説明

飲食物容器提供装置

【課題】 盛り付けの誤りを解消することで、飲食客との間のトラブルの発生や不利益の発生を回避すること。
【解決手段】 複数種の飲食物容器4を個別に貯留するとともに、該貯留されている各種の飲食物容器4を個別に排出可能とされた貯留排出手段10と、操作者の音声が入力可能な音声入力手段16,17と、該入力音声が予め登録されているどの種類の飲食物であるかを認識する音声認識手段33と、該音声認識手段33にて認識された飲食物の種類に対応する飲食物容器4の排出指示を前記貯留排出手段10に出力する制御手段31と、から成り、前記操作者により音声入力された飲食物に対応する飲食物容器4を排出し、操作者に提供する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、例えば無端状の循環搬送路上を飲食物容器である寿司皿等が搬送される回転寿司等において、複数種の寿司皿の中から、飲食物の種類である寿司ネタの種類に対応した寿司皿を、操作者である寿司職人等に提供する飲食物容器提供装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無端状に形成されている飲食物搬送用の循環型搬送路を、カウンタ−等の飲食台に沿って設け、この搬送路に飲食物、例えば寿司等を盛り付けた皿等の飲食物容器を載置して搬送、供給する循環搬送型の飲食カウンタ−は、飲食客や調理人が移動することなく飲食或いは調理することができ、更に飲食客は席にいながらにして自分の所望する商品を選びながら飲食できることから広く使用されている。
【0003】これら寿司等を飲食客に提供する場合には、通常において寿司ネタによって値段が異なることから、これら値段を飲食後においても把握できるように、寿司ネタの値段に対応する異なる種類、例えば異なる絵柄等の寿司皿を使用して、各種の寿司皿に対応する値段の寿司ネタを盛り付けて提供することが実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら各種の寿司皿に対応する値段の寿司ネタを盛り付けて提供する場合においては、寿司ネタの盛り付け時に誤って対応しない寿司ネタを盛り付けてしまう場合があり、飲食客との間にトラブルを生じる場合があるばかりか、店側にとっても不利益を生じてしまうという問題があった。
【0005】よって、本発明は上記した問題点に着目してなされたもので、盛り付けの誤りを解消することで、飲食客との間のトラブルの発生や不利益の発生を回避することのできる飲食物容器提供装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した問題を解決するために、本発明の飲食物容器提供装置は、複数種の飲食物容器を個別に貯留するとともに、該貯留されている各種の飲食物容器を個別に排出可能とされた貯留排出手段と、操作者の音声が入力可能な音声入力手段と、該入力音声が予め登録されているどの種類の飲食物であるかを認識する音声認識手段と、該音声認識手段にて認識された飲食物の種類に対応する飲食物容器の排出指示を前記貯留排出手段に出力する制御手段と、から成り、前記操作者により音声入力された飲食物に対応する飲食物容器を排出し、操作者に提供することを特徴としている。この特徴によれば、操作者である職人が、飲食物の種類、例えば寿司ネタの種別を音声にて入力することで、該入力した飲食物の種類である寿司ネタの種別に対応した種類の飲食物容器である寿司皿が排出、提供されるようになるため、盛り付けに伴う誤りを解消でき、よって飲食客との間のトラブルの発生や不利益の発生を回避することができる。
【0007】本発明の飲食物容器提供装置は、前記飲食物容器には、少なくとも飲食物容器の種別を識別可能な識別符号が読み取り可能に付与され、前記排出された飲食物容器の識別符号を読み取る読み取り手段を具備することが好ましい。このようにすれば、例えば前記貯留排出手段に誤って異なる種別の飲食物容器が収容されていて、該異なる種別の飲食物容器が排出・提供されたとしても、これら提供した飲食物容器の種別誤りを検出することができる。
