説明

飲食物容器回収装置

【課題】飲食物容器が水路の下方に沈下することで搬送が滞ってしまうことがない飲食物容器回収装置を提供すること。
【解決手段】飲食物容器3を水流22で搬送する水路14,15,16を有する飲食物容器回収装置13であって、水路14,15,16の水中の上方に向けて流体を噴出する噴出手段23,25を有し、水流22で搬送される飲食物容器3が、水路14,15,16の底方に沈下したような場合に、噴出手段23,25から水路14,15,16の水中の上方に向けて流体が噴出されるので、この流体が飲食物容器3に当たることで、飲食物容器3が上方に浮き上がり、水流22で搬送される飲食物容器3が、水路14,15,16の底方に沈下して搬送が滞ることがあるのを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物容器を水流で搬送する水路を有する飲食物容器回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の飲食物容器回収装置は、飲食店内にて、食べ終わった皿(飲食物容器)を回収するための水流が移動する皿回収水路(水路)を備えており、この皿回収水路内には、底面にて水流方向に移動して皿を水流方向に押し出す幅方向を向く押出体が組み付けられた一対の無端帯が水流方向に掛け渡されており、底面付近の皿を押出体によって皿を回収槽に向けて強制的に押し出すことによって、皿を皿回収水路内に停滞させることなく、皿を回収槽まで搬送しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3145034号公報(第3頁、第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の飲食物容器回収装置にあっては、皿回収水路(水路)は、皿回収水路の底面付近の皿を強制的に押し出して搬送するものであるため、押出体や一対の無端帯に皿が引っ掛かるなどしてスムーズに搬送できないことがあるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、飲食物容器が水路の下方に沈下することで搬送が滞ってしまうことがない飲食物容器回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の飲食物容器回収装置は、
飲食物容器を水流で搬送する水路を有する飲食物容器回収装置であって、
前記水路の水中の上方に向けて流体を噴出する噴出手段を有することを特徴としている。
この特徴によれば、水流で搬送される飲食物容器が、水路の底方に沈下したような場合に、噴出手段から水路の水中の上方に向けて流体が噴出されるので、この流体が飲食物容器に当たることで、飲食物容器が上方に浮き上がり、水路の水流に載ってスムーズに搬送されることができる。これにより、水流で搬送される飲食物容器が、水路の底方に沈下して搬送が滞ることがあるのを防ぐことができる。
【0007】
本発明の飲食物容器回収装置は、
前記水路内であって、前記噴出手段の上方に、当該水路の幅方向および/または長手方向に複数の孔を備える流体拡散手段を有することを特徴としている。
この特徴によれば、流体拡散手段の複数の孔を通して、噴出手段から噴出された流体が、拡散されるため、拡散された流体が、飲食物容器に満遍なく当たることができるので、飲食物容器が上方に浮き上がりやすくなる。流体拡散手段の幅方向の複数の孔によれば、水路の位置する飲食物容器の幅方向に、拡散された流体が当たりやすくなり、流体拡散手段の長手方向の複数の孔によれば、水路の長手方向に位置する複数の飲食物容器のそれぞれに拡散された流体が当たりやすくなる。
【0008】
本発明の飲食物容器回収装置は、
前記噴出手段は、前記水路の長手方向に沿って設けられ、上方に向けて前記流体を噴出する噴出口を備える送出管と、当該送出管に前記流体を送出するための流体ポンプとを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、水路の長手方向に沿って設けられた送出管の噴出口から上方に向けて流体が噴出されるので、水路の長手方向に搬送される飲食物容器に対して流体を効率よく噴出させることができる。噴出口は、送出管の長手方向に沿って、所定間隔で複数設けるようにしてもよい。また、送出管は、複数備えるようにしてもよい。流体ポンプは、流体を圧縮して送出することができる。
【0009】
本発明の飲食物容器回収装置は、
