、本願の装置の有利な効果>
特許文献2においては、膜の洗い流しのためのバルブが設けられているのみであるのに対して、本発明においては、逆浸透膜の洗浄のための第2流路63及び流路開放用バルブ64とは別に、通常の飲用水製造時に廃棄水が流れる第1流路61及び流量調整用バルブ62を備えている。この構成により、膜の性能劣化が生じ難く、飲用水製造時には逆浸透膜52に供給される水道水の圧力を最適化して透過水の流量を維持し、透過水の収率を安定的に向上させることができるとともに、逆浸透膜52の洗浄後に流路開放用バルブ64を閉じるだけで、再び、装置を、逆浸透膜52に供給される水道水の圧力が最適化された状態へと迅速に復帰させることができる。
【0045】
さらに、特許文献2は、圧力を検知し、その圧力に基づいて洗い流しバルブを開閉するのに対して、本願は、常に一定のサイクルでフラッシングを行う。したがって、本発明に係る装置では、流路開放用バルブ52の一度の開放によっては除去することができない量の不純物が膜面に堆積する前に、一定の間隔で逆浸透膜52を洗浄するため、逆浸透膜64を長期間にわたって交換することなく高収率で安定的に飲用水を製造することができる。
【0046】
<パルス電流印加ユニット>
本発明に係る装置においては、不純物除去ユニット50より上流のいずれかの位置において、水道水にパルス電流を流すためのパルス電流印加ユニット42を設けることができる。本発明の一実施形態においては、不織布フィルタ20及び活性炭フィルタ40といった各種の前処理フィルタにパルス電流印加ユニット42を設けて、これらのフィルタを通過する水道水にパルス電流を与えるようにすることが好ましい。パルス電流を与えることによる効果は、十分に解明されてはいないが、配管内に生じる電磁場の変化により、逆浸透膜の表面における堆積物の原因となるイオンや分子を相互に反発させて、凝集を抑制する効果があるものと推察される。すなわち、水道水にパルス電流を与えることによって、配管内に生じる電磁場の変化により配管内の水道水に含まれる不純物の凝集が抑制されるため、パルス電流を与えない場合と比べて逆浸透膜の表面における堆積物の形成量が少ない。また、たとえ堆積物が形成されても組織が脆弱なため、逆浸透膜の洗浄によって容易に剥離することができる。これらの効果の結果として、逆浸透膜の性能の低下が緩やかになり、長寿命化につながる。パルス電流は、パルス電源44と、水道水が通過する配管やフィルタの筐体などのいずれかの外周に巻かれたコイル46とを用いて、発生させることができる。本発明の一実施形態においては、パルス電源44によって、周波数が50〜60Hz、電流値が1mA〜20mA、デューティー比が45〜55%のパルスを発生させることが好ましい。発生させたパルス電流は、好ましくは不織布フィルタ20又は活性炭フィルタ40を収容する筐体の外周に巻き付けて配置された、好ましくは80〜130巻のコイル46に流される。コイルに流れるパルス電流によって発生した磁界によって、水道水にパルス電流が流れる。パルス電源44は、ポンプ30が稼働している間に作動させることが好ましい。
【0047】
<銀イオン添加ユニット>
不純物除去ユニット50を透過し、不純物が除去された透過水は、次に、透過水に銀イオンを添加するための銀イオン添加ユニット70を通過することが好ましい。逆浸透膜52を透過して不純物が除去された透過水は、塩素が除去されている。したがって、透過水が細菌等で汚染された場合には、細菌等の繁殖を防止できない。特に、本発明に係る装置のような、水道水から飲用水を製造する家庭用の装置においては、製造された飲用水は、タンクに長時間、貯留される場合があり、このタンク内で飲用水が細菌等に汚染された場合には、人体に著しい悪影響を与えるおそれがある。
【0048】
銀イオンは、バクテリア等に対して極めて強い殺菌力を示す一方で、人体に対してはほとんど悪影響を及ぼさないため、近年、浄水器の殺菌材料として利用されている。本発明に係る装置においては、不純物除去ユニット50からの透過水に銀イオンを添加することによって、透過水に持続的な抗菌性を付与することが好ましい。本発明の一実施形態に係る装置は、銀イオンを添加するための銀イオン添加ユニット70を備えることができる。銀イオン添加ユニット70は、銀含有多孔質セラミックス72からなる材料を有しており、透過水が銀含有多孔質セラミックス72と接触することにより、透過水に銀イオンが添加され、その結果、透過水に持続的な抗菌性を付与することができる。