【0008】本発明の飲食物容器提供装置は、前記識別符号は飲食物容器毎に固有のものとされ、該識別符号と前記音声認識手段にて認識された飲食物の種類とを対応付けて登録する記憶手段を具備することが好ましい。このようにすれば、これら記憶手段の記憶情報を、供給されている飲食物の種類や数量等の管理や、精算等に使用することができるようになる。
【0009】本発明の飲食物容器提供装置は、前記飲食物が載置或いは収容した飲食物容器が投入される無端状の循環搬送路上において、前記飲食物容器に付与された識別符号を読み取る第2の読み取り手段を具備することが好ましい。このようにすれば、該第2の読み取り手段にて読みとられた識別符号と前記記憶手段に登録された登録情報とに基づき、前記循環搬送路上の飲食物の即時的管理を実施できる。
【0010】本発明の飲食物容器提供装置は、前記記憶手段には、前記識別符号に対応付けて、登録の時間情報または操作者を識別可能な操作者情報の少なくとも一方を登録することが好ましい。このようにすれば、登録の時間が調理の時間とほぼ同一であることから、調理時間並びにその飲食物を調理した操作者を、適宜に把握・確認することができる。
【0011】本発明の飲食物容器提供装置は、前記読み取り手段は、前記飲食物容器に付与された識別符号の読み取りを非接触状態にて実施可能とされていることが好ましい。このようにすれば、読み取りにおける飲食物容器の損耗を低減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
(実施例)図1は本実施例の飲食容器である寿司皿提供装置並びに循環搬送路を備えた本実施例の飲食カウンタを示す外観斜視図であり、図2は、本実施例において用いた飲食物容器提供装置である寿司皿提供装置の構成を示すブロック図であり、図3は、本実施例の寿司皿提供装置を構成する皿ストッカーを示す正面図であり、図4は、本実施例において用いた非接触IDタグを内在する寿司皿を示す一部破断側面図であり、図5は、本実施例において用いた寿司皿提供装置を構成する制御コンピュータの構成を示すブロック図である。
【0013】まず、本実施例の寿司皿提供装置が設けられた飲食カウンタは、図1に示されるような外観構成とされており、循環型搬送路であるクレセントチェ−ンコンベア2が無端状にカウウンタ−1に沿って配置され、該クレセントチェ−ンコンベア2の内部の一方端側に、前記制御コンピュータ6からの排出指示に基づき、内部に貯留されている各種寿司皿を1枚づつ排出して提供する皿ストッカー10が設けられており、該皿ストッカー10より排出された寿司皿4に操作者である寿司職人が寿司を盛り付けて前記クレセントチェ−ンコンベア2上に投入するようになっている。
【0014】前記クレセントチェーンコンベア2の周囲には、図4に示すように予め寿司皿4の糸底の略中央部に設けられた凸部3に内蔵されている非接触IDタグ18から送信される各寿司皿に固有に付与された識別符号(ID)データを受信して、該識別符号(ID)を非接触にて読み取り可能とされた第2の読み取り手段としての読み取りユニット5が、図1に示すように所定間隔毎に設置されており、これら各読み取りユニット5は、図2R>2に示すように、前記制御コンピュータ6に接続されて、前記クレセントチェーンコンベア2上を搬送中の寿司皿を前記制御コンピュータ6が管理できるように構成されており、この制御コンピュータ6は、図1に示すように、クレセントチェーンコンベア2が通過する破線右側の厨房内部に設置されている。
【0015】次いで、本実施例において用いた貯留排出手段としての皿ストッカー10を、図3に基づき説明すると、皿ストッカー10には、4種類の絵柄の異なる寿司皿を個別に収容可能となるように、各種の寿司皿に対応した4つの収容箱11a〜dと、該収容箱11a〜dの下部に設けられて個々の収容箱11a〜dより排出された寿司皿4がスライドして取り出し部15’に搬送される搬送流路15と、前記取り出し部15’の下部位置に設けられ、排出、供給された寿司皿4の識別符号(ID)を非接触にて読み取り可能とされた読み取り手段としての読み取りユニット12が設けられている。