前記噴出手段は、前記水路の底部または側部に設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、噴出手段を水路の底部に設けることで、流体が、飲食物容器の下側に当たりやすくなり、飲食物容器が上方に浮き上がりやすくなる。また、水路の高さ方向の長さを短くしたい場合には、噴出手段は水路の側部に設けてもよい。さらに、噴出手段の送出管は、水路内に設けずに、水路の外側に別に設けるようにしてもよい。例えば、幅方向外側の両側壁や、水路の底面外側に送出管を設けてもよい。水路の外側に別に設けることにより、水路の水による送出管の汚れを防ぐことができる。
【0010】
本発明の飲食物容器回収装置は、
前記噴出手段の流体は、気体であることを特徴としている。
この特徴によれば、噴出手段の流体を、気体とすることで、水流により搬送される飲食物容器が上方により浮き上がりやすくなる。気体としては、水よりも比重の軽い気体、例えば空気などを利用することで、より飲食物容器が浮き上がりやすくなり、また、安全に飲食物容器回収装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例における寿司皿回収装置が設けられている飲食物循環搬送装置を示す平面図である。
【図2】回収水路を示す概略図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】寿司皿回収装置の構成を示す概略図である。
【図5】図2における一部破断B−B断面図である。
【図6】本実施例の第1の変形例としての回収水路の断面図である。
【図7】本実施例の第2の変形例としての回収水路の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る飲食物容器回収装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0013】
実施例に係る飲食物容器回収装置につき、図1から図7を参照して説明する。図1の符号1は、本発明の使用済飲食物容器の搬送装置の一実施例である寿司皿回収装置13を下部に備え、上部にて寿司等の飲食物を搬送する飲食物循環搬送装置である。この飲食物循環搬送装置1は、例えば回転寿司店等の飲食店において、料理人が調理を行う厨房Cと飲食客が飲食を行う店内Kとに亘って延設された支持台2(図3参照)が設けられており、料理人が調理した飲食物としての寿司が載置された飲食物容器としての寿司皿3を店内の飲食客に循環搬送して、寿司を提供する装置である。
【0014】
図1に示すように、飲食物循環搬送装置1には、店内K側に平面視櫛歯状に3つの島部4a,4b,4cが形成された無端状の循環搬送路9が設けられ、各島部4a,4b,4cを囲むように飲食カウンタ5及び飲食テーブル6と、飲食カウンタ5及び飲食テーブル6で飲食客が着座する客席7とが配備されている。
【0015】
また、各島部4a,4b,4cでは、飲食カウンタ5及び飲食テーブル6と客席7とで飲食客が飲食可能となっている。店内Kと厨房Cとの間には、店内Kと厨房Cとを隔てる壁Wが設けられており、循環搬送路9に載置された寿司皿3は、壁Wに設けられた複数の開口8を通過して店内の各島部4a,4b,4cにほぼ一定速度にて搬送されて、飲食客に提供されるようになっている。
【0016】
循環搬送路9は、互いに相対移動可能に連結された公知のクレセントチェーンコンベア9a(図3参照)によって形成されており、これらクレセントチェーンコンベア9aをほぼ一定速度にて移動するように駆動する図示しない駆動モータが、循環搬送路9の内部の適宜位置に設けられており、駆動モータ及びクレセントチェーンコンベア9aによって飲食物循環搬送装置1が構成されている。
【0017】
飲食物循環搬送装置1を構成するクレセントチェーンコンベア9aは、厨房Cで寿司の載置された寿司皿3が投入されると、先ず、寿司皿3を図1に示す店内Kの右端の島部4aに搬送し、この島部4aの先端部まで搬送した後に、折り返して再び島部4aの根元部分である厨房C側まで戻り、次いで中央の島部4bに搬送されるようになっており、最終的に左端の島部4cまで搬送された後に再び厨房Cに戻るようになっている。
【0018】
また、各島部4a,4b,4cにおける飲食物循環搬送装置1の左右側面には、図3及び図4に示すように、各飲食カウンタ5及び飲食テーブル6にて飲食客が飲食を行って不用となった寿司皿3を、飲食物循環搬送装置1の下方である支持台2内に投入するための回収口10が、各飲食カウンタ5及び飲食テーブル6に対応して複数設けられている。
【0019】
これら回収口10は、寿司皿3を1枚ずつ投入可能な程度の大きさに形成されている。また、これら回収口10から投入された寿司皿3は、支持台2内部を通過して、厨房C内の右側に設けられた回収槽12まで搬送されるようになっており、回収槽12まで搬送された寿司皿3は、飲食店の従業員等によって回収槽12から回収されるようになっている。
【0020】