【0049】
銀イオンによる抗菌性を得るには、数ppb以上の濃度の銀イオンを透過水に添加することが必要である。本発明の一実施形態においては、銀含有多孔質セラミックス72として、特許文献4(特許第4601361号公報)の実施例1に開示されている多孔質セラミックスからなるペレット状の銀イオン水生成用材料を用いることができる。本実施形態においては、銀イオン添加ユニット70においては、ユニット70を通過する透過水がこのペレットと接触するように構成されている。透過水がペレットと接触することによって、銀イオンがペレットから透過水に溶出し、特殊な技術を用いた電気的な制御も複雑な銀イオン濃度管理も必要とすることなく、一定の濃度の銀イオンが安定的に透過水に添加される。このペレットを用いて添加される銀イオンの濃度は、約5ppb〜約90ppb以下である。添加される銀イオンの濃度は、ペレットに含まれる銀の含有量を変えたり、銀イオン添加ユニット70内のペレットの個数を変えたりすることによって、適宜調整することができる。日本においては、健康に及ぼす銀イオンの濃度についての基準はないが、米国環境保護庁(EPA)では、上限が100ppbと定められており、銀含有多孔質セラミックス72を用いることによって、この条件を安定的に満足することができる。
【0050】
なお、不純物除去ユニット50からの透過水は、最終的にはタンク96に貯留されることになる。不純物除去ユニット50とタンク96との間には、銀イオン添加ユニット70、ミネラル添加ユニット80、イオン交換樹脂層90、及び銀添着活性炭層92といった各種のユニット等が組み合わせて設けられることが好ましいが、透過水がそれぞれのユニット等を通過する順序は、特に限定されるものではない。
【0051】
<ミネラル添加ユニット>
不純物除去ユニット50からの透過水は、透過水にミネラルを添加するためのミネラル添加ユニット80を通過することが好ましい。不純物除去ユニット50からの透過水は、不純物が極めて少ないため溶解速度が速く、人体にとって健康にいいとは言えない状態となる。また、こうした透過水は、逆浸透膜52によって、有機物や微生物の他にも水道水に含まれるミネラルの大部分が除去されており、飲用水として安全ではあるものの、いわゆる「おいしい水」とは言えない。したがって、不純物除去ユニット50からの透過水を飲用水とするために、適切な量のミネラルを添加することが好ましい。本発明に係る装置は、ミネラルを添加するためのミネラル添加ユニット80を備える。本発明の一実施形態においては、ミネラル添加ユニット80は、天然石充填層82を有しており、透過水が天然石充填層82を通過することにより、透過水にミネラルが添加され、その結果、透過水をいわゆる「おいしい水」することができる。
【0052】
旧厚生省のおいしい水研究会は、全国の水道水を調査した結果に基づき、おいしい水の水質として以下の基準を提案している。
蒸発残留物 30〜200mg/L
硬度 10〜100
遊離炭酸 3〜30
過マンガン酸カリウム消費量 3mg/L以下
臭気度 3以下
残留塩素 0.4mg/L以下
鉄 0.02mg/L以下
pH 6.0〜7.5
水温 20℃以下
これらの項目は、いずれも水のおいしさに影響する因子であるものの、特にカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルが水のおいしさに重要であり、そのためには蒸発残留物と硬度とを適切な値にすることが必要である。
【0053】
逆浸透膜52を透過した透過水にミネラルを添加して蒸発残留物と硬度とを適切な値にするために、本発明の一実施形態においては、天然の岩石等から人間の健康に悪影響を及ぼす重金属等を溶出しないものを組み合わせた天然石充填層82を用いることができる。ミネラル添加ユニット80は、ユニット内に天然石充填層82が設けられており、ミネラル添加ユニット80に入った透過水は、天然石充填層82を通過してミネラル添加ユニット80から出る。天然石充填層82に用いられる天然石として、石灰石、化石サンゴ、石英、麦飯石などを適宜組み合わせて用いることができる。天然石充填層82は、天然石の種類ごとに1つの層とし、全体として複数の層によって構成されるようにしてもよいし、複数の種類の天然石を混合して1つの層として構成されるようにしてもよい。
【0054】