【0016】この読み取りユニット12は、図2に示すように、前記制御コンピュータ6に接続されていて、排出・供給された寿司皿の識別符号(ID)を照合することにより、その種別が間違いないかが判断されるとともに、該識別符号(ID)と後述する操作者である寿司職人により音声入力された寿司ネタの種別と、供給時間並びに調理者の氏名とが対応付けられて該制御コンピュータ6の寿司データベース(DB)に登録されるようになっている。
【0017】そして、前記収容箱11a〜dの内部には、図3に示すように、金額に対応する各種絵柄の寿司皿4、例えば本実施例では、収容箱11aには金額100円に対応する寿司皿が、収容箱11bには金額150円に対応する寿司皿が、同様に収容箱11cには200円、収容箱11dには300の寿司皿4が積み重ねられて収容され、該収容箱11a〜dの内部下方位置には、収容されている寿司皿4を前記制御コンピュータ6の指示に基づき1枚づつ前記搬送流路15へ排出する排出ユニット14が設けられており、各排出ユニット14は、図2に示すように前記制御コンピュータ6に接続されている。
【0018】また、前記収容箱11a〜dの前面は、開閉可能なカバー13にて覆われており、該カバー13を開けて寿司皿4を補充できるようになっているとともに、該収容箱11a〜dの内部には、寿司皿4が詰まりを生じることなく下方に移動するようにするためのガイドレール19が設けられている。
【0019】また、前記制御コンピュータ6には、操作者である寿司職人が身に付け可能とされたワイヤレスピンマイク17からの入力音声をFM波を介して受信可能な受信装置16が接続されており、寿司職人が前記ワイヤレスピンマイク17に入力した寿司ネタの入力音声、例えば「マグロ」が前記受信装置16を介して制御コンピュータ6に伝送され、該制御コンピュータ6により音声認識が実施されて寿司ネタの種別が判断されるようになっていて、前記ワイヤレスピンマイク17並びに受信装置16により音声入力手段が構成されている。
【0020】このように、寿司職人が装着可能なワイヤレスマイクを用いることは、寿司職人が接続コード等に煩わされることなく調理等の作業を実施できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音声入力手段として通常のコードにより接続されたマイクと等を用いるようにしても良い。
【0021】この本実施例において用いた制御コンピュータ6の構成は、図5に示すように、コンピュ−タ内部にてデ−タの送受を行うデ−タバス30に、後述する音声認識基板33にてテキスト化された認識データに基づき、入力された寿司ネタの種別を特定するとともに、該特定した寿司ネタの種別が該当する金額の寿司皿4の排出指示を前記皿ストッカー10に出力する皿供給処理や、前記読み取りユニット12から出力される供給された寿司皿のIDと前記にて認識した寿司ネタ並びにその際に時刻と職人名とを対応付けて寿司データベース(DB)に登録するとともに、前記クレセントチェーンコンベア2の周囲に設けた各読み取りユニット5からのIDデータに基づき、供給されて搬送中の寿司の管理処理を実施可能な制御手段としての中央演算処理装置(CPU)31や、該CPU31のワークメモリ等に使用されるRAM32や、前記受信装置16に接続されて操作者である寿司職人にて入力された寿司ネタの入力音声をテキストデータに変換して出力する音声認識処理を実施可能なデジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のデバイスが実装された音声認識手段である音声認識基板33や、供給されて搬送中の寿司の管理情報等が表示されるディスプレイ等の表示装置7や、キーボードやマウス等の入力装置36や、前記調理時間の登録に使用される現在の時刻情報や任意の年月日の曜日等のカレンダ−情報を出力可能なリアルタイムクロック(RTC)37や、前記各読み取りユニット5や読み取りユニット12並びに各排出ユニット14とのデータ通信を行うシリアル通信装置34や、磁気ディスクや光磁気ディスクから成り、前述CPU31が実施する皿供給処理や寿司の管理処理等の処理内容が記述された供給制御プログラムや寿司管理プログラムとともに、図6に示すように、前記皿ストッカー10より供給された寿司皿のIDと入力音声の認識により特定された寿司ネタの種別と価格並びにその際に時刻と職人名とが対応付けて登録されている寿司データベース(DB)が記憶されている記憶手段としての記憶装置35と、が接続された通常のコンピュータとされている。