支持台2の内部には、図2及び図3に示すように、本発明における飲食物容器回収装置としての寿司皿回収装置13が設けられている。この寿司皿回収装置13は、寿司皿3を厨房C内に設けられた回収槽12まで搬送するための、本発明における水路としての3つの回収水路14,15,16を備えている。
【0021】
尚、図3に示すように、本実施例における寿司皿3の直径はL1の長さを有しており、回収水路14,15,16の短手方向側の幅寸法は、L2の長さを有し、寿司皿3が1枚だけ搬送され、幅方向に2枚並列に搬送されないように、L1とL2の長さを規定している。これら寿司皿3の直径L1と回収水路14,15,16の左右方向である短手方向側の幅寸法L2との関係を説明すると、L2はL1よりも長く、L1の2倍の長さよりも短い関係にある(L1<L2<L1×2)。
【0022】
回収水路14,15,16は、図2に示すように、各島部4a,4b,4cの先端部から厨房C内までに延設されている店内側回収水路14a,15a,16aと、店内側回収水路14a,15a,16aの厨房C側の端部から回収槽12に連通している厨房側回収水路14b,15b,16bと、から構成されている。
【0023】
店内側回収水路14a,15a,16aは、図3に示すように、飲食カウンタ5及び飲食テーブル6の各回収口10にスロープ19を介して接続されており、飲食客が寿司皿3を回収口10に投入すると、寿司皿3がスロープ19を伝って店内側回収水路14a,15a,16a内に投入されるようになっている。
【0024】
以下、回収水路14,15,16は略同一構成につき、ここでは回収水路14を一例として説明する。この回収水路14を含む寿司皿回収装置13は、図4に示すように、水流22を発生させるポンプ20を備えている。
【0025】
このポンプ20は、図4に示すように、図示しない吸入口を回収槽12から延設されている配管26に接続されるとともに、図示しない吐出口を回収水路14の上流部側である、島部4aの先端に位置している店内側回収水路14aの先端に送水管30を介して接続されている。
【0026】
そして、ポンプ20は、図4及び図5に示すように、回収槽12内に貯留されている水を吸入口から吸入するとともに、吐出口から水を店内側回収水路14aの先端に向けて送水することで、回収水路14内に水流22を発生させるようになっている。このため、回収口10から投入された寿司皿3は、回収水路14内に発生した水流22によって回収水路14の下流部側である回収槽12まで搬送されるようになっており、回収槽12に搬送された寿司皿3は厨房C内の従業員等によって回収される。
【0027】
回収水路14内から回収槽12に注がれた水流22は、再びポンプ20によって吸入された後に店内側回収水路14aの先端に向けて吐き出されるようになっており、回収水路14と回収槽12とポンプ20とによって水の循環系が形成されている。
【0028】
尚、回収槽12には、図4に示すように、回収槽12内に厨房C内の図示しない給水口等から水を給水するための給水管33と、回収槽12から厨房C内の図示しない排水口等へ水を排水するための排水管34とが接続されている。これら給水管33からの給水量と排水管34からの排水量は、同一量且つ、回収水路14から回収槽12に流れ込む水流22の流量よりも少なく設定されており、順次前述の循環系より水を交換するようになっている。
【0029】
また、図3及び図5に示すように、回収水路14内の底部には、回収水路14の長手方向の略全長に亘って延設され、水路の水中の上方に向けて流体を噴出するために流体を送出する送出管23が、回収水路14の短手方向側の中央部に複数本(本実施例では2本)並設されている。これら送出管23,23の上部には、送出管23の長手方向に沿って、上方に流体を噴出する噴出口23aが複数形成されている。更に、これら送出管23,23の上方には、回収水路14の長手方向の略全長に亘って本発明における流体拡散手段としての拡散板24が配置されている。
【0030】
この拡散板24は、送出管23,23が配置されている回収水路14内の底部と、寿司皿3が水流によって搬送される回収水路14内の上部とを仕切る仕切板である。また、拡散板24には、小孔24aが拡散板24の短手方向及び長手方向に沿って複数形成され、小孔24aは上下方向に貫通している。尚、図4に示すように、これら送出管23,23は、各送出管23,23内に本発明における流体としての気体である圧縮空気を送り込む、本発明における流体ポンプとしてのコンプレッサ25が接続されている。
【0031】
このコンプレッサ25から各送出管23,23に送り込まれる圧縮空気は、図3及び図5に示すように、各送出管23,23の噴出口23aを介して、回収水路14内に放出されるようになっている。更に、噴出口23aから放出された圧縮空気は、拡散板24に形成された各小孔24aによって無数の気泡27に分解され、回収水路14内における拡散板24の上方に向けて拡散して放出されるようになっている。つまり、本実施例における送出管23とコンプレッサ25とは、本発明における噴出手段を構成している。