蒸発残留物及び硬度は、天然石充填層82の天然石の構成と、天然石充填層82内における透過水の滞留時間とで決まる。本発明の一実施形態においては、ミネラル添加ユニット80を通過した透過水は、硬度2〜50mg/L、蒸発残留物5〜100mg/Lであることが好ましく、硬度2〜30mg/L、蒸発残留物5〜50mg/Lであることがより好ましい。硬度2〜50mg/L、蒸発残留物5〜100mg/Lは、深山に積もった雪又は氷河が地中で長い時間をかけてろ過されて得られる「自然水」と同等の硬度及び蒸発残留物の量である。硬度が50mg/L、蒸発残留物が100mg/Lより大きいと、自然水の持つさわやかさが失われ好ましくない。また、硬度が2mg/、蒸発残留物が5mg/Lより小さいと、無味な印象となりおいしく感じない。なお、本発明に係る装置及び方法によって製造される透過水の硬度及び蒸発残留物の値は、上述のおいしい水研究会の基準とは必ずしも一致しないが、これは、おいしい水研究会の基準は水道水の調査結果に基づくものであり、水道水に感じるおいしさと自然水に感じるおいしさとは必ずしも同じではないことによる。本発明者らは、本発明に係る装置及び方法によって、自然水と同等の「おいしさ」を有する飲用水を製造することを目的としている。
【0055】
<その他の装置>
逆浸透膜52は、水道水に含まれるほとんどすべての不純物を除去することができるが、何らかの理由により逆浸透膜52の劣化が生じた場合に、ごく微量の不純物が透過水に混入することがある。これらの不純物を透過水から除去するために、本発明の一実施形態においては、透過水を、イオン交換樹脂層90及び銀添着活性炭層92といった各種の装置を通過させることが好ましい。これらの装置は、当業者に周知のものを用いることができる。
【0056】
イオン交換樹脂層90としては、陰イオン交換樹脂層、陽イオン交換樹脂層、又は陰イオン交換樹脂層と陽イオン交換樹脂層とを組み合わせたものを用いることができる。特に人体に悪影響を与える物質として透過水から除去することが必要なものとして、硝酸性窒素及び放射性物質が挙げられる。透過水にごく微量の硝酸性窒素が含まれる場合には、逆浸透膜52の後に陰イオン交換樹脂層を設けることが好ましい。また、透過水にごく微量の放射性物質のセシウムが含まれる場合には、逆浸透膜52の後に陽イオン交換樹脂を設けることが好ましい。その他の場合として、逆浸透膜をいずれかのイオン化した有害物質が透過したとしても、陰イオン交換樹脂層と陽イオン交換樹脂層とを適切に組み合わせることによって、これらの有害物質を透過水から除去することができる。
【0057】
逆浸透膜52を透過した極微量の放射性ヨウ素が透過水に含まれる場合には、銀添着活性炭層92を設けることが好ましい。放射性ヨウ素は、銀との間で安定的な化合物を形成するため、銀を添着した活性炭層に透過水を通すことによって、除去することができる。
【0058】
なお、透過水が、銀イオン添加ユニット70、ミネラル添加ユニット80、イオン交換樹脂層90、銀添着活性炭層92を通過する順序は、限定されるものではない。例えば、透過水が、銀添着活性炭層92、イオン交換樹脂層90、ミネラル添加ユニット80、銀イオン添加ユニット70をこの順で通過するようにしてもよい。また、本明細書においては、銀イオン添加ユニット70、ミネラル添加ユニット80、イオン交換樹脂層90、銀添着活性炭層92などといった装置をそれぞれ別個のものとして説明したが、これらをまとめて1つのユニットとして構成してもよい。例えば、このユニットは、このユニットに入った透過水が、銀含有多孔質セラミックス72と接触し、天然石充填層82、イオン交換樹脂層90、銀添着活性炭層92を通過した後、このユニットから出るように構成することもできる。
【0059】
製造された飲用水は、最終的にタンク96に貯留される。タンク96の材質や構造は特に限定されない。本発明においては、タンク96に貯留された飲用水に細菌等が混入した場合でも、飲用水には銀イオンが添加されているため、細菌等の繁殖を防止することができる。タンク96内部には、さらに銀含有多孔質セラミックス72からなる材料を保持しておくこともできる。タンク96に貯留された透過水は、タンク96内部に保持された多孔質セラミックス72からなる材料と接触し、それによりタンク内の透過水に対してさらに効果的に持続的な抗菌性を付与することが可能になる。なお、図1においては、銀イオン添加ユニット70及びタンク96内のいずれにも銀含有多孔質セラミックス72からなる材料が描かれているが、銀含有多孔質セラミックス72からなる材料は、いずれか一方に設けても両方に設けてもよい。