【0022】また、本実施例において用いた各寿司皿4には、該寿司皿の種別、例えば100円の種別の絵柄の寿司皿には「A」から始まる「A-xxxxxx」のIDが付与され、該IDの「xxxxxx」の部分は、各種別の寿司皿において個別に付与されたシリアル番号とされていて、該IDを読み取ることで、寿司皿の種別(価格)とともに、同一種別の他の寿司皿との識別が可能とされており、これらIDが、前記非接触IDタグ18内部の不揮発性メモリに記憶されていて、該非接触IDタグ18が前記読み取りユニット5 ,12に近接することで、該読み取りユニット5 ,12より送出される電磁波により発生する誘導起電力により付勢されて前記記憶されているIDデータを電磁波を介して前記読み取りユニット5 ,12に非接触状態にて送信できるようになっている。
【0023】このように本実施例では、非接触IDタグ18を用いており、このように非接触にてIDデータを読み取るようにすることは、寿司皿4の損耗等を低減できるばかりか、電池等の交換が不要なことから寿司皿内部の密閉性を向上でき、洗浄や乾燥等にさらされる寿司皿4の耐久性を著しく向上できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらIDデータの読み取りを、図7に示すように寿司皿4’の外周側面にバーコード等の情報記録シンボルを連続的に形成して、寿司皿の回転してもどの角度からでも非接触にて前記情報記録シンボルを読み取るようにしても良い。
【0024】以下に本実施例の寿司皿提供装置の動作について説明すると、まず操作者である寿司職人は、予め前記制御コンピュータ6において自分の氏名を操作者として入力して飲食カウンタ1内部に入り、飲食客の要望やクレセントチェ−ンコンベア2上の寿司の状況等により調理する寿司ネタの種別を前記ワイヤレスピンマイク17に向けて音声にて入力、例えば「マグロ」を音声入力する。
【0025】該入力音声は、前記ワイヤレスピンマイク17より受信装置16に伝送され、前記制御コンピュータ6に搭載されている本発明の音声認識手段である前記音声認識基板33に入力される。
【0026】該入力音声は、音声認識基板33において前述のように音声認識処理によりテキストデータでに変換されて前記CPU31に出力される。
【0027】該テキストデータの出力に基づき、本発明の制御手段である前記CPU31は、テキストデータに該当する寿司ネタの種別が存在するかを比較、判断し、入力された寿司ネタの種別が「マグロ」であると判定し、該判定された寿司ネタの種別が該当する価格の寿司皿、具体的には前記のように寿司ネタの種別が「マグロ」である場合には、その価格は100円であることから100円の絵柄の種別「A」の寿司皿4が選定され、該100円の絵柄の種別「A」の寿司皿4の排出指示が前記収容箱11aに設けられている排出ユニット14に出力される。
【0028】この排出指示に基づき、収容箱11aに設けられている排出ユニット14により、100円の絵柄の種別「A」の寿司皿4が、1枚だけ前記搬送流路15に排出され、該搬送流路15上を流下して前記取り出し部15’に至り、該取り出し部15’においては、前記読み取りユニット12により該到達した100円の絵柄の種別「A」の寿司皿4のIDが読み取られて前記制御コンピュータ6に送信される。
【0029】該送信されてきた排出・提供された前記寿司皿4のIDは、その種別に誤りがないかが比較、確認され、誤りがある場合には前記読み取りユニット12に設けられている図示しない報知ブザーにより誤りが報知されるようになっている。
【0030】また、該IDは、前記にて特定された寿司ネタの種別である「マグロ」とともに、前記RTC37より出力されるその時点での時刻並びに操作者である職人の氏名とに対応付けて前記寿司データベース(DB)に図6に示すように登録される。
【0031】この取り出し部15’に排出・提供された前記100円の絵柄の種別「A」の寿司皿4には、職人により調理されたマグロの寿司が盛り付けられてクレセントチェ−ンコンベア2上へ投入、供給される。
