説明

飲食時用食べこぼし受け

[課題] 口元を拭きながら食事をすることなく、衣服や寝具を汚すことなく、身体不自由者及び介助者の精神的、肉体的な負担を軽減させることが可能な飲食時用食べこぼし受けを提供する。
[解決手段] 食べこぼし受け本体1は、周壁を上方になるに従い外傾させたのち左右側縁2及び後側縁3は外方に向かって僅かばかり延設させ、前側縁4は上面が顎に密接するように、一端、内方に向かって湾曲させたのち外方に向かって僅かばかり延設させて形成し、食べこぼし受け本体1の内部に、片6を備えた吸収性部材5を設け、片6を前記前側縁4の上面に取付け、前記左右側縁2の前側と前記前側縁4の左右端部に挿入穴8を形成して耳掛け紐7を挿入したことを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は飲食時用食べこぼし受け、更に詳しくは咀嚼した食物や口の中に入れた食物の食べこぼし或いは唾液等が垂れることによる衣服及び寝具の汚れを防止することを可能にした飲食時用食べこぼし受けに関するものであり、特に自己の意思通り身体が機能しない身体不自由者が用いるのに適した飲食時用食べこぼし受けに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自己の意思通り身体が機能しない身体不自由者が食事をするとき、咀嚼力を有していても口輪筋に締まりが無いので、食物や唾液がこぼれたり或いは汁物等の液体の場合はスプーンを使用しても下唇を伝って垂れたり首筋の方へ流れたりして衣服や寝具を汚していた。
そこで衣服や寝具の汚れを防止するために、胸元にナプキンを当てたり膝の上にタオルを置いたり、タオルで口元を度々拭いていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、食事の都度、タオルで口元を度々拭いたり、ナプキンやタオルを使用する事は、身体不自由者及び介助者に精神的にも肉体的にも負担がかかるという問題点があった。
【0004】
そこで、本考案はこれらの問題点を鑑みてなされたもので、口元を拭きながら食事をすることなく、衣服や寝具を汚すことなく、身体不自由者及び介助者の精神的、肉体的な負担を軽減させることが可能な飲食時用食べこぼし受けを提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、食べこぼし受け本体は、周壁を上方になるに従い外傾させたのち左右側縁及び後側縁は外方に向かって僅かばかり延設させ、前側縁は上面が顎に密接するように、一端、内方に向かって湾曲させたのち外方に向かって僅かばかり延設させて形成し、食べこぼし受け本体の内部に、片を備えた吸収性部材を設け、該片を前記前側縁の上面に取付け、左右側縁の前部と前側縁の左右端部に挿入穴を形成し、該挿入穴に耳掛け紐を挿入したことを特徴とする。
【0006】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の実施の形態の一例を、図面に基づいて説明する。
各図面において、図1は斜視図、図2は図1のA−A線拡大断面図、図3は図1のB−B線拡大断面図、図4は使用状態を示す説明図である。
食べこぼし受け本体1は、、周壁を上方になるに従い外傾し、左右側縁2及び後側縁3は外方に向かって僅かばかり延設させ、前側縁4は上面が顎に密接するように、一端、内方に向かって湾曲させたのち外方に向かって折返し、全体が椀形状になるように紙製の型押加工により形成されている。
食べこぼし受け本体1の内下部には綿、紙製或いは合成樹脂等のいずれか若しくはこれら2以上の物の混合体よりなる片6を備えた吸収性部材5が取付けられ、片6は前側縁4の上面に取付けられている。7は耳掛け紐であって、伸縮性部材例えばゴムでできている。左右側縁2の前部と前側縁4の左右端部に挿入穴8を形成し、該挿入穴8に耳掛け紐7を挿入して食べこぼし受け本体1に取付ける。食べこぼし受け本体1の底面を凹凸に形成すると、強固となり好ましい。
次にこのような実施の形態の実際の使用状態について説明する。
まず、飲食する前に、片6を介して顎に前側縁4を当接した状態で左右耳掛け紐7を左右の耳に掛ける。すると挿入穴8の位置と顎に当接された前側縁4の位置関係により食べこぼし受け本体1は地面に対して平行状態になるように均衡が保たれる。そこで、食物等を口に運んでも、口からこぼれた食物は吸収性部材5上に落下して液体は吸収され、口から垂れた流動食、飲料、汁物、唾液などは片6により吸収されて顎から首を伝わって流れることを阻止する。使用後は可燃ごみとして処理する。
尚、本考案は、食べこぼし受け本体1が椀形状であることを説明したが、本考案はこれに限定するものではなく、容器の役目を果たせば良いものである。また、左右側縁及び後側縁が外方に向かって僅かばかり延設していることを説明したが、延設していないものも包含する。
【0007】
【考案の効果】
飲食物が口からこぼれても、食べこぼし受け本体内に落下し、流動食、飲料等の液体や唾液は片が吸収するので、首、衣服や寝具等を不当に汚すことがないという効果がある。
耳掛け紐を耳に掛けた場合、耳の位置からえらの位置にかけて耳掛け紐が伸びるように挿入穴を左右側縁の前方と前側縁の左右端部に夫々形成したので、前側縁が顎に密接すると食べこぼし受け本体は地面に対して水平状態を維持するという効果がある。
又、食べこぼし受け本体は紙を材質としているので、可燃ゴミとして処理することができ、環境を破壊することがないという効果がある。
更に、使用者、介助者の食事に対する精神的、肉体的疲労を軽減させるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】飲食時用食べこぼし受けの斜視図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】図1のB−B線拡大断面図である。
【図4】飲食時用食べこぼし受けの使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 食べこぼし受け本体
2 左右側縁
3 後側縁
4 前側縁
5 吸収性部材
6 片
7 耳掛け紐
8 挿入穴

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 食べこぼし受け本体は、周壁を上方になるに従い外傾させたのち左右側縁及び後側縁は外方に向かって僅かばかり延設させ、前側縁は上面が顎に密接するように、一端、内方に向かって湾曲させたのち外方に向かって僅かばかり延設させて形成し、前記食べこぼし受け本体の内部に、片を備えた吸収性部材を設け、該片を前記前側縁の上面に取付け、前記左右側縁の前側と前記前側縁の左右端部に挿入穴を形成し、該挿入穴に耳掛け紐を挿入したことを特徴とする飲食時用食べこぼし受け。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】実用新案登録第3087475号(U3087475)
【登録日】平成14年5月15日(2002.5.15)
【発行日】平成14年8月2日(2002.8.2)
【考案の名称】飲食時用食べこぼし受け
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2002−1005(U2002−1005)
【出願日】平成14年1月23日(2002.1.23)
【出願人】(500338551)