【実施例】
【0060】
<廃棄水の流路開放用バルブの開放間隔と透過水量及び水質>
供給圧力0.3MPa、硬度63mg/L、蒸発残留物130mg/Lの東京都水道水を、平均孔径0.0001μmの逆浸透膜(ダウケミカル社、メンブレンフィルタ75GPD)に連続的に通じ、廃棄水の流路開放用バルブの開放の間隔と透過水量の変化との関係を求めた。1回の開放における開放時間は、すべて30秒とした。水道水は、流量20L/hで、ポンプを用いて0.8MPaに昇圧して逆浸透膜に供給した。廃棄水の流路は、2つの平行な流路に分岐させ、一方の流路には流量調整用バルブを設置し、他方の流路には流路開放用バルブを設置した。流量調整用バルブはニードルバルブ(エスコ社製)を用い、流路開放用バルブは電磁バルブ(日本アスコ社製)を用いた。測定開始時には流路開放用バルブを閉め、ニードルバルブの開度は、逆浸透膜を透過する透過水と廃棄水との割合が3:2となるように調整した。なお、逆浸透膜の劣化を防止するために、逆浸透膜の前に不織布フィルタ(KENT社製5μmセディメントフィルタ)及び活性炭フィルタ(KENT社製)を設置した。通水開始時の透過水量は12L/hであった。
【0061】
表1は、流路開放用バルブの開放の間隔を変えたときにおける、通水開始からの時間経過に伴う透過水量の変化を示した表である。表1において、開放の間隔が5分ごと、10分ごと、30分ごと、及び60分ごとの場合をそれぞれ実施例1〜4とし、開放の間隔がそれ以外の場合を比較例とした。通水時間は、通水開始からの経過時間であり、各通水時間の時点における数値は、通水開始時の透過水量を100とした時の各通水時間の時点における相対的透過水量を示す。なお、飲用水製造装置の稼働時間を毎日4時間と仮定すると、1000時間は250日、2000時は500日、3000時間は750日に相当する。毎日4時間の稼働は、調理に利用される水を10L/回×3回/日と仮定し、飲用に利用される水を10L/日と仮定したときの一日の水利用量40L/日が、透過水量10L/hの能力で製造される時間(4時間)から設定した。透過水の製造能力10L/hは、通水開始時の製造能力12L/h(水道水供給量20L/hの60%)と、後述のとおり透過水量が通水開始時の60%となったとき(逆浸透膜の交換時期)の製造能力7.2L/hとの平均値である。
【0062】
【表1】

【0063】
表1の結果から、実施例1〜実施例4の場合には、通水時間が3000時間を経過した時点でも通水開始時の60%以上の透過水量が得られていることが分かる。なお、ここで透過水量が通水開始時の60%以上としたのは、本発明者らが、逆浸透膜における不純物の堆積による不純物除去能力の低下と、透過水の収率の低下による経済性の低下とを勘案し、収率が通水開始時の60%より低くなった時点で逆浸透膜の交換を行うのが理想的であると考えていることによる。例えば、透過水の収率が低下するにつれて、必要な飲用水を確保するのに時間が掛かるようになる。収率が通水開始時の50%になれば、同じ量の飲用水を得るのに飲用水製造装置の稼働時間は2倍となり、高性能の飲用水製造装置としての能力(単位時間当たりの透過水量)の設計許容値を超える。また、装置の電力消費も2倍となり不経済である。このような場合、飲用水の使用者は使用できる飲用水の不足から、浄化していない水を止むを得ず使用することも起こり得るため、これを避ける必要がある。さらに、装置の供給能力が低下するということは、逆浸透膜の内部に浸透する不純物が増加するとともに、それにより逆浸透膜の内圧が上昇して不純物が逆浸透膜から透過水側に出ていることが考えられる。これらの現象は、逆浸透膜の不純物除去能力の低下が生じていることを表している。そこで、本発明者らは安全な飲用水を供給する上で、収率が通水開始時の60%程度となったときを逆浸透膜交換の目安とした。
【0064】
一方、比較例2及び比較例3のように、開放の間隔が長い場合には、短期間でろ過性能が低下し、逆浸透膜の交換が必要となることが分かる。なお、開放の間隔が1分ごとと短い比較例1は、3000時間経過時でも通水開始時の90%の透過水量が得られているが、このように短い間隔で膜の洗浄を行ってもその洗浄効果は小さいだけでなく、開放の間は供給した水の大半が廃棄されるため逆浸透膜を透過する水が相対的に少なくなり経済的ではないと考えられる。なお、比較例3は、現在普及しているタイプの家庭用飲用水製造装置を想定した条件下での結果である。こうしたタイプの装置の大半は、本発明に係る装置のような流路開放用バルブを持つ第2流路を設けておらず、したがって流路開放用バルブを開放することによって逆浸透膜面の堆積物を排出する機能を備えていない。比較例3の結果から、こうしたタイプの飲用水製造装置は、ろ過性能が急速に低下すると考えられる。