【0032】これら供給された各寿司皿4のIDは、前記クレセントチェ−ンコンベア2の周囲位置に設置されている各読み取りユニット5によって読み取られ、読み取りがなされている寿司皿4の寿司は、前記クレセントチェ−ンコンベア2上に存在するものとして図6に示すように供給中の寿司として前記表示装置であるディスプレイ7に表示され、飲食客によりクレセントチェ−ンコンベア2より取り出された寿司皿4は、前記読み取りユニット5による読み取りがなされなくなることから、所定時間に渡って読み取りのないIDの寿司皿の登録が前記寿司DBより随時削除されていくことで、クレセントチェ−ンコンベア2上において供給されている寿司の管理を制御コンピュータ6が実施できるようになっている。
【0033】以上、図面を用いて本発明を説明してきたが、本発明はこれら各実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0034】例えば、前記実施例においては、循環搬送路としてクレセントチェ−ンコンベア2を使用しているが、本発明はこれに限定さえるものではなく、これら循環搬送路として、無端状に形成されたスライド板の下部を循環移動するマグネットに連動して前記スライド板の上部を飲食物容器である寿司皿が移動して搬送されるチェ−ンレスコンベア等のその他の搬送手段を用いるようにしても良い。
【0035】また、前記実施例では貯留排出手段として前述のような皿ストッカー10を使用しているが、本発明はこれに限定さえるものではなく、これら貯留排出手段としては、複数種の飲食物容器である寿司皿を貯留し、各種別の寿司皿を個別に排出・供給可能なものであれば任意の形態のものを使用することができる。
【0036】また、前記実施例において用いた音声認識では、入力音声をテキストに変換して寿司ネタの種別との比較を実施して寿司ネタの種別特定を実施しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば前記音声認識基板に予め操作者の各寿司ネタの入力音声を登録しておき、入力音声と登録音声との比較により寿司ネタの種別特定を実施するようにしても良く、これら音声認識の手法は使用するコンピュータの演算能力等に基づき適宜に選択すれば良い。
【0037】また、前記実施例では寿司皿4に付与されたIDを非接触にて読み取る読み取りユニット5,12を設けており、このようにすることで、提供された寿司皿の種別の誤りを検出できるとともに、前記クレセントチェ−ンコンベア2上において提供されている寿司の管理を実施できるようになることから好ましいが、本発明はこれに限定さえるものではない。
【0038】また、前記実施例では前記寿司皿のIDに対応付けて、登録時の時間と寿司職人名とを寿司データベース(DB)に登録しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら登録内容や管理内容を適宜に増減させることは任意とされる。
【0039】
【発明の効果】本発明は次の効果を奏する。
【0040】(a)請求項1の発明によれば、操作者である職人が、飲食物の種類、例えば寿司ネタの種別を音声にて入力することで、該入力した飲食物の種類である寿司ネタの種別に対応した種類の飲食物容器である寿司皿が排出、提供されるようになるため、盛り付けに伴う誤りを解消でき、よって飲食客との間のトラブルの発生や不利益の発生を回避することができる。
【0041】(b)請求項2の発明によれば、例えば前記貯留排出手段に誤って異なる種別の飲食物容器が収容されていて、該異なる種別の飲食物容器が排出・提供されたとしても、これら提供した飲食物容器の種別誤りを検出することができる。
【0042】(c)請求項3の発明によれば、これら記憶手段の記憶情報を、供給されている飲食物の種類や数量等の管理や、精算等に使用することができるようになる。
【0043】(d)請求項4の発明によれば、該第2の読み取り手段にて読みとられた識別符号と前記記憶手段に登録された登録情報とに基づき、前記循環搬送路上の飲食物の即時的管理を実施できる。
【0044】(e)請求項5の発明によれば、登録の時間が調理の時間とほぼ同一であることから、調理時間並びにその飲食物を調理した操作者を、適宜に把握・確認することができる。