【0032】
このように、回収水路14内が構成されることで、図3及び図5に示すように、寿司皿3は、回収口10から投入されると、寿司皿3の直径L1と回収水路14の短手方向側の幅寸法L2との関係(L1<L2<L1×2)から、回収水路14内にて、回収水路14の短手方向側の略中央に配置される。
【0033】
そして、寿司皿3は、回収水路14内に生じている水流22によって回収槽12まで搬送される。この回収槽12まで搬送される過程において、寿司皿3は回収水路14の底部に向けて沈降しようとするが、寿司皿3の下方に位置している拡散板24から放出される無数の気泡27が寿司皿3に当接することで、寿司皿3が上方に浮き上がり、寿司皿3の回収水路14の底部に向けての沈降が防止されている。同時に本実施例では、これら気泡27が寿司皿3の表面に当接することで、気泡27による寿司皿3に付着している食べ滓等の洗浄効果が期待できる。
【0034】
更にこのとき、図3に示すように、寿司皿3の糸底3a内に気泡27が入り込むことで空気塊28が形成されると、この空気塊28によって寿司皿3に浮力が生じ、寿司皿3を回収槽12に向けて安定して搬送することが可能となっている。また、寿司皿3は、気泡27が入り込みやすいように、糸底3aの高さをより大きく構成するようにしてもよい。また、寿司皿3の回収時に飲食物の載置面が下方に向いている回収水路に投入された場合にも、載置面の湾曲した部分に気泡27が入り込み空気塊が形成されて寿司皿3に浮力が生じ、寿司皿3を回収槽12に向けて安定して搬送することが可能となっている。
【0035】
尚、本実施例では、回収水路14内の底部における回収水路14の短手方向側の中央部に2本の送出管23を並設したが、本実施例の第1の変形例として、図6に示すように、これら送出管23,23は、回収水路14内の底部の側部である両側壁側にそれぞれ一本ずつ配置するようにしてもよい。
【0036】
この場合には、各送出管23,23の噴出口23aを、回収水路14における短手方向側の中央部の上方を向くように、図3に示す配置位置よりも傾斜させて配置することで、回収水路14内の短手方向側の中央部を水流22によって搬送される寿司皿3に気泡27を当接させることが可能となる。
【0037】
また、本実施例では、回収水路14内の底部における回収水路14の短手方向側の中央部に2本の送出管23を並設したが、本実施例の第2の変形例として、図7に示すように、各送出管23,23を回収水路14の下方の外部に配置するとともに、各送出管23,23から回収水路14内の底部に噴出口23bを連通させるようにしてもよい。
【0038】
この場合には、送出管23,23の大部分を水流22に触れない回収水路14の外方に配置することができるので、送出管23,23に水垢や寿司皿3に付着していた食べ滓等が付着することを防止し、寿司皿回収装置13のメンテナンスの際、清掃を簡略化することができる。
【0039】
以上、本実施例における寿司皿回収装置13にあっては、回収水路14,15,16の水中の上方に向けて流体を噴出する噴出手段を有するので、水流22で搬送される寿司皿3が、回収水路14,15,16の底方に沈下したような場合に、噴出手段から回収水路14,15,16の水中の上方に向けて流体が噴出されるので、この流体が寿司皿3に当たることで、寿司皿3が上方に浮き上がり、回収水路14,15,16の水流22に載ってスムーズに搬送されることができる。これにより、水流22で搬送される寿司皿3が、回収水路14,15,16の底方に沈下して搬送が滞ることがあるのを防ぐことができる。
【0040】
また、回収水路14,15,16内であって、噴出手段の上方に、回収水路14,15,16の幅方向および/または長手方向に複数の小孔24aを備える拡散板24を有するので、拡散板24の複数の小孔24aを通して、噴出手段から噴出された流体が、拡散されるため、拡散された流体が、寿司皿3に満遍なく当たることができるので、寿司皿3が上方に浮き上がりやすくなる。拡散板24の幅方向の複数の小孔24aによれば、回収水路14,15,16の位置する寿司皿3の幅方向に、拡散された流体が当たりやすくなり、拡散板24の長手方向の複数の小孔24aによれば、回収水路14,15,16の長手方向に位置する複数の寿司皿3のそれぞれに拡散された流体が当たりやすくなる。
【0041】