【0065】
表2は、実施例3、比較例2、比較例3について、通水開始時からの時間経過に伴う蒸発残留物量(mg/L)の変化を示した表である。蒸発残留物量は、逆浸透膜からの透過水を採取して測定した。表2から、実施例3については、透過水中の蒸発残留物量は、通水開始から3000時間経過後の時点でも、通水開始時と比較して若干増加するにとどまっていることが分かる。一方、流路開放用バルブの開放の間隔が1日に1回である比較例2及び開放を行わない比較例3については、透過水中の蒸発残留物量は時間の経過に伴って上昇しており、逆浸透膜の不純物ろ過能力が低下していることが明らかである。
【0066】
【表2】

【0067】
次に、実施例3、比較例2、比較例3において用いた装置の逆浸透膜の後にミネラル添加ユニットを設置して、逆浸透膜からの透過水の硬度及び蒸発残留物量を調整した。ミネラル添加ユニットには、天然石として石灰岩(福岡県産)、化石サンゴ(沖縄県産)、ケイ石(北海道産)、麦飯石(岐阜県産)を組合せて充填した。逆浸透膜からの透過水は、ミネラル添加ユニット内の各種天然石に接触した後、ミネラル添加ユニットから排出された。表3は、実施例3、比較例2、比較例3について、通水開始からの時間経過に伴う調整後の透過水の硬度(mg/L)及び蒸発残留物量(mg/L)の変化を示した表であり、表3における実施例3−2、比較例2−2、比較例3−2は、それぞれ、表1における実施例3、比較例2、比較例3に対応する。
【0068】
【表3】

【0069】
本発明者らは、前述のように、ミネラル添加ユニットを通過した透過水は、硬度2〜50mg/L、蒸発残留物5〜100mg/Lであることが好ましく、硬度2〜30mg/L、蒸発残留物5〜50mg/Lであることがより好ましいとしている。実施例3−2については、通水開始時から3000時間経過後であっても、透過水の硬度及び蒸発残留物量ともに、上述のより好ましい範囲内にあることが分かる。一方、比較例2−2及び比較例3−2については、いずれも硬度は上述の範囲内にあるものの、比較例2−2の場合には3000時間経過時点で、比較例3−2については1000時間経過時点で、蒸発残留物量は上述のより好ましい範囲を上回っていることが分かる。
【0070】
<第1流路の有無と透過水量> 本明細書において先行技術として挙げた特許文献2の装置と本発明に係る装置との相違点は、特許文献2の装置には本発明に係る装置において設けられている第1流路がなく、流量調整用バルブが存在しないことである。特許文献2の装置では、廃棄水は、洗い流し調製バルブ(本発明における流路開放用バルブに相当)が開放された時のみ発生する。そこで、流路調整用バルブを完全に閉じ、流路開放用バルブを30分ごとに30秒間開放した場合を比較例4とし、実施例3との透過水量の変化の比較を行った。その結果を表4に示す。表4においては、実施例3における通水開始時の透過水量を100としたときの相対値を示す。比較例4について、通水開始時の透過水量は、実施例3より高い値を示したが、時間の経過とともに急速に低下しており、逆浸透膜の交換を早期に行う必要があることが分かる。
【0071】
【表4】

【0072】
<廃棄水の流路開放用バルブの開放時間と透過水量>
廃棄水の流路開放用バルブの開放間隔と透過水量との関係を求めた装置と同じ装置を用いて、流路開放用バルブの開放の時間と、通水開始から3000時間経過時点の透過水量の変化との関係を求めた。表2は、その結果を示す。開放の間隔は30分とした。表5における実施例3と、表1における実施例3とは、同じ実験の結果である。
【0073】
【表5】

【0074】
表5の結果から、実施例3及び実施例5の場合には、通水時間が3000時間を経過した時点でも通水開始時の60%以上の透過水量が得られていることが分かる。一方、比較例5のように、開放の時間が短い場合には、短期間でろ過性能が低下し、逆浸透膜の交換が必要となる。なお、開放時間が60秒と長い実施例6は、3000時間経過後であっても通水開始時の60%以上の透過水量が得られているが、このように開放の時間が長すぎる場合には、廃棄水の量が増加して経済的に望ましくないと考えられる。