【0045】(f)請求項6の発明によれば、読み取りにおける飲食物容器の損耗を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における飲食カウンタを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例において用いた飲食物容器提供装置である寿司皿提供装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例の寿司皿提供装置を構成する皿ストッカーを示す正面図である。
【図4】本発明の実施例において用いた非接触IDタグを内在する寿司皿を示す一部破断側面図である。
【図5】本発明の実施例の寿司皿提供装置を構成する制御コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例における制御コンピュータのディスプレイの表示例を示す図である。
【図7】その他の形態の寿司皿を示す側面図である。
【符号の説明】
1 飲食カウンタ
2 クレセントチェーンコンベア
3 凸部
4 寿司皿(飲食物容器)
4’ 寿司皿(飲食物容器)
5 読み取りユニット(第2の読み取り手段)
6 制御コンピュータ
7 ディスプレイ
10 皿ストッカー(貯留排出手段)
11a 収容箱
11b 収容箱
11c 収容箱
11d 収容箱
12 読み取りユニット(読み取り手段)
13 カバー
14 排出ユニット
15 搬送流路
15’ 取り出し部
16 受信装置(音声入力手段)
17 ワイヤレスピンマイク(音声入力手段)
18 非接触IDタグ
19 ガイドレール
30 データバス
31 中央演算処理装置(CPU;制御手段)
32 RAM
33 音声認識基板
34 シリアル通信装置
35 記憶装置(記憶手段)
36 入力装置
37 リアルタイムクロック(RTC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数種の飲食物容器を個別に貯留するとともに、該貯留されている各種の飲食物容器を個別に排出可能とされた貯留排出手段と、操作者の音声が入力可能な音声入力手段と、該入力音声が予め登録されているどの種類の飲食物であるかを認識する音声認識手段と、該音声認識手段にて認識された飲食物の種類に対応する飲食物容器の排出指示を前記貯留排出手段に出力する制御手段と、から成り、前記操作者により音声入力された飲食物に対応する飲食物容器を排出し、操作者に提供することを特徴とする飲食物容器提供装置。
【請求項2】 前記飲食物容器には、少なくとも飲食物容器の種別を識別可能な識別符号が読み取り可能に付与され、前記排出された飲食物容器の識別符号を読み取る読み取り手段を具備する請求項1に記載の飲食物容器提供装置。
【請求項3】 前記識別符号は飲食物容器毎に固有のものとされ、該識別符号と前記音声認識手段にて認識された飲食物の種類とを対応付けて登録する記憶手段を具備する飲食物容器提供装置。
【請求項4】 前記飲食物が載置或いは収容した飲食物容器が投入される無端状の循環搬送路上において、前記飲食物容器に付与された識別符号を読み取る第2の読み取り手段を具備する請求項3に記載の飲食物容器提供装置。
【請求項5】 前記記憶手段には、前記識別符号に対応付けて、登録の時間情報または操作者を識別可能な操作者情報の少なくとも一方を登録する請求項3または4に記載の飲食物容器提供装置。
【請求項6】 前記読み取り手段は、前記飲食物容器に付与された識別符号の読み取りを非接触状態にて実施可能とされている請求項2〜5のいずれかに記載の飲食物容器提供装置。

【図1】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2001−348109(P2001−348109A)
【公開日】平成13年12月18日(2001.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−173437(P2000−173437)
【出願日】平成12年6月9日(2000.6.9)
【出願人】(390010319)株式会社石野製作所 (85)
【Fターム(参考)】