また、噴出手段は、回収水路14,15,16の長手方向に沿って設けられ、上方に向けて流体を噴出する噴出口23aを備える送出管23と、送出管23に流体を送出するためのコンプレッサ25とを備えるので、回収水路14、15、16の長手方向に沿って設けられた送出管23の噴出口23aから上方に向けて流体が噴出されるので、回収水路14,15,16の長手方向に搬送される寿司皿3に対して流体を効率よく噴出させることができる。噴出口23aは、送出管23の長手方向に沿って、所定間隔で複数設けるようにしてもよい。また、送出管23は、複数備えるようにしてもよい。コンプレッサ25は、空気を圧縮して送出することができる。
【0042】
また、送出管23は、回収水路14,15,16の底部または側部に設けられるので、送出管23を回収水路14,15,16の底部に設けることで、流体が、寿司皿3の下側に当たりやすくなり、寿司皿3が上方に浮き上がりやすくなる。また、回収水路14,15,16の高さ方向の長さを短くしたい場合には、送出管23は回収水路14,15,16の側部に設けてもよい。さらに、送出管23は、回収水路14,15,16内に設けずに、回収水路14,15,16の外側に別に設けるようにしてもよい。例えば、幅方向外側の両側壁や、回収水路14,15,16の底面外側に送出管23を設けてもよい。回収水路14,15,16の外側に別に設けることにより、回収水路14,15,16の水による送出管23の汚れを防ぐことができる。
【0043】
また、噴出手段の流体は、圧縮空気であるので、噴出手段の流体を、圧縮空気とすることで、水流22により搬送される寿司皿3が上方により浮き上がりやすくなる。気体としては、水よりも比重の軽い気体、例えば空気などを利用することで、より寿司皿3が浮き上がりやすくなり、また、安全に寿司皿回収装置13を構成できる。
【0044】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0045】
例えば、前記実施例では、流体を圧縮空気として説明したが、各送出管23,23をポンプ20に接続し、ポンプ20から送水される水を流体として噴出口23aから噴出させるようにしてもよい。この場合は、ポンプ20が本発明における流体ポンプを構成する。
【0046】
また、前記実施例では、回収水路14と回収槽12とポンプ20とによって水の循環系を形成し、ポンプ20から水を店内側回収水路14aの先端に向けて送水することで、回収水路14内に水流22が発生するようにしたが、店内側回収水路14aの先端に上水道から水を送水し、店内側回収水路14aから回収槽12に注がれた水はそのまま下水道等に排水されるようにしてもよい。
【0047】
また、前記実施例では、飲食物を寿司として説明したが、飲食物は寿司10以外の料理や酒類等の飲料であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 飲食物循環搬送装置
3 寿司皿(飲食物容器)
12 回収槽
13 寿司皿回収装置(飲食物容器回収装置)
14,15,16 回収水路
20 ポンプ
22 水流
23 送出管(噴出手段)
23a,23b 噴出口
24 拡散板(流体拡散手段)
24a 小孔
25 コンプレッサ(流体ポンプ,噴出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物容器を水流で搬送する水路を有する飲食物容器回収装置であって、
前記水路の水中の上方に向けて流体を噴出する噴出手段を有することを特徴とする飲食物容器回収装置。
【請求項2】
前記水路内であって、前記噴出手段の上方に、当該水路の幅方向および/または長手方向に複数の孔を備える流体拡散手段を有することを特徴とする請求項1に記載の飲食物容器回収装置。
【請求項3】
前記噴出手段は、前記水路の長手方向に沿って設けられ、上方に向けて前記流体を噴出する噴出口を備える送出管と、当該送出管に前記流体を送出するための流体ポンプとを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の飲食物容器回収装置。
【請求項4】
前記噴出手段は、前記水路の底部または側部に設けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の飲食物容器回収装置。
【請求項5】
前記噴出手段の流体は、気体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の飲食物容器回収装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−165808(P2012−165808A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27315(P2011−27315)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(390010319)株式会社石野製作所 (85)
【Fターム(参考)】