【0075】
<銀イオン濃度>
実施例1〜4において用いた装置の逆浸透膜の後に銀イオン添加ユニットを設置し、銀イオン添加ユニットからの透過水中の銀イオン濃度の変化を測定した。銀イオン添加ユニットには、特許文献4の実施例1に記載された方法で作成した多孔質セラミックスからなるペレット状の銀イオン水生成用材料を約5g用いた。逆浸透膜からの透過水は、銀イオン添加ユニット内のペレット状の銀イオン水生成用材料に接触した後、銀イオン添加ユニットから排出された。通水開始時から500時間経過後までの銀イオン濃度の最大値は32ppb、最小値は11ppb、平均値は20ppbであった。このことにより、透過水は、必要な抗菌性を維持することができるように銀イオン濃度が管理されているだけでなく、米国環境基準(EPA)で定められた100ppbを超えることがなく、安全な水であることがわかる。
【0076】
<放射性物質を含む水の処理>
放射性物質を含む原水を、平均孔径0.0001μmの逆浸透膜(ダウケミカル社、メンブレンフィルタ75GPD)に連続的に通じて、放射性物質の除去の状態を確認した。原水は、流量10L/hで、ポンプを用いて0.5MPaに昇圧して逆浸透膜に供給した。廃棄水の流路は、2つの平行な流路に分岐させ、一方の流路には流量調整用バルブを設置し、他方の流路には流路開放用バルブを設置した。流量調整用バルブはニードルバルブ(エスコ社製)を用い、流路開放用バルブは電磁バルブ(日本アスコ社製)を用いた。測定開始時には流路開放用バルブを閉め、ニードルバルブの流量は、逆浸透膜を透過する透過水と廃棄水との割合が3:2〜2:1となるように調整した。なお、逆浸透膜の劣化を防止するために、逆浸透膜の前に不織布フィルタ(KENT社製5μmセディメントフィルタ)及び活性炭フィルタ(KENT社製)を設置した。通水開始時の透過水量は6L/hであった。
【0077】
原水に含まれる放射性物質の種類及び放射能濃度は、以下のとおりであった。放射能濃度は、検出限界値10Bq/kgのゲルマニウム半導体検出器(キャンベラ社製)によって検出した。なお、ヨウ素131は検出されなかった。
原水:セシウム134;400Bq/kg
セシウム137;460Bq/kg
【0078】
処理後の透過水及び廃棄水の放射能濃度は、以下のとおりであった。
透過水:いずれも検出されず
廃棄水:セシウム134;980Bq/kg
セシウム137:1,100Bq/kg
この結果から、原水に含まれる放射性物質は、すべて逆浸透膜によって分離され、廃棄水に移行したものと考えられる。
【符号の説明】
【0079】
1 飲用水製造装置
10 給水弁
20 不織布フィルタ
30 ポンプ
40 活性炭フィルタ
42 パルス電流印加ユニット
44 パルス電源
46 コイル
50 不純物除去ユニット
52 逆浸透膜
60 流量調整ユニット
61 第1流路
62 流量調整用バルブ
63 第2流路
64 流路開放用バルブ
66 制御装置
70 銀イオン添加ユニット
72 銀含有多孔質セラミックス
80 ミネラル添加ユニット
82 天然石充填層
90 イオン交換樹脂層
92 銀添着活性炭層
96 タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆浸透膜を用いて水道水中の不純物が除去されたミネラル含有飲用水を製造するための飲用水製造装置において、通水開始時から3000時間経過後の時点における透過水量が通水開始時の透過水量の60%以上であり、製造される飲用水に持続的な抗菌性が付与される、飲用水製造装置であって、
水道水を加圧するポンプと、
加圧された前記水道水を不純物を含む廃棄水と透過水とに分離する逆浸透膜と、
前記廃棄水が通る並列の第1流路及び第2流路と、
前記第1流路に設けられ、該流路を流れる廃棄水の流量を制御する流量調整用バルブと、前記第2流路に設けられ、該流路を開閉する流路開放用バルブと、該流路開放用バルブの開閉を制御する制御装置とを有する、流量調整ユニットと、
前記透過水を貯留するタンクと、
前記タンク内に保持され、前記タンク内の前記透過水と接触することによって前記透過水に銀イオンを添加するための銀含有多孔質セラミックスからなる材料と、
を備え、
飲用水製造時には前記流路開放用バルブを閉じ前記流量調整用バルブの流量を調整することによって前記透過水の流量を維持し、前記水道水の加圧を維持しながら前記制御装置により前記流路開放用バルブが5分〜60分間隔で10秒〜40秒間開放されることによって前記逆浸透膜の表面に堆積した不純物が剥離されるように構成されたことを特徴とする、飲用水製造装置。
【請求項2】
前記逆浸透膜と前記タンクとの間に、前記透過水と接触させることによって前記透過水に銀イオンを添加するための銀含有多孔質セラミックスからなる材料をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の飲用水製造装置。
【請求項3】
前記タンク内の前記透過水に含まれる銀イオンの濃度が5〜90ppbであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の飲用水製造装置。
【請求項4】
前記透過水を通過させることによって前記透過水の硬度及び蒸発残留物が自然水と同等となるように前記透過水にミネラルを添加する1つ又は複数の種類の天然石からなる天然石充填層をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の飲用水製造装置。
【請求項5】
前記逆浸透膜によって除去できなかったイオンを前記透過水から除去するためのイオン交換樹脂層と、前記逆浸透膜によって除去できなかった放射性元素を前記透過水から除去するための銀添着活性炭層とをさらに備えることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の飲用水製造装置。
【請求項6】
逆浸透膜を用いて水道水中の不純物が除去されたミネラル含有飲用水を製造するための飲用水製造方法において、通水開始時から3000時間経過後の時点における透過水量が通水開始時の透過水量の60%以上であり、製造される飲用水に持続的な抗菌性が付与される、飲用水製造方法であって、
水道水を加圧する工程と、
逆浸透膜によって、加圧された前記水道水を不純物を含む廃棄水と透過水とに分離する工程と、
並列の第1流路及び第2流路を介して前記廃棄水を廃棄する工程と、
前記透過水をタンクに貯留する工程と、
前記タンク内において前記透過水と銀含有多孔質セラミックスからなる材料とを接触させることによって、前記透過水に銀イオンを添加する工程と、
を含み、
飲用水製造時には前記第2流路を閉じ前記第1流路を流れる廃棄水の流量を調整することによって前記透過水の流量を維持し、前記水道水への加圧を維持しながら前記第2流路を5分〜60分間隔で10秒〜40秒間開放することによって前記逆浸透膜の表面に堆積した不純物を剥離することを特徴とする、飲用水製造方法。
【請求項7】
前記透過水をタンクに貯留する工程の前に、前記透過水を銀含有多孔質セラミックスからなる材料に接触させることによって、前記透過水に銀イオンを添加する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の飲用水製造方法。
【請求項8】
前記タンク内の前記透過水に含まれる銀イオンの濃度が5〜90ppbであることを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の飲用水製造方法。
【請求項9】
前記透過水を1つ又は複数の種類の天然石からなる天然石充填層に通すことによって、前記透過水の硬度及び蒸発残留物が自然水と同等となるように前記透過水にミネラルを添加する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の飲用水製造方法。
【請求項10】
前記透過水をイオン交換樹脂層に通すことによって、前記逆浸透膜で除去できなかったイオンを前記透過水から除去する工程と、前記透過水を銀添着活性炭層に通すことによって、前記逆浸透膜によって除去できなかった放射性元素を前記透過水から除去する工程とをさらに含むことを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の飲用水製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−49047(P2013−49047A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−148166(P2012−148166)
【出願日】平成24年7月2日(2012.7.2)
【出願人】(501426161)グリーンアーム株式会社 (7)
【Fターム(参考)】